【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラーレン製造装置より排出される高温の排ガスからフラーレン含有すす状物質を回収(捕集)する回収装置及びその回収方法に関する。なお、ここでフラーレンとは、C60、C70の他に、例えばC76、C78、C82、C84、C90、C96等の高次フラーレンも含まれる。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に記載のように、フラーレンは、ダイヤモンド、黒鉛に次ぐ第三の炭素同素体の総称であり、C60、C70等に代表されるように5員環と6員環のネットワークを有する閉じた中空殻状の炭素分子である。フラーレンの存在が最終的に確認されたのは比較的最近の1990年のことであり、比較的新しい炭素材料であるが、その特殊な分子構造ゆえに特異的な物理的性質を示すことが認められ、例えば、超硬材料への応用、医薬品への応用、超伝導材料への応用、半導体製造への応用等の広範囲な分野に渡り、革新的な用途開発が急速に展開されつつある。特に、フラーレンの中でもC60及びC70は比較的合成が容易であり、それゆえ今後の需要も爆発的に高まることが予想されている。
【0003】
フラーレンの製造方法としては、例えば、レーザ蒸着法、抵抗加熱法、アーク放電法、高周波誘導加熱法、燃焼法(例えば、特許文献2参照)、ナフタレン熱分解法等が提案されている。そして、いずれの方法においても、フラーレンはすす状物質中に含まれて生成される。従って、生成したフラーレンを回収するには、先ず、フラーレン含有すす状物質を回収することが必要となる。
特に、フラーレンを製造する上で最も安価で、効率的な製造方法の一つとして考えられている燃焼法では、フラーレン含有すす状物質は、フラーレン製造炉から排出される高温の排ガス(主成分は一酸化炭素ガスと水蒸気)中に浮遊している。このため、この高温の排ガス中からフラーレン含有すす状物質を分離するには、濾過エレメントが必要となる。
【0004】
【特許文献1】
特許第2802324号公報
【特許文献2】
特表平6−507879号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
濾過エレメントとしては、高温で使用するために、金属やセラミックスが最適と考えられるが、セラミックス製濾過エレメントは、通常比較的高価であり、更に、振動等の機械的衝撃や、温度変動に伴う熱的衝撃に対して破損し易いため極めて信頼性が低く、長期間にわたって安定して使用するという観点からは問題がある。また、セラミックス製濾過エレメントの洗浄や交換等の保守点検を考えても、セラミックス製濾過エレメントが機械的衝撃に弱いという特性を備えているため、洗浄や交換といった保守点検の作業性に劣るという問題を有している。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、長期間にわたって安定して使用可能なセラミックス製濾過エレメントを備えたフラーレン含有すす状物質の回収装置及びその回収方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置は、フラーレン製造装置より排出される高温の排ガス(燃焼ガス)からフラーレン含有すす状物質を捕集して回収する回収装置において、前記フラーレン含有すす状物質を一面側に付着させて捕集し前記排ガスを他面側に透過させる有底筒状のセラミックス製濾過エレメントを複数備えた回収装置本体と、前記各セラミックス製濾過エレメントの他面側から一面側に温度調節された逆洗用ガスを流通させる加熱ガス供給手段と、前記回収装置本体の下部に設けられ捕集した前記フラーレン含有すす状物質を貯留する粉体貯留槽とを有する。
【0007】
セラミックス製濾過エレメントを使用することにより、フラーレン含有すす状物質の捕集を高温下で長期にわたって安定して行うことができる。ここで、セラミックス製濾過エレメントの材質としては、例えば、アルミナ、シリカ、炭化硅素、コジェライト(2MgO・2Al2 O3 ・5SiO2 )、ジルコニア、又はこれらの複合材料等の高温下でも機械的性質の変化が少なく強度のある特性を有するセラミックスを使用することができる。
【0008】
各セラミックス製濾過エレメントの一面側に形成されるフラーレン含有すす状物質の付着層はセラミックス製濾過エレメントの一面側の表面に密着して形成されるため、容易には剥落しない。このため、排ガスの透過を停止させて他面側から一面側に向けて温度調節された逆洗用ガスを流通させることにより付着層とセラミックス製濾過エレメントとの間に剥離を生じさせて付着層の落下を誘発することができる。この際、逆洗用ガスの温度と回収装置本体内に流入する排ガスの温度(通常は、例えば、400〜600℃の範囲にある)との差は200℃以内とするのがよい。更に、好ましくは150℃以内、より好ましくは100℃以内、もっと好ましくは50℃以内とするのがよい。逆洗用ガスの温度と回収装置本体内に流入する排ガスの温度との差を小さくすることにより、逆洗時のセラミックス製濾過エレメントの温度変動を小さくすることができ、熱衝撃によるセラミックス製濾過エレメントの破損を防止することができる。
【0009】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記セラミックス製濾過エレメントの濾過流量能力が0.2m3 /m2 /分以上とし、例えば8m3 /m2 /分以下であることが好ましい。
ここで、濾過流量能力が0.2m3 /m2 /分未満の場合には、所定量のガスを流すために広大な濾過面積が必要となり、設備コストがかかるという問題がある。しかしながら、性能面では流速が遅い分フラーレン含有すす状物質の付着エネルギーが小さいため、逆洗時の効果が大きく濾過エレメント内への詰まりが少なく、連続運転が可能となるので、0.2m3 /m2 /分に近い値が好ましい。従って、濾過流量能力が0.2m3 /m2 /分以上6m3 /m2 /分以下とするのが更に好ましい。実際の設備の制限から小型化を図る場合には、濾過流量能力を1〜5m3 /m2 /分としてもよい。
【0010】
なお、濾過流量能力が8m3 /m2 /分を超える場合には、濾過面積は小さくなるが、流速が速い分だけ付着エネルギーが大きいため、逆洗浄のエネルギーも大きくする必要があり、大きなエネルギー(高い圧力)で逆洗を行っても濾過エレメントの回復が不可能の場合がある。なお、逆洗用ガス流量は、濾過流量より十分に大きいことが好ましい。
【0011】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記セラミックス製濾過エレメントの気孔率は20〜45%であることが好ましい。セラミックス製濾過エレメントの気孔率は20〜45%、好ましくは30〜40%にすることにより、濾材としての強度を確保して、効率的に回収が行える濾過流量能力を維持できる。
【0012】
なお、セラミックス製濾過エレメントを排ガスの流れに対して上流側(一面側)と下流側(他面側)に分けた場合、フラーレン含有すす状物質が付着する上流側のセラミックス組織は密(例えば、気孔率が20〜30%)とし、下流側のセラミックス組織を疎(例えば、気孔率が30〜40%)とすることもできる。これによって、目詰まりを少なくして、セラミックスの厚みを増して強度を高めることができる。また、セラミックス製濾過エレメントの内部に強度を増すための金属等からなる繊維、線材や網状物を配置することもできる。
【0013】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記回収装置本体には温度調節手段が設けられ、該回収装置本体の温度を20〜500℃(好ましくは20〜400℃、更に好ましくは50〜300℃)に調整することが好ましい。
フラーレン製造装置から排出される高温の排ガスには水蒸気が含まれている。このため、排ガス温度が低温になるなると水蒸気が凝縮してフラーレン含有すす状物質は湿潤状態となり、取り扱いが困難となる。このため、温度調節手段により回収装置本体の表面温度を20〜50℃以上とするのがよい。なお、回収装置本体の(表面)温度を500℃以下としたのは、経済性を考慮し、更には回収装置本体に著しい熱変形が生じることを防止するためである。なお、回収装置本体の温度を300℃以上とすると、排ガス中に含まれる未燃原料も液化せず気化状態を保持できる。従って、フラーレンの原料となる炭素含有化合物(例えば、ベンゼン、トルエン)の凝縮温度(液化温度)以上とするのが好ましい。特に、回収装置本体内に配置されているセラミックス製濾過エレメントの温度は、原料の凝縮温度以上で、捕集しようとするフラーレンの固化温度以下にしておくのがよい。
【0014】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記粉体貯留槽には前記フラーレン含有すす状物質の貯留量を検知する粉面計と、該粉面計の検知信号により前記フラーレン含有すす状物質を前記粉体貯留槽から排出する排出手段が設けられていることが好ましい。
粉面計を使用することにより、粉体貯留槽に貯留されたフラーレン含有すす状物質の貯留量を把握することができる。また、粉面計の検知信号を排出手段に入力して排出を行うことにより、フラーレン含有すす状物質の排出を計画的に行い、フラーレンの製造を連続的に行うことができる。
【0015】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記逆洗用ガスは非酸化性ガスであることが好ましい。
排ガス中には一酸化炭素ガスや水素ガスが含まれているため、高温の排ガスと酸素が混合すると一酸化炭素ガスが燃焼する恐れがある。このため、非酸化性ガスを使用して、一酸化炭素ガスの燃焼を防止する。なお、非酸化性ガスとしては、窒素ガス、不活性ガス、炭酸ガスが使用できる。
【0016】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記回収装置本体の内部には隔壁が設けられ、複数の前記セラミックス製濾過エレメントが複数の濾過エレメント群に分割されていることが好ましい。
隔壁を設けてセラミックス製濾過エレメントを複数の濾過エレメント群に分割することにより、フラーレン含有すす状物質の回収作業を濾過エレメント群単位で行い、他の濾過エレメント群に対してはすす状物質の回収(捕集)作業を継続して行うことができる。この場合、一部の濾過エレメント群の使用をその逆洗作業のために止めると、他の濾過エレメント群のガス通過速度は上昇し、すす状物質の付着エネルギーが高くなるので、逆洗浄時のすす状物質の払い落としが悪くなる。そこで、複数の濾過エレメントの分割数を多く(例えば、4分割以上)して、逆洗作業時の他の濾過エレメント群のガス通過速度を十分低くして、フラーレン製造装置に与える影響を小さくすると共に、濾過エレメントの目詰まりを防止するのがよい。
【0017】
第1の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置において、前記排ガスを前記セラミックス製濾過エレメントの外表面側から内表面側に向けて透過させる排ガス透過手段(排ガス吸引手段)が設けられていることが好ましい。
排ガスを各セラミックス製濾過エレメントの外表面側から内表面側に向けて積極的に透過させることにより、フラーレン含有すす状物質をセラミックス製濾過エレメントの外表面側に付着させることができる。
【0018】
前記目的に沿う第2の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収方法は、前記した発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置を用い、前記フラーレン含有すす状物質を前記各セラミックス製濾過エレメントの一面側に付着させて捕集し、前記回収装置本体内に流入する前記排ガスの温度との差を200℃以内(より好ましくは150℃、更に好ましくは100℃以内、もっと好ましくは50℃以内)に調整した前記逆洗用ガスを前記各セラミックス製濾過エレメントの他面側から一面側に流通させて、前記各セラミックス製濾過エレメントに付着しているフラーレン含有すす状物質を回収する。逆洗用ガスの温度と回収装置本体内に流入する排ガスの温度との差を小さくしているので、排ガスの透過を停止させて逆洗用ガスを流通させる際にセラミックス製濾過エレメントに生じる温度変動を小さくできる。その結果、熱衝撃によるセラミックス製濾過エレメントの破損を防止することができる。また、逆洗用ガスの昇温に燃焼排ガス(燃焼ガス)の熱を利用してもよい。
【0019】
そして、第3の発明に係るフラーレン含有すす状物質の回収方法は、フラーレン製造装置より排出される400〜800℃(より好ましくは、400〜550℃)の高温の排ガスから、セラミックス製濾過エレメントを介してフラーレン含有すす状物質を分離し、次いで、前記セラミックス製濾過エレメントに付着したフラーレン含有すす状物質は逆洗によって除去するフラーレン含有すす状物質の回収方法であって、前記逆洗に非酸化性で、しかも、前記排ガスの温度との差を200℃以内に調整した逆洗用ガスを使用している。
ここで、前記セラミックス製濾過エレメントは複数の群に分割され、一つの濾過エレメント群で逆洗作業を行うときには、残りの濾過エレメント群の全部又は一部で前記フラーレン含有すす状物質の捕集を行うのが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の一実施の形態に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置の概念構成図である。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置10は、フラーレン製造装置11から排出される高温の排ガス(燃焼ガス)からフラーレン含有すす状物質を付着させて捕集する複数のセラミックス製濾過エレメント12を備えた回収装置本体13と、回収装置本体13の下部に設けられ捕集したフラーレン含有すす状物質を貯留する粉体貯留槽14とを有している。以下、これらについて詳細に説明する。
【0021】
フラーレン製造装置11は、例えば、円筒形状の側壁部15と、側壁部15の上部側に接続されたドーム状の炉頂部16を備えた製造炉17を有している。側壁部15と炉頂部16は、例えばステンレス鋼等の耐熱性を有する材料で構成されており、その内周面側は、例えばアルミナ質の耐火煉瓦やアルミナ質の不定形耐火材等の耐火物でライニングされている。側壁部15の下端側には、例えば、ステンレス鋼等で形成されたバーナ部18が備えられ、バーナ部18には炭素含有化合物を吐出する複数の供給口と、酸素含有ガスを吐出する複数の供給口がそれぞれ設けられている。また、炉頂部16には、バーナ部18から供給された炭素含有化合物が酸素含有ガスの下で燃焼した際に生成するフラーレン含有すす状物質が浮遊している排ガスを製造炉17から外部に排出する排ガス導出管19が接続されている。なお、排ガス導出管19の外側には水等の冷媒を使用して排ガスの冷却を行う冷却手段の一例である冷却コイル20が設けられている。
【0022】
このような構成とすることにより、炭素含有化合物を燃焼させてフラーレンを含有したすす状物質を生成させると共に、このすす状物質が浮遊している高温の排ガスを製造炉17から排ガス導出管19を介して製造炉17の外部に排出することができる。また、排ガスは排ガス導出管19内を流通する際に徐々に冷却されて、例えば、製造炉17から排出された際に500〜1400℃の温度であった排ガスは、排ガス導出管19の出口側では200〜800℃(より好ましくは、350〜550℃)にまで冷却される。
【0023】
回収装置本体13は、例えば、ステンレス鋼等で構成されており、側部21と、端板部22を備えている。側部21の下部側には排ガス導出管19の出口側が接続される排ガス導入孔23が設けられている。また、側部21には、流入口aから熱媒体を流入させて流出口bから排出させることにより回収装置本体13の(表面)温度を調整する温度調節手段の一例である調温ジャケット24が設けられている。流通させる熱媒体の種類、温度、流量、圧力を調整することにより回収装置本体13の表面温度を20〜500℃(より好ましくは、20〜400℃、更に好ましくは50〜300℃)に調整できる。
【0024】
端板部22には、有底筒状のセラミックス製濾過エレメント12の基側の開口部側に設けられた接続部材25を外部に露出し底側のエレメント本体26側を回収装置本体13の内側に挿入するように複数のセラミックス製濾過エレメント12が取付けられている。更に、端板部22には、回収装置本体13の内側でエレメント本体26を複数の濾過エレメント群27に分割するように複数の隔壁28が設けられている。なお、隔壁28は、例えばステンレス鋼等の耐熱鋼で作製することができるが、隔壁28に適当な温度に保持する熱媒や冷媒を流すジャケット等の冷却手段(又は、保温手段)を設けてもよい。
【0025】
接続部材25は、例えばステンレス鋼等で作製されており、接続部材25にはセラミックス製濾過エレメント12の外表面側(一面側)から内表面側(他面側)に向けて排ガスを透過させる排ガス透過手段29との接続口30と、セラミックス製濾過エレメント12の内表面側から外表面側に温度調節した非酸化性ガスの一例である窒素ガスを逆洗用に流通させる加熱ガス供給手段31との接続口32が設けられている。セラミックス製濾過エレメント12のエレメント本体26は、例えば、アルミナ、シリカ、炭化硅素、ジルコニア、コジェライト等の高温下でも機械的性質の変化が少ない特性を有するセラミックスを用いて、気孔率が20〜45%となるように作製されている。
【0026】
セラミックス製濾過エレメント12の気孔率を20〜45%の範囲に調整することにより、濾材としての強度を確保して、濾過流量能力を0.2m3 /m2 /分以上、中でも1.5〜8m3 /m2 /分、より好ましくは1.5〜4m3 /m2 /分とすることができる。なお、実際の濾過流量能力は、セラミックス製濾過エレメント12の厚み(例えば、2〜20mm)、入口側と出口側の圧力差(1〜5kPa、好ましくは0.3〜3kPa、更に好ましくは0.6〜1.0kPa)によって左右されるので、これらも合わせて調整することになる。そして、セラミックス製濾過エレメント12の一つの通気孔は粉状に固化したフラーレン含有すす状物質を上流側(1面側)のセラミックス組織(表面層)が通過させないことが原則である。
【0027】
排ガス透過手段29は、各セラミックス製濾過エレメント12の接続部材25に設けられた接続口30に一端側が接続された排出配管33と、排出配管33に設けられた開閉バルブ34と、排出配管33の他端側が接続された排気ポンプ(真空ポンプ)35を有している。
このような構成とすることにより、排ガス透過手段29を運転すると、フラーレン含有すす状物質が浮遊している排ガスを製造炉17から排ガス導出管19を介して回収装置本体13の排ガス導入孔23から回収装置本体13内に流入させることができる。
【0028】
そして、流入させた排ガスをセラミックス製濾過エレメント12のエレメント本体26の外表面側から内表面側に透過させて、接続部材25を介して排出配管33を経由し、排気ポンプ35の出口から排出することができる。その結果、排ガス中に浮遊しているフラーレン含有すす状物質はエレメント本体26の外表面側に付着して捕集される。なお、回収装置本体13の表面温度は20〜500℃の適当な温度に調整されているので、排ガス中に含まれる水蒸気が凝縮することなくセラミックス製濾過エレメント12を通過していく。なお、排ガスの温度を300℃以上500℃以下とすることによって、未燃の原料の液化も防止でき、低分子のフラーレンも固化される。このため、エレメント本体26の外表面側に付着しているフラーレン含有すす状物質が湿潤状態になることはない。
【0029】
加熱ガス供給手段31は、各セラミックス製濾過エレメント12の接続部材25に設けられた接続口32に一端側が接続された導入配管36と、導入配管36に設けられた開閉バルブ37と、導入配管36の他端側が接続されたガス加熱手段38と、ガス加熱手段38に逆洗用ガスタンク39に貯蔵されている窒素ガスを供給するガス加圧機40を有している。なお、ガス加熱手段38は炉であってもよいし、熱媒で加熱するものであってもよい。
【0030】
このような構成とすることにより、開閉バルブ37を開けてガス加圧機40及びガス加熱手段38を運転すると、逆洗用ガスタンク39に貯蔵している窒素ガスを加熱して導入配管36を介してセラミックス製濾過エレメント12に供給でき、エレメント本体26の内表面側から外表面側に透過させて逆洗を行うことができる。その結果、エレメント本体26の外表面側に付着したフラーレン含有すす状物質を剥落させて回収することができる。なお、逆洗用ガスの窒素ガスは、回収装置本体13内に流入する排ガスの温度との差が200℃以内、好ましくは150℃以内、より好ましくは100℃以内、更に好ましくは50℃以内となるようにガス加熱手段38で予め加熱してから供給できるので、逆洗時のエレメント本体26に生じる温度変動及び熱応力を小さくできる。
【0031】
粉体貯留槽14は、貯留槽本体41と、貯留槽本体41の下部に設けられた自動排出バルブ42を介して接続している排出手段43を有している。
貯留槽本体41は、例えば、ステンレス鋼等で構成されており、その外周側には、流入口cから熱媒体を流入させて流出口dから排出させることにより貯留槽本体41の表面温度を調整する調温ジャケット44が設けられている。流通させる熱媒体の種類、温度、流量、圧力を調整することにより、貯留槽本体41の表面温度を、回収装置本体13の側部21と同一温度(例えば、20〜500℃、より好ましくは200〜400℃)に調整できる。また、貯留槽本体41には、粉面計の一例である熱電対45が設けられている。
【0032】
このような構成とすることにより、エレメント本体26の外表面側から剥落させて回収したフラーレン含有すす状物質を、湿潤させないで貯留することができる。加熱ガス供給手段31を使用してエレメント本体26の外表面側に付着しているフラーレン含有すす状物質の剥落を順次行っていくと、貯留槽本体41内のフラーレン含有すす状物質のレベルは徐々に上昇して、熱電対45はフラーレン含有すす状物質で埋設される状態となる。このため、熱電対45で検出される温度に変化が生じる。そこで、熱電対45で貯留槽本体41内の温度を常時検出することにより、検出される温度の変化から、貯留槽本体41内のフラーレン含有すす状物質のレベル(貯留量)を検知することができる。
【0033】
排出手段43は、自動排出バルブ42に接続した保留槽46と、自動開閉バルブ47を介して保留槽46に接続した回収ボックス48と、保留槽46、回収ボックス48内の圧力を調整する排気ポンプ49と、自動排出バルブ42及び自動開閉バルブ47の開閉動作、並びに排気ポンプ49の運転を制御する制御部50とを有している。保留槽46は、例えば、ステンレス鋼で作製することができ、排気配管51を介して排気ポンプ49に接続されている。排気配管51には上流側から順に圧力ゲージ52、自動開閉バルブ53が設けられている。回収ボックス48は 例えば、ステンレス鋼で作製することができ、排気配管54を介して排気ポンプ49に接続されている。また、排気配管54には自動開閉バルブ55が設けられている。
【0034】
ここで、制御部50としては、例えば、シーケンスコントローラを使用することができる。そして、制御部50には熱電対45の出力信号及び圧力ゲージ52の出力信号が入力され、制御部50からは自動排出バルブ42、自動開閉バルブ47、53、55に開閉信号が出力されている。なお、保留槽46と回収ボックス48には、それぞれ窒素ガスを供給する図示しないガス供給配管が設けられている。
このような構成とすることにより、貯留槽本体41内に貯留されているフラーレン含有すす状物質の貯留レベルが所定のレベルに達したことを検知し、保留槽46、回収ボックス48内の圧力を回収装置本体13内の圧力と同一値に調整して、回収装置本体13側で行う排ガス中のフラーレン含有すす状物質の捕集作業と並行させて貯留槽本体41内に貯留されているフラーレン含有すす状物質を保留槽46内に移動させることができる。更に、保留槽46内に移動させたフラーレン含有すす状物質を、回収ボックス48内に移動させることができる。
【0035】
続いて、本発明の一実施の形態に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置10を適用したフラーレン含有すす状物質の回収方法について説明する。
先ず、自動排出バルブ42、自動開閉バルブ47、53、55、開閉バルブ37を閉じ、開閉バルブ34を開けて排気ポンプ35を運転し、製造炉17内を減圧状態にする。運転開始前では、回収装置本体13内及び貯留槽本体41内の温度はいずれも100℃未満であるため、側部21に設けられた調温ジャケット24の流入口aから水蒸気を流入させ流出口bから排出させて回収装置本体13の表面温度を、例えば200℃に調整し、貯留槽本体41に設けられた調温ジャケット44の流入口cから水蒸気を流入させ流出口dから排出させて貯留槽本体41の表面温度を、例えば200℃に調整する。一方、排ガス導出管19の外側に設けられた冷却コイル20には水を流通させて、排ガス導出管19を冷却する。
【0036】
製造炉17のバーナ部18に炭素含有化合物の一例であるトルエンと、酸素含有ガスの一例である酸素とアルゴンの混合ガスを供給し、燃焼させてフラーレンを含有しているすす状物質を生成させる。生成したフラーレン含有すす状物質は、同時に発生した排ガス(主成分は一酸化炭素ガス、水蒸気)中に浮遊した状態で、炉頂部16に接続された排ガス導出管19を経由して、排ガス導入孔23から回収装置本体13内に流入する。なお、排ガスは排ガス導出管19内を移動中に徐々に冷却され、例えば、排ガス導出管19に流入する際に1400℃であった排ガスの温度は、回収装置本体13内に流入する際には600℃にまで冷却され、セラミックス製濾過エレメントを通過する排ガスは、約500℃近傍となっている。
【0037】
回収装置本体13内に流入した排ガスは、回収装置本体13内に設けられた隔壁28により流れが分岐され、各濾過エレメント群27に対して均等に流入する。濾過エレメント群27を構成している各セラミックス製濾過エレメント12では、エレメント本体26の外表面側から内表面側に向けて排ガスが透過するので、排ガス中に浮遊しているフラーレン含有すす状物質はエレメント本体26の外表面側に付着して捕集される。一方、エレメント本体26の内表面側に達した排ガスは、接続部材25に接続された排出配管33を経由して排気ポンプ35の出口から排出される。
【0038】
回収装置本体13内への排ガスの流入が続くと、回収装置本体13の温度は徐々に上昇していく。このため、回収装置本体13の外側表面温度が200℃となるように、調温ジャケット24の流入口aから流入する水蒸気の温度を徐々に低下させる。回収装置本体13内には600℃の排ガスが流入するので、最終的には調温ジャケット24の流入口aからは水を流入させて、回収装置本体13を冷却しその外側表面温度を200℃に保つ。また、貯留槽本体41の表面温度も、徐々に上昇していくので、調温ジャケット44の流入口cから流入する水蒸気の温度を徐々に低下させ、最終的には調温ジャケット44の流入口cからは水を流入させて貯留槽本体41を冷却し、その表面温度を200℃に保つ。
【0039】
所定時間排ガスを流通させた後、各濾過エレメント群27毎に所属する各エレメント本体26の外表面側に付着したフラーレン含有すす状物質の回収作業を行う。先ず、逆洗用ガスタンク39より窒素ガスをガス加圧機40に導入して所定のガス圧力(例えば、0.001〜0.1MPa)まで加圧する。更に、ガス加熱手段38で、実測されたセラミックス製濾過エレメント38の温度に近い温度まで加熱する。次いで、回収作業を行う濾過エレメント群27に所属する各セラミックス製濾過エレメント12の接続部材25の接続口30に接続された排出配管33の各開閉バルブ34を全て閉じる。そして、接続口32に接続された導入配管36に設けられた各開閉バルブ37を開けると、加熱された窒素ガスが接続部材25を介してエレメント本体26の内側に流入する。
【0040】
この窒素ガスは、エレメント本体26の内表面側から外表面側に流出し、その際、外表面側に形成されているフラーレン含有すす状物質の付着層を浮き上がらせて剥落させる。なお、流出した窒素ガスは排ガス中に混入し、フラーレン含有すす状物質の捕集作業を行っている他の濾過エレメント群27に所属するエレメント本体26を透過し、排気ポンプ35の出口から排出される。所定時間窒素ガスを流出させて回収作業が終了すると、開閉バルブ37を閉じガス加熱手段38及びガス加圧機40の運転を停止させて、開閉バルブ34を開ける。開閉バルブ34を開けることにより、回収作業の終了した濾過エレメント群27でのフラーレン含有すす状物質の捕集作業が再開される。
【0041】
次に、残りの各濾過エレメント群27に対して、上記と同様の作業を順次行ない各エレメント本体26の外表面側に付着したフラーレン含有すす状物質の回収作業を行っていく。なお、一つの濾過エレメント群27で逆洗作業を行なうときには、残りの濾過エレメント群27の全部で捕集作業を行なってもよいし、一部で行なってもよい。
剥落させて回収したフラーレン含有すす状物質は、貯留槽本体41内に貯留されていく。貯留槽本体41に設けられている熱電対45は、当初、貯留槽本体41内を流通している排ガスの温度を検出しているが、フラーレン含有すす状物質の貯留量が徐々に増えて熱電対45がフラーレン含有すす状物質で埋設される状態になると、熱電対45はフラーレン含有すす状物質の温度を検出することになり、検出される温度に変化が生じる。この温度変化が制御部50に入力されると、制御部50は貯留槽本体41内に所定量のフラーレン含有すす状物質が貯留されたと判断する。
【0042】
所定量のフラーレン含有すす状物質が貯留されていることを検知した制御部50は、排気ポンプ49を運転し、自動開閉バルブ53を開けて保留槽46内を排気する。このとき、保留槽46内に空気等の酸素含有ガスが存在している場合は、図示しないガス供給配管から窒素ガスを流入させてガス置換を行ってから排気する。保留槽46内の圧力を圧力ゲージ52で検知しながら回収装置本体13内と同一の圧力となるまで排気を行ない、保留槽46内が回収装置本体13内と同一の圧力になった時点で自動開閉バルブ53を閉じて排気を停止する。次いで、制御部50から自動排出バルブ42の開信号が出力され、自動排出バルブ42が開いてフラーレン含有すす状物質を保留槽46内に移動させる。所定時間経過後に制御部50から自動排出バルブ42の閉信号が出力され、自動排出バルブ42は閉じる。
【0043】
自動排出バルブ42が閉じられたことが確認されると、制御部50から自動開閉バルブ55の開信号が出力され、回収ボックス48内の排気が行われる。このとき、回収ボックス48内に空気等の酸素含有ガスが存在している場合は、図示しないガス供給配管から窒素ガスを流入させてガス置換を行ってから排気する。図示しない圧力ゲージにより回収ボックス48内の圧力が保留槽46よりも減圧状態になったことが確認されると、制御部50は自動開閉バルブ55の閉信号を出力して自動開閉バルブ55を閉じる。自動開閉バルブ55が閉じられたことが制御部50で確認されると、自動開閉バルブ47の開信号が制御部50から出力され、自動開閉バルブ47が開いて保留槽46内のフラーレン含有すす状物質は回収ボックス48内に移動する。所定時間経過後に制御部50から自動排出バルブ47の閉信号が出力され、自動開閉バルブ47は閉じる。次いで、図示しないガス供給配管から窒素ガスを回収ボックス48内に流入させて、内部を大気圧と同圧にして封じる。その後、回収ボックス48を自動開閉バルブ47から切り離して、フラーレン含有すす状物質の処理工程に移動する。
【0044】
【実施例】
続いて、図1に示すようなフラーレン含有すす状物質の回収装置10を使用して、本発明の作用、効果を確認するために行った実施例について説明する。
実施例に使用したセラミックス製濾過エレメント12は、外径65mm、長さ2500mmの有底円筒状でアルミナ製のものを使用し、その厚みは6mmであった。空気流量0.1L/cm2 /分に対して約0.3〜0.6kPaの圧損となるように、そのアルミナの粉末粒度構成及び気孔率(約25〜30%)を調整したものを使用した。このセラミックス製濾過エレメント12を一つの装置で78本使用し、これを6分割して各濾過エレメント群27に分割した。
【0045】
各濾過エレメント群27の内側には圧力センサーが設けられ、回収装置本体13内でセラミックス製濾過エレメント12の外側に設けられた圧力センサーとの差圧が1.0〜1.5kPa(逆洗開始圧力)を超えた場合、他の濾過エレメント群27が逆洗作業を行っていないことを条件にして、開閉バルブ37を作動させて該当する濾過エレメント群27の逆洗作業(セラミックス製濾過エレメント12の内側から外に向けて圧力0.4MPaの窒素ガスを流す作業)を行った。この場合、窒素ガスの温度はセラミックス製濾過エレメント12の温度に近づけて約300〜450℃にガス加熱手段38によって加熱している。逆洗作業の時間は、例えば約0.5〜10秒程度とした。この場合、開閉バルブ37をオンオフしてパルス状の圧力を各セラミックス製濾過エレメント12内にかけるようにしてもよい。複数の濾過エレメント群27の圧力が同時に又は少しの時間を置いて逆洗開始圧力を超えた場合には、先にオンになった濾過エレメント群27、前回先に逆洗を行った濾過エレメント群27を選択して逆洗を行い、この濾過エレメント群27の逆洗作業が終わった後に、次の濾過エレメント群27の逆洗作業をするようにプログラムが設定されている。
【0046】
実施例における導入配管36内のガス流量は40Nm3 /時間で、そのガス温度は450℃であった。この時、回収装置本体13内でセラミックス製濾過エレメント12の外側の圧力は4.6kPaであった。
これによって、フラーレン含有すす状物質が各セラミックス製濾過エレメント12の外側表面に付着し濾過が行われる。いずれかの濾過エレメント群27の内外の圧力が、逆洗開始圧力を超えた場合には、前記した逆洗作業を行う。逆洗作業が完了した後の、濾過エレメント群27の内外の圧力差は、0.45kPaであり、逆洗時の圧力差は1.2kPaであった。
以上の作業を繰り返して、120時間に125kgのフラーレン含有すす状物質を回収(捕集)した。セラミックス製濾過エレメント12の外側にはすす等の付着はなく、連続的に操業ができた。
【0047】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、粉面計に熱電対を使用したが、振動体がフラーレン含有すす状物質で埋設された際に振動数変化を検出する振動型の粉面計又は静電容量の変化を計測する静電容量型を使用することも可能である。また、排ガスの排出配管及び逆洗用ガスの導入配管を各セラミックス製濾過エレメント毎に設けたが、濾過エレメント群に属する各セラミックス製濾過エレメントの接続部材を集合させて濾過エレメント群毎にそれぞれ設けることもできる。また、有底筒状のセラミックス製濾過エレメントを使用したが、筒状のセラミックスの両端よりガスが流れ真空ポンプに行く構造を採用してもよい。更に、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記した実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のフラーレン含有すす状物質の回収装置及びその回収方法を構成する場合にも本発明は適用される。
【0048】
【発明の効果】
請求項1〜10記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、回収装置は、フラーレン含有すす状物質を一面側に付着させて捕集し排ガスを他面側に透過させる有底筒状のセラミックス製濾過エレメントを複数備えた回収装置本体と、各セラミックス製濾過エレメントの他面側から一面側に温度調節された逆洗用ガスを流通させる加熱ガス供給手段と、回収装置本体の下部に設けられ捕集したフラーレン含有すす状物質を貯留する粉体貯留槽とを有するので、セラミックス製濾過エレメントを長期にわたって安定して使用することができ、フラーレン含有すす状物質の捕集及び回収を低コストで行うことが可能となる。
【0049】
特に、請求項2記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、セラミックス製濾過エレメントの濾過流量能力が0.2m3 /m2 /分以上であるので、セラミックス製濾過エレメントをある程度小型にでき、装置自体の製造コストを下げることができると共に、排ガス中に含まれているフラーレン含有すす状物質もセラミックス製濾過エレメントの表面に安定して捕捉できる。
そして、請求項3記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、セラミックス製濾過エレメントの濾過流量能力を8m3 /m2 /分以下としているので、フラーレン含有すす状物質がセラミックス製濾過エレメント内に深く進入することがなくなり、結果として、逆洗によって容易にフラーレン含有すす状物質を回収できる。
【0050】
請求項4記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、セラミックス製濾過エレメントの気孔率は20〜45%であるので、濾材としての強度と濾過流量能力を確保することができ、セラミックス製濾過エレメントを長期にわたって安定して使用することが可能となる。
【0051】
請求項5記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、回収装置本体には温度調節手段が設けられ、回収装置本体の表面温度を20〜500℃に調整するので、貯留中のフラーレン含有すす状物質が湿潤状態となるのを防止でき、フラーレン含有すす状物質の捕集及び回収の各作業を効率的に行うことが可能となる。
【0052】
請求項6記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、粉体貯留槽にはフラーレン含有すす状物質の貯留量を検知する粉面計と、粉面計の検知信号によりフラーレン含有すす状物質を粉体貯留槽から排出する排出手段が設けられているので、フラーレン含有すす状物質の排出を計画的に行うことができ、フラーレン含有すす状物質の後処理工程の管理が容易となる。
【0053】
請求項7記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、逆洗用ガスは非酸化性ガスであるので、フラーレンの製造及びフラーレン含有すす状物質の捕集に影響を与えないで逆洗を行うことができる。その結果、セラミックス製濾過エレメントの濾過流量能力を維持することが可能となる。
【0054】
請求項8記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、回収装置本体の内部には隔壁が設けられ、複数のセラミックス製濾過エレメントが複数の濾過エレメント群に分割されているので、セラミックス製濾過エレメントに付着したフラーレン含有すす状物質の回収と、セラミックス製濾過エレメントによるフラーレン含有すす状物質の捕集を並行して行うことができ、フラーレン製造装置を連続運転しながらフラーレン含有すす状物質の捕集と回収を効率的に行うことが可能となる。
【0055】
請求項9記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、排ガスをセラミックス製濾過エレメントの外表面側から内表面側に向けて透過させる排ガス透過手段が設けられているので、フラーレン含有すす状物質をセラミックス製濾過エレメントの外表面側に積極的に付着させることができ、フラーレン含有すす状物質の回収やセラミックス製濾過エレメントのメンテナンスにおける作業性を向上させることが可能となる。
【0056】
請求項10記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、セラミックス製濾過エレメントは、すす状物質が付着する側のセラミックス組織は密となって、濾過された排ガスが排出される側のセラミックス組織は疎となっているので、セラミックス製濾過エレメントの目詰まりを極力防止しながら、セラミックス製濾過エレメントの強度を確保できる。
請求項11記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置においては、フラーレン含有すす状物質の回収にセラミックス製濾過エレメントを使用しているので、濾過エレメントが高温に耐え、しかも長期の寿命を有する。
【0057】
請求項12記載のフラーレン含有すす状物質の回収方法においては、請求項1〜10のいずれか1項に記載のフラーレン含有すす状物質の回収装置を用い、フラーレン含有すす状物質を各セラミックス製濾過エレメントの一面側に付着させて捕集し、回収装置本体内に流入する排ガスの温度との差を200℃以内に調整した逆洗用ガスを各セラミックス製濾過エレメントの他面側から一面側に流通させて、各セラミックス製濾過エレメントに付着しているフラーレン含有すす状物質を回収するので、フラーレン製造装置を連続運転しながらフラーレン含有すす状物質の回収を効率的に行うことが可能となる。
【0058】
請求項13、14記載のフラーレン含有すす状物質の回収方法は、逆洗に使用するガスに非酸化性で、しかも、排ガスの温度との差を200℃以内に調整した逆洗用ガスを使用しているので、排ガスの再燃焼が発生することなく安全に操業が行えると共に、セラミックス製濾過エレメントに温度差に起因する大きな熱応力がかからず、結果として長期の寿命を有するフラーレン含有すす状物質の回収ができる。
特に、請求項14記載のフラーレン含有すす状物質の回収方法においては、セラミックス製濾過エレメントは複数の群に分割され、一つの濾過エレメント群で逆洗作業を行うときには、残りの濾過エレメント群の全部又は一部でフラーレン含有すす状物質の捕集を行っているので、フラーレン製造装置の連続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るフラーレン含有すす状物質の回収装置の概念構成図である。
【符号の説明】
10:フラーレン含有すす状物質の回収装置、11:フラーレン製造装置、12:セラミックス製濾過エレメント、13:回収装置本体、14:粉体貯留槽、15:側壁部、16:炉頂部、17:製造炉、18:バーナ部、19:排ガス導出管、20:冷却コイル、21:側部、22:端板部、23:排ガス導入孔、24:調温ジャケット、25:接続部材、26:エレメント本体、27:濾過エレメント群、28:隔壁、29:排ガス透過手段、30:接続口、31:加熱ガス供給手段、32:接続口、33:排出配管、34:開閉バルブ、35:排気ポンプ、36:導入配管、37:開閉バルブ、38:ガス加熱手段、39:逆洗用ガスタンク、40:ガス加圧機、41:貯留槽本体、42:自動排出バルブ、43:排出手段、44:調温ジャケット、45:熱電対、46:保留槽、47:自動開閉バルブ、48:回収ボックス、49:排気ポンプ、50:制御部、51:排気配管、52:圧力ゲージ、53:自動開閉バルブ、54:排気配管、55:自動開閉バルブ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a recovery apparatus and a recovery method for recovering (collecting) fullerene-containing soot-like substances from high-temperature exhaust gas discharged from a fullerene production apparatus. Here, fullerene is C 60 , C 70 Other than C 76 , C 78 , C 82 , C 84 , C 90 , C 96 And other higher fullerenes.
[0002]
[Prior art]
As described in Patent Document 1, fullerene is a general term for a third carbon allotrope next to diamond and graphite, and C 60 , C 70 And the like are closed hollow shell-shaped carbon molecules having a network of five-membered rings and six-membered rings. The existence of fullerene was finally confirmed in the relatively recent 1990, a relatively new carbon material, which was found to exhibit specific physical properties due to its special molecular structure. For example, innovative application development is being rapidly developed over a wide range of fields such as application to superhard materials, application to pharmaceuticals, application to superconducting materials, and application to semiconductor production. In particular, among fullerenes, C 60 And C 70 Is relatively easy to synthesize, and it is expected that future demand will explode.
[0003]
As a method for producing fullerene, for example, a laser vapor deposition method, a resistance heating method, an arc discharge method, a high-frequency induction heating method, a combustion method (for example, see Patent Document 2), a naphthalene thermal decomposition method, and the like have been proposed. In any of the methods, fullerene is generated by being contained in the soot-like substance. Therefore, in order to recover the generated fullerene, it is necessary to first recover the fullerene-containing soot-like substance.
In particular, in the combustion method, which is considered as one of the cheapest and efficient production methods for producing fullerenes, the soot-like material containing fullerenes emits high-temperature exhaust gas discharged from a fullerene production furnace (main component is Suspended in carbon monoxide gas and water vapor). Therefore, in order to separate the fullerene-containing soot-like substance from the high-temperature exhaust gas, a filtration element is required.
[0004]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 2802324
[Patent Document 2]
Japanese Patent Publication No. 6-507879
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Metals and ceramics are considered optimal for use at high temperatures as filter elements.However, ceramic filter elements are usually relatively expensive, and furthermore, mechanical shocks such as vibration and thermal fluctuations due to temperature fluctuations. It is very low in reliability because it is easily damaged by mechanical impact, and there is a problem from the viewpoint of stable use over a long period of time. Also, even when considering maintenance and inspection such as cleaning and replacement of ceramic filtration elements, the workability of maintenance and inspection such as cleaning and replacement is inferior because ceramic filtration elements have the property of being vulnerable to mechanical shock. have.
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus and a method for recovering the fullerene-containing soot-like substance having a ceramic filtration element that can be used stably for a long period of time.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
A fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to a first aspect of the present invention which captures fullerene-containing soot-like substances from high-temperature exhaust gas (combustion gas) discharged from a fullerene production apparatus is provided. A collecting device body provided with a plurality of bottomed cylindrical ceramic filter elements for adhering and collecting the fullerene-containing soot-like substance on one side and transmitting the exhaust gas to the other side, and each of the ceramic filter elements Heating gas supply means for flowing backwash gas whose temperature has been adjusted from the other surface side to the one surface side, and a powder storage tank provided at the lower portion of the recovery device main body for storing the collected fullerene-containing soot-like substance And
[0007]
By using the ceramic filtration element, the fullerene-containing soot-like substance can be stably collected at a high temperature for a long period of time. Here, as the material of the ceramic filtering element, for example, alumina, silica, silicon carbide, cordierite (2MgO.2Al 2 O 3 ・ 5SiO 2 ), Zirconia, or a composite material of these materials, such as ceramics, which has a small change in mechanical properties even at high temperatures and has strong properties.
[0008]
Since the fullerene-containing soot-like substance adhering layer formed on one surface of each ceramic filter element is formed in close contact with the surface on one surface of the ceramic filter element, it does not easily peel off. For this reason, the permeation of the exhaust gas is stopped, and the backwash gas whose temperature has been adjusted is circulated from the other surface side to the one surface side, thereby causing separation between the adhesion layer and the ceramic filtration element, thereby causing the adhesion layer. Can trigger a fall. At this time, the difference between the temperature of the backwash gas and the temperature of the exhaust gas flowing into the main body of the recovery device (usually, for example, in the range of 400 to 600 ° C.) is preferably within 200 ° C. Further, the temperature is preferably within 150 ° C., more preferably within 100 ° C., and even more preferably within 50 ° C. By reducing the difference between the temperature of the backwash gas and the temperature of the exhaust gas flowing into the body of the recovery device, the temperature fluctuation of the ceramic filter element during backwash can be reduced, and the ceramic filter due to thermal shock can be reduced. Element breakage can be prevented.
[0009]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to the first invention, the filtration rate of the ceramic filtration element is 0.2 m. 3 / M 2 / Min or more, for example, 8 m 3 / M 2 / Min or less.
Here, the filtration flow capacity is 0.2 m 3 / M 2 When the flow rate is less than / min, a large filtration area is required to flow a predetermined amount of gas, and there is a problem that equipment cost is increased. However, in terms of performance, since the flow rate is low, the adhering energy of the fullerene-containing soot-like substance is small, so the effect at the time of backwashing is large, the clogging in the filtration element is small, and continuous operation is possible. 3 / M 2 / Min is preferred. Therefore, the filtration flow capacity is 0.2 m 3 / M 2 / M more than 6m 3 / M 2 / Min or less is more preferable. In the case of miniaturization due to the limitation of actual equipment, the filtration flow capacity should be 1 to 5 m. 3 / M 2 / Min.
[0010]
In addition, filtration flow capacity is 8m 3 / M 2 When the flow rate exceeds / min, the filtration area is small, but the adhesion energy is large due to the high flow rate, so the backwashing energy also needs to be increased. Recovery of the filtration element may not be possible. In addition, it is preferable that the backwash gas flow rate is sufficiently larger than the filtration flow rate.
[0011]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to the first invention, it is preferable that the porosity of the ceramic filtration element is 20 to 45%. By setting the porosity of the ceramic filter element to 20% to 45%, preferably 30% to 40%, the strength as a filter medium can be ensured, and the filtration flow capacity that enables efficient recovery can be maintained.
[0012]
When the ceramic filtration element is divided into an upstream side (one side) and a downstream side (the other side) with respect to the flow of the exhaust gas, the ceramic structure on the upstream side to which the fullerene-containing soot-like substance adheres is dense (for example, The porosity may be 20 to 30%, and the ceramic structure on the downstream side may be sparse (for example, the porosity is 30 to 40%). As a result, clogging can be reduced, the thickness of the ceramics can be increased, and the strength can be increased. Further, fibers, wires or meshes made of metal or the like for increasing the strength can be arranged inside the ceramic filter element.
[0013]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to the first invention, the recovery device main body is provided with a temperature adjusting means, and the temperature of the recovery device main body is set to 20 to 500 ° C (preferably 20 to 400 ° C, more preferably). Is preferably adjusted to 50 to 300 ° C.).
The high-temperature exhaust gas discharged from the fullerene production device contains water vapor. For this reason, when the temperature of the exhaust gas becomes low, water vapor condenses and the fullerene-containing soot-like substance is in a wet state, which makes handling difficult. For this reason, it is preferable that the surface temperature of the main body of the recovery device is set to 20 to 50 ° C. or more by the temperature control means. The reason why the (surface) temperature of the main body of the recovery apparatus is set to 500 ° C. or lower is in consideration of economy, and further, to prevent significant thermal deformation of the main body of the recovery apparatus. When the temperature of the recovery device main body is 300 ° C. or higher, the unburned raw material contained in the exhaust gas can be maintained in a vaporized state without liquefaction. Therefore, it is preferable that the temperature be equal to or higher than the condensation temperature (liquefaction temperature) of the carbon-containing compound (eg, benzene or toluene) serving as a raw material of fullerene. In particular, it is preferable that the temperature of the ceramic filtration element disposed in the main body of the recovery device be equal to or higher than the condensation temperature of the raw material and equal to or lower than the solidification temperature of the fullerene to be collected.
[0014]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to the first invention, the powder storage tank detects a stored amount of the fullerene-containing soot-like substance, and the fullerene based on a detection signal of the powder level meter. It is preferable that a discharging means for discharging the contained soot-like substance from the powder storage tank is provided.
By using the powder level meter, the storage amount of the fullerene-containing soot-like substance stored in the powder storage tank can be grasped. Further, by inputting the detection signal of the powder level meter to the discharging means and discharging the same, fullerene-containing soot-like substances can be discharged systematically, and fullerene production can be continuously performed.
[0015]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to the first invention, the backwash gas is preferably a non-oxidizing gas.
Since the exhaust gas contains carbon monoxide gas and hydrogen gas, the carbon monoxide gas may be burned when high-temperature exhaust gas and oxygen are mixed. For this reason, non-oxidizing gas is used to prevent combustion of carbon monoxide gas. Note that, as the non-oxidizing gas, a nitrogen gas, an inert gas, and a carbon dioxide gas can be used.
[0016]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to the first invention, it is preferable that a partition is provided inside the recovery device main body, and a plurality of the ceramic filtration elements are divided into a plurality of filtration element groups. .
By separating the ceramic filtration element into multiple filtration element groups by providing a partition wall, the recovery operation of fullerene-containing soot-like substances is performed in units of filtration element groups, and the recovery of soot-like substances for other filtration element groups (Gathering) work can be continued. In this case, if the use of some of the filter element groups is stopped for the backwashing operation, the gas passage speed of the other filter element group increases, and the adhering energy of the soot-like substance increases. The removal of soot is worse. Therefore, the number of divisions of the plurality of filtration elements is increased (for example, 4 divisions or more), the gas passage speed of the other filtration element group during the backwash operation is sufficiently reduced, and the influence on the fullerene manufacturing apparatus is reduced. At the same time, it is preferable to prevent clogging of the filtration element.
[0017]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to the first invention, an exhaust gas permeating means (exhaust gas suction means) for transmitting the exhaust gas from the outer surface side to the inner surface side of the ceramic filter element is provided. Is preferred.
By actively transmitting the exhaust gas from the outer surface side to the inner surface side of each ceramic filter element, fullerene-containing soot-like substances can be attached to the outer surface side of the ceramic filter element.
[0018]
A method for recovering a fullerene-containing soot-like substance according to a second invention according to the above-mentioned object uses the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to the above-mentioned invention, and the fullerene-containing soot-like substance is collected by the ceramic filtration element. The difference between the temperature of the exhaust gas flowing into the main body of the recovery device and the temperature of the exhaust gas is 200 ° C. (more preferably 150 ° C., further preferably 100 ° C., and still more preferably 50 ° C.). The backwashing gas adjusted as described above is passed from the other surface of each of the ceramic filter elements to the other surface to collect the fullerene-containing soot-like substance adhering to each of the ceramic filter elements. Since the difference between the temperature of the backwash gas and the temperature of the exhaust gas flowing into the main body of the recovery device is reduced, the temperature generated in the ceramic filtration element when the permeation of the exhaust gas is stopped and the backwash gas flows. Fluctuation can be reduced. As a result, breakage of the ceramic filtration element due to thermal shock can be prevented. Further, the heat of the combustion exhaust gas (combustion gas) may be used to raise the temperature of the backwash gas.
[0019]
The method for recovering a fullerene-containing soot-like substance according to the third aspect of the present invention includes the steps of: removing a ceramic filtration element from a high-temperature exhaust gas of 400 to 800 ° C. (more preferably, 400 to 550 ° C.) discharged from a fullerene manufacturing apparatus; A fullerene-containing soot-like substance adhered to the ceramics filtration element, and then the fullerene-containing soot-like substance is removed by backwashing. In addition, a backwash gas is used which is adjusted to have a difference from the temperature of the exhaust gas within 200 ° C.
Here, the ceramic filtration element is divided into a plurality of groups, and when performing a backwashing operation with one filtration element group, the fullerene-containing soot-like substance is collected by all or a part of the remaining filtration element groups. It is preferred to do so.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the accompanying drawings to provide an understanding of the present invention.
FIG. 1 is a conceptual configuration diagram of a fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to one embodiment of the present invention.
As shown in FIG. 1, a fullerene-containing soot-like substance recovery device 10 according to one embodiment of the present invention attaches fullerene-containing soot-like material from a high-temperature exhaust gas (combustion gas) discharged from a fullerene production device 11. A collecting device main body provided with a plurality of ceramic filtering elements for collecting the collected fullerene-containing soot-like substance provided at a lower portion of the collecting device main body; ing. Hereinafter, these will be described in detail.
[0021]
The fullerene manufacturing apparatus 11 has, for example, a manufacturing furnace 17 having a cylindrical side wall 15 and a dome-shaped furnace top 16 connected to an upper side of the side wall 15. The side wall portion 15 and the furnace top portion 16 are made of a heat-resistant material such as stainless steel, and the inner peripheral surface thereof has a refractory material such as an alumina-based refractory brick or an alumina-based irregular-shaped refractory material. It is lined with. At the lower end of the side wall portion 15, a burner portion 18 made of, for example, stainless steel is provided. The burner portion 18 has a plurality of supply ports for discharging a carbon-containing compound and a plurality of supply ports for discharging an oxygen-containing gas. Each supply port is provided. Exhaust gas in which fullerene-containing soot-like substances generated when the carbon-containing compound supplied from the burner section 18 is burned under an oxygen-containing gas is discharged from the manufacturing furnace 17 to the furnace top 16. The exhaust gas outlet pipe 19 is connected. Note that a cooling coil 20 which is an example of a cooling unit that cools the exhaust gas using a coolant such as water is provided outside the exhaust gas outlet pipe 19.
[0022]
With such a configuration, the carbon-containing compound is burned to generate a soot-like substance containing fullerene, and the high-temperature exhaust gas in which the soot-like substance is suspended is discharged from the production furnace 17 to the exhaust gas discharge pipe 19. It can be discharged to the outside of the manufacturing furnace 17 via the Further, the exhaust gas is gradually cooled when flowing through the exhaust gas outlet pipe 19. For example, the exhaust gas having a temperature of 500 to 1400 ° C. when discharged from the manufacturing furnace 17 is discharged from the outlet side of the exhaust gas outlet pipe 19. Is cooled to 200 to 800 ° C (more preferably, 350 to 550 ° C).
[0023]
The collection device main body 13 is made of, for example, stainless steel or the like, and includes a side portion 21 and an end plate portion 22. An exhaust gas introduction hole 23 to which the outlet side of the exhaust gas outlet pipe 19 is connected is provided at a lower side of the side portion 21. Further, on the side part 21, a temperature control jacket 24 which is an example of a temperature control means for adjusting the (surface) temperature of the recovery device main body 13 by flowing a heat medium from the inflow port a and discharging it from the outflow port b is provided. Is provided. By adjusting the type, temperature, flow rate, and pressure of the heat medium to be circulated, the surface temperature of the recovery device main body 13 can be adjusted to 20 to 500 ° C (more preferably, 20 to 400 ° C, and still more preferably, 50 to 300 ° C). .
[0024]
In the end plate portion 22, the connecting member 25 provided on the opening side on the base side of the bottomed cylindrical ceramic filtering element 12 is exposed to the outside, and the bottom element body 26 side is inside the collection device body 13. A plurality of ceramic filtering elements 12 are attached so as to be inserted into the filter element. Further, the end plate portion 22 is provided with a plurality of partitions 28 so as to divide the element main body 26 into a plurality of filtration element groups 27 inside the recovery device main body 13. The partition wall 28 can be made of, for example, heat-resistant steel such as stainless steel. However, the partition wall 28 is provided with a cooling means (or a heat retaining means) such as a jacket for flowing a heat medium or a coolant for maintaining an appropriate temperature. Is also good.
[0025]
The connection member 25 is made of, for example, stainless steel or the like, and the connection member 25 has an exhaust gas that allows exhaust gas to permeate from the outer surface side (one surface side) to the inner surface side (the other surface side) of the ceramic filter element 12. A connection port 30 for the permeation means 29, and a heating gas supply means 31 for flowing nitrogen gas, which is an example of a non-oxidizing gas whose temperature has been adjusted from the inner surface side to the outer surface side, of the ceramics filtration element 12 for backwashing; Connection port 32 is provided. The element main body 26 of the ceramic filter element 12 is made of, for example, ceramics such as alumina, silica, silicon carbide, zirconia, and cordierite, which have a small change in mechanical properties even at a high temperature, and have a porosity of 20 to 45%. It is manufactured so that it becomes.
[0026]
By adjusting the porosity of the ceramic filter element 12 in the range of 20 to 45%, the strength as a filter medium is secured, and the filtration flow capacity is 0.2 m. 3 / M 2 / Min or more, especially 1.5-8m 3 / M 2 / Min, more preferably 1.5-4m 3 / M 2 / Min. In addition, the actual filtration flow capacity is determined by the thickness (for example, 2 to 20 mm) of the ceramic filtration element 12 and the pressure difference between the inlet side and the outlet side (1 to 5 kPa, preferably 0.3 to 3 kPa, more preferably 0.1 to 3 kPa). 6 to 1.0 kPa), and these are adjusted accordingly. In principle, one vent hole of the ceramic filter element 12 does not allow the ceramic structure (surface layer) on the upstream side (one surface side) to pass through the powdery solidified fullerene-containing soot-like substance.
[0027]
The exhaust gas permeating means 29 includes a discharge pipe 33 having one end connected to a connection port 30 provided in the connection member 25 of each ceramic filtration element 12, an open / close valve 34 provided in the discharge pipe 33, and a discharge pipe 33. It has an exhaust pump (vacuum pump) 35 to which the other end is connected.
With such a configuration, when the exhaust gas permeating means 29 is operated, the exhaust gas in which the fullerene-containing soot-like substance is suspended flows from the production furnace 17 through the exhaust gas outlet pipe 19 through the exhaust gas introduction hole 23 of the recovery device main body 13. It can be made to flow into the collection device main body 13.
[0028]
The inflowing exhaust gas is transmitted from the outer surface side of the element body 26 of the ceramic filter element 12 to the inner surface side, and is discharged from the outlet of the exhaust pump 35 via the discharge pipe 33 via the connecting member 25. be able to. As a result, the fullerene-containing soot-like substance floating in the exhaust gas adheres to the outer surface of the element body 26 and is collected. In addition, since the surface temperature of the recovery device main body 13 is adjusted to an appropriate temperature of 20 to 500 ° C., the water vapor contained in the exhaust gas passes through the ceramic filter element 12 without being condensed. By setting the temperature of the exhaust gas to 300 ° C. or more and 500 ° C. or less, liquefaction of the unburned raw material can be prevented, and low-molecular fullerene is also solidified. Therefore, the fullerene-containing soot-like substance adhering to the outer surface side of the element body 26 does not become wet.
[0029]
The heating gas supply means 31 includes an introduction pipe 36 having one end connected to a connection port 32 provided in the connection member 25 of each ceramic filtration element 12, an opening / closing valve 37 provided in the introduction pipe 36, and an introduction pipe 36. And a gas pressurizer 40 for supplying the gas heating means 38 with the nitrogen gas stored in the backwash gas tank 39. The gas heating means 38 may be a furnace or may be a means for heating with a heating medium.
[0030]
With such a configuration, when the open / close valve 37 is opened and the gas pressurizing device 40 and the gas heating means 38 are operated, the nitrogen gas stored in the backwash gas tank 39 is heated to be introduced through the introduction pipe 36. It can be supplied to the ceramic filtration element 12 and can be permeated from the inner surface side to the outer surface side of the element body 26 to perform backwashing. As a result, the fullerene-containing soot-like substance adhered to the outer surface of the element body 26 can be removed and recovered. In addition, the nitrogen gas of the backwash gas has a difference between the temperature of the exhaust gas flowing into the recovery device main body 13 within 200 ° C., preferably within 150 ° C., more preferably within 100 ° C., and further preferably within 50 ° C. Since the gas can be supplied after being heated by the gas heating means 38 in advance, the temperature fluctuation and the thermal stress generated in the element main body 26 at the time of back washing can be reduced.
[0031]
The powder storage tank 14 has a storage tank main body 41 and discharge means 43 connected via an automatic discharge valve 42 provided at a lower portion of the storage tank main body 41.
The storage tank main body 41 is made of, for example, stainless steel or the like, and on the outer peripheral side, the surface temperature of the storage tank main body 41 is adjusted by flowing a heat medium from the inlet c and discharging the heat medium from the outlet d. A temperature control jacket 44 is provided. By adjusting the type, temperature, flow rate, and pressure of the heat medium to be circulated, the surface temperature of the storage tank main body 41 is set to the same temperature as the side portion 21 of the recovery device main body 13 (for example, 20 to 500 ° C., more preferably 200 ° C.). 400400 ° C.). The storage tank main body 41 is provided with a thermocouple 45 which is an example of a powder level meter.
[0032]
With such a configuration, the fullerene-containing soot-like substance that has been peeled off and collected from the outer surface side of the element body 26 can be stored without being wetted. When the fullerene-containing soot-like substance adhering to the outer surface side of the element main body 26 is sequentially peeled off using the heating gas supply means 31, the level of the fullerene-containing soot-like substance in the storage tank main body 41 gradually increases. And the thermocouple 45 is buried with the fullerene-containing soot-like substance. Therefore, the temperature detected by the thermocouple 45 changes. Therefore, by constantly detecting the temperature in the storage tank body 41 with the thermocouple 45, it is possible to detect the level (storage amount) of the fullerene-containing soot-like substance in the storage tank body 41 from the detected temperature change. it can.
[0033]
The discharging means 43 includes a holding tank 46 connected to the automatic discharging valve 42, a collecting box 48 connected to the holding tank 46 via the automatic opening / closing valve 47, and an exhaust pump for adjusting the pressure in the holding tank 46 and the collecting box 48. 49, and a control unit 50 for controlling the opening / closing operation of the automatic discharge valve 42 and the automatic opening / closing valve 47 and the operation of the exhaust pump 49. The holding tank 46 can be made of, for example, stainless steel, and is connected to an exhaust pump 49 via an exhaust pipe 51. The exhaust pipe 51 is provided with a pressure gauge 52 and an automatic opening / closing valve 53 in order from the upstream side. The collection box 48 can be made of, for example, stainless steel, and is connected to an exhaust pump 49 via an exhaust pipe 54. The exhaust pipe 54 is provided with an automatic opening / closing valve 55.
[0034]
Here, as the control unit 50, for example, a sequence controller can be used. The output signal of the thermocouple 45 and the output signal of the pressure gauge 52 are input to the control unit 50, and the open / close signal is output from the control unit 50 to the automatic discharge valve 42 and the automatic open / close valves 47, 53, and 55. . The holding tank 46 and the collection box 48 are each provided with a gas supply pipe (not shown) for supplying nitrogen gas.
With this configuration, it is detected that the storage level of the fullerene-containing soot-like substance stored in the storage tank main body 41 has reached a predetermined level, and the pressure in the storage tank 46 and the collection box 48 is increased. The pressure in the storage device main body 13 is adjusted to the same value as that of the fullerene-containing material stored in the storage tank main body 41 in parallel with the operation of collecting the fullerene-containing soot-like substance in the exhaust gas performed on the recovery device main body 13 side. The soot-like substance can be moved into the holding tank 46. Further, the fullerene-containing soot-like substance moved into the holding tank 46 can be moved into the collection box 48.
[0035]
Next, a method of recovering a fullerene-containing soot-like substance using the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus 10 according to one embodiment of the present invention will be described.
First, the automatic discharge valve 42, the automatic open / close valves 47, 53, 55, and the open / close valve 37 are closed, the open / close valve 34 is opened, and the exhaust pump 35 is operated, so that the inside of the manufacturing furnace 17 is depressurized. Before the start of the operation, the temperature inside the recovery device main body 13 and the temperature inside the storage tank main body 41 are both less than 100 ° C., so that steam flows in from the inlet a of the temperature control jacket 24 provided on the side portion 21 and the outlet b, the surface temperature of the recovery device body 13 is adjusted to, for example, 200 ° C., and steam is introduced from the inlet c of the temperature control jacket 44 provided in the storage tank body 41 and discharged from the outlet d for storage. The surface temperature of the tank main body 41 is adjusted to, for example, 200 ° C. On the other hand, water flows through the cooling coil 20 provided outside the exhaust gas outlet pipe 19 to cool the exhaust gas outlet pipe 19.
[0036]
Toluene, which is an example of a carbon-containing compound, and a mixed gas of oxygen and argon, which is an example of an oxygen-containing gas, are supplied to the burner section 18 of the production furnace 17 and burned to generate a soot-like substance containing fullerene. . The generated fullerene-containing soot-like substance is suspended in the simultaneously generated exhaust gas (main component is carbon monoxide gas and water vapor), and is discharged through an exhaust gas outlet pipe 19 connected to the furnace top 16 through an exhaust gas introduction hole. 23 flows into the collection device main body 13. Note that the exhaust gas is gradually cooled while moving in the exhaust gas outlet pipe 19. For example, the temperature of the exhaust gas which was 1400 ° C. when flowing into the exhaust gas outlet pipe 19 becomes lower when flowing into the recovery device body 13. The exhaust gas cooled to 600 ° C. and passing through the ceramic filter element is around 500 ° C.
[0037]
The flow of the exhaust gas flowing into the recovery device main body 13 is branched by a partition wall 28 provided in the recovery device main body 13, and flows uniformly into each filter element group 27. In each of the ceramic filtration elements 12 constituting the filtration element group 27, the exhaust gas permeates from the outer surface side to the inner surface side of the element body 26, so that the fullerene-containing soot-like substance floating in the exhaust gas is The particles adhere to the outer surface of the element body 26 and are collected. On the other hand, the exhaust gas reaching the inner surface side of the element body 26 is discharged from the outlet of the exhaust pump 35 via the discharge pipe 33 connected to the connection member 25.
[0038]
As the exhaust gas continues to flow into the recovery device main body 13, the temperature of the recovery device main body 13 gradually increases. Therefore, the temperature of the steam flowing from the inlet a of the temperature control jacket 24 is gradually reduced so that the outer surface temperature of the recovery device main body 13 becomes 200 ° C. Since exhaust gas of 600 ° C. flows into the recovery device main body 13, water is finally allowed to flow in from the inlet a of the temperature control jacket 24 to cool the recovery device main body 13 and reduce its outer surface temperature to 200 ° C. To keep. Further, since the surface temperature of the storage tank body 41 also gradually rises, the temperature of the steam flowing from the inlet c of the temperature control jacket 44 is gradually lowered, and finally, the temperature of the inlet of the temperature control jacket 44 is reduced. Water is introduced from c to cool the storage tank main body 41, and the surface temperature thereof is maintained at 200 ° C.
[0039]
After the exhaust gas has been circulated for a predetermined time, a fullerene-containing soot-like substance attached to the outer surface of each element body 26 belonging to each filtration element group 27 is recovered. First, nitrogen gas is introduced into the gas pressurizer 40 from the backwash gas tank 39 and pressurized to a predetermined gas pressure (for example, 0.001 to 0.1 MPa). Further, the gas is heated to a temperature close to the actually measured temperature of the ceramic filtration element 38 by the gas heating means 38. Next, all the opening / closing valves 34 of the discharge pipes 33 connected to the connection ports 30 of the connection members 25 of the respective ceramic filtration elements 12 belonging to the filtration element group 27 that performs the collection operation are closed. Then, when each open / close valve 37 provided on the introduction pipe 36 connected to the connection port 32 is opened, the heated nitrogen gas flows into the inside of the element main body 26 via the connection member 25.
[0040]
The nitrogen gas flows from the inner surface side of the element body 26 to the outer surface side, and at this time, the attached layer of the fullerene-containing soot-like substance formed on the outer surface side floats up and peels off. The nitrogen gas that has flowed out is mixed into the exhaust gas, passes through the element body 26 belonging to another filtration element group 27 that is collecting the fullerene-containing soot-like substance, and is discharged from the outlet of the exhaust pump 35. You. When the nitrogen gas is allowed to flow for a predetermined time to complete the recovery operation, the opening and closing valve 37 is closed, the operations of the gas heating means 38 and the gas pressurizer 40 are stopped, and the opening and closing valve 34 is opened. By opening the opening / closing valve 34, the operation of collecting the fullerene-containing soot-like substance in the filtration element group 27 whose collection operation has been completed is restarted.
[0041]
Next, the same operation as described above is sequentially performed on the remaining filtration element groups 27 to collect the fullerene-containing soot-like substance attached to the outer surface of each element body 26. When the backwashing operation is performed by one filtration element group 27, the collection operation may be performed on all of the remaining filtration element groups 27, or may be performed on a part thereof.
The fullerene-containing soot-like substance that has been peeled off and collected is stored in the storage tank main body 41. The thermocouple 45 provided in the storage tank body 41 initially detects the temperature of the exhaust gas flowing in the storage tank body 41, but the storage amount of the fullerene-containing soot-like substance gradually increases, and the thermocouple 45 When the pair 45 is buried with the fullerene-containing soot-like substance, the thermocouple 45 detects the temperature of the fullerene-containing soot-like substance, and the detected temperature changes. When this temperature change is input to the control unit 50, the control unit 50 determines that a predetermined amount of the fullerene-containing soot-like substance has been stored in the storage tank main body 41.
[0042]
The control unit 50, which has detected that a predetermined amount of the fullerene-containing soot-like substance is stored, operates the exhaust pump 49, opens the automatic opening / closing valve 53, and exhausts the inside of the holding tank 46. At this time, if an oxygen-containing gas such as air is present in the storage tank 46, nitrogen gas is introduced from a gas supply pipe (not shown) to perform gas replacement and then exhaust the gas. While the pressure in the storage tank 46 is detected by the pressure gauge 52, the gas is exhausted until the pressure in the storage tank 13 becomes the same as that in the recovery apparatus main body 13. The exhaust valve is stopped by closing the on-off valve 53. Next, an open signal of the automatic discharge valve 42 is output from the control unit 50, and the automatic discharge valve 42 is opened to move the fullerene-containing soot-like substance into the holding tank 46. After a lapse of a predetermined time, the control unit 50 outputs a close signal of the automatic discharge valve 42, and the automatic discharge valve 42 closes.
[0043]
When it is confirmed that the automatic discharge valve 42 is closed, the control unit 50 outputs an open signal of the automatic open / close valve 55, and the collection box 48 is evacuated. At this time, if an oxygen-containing gas such as air is present in the recovery box 48, nitrogen gas is introduced from a gas supply pipe (not shown) to perform gas replacement and then exhaust. When it is confirmed by a pressure gauge (not shown) that the pressure in the collection box 48 has become lower than that in the holding tank 46, the control unit 50 outputs a close signal of the automatic opening and closing valve 55 to close the automatic opening and closing valve 55. . When the control unit 50 confirms that the automatic opening / closing valve 55 is closed, an open signal of the automatic opening / closing valve 47 is output from the control unit 50, and the automatic opening / closing valve 47 is opened to open the fullerene-containing soot in the holding tank 46. The material moves into the collection box 48. After a lapse of a predetermined time, the control unit 50 outputs a close signal of the automatic discharge valve 47, and the automatic open / close valve 47 closes. Next, nitrogen gas is caused to flow into the collection box 48 from a gas supply pipe (not shown), and the inside is sealed at the same pressure as the atmospheric pressure. Thereafter, the collection box 48 is separated from the automatic opening / closing valve 47, and the process moves to a process of treating a fullerene-containing soot-like substance.
[0044]
【Example】
Next, an example will be described in which the operation and effect of the present invention are confirmed using the fullerene-containing soot-like substance recovery device 10 as shown in FIG.
The ceramic filtration element 12 used in the examples was a cylindrical, bottomed cylindrical member having an outer diameter of 65 mm and a length of 2500 mm, and was made of alumina and had a thickness of 6 mm. Air flow rate 0.1L / cm 2 The alumina powder whose particle size composition and porosity (about 25 to 30%) were adjusted so that a pressure loss of about 0.3 to 0.6 kPa with respect to / min was used. 78 pieces of the ceramic filter elements 12 were used in one apparatus, and the filter elements were divided into 6 and divided into filter element groups 27.
[0045]
A pressure sensor is provided inside each filtration element group 27, and the pressure difference between the pressure sensor provided inside the recovery device main body 13 and the pressure sensor provided outside the ceramic filtration element 12 is 1.0 to 1.5 kPa (backwashing start). If the pressure exceeds the pressure, the opening / closing valve 37 is operated and the backwashing operation of the corresponding filter element group 27 (the ceramic filter element 12 is performed), provided that the other filter element group 27 is not performing the backwash operation. (Flow of nitrogen gas at a pressure of 0.4 MPa from the inside to the outside). In this case, the temperature of the nitrogen gas is approximated to the temperature of the ceramic filter element 12 and is heated to about 300 to 450 ° C. by the gas heating means 38. The time of the backwashing operation was, for example, about 0.5 to 10 seconds. In this case, the on / off valve 37 may be turned on / off to apply a pulsed pressure to each of the ceramic filtering elements 12. If the pressure of the plurality of filtration element groups 27 exceeds the backwashing start pressure simultaneously or with a short interval, the filtration element group 27 that has been turned on first and the filtration element group that has been previously backwashed earlier 27, the program is set so that after the backwashing operation of the filtration element group 27 is completed, the backwashing operation of the next filtration element group 27 is performed.
[0046]
The gas flow rate in the introduction pipe 36 in the embodiment is 40 Nm 3 / H, the gas temperature was 450 ° C. At this time, the pressure outside the ceramic filtration element 12 in the recovery device main body 13 was 4.6 kPa.
As a result, the fullerene-containing soot-like substance adheres to the outer surface of each ceramic filter element 12 and filtration is performed. If the pressure inside or outside any of the filtration element groups 27 exceeds the backwashing start pressure, the above-described backwashing operation is performed. After the backwashing operation was completed, the pressure difference between the inside and outside of the filtration element group 27 was 0.45 kPa, and the pressure difference during backwashing was 1.2 kPa.
By repeating the above operation, 125 kg of fullerene-containing soot-like substance was collected (collected) in 120 hours. There was no adhesion of soot and the like on the outside of the ceramic filter element 12, and the operation was continuously performed.
[0047]
Although the embodiment of the present invention has been described above, the present invention is not limited to this embodiment. For example, a thermocouple is used for a powder level meter, but the vibrating body is a fullerene-containing soot-like substance. It is also possible to use a vibration-type powder level meter that detects a change in frequency when buried in the device or a capacitance-type device that measures a change in capacitance. In addition, exhaust gas discharge pipes and backwash gas introduction pipes are provided for each ceramic filter element. However, connecting members of each ceramic filter element belonging to the filter element group are assembled and provided for each filter element group. You can also. Further, although a cylindrical ceramic filter element having a bottom is used, a structure in which gas flows from both ends of the cylindrical ceramic and goes to a vacuum pump may be employed. Further, changes can be made without changing the gist of the invention, and a part or all of the above-described embodiments and modifications are combined to configure the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus and the recovery method of the present invention. In this case, the present invention is applied.
[0048]
【The invention's effect】
In the recovery device for fullerene-containing soot-like material according to any one of claims 1 to 10, the recovery device has a bottomed cylindrical shape in which the fullerene-containing soot-like material is adhered to one surface and collected, and the exhaust gas is transmitted to the other surface. A recovery device main body provided with a plurality of ceramic filter elements, a heating gas supply means for flowing backwash gas whose temperature has been adjusted from the other surface side to one surface side of each ceramic filter element, and provided at a lower portion of the recovery device main body. Since it has a powder storage tank for storing the collected and collected fullerene-containing soot-like material, the ceramic filter element can be used stably for a long time, and the collection and recovery of fullerene-containing soot-like material can be performed at low cost. It is possible to do with.
[0049]
In particular, in the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to claim 2, the filtration flow capacity of the ceramic filtration element is 0.2 m. 3 / M 2 Per minute or more, the ceramic filter element can be made somewhat compact, the manufacturing cost of the device itself can be reduced, and fullerene-containing soot-like substances contained in exhaust gas are stable on the surface of the ceramic filter element. Can be captured.
In the apparatus for recovering soot-like substances containing fullerenes according to claim 3, the filtration flow capacity of the ceramic filtration element is set to 8 m. 3 / M 2 / Minute or less, the fullerene-containing soot-like substance does not penetrate deeply into the ceramic filtration element, and as a result, the fullerene-containing soot-like substance can be easily recovered by backwashing.
[0050]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to claim 4, the porosity of the ceramic filter element is 20 to 45%, so that the strength as a filter medium and the filtration flow capacity can be ensured, and the ceramic filter element can be obtained. The element can be used stably for a long time.
[0051]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to the fifth aspect, the recovery device main body is provided with a temperature control means, and the surface temperature of the recovery device main body is adjusted to 20 to 500 ° C., so that the fullerene-containing soot during storage is stored. The substance can be prevented from being in a wet state, and each operation of collecting and recovering the fullerene-containing soot-like substance can be efficiently performed.
[0052]
7. The fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to claim 6, wherein the powder storage tank detects a storage amount of the fullerene-containing soot-like substance, and the fullerene-containing soot-like substance is detected by a detection signal of the powder level meter. Is provided from the powder storage tank, so that the fullerene-containing soot-like substance can be discharged systematically, and the post-treatment process of the fullerene-containing soot-like substance can be easily managed.
[0053]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to claim 7, since the backwash gas is a non-oxidizing gas, the backwashing is performed without affecting the production of the fullerene and the collection of the fullerene-containing soot-like substance. It can be carried out. As a result, the filtration flow capacity of the ceramic filtration element can be maintained.
[0054]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to claim 8, a partition wall is provided inside the recovery device main body, and a plurality of ceramic filter elements are divided into a plurality of filter element groups. The recovery of the fullerene-containing soot-like substance attached to the element and the collection of the fullerene-containing soot-like substance by the ceramic filtration element can be performed in parallel, and the fullerene-containing soot-like substance is collected while the fullerene production apparatus is continuously operated. Collection and collection can be performed efficiently.
[0055]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to claim 9, since the exhaust gas permeation means for transmitting the exhaust gas from the outer surface side to the inner surface side of the ceramic filter element is provided, the fullerene-containing soot-like substance is provided. Can be positively adhered to the outer surface side of the ceramic filtration element, and the workability in recovering the fullerene-containing soot-like substance and maintaining the ceramic filtration element can be improved.
[0056]
In the fullerene-containing soot-like substance recovery device according to claim 10, the ceramics filter element has a ceramic structure on a side where the soot-like substance adheres, and a ceramic structure on a side where filtered exhaust gas is discharged. , The strength of the ceramic filter element can be ensured while preventing clogging of the ceramic filter element as much as possible.
In the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to the eleventh aspect, since the ceramic filter element is used for collecting the fullerene-containing soot-like substance, the filter element withstands high temperatures and has a long life.
[0057]
In the method for recovering fullerene-containing soot-like substance according to claim 12, the fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to any one of claims 1 to 10, wherein the fullerene-containing soot-like substance is filtered by a ceramic filter. The backwash gas, which is attached to one side of the element and collected, and the difference between the temperature of the exhaust gas flowing into the main body of the recovery device and the temperature is adjusted to within 200 ° C, is applied from the other side of each ceramic filter element to the one side. Since the fullerene-containing soot-like substance adhering to each ceramics filtration element is recovered by circulation, the fullerene-containing soot-like substance can be efficiently recovered while the fullerene producing apparatus is continuously operated.
[0058]
The method for recovering fullerene-containing soot-like substances according to claims 13 and 14, uses a non-oxidizing gas used for back washing and a back washing gas whose difference with the temperature of exhaust gas is adjusted to within 200 ° C. As a result, the operation can be performed safely without reburning of exhaust gas, and a large thermal stress due to a temperature difference is not applied to the ceramic filter element, and as a result, a fullerene-containing soot having a long life is obtained. The substance can be recovered.
In particular, in the method for recovering fullerene-containing soot-like substances according to claim 14, the ceramic filtration element is divided into a plurality of groups, and when performing the backwashing operation with one filtration element group, all of the remaining filtration element groups are used. Alternatively, since the fullerene-containing soot-like substance is partially collected, continuous operation of the fullerene production device can be performed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual configuration diagram of a fullerene-containing soot-like substance recovery apparatus according to one embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
10: Fullerene-containing soot-like substance recovery device, 11: Fullerene production device, 12: Ceramics filtration element, 13: Recovery device main body, 14: Powder storage tank, 15: Side wall portion, 16: Furnace top portion, 17: Production Furnace, 18: burner part, 19: exhaust gas outlet pipe, 20: cooling coil, 21: side part, 22: end plate part, 23: exhaust gas introduction hole, 24: temperature control jacket, 25: connecting member, 26: element body , 27: filtration element group, 28: partition wall, 29: exhaust gas permeation means, 30: connection port, 31: heated gas supply means, 32: connection port, 33: discharge pipe, 34: open / close valve, 35: exhaust pump, 36 : Inlet piping, 37: open / close valve, 38: gas heating means, 39: backwash gas tank, 40: gas pressurizer, 41: storage tank body, 42: automatic discharge valve, 43: discharge means, 44: control Jacket, 45: thermocouple, 46: holding tank, 47: automatic open / close valve, 48: collection box, 49: exhaust pump, 50: control unit, 51: exhaust pipe, 52: pressure gauge, 53: automatic open / close valve, 54 : Exhaust piping, 55: Automatic open / close valve