JP2004083311A - 人工ゼオライト製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スラグの人工ゼオライト化を最も簡易な装置で、効率良く、しかも高品質で行い、安価で高品質のスラグ製人工ゼオライトを提供できるようにする。
【解決手段】開口部を上端に位置させて斜めに配置したドラム形状の容器と、前記容器を前記開口部中心を通る斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動するモータと、前記容器内部に設けられ、前記正の方向の回転では、その内部に充填したスラリーを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆の回転では、その内部に充填したスラリーを上方に移動させ、前記開口部の外へ送り出す羽根とを備えて、ミキサー部分を構成し、これに簡易構成のスラリー投入装置、加熱ヒータ、反応時間を定めるタイマ、スラリー出力用の樋、固液分離用の網、急冷可能な洗浄手段を付属してシステム構成した。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特にスラグのゼオライト化に適した人工ゼオライト製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、熔錬はじめ、融解炉で融剤の添加により意識的に生成されるSiO混じりの人工的な混合物や、その水破物が人工ゼオライトの原料となり得ることが知られてきた。
【0003】
一方、粒経0.1mm〜0.1μmのフライアッシュ等の石炭灰をアルカリ水溶液中で熱水処理すると、良質の人工ゼオライトが生成可能であることが知られており、その製造技術が確立されている。これは、例えば、フライアッシュをアルカリ水溶液中に混入してスラリー化し、これを2重加熱釜等の中で熱水処理するというようなものである。具体的には、特開平6−321525号公報(改質石炭灰の製造方法)や特開2002−37622号公報(人工ゼオライトの製造方法及び人工ゼオライトの製造装置)の例がある。
【0004】
前者は、100℃以上の高温、例えば130℃で熱水処理すると、必然的に加圧処理が必要で設備が大型となり運転費も高くなることを避けるため、100℃以下の低温で処理するようにしたものである。また、後者は、人工ゼオライトの原料をアルカリ水溶液に混入して成るスラリーを、長尺の横置き型の反応管内に連続的に送り込み、人工ゼオライトを連続的に製造することを試みたものである。
【0005】
そこで、従来、スラグを原料としての人工ゼオライトの製造では、2重釜の中にスラグとアルカリ水溶液の混合物であるスラリーを入れ、回転羽根で無理やり撹拌することが行われてきた。スラグは砂状であることから、釜の内部及び羽根が早期に消耗してしまうという問題点がある。また、スラグは直径1〜3mmの大粒であることから、その沈殿速度は1秒間当たり数十cmと相当に早く、十分な撹拌を行うには、羽根の回転速度を相当高速としなければならず、かつ羽根の撹拌方式も色々工夫しなければならない等の問題点があった。
【0006】
後者の反応管を用いての人工ゼオライトの製造装置については、スラグが砂状であることから、到底利用困難であり、その利用は思考されていないものと考えられる。因みに、スラグが沈殿しない状態で反応管を通すには1〜2m/sの高流速としなければならず、反応時間の関係から計算上数kmの管長が必要となり、到底実用困難である。具体的には、反応温度100℃では150分の熱水処理が必要であるので、流速1m/sならば、管長は、9km必要であると計算される。
【0007】
人工ゼオライトの単価は、設備費と、消耗するアリカリ原料と、熱水処理に要する燃料代と、洗浄に要する費用、その他製造に要した人件費で定まる。現状、これら条件で定まる人工ゼオライトの価格が余りにも高く、実用上支障を来しており、製造原価格安の製造方法の確立が急務である。
【0008】
例えば、上記低温反応釜による人工ゼオライトの製造では、1kg当りのフライアッシュを製造する際の熱水処理及び洗浄処理及び人件費において、多くの工数を必要とし、かつ、相当な設備を必要とし、製造原価を高いものとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に鑑みて、本発明は、人工ゼオライトの原料、特にスラグ等砂状の原料をゼオライト化するに際し、設備費及び熱水処理及び洗浄処理に係わる工数を、従来例に比べ1/3〜1/5以下と格別低下して、従来品と比べ1/3〜1/10と格安で、かつ高性能の人工ゼオライトを製造することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、特許請求の範囲に記載の通り、熱水処理を100℃を基準として、それより下の低温で行う場合と、それより上の高温で行う場合とに分けて、2種の発明を構成した。
【0011】
本発明の低温で熱水処理を行う人工ゼオライト製造装置は、開口部を上端に位置させて斜めに配置したドラム形状の容器と、
前記容器を前記開口部中心を通る斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動するモータと、
前記容器内部に設けられ、前記正の方向の回転では、その内部に充填したスラリーを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆の回転では、その内部に充填したスラリーを上方に移動させつつ前記開口部の外へ送り出す羽根と、
前記開口部を介してスラグ及びアルカリ水溶液の夫々、またはその混合物であるスラリーを投入するスラリー投入装置と、
前記容器内部に充填されたスラリーを100℃近くの温度に加熱するヒータと、前記ヒータを駆動し、前記スラリーを100℃近くの温度に加熱保持した状態で、所定の反応時間を検出するタイマと、
前記タイマのタイムアップ後に、前記容器を逆方向に回転させ、前記開口部から出力される反応後のスラリーを搬出する樋と、
前記樋により搬出されたスラリーを粉末及び水溶液に分離する網と、
前記網上に残った反応後の粉末に冷水を掛けるか、又は洗浄水中に投入し、急冷及び洗浄を行う洗浄手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
開口部を上端に位置させて斜め配置したドラム形状の容器とは、例えば、コンクリート配送用のミキサー車のドラム形ミキサーと同様の構成である。当該ミキサー車は、ドラム形の容器を備え、それを斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動するモータを備え、容器内部には、内部に充填した1〜4mの生コン又はモルタルを、正方向の回転では、これらを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆方向の回転では、その内容物を上方に移動させ、上端開口部から外へ送り出す羽根とが設けられている。従って、本発明のドラム形の状容器では、その内部にスラリーを充填して、効率良く撹拌することができ、反応時間の経過を待って、逆方向に回転させ、反応後のスラリーを外へ送り出すことができる。
【0013】
容器内部に設置する羽根は、容器内壁に沿って、容器の上端を基準とし適宜遅れ又は進み角度を持たせて軸方向に配置する。遅れ角度の場合、例えば正方向の回転にてスラリーを下方向へ移動させることができる。また、羽根は、横断面から見て壁面に対し略直角に設定した形で良い。羽根の高さは、壁面に対し15〜30cmで十分である。これらの羽根により、内部に充填されたスラリーは、上に持ち上げられつつ上下方向に移動し、スラリーを上方に持ち上げ反転して落下させるので、極めて効率良く撹拌される。また、回転速度の調節により、撹拌程度も自由に調節できる。羽根の形は、この他種々考案できる。
【0014】
スラグは直径1〜3mmの砂状であり、これにアルカリ水溶液を混合して成るスラリーは、水とセメントの混合物であるモルタルと極めて類似している。従って、スラグ製のスラリーは、一般的なミキサー車に使用されているミキサー構造により、容易、確実に撹拌できる。ミキサー車のドラム形ミキサーは、確立され多用されている技術であり、コンパクトな設計により、最も格安で設置できる利点がある。
【0015】
スラリー投入装置は、コンベア又は配管によりスラグ及びアルカリ水溶液を別々に投入してもよく、外部タンクで生成したスラリーを配管や樋で流し込んでも良い。人工ゼオライトの生成反応は、ケイ酸アルミの溶解と再結合によるものであるから、予めスラリーを生成し、70℃程度に保温し、その後容器内に投入した方が好ましい。投入後に溶解させる場合には、溶解を目的として、70℃程度で1時間以上時間を掛けて撹拌すれば良い。
【0016】
スラリーは、樋により搬出するのが最も容易である。樋により搬出したスラリーは、0.3mm以下のメッシュの網上で粉末及び水溶液に分離し、分離後の粉末、即ち反応後のスラグ製人工ゼオライトを水中に投入し急冷する。網上のスラグに冷水を掛けても良い。これにより、陽イオン交換能力(CEC)の高いスラグ製人工ゼオライトができる。
【0017】
スラグ製の人工ゼオライトは、砂状のスラグの多数の割れ目を含めた全表面に、粒径10nm級のゼオライトがビッシリと詰まった形のものである。これらの形態は、電子顕微鏡写真で確認されている。スラグ製の人工ゼオライトは、顆粒状であり、最も実用的に使用し易い。原料のケイ素及びアルミニウムの比率を測定し、ケイバン比が3となるようアルミニウムを追加すれば、CECを例えば200meq/100g以上と相当高くすることが可能である。
【0018】
容器には、適宜保温を行い、その内部にヒータを挿入し、温度を100℃近くに保つ必要がある。ヒータとしては、スリップリングを介して通電することで対応できる。また、ボイラから蒸気を吹き込み加温することもできる。蒸気吹込みでは、容器上端の開口部から蒸気パイプをスラリー内に臨ませることで対応できる。
【0019】
以上の構成の本発明による人工ゼオライトの製造装置は、容器を含めたミキサーと、樋と、網と、水槽等の洗浄手段と、電熱装置又はボイラとで構成できる。従来必要とした特殊2重釜、熱交換装置、多量のタンク、それに関連したポンプ類、大掛かりな制御装置、遠心分離機等は、全て不要であり、その結果設備を相当割安に構成できる。また後の実施の形態で詳しく示すように、製造工程も単純である。
【0020】
装置が相当割安で済むことについて示すと、因みに、容量5mの特殊2重釜は、コンクリートミキサー車のミキサー部分の価格に比べ10倍以上の価格である。従って、同一容量の人工ゼオライトを製造する装置に比べ、本発明の製造装置は、全体設備費を1/3〜1/5とすることができる。しかも、これにより製造される人工ゼオライトは、高品質で、CECを20〜50%安定して高くすることができる。
【0021】
次に、本発明の高温で熱水処理を行う人工ゼオライト製造装置は、開口部を上端に位置させて斜めに配置したドラム形状の容器と、
前記容器を前記開口部中心を通る斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動するモータと、
前記容器内部に設けられ、前記正の方向の回転では、その内部に充填したスラリーを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆の回転では、その内部に充填したスラリーを上方に移動させ、前記開口部の外へ送り出す羽根と、
前記開口部を開閉可能な形で密閉封止する蓋と、
前記容器内部に充填されたスラリーを100℃より上の温度に加熱するヒータと、
前記ヒータを駆動し、前記スラリーを100℃より上の温度に加熱保持した状態で、所定の反応時間を検出するタイマと、
前記タイマのタイムアップ後に、前記容器を逆方向に回転させ、前記開口部から出力される反応後の粉末を搬出する樋と、
前記樋により搬出されたスラリーを粉末及び水溶液に分離する網と、
前記網上に残った反応後のスラグに冷水を掛けるか、又は洗浄水中に投入し、急冷及び洗浄を行う洗浄手段と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明の高温で熱水処理を行う人工ゼオライトの製造装置では、低温で熱水処理するものに対し、開口部を密閉封止する蓋を備えた点が大きく異なる。加熱は、電気ヒータで行うこともできるが、一般には蒸気ヒータで行う。容器が回転するため、電気ヒータの場合には単相又は3相のスリップリングを必要とする。蒸気ヒータの場合には、蒸気を通すパイプの継手に回転部材を設けるか、又は、小型蒸気ボイラを回転台に置き、容器を同一速度で回転させ、両者の間をフレキシブルホースを介して、相互に回転されること等で対応できる。
【0023】
高温で熱水処理すると、低温で行う場合に比べアルカリ所要量が1/2〜1/3と格別低下できることが報告されている。また、反応時間を1/2〜1/3に短縮でき、生産効率の向上を図ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る低温で熱処理を行う人工ゼオライト製造装置1のシステム構成図である。
【0025】
図1に示す低温熱水処理用の人工ゼオライト製造装置1は、開口部2を上端に位置させて斜めに配置したドラム形状の容器3と、前記容器3を前記開口部2中心を通る斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動する油圧モータ4と、前記容器3内部に設けられ、前記正の方向の回転では、その内部に充填したスラリーを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆の回転では、その内部に充填したスラリー5を上方に移動させ、前記開口部2の外へ送り出す羽根6とを備えている。タンク3の回りは、保温材7で保温されている。
【0026】
前記容器3の上方で外回りには、金属製のリング状部材8が巻設され、その最下端位置にはガイドローラ9が配置されている。また容器3の下端部には軸10が突設され、その先端は、スラスト軸受11で軸支されている。前記軸10にはスプロケット12が固定され、前記モータ4のギヤ13とチューン14を介して結合されている。従って、モータ4を正逆駆動することにより、容器3を任意の方向へ、任意の回転数で回転させることができる。これら、容器3及びモータ4並びに羽根6等の構成は、通常のコンクリートミキサー車のものと大きく異なるところが無い。
【0027】
また、本発明の人工ゼオライト製造装置1において、前記開口部2を介して原料スラグ15及び苛性ソーダ水溶液16夫々を、又はその混合物であるスラリーを投入する投入装置は、コンベヤ17−1、17−2と、タンク18と接続される配管19とで構成されている。配管19からタンク18内の苛性ソーダ水溶液を供給すると共に、コンベヤ17−1、17−2からスラグ15を供給し、容器3の内部で混合することによりスラリー5を生成することができる。スラリー5を予め外部タンクで生成し、これを投入することも可能である。
【0028】
さらに、本発明の人工ゼオライト製造装置1は、前記容器3内部に充填されたスラリー5中に挿入され、該スラリー5を100℃近くの温度に加熱する蒸気ヒータ20と、該ヒータ20を駆動し、前記スラリー5を100近くの温度に加熱保持し、その状態で所定の反応時間を検出するタイマ(図示せず)と、を備えている。また、このタイマのタイムアップ後に、前記容器3を逆方向に回転させ、前記開口部2から出力される反応後のスラリー5を搬出する樋21と、を備えている。加えて、前記樋21により搬出されたスラリー5を粉末及び水溶液に分離する網22と、前記網22上に残った反応後のスラグ(人工ゼオライト)23に冷水を掛けるか、又は洗浄水中に投入し、急冷及び洗浄を行う洗浄手段としての洗浄槽24と、を備えている。
【0029】
蒸気ヒータ20は、容器3の内部の略中心方向に固定配置された大径、例えば直径100mmの管25と、その内部に挿通された細径、例えば直径25mmの蒸気管26と、蒸気管26及び蒸気ボイラ27とを接続する接続管28とで構成されている。蒸気管26の先端は、前記スラリー5の底部位置まで延伸されている。従って、蒸気管26内に蒸気を送ることにより、スラリー5を100℃近くまで加熱保持できる。5mのスラリーを70℃から100℃まで上昇させるのに必要な熱量は、約15万kcalで、これには100℃の飽和蒸気が約300kg必要である。従って本例では、生蒸気により、アルカリ水溶液が水で6%希釈される。希釈されることを予定して苛性ソーダの予めの濃度を設定すべきである。
【0030】
反応終了後のスラリー5は、容器3を逆転させ、樋21を介して網22上へ出力することができる。出力されたスラリー5は、苛性ソーダ水溶液16と反応後のスラグ製人工ゼオライト23に分離される。網22を吊上げ、洗浄槽24で洗浄することにより、人工ゼオライト23が得られる。網22は、その底面を出力槽28の中間位置に固定できるようになっている。また、網22は、図示しないクレーンで吊上げ可能となっている。
【0031】
本実施の形態では、スラリー5の出力を樋21で行うので、簡単、迅速である。また反応後のスラリー23と苛性ソーダ水溶液16の分離を網22で行うので、簡単に瞬時の分離処理が行える。遠心分離機での分離の必要は無い。さらに、洗浄を洗浄槽24を用いて行うので、人工ゼオライト23を急冷でき、高品質、高CECとすることができる。
【0032】
図2は、高温熱水処理用の人工ゼオライト製造装置29のシステム構成図である。図1に示すものと同一機能を果す部材には同一参照等号を付けて示してある。
【0033】
本発明の人工ゼオライト製造装置29では、図1に示したものとは異なる蒸気ヒータ30を設けている。この蒸気ヒータ30は、中心軸上に大径の管31を固定している。その下端は開口部2より内側に位置せしめている。管31の回りには、蓋32が摺動自在に取付けられている。蓋32は、開口部2を閉じた状態で、容器3にクランプ支持できるようになっている。また、管31の内部には蒸気管33が貫通され、この蒸気管33の先端は、容器3の内部のスラリー5中に浸る位置まで延伸されている。蒸気管33の上端は、ジョイント34を介して捩れに対して強靭なフレキシブルホース35が介在され、ここで容器3の回転に伴う歪みを吸収するようになっている。スレキシブルホース35の上端は、ジョイント36、次いで回転可能なカップリング37を介してボイラ29と接続されている。従って、ボイラ29から出力された蒸気は、蒸気管33を介してスラリー5内部へ吹き込まれる。容器3の回転はカップリング37で吸収できる。
【0034】
前記管31の上下端は、蒸気管33の回りで夫々封止されている。また下端付近には容器3との間で連通口が設けられ、上端付近には、当該連通口と連通される空気抜弁38が設けられている。従って、容器3内部の空気は、空気抜弁38を介して出力される。また、前記空気抜弁38と並列に蒸気抜弁39が設けられている。その出力端はタンク18内に設けた熱交換器40を介して外部ドレン管と接続されている。従って、容器3内に蓄積された蒸気は、蒸気抜弁39を開けることにより、熱交換器40を介してドレン出力することができ、蒸気の有する熱量をタンク18へリサイクルすることができる。
【0035】
以上の構成により、蓋32を開けて、スラグ15及び苛性ソーダ水溶液16を投入できる。又はこれらの混合物であるスラリー5を投入できる。
【0036】
また、蓋32を閉じて、容器3の内部へ蒸気を送り、0.2〜0.5Psに加圧し、120〜150℃の高温下で熱水処理することができる。反応時間は、反応温度に応じ変化させる。反応終了後、蒸気抜弁39を開け、圧力を抜き、蓋32を開け、容器3を逆転させ、樋21からスラリー5を出力し、苛性ソーダ水溶液16を回収し、洗浄槽24で急冷して人工ゼオライト23を作ることができる。反応時間は、例えば130℃で30分間とする。
【0037】
以上示した人工ゼオライト製造装置29によれば、スラグ15を適切に撹拌しながら熱水処理することができ、かつ急冷することができるので、高品質の人工ゼオライトを効率良く製造することができる。ここにスラグは、図3にモデルで示すように、粒径1〜2mmの多数のヒダ31又はクラック32或いは細孔33を備えた粒子であり、その表面にビッシリと人工ゼオライトの微粒子又は結晶から成る人工ゼオライト粒34を集結したスラグ製人工ゼオライト23となる。苛性ソーダを用いての熱水処理では、ヒダ31又はクラック32或いは細孔33を拡張しながら、ケイ酸及びアルミナの再結合により、それらの表面に人工ゼオライト粒34を凝集している。ここに、本発明の人工ゼオライト製造装置29(1)によれば、撹拌を適切に行うことができ、凝集された人工ゼオライト粒34を崩壊させることなく急冷でき、適切に高品質の人工ゼオライト23を製造することができる。完成された人工ゼオライト23は顆粒状であるので、造粒の必要もなく、接触面大きく、反応性も高く、各種吸着、吸収、反応装置等に利用できる。
【0038】
図2に示したヒータは、蒸気ヒータ30の例で示したがヒータは、電気式とすることもできる。この場合、軸10に関連してスリップリングを設け、内部に備えた電気ヒータのエレメントに通電するようにすれば良い。
【0039】
図1及び図2に示した容器3としては、コンクリートミキサー車のミキサー部分をほとんどそのまま利用できる。コンクリートミキサー車そのものを、適宜改造して利用することもできる。即ち、コンクリートミキサー車の容器部分を保温し、開口部2の部分を改造し、内部スラリー5を加熱可能とし、移動装置付きの容器3として利用できる。改造コンクリートミキサー車を用いる場合、移動可能であり、原料投入において又はスラリー出力において適宜位置に移動可能であり、汎用性のあるシステムを構成できる利点がある。
【0040】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計的変更が可能であり、各種態様で実施できる。
【0041】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の人工ゼオライト製造装置は、コンクリートミキサー車と同様のミキサー部分を備え、これに簡易なスラリー投入装置等を付属させてシステム構成されている。
【0042】
従って、本発明の低温又は高温熱水処理用の人工ゼオライト製造装置は、構成最も簡易で安価に製作できる。しかも、撹拌は、コンクリートミキサー車と同様に容器の回転に伴い、その内側に設けた羽根で行われるので、砂状スラグにとって最も適切な撹拌を行うことができる。さらに、スラリーを容器の逆転で樋により網上に出力するので、装置構成が最も簡易である。
【0043】
その上、網上に取り出されたスラリーは、網で固液分離され、その後即座に洗浄槽へ送られるので急冷でき、簡易構造で、操作容易にして、効率良く、高品質の人工ゼオライトを安価に大量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る低温で熱水処理を行う人工ゼオライトの製造装置のシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る高温で熱水処理を行う人工ゼオライト製造装置のシステム構成図である。
【図3】本発明の人工ゼオライト製造装置で製造されたスラグ製人工ゼオライトの断面構造をモデルで示す説明図である。
【符号の説明】
1 低温熱水処理用人工ゼオライト製造装置
2 開口部
3 容器
4 油圧モータ
5 スラリー
6 羽根
7 保温材
8 リング状部材
9 ガイドローラ
10 軸
11 スラスト軸受
12 スプロケット
13 ギヤ
14 チェーン
15 スラグ
16 苛性ソーダ水溶液
17−1、17−2 コンベア
18 タンク
20、30 蒸気ヒータ
21 樋
22 網
23 反応後のスラグ(人工ゼオライト)
24 洗浄槽
25、31 管
26、33 蒸気管
27 蒸気ボイラ
28 出力槽
29 高温熱水処理用人工ゼオライト製造装置
32 蓋
34、36 ジョイント
35 フレキシブルホース
37 カップリング
38 空気抜弁
39 蒸気抜弁
40 熱交換器

Claims (2)

  1. 開口部を上端に位置させて斜めに配置したドラム形状の容器と、
    前記容器を前記開口部中心を通る斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動するモータと、
    前記容器内部に設けられ、前記正の方向の回転では、その内部に充填したスラリーを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆の回転では、その内部に充填したスラリーを上方に移動させつつ前記開口部の外へ送り出す羽根と、
    前記開口部を介してスラグ及びアルカリ水溶液の夫々、またはその混合物であるスラリーを投入するスラリー投入装置と、
    前記容器内部に充填されたスラリーを100℃近くの温度に加熱するヒータと、
    前記ヒータを駆動し、前記スラリーを100℃近くの温度に加熱保持した状態で、所定の反応時間を検出するタイマと、
    前記タイマのタイムアップ後に、前記容器を逆方向に回転させ、前記開口部から出力される反応後のスラリーを搬出する樋と、
    前記樋により搬出されたスラリーを粉末及び水溶液に分離する網と、
    前記網上に残った反応後の粉末に冷水を掛けるか、又は洗浄水中に投入し、急冷及び洗浄を行う洗浄手段と、を備えたことを特徴とする人工ゼオライト製造装置。
  2. 開口部を上端に位置させて斜めに配置したドラム形状の容器と、
    前記容器を前記開口部中心を通る斜め軸の回りで正逆方向に回転駆動するモータと、
    前記容器内部に設けられ、前記正の方向の回転では、その内部に充填したスラリーを下方に移動させつつ撹拌すると共に、逆の回転では、その内部に充填したスラリーを上方に移動させ、前記開口部の外へ送り出す羽根と、
    前記開口部を開閉自在な形で密閉封止する蓋と、
    前記容器内部に充填されたスラリーを100℃より上の温度に加熱するヒータと、
    前記ヒータを駆動し、前記スラリーを100℃より上の温度に加熱保持した状態で、所定の反応時間を検出するタイマと、
    前記タイマのタイムアップ後に、適宜圧抜きした上で前記蓋を開け、前記容器を逆方向に回転させ、前記開口部から出力される反応後のスラリーを搬出する樋と、
    前記樋により搬出されたスラリーを粉末及び水溶液に分離する網と、
    前記網上に残った反応後の粉末に冷水を掛けるか、又は洗浄水中に投入し、急冷及び洗浄を行う洗浄手段と、を備えたことを特徴とする人工ゼオライト製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009167068A (ja) * 2008-01-18 2009-07-30 Central Res Inst Of Electric Power Ind ゼオライト製造装置及び発電設備
WO2012105749A1 (ko) * 2011-01-31 2012-08-09 Park Jong Kwan 다공성 제올라이트 파우더 제조 장치와 방법 및 이 장치와 방법에 의해 제조된 다공성 제올라이트 파우더, 그리고, 이 다공성 제올라이트 파우더를 재료로 하는 제품

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