JP2004082054A - 浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】断熱材で覆われていない部位があっても結露の発生を極力抑制することができる浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置を提供する。
【解決手段】循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24を単一のケース21内に収容するようにした。ケース21内外の空気の出入りが抑制されるため、循環ポンプ22や殺菌槽24の駆動により発生した熱(廃熱)はケース21内にこもり、これによりケース21内の空気の乾燥が図られる。従って、ケース21に収容された循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24等の各種機器とケース21内における配管路との接続部分等、断熱材Iによる被覆が困難な箇所において、たとえ外部に露出している部分があっても、この部分における結露の発生を抑制することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24を単一のケース21内に収容するようにした。ケース21内外の空気の出入りが抑制されるため、循環ポンプ22や殺菌槽24の駆動により発生した熱(廃熱)はケース21内にこもり、これによりケース21内の空気の乾燥が図られる。従って、ケース21に収容された循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24等の各種機器とケース21内における配管路との接続部分等、断熱材Iによる被覆が困難な箇所において、たとえ外部に露出している部分があっても、この部分における結露の発生を抑制することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば切花の切り口を浸す水槽の水を浄化する浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、切花の生産農家や小売店等において、切花の鮮度を保つために切花の切り口を水揚げ用の水槽や容器等の水に漬けて水揚げさせる水揚げ処理が行われている。この切花の水揚げ処理は、例えばプレハブ式冷蔵庫内に水槽や容器を並べ、その中に適当な深さの水を入れる。そして、この水槽や容器内に収穫した切花を花が上になるように入れ、一定時間水に浸して吸水させる。
【0003】
水揚げ用水を繰り返し使用するとバクテリア等の微生物が増殖し、花の持ちが悪くなる。このため、毎日又は2日に一回程度の割合で水の交換作業を行う必要があった。特に、夏場においては水も腐りやすく、水交換を1日に2〜3回行う場合もあった。従って、生産農家や小売店にとって、水の交換作業は非常に手間がかかるものであった。
【0004】
このような問題を解決するために、単数又は複数段の水受け用の水槽内の水をポンプの駆動により循環させるようにした切花鮮度維持装置が従来より提案されている。この切花鮮度維持装置は浄化装置及び冷却装置を備えており、それぞれ水の循環回路上に設けられている。水槽内の水は配管路を介して浄化装置を通過することにより浄化されると共に冷却装置を通過することにより所定温度に冷却保持されて水槽に戻される。水槽の水が循環されて浄化されることにより水中での微生物の繁殖が抑制される。また、水を所定温度(例えば5〜10℃程度)に冷却することにより切花の老化が抑制される。
【0005】
水槽の冷水が循環されることによって配管路、浄化装置及び冷却装置の表面温度もそれぞれ低下し、周囲の空気温度よりも低くなることも多い。この場合、配管路、浄化装置及び冷却装置の表面に結露が発生するおそれがあった。即ち、配管路、浄化装置及び冷却装置の表面が外部の空気にさらされると、この外部の空気が冷却されて当該空気に含まれている水蒸気が凝結して水滴となり、この水滴が配管路、浄化装置及び冷却装置の表面にそれぞれ付着する。このような結露の発生を防止するために配管路、浄化装置及び冷却装置の表面は全て断熱材により覆うようにされていた。この結果、配管路、浄化装置及び冷却装置それぞれの冷却された表面と外部の空気との接触が回避されて結露の発生が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の切花鮮度維持装置においては、次のような問題があった。即ち、切花鮮度維持装置を例えばデパートのフロア等に設置するようにした場合には、結露水の水だれ(水漏れ)を確実に阻止する必要がある。切花鮮度維持装置は、ポンプ、前記浄化装置を構成するろ過槽及び殺菌槽といった数多くの機器から構成されている。そして、これら機器の中には保守を頻繁に行う必要のあるものもあり、このような機器の表面を断熱材により完全に覆うことは保守の作業効率の面から好ましくなかった。また、数多く存在する各機器と配管路との接続部分の中には複雑な外形をなしており、表面を全て断熱材で覆うことが困難な部分も存在していた。
【0007】
このように、各機器及び各機器と配管路との接続部分の表面を断熱材により完全に覆うことが困難で、各種機器の表面や配管路の表面の一部を露出させたままにせざるを得ない場合もあった。このような場合、断熱材により覆われていない露出した部位において結露が発生するおそれがあった。そして、この結露水が切花鮮度維持装置の外部に漏れるおそれがあった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、各種の構成機器を一箇所に集約して一括した結露対策を図ると共に、断熱材で覆われていない部位があっても結露の発生を極力抑制することができる浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、外部から供給された被処理水を複数の構成機器を通過させることにより浄化するようにした浄化装置において、各構成機器を単一のケース内に収容するようにしたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浄化装置において、前記ケースは密閉されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の浄化装置において、前記各構成機器には、動作状態において発熱する機器が含まれていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、水受け用の水槽と、この水槽内の水を浄化する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の浄化装置と、同じく水を冷却する冷却装置とから被処理水の循環回路を形成するようにしたことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、外部から供給された被処理水を複数の構成機器を通過させることにより浄化するようにした浄化装置の結露防止方法において、各構成機器を単一のケース内に収容し、各構成機器のうち少なくとも一つからの廃熱を利用して前記ケース内の空気を乾燥させるようにしたことを要旨とする。
【0013】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、外部から供給された被処理水は複数の構成機器を通過することにより浄化される。各構成機器は単一のケース内に収容される。ケース内の空気の出入りが抑制されることにより、ケース内における結露が発生しにくくなる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記ケースは密閉される。このため、各構成機器とケース外部の空気との接触が防止される。従って、ケース内における結露の発生がいっそう抑制される。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、各構成機器のうち動作状態において発熱する機器からの熱はケース内にこもる。この結果、ケース内の空気は乾燥される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、水槽の水は請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の浄化装置により浄化されると共に冷却装置により冷却されて水槽に戻される。これにより、水槽に漬けられた切花の鮮度が維持される。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、外部から供給された被処理水は複数の構成機器を通過することにより浄化される。各構成機器は単一のケース内に収容され、各構成機器のうち少なくとも一つからの廃熱を利用して前記ケース内の空気が乾燥される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を切花の鮮度を維持する切花鮮度維持装置に具体化した実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、切花鮮度維持装置11は架台12上に階段状に配置された複数の水受け用の水槽13a, 13b,13cと、各水槽13a, 13b,13cの水を所定の温度に冷却保持する冷却装置14と、各水槽13a, 13b,13cの水を浄化する浄化装置15とを備えている。各水槽13a, 13b,13c、冷却装置14及び浄化装置15は相互に配管路により接続され、水揚げ用水(被処理水)の循環回路が形成されている。
【0020】
(水槽)
各水槽13a, 13b,13cはそれぞれ上部が開口した直方体状に形成されており、上下方向において重ならないように配置されている。各水槽13a, 13b,13c内には所定の深さの水が貯留されており、各水槽13a, 13b,13c内にはそれぞれ複数の花容器16(図1では一つのみ図示する。)が各水槽13a, 13b,13cの長手方向(図1における左右方向)に所定間隔毎に配置可能とされている。花容器は例えば上部が開口した円筒状且つ網目状に形成されており、各水槽13a, 13b,13cと同じ水位で花容器16内に水が入り込むようになっている。切花は、各花容器16にそれぞれ種類毎にまとめ生けされた状態で陳列される。
【0021】
各水槽13a,13b,13cの容積をそれぞれVa,Vb,Vcとしたとき、次式(A)が成立するように各水槽13a,13b,13cの容積はそれぞれ設定されている。
【0022】
Va>Vb=Vc…(A)
本実施形態では、各水槽13a, 13b,13cの内底面の面積はそれぞれ同じとされているので、各水槽13a, 13b,13cの容積は水槽の内底面から開口端縁までの距離(以下、「水槽の深さ」という。)により決定される。
【0023】
具体的には、上段の水槽13cに接続されている後述の第1流出管41の内径(開口径)φ1及び中段の水槽13bに接続されている後述の第2流出管42の内径(開口径)φ2をそれぞれ考慮して、下段の水槽13aの容積が設定されている。即ち、各水槽13a,13b,13cの深さをそれぞれHa,Hb,Hcとしたとき、次式(B)が成立するように各水槽13a,13b,13cの深さはそれぞれ設定されている。ただし、Hb=Hcである。この間係は、前述したように、Vb=Vcであることと、各水槽13a, 13b,13cの内底面の面積はそれぞれ同じであることから導き出される。
【0024】
Ha=Hb(又はHc)+φ1+φ2…(B)
各水槽13a, 13b,13c の底壁にはそれぞれ排水管Da,Db,Dcが設けられており、各排水管Da,Db,Dc上にはそれぞれ排水弁Ba,Bb,Bcが設けられている。排水管Db,Dcの外端(図1における下端)はそれぞれ下方に位置する水槽13aの上部開口部を臨むように配置されている。各排水弁Ba,Bb,Bcの開閉により各排水管Da,Db,Dcが連通又は遮断される。通常、各排水弁Ba,Bb,Bcはそれぞれ閉弁状態に保持されている。排水管Daには排水ホース(図示略)が接続可能とされている。
【0025】
(冷却装置)
冷却装置14は各水槽13a, 13b,13c内の水を切花の種類に合った所定の設定温度(例えば5〜10℃程度)に冷却保持する。
【0026】
(浄化装置)
浄化装置15はケース21を備えており、このケース21内には循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24がそれぞれ収容されている。ケース21は略気密状に形成されており(即ち、ケース21を構成する壁材間等における組立上の隙間は存在する)、ケース21内外の空気の出入りが困難とされている。
【0027】
循環ポンプ22は各水槽13a, 13b,13c(厳密には下段の水槽13a)の水を汲み上げる。
ろ過槽23は不織布及び繊維状活性炭等からなる物理的吸着フィルタ槽23a及び複数の活性炭ボールからなる消臭フィルタ槽23bを備えている。水に混在するミクロンオーダの異物は物理的吸着フィルタ槽23aを通過する際に除去され、さらに消臭フィルタ槽23bを通過する際に消臭される。
【0028】
殺菌槽24は紫外線ランプ24aを内蔵している。殺菌槽24を通過する水には紫外線ランプ24aにより生成された紫外線が照射され、これにより、水揚げ用水中のバクテリア等の微生物が殺菌されて繁殖が防止される。
【0029】
(接続間係)
下段の水槽13a内にはトップフィルタ31が内装された給水ユニット32が配置されている。トップフィルタ31は花片、葉及び茎等の比較的大きな異物を捕獲する。給水ユニット32は吸込管33及び第1接続管34を介して循環ポンプ22に接続されている。循環ポンプ22の吐出側は第2接続管35を介してろ過槽23の入口側に接続されており、このろ過槽23の出口側は第3接続管36を介して殺菌槽24の入口側に接続されている。
【0030】
この殺菌槽24の出口側は第4接続管37を介して冷却装置14の入口側に接続されている。冷却装置14の出口側には第5接続管38の一端が接続されており、当該第5接続管38の他端は上段の水槽13cの底壁に水密状に貫通固定されたノズル部材39の基端部に接続されている。ノズル部材39は水槽13cの底壁における図1の右端側に配置されている。ノズル部材39の先端部にはノズル39aが形成されており、当該ノズル39aは水の噴出方向が図1における左側を向くように設けられている。ノズル39aは上段の水槽13cの内底面近傍に位置している。
【0031】
上段の水槽13cの側壁において、図1における左端側には二点鎖線で示す第1流出管41の一端が水密状に連結されている。この第1流出管41の他端は中段の水槽13b内の図1における左端側に上部開口部を介して導入されている。また、第1流出管41の他端は中段の水槽13bの内底面近傍まで延出されていると共に上段の水槽13cから流れ込んだ水の流出方向が図1における右側を向くように形成されている。
【0032】
中段の水槽13bの側壁において、図1における右端側には二点鎖線で示す第2流出管42の一端が水密状に連結されている。この第2流出管42の他端は下段の水槽13a内の図1における右端側に上部開口部を介して導入されている。また、第2流出管42の他端は下段の水槽13aの内底面近傍まで延出されていると共に、中段の水槽13bから流れ込んだ水の流出方向が図1における左側を向くように形成されている。
【0033】
また、上段の水槽13cの側壁において、図1における右側には二点鎖線で示す第1オーバフロー管43の一端が水密状に連結されている。この第1オーバフロー管43の一端が接続されている部位は第1流出管41の一端が接続されている部位よりも上方に位置している。第1オーバフロー管43の他端は下段の水槽13a内に上部開口部を介して導入されている。この第1オーバフロー管43の他端は下段の水槽13aの水面上方に位置している。
【0034】
中段の水槽13bの側壁において、図1における左側には二点鎖線で示す第2オーバフロー管44の一端が水密状に連結されている。この第2オーバフロー管44の一端が接続されている部位は第2流出管42の一端が接続されている部位よりも上方に位置している。第2オーバフロー管44の他端は下段の水槽13a内に上部開口部を介して導入されている。この第2オーバフロー管44の他端は下段の水槽13aの水面上方に位置している。
【0035】
(断熱手段)
切花鮮度維持装置11を構成する各種の機器、即ち、循環ポンプ22(流水路に対応する部分のみ)、ろ過槽23及び殺菌槽24の表面は全て断熱材Iにより隙間なく覆われている。冷却装置14はその内部において個別に結露対策(図示略)が施されている。また、配管路を構成する吸込管33、第1接続管34、第2接続管35、第3接続管36、第4接続管37及び第5接続管38の表面も全て断熱材Iにより隙間なく覆われている。さらに、循環ポンプ22と第1及び第2接続管34,35との接続部位、ろ過槽23と第2及び第3接続管35,36との接続部位、殺菌槽24と第3及び第4接続管36,37との接続部位及び冷却装置14と第4及び第5接続管37,38との接続部位もそれぞれ全て断熱材Iにより覆われている。
【0036】
断熱材Iとしては、例えばグラスウールや発泡ウレタンが使用される。また、配管部分においては断熱テープ等が使用される。このように、前記配管路及び各種の機器の表面を断熱材Iにより覆うことにより、配管路及び各種の機器における冷却された表面と外部の空気との接触が回避され、結露の発生の防止が図られる。
【0037】
尚、循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24はそれぞれ浄化装置15の構成機器を構成する。また、循環ポンプ22及び紫外線ランプ24aはそれぞれ動作状態において発熱する機器を構成する。
【0038】
(切花の鮮度維持運転時の作用)
次に、前述のように構成した切花鮮度維持装置11における切花の鮮度維持運転時の作用を説明する。各水槽13a,13b,13cには適量の水揚げ用水が予め貯留されている。
【0039】
切花鮮度維持装置11の通常の鮮度維持運転時には、まず循環ポンプ22が駆動される。これに伴って、下段の水槽13a内の水は、給水ユニット32→吸込管33→第1接続管34→循環ポンプ22→第2接続管35→ろ過槽23→第3接続管36→殺菌槽24→第4接続管37→冷却装置14→第5接続管38→ノズル部材39の経路で上段の水槽13c内に供給される。ノズル部材39のノズル39a(噴出口)が図1における左側を向いているので、上段の水槽13c内の水には図1における右側から左側へ向かう水流が生成される。
【0040】
上段の水槽13c内の水位が所定の水位(第1流出管41の流出口)に達すると、これ以降、上段の水槽13c内に供給された水は第1流出管41を介して中段の水槽13b内に流出する。これにより、上段の水槽13c内の水はほぼ一定に保持される。中段の水槽13b内において、第1流出管41の流出口は図1における右側を向いているので、中段の水槽13b内の水には図1における左側から右側へ向かう水流が生成される。
【0041】
中段の水槽13b内の水位が所定の水位(第2流出管42の流出口)に達すると、これ以降、中段の水槽13b内に供給された水は第2流出管42を介して下段の水槽13a内に流出する。これにより、中段の水槽13b内の水はほぼ一定に保持される。下段の水槽13a内において、第2流出管42の流出口は図1における左側を向いているので、下段の水槽13a内の水には図1における右側から左側へ向かう水流が生成される。
【0042】
以後、下段の水槽13a内の水は循環ポンプ22の駆動により前述の循環回路を循環する。この結果、各水槽13a,13b,13cの水の中での微生物の繁殖が抑制され、各水槽13a,13b,13c内に配置された花容器16内の切花の鮮度が良好に保たれる。また、各水槽13a,13b,13cにおいて、それぞれの一端側から他端側への水流が生成され各切花の切り口には所定の水圧がかかることにより、切花の水揚げ率が向上する。
【0043】
下段の水槽13cの水に混在する花片、葉及び茎等の大きな異物はトップフィルタ31により除去される。このトップフィルタ31では捉えきれないほど小さな花片、葉及び茎等の異物は物理的吸着フィルタ槽23aにより除去される。そして、消臭フィルタ槽23bを通過することにより水に含まれている各種の匂い成分が除去されて消臭される。
【0044】
さらに、殺菌槽24を通過する際、循環回路を循環する水には紫外線ランプ24aからの紫外線が照射される。これにより、水中のバクテリア等の微生物が殺菌される。そして、水は冷却装置14を通過する際に冷却され、切花の種類に合った温度(例えば5〜10℃)に保持される。これらの結果、バクテリア等の微生物の増殖が抑制され、この微生物に起因する切花の導管閉塞が防止される。従って、切花の水揚げ量を十分に確保可能となり切花の鮮度が良好に保たれる。また、水を繰り返し使用しても切花の鮮度維持には何ら支障はない。
【0045】
一方、循環ポンプ22や殺菌槽24の駆動により発生する熱(廃熱)によりケース21内の温度が上昇し、ひいてはケース21内の空気が乾燥される。また、ケース21が略気密状とされていることにより、ケース21内外の空気の出入りが抑制される。即ち、ケース21外部の水蒸気を含んだ空気は当該ケース21内に入り込みにくくなっている。このため、ケース21内部の空気はケース21外部の空気に比べて乾燥した状態に保持される。
【0046】
従って、ろ過槽23等の各種機器と配管路との接続部分等のように、断熱材Iで覆うことが困難な部位の被覆が不十分であって、それらの表面が外部に露出していたとしても、結露の発生は極力抑制される。ケース21内の空気に含まれる水蒸気が少なくなっているからである。結露した水が浄化装置15や切花鮮度維持装置11の外部への漏出することもない。
【0047】
(運転停止時の作用)
切花の鮮度維持運転を終了する場合には、循環ポンプ22、殺菌槽24及び冷却装置14がそれぞれ停止される。この場合、循環ポンプ22の停止と同時に上段の水槽13c内への水の流入が停止することはなく、しばらくの間は循環管路内に残っている水が上段の水槽13c→中段の水槽13b→下段の水槽13aの順に流れ込む。
【0048】
しかし、本実施形態では、下段の水槽13aの容積を上段の水槽13cの容積及び中段の水槽13bの容積よりも大きく設定すると共に、循環ポンプ22の停止後に上段の水槽13c及び中段の水槽13bから溢れた分の水を貯留可能となる程度に下段の水槽13aの容積が設定されている。このため、ポンプ停止時において下段の水槽13aから水が溢れ出すことが回避される。
【0049】
(排水運転時の作用)
次に、切花鮮度維持装置11における各水槽13a,13b,13cの排水運転時の作用を排水設備が装置近傍にある場合とない場合とに分けて説明する。
【0050】
(排水設備が装置近傍にある場合)
排水設備が切花鮮度維持装置11の近傍にある場合に全水槽の排水を行うときには、下段の水槽13aの排水管Daに排水ホース(図示略)の一端を連結し、他端を排水設備(図示略)に接続する。次に、各水槽13a,13b,13cの排水弁Ba,Bb,Bcをそれぞれ開弁させる。すると、下段の水槽13a内の水は排水ホースを介して前記排水設備に排出される。中段の水槽13bの水は下段の水槽13a内に流入してから排水ホースを介して排水設備に排出される。上段の水槽13cの水も中段の水槽13bと同様に下段の水槽13a内に流入してから排水ホースを介して排水設備に排出される。
【0051】
(排水設備が装置近傍にない場合)
排水設備が切花鮮度維持装置11の近傍にない場合に全水槽の排水を行うときには、図2に示すように、ノズル部材39の先端部に排水ホース51の一端を装着し、当該排水ホースの他端を例えば少し離れた排水設備に接続する。排水ホース51の一端にはソケット接続カプラ52が設けられており、このソケット接続カプラ52にプラグ接続カプラとしてのノズル39aを押し込むことにより排水ホース51とノズル部材39とが相互に接続される。そして、中段の排水弁Bb及び上段の排水弁Bcをそれぞれ開弁し、両水槽13b,13c内の水をそれぞれ下段の水槽13a内へ流入させる。下段の水槽13aの排水弁Baは閉弁状態に保持される。
【0052】
この状態で循環ポンプ22を駆動させる。すると、下段の水槽13a内の水は、給水ユニット32→吸込管33→第1接続管34→循環ポンプ22→第2接続管35→ろ過槽23→第3接続管36→殺菌槽24→第4接続管37→冷却装置14→第5接続管38→ノズル部材39→排水ホース51の経路で前記排水設備へ排出される。このとき、冷却装置14及び殺菌槽24はそれぞれ停止されている。
【0053】
このように、排水ホースをノズル部材39に連結して循環ポンプ22を駆動させることにより、切花鮮度維持装置11から少し離れた排水設備へも容易に各水槽13a,13b,13c内の水を排出可能となる。このため、切花鮮度維持装置11の設置時において、排水設備が近くにあるか否かを気にする必要がない。また、切花鮮度維持装置11の近傍に排水設備がなくても、作業員がバケツ等を使用して水槽内の水の搬出作業を行う必要もない。従って、各水槽の排水作業が簡単になる。また、排水作業時、床に水が溢れることもない。
【0054】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)各水槽13a,13b,13cを除く主要構成要素である循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24を単一のケース21内に収容するようにした。外部の水分を含んだ空気が入りにくくされたケース21内に前述の主要構成要素を一括して収容するようにしたことにより、個々での結露対策が不要となり、各主要構成要素における結露の発生を一括して抑制することができる。従って、主要構成要素である循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24を一箇所に集約することにより一括した結露対策が図られる。
【0055】
ケース21内に収容された循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24等の各種機器とケース21内における配管路との接続部分等、断熱材Iによる被覆が困難な箇所において、たとえ外部に露出している部分があっても、この部分のでの結露の発生を極力抑制することができる。結露により発生した水をケース21の外部に排出するための排水機構も不要となる。
【0056】
(2)また、ケース21内外の空気の出入りが抑制される。即ち、ケース21内の空気は外部に流出しにくくなると共に外部の水蒸気を含んだ空気がケース21内に入りにくくなる。このため、循環ポンプ22や殺菌槽24の駆動により発生した熱(廃熱)はケース21内にこもり、これによりケース21内の空気の乾燥が図られる。従って、ケース21内における結露の発生をいっそう抑制することができる。ケース21に収容された循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24等の各種機器とケース21内における配管路との接続部分等、断熱材Iによる被覆が困難な箇所において、たとえ外部に露出している部分があっても、この部分における結露の発生をいっそう抑制することができる。結露した水がケース21の外部に流出することをもない。
【0057】
(3)最下段の水槽13aの容積を上段の水槽13cの容積及び中段の水槽13bの容積よりも大きくするようにした。そして、循環ポンプ22の停止時、上段の水槽13c及び中段の水槽13bからの溢れ分を貯留可能とした。このため、循環ポンプ22の停止時において、下段の水槽13aから水が溢れることを防止できる。
【0058】
(4)循環ポンプ22を利用して全水槽の排水を行うようにした。即ち、各排水弁Ba,Bb,Bcを開弁すると共に、排水ホース51のソケット接続カプラ52をノズル部材39のノズル39aに連結し、この状態で循環ポンプ22を駆動させる。すると、下段の水槽13a内の水及びこの水槽13a内に流れ込んだ水は浄化装置15、冷却装置14、ノズル部材39及び排水ホース51を介して排水設備に排出される。このため、例えばデパート等のフロアに切花鮮度維持装置11を設置する際、排水設備の有無や排水設備までの距離を気にする必要がない。また、バケツ等による水の搬出作業を行うことなく全ての水槽13a,13b,13cの水を排出することができる。床に水をこぼすこともない。従って、排水設備が切花鮮度維持装置11の近くにない場合においても、各水槽13a,13b,13cの水の排出作業を簡単に行うことができる。
【0059】
(5)ノズル39aを上段の水槽13cの内底面近傍かつ一端側(図1における右端側)に配置すると共に水の噴出方向が上段の水槽13cの他端側(図1における左端側)を向くように設けた。また、第1流出管41の他端を中段の水槽13bの内底面近傍かつ一端側(図1における左端側)に配置すると共に上段の水槽13cから流れ込んだ水の流出方向が中段の水槽13bの他端側(図1における右端側)を向くように形成した。さらに、第2流出管42の他端を下段の水槽13aの内底面近傍かつ一端側(図1における右端側)に配置すると共に中段の水槽13bから流れ込んだ水の流出方向が下段の水槽13aの他端側(図1における左端側)を向くように形成した。このため、各水槽13a,13b,13c内において一端側から他端側への水流を容易に生成することができる。この生成された水流に起因して各切花の切り口には所定の水圧がかかり、これにより切花の水揚げ率が向上する。
【0060】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のような別例に変更して実施してもよい。
・本実施形態では、ケース21を略密閉状態としたが、図3に示すように、ケース21を構成する壁材間等の組立上の隙間をパッキンS等の密封手段(シール手段)により密封し、ケース21を密閉状態としてもよい。このようにすれば、ケース21内外の空気の出入りが阻止され、ケース21内における結露の発生をより確実に防止することができる。
【0061】
・本実施形態では、循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24をそれぞれ単一のケース21内に収容するようにしたが、次のようにしてもよい。例えば循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24をそれぞれ個別のケース(図示略)内に収容し、各ケースはそれぞれ密閉状態又は略密閉状態とする。このとき、各機器における配管接続部などの断熱材Iによる被覆が困難な部位をケース内に位置させる。このようにしても、各ケース内外の空気の出入りが抑制され、結露の発生を抑えることができる。また、循環ポンプ22及びろ過槽23を同一のケース(図示略)に収容すると共に殺菌槽24を個別のケース(図示略)に収容するようにしてもよい。また、循環ポンプ22を個別のケース(図示略)に収容すると共にろ過槽23及び殺菌槽24をそれぞれ単一のケース(図示略)に収容するようにしてもよい。さらに、循環ポンプ22及び殺菌槽24を単一のケース(図示略)に収容すると共にろ過槽23を個別のケース(図示略)に収容するようにしてもよい。
【0062】
・ケース21を二重壁構造、三重壁構造及びそれ以上の複数壁構造としてもよい。このようにすれば、ケース21の内外の空気の出入りがいっそう困難になり、ケース21内での結露の発生をいっそう抑制することができる。
【0063】
・ケース21内にヒータ等の空気乾燥装置を設けるようにしてもよい。また、吸湿性を有した吸湿体(例えば木炭)をケース21内に配置するようにしてもよい。このようにすれば、ケース21内の空気をいっそう乾燥させることができる。ひいては、ケース21内での結露の発生をいっそう抑制することができる。
【0064】
・ケース21の外面全体を断熱材Iにより覆うようにしてもよい。このようにすれば、例えばケース21内外の温度差に起因する結露の発生を抑制することができる。
【0065】
・本実施形態では、水槽の水をろ過槽23→殺菌槽24の順に通過させるようにしたが、殺菌槽24→ろ過槽23の順に通過させるようにしてもよい。
・本実施形態では、水槽を3つとしたが、1つ、2つ又は4つ以上設けるようにしてもよい。
【0066】
・本実施形態では、ノズル部材39のノズル39aに排水ホース51のソケット接続カプラ52を接続して、各水槽13a,13b,13cの水を排出するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、水の循環経路において、循環ポンプ22の吐出側とノズル部材39との間の任意の位置に排出口部(図示略)を設ける。この排水口部は前記排水ホース51のソケット接続カプラ52を接続可能に構成する。各水槽13a,13b,13cの水を排出する際には、前記排水口部にソケット接続カプラ52を接続して循環ポンプ22を駆動させる。すると、各水槽13a,13b,13cの水は排水口部及び排水ホース51を介して外部に排出される。このようにしても、循環ポンプ22を利用して各水槽13a,13b,13cの水を排出することができる。
【0067】
・本実施形態において、浄化装置15を切花鮮度維持用の浄化装置としたが、切花の鮮度を維持する目的以外に使用するようにしてもよい。
(付記)
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0068】
・水槽の水を汲み上げるポンプと、ポンプにより汲み上げられた水に混在する異物を除去するろ過槽と、同じく水を殺菌する殺菌槽とを備えた浄化装置において、前記ポンプ、ろ過槽及び殺菌槽をそれぞれ単一のケース内に収容するようにした浄化装置。この構成によれば、ケース内の空気の出入りが抑制され、結露が発生しにくくなる。
【0069】
・水受け用の水槽と、水槽の水を汲み上げるポンプと、ポンプにより汲み上げられた水に混在する異物を除去するろ過槽と、同じく水を殺菌する殺菌槽と、同じく水を冷却する冷却装置とから水の循環回路を形成するようにした切花鮮度維持装置において、前記循環回路におけるポンプの吐出側には排水口部を設け、水槽の水を排出する際には前記排水口部に排水ホースを連結した状態でポンプを駆動させるようにした切花鮮度維持装置の排水方法。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、断熱材で覆われていない部位があっても結露の発生を極力抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における切花鮮度維持装置の概略構成図。
【図2】本実施形態におけるノズル部材と排水ホースとの連結を示す要部正面図。
【図3】別の実施形態における浄化装置の概略構成図。
【符号の説明】
11…切花鮮度維持装置、13a,13b,13c…水槽、14…冷却装置、15…浄化装置、21…ケース、
22…構成機器及び動作状態において発熱する機器を構成する循環ポンプ、
23…構成機器を構成するろ過槽、24…構成機器を構成する殺菌槽、
24a…動作状態において発熱する機器を構成する紫外線ランプ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば切花の切り口を浸す水槽の水を浄化する浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、切花の生産農家や小売店等において、切花の鮮度を保つために切花の切り口を水揚げ用の水槽や容器等の水に漬けて水揚げさせる水揚げ処理が行われている。この切花の水揚げ処理は、例えばプレハブ式冷蔵庫内に水槽や容器を並べ、その中に適当な深さの水を入れる。そして、この水槽や容器内に収穫した切花を花が上になるように入れ、一定時間水に浸して吸水させる。
【0003】
水揚げ用水を繰り返し使用するとバクテリア等の微生物が増殖し、花の持ちが悪くなる。このため、毎日又は2日に一回程度の割合で水の交換作業を行う必要があった。特に、夏場においては水も腐りやすく、水交換を1日に2〜3回行う場合もあった。従って、生産農家や小売店にとって、水の交換作業は非常に手間がかかるものであった。
【0004】
このような問題を解決するために、単数又は複数段の水受け用の水槽内の水をポンプの駆動により循環させるようにした切花鮮度維持装置が従来より提案されている。この切花鮮度維持装置は浄化装置及び冷却装置を備えており、それぞれ水の循環回路上に設けられている。水槽内の水は配管路を介して浄化装置を通過することにより浄化されると共に冷却装置を通過することにより所定温度に冷却保持されて水槽に戻される。水槽の水が循環されて浄化されることにより水中での微生物の繁殖が抑制される。また、水を所定温度(例えば5〜10℃程度)に冷却することにより切花の老化が抑制される。
【0005】
水槽の冷水が循環されることによって配管路、浄化装置及び冷却装置の表面温度もそれぞれ低下し、周囲の空気温度よりも低くなることも多い。この場合、配管路、浄化装置及び冷却装置の表面に結露が発生するおそれがあった。即ち、配管路、浄化装置及び冷却装置の表面が外部の空気にさらされると、この外部の空気が冷却されて当該空気に含まれている水蒸気が凝結して水滴となり、この水滴が配管路、浄化装置及び冷却装置の表面にそれぞれ付着する。このような結露の発生を防止するために配管路、浄化装置及び冷却装置の表面は全て断熱材により覆うようにされていた。この結果、配管路、浄化装置及び冷却装置それぞれの冷却された表面と外部の空気との接触が回避されて結露の発生が防止される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この種の切花鮮度維持装置においては、次のような問題があった。即ち、切花鮮度維持装置を例えばデパートのフロア等に設置するようにした場合には、結露水の水だれ(水漏れ)を確実に阻止する必要がある。切花鮮度維持装置は、ポンプ、前記浄化装置を構成するろ過槽及び殺菌槽といった数多くの機器から構成されている。そして、これら機器の中には保守を頻繁に行う必要のあるものもあり、このような機器の表面を断熱材により完全に覆うことは保守の作業効率の面から好ましくなかった。また、数多く存在する各機器と配管路との接続部分の中には複雑な外形をなしており、表面を全て断熱材で覆うことが困難な部分も存在していた。
【0007】
このように、各機器及び各機器と配管路との接続部分の表面を断熱材により完全に覆うことが困難で、各種機器の表面や配管路の表面の一部を露出させたままにせざるを得ない場合もあった。このような場合、断熱材により覆われていない露出した部位において結露が発生するおそれがあった。そして、この結露水が切花鮮度維持装置の外部に漏れるおそれがあった。
【0008】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、各種の構成機器を一箇所に集約して一括した結露対策を図ると共に、断熱材で覆われていない部位があっても結露の発生を極力抑制することができる浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、外部から供給された被処理水を複数の構成機器を通過させることにより浄化するようにした浄化装置において、各構成機器を単一のケース内に収容するようにしたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の浄化装置において、前記ケースは密閉されていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の浄化装置において、前記各構成機器には、動作状態において発熱する機器が含まれていることを要旨とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、水受け用の水槽と、この水槽内の水を浄化する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の浄化装置と、同じく水を冷却する冷却装置とから被処理水の循環回路を形成するようにしたことを要旨とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、外部から供給された被処理水を複数の構成機器を通過させることにより浄化するようにした浄化装置の結露防止方法において、各構成機器を単一のケース内に収容し、各構成機器のうち少なくとも一つからの廃熱を利用して前記ケース内の空気を乾燥させるようにしたことを要旨とする。
【0013】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、外部から供給された被処理水は複数の構成機器を通過することにより浄化される。各構成機器は単一のケース内に収容される。ケース内の空気の出入りが抑制されることにより、ケース内における結露が発生しにくくなる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、前記ケースは密閉される。このため、各構成機器とケース外部の空気との接触が防止される。従って、ケース内における結露の発生がいっそう抑制される。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、各構成機器のうち動作状態において発熱する機器からの熱はケース内にこもる。この結果、ケース内の空気は乾燥される。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、水槽の水は請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の浄化装置により浄化されると共に冷却装置により冷却されて水槽に戻される。これにより、水槽に漬けられた切花の鮮度が維持される。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、外部から供給された被処理水は複数の構成機器を通過することにより浄化される。各構成機器は単一のケース内に収容され、各構成機器のうち少なくとも一つからの廃熱を利用して前記ケース内の空気が乾燥される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を切花の鮮度を維持する切花鮮度維持装置に具体化した実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0019】
図1に示すように、切花鮮度維持装置11は架台12上に階段状に配置された複数の水受け用の水槽13a, 13b,13cと、各水槽13a, 13b,13cの水を所定の温度に冷却保持する冷却装置14と、各水槽13a, 13b,13cの水を浄化する浄化装置15とを備えている。各水槽13a, 13b,13c、冷却装置14及び浄化装置15は相互に配管路により接続され、水揚げ用水(被処理水)の循環回路が形成されている。
【0020】
(水槽)
各水槽13a, 13b,13cはそれぞれ上部が開口した直方体状に形成されており、上下方向において重ならないように配置されている。各水槽13a, 13b,13c内には所定の深さの水が貯留されており、各水槽13a, 13b,13c内にはそれぞれ複数の花容器16(図1では一つのみ図示する。)が各水槽13a, 13b,13cの長手方向(図1における左右方向)に所定間隔毎に配置可能とされている。花容器は例えば上部が開口した円筒状且つ網目状に形成されており、各水槽13a, 13b,13cと同じ水位で花容器16内に水が入り込むようになっている。切花は、各花容器16にそれぞれ種類毎にまとめ生けされた状態で陳列される。
【0021】
各水槽13a,13b,13cの容積をそれぞれVa,Vb,Vcとしたとき、次式(A)が成立するように各水槽13a,13b,13cの容積はそれぞれ設定されている。
【0022】
Va>Vb=Vc…(A)
本実施形態では、各水槽13a, 13b,13cの内底面の面積はそれぞれ同じとされているので、各水槽13a, 13b,13cの容積は水槽の内底面から開口端縁までの距離(以下、「水槽の深さ」という。)により決定される。
【0023】
具体的には、上段の水槽13cに接続されている後述の第1流出管41の内径(開口径)φ1及び中段の水槽13bに接続されている後述の第2流出管42の内径(開口径)φ2をそれぞれ考慮して、下段の水槽13aの容積が設定されている。即ち、各水槽13a,13b,13cの深さをそれぞれHa,Hb,Hcとしたとき、次式(B)が成立するように各水槽13a,13b,13cの深さはそれぞれ設定されている。ただし、Hb=Hcである。この間係は、前述したように、Vb=Vcであることと、各水槽13a, 13b,13cの内底面の面積はそれぞれ同じであることから導き出される。
【0024】
Ha=Hb(又はHc)+φ1+φ2…(B)
各水槽13a, 13b,13c の底壁にはそれぞれ排水管Da,Db,Dcが設けられており、各排水管Da,Db,Dc上にはそれぞれ排水弁Ba,Bb,Bcが設けられている。排水管Db,Dcの外端(図1における下端)はそれぞれ下方に位置する水槽13aの上部開口部を臨むように配置されている。各排水弁Ba,Bb,Bcの開閉により各排水管Da,Db,Dcが連通又は遮断される。通常、各排水弁Ba,Bb,Bcはそれぞれ閉弁状態に保持されている。排水管Daには排水ホース(図示略)が接続可能とされている。
【0025】
(冷却装置)
冷却装置14は各水槽13a, 13b,13c内の水を切花の種類に合った所定の設定温度(例えば5〜10℃程度)に冷却保持する。
【0026】
(浄化装置)
浄化装置15はケース21を備えており、このケース21内には循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24がそれぞれ収容されている。ケース21は略気密状に形成されており(即ち、ケース21を構成する壁材間等における組立上の隙間は存在する)、ケース21内外の空気の出入りが困難とされている。
【0027】
循環ポンプ22は各水槽13a, 13b,13c(厳密には下段の水槽13a)の水を汲み上げる。
ろ過槽23は不織布及び繊維状活性炭等からなる物理的吸着フィルタ槽23a及び複数の活性炭ボールからなる消臭フィルタ槽23bを備えている。水に混在するミクロンオーダの異物は物理的吸着フィルタ槽23aを通過する際に除去され、さらに消臭フィルタ槽23bを通過する際に消臭される。
【0028】
殺菌槽24は紫外線ランプ24aを内蔵している。殺菌槽24を通過する水には紫外線ランプ24aにより生成された紫外線が照射され、これにより、水揚げ用水中のバクテリア等の微生物が殺菌されて繁殖が防止される。
【0029】
(接続間係)
下段の水槽13a内にはトップフィルタ31が内装された給水ユニット32が配置されている。トップフィルタ31は花片、葉及び茎等の比較的大きな異物を捕獲する。給水ユニット32は吸込管33及び第1接続管34を介して循環ポンプ22に接続されている。循環ポンプ22の吐出側は第2接続管35を介してろ過槽23の入口側に接続されており、このろ過槽23の出口側は第3接続管36を介して殺菌槽24の入口側に接続されている。
【0030】
この殺菌槽24の出口側は第4接続管37を介して冷却装置14の入口側に接続されている。冷却装置14の出口側には第5接続管38の一端が接続されており、当該第5接続管38の他端は上段の水槽13cの底壁に水密状に貫通固定されたノズル部材39の基端部に接続されている。ノズル部材39は水槽13cの底壁における図1の右端側に配置されている。ノズル部材39の先端部にはノズル39aが形成されており、当該ノズル39aは水の噴出方向が図1における左側を向くように設けられている。ノズル39aは上段の水槽13cの内底面近傍に位置している。
【0031】
上段の水槽13cの側壁において、図1における左端側には二点鎖線で示す第1流出管41の一端が水密状に連結されている。この第1流出管41の他端は中段の水槽13b内の図1における左端側に上部開口部を介して導入されている。また、第1流出管41の他端は中段の水槽13bの内底面近傍まで延出されていると共に上段の水槽13cから流れ込んだ水の流出方向が図1における右側を向くように形成されている。
【0032】
中段の水槽13bの側壁において、図1における右端側には二点鎖線で示す第2流出管42の一端が水密状に連結されている。この第2流出管42の他端は下段の水槽13a内の図1における右端側に上部開口部を介して導入されている。また、第2流出管42の他端は下段の水槽13aの内底面近傍まで延出されていると共に、中段の水槽13bから流れ込んだ水の流出方向が図1における左側を向くように形成されている。
【0033】
また、上段の水槽13cの側壁において、図1における右側には二点鎖線で示す第1オーバフロー管43の一端が水密状に連結されている。この第1オーバフロー管43の一端が接続されている部位は第1流出管41の一端が接続されている部位よりも上方に位置している。第1オーバフロー管43の他端は下段の水槽13a内に上部開口部を介して導入されている。この第1オーバフロー管43の他端は下段の水槽13aの水面上方に位置している。
【0034】
中段の水槽13bの側壁において、図1における左側には二点鎖線で示す第2オーバフロー管44の一端が水密状に連結されている。この第2オーバフロー管44の一端が接続されている部位は第2流出管42の一端が接続されている部位よりも上方に位置している。第2オーバフロー管44の他端は下段の水槽13a内に上部開口部を介して導入されている。この第2オーバフロー管44の他端は下段の水槽13aの水面上方に位置している。
【0035】
(断熱手段)
切花鮮度維持装置11を構成する各種の機器、即ち、循環ポンプ22(流水路に対応する部分のみ)、ろ過槽23及び殺菌槽24の表面は全て断熱材Iにより隙間なく覆われている。冷却装置14はその内部において個別に結露対策(図示略)が施されている。また、配管路を構成する吸込管33、第1接続管34、第2接続管35、第3接続管36、第4接続管37及び第5接続管38の表面も全て断熱材Iにより隙間なく覆われている。さらに、循環ポンプ22と第1及び第2接続管34,35との接続部位、ろ過槽23と第2及び第3接続管35,36との接続部位、殺菌槽24と第3及び第4接続管36,37との接続部位及び冷却装置14と第4及び第5接続管37,38との接続部位もそれぞれ全て断熱材Iにより覆われている。
【0036】
断熱材Iとしては、例えばグラスウールや発泡ウレタンが使用される。また、配管部分においては断熱テープ等が使用される。このように、前記配管路及び各種の機器の表面を断熱材Iにより覆うことにより、配管路及び各種の機器における冷却された表面と外部の空気との接触が回避され、結露の発生の防止が図られる。
【0037】
尚、循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24はそれぞれ浄化装置15の構成機器を構成する。また、循環ポンプ22及び紫外線ランプ24aはそれぞれ動作状態において発熱する機器を構成する。
【0038】
(切花の鮮度維持運転時の作用)
次に、前述のように構成した切花鮮度維持装置11における切花の鮮度維持運転時の作用を説明する。各水槽13a,13b,13cには適量の水揚げ用水が予め貯留されている。
【0039】
切花鮮度維持装置11の通常の鮮度維持運転時には、まず循環ポンプ22が駆動される。これに伴って、下段の水槽13a内の水は、給水ユニット32→吸込管33→第1接続管34→循環ポンプ22→第2接続管35→ろ過槽23→第3接続管36→殺菌槽24→第4接続管37→冷却装置14→第5接続管38→ノズル部材39の経路で上段の水槽13c内に供給される。ノズル部材39のノズル39a(噴出口)が図1における左側を向いているので、上段の水槽13c内の水には図1における右側から左側へ向かう水流が生成される。
【0040】
上段の水槽13c内の水位が所定の水位(第1流出管41の流出口)に達すると、これ以降、上段の水槽13c内に供給された水は第1流出管41を介して中段の水槽13b内に流出する。これにより、上段の水槽13c内の水はほぼ一定に保持される。中段の水槽13b内において、第1流出管41の流出口は図1における右側を向いているので、中段の水槽13b内の水には図1における左側から右側へ向かう水流が生成される。
【0041】
中段の水槽13b内の水位が所定の水位(第2流出管42の流出口)に達すると、これ以降、中段の水槽13b内に供給された水は第2流出管42を介して下段の水槽13a内に流出する。これにより、中段の水槽13b内の水はほぼ一定に保持される。下段の水槽13a内において、第2流出管42の流出口は図1における左側を向いているので、下段の水槽13a内の水には図1における右側から左側へ向かう水流が生成される。
【0042】
以後、下段の水槽13a内の水は循環ポンプ22の駆動により前述の循環回路を循環する。この結果、各水槽13a,13b,13cの水の中での微生物の繁殖が抑制され、各水槽13a,13b,13c内に配置された花容器16内の切花の鮮度が良好に保たれる。また、各水槽13a,13b,13cにおいて、それぞれの一端側から他端側への水流が生成され各切花の切り口には所定の水圧がかかることにより、切花の水揚げ率が向上する。
【0043】
下段の水槽13cの水に混在する花片、葉及び茎等の大きな異物はトップフィルタ31により除去される。このトップフィルタ31では捉えきれないほど小さな花片、葉及び茎等の異物は物理的吸着フィルタ槽23aにより除去される。そして、消臭フィルタ槽23bを通過することにより水に含まれている各種の匂い成分が除去されて消臭される。
【0044】
さらに、殺菌槽24を通過する際、循環回路を循環する水には紫外線ランプ24aからの紫外線が照射される。これにより、水中のバクテリア等の微生物が殺菌される。そして、水は冷却装置14を通過する際に冷却され、切花の種類に合った温度(例えば5〜10℃)に保持される。これらの結果、バクテリア等の微生物の増殖が抑制され、この微生物に起因する切花の導管閉塞が防止される。従って、切花の水揚げ量を十分に確保可能となり切花の鮮度が良好に保たれる。また、水を繰り返し使用しても切花の鮮度維持には何ら支障はない。
【0045】
一方、循環ポンプ22や殺菌槽24の駆動により発生する熱(廃熱)によりケース21内の温度が上昇し、ひいてはケース21内の空気が乾燥される。また、ケース21が略気密状とされていることにより、ケース21内外の空気の出入りが抑制される。即ち、ケース21外部の水蒸気を含んだ空気は当該ケース21内に入り込みにくくなっている。このため、ケース21内部の空気はケース21外部の空気に比べて乾燥した状態に保持される。
【0046】
従って、ろ過槽23等の各種機器と配管路との接続部分等のように、断熱材Iで覆うことが困難な部位の被覆が不十分であって、それらの表面が外部に露出していたとしても、結露の発生は極力抑制される。ケース21内の空気に含まれる水蒸気が少なくなっているからである。結露した水が浄化装置15や切花鮮度維持装置11の外部への漏出することもない。
【0047】
(運転停止時の作用)
切花の鮮度維持運転を終了する場合には、循環ポンプ22、殺菌槽24及び冷却装置14がそれぞれ停止される。この場合、循環ポンプ22の停止と同時に上段の水槽13c内への水の流入が停止することはなく、しばらくの間は循環管路内に残っている水が上段の水槽13c→中段の水槽13b→下段の水槽13aの順に流れ込む。
【0048】
しかし、本実施形態では、下段の水槽13aの容積を上段の水槽13cの容積及び中段の水槽13bの容積よりも大きく設定すると共に、循環ポンプ22の停止後に上段の水槽13c及び中段の水槽13bから溢れた分の水を貯留可能となる程度に下段の水槽13aの容積が設定されている。このため、ポンプ停止時において下段の水槽13aから水が溢れ出すことが回避される。
【0049】
(排水運転時の作用)
次に、切花鮮度維持装置11における各水槽13a,13b,13cの排水運転時の作用を排水設備が装置近傍にある場合とない場合とに分けて説明する。
【0050】
(排水設備が装置近傍にある場合)
排水設備が切花鮮度維持装置11の近傍にある場合に全水槽の排水を行うときには、下段の水槽13aの排水管Daに排水ホース(図示略)の一端を連結し、他端を排水設備(図示略)に接続する。次に、各水槽13a,13b,13cの排水弁Ba,Bb,Bcをそれぞれ開弁させる。すると、下段の水槽13a内の水は排水ホースを介して前記排水設備に排出される。中段の水槽13bの水は下段の水槽13a内に流入してから排水ホースを介して排水設備に排出される。上段の水槽13cの水も中段の水槽13bと同様に下段の水槽13a内に流入してから排水ホースを介して排水設備に排出される。
【0051】
(排水設備が装置近傍にない場合)
排水設備が切花鮮度維持装置11の近傍にない場合に全水槽の排水を行うときには、図2に示すように、ノズル部材39の先端部に排水ホース51の一端を装着し、当該排水ホースの他端を例えば少し離れた排水設備に接続する。排水ホース51の一端にはソケット接続カプラ52が設けられており、このソケット接続カプラ52にプラグ接続カプラとしてのノズル39aを押し込むことにより排水ホース51とノズル部材39とが相互に接続される。そして、中段の排水弁Bb及び上段の排水弁Bcをそれぞれ開弁し、両水槽13b,13c内の水をそれぞれ下段の水槽13a内へ流入させる。下段の水槽13aの排水弁Baは閉弁状態に保持される。
【0052】
この状態で循環ポンプ22を駆動させる。すると、下段の水槽13a内の水は、給水ユニット32→吸込管33→第1接続管34→循環ポンプ22→第2接続管35→ろ過槽23→第3接続管36→殺菌槽24→第4接続管37→冷却装置14→第5接続管38→ノズル部材39→排水ホース51の経路で前記排水設備へ排出される。このとき、冷却装置14及び殺菌槽24はそれぞれ停止されている。
【0053】
このように、排水ホースをノズル部材39に連結して循環ポンプ22を駆動させることにより、切花鮮度維持装置11から少し離れた排水設備へも容易に各水槽13a,13b,13c内の水を排出可能となる。このため、切花鮮度維持装置11の設置時において、排水設備が近くにあるか否かを気にする必要がない。また、切花鮮度維持装置11の近傍に排水設備がなくても、作業員がバケツ等を使用して水槽内の水の搬出作業を行う必要もない。従って、各水槽の排水作業が簡単になる。また、排水作業時、床に水が溢れることもない。
【0054】
(実施形態の効果)
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)各水槽13a,13b,13cを除く主要構成要素である循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24を単一のケース21内に収容するようにした。外部の水分を含んだ空気が入りにくくされたケース21内に前述の主要構成要素を一括して収容するようにしたことにより、個々での結露対策が不要となり、各主要構成要素における結露の発生を一括して抑制することができる。従って、主要構成要素である循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24を一箇所に集約することにより一括した結露対策が図られる。
【0055】
ケース21内に収容された循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24等の各種機器とケース21内における配管路との接続部分等、断熱材Iによる被覆が困難な箇所において、たとえ外部に露出している部分があっても、この部分のでの結露の発生を極力抑制することができる。結露により発生した水をケース21の外部に排出するための排水機構も不要となる。
【0056】
(2)また、ケース21内外の空気の出入りが抑制される。即ち、ケース21内の空気は外部に流出しにくくなると共に外部の水蒸気を含んだ空気がケース21内に入りにくくなる。このため、循環ポンプ22や殺菌槽24の駆動により発生した熱(廃熱)はケース21内にこもり、これによりケース21内の空気の乾燥が図られる。従って、ケース21内における結露の発生をいっそう抑制することができる。ケース21に収容された循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24等の各種機器とケース21内における配管路との接続部分等、断熱材Iによる被覆が困難な箇所において、たとえ外部に露出している部分があっても、この部分における結露の発生をいっそう抑制することができる。結露した水がケース21の外部に流出することをもない。
【0057】
(3)最下段の水槽13aの容積を上段の水槽13cの容積及び中段の水槽13bの容積よりも大きくするようにした。そして、循環ポンプ22の停止時、上段の水槽13c及び中段の水槽13bからの溢れ分を貯留可能とした。このため、循環ポンプ22の停止時において、下段の水槽13aから水が溢れることを防止できる。
【0058】
(4)循環ポンプ22を利用して全水槽の排水を行うようにした。即ち、各排水弁Ba,Bb,Bcを開弁すると共に、排水ホース51のソケット接続カプラ52をノズル部材39のノズル39aに連結し、この状態で循環ポンプ22を駆動させる。すると、下段の水槽13a内の水及びこの水槽13a内に流れ込んだ水は浄化装置15、冷却装置14、ノズル部材39及び排水ホース51を介して排水設備に排出される。このため、例えばデパート等のフロアに切花鮮度維持装置11を設置する際、排水設備の有無や排水設備までの距離を気にする必要がない。また、バケツ等による水の搬出作業を行うことなく全ての水槽13a,13b,13cの水を排出することができる。床に水をこぼすこともない。従って、排水設備が切花鮮度維持装置11の近くにない場合においても、各水槽13a,13b,13cの水の排出作業を簡単に行うことができる。
【0059】
(5)ノズル39aを上段の水槽13cの内底面近傍かつ一端側(図1における右端側)に配置すると共に水の噴出方向が上段の水槽13cの他端側(図1における左端側)を向くように設けた。また、第1流出管41の他端を中段の水槽13bの内底面近傍かつ一端側(図1における左端側)に配置すると共に上段の水槽13cから流れ込んだ水の流出方向が中段の水槽13bの他端側(図1における右端側)を向くように形成した。さらに、第2流出管42の他端を下段の水槽13aの内底面近傍かつ一端側(図1における右端側)に配置すると共に中段の水槽13bから流れ込んだ水の流出方向が下段の水槽13aの他端側(図1における左端側)を向くように形成した。このため、各水槽13a,13b,13c内において一端側から他端側への水流を容易に生成することができる。この生成された水流に起因して各切花の切り口には所定の水圧がかかり、これにより切花の水揚げ率が向上する。
【0060】
(別例)
尚、前記実施形態は以下のような別例に変更して実施してもよい。
・本実施形態では、ケース21を略密閉状態としたが、図3に示すように、ケース21を構成する壁材間等の組立上の隙間をパッキンS等の密封手段(シール手段)により密封し、ケース21を密閉状態としてもよい。このようにすれば、ケース21内外の空気の出入りが阻止され、ケース21内における結露の発生をより確実に防止することができる。
【0061】
・本実施形態では、循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24をそれぞれ単一のケース21内に収容するようにしたが、次のようにしてもよい。例えば循環ポンプ22、ろ過槽23及び殺菌槽24をそれぞれ個別のケース(図示略)内に収容し、各ケースはそれぞれ密閉状態又は略密閉状態とする。このとき、各機器における配管接続部などの断熱材Iによる被覆が困難な部位をケース内に位置させる。このようにしても、各ケース内外の空気の出入りが抑制され、結露の発生を抑えることができる。また、循環ポンプ22及びろ過槽23を同一のケース(図示略)に収容すると共に殺菌槽24を個別のケース(図示略)に収容するようにしてもよい。また、循環ポンプ22を個別のケース(図示略)に収容すると共にろ過槽23及び殺菌槽24をそれぞれ単一のケース(図示略)に収容するようにしてもよい。さらに、循環ポンプ22及び殺菌槽24を単一のケース(図示略)に収容すると共にろ過槽23を個別のケース(図示略)に収容するようにしてもよい。
【0062】
・ケース21を二重壁構造、三重壁構造及びそれ以上の複数壁構造としてもよい。このようにすれば、ケース21の内外の空気の出入りがいっそう困難になり、ケース21内での結露の発生をいっそう抑制することができる。
【0063】
・ケース21内にヒータ等の空気乾燥装置を設けるようにしてもよい。また、吸湿性を有した吸湿体(例えば木炭)をケース21内に配置するようにしてもよい。このようにすれば、ケース21内の空気をいっそう乾燥させることができる。ひいては、ケース21内での結露の発生をいっそう抑制することができる。
【0064】
・ケース21の外面全体を断熱材Iにより覆うようにしてもよい。このようにすれば、例えばケース21内外の温度差に起因する結露の発生を抑制することができる。
【0065】
・本実施形態では、水槽の水をろ過槽23→殺菌槽24の順に通過させるようにしたが、殺菌槽24→ろ過槽23の順に通過させるようにしてもよい。
・本実施形態では、水槽を3つとしたが、1つ、2つ又は4つ以上設けるようにしてもよい。
【0066】
・本実施形態では、ノズル部材39のノズル39aに排水ホース51のソケット接続カプラ52を接続して、各水槽13a,13b,13cの水を排出するようにしたが、次のようにしてもよい。即ち、水の循環経路において、循環ポンプ22の吐出側とノズル部材39との間の任意の位置に排出口部(図示略)を設ける。この排水口部は前記排水ホース51のソケット接続カプラ52を接続可能に構成する。各水槽13a,13b,13cの水を排出する際には、前記排水口部にソケット接続カプラ52を接続して循環ポンプ22を駆動させる。すると、各水槽13a,13b,13cの水は排水口部及び排水ホース51を介して外部に排出される。このようにしても、循環ポンプ22を利用して各水槽13a,13b,13cの水を排出することができる。
【0067】
・本実施形態において、浄化装置15を切花鮮度維持用の浄化装置としたが、切花の鮮度を維持する目的以外に使用するようにしてもよい。
(付記)
次に前記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
【0068】
・水槽の水を汲み上げるポンプと、ポンプにより汲み上げられた水に混在する異物を除去するろ過槽と、同じく水を殺菌する殺菌槽とを備えた浄化装置において、前記ポンプ、ろ過槽及び殺菌槽をそれぞれ単一のケース内に収容するようにした浄化装置。この構成によれば、ケース内の空気の出入りが抑制され、結露が発生しにくくなる。
【0069】
・水受け用の水槽と、水槽の水を汲み上げるポンプと、ポンプにより汲み上げられた水に混在する異物を除去するろ過槽と、同じく水を殺菌する殺菌槽と、同じく水を冷却する冷却装置とから水の循環回路を形成するようにした切花鮮度維持装置において、前記循環回路におけるポンプの吐出側には排水口部を設け、水槽の水を排出する際には前記排水口部に排水ホースを連結した状態でポンプを駆動させるようにした切花鮮度維持装置の排水方法。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、断熱材で覆われていない部位があっても結露の発生を極力抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における切花鮮度維持装置の概略構成図。
【図2】本実施形態におけるノズル部材と排水ホースとの連結を示す要部正面図。
【図3】別の実施形態における浄化装置の概略構成図。
【符号の説明】
11…切花鮮度維持装置、13a,13b,13c…水槽、14…冷却装置、15…浄化装置、21…ケース、
22…構成機器及び動作状態において発熱する機器を構成する循環ポンプ、
23…構成機器を構成するろ過槽、24…構成機器を構成する殺菌槽、
24a…動作状態において発熱する機器を構成する紫外線ランプ。
Claims (5)
- 外部から供給された被処理水を複数の構成機器を通過させることにより浄化するようにした浄化装置において、各構成機器を単一のケース内に収容するようにした浄化装置。
- 前記ケースは密閉されている請求項1に記載の浄化装置。
- 前記各構成機器には、動作状態において発熱する機器が含まれている請求項1又は請求項2に記載の浄化装置。
- 水受け用の水槽と、この水槽内の水を浄化する請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の浄化装置と、同じく水を冷却する冷却装置とから被処理水の循環回路を形成するようにした切花鮮度維持装置。
- 外部から供給された被処理水を複数の構成機器を通過させることにより浄化するようにした浄化装置の結露防止方法において、各構成機器を単一のケース内に収容し、各構成機器のうち少なくとも一つからの廃熱を利用して前記ケース内の空気を乾燥させるようにした浄化装置の結露防止方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002249431A JP2004082054A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002249431A JP2004082054A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置 |
Publications (1)
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ID=32089093
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JP2002249431A Pending JP2004082054A (ja) | 2002-08-28 | 2002-08-28 | 浄化装置、その結露防止方法及び切花鮮度維持装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011178731A (ja) * | 2010-03-02 | 2011-09-15 | Kanagawa Univ | N−アセチルメチオニン銀錯体 |
-
2002
- 2002-08-28 JP JP2002249431A patent/JP2004082054A/ja active Pending
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