JP2004081678A - どこでもトラップ可能な一組の浴室洗場改装用部材及び防水床 - Google Patents

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Akio Motohashi
本橋 昭夫
Kenichi Miyazaki
宮崎 謙一
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Abstract

【課題】既設浴室の排水口がどの位置であっても適用可能で、簡単・短時間に既設浴室(特に、洗場)の改装を助ける洗場改装用部材又は洗場改装用防水床を提供する。
【解決手段】既設浴室の洗場に適合できる部材で、略方形板状の平面部1a及びその平面部1aの一辺から略直角に連なって下降する側壁部1bを有する防水床部材1と、上面、下面及び一側面の三面が解放の、既設浴室の排水口に適合できる升状排水口部材2とで、本発明の一組の浴室洗場改装用部材(1及び2)を構成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンションや一般住宅に、在来工法ですでに設置されている既設浴室(特に、洗場)を改装する場合に好適な浴室洗場改装用部材又は浴室洗場改装用防水床に関し、更に詳しくは、既設浴室(洗場)の排水口の位置がどの位置にあっても浴室(洗場)の改装を容易に行える浴室洗場改装用部材又は浴室洗場改装用防水床に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マンションや一般住宅等に、在来工法で浴室を設置する場合は、図6に示すように、コンクリート製の建築物躯体7の上に防水層8を形成し、その防水層8の上にモルタル9の層を形成し、一方には浴槽載置場Bを、他方には洗場A(洗場にはタイルが貼られる)を形成し、浴槽載置場Bには浴槽(図示せず)を載置し、その他、必要な付属機器を配備していた。
【0003】
このような浴室を長年使用すると、室内の高温多湿が誘因となり、床面や壁面及び天井面に除去困難な黒カビ等が発生し、外観不良やカビ臭等の問題が生じてくる。
【0004】
このような問題が生じた場合に、従来よく行われていた浴室床の改修方法は、先ず水道やガスの元栓を止め、浴室内の湯水栓、ガス栓、換気扇等の末端機器を外し、排水口、点検口、ドア、額縁、沓摺り等を外し、床面、壁のタイルのはつり作業(削る作業)及びモルタルのはつり作業を行った後、再び、床面、壁、沓摺り裏面、排水口周囲の防水工事を行い、床にモルタルとともにタイルを貼り、壁にタイルを貼り、ドア、額縁及び沓摺りを取り付け、浴室を復元させる方法である。しかし、この方法は、作業が煩雑で改修に時間がかかり、その間(約1週間)は入浴できない不便がある。
【0005】
別の方法は、特開2000−116563号公報に開示された方法で、既設浴室の洗場床の形状に適合するように予め製作された改装用防水床(成形板)を用いる方法で、既設浴室のはつり、洗浄及び乾燥後に、この成形板を洗場に被せるように置き、接着剤で洗場床面に接着させる方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記改装用防水床(成形板)を用いる方法では、この成形板の所定の位置に升状排水口部が一体に成形されているため、既設浴室洗場の排水口の位置が所定の位置にある場合にのみ適用可能で、排水口の位置が所定の位置にない場合は適用できない。
本発明は、特開2000−116563号公報に開示された方法を更に発展させるものであり、既設浴室の排水口がどの位置であっても適用可能で、簡単・短時間に既設浴室(特に、洗場)の改装を助ける洗場改装用部材又は洗場改装用防水床を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明では次の構成をとった。すなわち、本発明(以下、第1の発明ともいう)は、既設浴室の洗場に適合できる部材で、略方形板状の平面部1a及びその平面部1aの一辺から略直角に連なって下降する側壁部1bを有する防水床部材1と、上面、下面及び一側面の三面が解放の、既設浴室の排水口に適合できる升状排水口部材2とで構成される一組の浴室洗場改装用部材(1及び2)、である。
なお、ここで、防水床部材1における平面部1aの大きさは、(平面視で)やや大きめのサイズ、すなわち、調整用縁部を有するサイズとするとよい。既設浴室の洗場の大きさに合わせて、外周部を適宜に切り落とすることで、既設浴室の大きさにピッタリ合わすことができるからである。
【0008】
また、本発明(以下、第2の発明ともいう)は、既設浴室洗場に適合する部材で、略方形板状の平面部1a及びその平面部1aの一辺から略直角に連なって下降する側壁部1bを有する防水床部材1から、既設浴室洗場Aの排水口4の位置に対応して、平面部1a及び側壁部1bの一部を切り欠き、その切欠部1cに、上面、下面及び一側面の三面が解放の、洗場排水口4に適合できる升状排水口部材2を合わせ接着させて製作した浴室洗場改装用防水床3、にも関するものである。
【0009】
また、排水口部1cを切り欠いた後の防水床部材1’と、洗場排水口4に適合できる升状排水口部材2との接着は、防水床部材1’を裏返しに置き、これに升状排水口部材2を合わせ、接合部にガラス繊維とともに熱硬化性樹脂を塗布する方法(オーバーレイ)等で行うことができる。
【0010】
【作用】
本発明における一組の浴室洗場改装用部材のうちの防水床部材1には、既設浴室洗場の排水口4の位置に対応する切欠部1cが設けられておらず、そのため、各々の既設浴室の排水口4の位置に合わせて切断すればよい。どこに排水口4(又はトラップ)があっても、その排水口4(又はトラップ)の位置に合わせて、防水床部材1の平面部及び側壁部の一部を切り欠き、その切欠部1cに升状排水口部1dを接着すれば、これを既設浴室洗場に納まりよく載置できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を更に具体的に説明する。
図1は、第1の発明に係る一組の浴室洗場改装用部材で、(イ)は排水口部を切り欠く前の防水床部材1の斜視図、(ロ)は升状排水口部材2の斜視図を各々示した。防水床部材1は、全体的には既設浴室の洗場床の形状に適合するように成形されており、略方形板状の平面部1a(長辺方向の長さが1100mm〜1200mm程度、短辺方向の長さが700mm〜800mm程度)と、その周縁部一辺に略直角に折り曲がって下降する側壁部(高さは50mm程度)とを有する。
また、升状排水口部材2は、上面、下面及び一側面の三面が解放の箱状物(幅250mm〜300mm程度、奥行き250mm〜300mm程度、高さは50mm程度)で、上部には目皿を置くことができる受け部(段差)が形成されている。
【0012】
図2は、上記図1(イ)の防水床部材1から排水口部1cを切り欠いた(切欠きの大きさは幅250mm〜300mm程度、奥行き250mm〜300mm程度、高さが50mm程度)あとの防水床部材1’の斜視図であり、図3は第2の発明に係る浴室洗場改装用防水床3で、防水床部材1’の排水口部1cに升状排水口部材2を接着したものの斜視図である。図3に示した浴室洗場改装用防水床3は、洗場の浴槽側寄り中央近辺に排水口が設けられている既設浴室の改装に適するものである。
【0013】
図1〜図3に示した(一組の)防水床部材1及び升状排水口部材2、あるいは浴室洗場改装用防水床3の成形材料としては、耐水性及び機械強度の優れた成形物が得られる材料が好ましい。ノルボルネン系モノマーを反応射出成形して得られるポリノルボルネン系樹脂、シート状の不飽和ポリエステル樹脂成形材料(SMCともいう)、繊維強化材を配合した熱硬化性プラスチック(FRPともいう)、熱硬化性樹脂発泡体をガラス繊維で強化したもの、熱硬化性樹脂発泡体をFRP層でサンドイッチしたもの等がある。更に、防水床部材1は、表面が模様付きの成形品が好ましい。
【0014】
本発明に係る防水床部材1の製造法について、FRP成形品を例に説明する。成形は金型を用いる。金型は平面部に御影石調のエッチング模様がある型を用いる。先ず、成形体の表面が御影石調の模様になるように多色ゲルコートをスプレーガンで型に吹き付け塗布し、加熱硬化させる。その上から不飽和ポリエステル樹脂とガラス繊維をスプレーアップ法により積層し、硬化させる。脱型し、成形品のFRP面をサンデイングして完成する。得られた防水床部材1(成形品)は、ポリエステル樹脂からなる多色ゲルコート層と裏面補強用繊維強化プラスチック(FRP層)からなる。
【0015】
はつり作業及び洗浄・乾燥を終えた既設浴室の洗場側床面上に、浴室壁面に接するように浴室洗場改装用防水床3を配置し、接着剤11を用いて床面に接着させる。また、改装用防水床3の周囲、すなわち、改装用防水床3が浴室壁に接する部分や浴槽側の床面と接する部分、あるいは改装用防水床3の端部にコーキング材(シリコンプライマーなど)を充填し、湯水が改装用防水床3の下の洗場床のモルタル9の層へ侵入することを防ぐ。改装後の浴室を図4及び図5に示した。
【0016】
【発明の効果】
本発明の一組の浴室洗場改装用部材(1及び2)のうちの防水床部材1には、洗場排水口4に対応する切欠部1cが予め設けられておらず、現場で、各々の既設浴室の排水口4の位置に合わせて切断すればよいので、どこに排水口4(又はトラップ)があっても、対応できる。すなわち、既設浴室洗場の改装を助ける洗場改装用防水床3を簡単・短時間に提供できる。
本発明の浴室洗場改装用防水床3を用いれば、容易に、短い工事期間で既設浴室を改装できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一組の浴室洗場改装用部材で、(イ)は防水床部材(切り欠く前)の斜視図、(ロ)は升状排水口部材の斜視図。
【図2】排水口部を切り欠いた後の防水床部材の斜視図。
【図3】本発明に係る一例の浴室洗場改装用防水床で、既設浴室の排水口に合わせて排水口部を切り欠き、そこに升状排水口部材を接着したものの斜視図。
【図4】本発明に係る浴室洗場改装用防水床を用いて改装された浴室で、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面図。
【図5】図4(ロ)右下部の拡大図。
【図6】在来工法で施工された浴室で、(イ)は平面図、(ロ)は縦断面図。なお、浴槽は図示していない。
【符号の説明】
1:防水床部材  1’:排水口部を切り欠いた防水床部材
1a:(防水床部材の)平面部 1b:(防水床部材の)側壁部
1c:切欠部
2:升状排水口部材  3:浴室洗場改装用防水床
4:(浴室の)排水口  5:風呂釜
6:浴槽台  7:建築物躯体
8:防水層  9:モルタル
10:ドア  11:接着剤
A:洗場
B:浴槽載置場

Claims (2)

  1. 既設浴室の洗場に適合できるもので、略方形板状の平面部及びその平面部の一辺から略直角に連なって下降する側壁部を有する防水床部材と、
    上面、下面及び一側面の三面が解放の、既設浴室の排水口に適合できる升状排水口部材とで構成される一組の浴室洗場改装用部材。
  2. 既設浴室洗場に適合するもので、略方形板状の平面部及びその平面部の一辺から略直角に連なって下降する側壁部を有する防水床部材から、既設浴室洗場の排水口の位置に対応して、前記平面部及び前記側壁部の一部を切り欠き、その切欠部に、上面、下面及び一側面の三面が解放の、洗場排水口に適合できる升状排水口部材を合わせ接着させてなる浴室洗場改装用防水床。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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