JP2004080848A - リニアモータ - Google Patents
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Abstract
【課題】シャフト状マグネットとコイルとの隙間に異物が侵入することを的確に防止したり、シャフト状マグネットとコイルとが接触しないように的確に防止し得るシャフト型リニアモータを提供する。
【解決手段】シャフト状マグネット1を構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイル3に電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイル3に発生する軸方向の推進力によりコイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行するシャフト型リニアモータにおいてリップシール5をコイル3の両端部に取り付け、その自由端部をシャフト状マグネット1の外周面に摺動自在に接触させて、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】シャフト状マグネット1を構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイル3に電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイル3に発生する軸方向の推進力によりコイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行するシャフト型リニアモータにおいてリップシール5をコイル3の両端部に取り付け、その自由端部をシャフト状マグネット1の外周面に摺動自在に接触させて、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体および直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体を有するリニアモータに関し、更に詳しくは、複数の永久磁石を同じ極性が互いに隣接するように直列に配列して構成される棒状体であるシャフト状マグネットとこのシャフト状マグネットの外周面を囲んでスライド自在に配設され、シャフト状マグネットの軸方向に走行し得る移動体であるコイルとを有するシャフト型リニアモータであるリニアモータにおいてコイルとシャフト状マグネットとの間への異物の侵入防止またはコイルとシャフト状マグネットとの間のクリアランスの確保を達成し得るシャフト状のリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のシャフト状のリニアモータ、すなわちシャフト型リニアモータは、複数の永久磁石からなるシャフト状マグネットとこのシャフト状マグネットの外周面を囲んでシャフト状マグネットの軸方向に走行するコイルから構成され、シャフト状マグネットを構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイルに電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイルに発生する軸方向の推進力によりコイルがシャフト状マグネットの軸方向に走行するものであり、例えば1軸アクチュエータの駆動用モータとして利用される。
【0003】
上述したように構成されるシャフト型リニアモータは、複数の永久磁石からなるシャフト状マグネットの外周面が外部に露出し、この露出したシャフト状マグネット上をコイルが走行するものであるため、シャフト状マグネットとコイルとの間に異物が侵入し易くなっている。
【0004】
そして、異物が磁性体である場合には、シャフト状マグネットの磁力により異物はシャフト状マグネットの表面に吸着される。そして、異物がシャフト状マグネットとコイルとの隙間よりも大きい場合には、異物はコイルの端部で止まり、シャフト状マグネットとコイルとの隙間に入ることはない。また、異物が隙間よりも小さく、隙間の大きさが一定である場合には、異物は隙間を通ってコイル中を通り抜ける。
【0005】
また、シャフト型リニアモータは、シャフト状マグネットとコイルが接触しないように両者間の間隙を的確に管理することがモータ効率の点からも必要である。通常、シャフト状マグネットが短い場合には、シャフト状マグネットの曲げ剛性によりシャフト状マグネットとコイル間の間隙は機械精度によりある程度確保することができる。
【0006】
なお、上述した従来のリニアモータの例として、例えば特開平10−313566号および特開昭61−150661号公報に開示されたものがある。特開平10−313566号公報は、複数の永久磁石を接着無しでステータ部を組み付けたリニアモータを開示し、また特開昭61−150661号公報は、磁性体と非磁性体とを棒状体に積層状態に嵌着して棒状の固定子を構成しているリニアパルスモータを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シャフト型リニアモータは、自重や製造時のばらつきまたはシャフト状マグネットとコイルの組み付けのばらつきなどによりシャフト状マグネットとコイルとの間の隙間が一定でないことが多いため、隙間が広いところでシャフト状マグネットに吸着した異物がより大きな異物に押されるなどして隙間の狭いところに移動し、コイルの内周面を傷つけてしまうという問題がある。
【0008】
このような問題を解消する方法として、通常、シャフト状マグネット全体をシールする方法などがあるが、この方法ではシール構造が大掛りとなり、コストが増大するという問題があるとともに、またシャフト状マグネット全体をシールしたとしても、コイルとシャフト状マグネットの隙間に異物が混入しないとは限らない。
【0009】
一方、シャフト状マグネットとコイル間の間隙は、シャフト状マグネットが長くなると、その中央部で大きく撓み、モータ効率が悪化するとともに、シャフト状マグネットとコイルとの接触が発生するという問題がある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、シャフト状マグネットとコイルとの隙間に異物が侵入することを的確に防止したり、シャフト状マグネットとコイルとが接触しないように的確に防止し得るシャフト型リニアモータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外端が取り付けられ、内端が前記棒状体に接触する弾性部材とを有することを要旨とする。
【0012】
請求項1記載の本発明にあっては、棒状体に対して移動可能な移動体の略全周を覆い、そのコイル部分の両側部に弾性部材がその内端を棒状体に接触させて設けられているため、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間に隙間がほとんど形成されず、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、弾性部材の弾性をもって当接し摺動している内端により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0013】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記弾性部材が、前記移動体の両端部に取り付けられていることを要旨とする。
【0014】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記弾性部材が、リップシールであることを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記弾性部材が、ブラシであることを要旨とする。
【0016】
また、請求項5記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体とを有し、前記移動体のコイル部分の両側部と前記棒状体との隙間を前記移動体のコイル部分と前記棒状体との隙間より狭くしたことを要旨とする。
【0017】
請求項5記載の本発明にあっては、移動体のコイル部分の両側部と棒状体との隙間を移動体のコイル部分と棒状体との隙間より狭くしたため、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間の隙間は狭く、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、狭い隙間により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0018】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の本発明において、前記両側部が、前記移動体のコイル部分に対して着脱自在に構成されていることを要旨とする。
【0019】
請求項7記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、前記棒状体の前記移動体の移動範囲を覆う伸縮可能なカバーとを有することを要旨とする。
【0020】
請求項7記載の本発明にあっては、伸縮可能なカバーが棒状体の略全周を覆って移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、棒状体の移動体の移動範囲を覆っているため、移動体と棒状体間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面を傷つけることがないことは勿論のこと、棒状体上にも異物が吸着することがない。
【0021】
また、請求項8記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外面が取り付けられ、内面が前記棒状体に接触する摺動部材とを有することを要旨とする。
【0022】
請求項8記載の本発明にあっては、摺動部材がその外面を移動体のコイル部分の両側部に取り付け、内面を棒状体に接触させるように棒状体の略全周を覆って設けられているため、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。
【0023】
更に、請求項9記載の本発明は、請求項8記載の本発明において、前記摺動部材は、リニアブッシュであることを要旨とする。
【0024】
請求項10記載の本発明は、請求項8記載の本発明において、前記摺動部材が、滑り軸受であることを要旨とする。
【0025】
また、請求項11記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体に接触し、前記移動体のコイル部分の両側部に支持されたローラーとを有することを要旨とする。
【0026】
請求項11記載の本発明にあっては、ローラーが棒状体に接触して、移動体のコイル部分の両側部に支持されているため、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、棒状体が撓んでも移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。なお、ローラーは棒状体の周方向の複数ヶ所に設けてもよい。
【0027】
更に、請求項12記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体と前記移動体の隙間を保持するスペーサと、前記移動体に対して前記棒状体に略垂直な方向に移動可能な可動体とを有することを要旨とする。
【0028】
請求項12記載の本発明にあっては、棒状体と移動体の隙間をスペーサで保持し、可動体が移動体に対して棒状体に略垂直な方向に移動可能に設けられているため、スペーサにより移動体は棒状体の撓みに沿って移動するが、可動体はその影響を受けずに移動させることができ、棒状体が撓んでも移動体のコイル部分の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従ってコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に走行することができる。
【0029】
請求項13記載の本発明は、請求項12記載の本発明において、前記可動体が、軸方向に移動不能に支持されていることを要旨とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す本実施形態のシャフト型リニアモータは、例えば1軸アクチュエータの駆動用モータとして利用されるものであり、細長く延出した棒状体であるシャフト状マグネット1およびこのシャフト状マグネット1の外周面を囲んでスライド自在に配設され、シャフト状マグネット1の軸方向に走行する移動体であるコイル3を有し、このコイル3の両端部にはリップシール5が取り付けられている。
【0031】
図1に示すシャフト型リニアモータは、シャフト状マグネット1が複数の永久磁石を同じ極性が互いに隣接するように直列に配列して構成されている。そして、シャフト型リニアモータは、シャフト状マグネット1を構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイル3に電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイル3に発生する軸方向の推進力によりコイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行するようになっている。
【0032】
本実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端に着脱自在に取り付けられている可撓性のシールである弾性部材のリップシール5は、例えば樹脂で形成され、その基部がコイル3に固定的に取り付けられ、自由端部がばねのような弾性をもってシャフト状マグネット1の外周面に摺動自在に接触し、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。
【0033】
このように構成される弾性部材であるリップシール5をコイル3の両端に取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行しても、コイル3とシャフト状マグネット1との間に隙間がほとんど形成されないため、両者の間に異物が侵入することがない。従って、コイル3の内周面が傷つけられることがない。
【0034】
また、磁性体の異物がシャフト状マグネット1の外周面に吸着し、この異物が吸着したシャフト状マグネット1の位置にコイル3が走行してきても、コイル3の端部に取り付けられているリップシール5のばねの弾性をもって当接し摺動している自由端部により異物は跳ね除けられ、コイル3とシャフト状マグネット1との間に侵入することもなければ、コイル3の内周面が傷つけられることもない。更に、磨耗した場合は、リップシール5を交換すればよいのでメンテナンス性が良い。
【0035】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第2の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、細長く延出したシャフト状マグネット1と、このシャフト状マグネット1の外周面を囲んでスライド自在に配設され、シャフト状マグネット1の軸方向に走行するコイル3とから構成されているが、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部には弾性部材であるブラシ7が着脱自在に取り付けられている点のみが異なっている。
【0036】
図2に示す第2の実施形態のシャフト型リニアモータの動作は、第1の実施形態のものと同じであり、シャフト状マグネット1を構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイル3に電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイル3に発生する軸方向の推進力によりコイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行するようになっている。
【0037】
図2に示す第2の実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端に取り付けられているブラシ状のシールであるブラシ7は、例えば樹脂で形成され、その基部がコイル3に固定的に取り付けられ、自由端部であるブラシ7の先端が弾性をもってシャフト状マグネット1の外周面に摺動自在に接触し、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。
【0038】
このように構成される弾性部材であるブラシ7をコイル3の両端に取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行しても、コイル3とシャフト状マグネット1との間に隙間がほとんど形成されないため、両者の間に異物が侵入することがない。従って、コイル3の内周面が傷つけられることがない。
【0039】
また、磁性体の異物がシャフト状マグネット1の外周面に吸着し、この異物が吸着したシャフト状マグネット1の位置にコイル3が走行してきても、コイル3の端部に取り付けられているブラシ7の弾性をもって当接し摺動している自由端部により異物は跳ね除けられ、コイル3とシャフト状マグネット1との間に侵入することもなければ、コイル3の内周面が傷つけられることもない。更に、磨耗した場合は、リップシール5を交換すればよいのでメンテナンス性が良い。
【0040】
図3は、本発明の第3の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第3の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1とコイル3から構成されているが、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部にはスクレーパ9が着脱自在に取り付けられている点のみが異なっている。
【0041】
図3に示す第3の実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端に取り付けられているスクレーパ9は、例えば非磁性材料のアルミや樹脂などで形成され、その基部がコイル3に固定的に取り付けられ、自由端部がシャフト状マグネット1の外周面に対して所定の最小距離離隔して配設され、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。なお、この最小距離とは、コイル3の内周面とシャフト状マグネット1の外周面との間の最も小さい隙間であり、この最小距離以上の異物はスクレーパ9で除去することができる。すなわち、図3に拡大して図示するように、スクレーパ9の内径はコイル3の内径よりも小さく、かつシャフト状マグネット1の直径よりも大きく設定され、シャフト状マグネット1の直径とスクレーパ9の内径との間の隙間は離隔し得る最小の隙間に設定されている。
【0042】
このように構成されるスクレーパ9をコイル3の両端に取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行しても、コイル3とシャフト状マグネット1との間に形成される隙間が最小距離であるため、この最小距離よりも大きな異物はスクレーパ9で跳ね除けられ、コイル3とシャフト状マグネット1との間に侵入することもなければ、コイル3の内周面が傷つけられることもない。更に、磨耗した場合は、リップシール5を交換すればよいのでメンテナンス性が良い。
【0043】
図4は、本発明の第4の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第4の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1とコイル3から構成されているが、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部にシャフト状マグネット1の外周面を全体的に覆うように2個の伸縮可能なカバーであるジャバラ状ダストブーツ11a,11bが取り付けられている点のみが異なっている。
【0044】
図4に示す第4の実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端部にシャフト状マグネット1の外周面を全体的に覆うように、具体的にはシャフト状マグネット1のコイル3の移動範囲を覆うように取り付けられている2個のジャバラ状ダストブーツ11a,11bは、一端がコイル3の両端部にそれぞれ取り付けられ、他端がシャフト状マグネット1の図示しない両端部にそれぞれ取り付けられ、これによりコイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないことは勿論のこと、シャフト状マグネット1の上にも異物が吸着しないようにしている。
【0045】
このように構成されるジャバラ状ダストブーツ11a,11bをコイル3の両端部にシャフト状マグネット1の外周面を全体的に覆うように取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行する場合にはコイル3の走行とともにジャバラ状ダストブーツ11a,11bが伸縮しながらシャフト状マグネット1の上を覆い、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が侵入することがなく、従ってコイル3の内周面を傷つけることがないことは勿論のこと、シャフト状マグネット1上にも異物が吸着することがない。
【0046】
図5は、本発明の第5の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同様にシャフト状マグネット1とコイル3から構成されているが、本実施形態では付属的にコイル3の上に例えば部品やツールまたはアクチュエータなどを載置してシャフト状マグネット1の軸方向に搬送するための可動テーブル15が取り付けられている。また、本実施形態のシャフト型リニアモータは、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部に摺動部材であるリニアブッシュ13が取り付けられている点が異なり、その目的もリップシール5が異物の侵入の防止であったのに対して、本実施形態のリニアブッシュ13はシャフト状マグネット1とコイル3とが接触しないように両者間の間隙を確保しようとするものである。
【0047】
図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータでは、リニアブッシュ13は、シャフト状マグネット1の略全周を覆い、コイル3の両側部に外面が取り付けられ、内面がシャフト状マグネット1に接触して設けられているが、更に詳しくは、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に対して所定の間隔以上接近しないように転動面がシャフト状マグネット1の外周面に転動自在に接触してコイル3の両端部に設けられている。
【0048】
リニアブッシュ13は、所謂転がり軸受であり、多数のボールがシャフト状マグネット1の軸方向に整列して設けられ、多数のボールの点接触による転動面が円筒形に形成され、シャフト状マグネット1の軸方向のみにコイル3を走行可能にするとともに、リニアブッシュ13の転動面がシャフト状マグネット1の外周面に転動自在に接触し、これによりコイル3の内周面とシャフト状マグネット1の外周面との間の間隙を所定の間隔に設定し、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、シャフト状マグネット1より短いコイル3は撓みにくく、シャフト状マグネット1の撓みを矯正しながら移動し、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に円滑に走行することができる。
【0049】
図6は、本発明の第6の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第6の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1、コイル3および可動テーブル15から構成されているが、図5の第5の実施形態のリニアブッシュ13の代わりに、シャフト状マグネット1とコイル3間の間隙を確保するためにコイル3の両端部に摺動部材である滑り軸受17が取り付けられている点のみが異なるものである。
【0050】
コイル3の両端部に設けられた滑り軸受17は、摩耗しにくい例えばPTFE(4フッ化エチレン)やポリアセタールなどの樹脂または銅合金などの金属で形成され、シャフト状マグネット1の略全周を覆い、コイル3の両側部に外面が取り付けられ、内面がシャフト状マグネット1に接触して設けられているが、更に詳しくは、摺動面がシャフト状マグネット1の外周面に対して摺動自在に接触して、これによりコイルがシャフト状マグネットに対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、シャフト状マグネット1より短いコイル3は撓みにくく、シャフト状マグネット1の撓みを矯正しながら移動し、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に走行することができる。
【0051】
図7は、本発明の第7の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第7の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1、コイル3および可動テーブル15から構成されているが、図5の第5の実施形態のリニアブッシュ13の代わりに、シャフト状マグネット1とコイル3間の間隙を確保するためにコイル3の両端部においてシャフト状マグネット1に接触し、コイル3の両側部に支持されてローラー19が取り付けられている点のみが異なるものである。
【0052】
ローラー19は、コイル3の両端部に設けられ、シャフト状マグネット1が撓み易い方向(自重方向、曲がり方向など)から当該ローラー19を介してシャフト状マグネット1に力を加え、これによりコイル3がシャフト状マグネット1に対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、棒状体が撓んでもシャフト状マグネット1が撓んだとしてもコイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に走行することができる。
【0053】
図8は、本発明の第8の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第8の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータとほぼ同様に、シャフト状マグネット1およびコイル3を有することに加えて、可動テーブル15がシャフト23およびブッシュ25を介してコイル3に取り付けられて設けられているが、図5の第5の実施形態のリニアブッシュ13の代わりに、シャフト状マグネット1とコイル3間の間隙を確保するためにコイル3の両端部にギャップ管理用スペーサ21が取り付けられているとともに、また可動テーブル15が可動体として作用している点のみが異なるものである。
【0054】
本実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端部にギャップ管理用スペーサ21が設けられ、シャフト状マグネット1の撓みに応じてコイル3が上下動するように構成し、シャフト状マグネット1が撓んだ時にはコイル3も併せて上下動し、これによりコイル3がシャフト状マグネット1に対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、ギャップ管理用スペーサ21によりコイル3はシャフト状マグネット1の撓みに沿って移動するが、可動体である可動テーブル15はその影響を受けずに移動することができ、シャフト状マグネット1が撓んでもコイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に走行することができる。
【0055】
第7及び第8の実施例においてより高い効果を得るために、棒状体に平行に設けられ、前記可動テーブルにかかる荷重を受けるリニアガイドを設けてもよい。
【0056】
なお、上記各実施形態では、棒状体であるシャフト型マグネット1は一例として断面が丸の円筒体の場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば角型でもよいものである。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、棒状体に対して移動可能な移動体の略全周を覆い、そのコイル部分の両側部に弾性部材がその内端を棒状体に接触させて設けられているので、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間に隙間がほとんど形成されず、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、弾性部材の弾性をもって当接し摺動している内端により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0058】
また、本発明によれば、移動体のコイル部分の両側部と棒状体との隙間を移動体のコイル部分と棒状体との隙間より狭くしたので、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間の隙間は狭く、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、狭い隙間により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0059】
更に、本発明によれば、伸縮可能なカバーが棒状体の略全周を覆って移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、棒状体の移動体の移動範囲を覆っているので、移動体と棒状体間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面を傷つけることがないことは勿論のこと、棒状体上にも異物が吸着することがない。
【0060】
本発明によれば、摺動部材がその外面を移動体のコイル部分の両側部に取り付け、内面を棒状体に接触させるように棒状体の略全周を覆って設けられているので、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。
【0061】
また、本発明によれば、ローラーが棒状体に接触して、移動体のコイル部分の両側部に支持されているので、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、棒状体が撓んでも移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。
【0062】
更に、本発明によれば、棒状体と移動体の隙間をスペーサで保持し、可動体が移動体に対して棒状体に略垂直な方向に移動可能に設けられているので、スペーサにより移動体は棒状体の撓みに沿って移動するが、可動体はその影響を受けずに移動させることができ、棒状体が撓んでも移動体のコイル部分の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従ってコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シャフト状マグネット
3 コイル
5 リップシール
7 ブラシ
9 スクレーパ
11 ジャバラ状ダストブーツ
13 リニアブッシュ
15 可動テーブル
17 滑り軸受
19 ローラー
21 ギャップ管理用スペーサ
23 シャフト
25 ブッシュ
【発明の属する技術分野】
本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体および直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体を有するリニアモータに関し、更に詳しくは、複数の永久磁石を同じ極性が互いに隣接するように直列に配列して構成される棒状体であるシャフト状マグネットとこのシャフト状マグネットの外周面を囲んでスライド自在に配設され、シャフト状マグネットの軸方向に走行し得る移動体であるコイルとを有するシャフト型リニアモータであるリニアモータにおいてコイルとシャフト状マグネットとの間への異物の侵入防止またはコイルとシャフト状マグネットとの間のクリアランスの確保を達成し得るシャフト状のリニアモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のシャフト状のリニアモータ、すなわちシャフト型リニアモータは、複数の永久磁石からなるシャフト状マグネットとこのシャフト状マグネットの外周面を囲んでシャフト状マグネットの軸方向に走行するコイルから構成され、シャフト状マグネットを構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイルに電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイルに発生する軸方向の推進力によりコイルがシャフト状マグネットの軸方向に走行するものであり、例えば1軸アクチュエータの駆動用モータとして利用される。
【0003】
上述したように構成されるシャフト型リニアモータは、複数の永久磁石からなるシャフト状マグネットの外周面が外部に露出し、この露出したシャフト状マグネット上をコイルが走行するものであるため、シャフト状マグネットとコイルとの間に異物が侵入し易くなっている。
【0004】
そして、異物が磁性体である場合には、シャフト状マグネットの磁力により異物はシャフト状マグネットの表面に吸着される。そして、異物がシャフト状マグネットとコイルとの隙間よりも大きい場合には、異物はコイルの端部で止まり、シャフト状マグネットとコイルとの隙間に入ることはない。また、異物が隙間よりも小さく、隙間の大きさが一定である場合には、異物は隙間を通ってコイル中を通り抜ける。
【0005】
また、シャフト型リニアモータは、シャフト状マグネットとコイルが接触しないように両者間の間隙を的確に管理することがモータ効率の点からも必要である。通常、シャフト状マグネットが短い場合には、シャフト状マグネットの曲げ剛性によりシャフト状マグネットとコイル間の間隙は機械精度によりある程度確保することができる。
【0006】
なお、上述した従来のリニアモータの例として、例えば特開平10−313566号および特開昭61−150661号公報に開示されたものがある。特開平10−313566号公報は、複数の永久磁石を接着無しでステータ部を組み付けたリニアモータを開示し、また特開昭61−150661号公報は、磁性体と非磁性体とを棒状体に積層状態に嵌着して棒状の固定子を構成しているリニアパルスモータを開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
シャフト型リニアモータは、自重や製造時のばらつきまたはシャフト状マグネットとコイルの組み付けのばらつきなどによりシャフト状マグネットとコイルとの間の隙間が一定でないことが多いため、隙間が広いところでシャフト状マグネットに吸着した異物がより大きな異物に押されるなどして隙間の狭いところに移動し、コイルの内周面を傷つけてしまうという問題がある。
【0008】
このような問題を解消する方法として、通常、シャフト状マグネット全体をシールする方法などがあるが、この方法ではシール構造が大掛りとなり、コストが増大するという問題があるとともに、またシャフト状マグネット全体をシールしたとしても、コイルとシャフト状マグネットの隙間に異物が混入しないとは限らない。
【0009】
一方、シャフト状マグネットとコイル間の間隙は、シャフト状マグネットが長くなると、その中央部で大きく撓み、モータ効率が悪化するとともに、シャフト状マグネットとコイルとの接触が発生するという問題がある。
【0010】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、シャフト状マグネットとコイルとの隙間に異物が侵入することを的確に防止したり、シャフト状マグネットとコイルとが接触しないように的確に防止し得るシャフト型リニアモータを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外端が取り付けられ、内端が前記棒状体に接触する弾性部材とを有することを要旨とする。
【0012】
請求項1記載の本発明にあっては、棒状体に対して移動可能な移動体の略全周を覆い、そのコイル部分の両側部に弾性部材がその内端を棒状体に接触させて設けられているため、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間に隙間がほとんど形成されず、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、弾性部材の弾性をもって当接し摺動している内端により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0013】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の本発明において、前記弾性部材が、前記移動体の両端部に取り付けられていることを要旨とする。
【0014】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記弾性部材が、リップシールであることを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の本発明は、請求項1または2記載の本発明において、前記弾性部材が、ブラシであることを要旨とする。
【0016】
また、請求項5記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体とを有し、前記移動体のコイル部分の両側部と前記棒状体との隙間を前記移動体のコイル部分と前記棒状体との隙間より狭くしたことを要旨とする。
【0017】
請求項5記載の本発明にあっては、移動体のコイル部分の両側部と棒状体との隙間を移動体のコイル部分と棒状体との隙間より狭くしたため、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間の隙間は狭く、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、狭い隙間により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0018】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の本発明において、前記両側部が、前記移動体のコイル部分に対して着脱自在に構成されていることを要旨とする。
【0019】
請求項7記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、前記棒状体の前記移動体の移動範囲を覆う伸縮可能なカバーとを有することを要旨とする。
【0020】
請求項7記載の本発明にあっては、伸縮可能なカバーが棒状体の略全周を覆って移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、棒状体の移動体の移動範囲を覆っているため、移動体と棒状体間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面を傷つけることがないことは勿論のこと、棒状体上にも異物が吸着することがない。
【0021】
また、請求項8記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外面が取り付けられ、内面が前記棒状体に接触する摺動部材とを有することを要旨とする。
【0022】
請求項8記載の本発明にあっては、摺動部材がその外面を移動体のコイル部分の両側部に取り付け、内面を棒状体に接触させるように棒状体の略全周を覆って設けられているため、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。
【0023】
更に、請求項9記載の本発明は、請求項8記載の本発明において、前記摺動部材は、リニアブッシュであることを要旨とする。
【0024】
請求項10記載の本発明は、請求項8記載の本発明において、前記摺動部材が、滑り軸受であることを要旨とする。
【0025】
また、請求項11記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体に接触し、前記移動体のコイル部分の両側部に支持されたローラーとを有することを要旨とする。
【0026】
請求項11記載の本発明にあっては、ローラーが棒状体に接触して、移動体のコイル部分の両側部に支持されているため、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、棒状体が撓んでも移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。なお、ローラーは棒状体の周方向の複数ヶ所に設けてもよい。
【0027】
更に、請求項12記載の本発明は、直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、前記棒状体と前記移動体の隙間を保持するスペーサと、前記移動体に対して前記棒状体に略垂直な方向に移動可能な可動体とを有することを要旨とする。
【0028】
請求項12記載の本発明にあっては、棒状体と移動体の隙間をスペーサで保持し、可動体が移動体に対して棒状体に略垂直な方向に移動可能に設けられているため、スペーサにより移動体は棒状体の撓みに沿って移動するが、可動体はその影響を受けずに移動させることができ、棒状体が撓んでも移動体のコイル部分の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従ってコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に走行することができる。
【0029】
請求項13記載の本発明は、請求項12記載の本発明において、前記可動体が、軸方向に移動不能に支持されていることを要旨とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す本実施形態のシャフト型リニアモータは、例えば1軸アクチュエータの駆動用モータとして利用されるものであり、細長く延出した棒状体であるシャフト状マグネット1およびこのシャフト状マグネット1の外周面を囲んでスライド自在に配設され、シャフト状マグネット1の軸方向に走行する移動体であるコイル3を有し、このコイル3の両端部にはリップシール5が取り付けられている。
【0031】
図1に示すシャフト型リニアモータは、シャフト状マグネット1が複数の永久磁石を同じ極性が互いに隣接するように直列に配列して構成されている。そして、シャフト型リニアモータは、シャフト状マグネット1を構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイル3に電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイル3に発生する軸方向の推進力によりコイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行するようになっている。
【0032】
本実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端に着脱自在に取り付けられている可撓性のシールである弾性部材のリップシール5は、例えば樹脂で形成され、その基部がコイル3に固定的に取り付けられ、自由端部がばねのような弾性をもってシャフト状マグネット1の外周面に摺動自在に接触し、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。
【0033】
このように構成される弾性部材であるリップシール5をコイル3の両端に取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行しても、コイル3とシャフト状マグネット1との間に隙間がほとんど形成されないため、両者の間に異物が侵入することがない。従って、コイル3の内周面が傷つけられることがない。
【0034】
また、磁性体の異物がシャフト状マグネット1の外周面に吸着し、この異物が吸着したシャフト状マグネット1の位置にコイル3が走行してきても、コイル3の端部に取り付けられているリップシール5のばねの弾性をもって当接し摺動している自由端部により異物は跳ね除けられ、コイル3とシャフト状マグネット1との間に侵入することもなければ、コイル3の内周面が傷つけられることもない。更に、磨耗した場合は、リップシール5を交換すればよいのでメンテナンス性が良い。
【0035】
図2は、本発明の第2の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第2の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、細長く延出したシャフト状マグネット1と、このシャフト状マグネット1の外周面を囲んでスライド自在に配設され、シャフト状マグネット1の軸方向に走行するコイル3とから構成されているが、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部には弾性部材であるブラシ7が着脱自在に取り付けられている点のみが異なっている。
【0036】
図2に示す第2の実施形態のシャフト型リニアモータの動作は、第1の実施形態のものと同じであり、シャフト状マグネット1を構成する複数の永久磁石から発生する磁束と交差するようにコイル3に電流を流すことにより電流と磁界との相互作用に基づきコイル3に発生する軸方向の推進力によりコイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行するようになっている。
【0037】
図2に示す第2の実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端に取り付けられているブラシ状のシールであるブラシ7は、例えば樹脂で形成され、その基部がコイル3に固定的に取り付けられ、自由端部であるブラシ7の先端が弾性をもってシャフト状マグネット1の外周面に摺動自在に接触し、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。
【0038】
このように構成される弾性部材であるブラシ7をコイル3の両端に取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行しても、コイル3とシャフト状マグネット1との間に隙間がほとんど形成されないため、両者の間に異物が侵入することがない。従って、コイル3の内周面が傷つけられることがない。
【0039】
また、磁性体の異物がシャフト状マグネット1の外周面に吸着し、この異物が吸着したシャフト状マグネット1の位置にコイル3が走行してきても、コイル3の端部に取り付けられているブラシ7の弾性をもって当接し摺動している自由端部により異物は跳ね除けられ、コイル3とシャフト状マグネット1との間に侵入することもなければ、コイル3の内周面が傷つけられることもない。更に、磨耗した場合は、リップシール5を交換すればよいのでメンテナンス性が良い。
【0040】
図3は、本発明の第3の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第3の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1とコイル3から構成されているが、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部にはスクレーパ9が着脱自在に取り付けられている点のみが異なっている。
【0041】
図3に示す第3の実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端に取り付けられているスクレーパ9は、例えば非磁性材料のアルミや樹脂などで形成され、その基部がコイル3に固定的に取り付けられ、自由端部がシャフト状マグネット1の外周面に対して所定の最小距離離隔して配設され、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないようにしている。なお、この最小距離とは、コイル3の内周面とシャフト状マグネット1の外周面との間の最も小さい隙間であり、この最小距離以上の異物はスクレーパ9で除去することができる。すなわち、図3に拡大して図示するように、スクレーパ9の内径はコイル3の内径よりも小さく、かつシャフト状マグネット1の直径よりも大きく設定され、シャフト状マグネット1の直径とスクレーパ9の内径との間の隙間は離隔し得る最小の隙間に設定されている。
【0042】
このように構成されるスクレーパ9をコイル3の両端に取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行しても、コイル3とシャフト状マグネット1との間に形成される隙間が最小距離であるため、この最小距離よりも大きな異物はスクレーパ9で跳ね除けられ、コイル3とシャフト状マグネット1との間に侵入することもなければ、コイル3の内周面が傷つけられることもない。更に、磨耗した場合は、リップシール5を交換すればよいのでメンテナンス性が良い。
【0043】
図4は、本発明の第4の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第4の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1とコイル3から構成されているが、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部にシャフト状マグネット1の外周面を全体的に覆うように2個の伸縮可能なカバーであるジャバラ状ダストブーツ11a,11bが取り付けられている点のみが異なっている。
【0044】
図4に示す第4の実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端部にシャフト状マグネット1の外周面を全体的に覆うように、具体的にはシャフト状マグネット1のコイル3の移動範囲を覆うように取り付けられている2個のジャバラ状ダストブーツ11a,11bは、一端がコイル3の両端部にそれぞれ取り付けられ、他端がシャフト状マグネット1の図示しない両端部にそれぞれ取り付けられ、これによりコイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が入らないことは勿論のこと、シャフト状マグネット1の上にも異物が吸着しないようにしている。
【0045】
このように構成されるジャバラ状ダストブーツ11a,11bをコイル3の両端部にシャフト状マグネット1の外周面を全体的に覆うように取り付けられたシャフト型リニアモータは、コイル3がシャフト状マグネット1の軸方向に走行する場合にはコイル3の走行とともにジャバラ状ダストブーツ11a,11bが伸縮しながらシャフト状マグネット1の上を覆い、コイル3とシャフト状マグネット1との間に異物が侵入することがなく、従ってコイル3の内周面を傷つけることがないことは勿論のこと、シャフト状マグネット1上にも異物が吸着することがない。
【0046】
図5は、本発明の第5の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図1に示す第1の実施形態のシャフト型リニアモータと同様にシャフト状マグネット1とコイル3から構成されているが、本実施形態では付属的にコイル3の上に例えば部品やツールまたはアクチュエータなどを載置してシャフト状マグネット1の軸方向に搬送するための可動テーブル15が取り付けられている。また、本実施形態のシャフト型リニアモータは、図1の第1の実施形態のリップシール5の代わりに、コイル3の両端部に摺動部材であるリニアブッシュ13が取り付けられている点が異なり、その目的もリップシール5が異物の侵入の防止であったのに対して、本実施形態のリニアブッシュ13はシャフト状マグネット1とコイル3とが接触しないように両者間の間隙を確保しようとするものである。
【0047】
図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータでは、リニアブッシュ13は、シャフト状マグネット1の略全周を覆い、コイル3の両側部に外面が取り付けられ、内面がシャフト状マグネット1に接触して設けられているが、更に詳しくは、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に対して所定の間隔以上接近しないように転動面がシャフト状マグネット1の外周面に転動自在に接触してコイル3の両端部に設けられている。
【0048】
リニアブッシュ13は、所謂転がり軸受であり、多数のボールがシャフト状マグネット1の軸方向に整列して設けられ、多数のボールの点接触による転動面が円筒形に形成され、シャフト状マグネット1の軸方向のみにコイル3を走行可能にするとともに、リニアブッシュ13の転動面がシャフト状マグネット1の外周面に転動自在に接触し、これによりコイル3の内周面とシャフト状マグネット1の外周面との間の間隙を所定の間隔に設定し、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、シャフト状マグネット1より短いコイル3は撓みにくく、シャフト状マグネット1の撓みを矯正しながら移動し、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に円滑に走行することができる。
【0049】
図6は、本発明の第6の実施形態に係るリニアモータであるシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第6の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1、コイル3および可動テーブル15から構成されているが、図5の第5の実施形態のリニアブッシュ13の代わりに、シャフト状マグネット1とコイル3間の間隙を確保するためにコイル3の両端部に摺動部材である滑り軸受17が取り付けられている点のみが異なるものである。
【0050】
コイル3の両端部に設けられた滑り軸受17は、摩耗しにくい例えばPTFE(4フッ化エチレン)やポリアセタールなどの樹脂または銅合金などの金属で形成され、シャフト状マグネット1の略全周を覆い、コイル3の両側部に外面が取り付けられ、内面がシャフト状マグネット1に接触して設けられているが、更に詳しくは、摺動面がシャフト状マグネット1の外周面に対して摺動自在に接触して、これによりコイルがシャフト状マグネットに対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、シャフト状マグネット1より短いコイル3は撓みにくく、シャフト状マグネット1の撓みを矯正しながら移動し、コイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に走行することができる。
【0051】
図7は、本発明の第7の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第7の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータと同じ構成であり、シャフト状マグネット1、コイル3および可動テーブル15から構成されているが、図5の第5の実施形態のリニアブッシュ13の代わりに、シャフト状マグネット1とコイル3間の間隙を確保するためにコイル3の両端部においてシャフト状マグネット1に接触し、コイル3の両側部に支持されてローラー19が取り付けられている点のみが異なるものである。
【0052】
ローラー19は、コイル3の両端部に設けられ、シャフト状マグネット1が撓み易い方向(自重方向、曲がり方向など)から当該ローラー19を介してシャフト状マグネット1に力を加え、これによりコイル3がシャフト状マグネット1に対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、棒状体が撓んでもシャフト状マグネット1が撓んだとしてもコイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に走行することができる。
【0053】
図8は、本発明の第8の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。同図に示す第8の実施形態のシャフト型リニアモータは、基本的には図5に示す第5の実施形態のシャフト型リニアモータとほぼ同様に、シャフト状マグネット1およびコイル3を有することに加えて、可動テーブル15がシャフト23およびブッシュ25を介してコイル3に取り付けられて設けられているが、図5の第5の実施形態のリニアブッシュ13の代わりに、シャフト状マグネット1とコイル3間の間隙を確保するためにコイル3の両端部にギャップ管理用スペーサ21が取り付けられているとともに、また可動テーブル15が可動体として作用している点のみが異なるものである。
【0054】
本実施形態のシャフト型リニアモータでは、コイル3の両端部にギャップ管理用スペーサ21が設けられ、シャフト状マグネット1の撓みに応じてコイル3が上下動するように構成し、シャフト状マグネット1が撓んだ時にはコイル3も併せて上下動し、これによりコイル3がシャフト状マグネット1に対して所定の間隔以上接近しないようにしている。すなわち、ギャップ管理用スペーサ21によりコイル3はシャフト状マグネット1の撓みに沿って移動するが、可動体である可動テーブル15はその影響を受けずに移動することができ、シャフト状マグネット1が撓んでもコイル3の内周面がシャフト状マグネット1の外周面に接触することがなく、従ってコイル3を損傷させることもなく、コイル3は円滑にシャフト状マグネット1の軸方向に走行することができる。
【0055】
第7及び第8の実施例においてより高い効果を得るために、棒状体に平行に設けられ、前記可動テーブルにかかる荷重を受けるリニアガイドを設けてもよい。
【0056】
なお、上記各実施形態では、棒状体であるシャフト型マグネット1は一例として断面が丸の円筒体の場合について説明しているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば角型でもよいものである。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、棒状体に対して移動可能な移動体の略全周を覆い、そのコイル部分の両側部に弾性部材がその内端を棒状体に接触させて設けられているので、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間に隙間がほとんど形成されず、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、弾性部材の弾性をもって当接し摺動している内端により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0058】
また、本発明によれば、移動体のコイル部分の両側部と棒状体との隙間を移動体のコイル部分と棒状体との隙間より狭くしたので、移動体が棒状体の軸方向に走行しても、両者間の隙間は狭く、両者間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面が傷つけられることがない。また、磁性体の異物が棒状体の外周面に吸着し、そこに移動体が走行してきても、狭い隙間により異物は跳ね除けられ、両者間に進入することもなければ、移動体のコイル部分の内周面が傷つけられることもない。
【0059】
更に、本発明によれば、伸縮可能なカバーが棒状体の略全周を覆って移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、棒状体の移動体の移動範囲を覆っているので、移動体と棒状体間に異物が進入することがなく、従ってコイルの内周面を傷つけることがないことは勿論のこと、棒状体上にも異物が吸着することがない。
【0060】
本発明によれば、摺動部材がその外面を移動体のコイル部分の両側部に取り付け、内面を棒状体に接触させるように棒状体の略全周を覆って設けられているので、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。
【0061】
また、本発明によれば、ローラーが棒状体に接触して、移動体のコイル部分の両側部に支持されているので、棒状体より短い移動体は撓みにくく、棒状体の撓みを矯正しながら移動し、棒状体が撓んでも移動体の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従って移動体のコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に円滑に走行することができる。
【0062】
更に、本発明によれば、棒状体と移動体の隙間をスペーサで保持し、可動体が移動体に対して棒状体に略垂直な方向に移動可能に設けられているので、スペーサにより移動体は棒状体の撓みに沿って移動するが、可動体はその影響を受けずに移動させることができ、棒状体が撓んでも移動体のコイル部分の内周面が棒状体の外周面に接触することがなく、従ってコイル部分を損傷させることもなく、移動体は円滑に棒状体上を軸方向に走行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第6の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図7】本発明の第7の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第8の実施形態に係るシャフト型リニアモータの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シャフト状マグネット
3 コイル
5 リップシール
7 ブラシ
9 スクレーパ
11 ジャバラ状ダストブーツ
13 リニアブッシュ
15 可動テーブル
17 滑り軸受
19 ローラー
21 ギャップ管理用スペーサ
23 シャフト
25 ブッシュ
Claims (13)
- 直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、
直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、
前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外端が取り付けられ、内端が前記棒状体に接触する弾性部材と
を有することを特徴とするリニアモータ。 - 前記弾性部材は、前記移動体の両端部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
- 前記弾性部材は、リップシールであることを特徴とする請求項1または2記載のリニアモータ。
- 前記弾性部材は、ブラシであることを特徴とする請求項1または2記載のリニアモータ。
- 直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、
直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体とを有し、
前記移動体のコイル部分の両側部と前記棒状体との隙間を前記移動体のコイル部分と前記棒状体との隙間より狭くしたこと
を特徴とするリニアモータ。 - 前記両側部は、前記移動体のコイル部分に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする請求項5記載のリニアモータ。
- 直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、
直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、
前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外方に延設され、前記棒状体の前記移動体の移動範囲を覆う伸縮可能なカバーと
を有することを特徴とするリニアモータ。 - 直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、
直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、
前記棒状体の略全周を覆い、前記移動体のコイル部分の両側部に外面が取り付けられ、内面が前記棒状体に接触する摺動部材と
を有することを特徴とするリニアモータ。 - 前記摺動部材は、リニアブッシュであることを特徴とする請求項8記載のリニアモータ。
- 前記摺動部材は、滑り軸受であることを特徴とする請求項8記載のリニアモータ。
- 直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、
直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、
前記棒状体に接触し、前記移動体のコイル部分の両側部に支持されたローラーと
を有することを特徴とするリニアモータ。 - 直列に配列された複数の永久磁石を備えた棒状体と、
直列に配列された複数のコイルを備え、前記棒状体の略全周を覆い、前記棒状体に対して間隙を有して軸方向に移動可能な移動体と、
前記棒状体と前記移動体の隙間を保持するスペーサと、
前記移動体に対して前記棒状体に略垂直な方向に移動可能な可動体と
を有することを特徴とするリニアモータ。 - 前記可動体は、軸方向に移動不能に支持されていることを特徴とする請求項12記載のリニアモータ。
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