JP2004080291A - マルチパス検出機能を有する受信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベクトル検出部1−2は、複素マッチトフィルタ1−1から入力される各サンプル点における受信信号の相関結果の実数及び虚数成分から成るベクトルを検出する。このベクトル検出値(チャネル推定値)を基に、位相回転部1−3により受信信号の相関結果の位相を回転することにより、フェージング等によるパスの位相変動を補償する。同相加算(積分)部1−4で、フェージングによる位相変動が大きい長時間領域に亙って、電圧の同相加算(積分)による平均化処理を行い、電力平均を行わないため、雑音や干渉成分を平均的にゼロに近づけることができ、精度よいパス検出を行うことができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチパス検出機能を有する受信装置に関し、マルチパスの信号を合成し又はその相互干渉を除去することで通信品質を向上させる直接拡散スペクトラム拡散(CDMA)等の無線通信分野の受信装置に関する。特に、3GPP(3rd Generation Partnership Project )で規格化されているW−CDMAシステムの受信装置に好適に適用される。
【0002】
図6に一般的なCDMA受信装置の構成を示す。CDMA受信装置は大きく分けて基地局検出回路6−1、パス検出回路6−2、復調回路6−3から成る。基地局検出回路6−1は、電源投入時又は圏外復帰時等に起動され、通信可能な基地局を検出する回路で、マッチトフィルタ等の相関器を用いて逆拡散タイミングを検出し、更に近隣基地局で唯一の拡散コードを検出する。
【0003】
パス検出回路6−2は、マルチパスを検出するために、マッチトフィルタ等を用いて遅延プロファイルを測定し、マッチトフィルタ等の相関器による受信信号の相関値検出結果から、信号電力又は信号対雑音比の大きいパスを幾つか選択して抽出する。
【0004】
復調回路6−3では、パス検出回路6−2により選択された複数のパスのタイミング位置を各フィンガ(逆拡散)回路(#0〜#n)6−31に設定して逆拡散処理を行い、パイロット検波回路6−32で検出したパイロットシンボルによりチャネル推定を行った後、該チャネル推定値で同期検波(チャネル補償)を行い、更にマルチパスの信号電力を有効利用するためにRAKE合成回路6−33により複数のパスの信号を合成し、誤り訂正回路6−34により誤り訂正を行って復調信号を出力する。
【0005】
またCDMA受信装置では、受信信号の品質を測定し、所望の品質が得られるよう、基地局は移動局に、移動局は基地局に、それぞれ送信電力を制御する送信電力制御(TPC)コマンドを送信する。これを閉ループ送信電力制御(TPC)といい、これによりCDMA通信システム固有の遠近問題の解決し、またフェージングなどによる伝播環境の変動の影響を補償する。高速に変動するフェージングを補償するには、復調回路6−3において高速に信号品質を測定し、TPCコマンドを復調する必要がある。
【0006】
復調時のチャネル推定に用いる信号には、コード分割された共通パイロットチャネルCPICH(Common Pilot Channel)のパイロットシンボル、及びユーザ個別のDPDCH(Dedicated Physical Data Channel )に時分割されたユーザ個別物理制御チャネルDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)内のパイロットシンボルの2種類がある。
【0007】
共通パイロットチャネルCPICHは各ユーザが使用するため、或る一定の電力で送信されるが、ユーザ個別物理制御チャネルDPCCH内のパイロットシンボルは、各ユーザの個別信号に内挿されているため、閉ループ送信電力制御(TPC)に伴い、その電力が変動する。
【0008】
【従来の技術】
図7に従来のパス検出回路の構成を示す。従来のパス検出回路は、複素マッチトフィルタ7−1、同相加算(積分)部7−2、電力化部7−3、電力加算(積分)部7−4、ピーク検出部7−5、ソート部7−6を備える。マルチパスを検出する場合、複素マッチトフィルタ7−1等の相関器を用いてタイミングの異なる各拡散コードと受信信号との相関結果を求め、該相関結果に対して雑音を除去するために平均化処理を行うことが一般的である。
【0009】
図8(a)は複素マッチトフィルタ7−1に入力されるパスの位相の例を示し、同図に示すようにパスA及びパスBの二つのパスが入力されるものとする。図8(b)は複素マッチトフィルタ7−1の実数成分の出力を示している。
【0010】
フェージングによる位相変動が少ないと判断される時間範囲では、同相加算(積分)部7−2により、該時間範囲内における各相関演算後の受信信号電圧の同相加算(積分)を行う。ここで、同相加算(積分)とは、複素マッチトフィルタ7−1から出力される相関演算後の実数成分及び虚数成分の受信信号電圧値を、それぞれ実数成分同士、虚数成分同士で、即ち同じ位相成分同士で加算(積分)することを意味する。
【0011】
一方、上記時間範囲を越えるフェージング位相変動の大きい時間領域では、電力化部7−3により相関結果の受信信号を電力化し、電力加算(積分)部7−4により、比較的長い時間に亙る該電力値の時系列の加算(積分)による平均化処理を行い、雑音成分を低減して信号対雑音被SNを改善し、マルチパスの検出確率を向上させている。
【0012】
一般に、雑音は中心電圧に対して正負の極性の電圧振幅を有する正規分布となるため、相関結果の信号電圧を十分長い時間をかけて加算(積分)して平均化処理することができれば、雑音の平均電圧はゼロに近づくため、電圧での同相加算(積分)を行うことが好ましい。図8(c)は同相加算(積分)部7−2の出力を示し、雑音や干渉信号が同相加算により低減する様子を示している。
【0013】
しかし、移動通信のような伝播路が急激に変動する通信システムにおいては、長い時間範囲に亙って平均化処理を行うと、その平均化処理時間の間にパス自体の位相が変動してしまい、平均化処理によってパスの相関値も低下してしまう。そのため、パスの位相変動が想定される長い時間領域に亙る平均化処理では、電力化部7−3により相関結果の信号を電力値に変換し、電力加算(積分)部7−4により該電力値での積分を行うのが一般的である。
【0014】
図8(d)は電力化部7−3の出力を示し、同図(e)は電力加算(積分)部7−4の出力を示している。電力値化により雑音成分も全て正の極性となり、電力加算(積分)部7−4により積分しても原理的には雑音成分を除去することができないが、同図(e)に示すように雑音成分の時間変動は滑らかになりピークが抑圧される。そして、ピーク検出部7−5により大きなピーク値のパスを検出し、ソート部7−6によりピーク値順により並べ替えを行う。
【0015】
なお、パス検出において正しくナイキスト点を得るために、オーバーサンプリングを行う場合が多い。オーバーサンプリングを行うと、1つのパスに対して複数のサンプル点の相関値が得られるため、近傍のサンプル点の相関値に対してピーク検出を行い、このピークをパスの相関値とする。そのほか、従来のパス検出回路として、特開平10−336072号公報等に開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、電力値化により雑音成分も全て正の極性となり、積分しても雑音成分を除去することができないため、受信電力レベルの低い場合には、長時間平均化処理を行っても必ずしも良好なパス検出結果を得ることができない。
【0017】
特に、直接拡散のチップレートの分解能の時間範囲内に2つのパスが存在する場合(例えば、3GPP規格のTS25.101 Annex B.2.2 Table B.1 case3にあるような、ほぼチップ間隔となるパス配置の場合)、以下のような問題を生する。
【0018】
2つのパスは独立したフェージングを受けるが、従来のパス検出回路では、位相がそれほど変動しない時間範囲でのみ電圧加算(同相加算)を行い、2つのパスの相関値を得るが、2つのパスの位相(タイミング)が近傍にあるため、2つのパスが合成された相関結果が検出される。
【0019】
そのため、合成された相関結果のピークをパスとして検出しまう恐れがあり、最悪の場合、2つのパスの間に1つのパスが有ると判断してしまい、正しいパス検出することができない。図9にこの誤検出の動作例を示す。図9(a)は複素マッチトフィルタ7−1に入力されるパスの位相の例を示し、同図に示すようにパスA及びパスBの二つのパスが入力されるものとする。
【0020】
図9(b)は複素マッチトフィルタ7−1の実数成分の出力を示している。図9(c)は同相加算(積分)部7−2の実数成分の出力を示し、雑音成分が同相加算により減少する様子を示している。一方、図9(b’)は複素マッチトフィルタ7−1の虚数成分の出力を示し、図9(c’)は同相加算(積分)部7−2の虚数成分の出力を示している。パスA及びパスBの虚数成分の相関値は重なり合ってしまう。
【0021】
そのため、図9(d)に示すように電力化部7−3の出力のピークは2つのパスの合成信号となり、また、図9(e)に示すように電力加算(積分)部7−4の出力のピークも、2つのパスが重なり合って分離することができなくなる。
【0022】
本発明は、パスタイミング検出における平均化処理に際し、電力加算(積分)を行うことなく、同相加算(積分)のみを行って干渉・雑音成分を除去し、フェージング等による位相変動に対しても精度よくマルチパスを検出することができ、かつ、近傍のタイミングに存在する複数のパスを精度よく個々に検出することが可能な、マルチパス検出機能を有する受信装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明のマルチパス検出機能を有する受信装置は、(1)マルチパスの検出時間範囲内のサンプル点における受信信号のベクトルを検出するベクトル検出手段と、該受信信号のベクトル検出値を基準としてサンプル点毎の受信信号を位相回転する位相回転手段と、該位相回転したサンプル点の受信信号を同相加算する同相加算手段と、各サンプル点の該同相加算した各加算結果の絶対値の大きいものからパスを検出するパス検出手段とを備えたものである。
【0024】
また、(2)マルチパスの検出時間範囲内における受信信号の電力加算によりパスのタイミング位置を仮検出するパス仮検出手段と、該仮検出されたパスのタイミング位置近傍の時間範囲内のサンプル点における受信信号のベクトルを検出するベクトル検出手段と、該受信信号のベクトル検出値を基準としてサンプル点毎の受信信号を位相回転する位相回転手段と、該位相回転したサンプル点の受信信号を同相加算する同相加算手段と、各サンプル点の該同相加算した各加算結果の絶対値の大きいものからパスを検出するパス検出手段とを備えたものである。
【0025】
また、(3)前記ベクトル検出手段により検出したベクトル検出値の振幅を一定の値に正規化する正規化手段を備え、該正規化したベクトル検出値を基準に、前記各サンプル点の同相加算した各加算結果の絶対値を出力する手段を有するものである。
【0026】
また、(4)前記ベクトル検出手段により検出したベクトル検出値の振幅を一定の値に正規化する正規化手段を備え、該正規化したベクトル検出値を基準に、前記各サンプル点の同相加算した各加算結果の絶対値を出力する手段を有するものである。
また、(5)前記パス検出手段は、各サンプル点の同相加算した各加算結果の絶対値の大きいものから優先的にパスを検出する手段を備えたものである
【0027】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の第1実施形態のパス検出回路を示す。本発明の第1実施形態のパス検出回路は、複素マッチトフィルタ1−1と、各サンプル点における受信信号の実数及び虚数成分から成るベクトルを検出して記録するベクトル検出部1−2と、位相回転部1−3と、同相加算(積分)部1−4と、同相成分絶対値化部1−5と、ピーク検出部1−6と、ソート部1−7とから成る。
【0028】
ベクトル検出部1−2は、複素マッチトフィルタ1−1から入力される各サンプル点における受信信号の相関結果の実数及び虚数成分から成るベクトルを検出する。このとき、実際にパスが検出されたタイミング位置の位相を示すベクトルは、それ自体が伝播路(チャネル)による位相変動をも示している。
【0029】
即ち、ベクトル検出部1−2で検出されるベクトル検出値の変動は、チャネル推定値の変動と見なすことができ、ベクトル検出部1−2で検出したベクトル検出値(チャネル推定値)を基に、位相回転部1−3により受信信号の相関結果の位相をチャネル補償して常に実数軸上に回転することにより、フェージング等によるパスの位相変動を補償することができる。
【0030】
そのため、フェージングによる位相変動が大きくなる長い時間領域に亙って、電圧の同相加算(積分)による平均化処理を行うことが可能となるので、電力平均を行う必要がなくなり、雑音や干渉成分を平均的にゼロに近づけることができ、精度よいパス検出を行うことができる。
【0031】
ベクトル検出部1−2において、パス検出時間幅のチップ数をn、オーバーサンプリング数をsとすると、m=n×sポイントのサンプル点で、受信信号の相関結果の実数及び虚数成分から成るベクトル検出値α(j)を検出し、チャネル変動に対して十分短い時間範囲でその平均値<α(j)>を求める。
【0032】
各サンプル点の複素相関値をS(i)、各サンプル点に対応するベクトル検出平均値(即ちチャネル推定値)の平均値を<α(j)>、その共役複素数を<α(j)>* と表すと、位相回転部1−3でのチャネル補償により、S(i)×<α(j)>* を出力し、同相加算(積分)部1−4において、フェージングによる位相変動の大きい長い時間領域に亙る同相加算(積分)による平均化処理を行い、相関値の平均値<S(i)×<α(j)>* >を得、同相成分絶対値化部1−5により、その絶対値|<Re{S(i)×<α(j)>* }>|を得る。
【0033】
上記の演算は、i=0〜m−1、j=0〜m−1の範囲の各サンプル点において行う。複素相関値S(i)をi=0〜m−1の範囲で順に変化させて得られる出力からピーク検出部1−6によりピーク検出を行う。更に、ベクトル検出平均値<α(j)>をj=0〜m−1の範囲で順に変化させて得られる相関値の大きい順に、ソート部1−7によりソートを行い、所望のパス数に対応するパスタイミング位置をパス判定結果として出力する。
【0034】
ここで、ベクトル検出値αを変えてチャネル推定を行う意義について説明する。図2に本発明のパス検出の動作例を示す。この動作例では、サンプル数m=16とし、図2(a)に示すように実際に存在するパスが2つであったとする。これをパスA、パスBとする。2つのパスはそれぞれフェージングにより独立したチャネル変動を受ける。
【0035】
パスAのベクトル検出値(チャネル推定値)を基準として16個のサンプルポイントの相関値を同期検波する。図2(b)はこの同期検波の出力を示す。パスAのベクトル検出値(チャネル推定値)で位相回転を行うとき、パスAは自分自身の位相変動を打ち消すように回転させることとほぼ等価なため、図2(c)に示すように、位相平面上の実数軸上に移相され、同相加算によって強め合い、パスBは独立したチャネル変動のためランダムな方向ベクトルとなり、その合成ベクトルはゼロに近づく。そのため、図2(d)に示すように、パスAの相関値のみを精度よく検出することができる。
【0036】
一方、図2(e)は、パスBのベクトル検出値(チャネル推定値)を基準として同様にサンプルポイントの相関値を同期検波した出力を示す。パスBのベクトル検出値(チャネル推定値)で位相回転を行って同相加算を行うと、パスAの場合と同様、図2(f)に示すようにパスBの相関値は強め合い、パスAの相関値の合成ベクトルはゼロに近づき、図2(g)に示すように、パスBの相関値のみを精度よく検出することができる。
【0037】
パスAのベクトル検出値で位相回転を行うとき、残りの14サンプル点(パスA、パスB以外の点)についてはパスが無いため、干渉又は雑音成分しかなく、干渉又は雑音成分に対しては、パスBに対する同期検波の場合と同様に、長区間の同相加算によりゼロに近づく。
【0038】
これらの処理により、パスの存在するポイントをより強調して精度よく検出することができ、しかも平均化処理を同相加算により行うことができるため、理論上信号対雑音比SNを無限大としたパス検出結果を得ることができる。また、このパス検出の手法は、従来技術の問題点であるチップ分解能内で重なり合ったパスも分離することができる。
【0039】
前述した実施形態のパス検出回路においては、全サンプルポイントのチャネル推定値が必要となるため演算量が多くなる。携帯端末のような消費電力を極力抑えたい通信装置に適用する場合は、演算量を少なくすることが好ましい。そこで、演算量を減少させる実施形態として、チップ分解能内にパスが存在する場合に該パスを分離することのみに着目した本発明の第2実施形態について以下に説明する。
【0040】
図3に本発明の第2実施形態のパス検出回路を示す。この第2の実施形態は、図7に示した従来のパス検出回路と同様の、同相加算(積分)部7−2、電力化部7−3、電力加算(積分)部7−4、ピーク検出部7−5、ソート部7−6から成る回路構成により、パス検出時間幅の遅延プロファイルを測定してパスを仮検出し、そのパスタイミング情報をベクトル検出部1−2に転送する。
【0041】
第1の実施形態と同様にベクトル検出部1−2、位相回転部1−3、同相加算(積分)1−4、同相成分絶対値化部1−5、ピーク検出部1−6及びソート部1−7を備えるパス検出回路は、ソート部7−6から転送されたパスタイミング情報を基に、該パスタイミングにおける実際のパスは1つのパスか複数のパスかを正確に判別するため、そのパスタイミングの近傍のサンプル点のみ、第1の実施形態と同等の処理を行い、正確なパスプロファイルを得る。
【0042】
なお、この第2の実施形態において、同相加算(積分)部7−2と同相加算(積分)部1−4、ピーク検出部7−5とピーク検出部1−6、ソート部7−6とソート部1−7について、構成を分かりやすく明示するため、別々の処理ブロックとした構成を開示しているが、それら同一機能の処理ブロックは、同一のハードウェア回路構成を時分割多重利用する構成とし、回路規模削減を図ることができる。
【0043】
次に本発明の第3及び第4の実施形態について説明する。平均時間を十分長く取れない場合には、ベクトル検出値の振幅の精度が悪くなり、該ベクトル検出値により同期検波される複素相関値の大きさは、ベクトル検出値の振幅のばらつきに応じて変動し、検出されたパスのレベルもそれにおうじて変動する。これを防ぐには、ベクトル検出値の振幅を正規化することによって回避することが可能となる。
【0044】
各サンプル点の複素相関値をS(i)、各サンプル点に対応するベクトル検出値をα(j)、その平均値の共役複素数を<α(j)>* とすると、ベクトル検出値の振幅の正規化を行うことにより、同相成分絶対値化を行った後の出力は、|<Re{S(i)×<α(j)>* }>|/|<α(j)>|
となる。
【0045】
図4にこの正規化を行う第3の実施形態のパス検出回路を示す。この第3の実施形態は、第1の実施形態の構成に、ベクトル検出値の振幅の正規化を行う正規化部4−1を備えたものである。正規化部4−1は、ベクトル検出値の振幅値の絶対値の逆数を乗じる処理を施すもので、図4に示すように、位相回転点部1−3における処理に対して行ってもよいし、図示省略するが、同相加算(積分)部1−4又は同相成分絶対値化部1−5における処理に対して行う構成とすることもできる。
【0046】
図5は正規化を行う第4の実施形態のパス検出回路を示す。この第4の実施形態は、第2の実施形態の構成に、ベクトル検出値の振幅の正規化を行う正規化部4−1を備えたものである。正規化部4−1の構成は第3の実施形態における構成と同様であるので重複した説明は省略する。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パスタイミング検出の平均化処理において、各サンプル点の受信信号相関値のベクトルを検出し、該ベクトル検出値それを基準として各サンプル点毎に受信信号相関値を位相回転して同相加算することにより、干渉・雑音成分を除去し、かつ、電力加算を行うことなくフェージング等による位相変動に対しても精度よくマルチパスを検出することができ、また、近傍のタイミングに存在する複数のパスを精度よく個々に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のパス検出回路を示す図である。
【図2】本発明のパス検出の動作例を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態のパス検出回路を示す図である。
【図4】第3の実施形態のパス検出回路を示す図である。
【図5】第4の実施形態のパス検出回路を示す図である。
【図6】一般的なCDMA受信装置の構成を示す図である。
【図7】従来のパス検出回路の構成を示す図である。
【図8】従来のパス検出回路の動作例を示す図である。
【図9】従来のパス検出回路のパス誤検出の動作例を示す図である。
【符号の説明】
1−1 複素マッチトフィルタ
1−2 ベクトル検出部
1−3 位相回転部
1−4 同相加算(積分)部
1−5 同相成分絶対値化部
1−6 ピーク検出部
1−7 ソート部
Claims (5)
- マルチパスの検出時間範囲内のサンプル点における受信信号のベクトルを検出するベクトル検出手段と、該受信信号のベクトル検出値を基準としてサンプル点毎の受信信号を位相回転する位相回転手段と、該位相回転したサンプル点の受信信号を同相加算する同相加算手段と、各サンプル点の該同相加算した各加算結果からパスを検出するパス検出手段とを備えたことを特徴とするマルチパス検出機能を有する受信装置。
- マルチパスの検出時間範囲内における受信信号の電力加算によりパスのタイミング位置を仮検出するパス仮検出手段と、該仮検出されたパスのタイミング位置近傍の時間範囲内のサンプル点における受信信号のベクトルを検出するベクトル検出手段と、該受信信号のベクトル検出値を基準としてサンプル点毎の受信信号を位相回転する位相回転手段と、該位相回転したサンプル点の受信信号を同相加算する同相加算手段と、各サンプル点の該同相加算した各加算結果からパスを検出するパス検出手段とを備えたことを特徴とするマルチパス検出機能を有する受信装置。
- 前記ベクトル検出手段により検出したベクトル検出値の振幅を一定の値に正規化する正規化手段を備え、該正規化したベクトル検出値を基準に、前記各サンプル点の同相加算した各加算結果の絶対値を出力する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のマルチパス検出機能を有する受信装置。
- 前記ベクトル検出手段により検出したベクトル検出値の振幅を一定の値に正規化する正規化手段を備え、該正規化したベクトル検出値を基準に、前記各サンプル点の同相加算した各加算結果の絶対値を出力する手段を有することを特徴とする請求項2に記載のマルチパス検出機能を有する受信装置。
- 前記パス検出手段は、各サンプル点の同相加算した各加算結果の絶対値の大きいものから優先的にパスを検出する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチパス検出機能を有する受信装置。
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