JP2004080155A - デジタル逓倍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デジタル逓倍装置に関し、特に少ないハードウェアで広範囲な発振周期の設定ができ且つそれを高精度に実現するリングオシレータを用いたデジタル逓倍装置を提供する。
【解決手段】デジタル逓倍装置は、遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの接続切替により発振周期が可変するリングオシレータと、前記リングオシレータの出力クロックをカウントするカウント部と、基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの発信周期を制御する比較部と、で構成される。
【選択図】 図3
【解決手段】デジタル逓倍装置は、遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの接続切替により発振周期が可変するリングオシレータと、前記リングオシレータの出力クロックをカウントするカウント部と、基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの発信周期を制御する比較部と、で構成される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル逓倍装置に関し、特に少ないハードウェアで広範囲な発振周期の設定が可能なリングオシレータを用いたデジタル逓倍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PLL回路は、これまでアナログ回路として設計されていたが、その特性は半導体のプロセス依存性が高く、微細プロセスを使用したデジタル回路と混在させることは回路特性的及びコスト的に困難であった。そのため、近年、PLL回路のデジタル化が検討されている。
【0003】
従来はアナログ回路で実現していたVCO (Voltage Controlled Oscillator)がデジタル化のネックとされていたが、リングオシレータを使用することで同様の結果を得ることができる。リングオシレータを使用するデジタルPLL回路については、例えば特開平9−238053号公報の「リングオシレータ及びPLL回路」や特開平9−238053号公報の「デジタル制御発振装置」等の先行文献がある。
【0004】
図1には、従来のリングオシレータの周期可変方法の一例を示している。
図1において、各ディレイセル101〜10nの出力はn入力セレクタ11へ入力され、選択されたその内の1つの出力だけがインバータ12を介して初段のディレイセル101に帰還入力される。従って、n入力セレクタ11及びインバータ12の各素子の遅延量を除けは、ディレイセル101〜10nの直列接続段数によってリングオシレータの発振周期が定まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示すような従来のリングオシレータの発振周期を変更するには、多数の遅延素子の出力を個別に選択するセレクタとその制御信号とが必要となる。すなわち、従来のディレイセル構成では最大T時間の遅延が欲しい場合にディレイセル1個あたりの遅延時間をTd(分解能=Td)とすると、T/Td個のディレイセルが必要となる。
【0006】
例えば、1nsの分解能で63nsの最大遅延が必要な場合には1nsのディレイセルが63個必要となる。さらに、各ディレイセルの出力から63本の出力線を63−1セレクタに入力し、そのセレクタを制御する制御線も必要となる。このように、従来においては広範囲な発振周期の設定ができるように制御段数を増やそうとすると回路構成が極めて大規模化するという問題があった。
【0007】
また、従来のリングオシレータの発振周期を変更する際には、所定条件下でセレクタ切替時に切替ノイズが発生し、その結果リングオシレータの動作が不安定になるという問題もあった。さらに、広範な適用分野からの要請により、より少ないハードウェアで高精度の発振周期を有し、その発振周期の設定や制御が容易で高速動作が可能なリングオシレータを提供する必要もある。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記問題点に鑑み、リングオシレータに使用するディレイセルに重み付けを行うことにより、周期変更に必要なセレクタ数を低減し、回路規模の縮小化を図ったリングオシレータを提供することにある。
また、本発明の目的は、セレクタ切替時における切替ノイズの発生を防止し、さらに小型で高精度の発振周期を有し、その発振周期の設定や制御が容易で高速動作が可能なリングオシレータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの接続切替により発振周期が可変するリングオシレータと、前記リングオシレータの出力クロックをカウントするカウント部と、基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの発信周期を制御する比較部と、で構成するデジタル逓倍装置が提供される。
【0010】
また本発明によれば、前記リングオシレータは、さらに固定又は可変のディレイ時間を有する固定ディレイ手段又は可変ディレイ手段を有し、前記比較部は、前記固定又は可変のディレイ時間内に前記リングオシレータの次回周期のための接続切替を完了する。
【0011】
さらに本発明によれば、前記リングオシレータは、前記遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの内、未接続のディレイセルへの信号入力を禁止することによって前記ディレイセル接続時におけるノイズの発生を防止する手段を備える。
【0012】
また、前記比較部は、前記基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との種々の組み合わせによる比較によって、より精度の高いリングオシレータの接続切替を行なう。
少なくとも、前記リングオシレータ、カウント部、及び比較部は、半導体集積回路として一体に形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明によるデジタル逓倍回路の基本構成を示したものである。また、図3は、本発明によるリングオシレータ(リングOSC)のディレイ可変部の一実施例を示している。
図2において、本発明によるリングオシレータは、ディレイ可変部20、インバータ、及びその帰還ループによって構成される。カウント回路22は、外部から入力される基本クロックの周期にリングオシレータからの出力クロックが何個含まれるかをカウントし、そのカウント値を比較部23に出力する。
【0014】
比較部23は、基本クロックの周期に含まれる出力クロック数(C)が設定逓倍数Nより多い場合(C>N)にはディレイ可変部20のディレイ時間を延長して出力クロックの周期を長くし、反対に小さい場合(C<N)にはディレイ可変部20のディレイ時間を短縮して出力クロックの周期を短くする。その結果、リングオシレータからは基本クロック周期をN逓倍した周期をもつクロック信号が出力される。
【0015】
図3に示すディレイ可変部20は本発明の特徴的な構成部分であり、ディレイ可変部20は複数のディレイセル部分201〜206で構成される。各ディレイセル部分には重み付けがなされ、広い補正レンジを少ない段数で制御できるように構成されている。従来技術では、個々のディレイセルを選択するのに64段階の切り替えが必要となり、そのため制御線も64本必要であった。
【0016】
一方、本願発明構成では重み付けがなされた各ディレイセル部分201〜206単位で制御するため、同じ切り替えを行なうのに制御線の数はわずか6本ですむ。すなわち、本発明構成によれば、各ディレイセルに重み付けをすることにより、最大遅延時間Tが必要な場合でも、n=log2(T/Td)、但しn=正の整数、で表されるn個のディレイセルのみで実現できる。その結果、セルの制御信号線を大幅に削減することができる。
【0017】
一般に、ディレイセルの遅れ時間は、温度、プロセス、電源電圧等によってその絶対値が大きく変化するため、逓倍出力パルス幅の補正には広い補正レンジが必要である。本発明によれば、リングオシレータのディレイセルに重み付けを行うことにより、広い補正レンジを少ない制御線で従来例と同等の制御が実現できる。
【0018】
図4は、上述した図2及び3の一動作例を示したものである。
図4において、デジタル逓倍回路のカウント回路22には1MHz(周期1μs)の基本クロックが入力されており、比較部23の設定逓倍数Nは8である。本例において初期のカウント数Cは6(C<N)のため、比較部23はディレイ可変部20を制御してディレイ時間を短縮するように制御する。その結果、カウント回路22のカウント数はC=6、7と徐々に増加していきC=8(=N)で安定する。このように、逓倍用の基本クロックに同期してカウントした結果は、次回のリングオシレータの周期変更に用いられ、連続的に逓倍出力パルス幅が補正されていく。
【0019】
図5は、本発明によるデジタル逓倍回路を図2とは異なるブロック構成で示したものである。
この場合、図5のカウンタ31は図2のカウント回路22に、図5の比較器32、セレクタ制御信号生成部34、及び設定値部33は図2の比較部23に、そして図5のリングOSC&セレクタ35は図2のリングOSC部にそれぞれ対応する。
【0020】
設定値部33には、電源投入直後やデジタル逓倍回路のリセット解除直後におけるリングオシレータの初期値(図2の設定逓倍数=N)として目標とする周期近辺の値を設定しておく。例えば、目標とする遅延時間が37nsの場合は、図3に示すセルの組み合わせの総遅延時間が37ns(=32ns+4ns+1ns)となるように初期設定しておけば、温度や電圧等によるセルの遅延時間にバラツキが生じていても、目標とする遅延時間への収束を早めることができる。
【0021】
他には、リングオシレータの初期値を選択可能な範囲(セレクト値)の中心に設定しておく。例えば、最大遅延時間が63nsの場合に、初期値の遅延時間を32nsに設定しておくことで、温度や電圧等によるセルの遅延時間にバラツキが生じていても、目標とする遅延時間への収束を早めることができる。
【0022】
前記の例では初期値を選択可能な範囲の中心に設定していたが、対象機器の特性等に応じてその初期値を選択可能な範囲の最大値又は最小値に設定するようにしてもよい。また、後述するように周囲温度等により設定値部33に設定される初期値自体を可変にし、様々な状況において最適の初期値が設定されるようにしてもよい。
【0023】
図6は、本発明によるリングオシレータの別の構成例を示している。また、図7にはその動作の一例を示している。
図6には、リングオシレータの帰還入力の前段に各可変ディレイの周期設定処理時間を吸収するためのディレイ回路21−1又は21−2が設けられている。図6の(a)の例では固定ディレイ回路21−1が、そして図6の(b)の例では可変ディレイ回路22−2がそれぞれ使用される。
【0024】
図7には固定ディレイ回路21−1を用いた場合の動作例を示している。図7の(a)では10nsの固定ディレイ回路21が用いられ、図7の(b)に示すように動作する。固定ディレイ回路21の入力A、すなわちリングオシレータの出力(=A)、の立ち上がりから固定ディレイ回路21の10nsが経過する前までは、出力Aを除く他の全ての出力B〜Fは低レベルである。
【0025】
このディレイ時間内に、全ての可変ディレイセルのスイッチ切替処理が完了すれば、各可変ディレイセルの出力B〜Fは設定通りに出力される。もし、固定ディレイ回路21の10nsのディレイ時間内に可変ディレイセルの出力B〜Fの中に1つにでも高レベルのものが存在すると、短パルス状のノイズが発生するが、これについては後述する。
【0026】
図6の(b)に示す可変ディレイ回路21−2の動作も図7と同様である。但し、可変ディレイ回路21−2を使用した場合にはその遅延時間が任意に調整できるため、全てのスイッチ切替処理が確実に完了したのを確認できる利点がある。本例では、帰還入力される出力クロックC(OUTCLK)のANDゲートの通過をゲート制御信号Dによって制御する。
【0027】
このように、固定ディレイ回路21−1又は可変ディレイ回路21−2を用意し、このディレイ時間内に次回リングオシレータの周期設定を行うことで、リングオシレータの安定した動作が維持される。なお、上記の構成は制御中のリングオシレータの安定動作を確実にするが、それとは別に適切なスイッチ切替を実現するものとして、例えば基本クロックの1周期毎に交番する周期測定期間とセレクタ切替専用期間とを設け、周期測定期間では基本クロックの1周期内の出力クロック数をカウントし、セレクタ切換専用期間ではその測定結果に基づいてより適切なセレクタ切替制御を実行するようにしてもよい。
【0028】
図8は、セレクタ切替時に発生し得る短パルスを防止する回路を付加したリングオシレータの一構成例を示したものである。図9には、図8の動作タイムチャートの一例を示している。
図8の(a)には、固定ディレイ回路21−1を付加したリングオシレータを示しているが、実際には図8の(b)に示すように短パルス防止回路を付加した回路構成を有している。ここでは、図9を参照しながら主に32ns可変ディレイセルの動作を説明するが、他の可変ディレイセルについても同様である。
【0029】
図9の(a)は短パルス防止回路が無い場合の動作例を示しており、制御信号CTL64〜1の変化前は、32ns可変ディレイセル45のスイッチ48はスルー側(E)を選択している。この場合、スイッチ48の出力(G)には前段のスイッチ44で選択された信号がそのまま出力される。
【0030】
次に、制御信号CTL64〜1が変化して32ns可変ディレイセル45のスイッチ48が可変ディレイセル側(F)を選択すると、スイッチ48は固定ディレイ回路21−1の遅延時間内にスイッチ切替を完了するが、選択された可変ディレイセル側(F)にはスルー側(E)の信号が32ns遅延した信号が依然存在しており、その結果スイッチ48の出力(G)には短パルス状のノイズが発生する。
【0031】
一方、図9の(b)には短パルス防止回路を付加した場合の動作例を示している。図8の(b)に示す回路構成からも明らかなように、制御信号CTL32がスルー側(E)を選択すると、ゲート46によって32ns可変ディレイセル35への信号入力は禁止され、32ns可変ディレイセル45の出力は低レベルとなる。その結果、制御信号CTL64〜1が変化してスイッチ48が可変ディレイセル側(F)を選択してもスイッチ48の出力(G)には短パルス上のノイズが発生しない。
【0032】
このように、本願発明による短パルス防止回路は、各々の可変ディレイセルが選択されていないときには、その入力を禁止することで出力側の論理を低レベルに固定させる。なお、可変ディレイセル側(F)の信号が固定ディレイ値(10ns程度)以内で低レベル信号に変化すれば短パルスは発生しないが、64ns可変ディレイセル31等により固定ディレイ値を超える信号遅延が発生する回路構成となっており、本願発明による短パルス防止回路は有効に機能する。
【0033】
以降では、本願発明によるリングオシレータの発振周期の制御構成例について幾つか説明する。
図10は、リングオシレータ周期制御の原理的な構成例を示したものである。
図10において、リングオシレータ部51は、本願発明による重み付けがなされた可変ディレイセルにより構成され、またカウンタ&チョッパ部52はこれまでに説明してきたカウンタ回路や比較部等で構成されている。
【0034】
図11には、基本的な発振周期の制御例を示している。
図11では、カウンタ&チョッパ部52のカウンタによって基本クロック(REFCLK)の1周期中に発生するリングオシレータ51から出力されるパルス数をカウントし、それを設定逓倍数と比較して1周期毎に次回の設定周期を変更していく。本例にはカウント数>設定逓倍数の場合を示しており、遅延時間が増加するように制御される。
【0035】
また、本例では1周期毎のカウント値によって次回の設定周期を変更しているが、基本クロックの1/2周期中に発生するリングオシレータ41のパルス数をカウントし、それを設定逓倍数と比較することで次回周期を変更するようにしてもよい。この場合には、リングオシレータの遅延時間の変更も1/2周期毎に行なわれ、周期ずれの補正が1周期毎よりも早く対応できる。
【0036】
図12は、複数の基本クロック周期分のカウント値によって発振周期を制御する例を示している。
図12では、基本クロックn周期分に発生するリングオシレータ51のパルス数をカウントし、それを設定逓倍数のn倍と比較して次回の周期を決定する。一般に、カウント値が設定値と一致している場合でも、以下の式で表すように逓倍クロックの周期ずれが発生している。
【0037】
ここでは、基本クロック周期=T、設定値=N、逓倍クロック周期=Tpとすると、カウント値がNとなる逓倍クロック周期は Tp(MIN)=T/(N−1)〜T(MAX)=T/N の範囲となる。本例はN=8の場合を示しており、この場合の逓倍クロックは逓倍クロックTpの7周期分=Tとなる場合が最小となる。
【0038】
従って、最大(1−((N−1)/N))×100〔%〕のずれが発生することになる。このずれを小さくするにはNの値を大きくする。入力クロックおよび逓倍クロック周期を変えずにNの値を増やすには、カウントする区間を広げればよい。つまり、基本クロック周期のn倍(nは正の整数)の区間カウントすれば、ずれは以下のようになる。
(1−((N×n−1)/(N×n)))×100〔%〕
【0039】
これより、カウント区間をn倍すれば、ずれは1/nとなる。一例として、N=10の場合とN=100の場合とを比べると、N=10の場合には最大10%のずれとなり、N=100の場合には最大1%のずれとなる。前者と比べて後者のずれの幅は1/10に低減される。
【0040】
図13及び14は、複数のカウンタを用いて1周期毎の発振周期を制御する例を示している。
図13では、複数(n個)のカウンタを用意し、各カウンタのカウント開始タイミングを1周期毎にずらせることで1周期毎にディレイ値の設定を変更する。本例はn=2の場合を示しており、2つのカウンタ1及びカウンタ2はそれぞれ基本クロックの2周期分の逓倍クロックをカウントし、各々のカウント開始から終了までの位相を基本クロックの1周期分だけずらしている。
【0041】
ここでは、各カウンタ1及び2のカウント終了時の値とディレイ設定値とを比較し、異なる場合はディレイ値設定を増減させる。1つのカウンタ1又は2しか持たない場合にはディレイ値の更新が2周期毎となり、図12の例で示したように補正精度は向上するが(A)、その分だけ更新処理が遅延する。本例では更新を1周期毎に行うことで、逓倍クロック周期のずれを早く補正することができる。
【0042】
図14には、1周期分の逓倍クロックをカウントするカウンタ1と2周期分の逓倍クロックをカウントするカウンタ2とを併用した例を示している。図13の例ではnの値が大きくなるとカウンタ数もn個となり、回路規模が大きくなる。そこで、1周期分をカウントするカウンタ1及びn周期分をカウントするカウンタ2(本例ではn=2)の2つを使用してカウンタ数を減らし、且つ逓倍クロック周期ずれは1周期毎に対応できるようにしている。
【0043】
カウンタ2による補正は、複数周期nのカウント値による補正のためその補正精度は向上するが(A)、補正までにn周期の待ち時間が必要となる。本例では、カウンタ2がカウント中でもカウンタ1によって1周期毎に補正されるため、逓倍クロック周期のずれを早く補正することができる。ただし、カウンタ1による補正はカウンタ2による補正よりもその精度は低くなる(B)。
【0044】
また、カウンタ値と逓倍設定値との間に所定の設定値以上の差がある場合には、周期設定のセレクタを1段階ずつ変更するのではなく、その差に応じた複数段階の周期変更を一度に行うことで、目標の逓倍値になるまでの収束性を高めることができる。
【0045】
一例として、逓倍設定値とカウンタ値との比較結果が2倍以上又は3倍以上等の場合には、その比較結果に応じて、現在のディレイ値を次のように変化させる。1)カウント値≦設定値−2の場合は現状のディレイ値*1/2にする。2)カウント値≧設定値+2の場合は現状のディレイ値*2にする。3)カウント値≦設定値−1の場合は現状のディレイ値−1にする。そして4)カウント値≧設定値+1の場合は現状のディレイ値+1にする。このように、収束性を高めるべくカウント値と逓倍設定値との差の大きさに応じて、ディレイ値の変化量を変える。
【0046】
図15は、カウンタの値に応じてなまし周期の数を可変することで、発振周期を制御するフローの一例を示している。
図15では、カウント値が目標値に近い場合に周期安定化(高精度化)のためになまし周期を長くし、反対に目標値から大きく外れている場合には収束時間短縮のためになまし周期を短くするように制御する。
【0047】
本例では、最初は収束時間の短縮を優先してなまし周期=1(基本クロックの1周期分のカウント)からスタートし、目標カウント値=8(8逓倍)±1のカウント値となるまで遅延時間補正処理を繰り返す(S101〜104)。やがてカウント値が8±1の範囲内に収まると、より高精度の周期安定化を達成すべく、なまし周期を2(基本クロックの2周期分のカウント)に変更し、その目標カウント値も16(=8×2)とする(S105〜107)。
【0048】
次にカウント値が16±1の範囲内に収まるか否かを判断し、その範囲外の場合にはなまし周期1の処理に戻ってそこからやりなおす(S108及び109、S101)。その範囲内の場合には最も高精度な周期安定化を達成すべく、なまし周期を3(基本クロックの3周期分のカウント)に変更し、その目標カウント値を24(=8×3)とする(S110〜112)。次にカウント値が24±1の範囲内に収まるか否かを判断し、その範囲外の場合には一つ前のなまし周期2の処理に戻る(S113及び114、S106)。一方、その範囲内の場合にはなまし周期=3の状態、すなわち最も高精度な周期安定状態を維持する(S111〜113)。
【0049】
図16は、基本クロックと出力クロックとの間の非同期によるディレイ値切り替えタイミングの一例を示したものである。
図16の(a)では、リングオシレータ51の出力クロックと基本クロックとは非同期のため、基本クロックのエッジを検出した次の出力クロックのエッジ(太線矢印)でディレイ値を切り替える。このように出力クロック側に同期したディレイ値の切り替え処理を行なう。
【0050】
また、図16の(b)に示すように、基本クロックのエッジと出力クロックのエッジ検出とが重なった時には、その出力クロックのエッジでディレイ値の切り替え処理を行なうと動作が不安定になる。そのため、基本クロックのエッジを優先させてその次の出力クロックのエッジ検出でディレイ値を切り替える。これにより、出力クロック側に同期し且つ安定したディレイ値の切り替え処理が可能となる。
【0051】
図17〜19は、リングオシレータの起動/停止を制御する回路構成例を示したものである。
リングオシレータはセルの遅延時間を利用した発振回路であり、リングオシレータを構成するインバータの数が奇数の場合には発振動作を行うが、インバータの数が偶数の場合には発振しない。図17の例では、発振制御信号によってスイッチ51を制御し、リングオシレータを構成するインバータの数を奇数(3段)又は偶数(4段)に切り替えることで発振の起動/停止を制御している。
【0052】
図18の例では、外部からの要求信号(A又はBの複数の要求信号を含む)によってリングオシレータの帰還ループに挿入されたANDゲート52を制御する。このANDゲート52の導通/非導通によってリングオシレータの起動/停止を制御している。また、図19の例では、リングオシレータ自体は発振を継続しており、外部からの要求信号(A又はBの複数の要求信号を含む)によって出力段のANDゲート53を制御する。このANDゲート53の非導通時には出力クロックの供給が停止される。
【0053】
図17及び18の例ではリングオシレータを実際に発振停止させるため、例えば低消費電力モード等において顕著に消費電力を抑制することができる。一方、図19の例ではリングオシレータの発振動作は停止しないため、再度ANDゲート53を導通にした時には直ちに安定した発振周期の出力クロックが供給される利点がある。
【0054】
図20及び21は、外部からの要求によって逓倍数を可変できるように構成したデジタル逓倍回路の一例を示している。
図20はその基本的な構成例を示したものであり、外部からN値設定信号が与えられる以外は、図2と同様である。例えば、外部からのオペレータによる設定や内部CPU等からの要求等によって逓倍数Nが意図的に可変される。
【0055】
図21は、前記N値設定信号を与える具体的な構成例を示したものである。
図21において、温度検出回路24が検出した周囲温度に従って次段のN値変更回路25が適宜好適なN値を算出し、そのN値設定信号を比較部23に与える。例えば、高温時には逓倍数を低下させ、低温時には逓倍数を上げることで周囲温度に対する装置の最適な動作周波数を維持することが可能となる。
【0056】
一般に、温度が高くなるほどセルの遅延が大きくなるため、逓倍クロックの周期も長くなる傾向にある。意図的に高温時は逓倍クロックの周波数を落として使用できるようなシステムにおいては、上記のような構成で温度による逓倍値を可変することが可能である。なお、本例に限らず、装置の省電力モード等によって装置の最適な動作周波数を維持するように構成してもよい。
【0057】
図22は、リングオシレータの高速動作を可能とする一回路構成例を示したものである。
図22では、リングオシレータの出力に2分周回路36を配置し、分周後のクロックをパルス数カウンタ31によってカウントする。トランジスタの動作速度には限界があり、高速になると動作しなくなるような回路構成もある。本例では、パルス数カウンタ31や比較器32が正常に動作する動作速度を32MHzとしており、逓倍クロックとして生成できるクロック周波数も32MHzが限界となる。
【0058】
従って、64MHzの高速逓倍クロックを、直接パルス数カウタ31に入力すると誤ったカウント値を出力する恐れがある。そのため、本例では2分周回路36によって64MHzの逓倍クロックを32MHzの逓倍クロックに2分周してからパルス数カウンタ31に入力する構成をとっている。一般に、分周回路はその回路構成が簡易であることから、パルス数カウンタや比較器よりも高速に動作する。高速逓倍クロックをn分周してからカウントする構成にすれば、より高速逓倍クロックで動作するリングオシレータが作成できる。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、周期変更に必要なセレクタ数を低減し、回路規模の縮小化を図ったリングオシレータが提供可能となる。また、本発明によれば、セレクタ切替時における不要な切替ノイズの発生を防止し、さらには小型で高精度の発振周期を有し、その発振周期の設定や制御が容易で、且つ高速動作が可能なリングオシレータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のリングオシレータの発振周期可変方法の一例を示した図である。
【図2】本発明によるデジタル逓倍回路の基本構成を示した図である。
【図3】本発明によるリングオシレータのディレイ可変部の一例を示した図である。
【図4】図1の動作の一例を示した図である。
【図5】本発明によるデジタル逓倍回路の別のブロック構成例を示した図である。
【図6】本発明によるリングオシレータの別の構成例を示た図である。
【図7】図6の動作の一例を示した図である。
【図8】短パルス防止回路を付加したリングオシレータの一例を示した図である。
【図9】図8の動作タイムチャートの一例を示した図である。
【図10】本願発明によるリングオシレータ周期制御の原理構成を示した図である。
【図11】1周期分のカウント値による発振周期の制御例を示した図である。
【図12】複数周期分のカウント値による発振周期の制御例を示した図である。
【図13】複数のカウンタを用いて1周期毎の発振周期を制御する例を示した図である。
【図14】複数のカウンタを用いて1周期毎の発振周期を制御する別の例を示した図である。
【図15】なまし周期の数により発振周期を制御するフロー例を示した図である。
【図16】基本クロックと出力クロックとの間の非同期によるディレイ値切り替えタイミングの一例を示した図である。
【図17】リングオシレータの起動/停止を制御する回路例(1)を示した図である。
【図18】リングオシレータの起動/停止を制御する回路例(2)を示した図である。
【図19】リングオシレータの起動/停止を制御する回路例(3)を示した図である。
【図20】外部からの要求により逓倍数が可変できるデジタル逓倍回路の一例(1)を示した図である。
【図21】外部からの要求によって逓倍数が可変できるデジタル逓倍回路の一例(2)を示した図である。
【図22】高速動作が可能なリングオシレータの一回路構成例を示した図である。
【符号の説明】
20…ディレイ可変部
101〜10n、201〜206…可変ディレイセル
21−1…固定ディレイ回路
21−2…可変ディレイ回路
22…パルスカウント回路
23…比較部
24…温度検出部
25…N値変更回路
31…カウンタ
32…比較器
33…設定値部
34…セレクタ制御信号生成部
35…リングOSC&セレクタ部
36…2分周回路
41,45…ディレイセル
44,48…スイッチ
42、46、53〜55…ゲート
51…リングオシレータ
52…カウンタ&チョッパ
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル逓倍装置に関し、特に少ないハードウェアで広範囲な発振周期の設定が可能なリングオシレータを用いたデジタル逓倍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PLL回路は、これまでアナログ回路として設計されていたが、その特性は半導体のプロセス依存性が高く、微細プロセスを使用したデジタル回路と混在させることは回路特性的及びコスト的に困難であった。そのため、近年、PLL回路のデジタル化が検討されている。
【0003】
従来はアナログ回路で実現していたVCO (Voltage Controlled Oscillator)がデジタル化のネックとされていたが、リングオシレータを使用することで同様の結果を得ることができる。リングオシレータを使用するデジタルPLL回路については、例えば特開平9−238053号公報の「リングオシレータ及びPLL回路」や特開平9−238053号公報の「デジタル制御発振装置」等の先行文献がある。
【0004】
図1には、従来のリングオシレータの周期可変方法の一例を示している。
図1において、各ディレイセル101〜10nの出力はn入力セレクタ11へ入力され、選択されたその内の1つの出力だけがインバータ12を介して初段のディレイセル101に帰還入力される。従って、n入力セレクタ11及びインバータ12の各素子の遅延量を除けは、ディレイセル101〜10nの直列接続段数によってリングオシレータの発振周期が定まる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示すような従来のリングオシレータの発振周期を変更するには、多数の遅延素子の出力を個別に選択するセレクタとその制御信号とが必要となる。すなわち、従来のディレイセル構成では最大T時間の遅延が欲しい場合にディレイセル1個あたりの遅延時間をTd(分解能=Td)とすると、T/Td個のディレイセルが必要となる。
【0006】
例えば、1nsの分解能で63nsの最大遅延が必要な場合には1nsのディレイセルが63個必要となる。さらに、各ディレイセルの出力から63本の出力線を63−1セレクタに入力し、そのセレクタを制御する制御線も必要となる。このように、従来においては広範囲な発振周期の設定ができるように制御段数を増やそうとすると回路構成が極めて大規模化するという問題があった。
【0007】
また、従来のリングオシレータの発振周期を変更する際には、所定条件下でセレクタ切替時に切替ノイズが発生し、その結果リングオシレータの動作が不安定になるという問題もあった。さらに、広範な適用分野からの要請により、より少ないハードウェアで高精度の発振周期を有し、その発振周期の設定や制御が容易で高速動作が可能なリングオシレータを提供する必要もある。
【0008】
そこで本発明の目的は、上記問題点に鑑み、リングオシレータに使用するディレイセルに重み付けを行うことにより、周期変更に必要なセレクタ数を低減し、回路規模の縮小化を図ったリングオシレータを提供することにある。
また、本発明の目的は、セレクタ切替時における切替ノイズの発生を防止し、さらに小型で高精度の発振周期を有し、その発振周期の設定や制御が容易で高速動作が可能なリングオシレータを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの接続切替により発振周期が可変するリングオシレータと、前記リングオシレータの出力クロックをカウントするカウント部と、基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの発信周期を制御する比較部と、で構成するデジタル逓倍装置が提供される。
【0010】
また本発明によれば、前記リングオシレータは、さらに固定又は可変のディレイ時間を有する固定ディレイ手段又は可変ディレイ手段を有し、前記比較部は、前記固定又は可変のディレイ時間内に前記リングオシレータの次回周期のための接続切替を完了する。
【0011】
さらに本発明によれば、前記リングオシレータは、前記遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの内、未接続のディレイセルへの信号入力を禁止することによって前記ディレイセル接続時におけるノイズの発生を防止する手段を備える。
【0012】
また、前記比較部は、前記基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との種々の組み合わせによる比較によって、より精度の高いリングオシレータの接続切替を行なう。
少なくとも、前記リングオシレータ、カウント部、及び比較部は、半導体集積回路として一体に形成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明によるデジタル逓倍回路の基本構成を示したものである。また、図3は、本発明によるリングオシレータ(リングOSC)のディレイ可変部の一実施例を示している。
図2において、本発明によるリングオシレータは、ディレイ可変部20、インバータ、及びその帰還ループによって構成される。カウント回路22は、外部から入力される基本クロックの周期にリングオシレータからの出力クロックが何個含まれるかをカウントし、そのカウント値を比較部23に出力する。
【0014】
比較部23は、基本クロックの周期に含まれる出力クロック数(C)が設定逓倍数Nより多い場合(C>N)にはディレイ可変部20のディレイ時間を延長して出力クロックの周期を長くし、反対に小さい場合(C<N)にはディレイ可変部20のディレイ時間を短縮して出力クロックの周期を短くする。その結果、リングオシレータからは基本クロック周期をN逓倍した周期をもつクロック信号が出力される。
【0015】
図3に示すディレイ可変部20は本発明の特徴的な構成部分であり、ディレイ可変部20は複数のディレイセル部分201〜206で構成される。各ディレイセル部分には重み付けがなされ、広い補正レンジを少ない段数で制御できるように構成されている。従来技術では、個々のディレイセルを選択するのに64段階の切り替えが必要となり、そのため制御線も64本必要であった。
【0016】
一方、本願発明構成では重み付けがなされた各ディレイセル部分201〜206単位で制御するため、同じ切り替えを行なうのに制御線の数はわずか6本ですむ。すなわち、本発明構成によれば、各ディレイセルに重み付けをすることにより、最大遅延時間Tが必要な場合でも、n=log2(T/Td)、但しn=正の整数、で表されるn個のディレイセルのみで実現できる。その結果、セルの制御信号線を大幅に削減することができる。
【0017】
一般に、ディレイセルの遅れ時間は、温度、プロセス、電源電圧等によってその絶対値が大きく変化するため、逓倍出力パルス幅の補正には広い補正レンジが必要である。本発明によれば、リングオシレータのディレイセルに重み付けを行うことにより、広い補正レンジを少ない制御線で従来例と同等の制御が実現できる。
【0018】
図4は、上述した図2及び3の一動作例を示したものである。
図4において、デジタル逓倍回路のカウント回路22には1MHz(周期1μs)の基本クロックが入力されており、比較部23の設定逓倍数Nは8である。本例において初期のカウント数Cは6(C<N)のため、比較部23はディレイ可変部20を制御してディレイ時間を短縮するように制御する。その結果、カウント回路22のカウント数はC=6、7と徐々に増加していきC=8(=N)で安定する。このように、逓倍用の基本クロックに同期してカウントした結果は、次回のリングオシレータの周期変更に用いられ、連続的に逓倍出力パルス幅が補正されていく。
【0019】
図5は、本発明によるデジタル逓倍回路を図2とは異なるブロック構成で示したものである。
この場合、図5のカウンタ31は図2のカウント回路22に、図5の比較器32、セレクタ制御信号生成部34、及び設定値部33は図2の比較部23に、そして図5のリングOSC&セレクタ35は図2のリングOSC部にそれぞれ対応する。
【0020】
設定値部33には、電源投入直後やデジタル逓倍回路のリセット解除直後におけるリングオシレータの初期値(図2の設定逓倍数=N)として目標とする周期近辺の値を設定しておく。例えば、目標とする遅延時間が37nsの場合は、図3に示すセルの組み合わせの総遅延時間が37ns(=32ns+4ns+1ns)となるように初期設定しておけば、温度や電圧等によるセルの遅延時間にバラツキが生じていても、目標とする遅延時間への収束を早めることができる。
【0021】
他には、リングオシレータの初期値を選択可能な範囲(セレクト値)の中心に設定しておく。例えば、最大遅延時間が63nsの場合に、初期値の遅延時間を32nsに設定しておくことで、温度や電圧等によるセルの遅延時間にバラツキが生じていても、目標とする遅延時間への収束を早めることができる。
【0022】
前記の例では初期値を選択可能な範囲の中心に設定していたが、対象機器の特性等に応じてその初期値を選択可能な範囲の最大値又は最小値に設定するようにしてもよい。また、後述するように周囲温度等により設定値部33に設定される初期値自体を可変にし、様々な状況において最適の初期値が設定されるようにしてもよい。
【0023】
図6は、本発明によるリングオシレータの別の構成例を示している。また、図7にはその動作の一例を示している。
図6には、リングオシレータの帰還入力の前段に各可変ディレイの周期設定処理時間を吸収するためのディレイ回路21−1又は21−2が設けられている。図6の(a)の例では固定ディレイ回路21−1が、そして図6の(b)の例では可変ディレイ回路22−2がそれぞれ使用される。
【0024】
図7には固定ディレイ回路21−1を用いた場合の動作例を示している。図7の(a)では10nsの固定ディレイ回路21が用いられ、図7の(b)に示すように動作する。固定ディレイ回路21の入力A、すなわちリングオシレータの出力(=A)、の立ち上がりから固定ディレイ回路21の10nsが経過する前までは、出力Aを除く他の全ての出力B〜Fは低レベルである。
【0025】
このディレイ時間内に、全ての可変ディレイセルのスイッチ切替処理が完了すれば、各可変ディレイセルの出力B〜Fは設定通りに出力される。もし、固定ディレイ回路21の10nsのディレイ時間内に可変ディレイセルの出力B〜Fの中に1つにでも高レベルのものが存在すると、短パルス状のノイズが発生するが、これについては後述する。
【0026】
図6の(b)に示す可変ディレイ回路21−2の動作も図7と同様である。但し、可変ディレイ回路21−2を使用した場合にはその遅延時間が任意に調整できるため、全てのスイッチ切替処理が確実に完了したのを確認できる利点がある。本例では、帰還入力される出力クロックC(OUTCLK)のANDゲートの通過をゲート制御信号Dによって制御する。
【0027】
このように、固定ディレイ回路21−1又は可変ディレイ回路21−2を用意し、このディレイ時間内に次回リングオシレータの周期設定を行うことで、リングオシレータの安定した動作が維持される。なお、上記の構成は制御中のリングオシレータの安定動作を確実にするが、それとは別に適切なスイッチ切替を実現するものとして、例えば基本クロックの1周期毎に交番する周期測定期間とセレクタ切替専用期間とを設け、周期測定期間では基本クロックの1周期内の出力クロック数をカウントし、セレクタ切換専用期間ではその測定結果に基づいてより適切なセレクタ切替制御を実行するようにしてもよい。
【0028】
図8は、セレクタ切替時に発生し得る短パルスを防止する回路を付加したリングオシレータの一構成例を示したものである。図9には、図8の動作タイムチャートの一例を示している。
図8の(a)には、固定ディレイ回路21−1を付加したリングオシレータを示しているが、実際には図8の(b)に示すように短パルス防止回路を付加した回路構成を有している。ここでは、図9を参照しながら主に32ns可変ディレイセルの動作を説明するが、他の可変ディレイセルについても同様である。
【0029】
図9の(a)は短パルス防止回路が無い場合の動作例を示しており、制御信号CTL64〜1の変化前は、32ns可変ディレイセル45のスイッチ48はスルー側(E)を選択している。この場合、スイッチ48の出力(G)には前段のスイッチ44で選択された信号がそのまま出力される。
【0030】
次に、制御信号CTL64〜1が変化して32ns可変ディレイセル45のスイッチ48が可変ディレイセル側(F)を選択すると、スイッチ48は固定ディレイ回路21−1の遅延時間内にスイッチ切替を完了するが、選択された可変ディレイセル側(F)にはスルー側(E)の信号が32ns遅延した信号が依然存在しており、その結果スイッチ48の出力(G)には短パルス状のノイズが発生する。
【0031】
一方、図9の(b)には短パルス防止回路を付加した場合の動作例を示している。図8の(b)に示す回路構成からも明らかなように、制御信号CTL32がスルー側(E)を選択すると、ゲート46によって32ns可変ディレイセル35への信号入力は禁止され、32ns可変ディレイセル45の出力は低レベルとなる。その結果、制御信号CTL64〜1が変化してスイッチ48が可変ディレイセル側(F)を選択してもスイッチ48の出力(G)には短パルス上のノイズが発生しない。
【0032】
このように、本願発明による短パルス防止回路は、各々の可変ディレイセルが選択されていないときには、その入力を禁止することで出力側の論理を低レベルに固定させる。なお、可変ディレイセル側(F)の信号が固定ディレイ値(10ns程度)以内で低レベル信号に変化すれば短パルスは発生しないが、64ns可変ディレイセル31等により固定ディレイ値を超える信号遅延が発生する回路構成となっており、本願発明による短パルス防止回路は有効に機能する。
【0033】
以降では、本願発明によるリングオシレータの発振周期の制御構成例について幾つか説明する。
図10は、リングオシレータ周期制御の原理的な構成例を示したものである。
図10において、リングオシレータ部51は、本願発明による重み付けがなされた可変ディレイセルにより構成され、またカウンタ&チョッパ部52はこれまでに説明してきたカウンタ回路や比較部等で構成されている。
【0034】
図11には、基本的な発振周期の制御例を示している。
図11では、カウンタ&チョッパ部52のカウンタによって基本クロック(REFCLK)の1周期中に発生するリングオシレータ51から出力されるパルス数をカウントし、それを設定逓倍数と比較して1周期毎に次回の設定周期を変更していく。本例にはカウント数>設定逓倍数の場合を示しており、遅延時間が増加するように制御される。
【0035】
また、本例では1周期毎のカウント値によって次回の設定周期を変更しているが、基本クロックの1/2周期中に発生するリングオシレータ41のパルス数をカウントし、それを設定逓倍数と比較することで次回周期を変更するようにしてもよい。この場合には、リングオシレータの遅延時間の変更も1/2周期毎に行なわれ、周期ずれの補正が1周期毎よりも早く対応できる。
【0036】
図12は、複数の基本クロック周期分のカウント値によって発振周期を制御する例を示している。
図12では、基本クロックn周期分に発生するリングオシレータ51のパルス数をカウントし、それを設定逓倍数のn倍と比較して次回の周期を決定する。一般に、カウント値が設定値と一致している場合でも、以下の式で表すように逓倍クロックの周期ずれが発生している。
【0037】
ここでは、基本クロック周期=T、設定値=N、逓倍クロック周期=Tpとすると、カウント値がNとなる逓倍クロック周期は Tp(MIN)=T/(N−1)〜T(MAX)=T/N の範囲となる。本例はN=8の場合を示しており、この場合の逓倍クロックは逓倍クロックTpの7周期分=Tとなる場合が最小となる。
【0038】
従って、最大(1−((N−1)/N))×100〔%〕のずれが発生することになる。このずれを小さくするにはNの値を大きくする。入力クロックおよび逓倍クロック周期を変えずにNの値を増やすには、カウントする区間を広げればよい。つまり、基本クロック周期のn倍(nは正の整数)の区間カウントすれば、ずれは以下のようになる。
(1−((N×n−1)/(N×n)))×100〔%〕
【0039】
これより、カウント区間をn倍すれば、ずれは1/nとなる。一例として、N=10の場合とN=100の場合とを比べると、N=10の場合には最大10%のずれとなり、N=100の場合には最大1%のずれとなる。前者と比べて後者のずれの幅は1/10に低減される。
【0040】
図13及び14は、複数のカウンタを用いて1周期毎の発振周期を制御する例を示している。
図13では、複数(n個)のカウンタを用意し、各カウンタのカウント開始タイミングを1周期毎にずらせることで1周期毎にディレイ値の設定を変更する。本例はn=2の場合を示しており、2つのカウンタ1及びカウンタ2はそれぞれ基本クロックの2周期分の逓倍クロックをカウントし、各々のカウント開始から終了までの位相を基本クロックの1周期分だけずらしている。
【0041】
ここでは、各カウンタ1及び2のカウント終了時の値とディレイ設定値とを比較し、異なる場合はディレイ値設定を増減させる。1つのカウンタ1又は2しか持たない場合にはディレイ値の更新が2周期毎となり、図12の例で示したように補正精度は向上するが(A)、その分だけ更新処理が遅延する。本例では更新を1周期毎に行うことで、逓倍クロック周期のずれを早く補正することができる。
【0042】
図14には、1周期分の逓倍クロックをカウントするカウンタ1と2周期分の逓倍クロックをカウントするカウンタ2とを併用した例を示している。図13の例ではnの値が大きくなるとカウンタ数もn個となり、回路規模が大きくなる。そこで、1周期分をカウントするカウンタ1及びn周期分をカウントするカウンタ2(本例ではn=2)の2つを使用してカウンタ数を減らし、且つ逓倍クロック周期ずれは1周期毎に対応できるようにしている。
【0043】
カウンタ2による補正は、複数周期nのカウント値による補正のためその補正精度は向上するが(A)、補正までにn周期の待ち時間が必要となる。本例では、カウンタ2がカウント中でもカウンタ1によって1周期毎に補正されるため、逓倍クロック周期のずれを早く補正することができる。ただし、カウンタ1による補正はカウンタ2による補正よりもその精度は低くなる(B)。
【0044】
また、カウンタ値と逓倍設定値との間に所定の設定値以上の差がある場合には、周期設定のセレクタを1段階ずつ変更するのではなく、その差に応じた複数段階の周期変更を一度に行うことで、目標の逓倍値になるまでの収束性を高めることができる。
【0045】
一例として、逓倍設定値とカウンタ値との比較結果が2倍以上又は3倍以上等の場合には、その比較結果に応じて、現在のディレイ値を次のように変化させる。1)カウント値≦設定値−2の場合は現状のディレイ値*1/2にする。2)カウント値≧設定値+2の場合は現状のディレイ値*2にする。3)カウント値≦設定値−1の場合は現状のディレイ値−1にする。そして4)カウント値≧設定値+1の場合は現状のディレイ値+1にする。このように、収束性を高めるべくカウント値と逓倍設定値との差の大きさに応じて、ディレイ値の変化量を変える。
【0046】
図15は、カウンタの値に応じてなまし周期の数を可変することで、発振周期を制御するフローの一例を示している。
図15では、カウント値が目標値に近い場合に周期安定化(高精度化)のためになまし周期を長くし、反対に目標値から大きく外れている場合には収束時間短縮のためになまし周期を短くするように制御する。
【0047】
本例では、最初は収束時間の短縮を優先してなまし周期=1(基本クロックの1周期分のカウント)からスタートし、目標カウント値=8(8逓倍)±1のカウント値となるまで遅延時間補正処理を繰り返す(S101〜104)。やがてカウント値が8±1の範囲内に収まると、より高精度の周期安定化を達成すべく、なまし周期を2(基本クロックの2周期分のカウント)に変更し、その目標カウント値も16(=8×2)とする(S105〜107)。
【0048】
次にカウント値が16±1の範囲内に収まるか否かを判断し、その範囲外の場合にはなまし周期1の処理に戻ってそこからやりなおす(S108及び109、S101)。その範囲内の場合には最も高精度な周期安定化を達成すべく、なまし周期を3(基本クロックの3周期分のカウント)に変更し、その目標カウント値を24(=8×3)とする(S110〜112)。次にカウント値が24±1の範囲内に収まるか否かを判断し、その範囲外の場合には一つ前のなまし周期2の処理に戻る(S113及び114、S106)。一方、その範囲内の場合にはなまし周期=3の状態、すなわち最も高精度な周期安定状態を維持する(S111〜113)。
【0049】
図16は、基本クロックと出力クロックとの間の非同期によるディレイ値切り替えタイミングの一例を示したものである。
図16の(a)では、リングオシレータ51の出力クロックと基本クロックとは非同期のため、基本クロックのエッジを検出した次の出力クロックのエッジ(太線矢印)でディレイ値を切り替える。このように出力クロック側に同期したディレイ値の切り替え処理を行なう。
【0050】
また、図16の(b)に示すように、基本クロックのエッジと出力クロックのエッジ検出とが重なった時には、その出力クロックのエッジでディレイ値の切り替え処理を行なうと動作が不安定になる。そのため、基本クロックのエッジを優先させてその次の出力クロックのエッジ検出でディレイ値を切り替える。これにより、出力クロック側に同期し且つ安定したディレイ値の切り替え処理が可能となる。
【0051】
図17〜19は、リングオシレータの起動/停止を制御する回路構成例を示したものである。
リングオシレータはセルの遅延時間を利用した発振回路であり、リングオシレータを構成するインバータの数が奇数の場合には発振動作を行うが、インバータの数が偶数の場合には発振しない。図17の例では、発振制御信号によってスイッチ51を制御し、リングオシレータを構成するインバータの数を奇数(3段)又は偶数(4段)に切り替えることで発振の起動/停止を制御している。
【0052】
図18の例では、外部からの要求信号(A又はBの複数の要求信号を含む)によってリングオシレータの帰還ループに挿入されたANDゲート52を制御する。このANDゲート52の導通/非導通によってリングオシレータの起動/停止を制御している。また、図19の例では、リングオシレータ自体は発振を継続しており、外部からの要求信号(A又はBの複数の要求信号を含む)によって出力段のANDゲート53を制御する。このANDゲート53の非導通時には出力クロックの供給が停止される。
【0053】
図17及び18の例ではリングオシレータを実際に発振停止させるため、例えば低消費電力モード等において顕著に消費電力を抑制することができる。一方、図19の例ではリングオシレータの発振動作は停止しないため、再度ANDゲート53を導通にした時には直ちに安定した発振周期の出力クロックが供給される利点がある。
【0054】
図20及び21は、外部からの要求によって逓倍数を可変できるように構成したデジタル逓倍回路の一例を示している。
図20はその基本的な構成例を示したものであり、外部からN値設定信号が与えられる以外は、図2と同様である。例えば、外部からのオペレータによる設定や内部CPU等からの要求等によって逓倍数Nが意図的に可変される。
【0055】
図21は、前記N値設定信号を与える具体的な構成例を示したものである。
図21において、温度検出回路24が検出した周囲温度に従って次段のN値変更回路25が適宜好適なN値を算出し、そのN値設定信号を比較部23に与える。例えば、高温時には逓倍数を低下させ、低温時には逓倍数を上げることで周囲温度に対する装置の最適な動作周波数を維持することが可能となる。
【0056】
一般に、温度が高くなるほどセルの遅延が大きくなるため、逓倍クロックの周期も長くなる傾向にある。意図的に高温時は逓倍クロックの周波数を落として使用できるようなシステムにおいては、上記のような構成で温度による逓倍値を可変することが可能である。なお、本例に限らず、装置の省電力モード等によって装置の最適な動作周波数を維持するように構成してもよい。
【0057】
図22は、リングオシレータの高速動作を可能とする一回路構成例を示したものである。
図22では、リングオシレータの出力に2分周回路36を配置し、分周後のクロックをパルス数カウンタ31によってカウントする。トランジスタの動作速度には限界があり、高速になると動作しなくなるような回路構成もある。本例では、パルス数カウンタ31や比較器32が正常に動作する動作速度を32MHzとしており、逓倍クロックとして生成できるクロック周波数も32MHzが限界となる。
【0058】
従って、64MHzの高速逓倍クロックを、直接パルス数カウタ31に入力すると誤ったカウント値を出力する恐れがある。そのため、本例では2分周回路36によって64MHzの逓倍クロックを32MHzの逓倍クロックに2分周してからパルス数カウンタ31に入力する構成をとっている。一般に、分周回路はその回路構成が簡易であることから、パルス数カウンタや比較器よりも高速に動作する。高速逓倍クロックをn分周してからカウントする構成にすれば、より高速逓倍クロックで動作するリングオシレータが作成できる。
【0059】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、周期変更に必要なセレクタ数を低減し、回路規模の縮小化を図ったリングオシレータが提供可能となる。また、本発明によれば、セレクタ切替時における不要な切替ノイズの発生を防止し、さらには小型で高精度の発振周期を有し、その発振周期の設定や制御が容易で、且つ高速動作が可能なリングオシレータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のリングオシレータの発振周期可変方法の一例を示した図である。
【図2】本発明によるデジタル逓倍回路の基本構成を示した図である。
【図3】本発明によるリングオシレータのディレイ可変部の一例を示した図である。
【図4】図1の動作の一例を示した図である。
【図5】本発明によるデジタル逓倍回路の別のブロック構成例を示した図である。
【図6】本発明によるリングオシレータの別の構成例を示た図である。
【図7】図6の動作の一例を示した図である。
【図8】短パルス防止回路を付加したリングオシレータの一例を示した図である。
【図9】図8の動作タイムチャートの一例を示した図である。
【図10】本願発明によるリングオシレータ周期制御の原理構成を示した図である。
【図11】1周期分のカウント値による発振周期の制御例を示した図である。
【図12】複数周期分のカウント値による発振周期の制御例を示した図である。
【図13】複数のカウンタを用いて1周期毎の発振周期を制御する例を示した図である。
【図14】複数のカウンタを用いて1周期毎の発振周期を制御する別の例を示した図である。
【図15】なまし周期の数により発振周期を制御するフロー例を示した図である。
【図16】基本クロックと出力クロックとの間の非同期によるディレイ値切り替えタイミングの一例を示した図である。
【図17】リングオシレータの起動/停止を制御する回路例(1)を示した図である。
【図18】リングオシレータの起動/停止を制御する回路例(2)を示した図である。
【図19】リングオシレータの起動/停止を制御する回路例(3)を示した図である。
【図20】外部からの要求により逓倍数が可変できるデジタル逓倍回路の一例(1)を示した図である。
【図21】外部からの要求によって逓倍数が可変できるデジタル逓倍回路の一例(2)を示した図である。
【図22】高速動作が可能なリングオシレータの一回路構成例を示した図である。
【符号の説明】
20…ディレイ可変部
101〜10n、201〜206…可変ディレイセル
21−1…固定ディレイ回路
21−2…可変ディレイ回路
22…パルスカウント回路
23…比較部
24…温度検出部
25…N値変更回路
31…カウンタ
32…比較器
33…設定値部
34…セレクタ制御信号生成部
35…リングOSC&セレクタ部
36…2分周回路
41,45…ディレイセル
44,48…スイッチ
42、46、53〜55…ゲート
51…リングオシレータ
52…カウンタ&チョッパ
Claims (26)
- 遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの接続切替により発振周期が可変するリングオシレータと、
前記リングオシレータの出力クロックをカウントするカウント部と、
基本クロックの所定周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの発信周期を制御する比較部と、で構成することを特徴とするデジタル逓倍装置。 - 前記設定逓倍数は、デジタル逓倍装置の起動直後における前記リングオシレータの目標周期の近傍値である、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記設定逓倍数は、デジタル逓倍装置の起動直後における前記リングオシレータの選択可能な範囲の中心値である、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記設定逓倍数は、デジタル逓倍装置の起動直後における前記リングオシレータの選択可能な範囲の最小値である、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記設定逓倍数は、デジタル逓倍装置の起動直後における前記リングオシレータの選択可能な範囲の最大値である、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- さらに、前記設定逓倍数を外部から可変に設定できる設定部を有する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記設定部には、さらに所定のパラメータを検出する検出部が接続され、そのパラメータ検出値に応じて前記設定逓倍数が可変される、請求項6記載のデジタル逓倍装置。
- 前記パラメータは、デジタル逓倍装置を内包する装置の温度又は動作モードである、請求項7記載のデジタル逓倍装置。
- 前記リングオシレータは、さらに固定のディレイ時間を有する固定ディレイ手段を有し、
前記比較部は、前記固定のディレイ時間内に前記リングオシレータの次回周期のための接続切替を完了する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。 - 前記リングオシレータは、さらに可変のディレイ時間を有する可変ディレイ手段を有し、
前記比較部は、前記可変のディレイ時間内に前記リングオシレータの次回周期のための接続切替を完了する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。 - 前記比較部は、交番する前記基本クロックの所定周期内の出力クロック数を測定する期間とその測定結果に基づいて前記リングオシレータの接続切替を制御する期間の各期間内で、その測定と制御とを繰り返し行なう、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記リングオシレータは、前記遅延量の重み付けがなされた複数のディレイセルの内、未接続のディレイセルへの信号入力を禁止することによって前記ディレイセル接続時におけるノイズの発生を防止する手段を備える、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記比較部は、前記基本クロックの所定周期を1周期とし、その周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの次回周期の制御を行なう、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記比較部は、前記基本クロックの所定周期を1/2周期とし、その周期内に含まれる前記カウント部のカウント値と1/2倍した設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータを1/2周期毎に制御する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記比較部は、前記基本クロックの所定周期をn(nは自然数)周期とし、その周期内に含まれる前記カウント部のカウント値とn倍した設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータをn周期毎に制御する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記カウント部は、前記基本クロックのn周期毎のカウントを行なうn個のカウンタを有し、各々のカウンタは互いにカウント開始のタイミングを1周期分ずらしており、
前記比較部は、前記基本クロックの所定周期を1周期とし、前記各カウンタからのカウント値と設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの次回周期の制御を行なう、請求項1記載のデジタル逓倍装置。 - 前記カウント部は、前記基本クロックの1周期毎のカウントを行なうカウンタとn周期毎のカウントを行なうカウンタとを有し、
前記比較部は、前記基本クロックの所定周期を1周期とし、前記1周期毎のカウンタからのカウント値と設定逓倍数との比較により、それに優先する前記n周期毎のカウンタからのカウント値とn倍した設定逓倍数との比較により、前記リングオシレータの接続切替を行って前記リングオシレータの次回周期の制御を行なう、請求項1記載のデジタル逓倍装置。 - 前記比較部は、前記カウント部からのカウント値と逓倍設定値の値に所定値以上の差がある場合に、前記リングオシレータの接続切替時の遅延時間変更量を適宜変更する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記比較部は、前記カウント部からのカウント値と逓倍設定値の値との間の差に応じて、比較するカウント値と逓倍設定値のまなし周期を変更する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記比較部は、前記基本クロックのエッジを検出した次の出力クロックのエッジで前記リングオシレータの接続切替を行なう、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記比較部は、前記基本クロックのエッジと前記出力クロックのエッジが重なる時には、その次の出力クロックのエッジ検出で前記リングオシレータの接続切替を行なう、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記リングオシレータは、さらにその発振の起動/停止を制御する手段を有し、前記発振の停止を制御する手段はリングオシレータのループ経路中のインバータの数が偶数となるように制御する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記リングオシレータは、さらにその発振の起動/停止を制御する手段を有し、前記発振の起動/停止を制御する手段はリングオシレータのループ経路を、外部からの制御によって導通又は非道通とするゲートからなる、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 前記リングオシレータは、さらにその発振の起動/停止を制御する手段を有し、前記発振の起動/停止を制御する手段はリングオシレータの出力と外部との間の接続を、外部からの制御によって導通又は非道通とするゲートからなる、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- さらに、前記リングオシレータの出力クロックが入力され、それを分周して前記カウント部に出力する手段を有する、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
- 少なくとも、前記リングオシレータ、カウント部、及び比較部は、半導体集積回路として一体に形成される、請求項1記載のデジタル逓倍装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002235005A JP2004080155A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | デジタル逓倍装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002235005A JP2004080155A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | デジタル逓倍装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=32019646
Family Applications (1)
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JP2002235005A Withdrawn JP2004080155A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | デジタル逓倍装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014236225A (ja) * | 2013-05-30 | 2014-12-15 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体装置及び半導体装置の動作方法 |
US10305497B2 (en) | 2017-09-11 | 2019-05-28 | Toshiba Memory Corporation | Semiconductor integrated circuit, DLL circuit, and duty cycle correction circuit |
-
2002
- 2002-08-12 JP JP2002235005A patent/JP2004080155A/ja not_active Withdrawn
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