JP2004079134A - データ再生装置およびデータ再生方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】再生しようとしたデータ単位が不正コピーであったため再生が停止したときでも、ユーザに他のデータ単位の選択・再生を促し、操作性を向上させる。
【解決手段】再生しようとしたデータ単位が不正コピーであったために再生が停止したとき、メニューを出力する。これにより、ユーザは、再生が停止しても、メニューを見て、直ちに他のデータ単位の選択・再生をする旨の指示をDVDプレーヤに入力することができ、再生を継続させることができる。
【選択図】 図3
【解決手段】再生しようとしたデータ単位が不正コピーであったために再生が停止したとき、メニューを出力する。これにより、ユーザは、再生が停止しても、メニューを見て、直ちに他のデータ単位の選択・再生をする旨の指示をDVDプレーヤに入力することができ、再生を継続させることができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不正にコピー(複製)されたデータの再生を禁止することができるデータ再生装置およびデータ再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在においては、デジタル情報記録媒体、デジタル情報の録音・録画機器、デジタル情報の再生機器、デジタルテレビ放送等が広く普及しつつあり、映像や音声がデジタルデータとして取り扱われるようになってきている。デジタルデータ化された映像や音声は、何回コピーしても、その品質が劣化しない。そのため、著作権保護等の観点から、コピーを制限する技術として、ウォータマーク(電子透かし)技術が開発されている。
【0003】
ビデオウォータマークは、映像データのコピーを制限すべき旨を宣言した情報であり、映像データの中に埋め込むようにして記録される。例えば、映像データをDVDレコーダ等の録画装置によってDVD等の記録媒体に記録するとき、映像データ中に埋め込まれたビデオウォータマークを検出し、そのビデオウォータマークがコピー禁止を宣言していた場合には、映像データの記録媒体への記録を行わないようにする。これにより、映像データのコピーを制限することができる。
【0004】
また、このように録画装置にコピー制限機能を設け、映像データのコピー行為を制限しても、不正なコピーが行われる場合が考えられる。そこで、例えば、DVD等の記録媒体に記録された映像データをDVDプレーヤ等の再生装置によって再生するとき、映像データ中に埋め込まれたビデオウォータマーク等に基づいて当該映像データが不正にコピーされたものか否かを判定し、不正にコピーされたものである場合には、当該映像データの再生を行わないようにする。これにより、映像データのコピー制限がより一層の効果を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、再生装置によって、不正コピーと判定された映像データの再生を行わないようにする方法としては、以下の方法が考えられる。まず、映像データが不正コピーと判定された場合には、再生装置の再生動作を全面的に停止する方法が考えられる。すなわち、再生装置において記録媒体から映像データを読み出す動作から映像データをディスプレイに表示する動作に至るまですべての動作を停止する。
【0006】
次に、映像データが不正コピーと判定された場合には、再生装置は再生動作を継続しながら、当該映像データをディスプレイへ表示しないようにする方法が考えられる。例えば、当該映像データを記録媒体から読み取っている間、ディスプレイに何も表示しないようにしたり、当該映像データにスクランブルをかけて表示したりする。
【0007】
ところが、上述したような再生制限方法では、1個の記録媒体上に正規にコピーされた映像データと不正にコピーされた映像データとが混在していた場合に、以下のような問題が生じる。
【0008】
すなわち、映像データが不正コピーと判定された場合に再生装置の再生動作を全面的に停止する方法によれば、再生装置が記録媒体上の不正コピーの映像データを再生しようとした時点で、再生動作が停止してしまう。そして、ユーザが、その記録媒体上の正規にコピーされた他の映像データを再生しようとして、再生装置に再び再生の指示を入力すると、当該記録媒体において先頭に順位づけられた映像データから再生が開始される。これでは、ユーザにとって不便であり、操作性が悪い。
【0009】
また、再生装置によっては、再生が停止した位置を記憶し、次回の再生からはその記憶した位置から再生を開始する機能を備えたものがある。このような機能を備えた再生装置においては、不正コピーの映像データのために再生動作が停止した後に、ユーザが再生装置に再び再生の指示を入力すると、再び不正コピーの映像データの再生動作が開始され、直ちに再生動作が停止してしまう。これでは、ユーザは当該記録媒体上に正規にコピーされた他の映像データを見ることができない。
【0010】
一方、映像データが不正コピーと判定された場合に再生装置において映像データをディスプレイへ表示しないようにする方法によれば、再生装置が記録媒体上の不正コピーの映像データを読み取っている間、ディスプレイには何も表示されないか、スクランブルのかかった映像が表示される。このため、ユーザは、不正コピーの映像データの読み取りが終了するまで、待たなければならない。また、不正コピーの映像データの読取がいつ終了するかは予測が困難であるため、ユーザは再生を停止すべきか、しばらく待つべきか躊躇する。これでは、ユーザにとって不便である。
【0011】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、不正コピーされたデータの再生が制限されても、ユーザがその後の操作を円滑に行うことができるようにしたデータ再生装置およびデータ再生方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載のデータ再生装置は、記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生手段と、前記データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定手段と、前記再生許否判定手段により、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記再生手段による再生動作を制限する再生制限手段と、前記再生許否判定手段により、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力手段とを備えている。
【0013】
上記課題を解決するために請求項4に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ再生装置として機能させることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項5に記載のデータ再生方法は、記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生装置におけるデータ再生方法であって、前記データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定工程と、前記再生許否判定工程において、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記再生装置による再生動作を制限する再生制限工程と、前記再生許否判定工程において、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力工程とを備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明の実施形態にかかるデータ再生装置は、記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生手段と、データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定手段と、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、再生手段による再生動作を制限する再生制限手段と、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力手段とを備えている。
【0017】
再生手段は、例えばDVD−ROM(DVD−リードオンリメモリ)、DVD−R(DVD−レコーダブル)、DVD−RW(DVD−リライタブル)、DVD−RAM(DVD−ランダムアクセスメモリ)、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)、光磁気ディスク(MOディスク)、テープ、カード状のメモリなどの記録媒体に記録されたデータを再生する手段である。記録媒体がDVDやコンパクトディスクなどの光ディスクであれば、再生手段は、例えば光ピックアップなどの光学式読取手段およびデコーダなどのデータ処理手段を備えている。
【0018】
また、記録媒体に記録されたデータは、例えば、映像データ、音声データなどである。このデータは、論理的に複数のデータ単位により構成することができる。例えば、複数の小編映画が記録媒体に記録されている場合には、1つ1つ小編映画を構成するデータのまとまりがそれぞれデータ単位に相当する。なお、記録媒体に記録されたデータは、単一のデータ単位により構成されたものでもよい。
【0019】
再生許否判定手段は、データの再生が許されるか否かを判定する。例えば、記録媒体に記録されたデータが不正にコピーされたものでないか否かを判定し、不正にコピーされたものである場合には、そのデータは再生が許されないものと判定する。
【0020】
この場合、再生許否判定手段を、データに埋め込まれたウォータマークを検出するウォータマーク検出手段と、記録媒体が書込可能な記録媒体であるか否かを判定する記録媒体判定手段と、ウォータマーク検出手段による検出結果および記録媒体判定手段の判定結果とに基づいてデータが不正に複製(コピー)されたものであるか否かを判定する複製状態判定手段とを備えた構成としてもよい。このような構成によれば、記録媒体に記録されたデータが不正にコピーされたものか否かを確実かつ容易に判定することができる。
【0021】
再生制限手段は、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、再生手段による再生動作を制限する。例えば、記録媒体に記録されたデータの再生が許されないと判定された場合には、再生動作を停止または中断する。
【0022】
メニュー出力手段は、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力する。
【0023】
この場合、複数のデータ単位が論理的に複数のグループに分けられているときには、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのメニューを出力する構成としてもよい。例えば、記録媒体に記録されたデータが12個のデータ単位から構成されており、これら12個のデータ単位が、4個ずつ、3個のグループA、B、Cに分けられているとする。この場合において、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位がグループAに属しているときには、グループAに属するデータ単位がリストアップされてメニューとして出力される。
【0024】
また、複数のデータ単位が論理的に階層構造を有している場合には、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位と同じ階層に属し、かつそのデータ単位の属するグループまたはサブグループの内容についてのメニューを出力する構成としてもよい。
【0025】
一方、記録媒体に記録されたデータに、このようなグループまたは階層構造がない場合には、複数のデータ単位の全部についてのメニューを出力する構成としてもよい。
【0026】
このような構成を有する本実施形態にかかるデータ再生装置よれば、記録媒体に記録されたデータの再生が許されないと判定されたときには、そのデータの再生を制限すると共に、複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力する構成としたから、ユーザは、例えば不正コピーのデータのためにデータの再生が停止または中断されても、メニューを見て、他のデータ単位の再生を開始するように、データ再生装置に対して指示を入力することができる。
【0027】
また、再生の停止または中断と同時に自動的にメニューを表示することにより、ユーザに再生可能なデータの再生を継続することを促すことができると共に、再生可能なデータ単位が複数ある場合には、その選択の自由を与えることができる。
【0028】
したがって、実施形態によれば、データを再生するための操作性を向上させることができると共に、利便性を高めることができる。
【0029】
さらに、複数のデータ単位が論理的に複数のグループに分けられているときには、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのメニューを出力する構成とすれば、ユーザが再生しようとしたものの再生が許されなかったデータ単位と同一のグループに属する他のデータ単位を直ちに選択して再生することができる。例えば、互いに類似したまたは関連性のある複数のデータ単位を同一のグループに属するようにグループ分けがしてある場合には、ユーザは、再生しようとしたものの再生が許されなかったデータ単位と類似したまたは関連性のある他のデータ単位を直ちに選択して再生することができる。したがって、ユーザの意思に適ったデータの再生を速やかに実現することができる。
【0030】
また、以上のような実施形態およびその各種態様は、専用の装置としてハードウェアと一体的に構成する形態で実現してもよいし、コンピュータにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。以下の実施例は、映像データに埋め込まれたビデオウォータマークを検出して再生制限処理を行う機能を備えたDVDプレーヤに本発明を適用したものである。
【0032】
まず、実施例にかかるDVDプレーヤの構成について図1を参照して説明する。
【0033】
図1は実施例にかかるDVDプレーヤの構成を示している。図1に示すように、DVDプレーヤ100は、DVD1に記録された映像データを再生するデータ再生装置であり、ディスク再生部10、ディスク種別判定部11、ウォータマーク検出部12、映像・音声再生部13、操作部14、およびディスク再生制御部15を備えている。
【0034】
ディスク再生部10は、DVD1に記録されたデータを光学的に読み取るための読取手段を備えており、具体的には、DVD1を回転させるためのスピンドルモータ、DVD1に光を照射してその反射光を受け取ることによりDVD1に記録されたデータを読み取る光ピックアップ、スピンドルモータの回転や光ピックアップの照射位置を制御するためのサーボ機構等を備えている(いずれも図示せず)。
【0035】
ディスク種別判定部11は、DVDプレーヤ100に装填されたDVD1が書込可能なDVD、すなわちDVD−RまたはDVD−RWであるのか、それとも読出専用のDVD、すなわちDVD−ROMであるのかを判定するものである。かかるディスク種別判定は、例えばDVD1の記録面にウォブルが形成されているか否かを調べる方法、またはDVD1に記録されたディスク種別に関する情報を読み取る方法によって実現することができる。
【0036】
ウォータマーク検出部12は、DVD1に記録された映像データに埋め込まれているビデオウォータマークを検出するものである。ビデオウォータマークは、映像データのコピーを制限すべき旨を宣言した情報であり、映像データの中に埋め込むようにして記録されている。なお、ビデオウォータマークの内容等については後述する。
【0037】
映像・音声再生部13は、ディスク再生部10から読み取られた映像データまたは音声データを復調・復号する復調器またはデコーダを備えており(いずれも図示せず)、当該映像データまたは音声データを復調・復号するものである。映像・音声再生部13によって復調・復号された音声データは外付けの外部スピーカ16に出力され、映像・音声再生部13によって復調・復号された映像データは外付けの外部ディスプレイ17に出力される。
【0038】
操作部14は、例えば再生開始スイッチ、再生停止スイッチ、再生すべきタイトル等(データ単位)を選択するスイッチなどを備えたユーザ・インタフェースである。
【0039】
ディスク再生制御部15は、CPU(セントラルプロセッシングユニット)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)などの演算回路および記憶回路を備えている。そして、ディスク再生制御部15は、DVDプレーヤ100の全般的な制御を行うと共に、後述する再生許否判定および再生制限処理などを行う。
【0040】
次に、DVDプレーヤ100の動作について説明する。図1に示すように、DVD1がDVDプレーヤ100に装填され、ユーザが操作部14を操作して再生開始の指示を入力すると、ディスク再生制御部15は、操作部14から出力される操作コマンドを受け取り、それに従って、ディスク再生部10にディスク再生制御コマンドを出力し、DVD1に記録されたデータの読取を開始する。
【0041】
DVD1から読み取られた制御データまたは管理データ等はディスク再生制御部15に供給されると共に、ディスク種別判定部11にも供給される。ディスク種別判定部11は、DVD1がDVD−RまたはDVD−RWであるのか、DVD−ROMであるのかを判定し、その結果を示すディスク種別情報をディスク再生制御部15に出力する。
【0042】
一方、DVD1から読み取られた映像データは、ウォータマーク検出部12に供給される。ウォータマーク検出部12は、映像データ中に埋め込まれたビデオウォータマークを検出して、そのビデオウォータマークの内容を示すウォータマーク情報をディスク再生制御部15に出力する。そして、ディスク再生制御部15は、ディスク種別情報およびウォータマーク情報に基づいて、後述の再生許否判定および再生制限処理を実行する。
【0043】
また、DVD1から読み取られた映像データおよび音声データは、映像・音声再生部13に供給される。そして、映像・音声再生部13は、ディスク再生制御部15における再生許否判定および再生制限処理により映像データの再生が許可されたときには、映像データおよび音声データを復調・復号し、音声を外部スピーカ16に、映像を外部ディスプレイ17にそれぞれ出力する。
【0044】
次に、DVD1に記録された映像データに埋め込まれているビデオウォータマークについて説明する。
【0045】
ビデオウォータマークには、プライマリマークとコピーマークがある。プライマリマークは、映像データが配信・出荷された当初からその映像データに埋め込まれている。プライマリマークは、2ビットのデジタル情報であるコピー制御情報(CCI:Copy Control Information)により構成されている。以下、コピー制御情報をCCIという。CCIが(1,1)であるときには、その映像データがコピー禁止(Never Copy)であることを意味する。CCIが(1,0)のときには、後述するコピーマークの内容によって、その映像データが1回コピー可(Copy Once)であるか、またはこれ以上コピー禁止(No More Copy)であることを意味する。CCIが(0,0)のときには、その映像データがコピー可(Copy Free)であることを意味する。
【0046】
また、コピーマークは、レコーダまたはプレーヤ等により追記される1ビットの情報である。以下、コピーマークをCMという。CCIが1回コピー可を示しており、CMが「0」のときには、1回コピー可(Copy Once)を意味する。CCIが1回コピー可を示しており、CMが「1」のときには、これ以上コピー禁止(No More Copy)を意味する。
【0047】
次に、ディスク再生制御部15によって実行される再生許否判定処理について図2を参照して説明する。
【0048】
図2は再生許否判定処理を示している。図2に示すように、まず、ディスク再生制御部15は、ディスク種別判定部11から供給されるディスク種別情報に基づいて、DVD1が書込可能なディスクか否かを判定する(ステップS1)。
【0049】
DVD1が書込可能なディスクであるときには(ステップS1:YES)、ウォータマーク検出部12から供給されるウォータマーク情報に含まれるCCIを調べ、当該映像データがコピー禁止か否かを判定する(ステップS2)。
【0050】
当該映像データがコピー禁止でないときには(ステップS2:NO)、次に、CCIを調べ、当該映像データが1回コピー可か否かを判定する(ステップS3)。
【0051】
当該映像データが1回コピー可のときには(ステップS3:YES)、次に、当該映像データから検出されたウォータマーク情報に含まれるCMを調べ、当該映像データがこれ以上コピー禁止か否かを判定する(ステップS4)。
【0052】
当該映像データがこれ以上コピー禁止であるときには(ステップS4:YES)、当該映像データは再生が許されるものと決定する(ステップS5)。すなわち、書込可能なディスクに記録された映像データに埋め込まれたビデオウォータマークがこれ以上コピー禁止を示しているときには、その映像データは正規にコピーされたものと推測される。したがって、かかる場合には、当該映像データの再生を許可する。
【0053】
一方、ステップS4でCMを調べた結果、当該映像データがこれ以上コピー禁止でないときには(ステップS4:NO)、当該映像データは再生が許されないものと決定する(ステップS7)。すなわち、CMがこれ以上コピー禁止を示していないということは、CMが1回コピー可を示していることを意味する。そして、書込可能なディスクに記録されたデータに埋め込まれたCMが1回コピー可を示していることは異常な状態である。なぜなら、データが書込可能なディスクに1度書き込まれたときには、書込時にレコーダによってこれ以上コピー禁止を示すCMが追記されるはずだからである。したがって、当該映像データは不正にコピーされた可能性があるため、当該映像データの再生を禁止する。
【0054】
一方、ステップS3で、CCIを調べた結果、DVD1から読み取られた映像データが1回コピー可でないときには(ステップS3:NO)、当該映像データは再生が許されるものと決定する(ステップS5)。すなわち、CCIがコピー禁止でも1回コピー可でもないということは、CCIがコピー可を示していることを意味する。したがって、その映像データは正規にコピーされたものと推測されるので、かかる場合には、当該映像データの再生を許可する。
【0055】
一方、ステップS1で、DVD1が書込可能なディスクでないときには、次に、DVD1から読み取られた映像データから検出されたウォータマーク情報に含まれるCCIを調べ、当該映像データが1回コピー可か否かを判定する(ステップS6)。
【0056】
当該映像データが1回コピー可のときには、当該映像データは再生が許されないものと決定する(ステップS7)。すなわち、読取専用のディスクに記録されたデータにビデオウォータマークが埋め込まれている場合には、そのビデオウォータマークはコピー可かコピー禁止を示しているはずである。にもかかわらず、この場合にビデオウォータマークが1回コピー可を示しているということは異常な状態である。したがって、当該映像データが不正に記録されたか、または当該読取専用ディスク自体が不正に製造された可能性があるため、当該映像データの再生を禁止する。
【0057】
一方、ステップS6で、DVD1から読み取られた映像データが1回コピー可でないときには(ステップS6:NO)、当該映像データは再生が許されるものと決定する(ステップS5)。すなわち、CCIが1回コピー可を示していないということは、CCIがコピー禁止またはコピー可を示していることを意味する。読取専用のディスクにコピー禁止またはコピー可のデータが記録されていることは正常な状態であるので、データの再生を許可する。
【0058】
以上のような再生許否判定は、後述の再生制限処理の中でサブルーチンとして実行される。
【0059】
次に、ディスク再生制御部15によって実行される再生制限処理について図3を参照して説明する。
【0060】
図3は再生制限処理の動作を示している。なお、映像データが複数のデータ単位から構成されているときには、各データ単位にそれぞれ個別的にウォータマークが埋め込まれている。この場合には、再生制限処理はデータ単位ごとに実行される。なお、再生制限処理をデータ単位ごとに実行するのではなく、所定の時間おきに実行する構成としてもよいし、ウォータマーク情報の内容が変わったときに実行する構成としてもよい。
【0061】
図3に示すように、DVD1に記録された映像データの再生中において、当該映像データに埋め込まれたウォータマークが検出されると、まず、ディスク再生制御部15は、当該映像データについて再生許否判定(図2参照)を行う(ステップS11)。そして、再生許否判定の結果、当該映像データの再生が許されるときには(ステップS12:YES)、ディスク再生制御部15は、DVD1に記録された映像データの再生を継続するようにDVDプレーヤ100を制御する(ステップS13)。
【0062】
一方、再生許否判定の結果、当該映像データの再生が許されないときには(ステップS12:NO)、次に、ディスク再生制御部15は、DVD1に記録されたデータ中にプレイリストがあるか否かを判定する(ステップS14)。
【0063】
DVD1が書込可能なディスク、すなわち、DVD−RまたはDVD−RWである場合には、そのDVD1のデータはDVDビデオレコーディングフォーマット(VRフォーマット)で記録されている。VRフォーマットにおいては、データの生成時に、映像データのデータ単位のリストを示すプレイリストをデータ中に含ませることができる。もっとも、プレイリストを含ませるか否かはデータを生成する者の自由であるので、VRフォーマットのデータ中にプレイリストが存在する場合と存在しない場合とがある。
【0064】
DVD1に記録されたデータ中にプレイリストが存在するときには(ステップS14:YES)、次に、当該プレイリストを構成するデータについて再生許否判定(図2参照)を行い、当該プレイリストの再生が許されるか否かを判定する(ステップS15およびS16)。
【0065】
そして、再生許否判定の結果、当該プレイリストの再生が許されるときには(ステップS16:YES)、映像データの再生を停止し、当該プレイリストを再生する(ステップS17)。
【0066】
一方、再生許否判定の結果、当該プレイリストの再生が許されないときには(ステップS16:NO)、DVD1に記録された映像データを最初から再生する(ステップS18)。なお、DVD1に記録された最初に再生すべき映像データが再生の許されないものである場合には、再生を完全に停止する。なお、この場合に、何らかのメニューを外部ディスプレイ17に出力する構成としてもよい。
【0067】
一方、ステップS14で、DVD1に記録されたデータ中にプレイリストが存在しないときには(ステップS14:NO)、次に、DVD1に記録されたデータ中にタイトルメニューが存在するか否かを判定する(ステップS19)。
【0068】
DVD1が読取専用のディスク、すなわち、DVD−ROMである場合には、そのDVD1にはデータがDVDビデオフォーマットで記録されている。DVDビデオフォーマットにおいては、データの生成時に、映像データのデータ単位の再生を案内するためのタイトルメニューをデータ中に含ませることができる。もっとも、タイトルメニューを含ませるか否かはデータを生成する者の自由であるので、DVDビデオフォーマットのデータ中にタイトルメニューが存在する場合と存在しない場合とがある。
【0069】
DVD1に記録されたデータ中にタイトルメニューが存在するときには(ステップS19:YES)、次に、当該タイトルメニューを構成するデータについて再生許否判定(図2参照)を行い、当該タイトルメニューの再生が許されるか否かを調べる(ステップS20およびS21)。
【0070】
そして、再生許否判定の結果、当該タイトルメニューの再生が許されるときには(ステップS21:YES)、映像データの再生を停止し、当該タイトルメニューを再生する(ステップS22)。
【0071】
一方、再生許否判定の結果、当該タイトルメニューの再生が許されないときには(ステップS21:NO)、次に、DVD1に記録されたデータ中にトップメニューが存在するか否かを判定する(ステップS23)。
【0072】
DVD1に記録されたデータがDVDビデオフォーマットである場合、データの生成時に、映像データの再生を案内するためのトップメニューをデータ中に含ませることができる。もっとも、トップメニューを含ませるか否かはデータを生成する者の自由であるので、DVDビデオフォーマットのデータ中にトップメニューが存在する場合と存在しない場合とがある。
【0073】
DVD1に記録されたデータ中にトップメニューが存在するときには(ステップS23:YES)、次に、当該トップメニューを構成するデータについて再生許否判定(図2参照)を行い、当該トップメニューの再生が許されるか否かを調べる(ステップS24およびS25)。
【0074】
そして、再生許否判定の結果、当該トップメニューの再生が許されるときには(ステップS25:YES)、映像データの再生を停止し、当該トップメニューを再生する(ステップS26)。
【0075】
一方、再生許否判定の結果、当該トップメニューの再生が許されないときには(ステップS25:NO)、DVD1に記録されたデータの再生を完全に停止する(ステップS27)。
【0076】
以上のように、再生制限処理において、映像データが再生の許されないものと判定されたときには、以下のようになる。
【0077】
すなわち、DVD1に記録されたデータがVRフォーマットで、そのデータ中にプレイリストが存在する場合において、当該プレイリストの再生が許されるときには、外部ディスプレイ17にプレイリストが表示される。一方、DVD1に記録されたデータがVRフォーマットで、そのデータ中にプレイリストが存在しないとき、またはデータ中にプレイリストが存在するものの、そのプレイリストの再生が許されないときには、データの再生が完全に停止される。このとき、外部ディスプレイ17には、何も表示されない。なお、このとき、再生ができない旨のメッセージを外部ディスプレイ17に表示する構成としてもよい。
【0078】
また、DVD1に記録されたデータがDVDビデオフォーマットで、そのデータ中にタイトルメニューが存在する場合において、そのタイトルメニューの再生が許されるときには、外部ディスプレイ17にタイトルメニューが表示される。一方、DVD1に記録されたデータがDVDビデオフォーマットで、そのデータ中にタイトルメニューが存在しないとき、またはタイトルメニューが存在するものの、そのタイトルメニューの再生が許されないときには、トップメニューの再生が試みられる。そして、DVD1に記録されたデータ中にトップメニューが存在し、かつそのトップメニューの再生が許されるときには、トップメニューが外部ディスプレイ17に表示される。一方、DVD1に記録されたデータ中にトップメニューも存在しないとき、またはトップメニューが存在するものの、そのトップメニューの再生も許されないときには、データの再生が完全に停止される。このとき、外部ディスプレイ17には、何も表示されない。なお、このとき、再生ができない旨のメッセージを外部ディスプレイ17に表示する構成としてもよい。
【0079】
また、DVD1に記録された映像データが複数のデータ単位から構成され、これらのデータ単位が複数のグループに分けられ、全体として階層構造になっている場合がある。このような場合には、グループごとにプレイリストまたはタイトルリストを設けることができる。この場合には、表示制限処理において再生・表示されるプレイリストまたはタイトルリストは、再生が許されないものと判定された映像データが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのリストまたはメニューである。
【0080】
例えば、図4に示すように、DVD1に記録された映像データが、映画A、映画B、映画C、スポーツ中継A、スポーツ中継B、スポーツ中継C、音楽ライブA、音楽ライブBおよび音楽ライブCから構成され、映画A、映画Bおよび映画Cが映画グループG1に属し、スポーツ中継A、スポーツ中継Bおよびスポーツ中継Cがスポーツ中継グループG2に属し、音楽ライブA、音楽ライブBおよび音楽ライブCが音楽ライブグループG3に属する場合において、映画Bの映像データに埋め込まれていたウォータマークにより映画Bの映像データが再生の許されないものと判断されたときには、再生制限処理(図3)におけるステップS17またはS22で、映画グループG1のプレイリストまたはタイトルリストが出力・表示される。この場合、外部ディスプレイ17は、例えば図5に示すような画面となる。
【0081】
以上のような実施例によれば、DVD1に記録された映像データの再生が許されないと判定されたときには、その映像データの再生を停止し、プレイリスト、タイトルメニューまたはトップメニューを出力・表示する構成としたから、ユーザは、映像データが不正コピーであるために映像データの再生が停止されても、リストまたはメニューを見て、他のデータ単位にかかる映像データの再生を速やかに開始するように、DVDプレーヤ100に対して指示を入力することができる。また、映像データの再生停止と同時に自動的にリストまたはメニューを表示することにより、ユーザに再生可能な映像データの再生を継続することを促すことができると共に、再生可能なデータ単位が複数ある場合には、その選択の自由を与えることができる。したがって、映像データを再生するための操作性を向上させることができると共に、利便性を高めることができる。
【0082】
さらに、複数のデータ単位が論理的に複数のグループに分けられているときには、再生制限処理により再生が許されないと判定された映像データが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのリストまたはメニューを出力・表示する構成としたから、ユーザが再生しようとしたものの、再生が許されなかったデータ単位と同一のグループに属する他のデータ単位を直ちに選択して再生することができる。例えば、図4に示すように、映画Bを再生しようとして映画Bの再生が許されないと判定されたときには、映画グループG1のリストまたはメニューが表示されるので、ユーザは、それを見て、映画Aまたは映画Cを選択し、再生させることができる。したがって、ユーザの意思に適ったデータの再生を速やかに実現することができる。
【0083】
なお、上述した実施例では、本発明をDVDプレーヤに適用した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、コンパクトディスク、ミニディスク、光磁気ディスク、カード状メモリなど、その他の記録媒体に記録されたデータを再生するデータ再生装置にも適用することができる。
【0084】
また、上述した実施例で述べたウォータマークの内容は、一例にすぎず、他の内容を有するウォータマークによってデータの再生の許否を判定する構成としてもよい。
【0085】
さらに、上述した実施例では、再生制限処理においてディスクの種別を判定せずに、データ中にプレイリストがあるか否かを直ちに調べる構成としたが、ディスクの種別判定をまず行い、その結果、当該ディスクが書込可能なディスクであることを確認してから、データ中にプレイリストがあるか否かを調べる構成としてもよい。
【0086】
さらに、上述した実施例では、タイトルメニューの再生ができないときに、トップメニューの再生を試みる構成としたが、本発明はこれに限らず、タイトルメニューとトップメニューの再生を試みる順序はこれに限られない。
【0087】
また、データの再生が許されないと判定されたときに出力するリストまたはメニューはプレイリスト、タイトルメニュー、トップメニューに限られない。他のリストやメニューが記録媒体に記録されている場合、またはDVDプレーヤの内部に形成・記憶されている場合には、そのリストやメニューを表示する構成としもよい。また、即時にメニューを生成する構成としてもよい。
【0088】
さらに、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うデータ再生装置およびデータ再生方法並びにこれらの機能を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるDVDプレーヤの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例にかかるDVDプレーヤによる再生許否判定処理を示すフローチャートである。
【図3】実施例にかかるDVDプレーヤによる再生制限処理を示すフローチャートである。
【図4】DVD1に記録された映像データの内容を示す説明図である。
【図5】実施例にかかるDVDプレーヤにより出力されたメニューが表示された外部ディスプレイ画面を示す正面図である。
【符号の説明】
1…DVD(記録媒体)
10…ディスク再生部(再生手段)
11…ディスク判別判定部(記録媒体判定手段)
12…ウォータマーク検出部(ウォータマーク検出手段)
13…映像・音声再生部(再生手段)
15…ディスク再生制御部(再生許否判定手段、再生制限手段、メニュー出力手段、複製状態判定手段)
100…DVDプレーヤ(データ再生装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、不正にコピー(複製)されたデータの再生を禁止することができるデータ再生装置およびデータ再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在においては、デジタル情報記録媒体、デジタル情報の録音・録画機器、デジタル情報の再生機器、デジタルテレビ放送等が広く普及しつつあり、映像や音声がデジタルデータとして取り扱われるようになってきている。デジタルデータ化された映像や音声は、何回コピーしても、その品質が劣化しない。そのため、著作権保護等の観点から、コピーを制限する技術として、ウォータマーク(電子透かし)技術が開発されている。
【0003】
ビデオウォータマークは、映像データのコピーを制限すべき旨を宣言した情報であり、映像データの中に埋め込むようにして記録される。例えば、映像データをDVDレコーダ等の録画装置によってDVD等の記録媒体に記録するとき、映像データ中に埋め込まれたビデオウォータマークを検出し、そのビデオウォータマークがコピー禁止を宣言していた場合には、映像データの記録媒体への記録を行わないようにする。これにより、映像データのコピーを制限することができる。
【0004】
また、このように録画装置にコピー制限機能を設け、映像データのコピー行為を制限しても、不正なコピーが行われる場合が考えられる。そこで、例えば、DVD等の記録媒体に記録された映像データをDVDプレーヤ等の再生装置によって再生するとき、映像データ中に埋め込まれたビデオウォータマーク等に基づいて当該映像データが不正にコピーされたものか否かを判定し、不正にコピーされたものである場合には、当該映像データの再生を行わないようにする。これにより、映像データのコピー制限がより一層の効果を発揮する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、再生装置によって、不正コピーと判定された映像データの再生を行わないようにする方法としては、以下の方法が考えられる。まず、映像データが不正コピーと判定された場合には、再生装置の再生動作を全面的に停止する方法が考えられる。すなわち、再生装置において記録媒体から映像データを読み出す動作から映像データをディスプレイに表示する動作に至るまですべての動作を停止する。
【0006】
次に、映像データが不正コピーと判定された場合には、再生装置は再生動作を継続しながら、当該映像データをディスプレイへ表示しないようにする方法が考えられる。例えば、当該映像データを記録媒体から読み取っている間、ディスプレイに何も表示しないようにしたり、当該映像データにスクランブルをかけて表示したりする。
【0007】
ところが、上述したような再生制限方法では、1個の記録媒体上に正規にコピーされた映像データと不正にコピーされた映像データとが混在していた場合に、以下のような問題が生じる。
【0008】
すなわち、映像データが不正コピーと判定された場合に再生装置の再生動作を全面的に停止する方法によれば、再生装置が記録媒体上の不正コピーの映像データを再生しようとした時点で、再生動作が停止してしまう。そして、ユーザが、その記録媒体上の正規にコピーされた他の映像データを再生しようとして、再生装置に再び再生の指示を入力すると、当該記録媒体において先頭に順位づけられた映像データから再生が開始される。これでは、ユーザにとって不便であり、操作性が悪い。
【0009】
また、再生装置によっては、再生が停止した位置を記憶し、次回の再生からはその記憶した位置から再生を開始する機能を備えたものがある。このような機能を備えた再生装置においては、不正コピーの映像データのために再生動作が停止した後に、ユーザが再生装置に再び再生の指示を入力すると、再び不正コピーの映像データの再生動作が開始され、直ちに再生動作が停止してしまう。これでは、ユーザは当該記録媒体上に正規にコピーされた他の映像データを見ることができない。
【0010】
一方、映像データが不正コピーと判定された場合に再生装置において映像データをディスプレイへ表示しないようにする方法によれば、再生装置が記録媒体上の不正コピーの映像データを読み取っている間、ディスプレイには何も表示されないか、スクランブルのかかった映像が表示される。このため、ユーザは、不正コピーの映像データの読み取りが終了するまで、待たなければならない。また、不正コピーの映像データの読取がいつ終了するかは予測が困難であるため、ユーザは再生を停止すべきか、しばらく待つべきか躊躇する。これでは、ユーザにとって不便である。
【0011】
本発明は上記に例示したような問題点に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、不正コピーされたデータの再生が制限されても、ユーザがその後の操作を円滑に行うことができるようにしたデータ再生装置およびデータ再生方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載のデータ再生装置は、記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生手段と、前記データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定手段と、前記再生許否判定手段により、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記再生手段による再生動作を制限する再生制限手段と、前記再生許否判定手段により、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力手段とを備えている。
【0013】
上記課題を解決するために請求項4に記載のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ再生装置として機能させることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するために請求項5に記載のデータ再生方法は、記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生装置におけるデータ再生方法であって、前記データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定工程と、前記再生許否判定工程において、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記再生装置による再生動作を制限する再生制限工程と、前記再生許否判定工程において、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力工程とを備えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
本発明の実施形態にかかるデータ再生装置は、記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生手段と、データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定手段と、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、再生手段による再生動作を制限する再生制限手段と、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力手段とを備えている。
【0017】
再生手段は、例えばDVD−ROM(DVD−リードオンリメモリ)、DVD−R(DVD−レコーダブル)、DVD−RW(DVD−リライタブル)、DVD−RAM(DVD−ランダムアクセスメモリ)、コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)、光磁気ディスク(MOディスク)、テープ、カード状のメモリなどの記録媒体に記録されたデータを再生する手段である。記録媒体がDVDやコンパクトディスクなどの光ディスクであれば、再生手段は、例えば光ピックアップなどの光学式読取手段およびデコーダなどのデータ処理手段を備えている。
【0018】
また、記録媒体に記録されたデータは、例えば、映像データ、音声データなどである。このデータは、論理的に複数のデータ単位により構成することができる。例えば、複数の小編映画が記録媒体に記録されている場合には、1つ1つ小編映画を構成するデータのまとまりがそれぞれデータ単位に相当する。なお、記録媒体に記録されたデータは、単一のデータ単位により構成されたものでもよい。
【0019】
再生許否判定手段は、データの再生が許されるか否かを判定する。例えば、記録媒体に記録されたデータが不正にコピーされたものでないか否かを判定し、不正にコピーされたものである場合には、そのデータは再生が許されないものと判定する。
【0020】
この場合、再生許否判定手段を、データに埋め込まれたウォータマークを検出するウォータマーク検出手段と、記録媒体が書込可能な記録媒体であるか否かを判定する記録媒体判定手段と、ウォータマーク検出手段による検出結果および記録媒体判定手段の判定結果とに基づいてデータが不正に複製(コピー)されたものであるか否かを判定する複製状態判定手段とを備えた構成としてもよい。このような構成によれば、記録媒体に記録されたデータが不正にコピーされたものか否かを確実かつ容易に判定することができる。
【0021】
再生制限手段は、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、再生手段による再生動作を制限する。例えば、記録媒体に記録されたデータの再生が許されないと判定された場合には、再生動作を停止または中断する。
【0022】
メニュー出力手段は、再生許否判定手段によりデータの再生が許されないと判定されたときに、複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力する。
【0023】
この場合、複数のデータ単位が論理的に複数のグループに分けられているときには、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのメニューを出力する構成としてもよい。例えば、記録媒体に記録されたデータが12個のデータ単位から構成されており、これら12個のデータ単位が、4個ずつ、3個のグループA、B、Cに分けられているとする。この場合において、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位がグループAに属しているときには、グループAに属するデータ単位がリストアップされてメニューとして出力される。
【0024】
また、複数のデータ単位が論理的に階層構造を有している場合には、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位と同じ階層に属し、かつそのデータ単位の属するグループまたはサブグループの内容についてのメニューを出力する構成としてもよい。
【0025】
一方、記録媒体に記録されたデータに、このようなグループまたは階層構造がない場合には、複数のデータ単位の全部についてのメニューを出力する構成としてもよい。
【0026】
このような構成を有する本実施形態にかかるデータ再生装置よれば、記録媒体に記録されたデータの再生が許されないと判定されたときには、そのデータの再生を制限すると共に、複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力する構成としたから、ユーザは、例えば不正コピーのデータのためにデータの再生が停止または中断されても、メニューを見て、他のデータ単位の再生を開始するように、データ再生装置に対して指示を入力することができる。
【0027】
また、再生の停止または中断と同時に自動的にメニューを表示することにより、ユーザに再生可能なデータの再生を継続することを促すことができると共に、再生可能なデータ単位が複数ある場合には、その選択の自由を与えることができる。
【0028】
したがって、実施形態によれば、データを再生するための操作性を向上させることができると共に、利便性を高めることができる。
【0029】
さらに、複数のデータ単位が論理的に複数のグループに分けられているときには、再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのメニューを出力する構成とすれば、ユーザが再生しようとしたものの再生が許されなかったデータ単位と同一のグループに属する他のデータ単位を直ちに選択して再生することができる。例えば、互いに類似したまたは関連性のある複数のデータ単位を同一のグループに属するようにグループ分けがしてある場合には、ユーザは、再生しようとしたものの再生が許されなかったデータ単位と類似したまたは関連性のある他のデータ単位を直ちに選択して再生することができる。したがって、ユーザの意思に適ったデータの再生を速やかに実現することができる。
【0030】
また、以上のような実施形態およびその各種態様は、専用の装置としてハードウェアと一体的に構成する形態で実現してもよいし、コンピュータにプログラムを読み込ませることによって実現してもよい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。以下の実施例は、映像データに埋め込まれたビデオウォータマークを検出して再生制限処理を行う機能を備えたDVDプレーヤに本発明を適用したものである。
【0032】
まず、実施例にかかるDVDプレーヤの構成について図1を参照して説明する。
【0033】
図1は実施例にかかるDVDプレーヤの構成を示している。図1に示すように、DVDプレーヤ100は、DVD1に記録された映像データを再生するデータ再生装置であり、ディスク再生部10、ディスク種別判定部11、ウォータマーク検出部12、映像・音声再生部13、操作部14、およびディスク再生制御部15を備えている。
【0034】
ディスク再生部10は、DVD1に記録されたデータを光学的に読み取るための読取手段を備えており、具体的には、DVD1を回転させるためのスピンドルモータ、DVD1に光を照射してその反射光を受け取ることによりDVD1に記録されたデータを読み取る光ピックアップ、スピンドルモータの回転や光ピックアップの照射位置を制御するためのサーボ機構等を備えている(いずれも図示せず)。
【0035】
ディスク種別判定部11は、DVDプレーヤ100に装填されたDVD1が書込可能なDVD、すなわちDVD−RまたはDVD−RWであるのか、それとも読出専用のDVD、すなわちDVD−ROMであるのかを判定するものである。かかるディスク種別判定は、例えばDVD1の記録面にウォブルが形成されているか否かを調べる方法、またはDVD1に記録されたディスク種別に関する情報を読み取る方法によって実現することができる。
【0036】
ウォータマーク検出部12は、DVD1に記録された映像データに埋め込まれているビデオウォータマークを検出するものである。ビデオウォータマークは、映像データのコピーを制限すべき旨を宣言した情報であり、映像データの中に埋め込むようにして記録されている。なお、ビデオウォータマークの内容等については後述する。
【0037】
映像・音声再生部13は、ディスク再生部10から読み取られた映像データまたは音声データを復調・復号する復調器またはデコーダを備えており(いずれも図示せず)、当該映像データまたは音声データを復調・復号するものである。映像・音声再生部13によって復調・復号された音声データは外付けの外部スピーカ16に出力され、映像・音声再生部13によって復調・復号された映像データは外付けの外部ディスプレイ17に出力される。
【0038】
操作部14は、例えば再生開始スイッチ、再生停止スイッチ、再生すべきタイトル等(データ単位)を選択するスイッチなどを備えたユーザ・インタフェースである。
【0039】
ディスク再生制御部15は、CPU(セントラルプロセッシングユニット)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)などの演算回路および記憶回路を備えている。そして、ディスク再生制御部15は、DVDプレーヤ100の全般的な制御を行うと共に、後述する再生許否判定および再生制限処理などを行う。
【0040】
次に、DVDプレーヤ100の動作について説明する。図1に示すように、DVD1がDVDプレーヤ100に装填され、ユーザが操作部14を操作して再生開始の指示を入力すると、ディスク再生制御部15は、操作部14から出力される操作コマンドを受け取り、それに従って、ディスク再生部10にディスク再生制御コマンドを出力し、DVD1に記録されたデータの読取を開始する。
【0041】
DVD1から読み取られた制御データまたは管理データ等はディスク再生制御部15に供給されると共に、ディスク種別判定部11にも供給される。ディスク種別判定部11は、DVD1がDVD−RまたはDVD−RWであるのか、DVD−ROMであるのかを判定し、その結果を示すディスク種別情報をディスク再生制御部15に出力する。
【0042】
一方、DVD1から読み取られた映像データは、ウォータマーク検出部12に供給される。ウォータマーク検出部12は、映像データ中に埋め込まれたビデオウォータマークを検出して、そのビデオウォータマークの内容を示すウォータマーク情報をディスク再生制御部15に出力する。そして、ディスク再生制御部15は、ディスク種別情報およびウォータマーク情報に基づいて、後述の再生許否判定および再生制限処理を実行する。
【0043】
また、DVD1から読み取られた映像データおよび音声データは、映像・音声再生部13に供給される。そして、映像・音声再生部13は、ディスク再生制御部15における再生許否判定および再生制限処理により映像データの再生が許可されたときには、映像データおよび音声データを復調・復号し、音声を外部スピーカ16に、映像を外部ディスプレイ17にそれぞれ出力する。
【0044】
次に、DVD1に記録された映像データに埋め込まれているビデオウォータマークについて説明する。
【0045】
ビデオウォータマークには、プライマリマークとコピーマークがある。プライマリマークは、映像データが配信・出荷された当初からその映像データに埋め込まれている。プライマリマークは、2ビットのデジタル情報であるコピー制御情報(CCI:Copy Control Information)により構成されている。以下、コピー制御情報をCCIという。CCIが(1,1)であるときには、その映像データがコピー禁止(Never Copy)であることを意味する。CCIが(1,0)のときには、後述するコピーマークの内容によって、その映像データが1回コピー可(Copy Once)であるか、またはこれ以上コピー禁止(No More Copy)であることを意味する。CCIが(0,0)のときには、その映像データがコピー可(Copy Free)であることを意味する。
【0046】
また、コピーマークは、レコーダまたはプレーヤ等により追記される1ビットの情報である。以下、コピーマークをCMという。CCIが1回コピー可を示しており、CMが「0」のときには、1回コピー可(Copy Once)を意味する。CCIが1回コピー可を示しており、CMが「1」のときには、これ以上コピー禁止(No More Copy)を意味する。
【0047】
次に、ディスク再生制御部15によって実行される再生許否判定処理について図2を参照して説明する。
【0048】
図2は再生許否判定処理を示している。図2に示すように、まず、ディスク再生制御部15は、ディスク種別判定部11から供給されるディスク種別情報に基づいて、DVD1が書込可能なディスクか否かを判定する(ステップS1)。
【0049】
DVD1が書込可能なディスクであるときには(ステップS1:YES)、ウォータマーク検出部12から供給されるウォータマーク情報に含まれるCCIを調べ、当該映像データがコピー禁止か否かを判定する(ステップS2)。
【0050】
当該映像データがコピー禁止でないときには(ステップS2:NO)、次に、CCIを調べ、当該映像データが1回コピー可か否かを判定する(ステップS3)。
【0051】
当該映像データが1回コピー可のときには(ステップS3:YES)、次に、当該映像データから検出されたウォータマーク情報に含まれるCMを調べ、当該映像データがこれ以上コピー禁止か否かを判定する(ステップS4)。
【0052】
当該映像データがこれ以上コピー禁止であるときには(ステップS4:YES)、当該映像データは再生が許されるものと決定する(ステップS5)。すなわち、書込可能なディスクに記録された映像データに埋め込まれたビデオウォータマークがこれ以上コピー禁止を示しているときには、その映像データは正規にコピーされたものと推測される。したがって、かかる場合には、当該映像データの再生を許可する。
【0053】
一方、ステップS4でCMを調べた結果、当該映像データがこれ以上コピー禁止でないときには(ステップS4:NO)、当該映像データは再生が許されないものと決定する(ステップS7)。すなわち、CMがこれ以上コピー禁止を示していないということは、CMが1回コピー可を示していることを意味する。そして、書込可能なディスクに記録されたデータに埋め込まれたCMが1回コピー可を示していることは異常な状態である。なぜなら、データが書込可能なディスクに1度書き込まれたときには、書込時にレコーダによってこれ以上コピー禁止を示すCMが追記されるはずだからである。したがって、当該映像データは不正にコピーされた可能性があるため、当該映像データの再生を禁止する。
【0054】
一方、ステップS3で、CCIを調べた結果、DVD1から読み取られた映像データが1回コピー可でないときには(ステップS3:NO)、当該映像データは再生が許されるものと決定する(ステップS5)。すなわち、CCIがコピー禁止でも1回コピー可でもないということは、CCIがコピー可を示していることを意味する。したがって、その映像データは正規にコピーされたものと推測されるので、かかる場合には、当該映像データの再生を許可する。
【0055】
一方、ステップS1で、DVD1が書込可能なディスクでないときには、次に、DVD1から読み取られた映像データから検出されたウォータマーク情報に含まれるCCIを調べ、当該映像データが1回コピー可か否かを判定する(ステップS6)。
【0056】
当該映像データが1回コピー可のときには、当該映像データは再生が許されないものと決定する(ステップS7)。すなわち、読取専用のディスクに記録されたデータにビデオウォータマークが埋め込まれている場合には、そのビデオウォータマークはコピー可かコピー禁止を示しているはずである。にもかかわらず、この場合にビデオウォータマークが1回コピー可を示しているということは異常な状態である。したがって、当該映像データが不正に記録されたか、または当該読取専用ディスク自体が不正に製造された可能性があるため、当該映像データの再生を禁止する。
【0057】
一方、ステップS6で、DVD1から読み取られた映像データが1回コピー可でないときには(ステップS6:NO)、当該映像データは再生が許されるものと決定する(ステップS5)。すなわち、CCIが1回コピー可を示していないということは、CCIがコピー禁止またはコピー可を示していることを意味する。読取専用のディスクにコピー禁止またはコピー可のデータが記録されていることは正常な状態であるので、データの再生を許可する。
【0058】
以上のような再生許否判定は、後述の再生制限処理の中でサブルーチンとして実行される。
【0059】
次に、ディスク再生制御部15によって実行される再生制限処理について図3を参照して説明する。
【0060】
図3は再生制限処理の動作を示している。なお、映像データが複数のデータ単位から構成されているときには、各データ単位にそれぞれ個別的にウォータマークが埋め込まれている。この場合には、再生制限処理はデータ単位ごとに実行される。なお、再生制限処理をデータ単位ごとに実行するのではなく、所定の時間おきに実行する構成としてもよいし、ウォータマーク情報の内容が変わったときに実行する構成としてもよい。
【0061】
図3に示すように、DVD1に記録された映像データの再生中において、当該映像データに埋め込まれたウォータマークが検出されると、まず、ディスク再生制御部15は、当該映像データについて再生許否判定(図2参照)を行う(ステップS11)。そして、再生許否判定の結果、当該映像データの再生が許されるときには(ステップS12:YES)、ディスク再生制御部15は、DVD1に記録された映像データの再生を継続するようにDVDプレーヤ100を制御する(ステップS13)。
【0062】
一方、再生許否判定の結果、当該映像データの再生が許されないときには(ステップS12:NO)、次に、ディスク再生制御部15は、DVD1に記録されたデータ中にプレイリストがあるか否かを判定する(ステップS14)。
【0063】
DVD1が書込可能なディスク、すなわち、DVD−RまたはDVD−RWである場合には、そのDVD1のデータはDVDビデオレコーディングフォーマット(VRフォーマット)で記録されている。VRフォーマットにおいては、データの生成時に、映像データのデータ単位のリストを示すプレイリストをデータ中に含ませることができる。もっとも、プレイリストを含ませるか否かはデータを生成する者の自由であるので、VRフォーマットのデータ中にプレイリストが存在する場合と存在しない場合とがある。
【0064】
DVD1に記録されたデータ中にプレイリストが存在するときには(ステップS14:YES)、次に、当該プレイリストを構成するデータについて再生許否判定(図2参照)を行い、当該プレイリストの再生が許されるか否かを判定する(ステップS15およびS16)。
【0065】
そして、再生許否判定の結果、当該プレイリストの再生が許されるときには(ステップS16:YES)、映像データの再生を停止し、当該プレイリストを再生する(ステップS17)。
【0066】
一方、再生許否判定の結果、当該プレイリストの再生が許されないときには(ステップS16:NO)、DVD1に記録された映像データを最初から再生する(ステップS18)。なお、DVD1に記録された最初に再生すべき映像データが再生の許されないものである場合には、再生を完全に停止する。なお、この場合に、何らかのメニューを外部ディスプレイ17に出力する構成としてもよい。
【0067】
一方、ステップS14で、DVD1に記録されたデータ中にプレイリストが存在しないときには(ステップS14:NO)、次に、DVD1に記録されたデータ中にタイトルメニューが存在するか否かを判定する(ステップS19)。
【0068】
DVD1が読取専用のディスク、すなわち、DVD−ROMである場合には、そのDVD1にはデータがDVDビデオフォーマットで記録されている。DVDビデオフォーマットにおいては、データの生成時に、映像データのデータ単位の再生を案内するためのタイトルメニューをデータ中に含ませることができる。もっとも、タイトルメニューを含ませるか否かはデータを生成する者の自由であるので、DVDビデオフォーマットのデータ中にタイトルメニューが存在する場合と存在しない場合とがある。
【0069】
DVD1に記録されたデータ中にタイトルメニューが存在するときには(ステップS19:YES)、次に、当該タイトルメニューを構成するデータについて再生許否判定(図2参照)を行い、当該タイトルメニューの再生が許されるか否かを調べる(ステップS20およびS21)。
【0070】
そして、再生許否判定の結果、当該タイトルメニューの再生が許されるときには(ステップS21:YES)、映像データの再生を停止し、当該タイトルメニューを再生する(ステップS22)。
【0071】
一方、再生許否判定の結果、当該タイトルメニューの再生が許されないときには(ステップS21:NO)、次に、DVD1に記録されたデータ中にトップメニューが存在するか否かを判定する(ステップS23)。
【0072】
DVD1に記録されたデータがDVDビデオフォーマットである場合、データの生成時に、映像データの再生を案内するためのトップメニューをデータ中に含ませることができる。もっとも、トップメニューを含ませるか否かはデータを生成する者の自由であるので、DVDビデオフォーマットのデータ中にトップメニューが存在する場合と存在しない場合とがある。
【0073】
DVD1に記録されたデータ中にトップメニューが存在するときには(ステップS23:YES)、次に、当該トップメニューを構成するデータについて再生許否判定(図2参照)を行い、当該トップメニューの再生が許されるか否かを調べる(ステップS24およびS25)。
【0074】
そして、再生許否判定の結果、当該トップメニューの再生が許されるときには(ステップS25:YES)、映像データの再生を停止し、当該トップメニューを再生する(ステップS26)。
【0075】
一方、再生許否判定の結果、当該トップメニューの再生が許されないときには(ステップS25:NO)、DVD1に記録されたデータの再生を完全に停止する(ステップS27)。
【0076】
以上のように、再生制限処理において、映像データが再生の許されないものと判定されたときには、以下のようになる。
【0077】
すなわち、DVD1に記録されたデータがVRフォーマットで、そのデータ中にプレイリストが存在する場合において、当該プレイリストの再生が許されるときには、外部ディスプレイ17にプレイリストが表示される。一方、DVD1に記録されたデータがVRフォーマットで、そのデータ中にプレイリストが存在しないとき、またはデータ中にプレイリストが存在するものの、そのプレイリストの再生が許されないときには、データの再生が完全に停止される。このとき、外部ディスプレイ17には、何も表示されない。なお、このとき、再生ができない旨のメッセージを外部ディスプレイ17に表示する構成としてもよい。
【0078】
また、DVD1に記録されたデータがDVDビデオフォーマットで、そのデータ中にタイトルメニューが存在する場合において、そのタイトルメニューの再生が許されるときには、外部ディスプレイ17にタイトルメニューが表示される。一方、DVD1に記録されたデータがDVDビデオフォーマットで、そのデータ中にタイトルメニューが存在しないとき、またはタイトルメニューが存在するものの、そのタイトルメニューの再生が許されないときには、トップメニューの再生が試みられる。そして、DVD1に記録されたデータ中にトップメニューが存在し、かつそのトップメニューの再生が許されるときには、トップメニューが外部ディスプレイ17に表示される。一方、DVD1に記録されたデータ中にトップメニューも存在しないとき、またはトップメニューが存在するものの、そのトップメニューの再生も許されないときには、データの再生が完全に停止される。このとき、外部ディスプレイ17には、何も表示されない。なお、このとき、再生ができない旨のメッセージを外部ディスプレイ17に表示する構成としてもよい。
【0079】
また、DVD1に記録された映像データが複数のデータ単位から構成され、これらのデータ単位が複数のグループに分けられ、全体として階層構造になっている場合がある。このような場合には、グループごとにプレイリストまたはタイトルリストを設けることができる。この場合には、表示制限処理において再生・表示されるプレイリストまたはタイトルリストは、再生が許されないものと判定された映像データが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのリストまたはメニューである。
【0080】
例えば、図4に示すように、DVD1に記録された映像データが、映画A、映画B、映画C、スポーツ中継A、スポーツ中継B、スポーツ中継C、音楽ライブA、音楽ライブBおよび音楽ライブCから構成され、映画A、映画Bおよび映画Cが映画グループG1に属し、スポーツ中継A、スポーツ中継Bおよびスポーツ中継Cがスポーツ中継グループG2に属し、音楽ライブA、音楽ライブBおよび音楽ライブCが音楽ライブグループG3に属する場合において、映画Bの映像データに埋め込まれていたウォータマークにより映画Bの映像データが再生の許されないものと判断されたときには、再生制限処理(図3)におけるステップS17またはS22で、映画グループG1のプレイリストまたはタイトルリストが出力・表示される。この場合、外部ディスプレイ17は、例えば図5に示すような画面となる。
【0081】
以上のような実施例によれば、DVD1に記録された映像データの再生が許されないと判定されたときには、その映像データの再生を停止し、プレイリスト、タイトルメニューまたはトップメニューを出力・表示する構成としたから、ユーザは、映像データが不正コピーであるために映像データの再生が停止されても、リストまたはメニューを見て、他のデータ単位にかかる映像データの再生を速やかに開始するように、DVDプレーヤ100に対して指示を入力することができる。また、映像データの再生停止と同時に自動的にリストまたはメニューを表示することにより、ユーザに再生可能な映像データの再生を継続することを促すことができると共に、再生可能なデータ単位が複数ある場合には、その選択の自由を与えることができる。したがって、映像データを再生するための操作性を向上させることができると共に、利便性を高めることができる。
【0082】
さらに、複数のデータ単位が論理的に複数のグループに分けられているときには、再生制限処理により再生が許されないと判定された映像データが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのリストまたはメニューを出力・表示する構成としたから、ユーザが再生しようとしたものの、再生が許されなかったデータ単位と同一のグループに属する他のデータ単位を直ちに選択して再生することができる。例えば、図4に示すように、映画Bを再生しようとして映画Bの再生が許されないと判定されたときには、映画グループG1のリストまたはメニューが表示されるので、ユーザは、それを見て、映画Aまたは映画Cを選択し、再生させることができる。したがって、ユーザの意思に適ったデータの再生を速やかに実現することができる。
【0083】
なお、上述した実施例では、本発明をDVDプレーヤに適用した場合を例に挙げたが、本発明はこれに限らず、コンパクトディスク、ミニディスク、光磁気ディスク、カード状メモリなど、その他の記録媒体に記録されたデータを再生するデータ再生装置にも適用することができる。
【0084】
また、上述した実施例で述べたウォータマークの内容は、一例にすぎず、他の内容を有するウォータマークによってデータの再生の許否を判定する構成としてもよい。
【0085】
さらに、上述した実施例では、再生制限処理においてディスクの種別を判定せずに、データ中にプレイリストがあるか否かを直ちに調べる構成としたが、ディスクの種別判定をまず行い、その結果、当該ディスクが書込可能なディスクであることを確認してから、データ中にプレイリストがあるか否かを調べる構成としてもよい。
【0086】
さらに、上述した実施例では、タイトルメニューの再生ができないときに、トップメニューの再生を試みる構成としたが、本発明はこれに限らず、タイトルメニューとトップメニューの再生を試みる順序はこれに限られない。
【0087】
また、データの再生が許されないと判定されたときに出力するリストまたはメニューはプレイリスト、タイトルメニュー、トップメニューに限られない。他のリストやメニューが記録媒体に記録されている場合、またはDVDプレーヤの内部に形成・記憶されている場合には、そのリストやメニューを表示する構成としもよい。また、即時にメニューを生成する構成としてもよい。
【0088】
さらに、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取るこのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うデータ再生装置およびデータ再生方法並びにこれらの機能を実現するコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるDVDプレーヤの構成を示すブロック図である。
【図2】実施例にかかるDVDプレーヤによる再生許否判定処理を示すフローチャートである。
【図3】実施例にかかるDVDプレーヤによる再生制限処理を示すフローチャートである。
【図4】DVD1に記録された映像データの内容を示す説明図である。
【図5】実施例にかかるDVDプレーヤにより出力されたメニューが表示された外部ディスプレイ画面を示す正面図である。
【符号の説明】
1…DVD(記録媒体)
10…ディスク再生部(再生手段)
11…ディスク判別判定部(記録媒体判定手段)
12…ウォータマーク検出部(ウォータマーク検出手段)
13…映像・音声再生部(再生手段)
15…ディスク再生制御部(再生許否判定手段、再生制限手段、メニュー出力手段、複製状態判定手段)
100…DVDプレーヤ(データ再生装置)
Claims (6)
- 記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生手段と、
前記データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定手段と、
前記再生許否判定手段により、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記再生手段による再生動作を制限する再生制限手段と、
前記再生許否判定手段により、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力手段と
を備えたデータ再生装置。 - 前記複数のデータ単位は論理的に複数のグループに分けられており、前記メニュー出力手段は、前記再生許否判定手段により再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位の属するグループの内容についてのメニューを出力することを特徴とする請求項1に記載のデータ再生装置。
- 前記再生許否判定手段は、
前記データに埋め込まれたウォータマークを検出するウォータマーク検出手段と、
前記記録媒体が書込可能な記録媒体であるか否かを判定する記録媒体判定手段と、
前記ウォータマーク検出手段による検出結果および前記記録媒体判定手段の判定結果とに基づいて前記データが不正に複製されたものであるか否かを判定する複製状態判定手段と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のデータ再生装置。 - コンピュータを請求項1ないし3のいずれかに記載のデータ再生装置として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 記録媒体に記録され、論理的に複数のデータ単位により構成されたデータを再生する再生装置におけるデータ再生方法であって、
前記データの再生が許されるか否かを判定する再生許否判定工程と、
前記再生許否判定工程において、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記再生装置による再生動作を制限する再生制限工程と、
前記再生許否判定工程において、前記データの再生が許されないと判定されたときには、前記複数のデータ単位の一部または全部についてのメニューを出力するメニュー出力工程と
を備えたことを特徴とするデータ再生方法。 - 前記複数のデータ単位は論理的に複数のグループに分けられており、前記メニュー出力工程では、前記再生許否判定工程において再生が許されないと判定されたデータが含まれるデータ単位の属するグループについてのメニューを出力することを特徴とする請求項5に記載のデータ再生方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
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