JP2004078598A - 経時変化シミュレーション方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】絵画等の原物の作成当時の状態もしくは将来の状態を表現することが可能な経時変化シミュレーション方法およびシステムを提供する。
【解決手段】原物の作成に使用された素材データ、保存環境下における時間の経過による変化の状態を予め経時特性データベース4に記録しておく。画像入力手段1から原物を撮影した現存画像を入力すると共に、素材データ入力手段2から素材データ、環境データ入力手段9から環境データ、時系列データ入力手段3から時系列データをそれぞれ入力する。演算制御装置5は、入力されたデータに基づいて経時特性データベース4を参照し、現存画像の各画素の値を変化させて経時画像を作成する。作成された経時画像は、画像表示手段6、画像印刷手段7、画像データ出力手段8からそれぞれ出力される。
【選択図】 図1
【解決手段】原物の作成に使用された素材データ、保存環境下における時間の経過による変化の状態を予め経時特性データベース4に記録しておく。画像入力手段1から原物を撮影した現存画像を入力すると共に、素材データ入力手段2から素材データ、環境データ入力手段9から環境データ、時系列データ入力手段3から時系列データをそれぞれ入力する。演算制御装置5は、入力されたデータに基づいて経時特性データベース4を参照し、現存画像の各画素の値を変化させて経時画像を作成する。作成された経時画像は、画像表示手段6、画像印刷手段7、画像データ出力手段8からそれぞれ出力される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、時間の経過による物体一般、中でも、特に美術品の過去あるいは未来の外観の変化の様子をシミュレーションするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
絵画、骨董品等の美術品は、貴重な資産であり、重要文化財として美術館などで厳重に管理されている。このような美術品等の管理は、その劣化が無いように、様々な工夫が行われているが、年月の経過による劣化は避けられないものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特に重要な文化財級の美術品については、劣化した絵画を復元する作業が行われる。例えば絵画であれば、作成当時の過去の色を想定して、プロの画家が絵の具と筆を用いてていねいに修復していく。しかしながら、作成当時の色がどのようなものであったかを想定するには、大変な困難さを伴っているのが実情である。また、文化財の未来(将来)における劣化の様子を事前に知ることができれば、いつ頃まで閲覧に耐え得るのか、いつ頃修復をすれば、最も費用を安く抑えることができるか等を判断することができる。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、絵画等の原物の作成当時の状態もしくは将来の状態を表現することが可能な経時変化シミュレーション方法およびシステムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、原物を撮影することにより得られた現存画像を入力する画像入力段階、前記原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータを入力する素材データ入力段階、前記原物が保存されていた環境に関するデータを入力する環境データ入力段階、経時変化した画像の確認を希望する、原物の作成時から経時した時間を特定する時系列データを入力する時系列データ入力段階、時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、前記入力された素材データ、環境データおよび時系列データに従って前記入力された現存画像の各画素の値を演算して変化させることにより前記入力された時点における経時画像を得る画像作成段階、前記画像作成段階により得られた経時画像を出力する画像出力段階を実行するようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、絵画等の美術品の原物に使用されている素材の所定環境下における時間の経過による経時特性をデータベース化しておき、原物を撮影した現存画像、素材データと環境データを入力し、時系列データを設定することにより、設定された時における変化の状態に基づく画像を作成するようにしたので、時間の経過に伴う原物の変化の状態を画像で確認することが可能となる。また、美術品の中でも文化財等の骨董品に対して、本発明を適用することにより骨董品の作成当時の状態を画像で再現したり、さらに該再現画像を基に作成当時と同様の外観の骨董品を複製乃至復元することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。(1.システム構成)
図1は、本発明係る経時変化シミュレーションシステムの一実施形態によるシステム構成図である。図1において、1は画像入力手段、2は素材データ入力手段、3は時系列データ入力手段、4は経時特性データベース、5は演算制御装置、6は画像表示手段、7は画像印刷手段、8は画像データ出力手段、9は環境データ入力手段である。
【0008】
図1において、画像入力手段1は、原物の外観を画像として入力する機能を有しており、具体的には、デジタルカメラ、スキャナー等、原物を光学的に撮影した後デジタルデータとして入力することが可能な機器で実現される。なお、画像入力手段1により入力される画像は、現在の原物の外観の状態を示したものであるので現存画像と呼ぶことにする。ここで、原物としては、例えば、絵画、屏風、襖絵、壁画、天井画等がある。素材データ入力手段2は、原物の作成に用いられた素材に関する情報である素材データを入力する機能を有しており、具体的には、1つの原物に対する素材データファイルを記録した記録媒体および記録媒体の読取装置により実現される。素材データは、各原物に対応づけてあらかじめ素材データファイルの形式で記録されているのが普通であるが、システムに直接入力する場合には、マウスやキーボード等の入力機器を用いて直接入力することもできる。なお、素材データとしては、絵画の場合であれば、インキ(乃至絵具)のバインダー樹脂と顔料の種類と配合比、画材の材質(如何なるパルプと填料からなる紙なのか)等である。時系列データ入力手段3は、原物の現時点での経過年数及びシミュレーションにより原物の状態を知りたい時間的情報、すなわち「いつ」の状態を知りたいかという時系列情報を入力する機能を有している。実際には、数値データの入力および指定が対話的に可能なマウス、キーボード等の入力機器で実現される。なお、時間的情報としては、未来、過去いずれでも良い。変褪色した画像の復元であれば、過去の時間となるし、画像の将来の変化の予測であれば、未来の時間となる。経時特性データベース4は、原物の作成に利用されている各素材の経時特性(通常は時間の経過により劣化するので、劣化特性と言い換えることもできる)を記録したデータベースである。詳細は後述する。
【0009】
演算制御装置5は、本発明の中心的な役割を有する画像作成手段としての機能を有すると共に、各手段の制御、その他必要な演算処理を行うものであり、現実には、コンピュータのCPU、メモリ、およびメモリに読込まれて起動される種々のプログラムにより実現される。本発明において、演算制御装置5は、入力された素材データ、環境データ、及び時系列データに従って現存画像の各画素の値を変化させることにより経時画像を得る画像作成手段として機能する。なお、本発明において経時画像とは、現存画像を基に画像データの値を変化させて得られる、現在とは異なる時間(時刻)における画像を推定し再現したもののことである。そして、ここで「経時」とは、現在から未来に向かって時間が経つ狭義の「経時」以外に現在から過去に向かって時を遡る「遡及」も包含する広義のものとして用いる。画像表示手段6は、演算制御装置5により作成された経時画像を表示する機能を有しており、現実には陰極線管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等の各種ディスプレイ装置により実現される。画像印刷手段7は、演算制御装置5により作成された経時画像を印刷し、ハードコピーを出力する機能を有しており、現実には、インキジェット、昇華転写等の方式を用いたカラープリンタ等が適用される。画像データ出力手段8は、演算制御装置5により作成された経時画像をデジタルの画像データとして出力する機能を有しており、現実にはデジタルデータの記録媒体、および記録媒体にデジタルデータを記録する記録媒体への書込み装置で実現される。画像表示手段6、画像印刷手段7、画像データ出力手段8は、いずれも画像作成手段により作成された経時画像データを所定の形式で出力するので、総称して画像出力手段という捉え方もできる。環境データ入力手段9は、原物が置かれている乃至は曝されている環境のうち、特に、画像データの経時変化に寄与する環境要因の程度を特定するデータ(環境データ)を入力する手段であり、具体的には、環境データのデータファイルを記録した記録媒体及びその読取装置の形式でも良いし、あるいはキーボード、マウス等から直接入力する形式でも良い。通常、環境データとしては、原物周辺雰囲気の温度及び湿度、及び原物に曝露される日光、電燈等の光の種類(スペクトル)及び強度である。そして、画像データの経時変化は、時間的情報及び環境データの関数となる。またシミュレーションすべき環境データが事実上一定の場合(例えば、常に同じ地域の標準的な室内環境下でのシミュレーションのみすれば良い場合等)には、経時特性データベース内に、あらかじめ、その一定の環境下において測定されたデータに基づく、経時特性データのみ入力し、この環境データ入力手段9を省略することもできる。
【0010】
ここで、経時特性データベース4に記録された素材データの経時特性について説明する。経時特性データベース4には、原物を作成するために使用されている素材の各種環境データ下における時間の経過に伴う経時特性が記録されている。ただし、シミュレーションすべき環境が常に一定の場合は、一種類の環境データ下の経時特性のみで良い。例えば、絵画の日本の標準的室内環境下におけるシミュレーションの場合は、素材は、原紙、画材(絵具、インキ等)となる。そのため、経時特性データとしては、原紙、画材(絵具、インキ等)の日本の標準的室内環境下において採取した画像データ変化の平均データが記録される。経時特性を測る指標としては、マンセル表色系による明度、色相、彩度(H、V、C)、国際照明委員会(CIE)規定のL*a*b*、CIE規定のL*u*v*、ハンターのLab、等の表色系、スペクトル三刺激値(X、Y、ZあるいはR、G、B)、色度値(x=X/(X+Y+Z)、y=Y/(X+Y+Z)、Y)、ただしX、Y、Zはスペクトル三刺激値、光沢度、曇価(ヘイズ)、あるいはこれらの組合せ、例えば、L*a*b*と光沢度の組合せ等、素材に応じて様々なものを適用することができるが、本実施形態では、国際照明委員会(CIE)規定のL*a*b*を適用している。このうち、 素材データの経時変化に伴うL*a*b*のデータ採取は、所定の時間単位で定期的に計測によって得た実測データと、促進試験で経時変化を加速した促進データとを併用して行う。例えば、用紙A上にインキaを塗った試験片Pの、該試験片における表面のインキaのL*a*b*を塗った時点で測定すると共に、日本の標準的室内環境下に置き、以後1ヶ月単位で測定し、1年間(365日間)測定値と日付の関係を記録していく。このようにして多数の素材に対する時間(日数)の経過に伴うL*a*b*の変化が記録されることになる。もちろん、1ヶ月単位でなく、1週間単位・1日単位・1時間単位という具合に、測定および記録単位はいくらでも細かくすることができる。ただし、細かく測定、記録を行うにはそれだけ作業負荷がかかるため、シミュレーションする時間的長さの必要性および素材の特性に応じて行えば良い。また、変褪色は環境データに依存するため、環境データも同時に記録する。通常、環境データとしては、温度、湿度、日光の照度と日照時間、照明光の種類と照明時間である。以上が実測試験で得られる経時特性である。実測試験データのみを用いてシミュレーションの基礎となる経時特性データベースとしても良い。しかし、一般に美術品の画像の経時変化は、数十年、数百年、あるいは数千年もの長期の時間的スケールの変化を問題にすることが多い。そのため、実測試験のみで経時特性データベースのすべてをまかなうことは難しい。そこで、本実施形態では、実測試験データに加えて促進試験データも併用する。
【0011】
促進試験は実測試験と並行して実測試験で用いたものと同じ試験片を、カーボンアーク燈型フェードメータ(耐光性促進試験機、光による変褪色を促進する)中に置き、例えば、10時間単位で変褪色の促進劣化試験を継続して、試験時間経過に対応する試験片の表色系L*a*b*の変化を測定記録する。次に、実測試験データと促進試験データとを対比させて促進倍率を求め、促進試験データが実測試験データのいずれの時間に対応するかを確定する。例えば、図5は試験片Pの経過年数tを横軸(ただし、対数目盛log10tで表示)、各年数における表色系データa*(t)とした座標系に試験片の表色系の時変化データa*(t)を実測試験、促進試験の各々についてプロットし、ここから促進倍率を求め、さらにそれを元に実測試験未実施の時間領域にまで推測により表色系データを外挿したものを示す。なお、便宜上a*(t)を、実測試験における表色系データa* w(t)、促進試験における表色系データa* a(t)、およびそれらを基に推測して求めた推測データa* s(t)として区別して表示する。
【0012】
図5において、実測試験データa* w(t)(図中黒丸●のプロットおよび実線で示す)は最大t=3年まで採られている。また、促進試験データa* a(t)(図中白丸○のプロットおよび実線で示す)は最大t=1年まで採られている。ここで、0.01年(=3.65日=88時間)における促進試験データが1年における実測試験データと同じ値となっている。すなわち、a* a(0.01)=a* w(1)である。従って、この場合、促進試験の促進倍率は100倍と求められる。すると、t=t0における促進データは、t=100t0における実測データに相当する。すなわち、a* a(t0)=a* w(100t0)である。この対応関係から実測試験データが未採取のt≧3年以降の経時特性データを外挿する。これが、推測データa* s(t)(t≧3年)である(図中×印のプロットおよび点線で示す)。促進試験データはt=1年まで求められているため、最大t=100年までの推測データを得る。結局、実測試験データa* w(t)(0≦t≦3)および推測データa* s(t)(3<t≦100)を接続することにより、0年≦t≦100年にわたる経時特性データが求められる。表色系の他の成分b*L*についても同様である。
【0013】
上記のようにして得られた、経時特性データベース4に記録される情報の一例を図2に示す。図2の例は、用紙Aにインキaを塗った試験片を日本の標準的室内に置いた場合の表色系L*a*b*の値の経時特性を記録したテーブルである。図に示すように、このテーブルには年単位の測定値が記録されている。この測定値を経過年数に対応してプロットすることによりグラフ化したものを図3に示す。このようなテーブルもしくはグラフを経時特性データベース4内に用意しておけば、経過時間で参照することにより、対応する表色系データ(色調)が得られることになる。このテーブルおよびグラフは測定値をそのまま記録しておいても良いが、本実施形態においては、作成当時の測定値との比率が必要となるため、あらかじめ比率を算出したテーブルおよびグラフとして用意しておいても良い。
【0014】
(2.処理の流れ)
次に、本発明に係る経時変化シミュレーション方法について、図1に示した経時変化シミュレーションシステムの処理動作と共に説明する。図2は、経時変化シミュレーション方法の概要を示すフローチャートである。まず、画像入力手段1から美術品の原物の画像データ(現存画像データ)を入力する(ステップS1)。具体的には、原物をデジタルカメラで撮影し、撮影した画像をデジタルデータ化して入力する。その際、通常のカメラは色調をRGB表色系のデータとして採取するため、本発明ではこれをさらにL*a*b*表色系に変換する。入力された画像は現時点での画像すなわち現存画像として磁気ディスク等の記憶装置に格納する。続いて、素材データ入力手段2から原物の素材データを入力する(ステップS2)。例えば、絵画の場合、使用された用紙の種類、インキの種類が入力される。さらに続いて環境データ入力手段9から環境データを入力する(ステップS3)。この状態で、利用者は時系列データ入力手段3から、原物の現時での経時年数(詳細不明な場合、推定値)と、その状態を確認したいときに対応する時系列データを入力する(ステップS4)。例えば、作成後90年経過した絵画につき、過去に遡及してその絵画の作成当時の状態を知りたいのであれば、現時点での経過年数t=90年、およびその作成年月t=0年を時系列データとして入力する。
【0015】
時系列データが入力されると、演算制御装置5は、素材データ入力手段2により入力された素材の入力された環境下に対応する経時特性を抽出し、抽出した経時特性のうち、入力された時系列データで特定される経時変化値を抽出する(ステップS5)。例えば、経時特性としては、図2、3に示したように、素材の組合せに対応したテーブルもしくはグラフが抽出される。さらに、経過時間で特定することにより経時変化値(本実施形態では、L*a*b*に関する値)が抽出されることになる。本実施形態では、このL*a*b*をそのまま抽出するのではなく、時間の経過による変化の度合い、すなわち、塗った時点のL*a*b*の各々の値を1としたときの比率を経時変化値として抽出する。上述のように作成当時の状態を確認するため作成年月が指定された場合には、経時変化値であるL*a*b*の比率は共に1として抽出されることになる。
【0016】
続いて、現存画像データの各画素のL*a*b*値を表示装置に出力するために適切な表色系のデータに変換する。CRT(陰極線管)、LCD(液晶表示装置)等の表示装置はRGB値で画像信号を処理し、表示するため、L*a*b*値をRGB値に変換してやる必要がある。L*a*b*とR・G・Bとの変換は周知の変換式により変換することができるので、ここでは詳細な説明は省略する。変換された画像データは記憶装置に収納される。これによって、現存画像を表示するための画像データが用意される。これに加えてさらに、各画素のL*a*b*値を作成時のL*a*b*値に変換する。これは、現存画像の作成時からの日本の標準的室内環境下における経過年数t=90年における変化比率を経時特性データベース4から抽出し、その値で除することにより算出される。例えば、t=90年におけるL*a*b*の各値がt=0年における各値の0.95、0.88、0.92になるのであれば、現時点でのL*a*b*がL*(90)、a*(90)、b*(90)である場合に、作成時のL*a*b*は、L*(0)=L*(90)/0.95、a*(0)=a*(90)/0.88、b*(0)=b*(90)/0.92、として求められる。さらに、算出されたL*a*b*をRGBに変換することにより作成当時の色に対応する画素値が得られることになる(ステップS6)。このような処理を現存画像の全画素について同様に行うことにより、指定された年代の画像、すなわち経時画像が得られる。経時画像は記憶装置に収納される。
【0017】
得られた経時画像は、画像表示手段6、画像印刷手段7、画像データ出力手段8により出力される(ステップS7)。時間の経過に伴う画像の変化の様子をシミュレーションするには、年代等の時系列データ(要するに何時の画像を見たいか)を時系列データ入力手段3により変化させて演算制御装置5に経時画像作成の実行処理を行わせる。このようにして年代を順次変更していくことにより次々にその年代に対応した経時画像を確認することができる。なお、素材および保存(展示)環境が現物と全く同等の場合の経時特性データが、経時特性データベース4中に存在しない場合は、厳密な画像の経時変化シミュレーションはできない。ただし、多少の誤差を許容して概略を知りたいのであれば、現物の素材および環境に一番近い素材および環境の経時特性データを適用することで概略のシミュレーションは可能である。
【0018】
上記の例では、確認したい年代として作成時を指定したが、作成時以外の指定を行うこともできる。作成時以外の指定を行った場合、指定した年代が現代より過去か未来かで異なる。まず、過去の場合について説明する。例えば、日本の標準的室内環境下に保存された絵画が存在し、作成時から現在までに90年経過しているとする。この絵画の現在から40年前(作成後50年後)の画像を再現するものとする。この場合、まず、その指定された年代t=50年のL*a*b*値を以下のように求める。作成時(t=0年)、現在(t=90年)、40年前(t=50年)における各画素のL*a*b*値を各々L*(0)、a*(0)、b*(0)、L*(90)、a*(90)、b*(90)、L*(50)、a*(50)、b*(50)とする。まず、現存画像の年代のL*a*b*値の作成時からの変化比率L*(90)/L*(0)、a*(90)/a*(0)、b*(90)/b*(0)および指定年代のL*a*b*値の作成時からの変化比率L*(50)/L*(0)、a*(50)/a*(0)、b*(50)/b*(0)を経時特性データベース4から抽出すると共に、指定年代の変化比率の現在の変化比率に対する比率{(L*(50)/L*(0))/(L*(90)/L*(0))}、{(a*(50)/a*(0))/(a*(90)/a*(0))}、{(b*(50)/b*(0))/(b*(90)/b*(0))}を求める。この比率に現存画像の年代のL*a*b*値を乗ずることにより、指定年代(t=50年)の画素のL*a*b*がL*(50)=L*(90)×{(L*(50)/L*(0))/(L*(90)/L*(0))}、a*(50)=a*(90)×{(a*(50)/a*(0))/(a*(90)/a*(0))}、b*(50)=b*(90)×{(b*(50)/b*(0))/(b*(90)/b*(0))}として算出される。これをさらに、RGBに変換することにより、指定年代当時の色と推定される画素が得られる。これを全画素について行い、得られたデータを記憶装置に収納する。
【0019】
一方、将来、原物がどのような状態になるかを確認するためには、未来の年代を指定することになる。この場合、過去の年代が指定された場合と同様に、処理を行う。
【0020】
(3.応用例)
次に、上記シミュレーションシステムを利用した応用例について説明する。本システムは、年代(過去あるいは未来)を指定して、その年代を想定した画像をシミュレーション再現し、確認することができる。そのため、上述のように作成当時を指定すれば作成当時の画像が得られ、この画像データを用いて、経時特性データベースを作成するのに使用された用紙、インキを用いれば、作成当時の原物(厳密には同等のもの)と同等の色調でかつ以降の経時変化も同等のものが復元されることになる。すなわち、文化財、骨董品等の美術品の復元に利用することができる。なお、経時特性データベース作成時に使用したものと別種の用紙およびインキを用いても、シミュレーションで得られたL*a*b*値と同じ値の用紙およびインキの組合せを調色すれば、やはり作成当時と同等の原物が再現できる。ただし、この場合は素材の経時特性が異なるため、再現以降の経時変化は本物とは異なるものになる。また、未来の年代を指定することにより将来の状態を予測した画像を得ることができる。このような特徴を利用して、例えば、上記シミュレーションシステムを利用して、顧客に対して指定年代に応じた状態の原物を渡すサービスを行うこともできる。この場合、顧客から原物を受け取り、それを撮影してデジタル化した後、現存画像データとして画像入力手段1より入力する。続いて、素材データ、保存されるべき環境の環境データ、顧客からの指定年代を時系列データとして入力することにより、指定された年代の状態を想定した経時画像が得られる。この経時画像を出力して印刷物として出力したものを顧客に製品として渡すことになる。製品として特に量産する場合には、プリンタ等の画像印刷手段7ではなく画像データ出力手段8から画像データを出力し、この画像データを用いて製版を行い、グラビア多色刷輪転印刷機等の本格的な印刷機により印刷を行う。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、原物を撮影することにより得られた現存画像を入力し、原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータ、保存環境に関するデータを入力し、時間的情報を特定する時系列データを入力し、該当環境下における時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、入力された素材データおよび時系列データに従って現存画像の各画素の値を変化させることにより経時画像を得た後、この経時画像を出力するようにしたので、時間の経過に伴う原物の変化の状態を画像で確認することが可能となるという効果を奏する。さらに、文化財、骨董品等の美術品に対して、本発明を適用することにより美術品の作成当時の状態を復元することが可能となるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る経時変化シミュレーションシステムのシステム構成図である。
【図2】経時特性データベース4に記録された経時特性を示すテーブルである。
【図3】経時特性データベース4に記録された経時特性を示すグラフである。
【図4】本発明に係る経時変化シミュレーション方法の概要を示すフローチャートである。
【図5】色調の経時変化を、実測試験データ、促進試験データおよび推測データについてプロットしたグラフである。
【符号の説明】
1・・・画像入力手段
2・・・素材データ入力手段
3・・・時系列データ入力手段
4・・・経時特性データベース
5・・・演算制御装置
6・・・画像表示手段
7・・・画像印刷手段
8・・・画像データ出力手段
9・・・環境データ入力手段
【産業上の利用分野】
本発明は、時間の経過による物体一般、中でも、特に美術品の過去あるいは未来の外観の変化の様子をシミュレーションするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
絵画、骨董品等の美術品は、貴重な資産であり、重要文化財として美術館などで厳重に管理されている。このような美術品等の管理は、その劣化が無いように、様々な工夫が行われているが、年月の経過による劣化は避けられないものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特に重要な文化財級の美術品については、劣化した絵画を復元する作業が行われる。例えば絵画であれば、作成当時の過去の色を想定して、プロの画家が絵の具と筆を用いてていねいに修復していく。しかしながら、作成当時の色がどのようなものであったかを想定するには、大変な困難さを伴っているのが実情である。また、文化財の未来(将来)における劣化の様子を事前に知ることができれば、いつ頃まで閲覧に耐え得るのか、いつ頃修復をすれば、最も費用を安く抑えることができるか等を判断することができる。
【0004】
上記のような点に鑑み、本発明は、絵画等の原物の作成当時の状態もしくは将来の状態を表現することが可能な経時変化シミュレーション方法およびシステムを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、原物を撮影することにより得られた現存画像を入力する画像入力段階、前記原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータを入力する素材データ入力段階、前記原物が保存されていた環境に関するデータを入力する環境データ入力段階、経時変化した画像の確認を希望する、原物の作成時から経時した時間を特定する時系列データを入力する時系列データ入力段階、時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、前記入力された素材データ、環境データおよび時系列データに従って前記入力された現存画像の各画素の値を演算して変化させることにより前記入力された時点における経時画像を得る画像作成段階、前記画像作成段階により得られた経時画像を出力する画像出力段階を実行するようにしたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、絵画等の美術品の原物に使用されている素材の所定環境下における時間の経過による経時特性をデータベース化しておき、原物を撮影した現存画像、素材データと環境データを入力し、時系列データを設定することにより、設定された時における変化の状態に基づく画像を作成するようにしたので、時間の経過に伴う原物の変化の状態を画像で確認することが可能となる。また、美術品の中でも文化財等の骨董品に対して、本発明を適用することにより骨董品の作成当時の状態を画像で再現したり、さらに該再現画像を基に作成当時と同様の外観の骨董品を複製乃至復元することが可能となる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。(1.システム構成)
図1は、本発明係る経時変化シミュレーションシステムの一実施形態によるシステム構成図である。図1において、1は画像入力手段、2は素材データ入力手段、3は時系列データ入力手段、4は経時特性データベース、5は演算制御装置、6は画像表示手段、7は画像印刷手段、8は画像データ出力手段、9は環境データ入力手段である。
【0008】
図1において、画像入力手段1は、原物の外観を画像として入力する機能を有しており、具体的には、デジタルカメラ、スキャナー等、原物を光学的に撮影した後デジタルデータとして入力することが可能な機器で実現される。なお、画像入力手段1により入力される画像は、現在の原物の外観の状態を示したものであるので現存画像と呼ぶことにする。ここで、原物としては、例えば、絵画、屏風、襖絵、壁画、天井画等がある。素材データ入力手段2は、原物の作成に用いられた素材に関する情報である素材データを入力する機能を有しており、具体的には、1つの原物に対する素材データファイルを記録した記録媒体および記録媒体の読取装置により実現される。素材データは、各原物に対応づけてあらかじめ素材データファイルの形式で記録されているのが普通であるが、システムに直接入力する場合には、マウスやキーボード等の入力機器を用いて直接入力することもできる。なお、素材データとしては、絵画の場合であれば、インキ(乃至絵具)のバインダー樹脂と顔料の種類と配合比、画材の材質(如何なるパルプと填料からなる紙なのか)等である。時系列データ入力手段3は、原物の現時点での経過年数及びシミュレーションにより原物の状態を知りたい時間的情報、すなわち「いつ」の状態を知りたいかという時系列情報を入力する機能を有している。実際には、数値データの入力および指定が対話的に可能なマウス、キーボード等の入力機器で実現される。なお、時間的情報としては、未来、過去いずれでも良い。変褪色した画像の復元であれば、過去の時間となるし、画像の将来の変化の予測であれば、未来の時間となる。経時特性データベース4は、原物の作成に利用されている各素材の経時特性(通常は時間の経過により劣化するので、劣化特性と言い換えることもできる)を記録したデータベースである。詳細は後述する。
【0009】
演算制御装置5は、本発明の中心的な役割を有する画像作成手段としての機能を有すると共に、各手段の制御、その他必要な演算処理を行うものであり、現実には、コンピュータのCPU、メモリ、およびメモリに読込まれて起動される種々のプログラムにより実現される。本発明において、演算制御装置5は、入力された素材データ、環境データ、及び時系列データに従って現存画像の各画素の値を変化させることにより経時画像を得る画像作成手段として機能する。なお、本発明において経時画像とは、現存画像を基に画像データの値を変化させて得られる、現在とは異なる時間(時刻)における画像を推定し再現したもののことである。そして、ここで「経時」とは、現在から未来に向かって時間が経つ狭義の「経時」以外に現在から過去に向かって時を遡る「遡及」も包含する広義のものとして用いる。画像表示手段6は、演算制御装置5により作成された経時画像を表示する機能を有しており、現実には陰極線管(CRT)、液晶表示装置(LCD)等の各種ディスプレイ装置により実現される。画像印刷手段7は、演算制御装置5により作成された経時画像を印刷し、ハードコピーを出力する機能を有しており、現実には、インキジェット、昇華転写等の方式を用いたカラープリンタ等が適用される。画像データ出力手段8は、演算制御装置5により作成された経時画像をデジタルの画像データとして出力する機能を有しており、現実にはデジタルデータの記録媒体、および記録媒体にデジタルデータを記録する記録媒体への書込み装置で実現される。画像表示手段6、画像印刷手段7、画像データ出力手段8は、いずれも画像作成手段により作成された経時画像データを所定の形式で出力するので、総称して画像出力手段という捉え方もできる。環境データ入力手段9は、原物が置かれている乃至は曝されている環境のうち、特に、画像データの経時変化に寄与する環境要因の程度を特定するデータ(環境データ)を入力する手段であり、具体的には、環境データのデータファイルを記録した記録媒体及びその読取装置の形式でも良いし、あるいはキーボード、マウス等から直接入力する形式でも良い。通常、環境データとしては、原物周辺雰囲気の温度及び湿度、及び原物に曝露される日光、電燈等の光の種類(スペクトル)及び強度である。そして、画像データの経時変化は、時間的情報及び環境データの関数となる。またシミュレーションすべき環境データが事実上一定の場合(例えば、常に同じ地域の標準的な室内環境下でのシミュレーションのみすれば良い場合等)には、経時特性データベース内に、あらかじめ、その一定の環境下において測定されたデータに基づく、経時特性データのみ入力し、この環境データ入力手段9を省略することもできる。
【0010】
ここで、経時特性データベース4に記録された素材データの経時特性について説明する。経時特性データベース4には、原物を作成するために使用されている素材の各種環境データ下における時間の経過に伴う経時特性が記録されている。ただし、シミュレーションすべき環境が常に一定の場合は、一種類の環境データ下の経時特性のみで良い。例えば、絵画の日本の標準的室内環境下におけるシミュレーションの場合は、素材は、原紙、画材(絵具、インキ等)となる。そのため、経時特性データとしては、原紙、画材(絵具、インキ等)の日本の標準的室内環境下において採取した画像データ変化の平均データが記録される。経時特性を測る指標としては、マンセル表色系による明度、色相、彩度(H、V、C)、国際照明委員会(CIE)規定のL*a*b*、CIE規定のL*u*v*、ハンターのLab、等の表色系、スペクトル三刺激値(X、Y、ZあるいはR、G、B)、色度値(x=X/(X+Y+Z)、y=Y/(X+Y+Z)、Y)、ただしX、Y、Zはスペクトル三刺激値、光沢度、曇価(ヘイズ)、あるいはこれらの組合せ、例えば、L*a*b*と光沢度の組合せ等、素材に応じて様々なものを適用することができるが、本実施形態では、国際照明委員会(CIE)規定のL*a*b*を適用している。このうち、 素材データの経時変化に伴うL*a*b*のデータ採取は、所定の時間単位で定期的に計測によって得た実測データと、促進試験で経時変化を加速した促進データとを併用して行う。例えば、用紙A上にインキaを塗った試験片Pの、該試験片における表面のインキaのL*a*b*を塗った時点で測定すると共に、日本の標準的室内環境下に置き、以後1ヶ月単位で測定し、1年間(365日間)測定値と日付の関係を記録していく。このようにして多数の素材に対する時間(日数)の経過に伴うL*a*b*の変化が記録されることになる。もちろん、1ヶ月単位でなく、1週間単位・1日単位・1時間単位という具合に、測定および記録単位はいくらでも細かくすることができる。ただし、細かく測定、記録を行うにはそれだけ作業負荷がかかるため、シミュレーションする時間的長さの必要性および素材の特性に応じて行えば良い。また、変褪色は環境データに依存するため、環境データも同時に記録する。通常、環境データとしては、温度、湿度、日光の照度と日照時間、照明光の種類と照明時間である。以上が実測試験で得られる経時特性である。実測試験データのみを用いてシミュレーションの基礎となる経時特性データベースとしても良い。しかし、一般に美術品の画像の経時変化は、数十年、数百年、あるいは数千年もの長期の時間的スケールの変化を問題にすることが多い。そのため、実測試験のみで経時特性データベースのすべてをまかなうことは難しい。そこで、本実施形態では、実測試験データに加えて促進試験データも併用する。
【0011】
促進試験は実測試験と並行して実測試験で用いたものと同じ試験片を、カーボンアーク燈型フェードメータ(耐光性促進試験機、光による変褪色を促進する)中に置き、例えば、10時間単位で変褪色の促進劣化試験を継続して、試験時間経過に対応する試験片の表色系L*a*b*の変化を測定記録する。次に、実測試験データと促進試験データとを対比させて促進倍率を求め、促進試験データが実測試験データのいずれの時間に対応するかを確定する。例えば、図5は試験片Pの経過年数tを横軸(ただし、対数目盛log10tで表示)、各年数における表色系データa*(t)とした座標系に試験片の表色系の時変化データa*(t)を実測試験、促進試験の各々についてプロットし、ここから促進倍率を求め、さらにそれを元に実測試験未実施の時間領域にまで推測により表色系データを外挿したものを示す。なお、便宜上a*(t)を、実測試験における表色系データa* w(t)、促進試験における表色系データa* a(t)、およびそれらを基に推測して求めた推測データa* s(t)として区別して表示する。
【0012】
図5において、実測試験データa* w(t)(図中黒丸●のプロットおよび実線で示す)は最大t=3年まで採られている。また、促進試験データa* a(t)(図中白丸○のプロットおよび実線で示す)は最大t=1年まで採られている。ここで、0.01年(=3.65日=88時間)における促進試験データが1年における実測試験データと同じ値となっている。すなわち、a* a(0.01)=a* w(1)である。従って、この場合、促進試験の促進倍率は100倍と求められる。すると、t=t0における促進データは、t=100t0における実測データに相当する。すなわち、a* a(t0)=a* w(100t0)である。この対応関係から実測試験データが未採取のt≧3年以降の経時特性データを外挿する。これが、推測データa* s(t)(t≧3年)である(図中×印のプロットおよび点線で示す)。促進試験データはt=1年まで求められているため、最大t=100年までの推測データを得る。結局、実測試験データa* w(t)(0≦t≦3)および推測データa* s(t)(3<t≦100)を接続することにより、0年≦t≦100年にわたる経時特性データが求められる。表色系の他の成分b*L*についても同様である。
【0013】
上記のようにして得られた、経時特性データベース4に記録される情報の一例を図2に示す。図2の例は、用紙Aにインキaを塗った試験片を日本の標準的室内に置いた場合の表色系L*a*b*の値の経時特性を記録したテーブルである。図に示すように、このテーブルには年単位の測定値が記録されている。この測定値を経過年数に対応してプロットすることによりグラフ化したものを図3に示す。このようなテーブルもしくはグラフを経時特性データベース4内に用意しておけば、経過時間で参照することにより、対応する表色系データ(色調)が得られることになる。このテーブルおよびグラフは測定値をそのまま記録しておいても良いが、本実施形態においては、作成当時の測定値との比率が必要となるため、あらかじめ比率を算出したテーブルおよびグラフとして用意しておいても良い。
【0014】
(2.処理の流れ)
次に、本発明に係る経時変化シミュレーション方法について、図1に示した経時変化シミュレーションシステムの処理動作と共に説明する。図2は、経時変化シミュレーション方法の概要を示すフローチャートである。まず、画像入力手段1から美術品の原物の画像データ(現存画像データ)を入力する(ステップS1)。具体的には、原物をデジタルカメラで撮影し、撮影した画像をデジタルデータ化して入力する。その際、通常のカメラは色調をRGB表色系のデータとして採取するため、本発明ではこれをさらにL*a*b*表色系に変換する。入力された画像は現時点での画像すなわち現存画像として磁気ディスク等の記憶装置に格納する。続いて、素材データ入力手段2から原物の素材データを入力する(ステップS2)。例えば、絵画の場合、使用された用紙の種類、インキの種類が入力される。さらに続いて環境データ入力手段9から環境データを入力する(ステップS3)。この状態で、利用者は時系列データ入力手段3から、原物の現時での経時年数(詳細不明な場合、推定値)と、その状態を確認したいときに対応する時系列データを入力する(ステップS4)。例えば、作成後90年経過した絵画につき、過去に遡及してその絵画の作成当時の状態を知りたいのであれば、現時点での経過年数t=90年、およびその作成年月t=0年を時系列データとして入力する。
【0015】
時系列データが入力されると、演算制御装置5は、素材データ入力手段2により入力された素材の入力された環境下に対応する経時特性を抽出し、抽出した経時特性のうち、入力された時系列データで特定される経時変化値を抽出する(ステップS5)。例えば、経時特性としては、図2、3に示したように、素材の組合せに対応したテーブルもしくはグラフが抽出される。さらに、経過時間で特定することにより経時変化値(本実施形態では、L*a*b*に関する値)が抽出されることになる。本実施形態では、このL*a*b*をそのまま抽出するのではなく、時間の経過による変化の度合い、すなわち、塗った時点のL*a*b*の各々の値を1としたときの比率を経時変化値として抽出する。上述のように作成当時の状態を確認するため作成年月が指定された場合には、経時変化値であるL*a*b*の比率は共に1として抽出されることになる。
【0016】
続いて、現存画像データの各画素のL*a*b*値を表示装置に出力するために適切な表色系のデータに変換する。CRT(陰極線管)、LCD(液晶表示装置)等の表示装置はRGB値で画像信号を処理し、表示するため、L*a*b*値をRGB値に変換してやる必要がある。L*a*b*とR・G・Bとの変換は周知の変換式により変換することができるので、ここでは詳細な説明は省略する。変換された画像データは記憶装置に収納される。これによって、現存画像を表示するための画像データが用意される。これに加えてさらに、各画素のL*a*b*値を作成時のL*a*b*値に変換する。これは、現存画像の作成時からの日本の標準的室内環境下における経過年数t=90年における変化比率を経時特性データベース4から抽出し、その値で除することにより算出される。例えば、t=90年におけるL*a*b*の各値がt=0年における各値の0.95、0.88、0.92になるのであれば、現時点でのL*a*b*がL*(90)、a*(90)、b*(90)である場合に、作成時のL*a*b*は、L*(0)=L*(90)/0.95、a*(0)=a*(90)/0.88、b*(0)=b*(90)/0.92、として求められる。さらに、算出されたL*a*b*をRGBに変換することにより作成当時の色に対応する画素値が得られることになる(ステップS6)。このような処理を現存画像の全画素について同様に行うことにより、指定された年代の画像、すなわち経時画像が得られる。経時画像は記憶装置に収納される。
【0017】
得られた経時画像は、画像表示手段6、画像印刷手段7、画像データ出力手段8により出力される(ステップS7)。時間の経過に伴う画像の変化の様子をシミュレーションするには、年代等の時系列データ(要するに何時の画像を見たいか)を時系列データ入力手段3により変化させて演算制御装置5に経時画像作成の実行処理を行わせる。このようにして年代を順次変更していくことにより次々にその年代に対応した経時画像を確認することができる。なお、素材および保存(展示)環境が現物と全く同等の場合の経時特性データが、経時特性データベース4中に存在しない場合は、厳密な画像の経時変化シミュレーションはできない。ただし、多少の誤差を許容して概略を知りたいのであれば、現物の素材および環境に一番近い素材および環境の経時特性データを適用することで概略のシミュレーションは可能である。
【0018】
上記の例では、確認したい年代として作成時を指定したが、作成時以外の指定を行うこともできる。作成時以外の指定を行った場合、指定した年代が現代より過去か未来かで異なる。まず、過去の場合について説明する。例えば、日本の標準的室内環境下に保存された絵画が存在し、作成時から現在までに90年経過しているとする。この絵画の現在から40年前(作成後50年後)の画像を再現するものとする。この場合、まず、その指定された年代t=50年のL*a*b*値を以下のように求める。作成時(t=0年)、現在(t=90年)、40年前(t=50年)における各画素のL*a*b*値を各々L*(0)、a*(0)、b*(0)、L*(90)、a*(90)、b*(90)、L*(50)、a*(50)、b*(50)とする。まず、現存画像の年代のL*a*b*値の作成時からの変化比率L*(90)/L*(0)、a*(90)/a*(0)、b*(90)/b*(0)および指定年代のL*a*b*値の作成時からの変化比率L*(50)/L*(0)、a*(50)/a*(0)、b*(50)/b*(0)を経時特性データベース4から抽出すると共に、指定年代の変化比率の現在の変化比率に対する比率{(L*(50)/L*(0))/(L*(90)/L*(0))}、{(a*(50)/a*(0))/(a*(90)/a*(0))}、{(b*(50)/b*(0))/(b*(90)/b*(0))}を求める。この比率に現存画像の年代のL*a*b*値を乗ずることにより、指定年代(t=50年)の画素のL*a*b*がL*(50)=L*(90)×{(L*(50)/L*(0))/(L*(90)/L*(0))}、a*(50)=a*(90)×{(a*(50)/a*(0))/(a*(90)/a*(0))}、b*(50)=b*(90)×{(b*(50)/b*(0))/(b*(90)/b*(0))}として算出される。これをさらに、RGBに変換することにより、指定年代当時の色と推定される画素が得られる。これを全画素について行い、得られたデータを記憶装置に収納する。
【0019】
一方、将来、原物がどのような状態になるかを確認するためには、未来の年代を指定することになる。この場合、過去の年代が指定された場合と同様に、処理を行う。
【0020】
(3.応用例)
次に、上記シミュレーションシステムを利用した応用例について説明する。本システムは、年代(過去あるいは未来)を指定して、その年代を想定した画像をシミュレーション再現し、確認することができる。そのため、上述のように作成当時を指定すれば作成当時の画像が得られ、この画像データを用いて、経時特性データベースを作成するのに使用された用紙、インキを用いれば、作成当時の原物(厳密には同等のもの)と同等の色調でかつ以降の経時変化も同等のものが復元されることになる。すなわち、文化財、骨董品等の美術品の復元に利用することができる。なお、経時特性データベース作成時に使用したものと別種の用紙およびインキを用いても、シミュレーションで得られたL*a*b*値と同じ値の用紙およびインキの組合せを調色すれば、やはり作成当時と同等の原物が再現できる。ただし、この場合は素材の経時特性が異なるため、再現以降の経時変化は本物とは異なるものになる。また、未来の年代を指定することにより将来の状態を予測した画像を得ることができる。このような特徴を利用して、例えば、上記シミュレーションシステムを利用して、顧客に対して指定年代に応じた状態の原物を渡すサービスを行うこともできる。この場合、顧客から原物を受け取り、それを撮影してデジタル化した後、現存画像データとして画像入力手段1より入力する。続いて、素材データ、保存されるべき環境の環境データ、顧客からの指定年代を時系列データとして入力することにより、指定された年代の状態を想定した経時画像が得られる。この経時画像を出力して印刷物として出力したものを顧客に製品として渡すことになる。製品として特に量産する場合には、プリンタ等の画像印刷手段7ではなく画像データ出力手段8から画像データを出力し、この画像データを用いて製版を行い、グラビア多色刷輪転印刷機等の本格的な印刷機により印刷を行う。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、原物を撮影することにより得られた現存画像を入力し、原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータ、保存環境に関するデータを入力し、時間的情報を特定する時系列データを入力し、該当環境下における時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、入力された素材データおよび時系列データに従って現存画像の各画素の値を変化させることにより経時画像を得た後、この経時画像を出力するようにしたので、時間の経過に伴う原物の変化の状態を画像で確認することが可能となるという効果を奏する。さらに、文化財、骨董品等の美術品に対して、本発明を適用することにより美術品の作成当時の状態を復元することが可能となるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る経時変化シミュレーションシステムのシステム構成図である。
【図2】経時特性データベース4に記録された経時特性を示すテーブルである。
【図3】経時特性データベース4に記録された経時特性を示すグラフである。
【図4】本発明に係る経時変化シミュレーション方法の概要を示すフローチャートである。
【図5】色調の経時変化を、実測試験データ、促進試験データおよび推測データについてプロットしたグラフである。
【符号の説明】
1・・・画像入力手段
2・・・素材データ入力手段
3・・・時系列データ入力手段
4・・・経時特性データベース
5・・・演算制御装置
6・・・画像表示手段
7・・・画像印刷手段
8・・・画像データ出力手段
9・・・環境データ入力手段
Claims (4)
- 原物を撮影することにより得られた現存画像を入力する画像入力段階と、
前記原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータを入力する素材データ入力段階と、
前記原物が保存されていた環境に関するデータを入力する環境データ入力段階と、
経時変化した画像の確認を希望する、原物の作成時から経時した時間を特定する時系列データを入力する時系列データ入力段階と、
時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、前記入力された素材データ、環境データ、及び時系列データに従って前記入力された現存画像の各画素の値を演算して変化させることにより前記入力された時点における経時画像を得る画像作成段階と、
前記画像作成段階により得られた経時画像を出力する画像出力段階と、
を有することを特徴とする経時変化シミュレーション方法。 - 原物を撮影することにより得られた現存画像を入力する画像入力手段と、
前記原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータを入力する素材データ入力手段と、
前記原物が保存されていた環境に関するデータを入力する環境データ入力手段と、
経時変化した画像の確認を希望する、原物の作成時から経時した時間を特定する時系列データを入力する時系列データ入力手段と、
時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースと、
前記素材データ、環境データ、及び時系列データに従って前記入力された現存画像の各画素の値を演算して変化させることにより前記入力された時点における経時画像を得る画像作成手段と、
前記画像作成手段により得られた経時画像を出力する画像出力手段と、
を有することを特徴とする経時変化シミュレーションシステム。 - 文化財・骨董品等の美術品を復元する方法であって、
美術品を撮影することにより得られた現存画像を入力する画像入力段階と、
前記美術品の作成に用いられた素材に関するデータを入力する素材データ入力段階と、
前記美術品が保存されていた環境に関するデータを入力する環境データ入力段階と、
前記美術品の作成時点である時間的情報を特定する時系列データを入力する時系列データ入力段階と、
時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、前記入力された素材データ、環境データおよび時系列データに従って前記入力された現存画像の各画素の値を演算して変化させることにより美術品作成時点における画像を得る画像作成段階と、
前記画像作成段階により得られた画像を印刷物として出力する画像出力段階と、
を有することを特徴とする美術品の復元方法。 - コンピュータに、原物を撮影することにより得られた現存画像を入力する画像入力段階、前記原物の作成に用いられた種々の素材に関するデータを入力する素材データ入力段階、前記原物が保存されていた環境に関するデータを入力する環境データ入力段階、経時変化した画像の確認を希望する、原物の作成時から経時した時間を特定する時系列データを入力する時系列データ入力段階、時間の経過に伴う素材の変化の特性を記録した経時特性データベースを参照して、前記入力された素材データ、環境データおよび時系列データに従って前記入力された現存画像の各画素の値を演算して変化させることにより前記入力された時点における経時画像を得る画像作成段階、前記画像作成段階により得られた経時画像を出力する画像出力段階を実行させるためのプログラム。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050811 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080520 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080925 |