JP2004078023A - フォトマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マスク上のパターン精度をデバイスパターン形成領域内で直接測定することにより、デバイスパターン形成領域内のマスク精度を直接保証することを目的とする。
【解決手段】フォトマスクのデバイスパターン形成領域の遮光膜に、遮光膜表面での光線又は電子線の反射特性が変化する境界を持つ表面パターンをマスク位置精度測定専用パターンとして複数配置しておく。一実施例によれば、その表面パターンは、デバイスパターン形成領域の遮光膜の表面に、例えば、浅い段差などを設けることにより、光線又は電子線の反射が周囲と異なるようにしておくことによって、容易に実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】フォトマスクのデバイスパターン形成領域の遮光膜に、遮光膜表面での光線又は電子線の反射特性が変化する境界を持つ表面パターンをマスク位置精度測定専用パターンとして複数配置しておく。一実施例によれば、その表面パターンは、デバイスパターン形成領域の遮光膜の表面に、例えば、浅い段差などを設けることにより、光線又は電子線の反射が周囲と異なるようにしておくことによって、容易に実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路、液晶表示装置、磁気ヘッドデバイス、マイクロマシーン等の微細加工に用いられるフォトマスクに関する、特に、縮小投影露光の原版であるフォトマスク(レチクル)に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造に使用されるフォトマスク(レチクル)は、透明石英ガラス基板の主面上に遮光膜であるクロム(Cr)膜がパターニングされてできている。従来、マスク上の精度測定パターンは、デバイスパターン配置の制約、設計ルールの制約等により、デバイスパターン形成領域外に設けられている。従って、その場合のデバイス領域内の精度は、間接的にモニタリングし保証しているに過ぎず、必ずしも正確とは言えない。 特に近年、パターンの微細化が進み、マスク上のパターンに関して、従来問題にならなかった程度の微小な位置ずれが問題になっきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
マスク上のパターン精度をデバイスパターン形成領域内で直接測定することにより、デバイスパターン形成領域内のマスク精度を直接保証することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概念を簡単に説明すると、以下の通りである。
フォトマスクのデバイスパターン形成領域の遮光膜に、遮光膜表面での光線又は電子線の反射特性が変化する境界を持つ表面パターンをマスク位置精度測定専用パターン(以下、マスク測定用パターン)として複数配置しておく。その表面は、デバイスパターン形成領域の遮光膜の表面に、例えば、段差などを設けることにより、光線又は電子線の反射が周囲と異なるようにしておくことによって、容易に実現できる。又、マスク作成の際に、デバイスパターンとマスク測定用パターンのフォトレジスト膜への描画は、マスク基板に対する共通の位置合わせ操作の基に行なう。表面パターンは、遮光膜の表面での反射光によっては検知されるが、フォトマスクの透過光には現れないパターンである。
【0005】
【発明の実施の形態】
実施例
図1(A)と図1(B)は、本発明の実施例によるフォトマスクの上面及びX−X’での断面の各概念図である。
図1(A)において、1はフォトマスク、10はマスク測定用パターン、11はデバイスパターンであり、図1(B)において、2が透明石英ガラス基板、3が遮光膜であり、この遮光膜に、マスク測定用パターンの非貫通部18とデバイスパターンの貫通部19とが形成されている。遮光膜は、主に膜厚70nmのクロム膜と、その主面上に膜厚25nmの酸化クロム膜が形成されており、非貫通パターンでは、遮光膜の膜表面から10nm程度の段差が形成されている。段差10nmは酸化クロム膜中に形成されており、ウェーハの露光波長(例えば、λ=248nm)で、デバイスパターンのウェーハ転写を行う場合において、非貫通パターンに対しては遮光膜の遮光性は充分である。マスク測定用パターンは巾2.0μm、長さ10μmのL字パターンである。10nmの段差で形成されたパターンは市販の位置精度測定装置(例えば、Leica:LMS−IPRO)において十分パターンとして認識可能であり、容易に測定できる。
【0006】
図2(A)と図2(B)は、本発明の実施例によるデバイスパターン描画データ及びマスク測定用パターン描画データの各概念図である。
図2(A)の100はデバイスパターン13の描画データの電子データファイルであり、図2(B)の200はマスク測定用パターン12の描画データの電子データファイルを示しており、これらの2ファイルを重ねて描画することにより、図1(A)で示されたCr膜を遮光膜としたフォトマスクが作製される。デバイスパターンとマスク測定用パターンの描画は、マスク基板上の未露光フォトレジスト膜に対する共通の位置合わせ操作の基に行なうので、デバイスパターンとマスク測定用パターンの間での相対的な位置ずれは発生しない。
【0007】
図3(A)から図3(D)までは、本発明の実施例によるフォトマスクの工程断面図である。
図3(A)において、遮光膜3上にポジのフォトレジスト膜4を塗布し、デバイスパターンデータは通常のパターン形成に必要なDoseで描画し、マスク測定用パターンデータは通常の70%のDoseで描画することにより、各々の潜像15と14をフォトレジスト膜中に形成する。
【0008】
図3(B)において、現像後のフォトレジスト膜には、デバイスパターン領域のみに貫通部17が、又、マスク測定用パターン領域に非貫通部16が形成される。非貫通部16のレジスト残膜厚は約100nmである。
図4(C)において、この状態で異方性のDry Etchingを行い,デバイスパターン領域の遮光膜に貫通部19を、又、マスク測定用パターン領域に非貫通部18を転写する。このときDry Etchingでの遮光膜/レジスト膜の選択比は約0.9〜1.0程度であり、未露光部のレジスト残膜量は400nmである。
【0009】
図4(D)において、未露光部のレジスト膜を剥離すると、貫通部19を有するデバイスパターンと非貫通部18を有するマスク測定用パターンの形成されたフォトマスクが完成する。
図1(A)に示されたL字パターン10は、マスクの位置精度測定機で測定され、デバイス領域内での位置精度が保証される。これらL字パターンはデバイス領域内のデバイスパターン部以外の空き領域に自由に形成することが可能なため、層間の重ね合わせを重視するようなデバイスパターンの近傍に数多く配置することで、より厳密な位置精度保証が可能となる。
【0010】
本実施例では、マスク測定用パターンであるL字パターンの非貫通部18は、凹部になっているが、凸部であっても良い。凸部にしたければ、マスク測定用パターンの描画データの電子データファイル200において、白黒を反転しただけで、その他のプロセス工程は、実施例と全く同一に行うことによって、断面が凸状のL字パターンが得られる。又、L字パターンの内外のいずれかの表面が、粗面化されていても良い。要するに、L字パターンの境界において、光線又は電子線等のエネルギービームの反射特性に、測定可能な不連続が生ずるような表面であれば良い。実施例では、段差を10nmとしたが、酸化クロムの膜厚に等しくすれば、物質の違いによる光線又は電子線等の反射特性の差がより明確に現れるであろう。尚、表面パターンとして、マスク位置精度測定専用パターンについて説明してきたが、露光工程で転写されない表面パターンの技術は、例えば、半導体チップなどの製品に転写する必要のないマスクの識別情報などにも応用が可能である。
【0011】
(付記1)デバイスパターン形成領域の遮光膜表面に、該遮光膜表面でのエネルギービームの反射特性が変化する境界を持ち、且つ該エネルギービームを貫通させない表面パターンを有することを特徴とするフォトマスク。
(付記2)前記表面パターンは、マスク測定用パターン又はマスク識別用パターンであることを特徴とする付記1記載のフォトマスク。
【0012】
(付記3) 前記表面パターンは、露光工程で転写されないパターンであることを特徴とする付記1記載のフォトマスク。
(付記4)前記エネルギービームは、フォトンビーム 又はエレクトロンビームであることを特徴とする付記3記載のフォトマスク。
(付記5)前記境界で、前記遮光膜表面が幾何学的又は物質的な不連続を有することを特徴とする付記1記載のフォトマスク。
【0013】
(付記6)前記不連続が、前記遮光膜表面の段差であることを特徴とする付記5記載のフォトマスク。
(付記7)遮光膜上に形成された未露光フォトレジスト膜に対し、描画用エネルギービームのアラインメントを行う工程と、該描画用エネルギービームの照射によって、該未露光フォトレジスト膜の上部のみに浅く形成された表面パターンの潜像と、少なくとも該表面パターンの潜像よりも深部にまで形成されたデバイスパターンの潜像とを、共通して該アラインメントに基づいて描画する工程とを有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【0014】
(付記8)前記描画用エネルギービームは、フォトンビーム 又はエレクトロンビームであることを特徴とする付記7記載のフォトマスクの製造方法。
(付記9)前記デバイスパターンの潜像と前記表面パターンの潜像とを描画する前記描画用エネルギービームの各々の照射条件は互いに異なることを特徴とする付記7記載のフォトマスクの製造方法。
(付記10)前記デバイスパターンの潜像を描画する前記描画用エネルギービームのドーズ量は、前記表面パターンの潜像を描画する前記描画用エネルギービームのドーズ量より大であることを特徴とする付記9記載のフォトマスクの製造方法。
【0015】
(付記11)現像によって、前記デバイスパターンの潜像には貫通部と、一方、前記表面パターンの潜像の境界で段差を有する非貫通部とを各々有するエッチング用レジスト膜を形成する工程と、異方性エッチングにより、該エッチング用レジスト膜と該貫通部内に露出する前記遮光膜とを同時に膜厚方向にエッチングし、該貫通部内の該遮光膜を除去することにより、該遮光膜に該貫通部を転写すると共に、該非貫通部の該遮光膜には、該表面パターンの境界で該遮光膜に段差を有する非貫通部を形成する工程とを有することを特徴とする付記7記載のフォトマスクの製造方法。
【0016】
【発明の効果】
フォトマスクのデバイスパターン形成領域の遮光膜に、露光工程で転写されないマスク測定用パターンを複数配置しておき、マスク測定用パターンを直接モニタリングすることにより、その近傍のデバイスパターンの位置ずれを直接保証することが可能になる。マスク測定用パターンは、デバイスパターン形成領域の遮光膜に形成されるので、デバイスパターン配置の制約、設計ルールの制約等を回避し、デバイスパターン形成領域内を直接測定できる。露光工程で転写されないマスク測定用パターンは、デバイスパターン形成領域の遮光膜の表面に、段差などを設け、光線又は電子線の反射が周囲と異なるようにしておくことによって、レーザー光線による測長やSEMによる観察が容易にできる。しかも、デバイスパターンとマスク測定用パターンとは、同一位置合わせ操作の基に描画されるので、統計的な相対誤差が入り込む余地がないばかりか、従来のプロセス工程を大幅に変更することもなく、本発明のフォトマスクは容易に作成できる。
【0017】
以上本発明の実施例について述べたが、本発明は上記の実施例に限定するものではなく、本発明の趣旨に沿い、適宜に、変形や他の技術との組み合せによっても達成されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるフォトマスクの上面(A)及びX−X’での断面(B)の概念図
【図2】本発明の実施例によるデバイスパターン(A)及びマスク測定用パターン(B)の描画データの概念図
【図3】図1のフォトマスクの工程断面図(その1)
【図4】図1のフォトマスクの工程断面図(その2)
【符号の説明】
1、フォトマスク
2、透明石英基板
3、遮光膜
4、フォトレジスト膜
10、マスク測定用パターン
11、デバイスパターン
12、マスク測定用パターン描画データ
13、デバイスパターン描画データ
14、マスク測定用パターンの潜像
15、デバイスパターンの潜像
16、マスク測定用パターンのフォトレジスト非貫通部
17、デバイスパターンのフォトレジスト貫通部
18、マスク測定用パターンの遮光膜非貫通部
19、デバイスパターンの遮光膜貫通部
100、デバイスパターンの電子ファイル
200、マスク測定用パターンの電子ファイル
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路、液晶表示装置、磁気ヘッドデバイス、マイクロマシーン等の微細加工に用いられるフォトマスクに関する、特に、縮小投影露光の原版であるフォトマスク(レチクル)に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造に使用されるフォトマスク(レチクル)は、透明石英ガラス基板の主面上に遮光膜であるクロム(Cr)膜がパターニングされてできている。従来、マスク上の精度測定パターンは、デバイスパターン配置の制約、設計ルールの制約等により、デバイスパターン形成領域外に設けられている。従って、その場合のデバイス領域内の精度は、間接的にモニタリングし保証しているに過ぎず、必ずしも正確とは言えない。 特に近年、パターンの微細化が進み、マスク上のパターンに関して、従来問題にならなかった程度の微小な位置ずれが問題になっきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
マスク上のパターン精度をデバイスパターン形成領域内で直接測定することにより、デバイスパターン形成領域内のマスク精度を直接保証することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概念を簡単に説明すると、以下の通りである。
フォトマスクのデバイスパターン形成領域の遮光膜に、遮光膜表面での光線又は電子線の反射特性が変化する境界を持つ表面パターンをマスク位置精度測定専用パターン(以下、マスク測定用パターン)として複数配置しておく。その表面は、デバイスパターン形成領域の遮光膜の表面に、例えば、段差などを設けることにより、光線又は電子線の反射が周囲と異なるようにしておくことによって、容易に実現できる。又、マスク作成の際に、デバイスパターンとマスク測定用パターンのフォトレジスト膜への描画は、マスク基板に対する共通の位置合わせ操作の基に行なう。表面パターンは、遮光膜の表面での反射光によっては検知されるが、フォトマスクの透過光には現れないパターンである。
【0005】
【発明の実施の形態】
実施例
図1(A)と図1(B)は、本発明の実施例によるフォトマスクの上面及びX−X’での断面の各概念図である。
図1(A)において、1はフォトマスク、10はマスク測定用パターン、11はデバイスパターンであり、図1(B)において、2が透明石英ガラス基板、3が遮光膜であり、この遮光膜に、マスク測定用パターンの非貫通部18とデバイスパターンの貫通部19とが形成されている。遮光膜は、主に膜厚70nmのクロム膜と、その主面上に膜厚25nmの酸化クロム膜が形成されており、非貫通パターンでは、遮光膜の膜表面から10nm程度の段差が形成されている。段差10nmは酸化クロム膜中に形成されており、ウェーハの露光波長(例えば、λ=248nm)で、デバイスパターンのウェーハ転写を行う場合において、非貫通パターンに対しては遮光膜の遮光性は充分である。マスク測定用パターンは巾2.0μm、長さ10μmのL字パターンである。10nmの段差で形成されたパターンは市販の位置精度測定装置(例えば、Leica:LMS−IPRO)において十分パターンとして認識可能であり、容易に測定できる。
【0006】
図2(A)と図2(B)は、本発明の実施例によるデバイスパターン描画データ及びマスク測定用パターン描画データの各概念図である。
図2(A)の100はデバイスパターン13の描画データの電子データファイルであり、図2(B)の200はマスク測定用パターン12の描画データの電子データファイルを示しており、これらの2ファイルを重ねて描画することにより、図1(A)で示されたCr膜を遮光膜としたフォトマスクが作製される。デバイスパターンとマスク測定用パターンの描画は、マスク基板上の未露光フォトレジスト膜に対する共通の位置合わせ操作の基に行なうので、デバイスパターンとマスク測定用パターンの間での相対的な位置ずれは発生しない。
【0007】
図3(A)から図3(D)までは、本発明の実施例によるフォトマスクの工程断面図である。
図3(A)において、遮光膜3上にポジのフォトレジスト膜4を塗布し、デバイスパターンデータは通常のパターン形成に必要なDoseで描画し、マスク測定用パターンデータは通常の70%のDoseで描画することにより、各々の潜像15と14をフォトレジスト膜中に形成する。
【0008】
図3(B)において、現像後のフォトレジスト膜には、デバイスパターン領域のみに貫通部17が、又、マスク測定用パターン領域に非貫通部16が形成される。非貫通部16のレジスト残膜厚は約100nmである。
図4(C)において、この状態で異方性のDry Etchingを行い,デバイスパターン領域の遮光膜に貫通部19を、又、マスク測定用パターン領域に非貫通部18を転写する。このときDry Etchingでの遮光膜/レジスト膜の選択比は約0.9〜1.0程度であり、未露光部のレジスト残膜量は400nmである。
【0009】
図4(D)において、未露光部のレジスト膜を剥離すると、貫通部19を有するデバイスパターンと非貫通部18を有するマスク測定用パターンの形成されたフォトマスクが完成する。
図1(A)に示されたL字パターン10は、マスクの位置精度測定機で測定され、デバイス領域内での位置精度が保証される。これらL字パターンはデバイス領域内のデバイスパターン部以外の空き領域に自由に形成することが可能なため、層間の重ね合わせを重視するようなデバイスパターンの近傍に数多く配置することで、より厳密な位置精度保証が可能となる。
【0010】
本実施例では、マスク測定用パターンであるL字パターンの非貫通部18は、凹部になっているが、凸部であっても良い。凸部にしたければ、マスク測定用パターンの描画データの電子データファイル200において、白黒を反転しただけで、その他のプロセス工程は、実施例と全く同一に行うことによって、断面が凸状のL字パターンが得られる。又、L字パターンの内外のいずれかの表面が、粗面化されていても良い。要するに、L字パターンの境界において、光線又は電子線等のエネルギービームの反射特性に、測定可能な不連続が生ずるような表面であれば良い。実施例では、段差を10nmとしたが、酸化クロムの膜厚に等しくすれば、物質の違いによる光線又は電子線等の反射特性の差がより明確に現れるであろう。尚、表面パターンとして、マスク位置精度測定専用パターンについて説明してきたが、露光工程で転写されない表面パターンの技術は、例えば、半導体チップなどの製品に転写する必要のないマスクの識別情報などにも応用が可能である。
【0011】
(付記1)デバイスパターン形成領域の遮光膜表面に、該遮光膜表面でのエネルギービームの反射特性が変化する境界を持ち、且つ該エネルギービームを貫通させない表面パターンを有することを特徴とするフォトマスク。
(付記2)前記表面パターンは、マスク測定用パターン又はマスク識別用パターンであることを特徴とする付記1記載のフォトマスク。
【0012】
(付記3) 前記表面パターンは、露光工程で転写されないパターンであることを特徴とする付記1記載のフォトマスク。
(付記4)前記エネルギービームは、フォトンビーム 又はエレクトロンビームであることを特徴とする付記3記載のフォトマスク。
(付記5)前記境界で、前記遮光膜表面が幾何学的又は物質的な不連続を有することを特徴とする付記1記載のフォトマスク。
【0013】
(付記6)前記不連続が、前記遮光膜表面の段差であることを特徴とする付記5記載のフォトマスク。
(付記7)遮光膜上に形成された未露光フォトレジスト膜に対し、描画用エネルギービームのアラインメントを行う工程と、該描画用エネルギービームの照射によって、該未露光フォトレジスト膜の上部のみに浅く形成された表面パターンの潜像と、少なくとも該表面パターンの潜像よりも深部にまで形成されたデバイスパターンの潜像とを、共通して該アラインメントに基づいて描画する工程とを有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
【0014】
(付記8)前記描画用エネルギービームは、フォトンビーム 又はエレクトロンビームであることを特徴とする付記7記載のフォトマスクの製造方法。
(付記9)前記デバイスパターンの潜像と前記表面パターンの潜像とを描画する前記描画用エネルギービームの各々の照射条件は互いに異なることを特徴とする付記7記載のフォトマスクの製造方法。
(付記10)前記デバイスパターンの潜像を描画する前記描画用エネルギービームのドーズ量は、前記表面パターンの潜像を描画する前記描画用エネルギービームのドーズ量より大であることを特徴とする付記9記載のフォトマスクの製造方法。
【0015】
(付記11)現像によって、前記デバイスパターンの潜像には貫通部と、一方、前記表面パターンの潜像の境界で段差を有する非貫通部とを各々有するエッチング用レジスト膜を形成する工程と、異方性エッチングにより、該エッチング用レジスト膜と該貫通部内に露出する前記遮光膜とを同時に膜厚方向にエッチングし、該貫通部内の該遮光膜を除去することにより、該遮光膜に該貫通部を転写すると共に、該非貫通部の該遮光膜には、該表面パターンの境界で該遮光膜に段差を有する非貫通部を形成する工程とを有することを特徴とする付記7記載のフォトマスクの製造方法。
【0016】
【発明の効果】
フォトマスクのデバイスパターン形成領域の遮光膜に、露光工程で転写されないマスク測定用パターンを複数配置しておき、マスク測定用パターンを直接モニタリングすることにより、その近傍のデバイスパターンの位置ずれを直接保証することが可能になる。マスク測定用パターンは、デバイスパターン形成領域の遮光膜に形成されるので、デバイスパターン配置の制約、設計ルールの制約等を回避し、デバイスパターン形成領域内を直接測定できる。露光工程で転写されないマスク測定用パターンは、デバイスパターン形成領域の遮光膜の表面に、段差などを設け、光線又は電子線の反射が周囲と異なるようにしておくことによって、レーザー光線による測長やSEMによる観察が容易にできる。しかも、デバイスパターンとマスク測定用パターンとは、同一位置合わせ操作の基に描画されるので、統計的な相対誤差が入り込む余地がないばかりか、従来のプロセス工程を大幅に変更することもなく、本発明のフォトマスクは容易に作成できる。
【0017】
以上本発明の実施例について述べたが、本発明は上記の実施例に限定するものではなく、本発明の趣旨に沿い、適宜に、変形や他の技術との組み合せによっても達成されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるフォトマスクの上面(A)及びX−X’での断面(B)の概念図
【図2】本発明の実施例によるデバイスパターン(A)及びマスク測定用パターン(B)の描画データの概念図
【図3】図1のフォトマスクの工程断面図(その1)
【図4】図1のフォトマスクの工程断面図(その2)
【符号の説明】
1、フォトマスク
2、透明石英基板
3、遮光膜
4、フォトレジスト膜
10、マスク測定用パターン
11、デバイスパターン
12、マスク測定用パターン描画データ
13、デバイスパターン描画データ
14、マスク測定用パターンの潜像
15、デバイスパターンの潜像
16、マスク測定用パターンのフォトレジスト非貫通部
17、デバイスパターンのフォトレジスト貫通部
18、マスク測定用パターンの遮光膜非貫通部
19、デバイスパターンの遮光膜貫通部
100、デバイスパターンの電子ファイル
200、マスク測定用パターンの電子ファイル
Claims (5)
- デバイスパターン形成領域の遮光膜表面に、該遮光膜表面でのエネルギービームの反射特性が変化する境界を持ち、且つ該エネルギービームを貫通させない表面パターンを有することを特徴とするフォトマスク。
- 前記境界で、前記遮光膜表面が幾何学的又は物質的な不連続を有することを特徴とする請求項1記載のフォトマスク。
- 遮光膜上に形成された未露光フォトレジスト膜に対し、描画用エネルギービームのアラインメントを行う工程と、該描画用エネルギービームの照射によって、該未露光フォトレジスト膜の上部のみに浅く形成された表面パターンの潜像と、少なくとも該表面パターンの潜像よりも深部にまで形成されたデバイスパターンの潜像とを、共通して該アラインメントに基づいて描画する工程とを有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
- 前記デバイスパターンの潜像と前記表面パターンの潜像とを形成する前記描画用エネルギービームの各々の照射条件は互いに異なることを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
- 現像によって、前記デバイスパターンの潜像には貫通部と、一方、前記表面パターンの潜像の境界で段差を有する非貫通部とを各々有するエッチング用レジスト膜を形成する工程と、異方性エッチングにより、該エッチング用レジスト膜と該貫通部内に露出する前記遮光膜とを同時に膜厚方向にエッチングし、該貫通部内の該遮光膜を除去することにより、該遮光膜に該貫通部を転写すると共に、該非貫通部の該遮光膜には、該表面パターンの境界で該遮光膜に段差を有する非貫通部を形成する工程とを有することを特徴とする請求項3記載のフォトマスクの製造方法。
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