JP2004077838A - 半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法 - Google Patents
半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】構成部品に関する位置ずれの発生を回避し得る半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法を提供すること。
【解決手段】半導体レーザ素子8と光部品15とを搭載した基板4を備え、光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、基板に対して光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法。光部品15を、基板4に対してめっきによって固定する。
【選択図】 図1
【解決手段】半導体レーザ素子8と光部品15とを搭載した基板4を備え、光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、基板に対して光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法。光部品15を、基板4に対してめっきによって固定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信において用いられる半導体レーザ(LD)モジュールには、レーザ光を発振するLD素子及び発振されたレーザ光を伝送する光ファイバが予め光結合されてモジュール化されている。このようなLDモジュールとして、例えば、レンズ付ファイバとLD素子とを調芯した状態で、レンズ付ファイバが固定された金属フェルールを固定部材に対してYAGレーザで溶接するLDモジュールが知られている(特開2000−147335号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開2000−147335号に開示されたLDモジュールでは、光ファイバに取り付けた金属フェルールを金属製のベース上に配置した固定部材にレーザ溶接固定している。このため、上述のLDモジュールでは、金属フェルールをレーザ溶接した場合に、レーザ照射時のレーザ出力のばらつき、固定部材表面の状態、固定部材の製造方法、配合金属のばらつき、あるいは金属の溶融・凝固に伴って生じる熱応力により、LD素子と光ファイバとの間に位置ずれが発生する場合がある。この場合、光出力が所定値に達しなかったLDモジュールは、不良品として排除しなければならない。特に、先端にレンズ部を形成したレンズ付ファイバを用いたLDモジュールは、レンズ付ファイバとLD素子との光結合に関する許容誤差が1μm以下と非常に厳しいことから、製造上の歩留まりが悪く、製造単価が増加してコスト高になるという問題があった。しかも、レーザ溶接部が急速に冷却され、レーザ溶接部に内部応力が残留して固定されたLDモジュールにおいては、使用時の温度変化や経時変化によってLD素子と光ファイバとの間に位置ずれが発生することがあった。
【0004】
この発明は上述した従来技術による問題点を解消するため、構成部品に関する位置ずれの発生を回避し得る半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、前記基板に対して前記光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法において、前記光部品を、前記基板に対してめっきによって固定することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定している。
【0007】
また、請求項2の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記基板は固定部材が固定され、前記固定部材を介して前記光部品を前記基板に対してめっき固定することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明によれば、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定している。
【0009】
また、請求項3の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記基板上に前記光部品を当接した部分の周囲、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明によれば、撥水性の膜によって光部品が基板あるいは固定部材と当接した部分からめっき液が漏れ出し難くしている。
【0011】
また、請求項4の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明によれば、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が適切な時間で完了するようにしている。
【0013】
また、請求項5の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0015】
請求項5,6の発明によれば、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けるようにしている。
【0016】
また、請求項7の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して位置決めする工程と、前記レンズ付ファイバあるいはフェルールと、前記基板あるいは前記固定部材とをめっき固定する工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明によれば、レンズ付ファイバのフェルールを基板あるいは固定部材にめっきで固定しようとしている。
【0018】
また、請求項8の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、更に、前記フェルールの後部を動かして前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めする工程を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明によれば、レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めすることで、結合効率を一層高めるようにしている。
【0020】
また、請求項9の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、更に、サーモモジュールを内蔵する前記半導体レーザモジュールであって、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節することを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明によれば、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、内蔵したサーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節するようにしている。
【0022】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項10の発明に係る半導体レーザモジュールは、互いに位置決めされる半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品が前記基板に対して固定される半導体レーザモジュールにおいて、前記光部品が、前記基板に対してめっきで固定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項10の発明によれば、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定している。
【0024】
また、請求項11の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は、前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されていることを特徴とする。
【0025】
請求項11の発明によれば、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定している。
【0026】
また、請求項12の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする。
【0027】
請求項12の発明によれば、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了するようにしている。
【0028】
また、請求項13の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0029】
また、請求項14の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0030】
請求項13,14の発明によれば、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けるようにしている。
【0031】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項15の発明に係る光部品の固定方法は、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記基板上に光部品を固定する光部品の固定方法において、前記光部品を前記基板に対して当接させ、この当接させた部分で前記光部品と前記基板とをめっきによって固定することを特徴とする。
【0032】
請求項15の発明によれば、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定している。
【0033】
また、請求項16の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されることを特徴とする。
【0034】
請求項16の発明によれば、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定している。
【0035】
また、請求項17の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記基板上の前記光部品を当接した部分、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給することを特徴とする。
【0036】
請求項17の発明によれば、防水性あるいは撥水性の膜によって光部品と基板あるいは光部品と固定部材とが当接した部分からめっき液が漏れ出し難くしている。
【0037】
また、請求項18の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする。
【0038】
請求項18の発明によれば、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了するようにしている。
【0039】
また、請求項19の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0040】
また、請求項20の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0041】
請求項19,20の発明によれば、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けるようにしている。
【0042】
また、請求項21の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、更に、サーモモジュールを内蔵する半導体レーザモジュールであって、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節することを特徴とする。
【0043】
請求項21の発明によれば、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、サーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節するようにしている。
【0044】
ここで、本発明でいうめっきとは、湿式で行う電気めっき及び無電解めっきをいう。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明にかかる光部品の固定方法、LDモジュールの製造方法及びLDモジュールの好適な実施の形態について説明する。
【0046】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。図2は、この発明で用いるレンズ付ファイバを示す斜視図である。
【0047】
この実施の形態1にかかるLDモジュール1は、図1に示すように、パッケージ2と、パッケージ2内に収容されるサーモモジュール3、ベース4、LD素子8、フォトダイオード11、およびレンズ付ファイバ15を有している。
【0048】
パッケージ2は、図1に示すように、底板2a、側壁2b及び、側壁2bの上部に被せられる図示しないカバーを有し、底板2aの四隅に長手方向に延びるフランジ状の取付部2cが設けられている。側壁2bは、複数のリードピン2dが外方へ突出させて設けられると共に、レンズ付ファイバ15の端末をパッケージ2の外部へ引き出すスリーブ2eが設けられている。取付部2cは、底板2aの四隅に設ける代わりに、底板1aの両側へ延出させた2つの延出片としてもよく、その場合には各延出片に2つの取付孔を設ける。また、取付部2cは、底板2aと略同じ厚さとしてもよい。サーモモジュール3は、複数のペルチェ素子を組み合わせたもので、LD素子8の温度をサーミスタ9によってモニタし、所定温度に調整するものである。
【0049】
ベース4は、図1に示すように、金属製の板の幅方向中央に長手方向に延びる配置溝4aが形成され、配置溝4aと直交するガイド溝4b,4cが幅方向に設けられている。ガイド溝4bには固定ブロック5が、ガイド溝4cには固定ブロック6が、それぞれ一組ずつ対向配置されている。また、ベース4は、長手方向一方に、他方よりも低くした段部4dが形成されている。ここで、配置溝4aは、後述する金属フェルール16を配置して、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決めする。このため、配置溝4aは、金属フェルール16の直径を考慮して成形する。また、固定ブロック5,6は、ガイド溝4b,4cに配置され、YAGレーザ溶接によって複数の溶接点Pwdでベース4に固定されている。
【0050】
LD素子8は、図1に示すように、段部4dに設けたキャリア7に設置され、近傍にはLD素子8の温度をモニタするサーミスタ9が設けられている。フォトダイオード11は、段部4dに設けたキャリア10に設置され、LD素子8と対向させて配置される。レンズ付ファイバ15は、図2(a)に示すように、端部を楔状等のレンズ部15aが先端に形成され、レンズ部15aを含む先端側を突出させて金属フェルール16に取り付けられている。レンズ部15aは、楔状の他、半球状に成形したものでもよい。レンズ付ファイバ15は、レンズ部15aをLD素子8と対向させるようにして、金属フェルール16を配置溝4aに配置する。レンズ付ファイバ15は、図2(b)に示すように、金属フェルール16に代えて必要な部分にメタルコート17を施したものでもよい。
【0051】
金属フェルール16は、半導体レーザ素子8側の前部に一組の固定ブロック6が、後部に一組の固定ブロック5が、それぞれ配置され、固定ブロック5,6に対してめっきで固定されている。このとき、金属フェルール16は、セラミックや合成樹脂で成形されたフェルールの表面及び内面の必要な部分に金属をめっきしたものを使用してもよい。ここで、固定に用いるめっきとしては、Auめっき,Niめっき,Cuめっき,Pdめっき,Snめっき等のどれを用いてもよいが、特性面、作業性、経済性から無電解Niめっきが妥当である。
【0052】
上述のように構成されるLDモジュール1は、実施の形態1に係るレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を利用して以下のようにして製造される。
【0053】
先ず、キャリア7、LD素子8、サーミスタ9、キャリア10及びフォトダイオード11を搭載したベース4を固定する。サーモモジュール3を内蔵するLDモジュール1は、サーモモジュール3をパッケージ2の底板2aに半田等で固定する。このとき、ベース4には、固定ブロック5,6及び金属フェルール16は配置しない。
【0054】
次に、レンズ付ファイバ15の端末をパッケージ2のスリーブ2eから外部へと引き出し、金属フェルール16を配置溝4aに配置すると共に、金属フェルール16を挟むようにしてガイド溝4cに一組の固定ブロック6を配置する。この状態で、ベース4から延出した金属フェルール16の後端を図示しない第一の調芯冶具で把持し、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決め(調芯)する。
【0055】
この位置決め(調芯)作業は、例えば、LD素子8から出射したレーザ光をレンズ付ファイバ15に入射させ、レンズ付ファイバ15の出射端でパワーメータによってレーザ光の強度をモニタしながら、調芯冶具で金属フェルール16をX,Y,Z軸方向のうち少なくとも一方向に微動させる。そして、モニタされるレーザ光の強度が最大の位置を、レンズ付ファイバ15の光軸がLD素子8から出射されるレーザ光の光軸に対して一致した調芯位置と見なす。このとき、金属フェルール16の移動は、例えば、第一の調芯冶具にコンピュータ制御されたステッピングモータを取り付けて正確に行う。
【0056】
次いで、各固定ブロック6が金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接するように、第二の調芯冶具により固定ブロック6の位置を調整する。固定ブロック6を金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接させると、両部材の間隔が適切で、めっき固定に要する時間を短時間とすることができる。そして、位置調整が完了したら、図3に示すように、YAGレーザ溶接により各固定ブロック6を複数の溶接点Pwdでベース4に固定する。
【0057】
この後、めっきを施す部分の周囲を取り囲むようにして、ベース4の上面、配置溝4a及びガイド溝4b,4cの両側並びに金属フェルール16の前後に、図4に斜線で示すように防水性あるいは撥水性の膜Mを貼付してシールする。以下、膜Mによって囲まれた領域を供給エリアと呼ぶ。膜Mは、供給エリアを最小、言い換えると、必要部分以外になるべくめっきをしないようにするためである。このとき、膜Mは、図5に斜線で示すように、配置溝4a及びガイド溝4b,4cの両側部分を塞ぐように貼付すると、より一層シール効果が高まる。特に、膜Mは、弾性があれば、配置溝4aに配置した金属フェルール16の外形に沿って変形するので、金属フェルール16の部分におけるシール効果が高まる。また、膜Mに代えて配置溝4a及びガイド溝4b,4cの両側部分を合成樹脂によって塞いでもよい。膜Mの素材としては、例えば、炭化水素系ポリマー,水性アクリル・シリコーンハイブリッド系合成樹脂,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系合成樹脂等を使用することができる。また、膜Mは、めっき処理後に剥離可能な材料であることが好ましい。または、LDモジュール1の長期信頼性に問題がなければ、膜Mは残しても良い。
【0058】
次に、めっきの前処理として、図6に示すように、供給管20及び吸入管21を供給エリアの一組の固定ブロック6が当接している金属フェルール16の部分に前後に配置し、供給管20から供給エリアに電解脱脂液を供給する。電解脱脂液としては、水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,オルソ及びメタケイ酸ナトリウムリン酸ナトリウム,シアン化ナトリム等を使用する。このとき、供給エリアは、周囲が防水性あるいは撥水性の膜Mで囲まれているため、電解脱脂液が漏れ出し難くなっている。
【0059】
そして、電解脱脂液が供給エリア内に所定の高さまで満たされたら、図6に示すように、リード線22,23をそれぞれベース4及び金属フェルール16に接続し、リード線22,23に通電して電解脱脂を行うことでめっきを施す部分の油脂類を除去する。この電解脱脂の工程において、電解脱脂液は、供給管20から供給エリアに連続的に供給しながら、吸入管21で供給エリアから連続的に吸引して排出してもよい。あるいは、電解脱脂液は、所定量を供給エリア内に満たし、所定時間電解脱脂を行ったら全量交換するようにし、電解脱脂を行うサイクルを数回繰り返してもよい。
【0060】
このようにして電解脱脂が終了したら、電解脱脂液に代えて蒸留水を供給管20から供給エリアに連続的に供給しながら、吸入管21で供給エリアから連続的に吸引し、供給エリアを水洗する。そして、水洗が終了したら、蒸留水に代えて硫酸や塩酸の水溶液からなる酸洗液を供給管20から供給エリアに連続的に供給すると共に、吸入管21で供給エリアから連続的に吸引し、供給エリアを酸洗いする。
【0061】
このようにして供給エリアに対するめっきの前処理が終了したら、図7に示すように、酸洗液に代えてニッケル−リンからなる無電解めっき液を供給管20から供給エリアに連続的に供給しながら、吸入管21で吸引して供給エリアから排出し、主として供給エリア内の固定ブロック6と金属フェルール16の表面に無電解ニッケルめっきを施す。このとき、めっき液は、電解脱脂の場合と同様に、所定量を供給エリア内に満たし、所定時間めっき処理を行ったら全量交換するようにし、無電解ニッケルめっきを行うサイクルを数回繰り返してもよい。
【0062】
この無電解ニッケルめっきは、主として供給エリア内の固定ブロック6と金属フェルール16の表面に施されるが、固定ブロック6が金属フェルール16に対して当接している0〜10μmの隙間にもめっき層が形成される。このため、固定ブロック6と金属フェルール16との間に僅かな隙間がある場合には、図8(a)に示すように、めっき層Lpは固定ブロック6と金属フェルール16の表面に薄く成長し始める。そして、図8(b)に示すように、固定ブロック6と金属フェルール16との間の最も狭い部分で、固定ブロック6側で成長しためっき層Lpと金属フェルール16側で成長しためっき層Lpとが接合する。この結果、金属フェルール16は、前部両側が固定ブロック6にめっき層Lpによって強固に固定される。但し、図8(c)に示すように、固定ブロック6が金属フェルール16に対して当接し、隙間がない場合には、金属フェルール16の下部側に形成されるめっき層Lpが、金属フェルール16を固定ブロック6に対して強固に固定する。
【0063】
このとき、ベース4は、図9(a),(b)に示すように、一端が配置溝4aに繋がるガイド溝4b,4cの他端を閉じた形状とし、めっき液が漏れ出さないようにしている。
【0064】
さらに、ガイド溝4b,4cの深さを固定ブロック5,6の厚みに比べて大きく設定してもよい。このようなガイド溝4b,4cを深くしたベース4を用いる場合、配置溝4aの両側に前述の膜Mを貼付して供給エリアをシールし、図9(c)に示すように、固定ブロック5,6及び金属フェルール16が浸る線Lまでめっき液を満たす。この状態で、めっき作業を行うことにより、固定ブロック5,6を介して金属フェルール1をベース4に対してめっき固定する。このとき、ベース4は、ガイド溝4b,4cの深さが深いため、固定ブロック5,6をYAGレーザで溶接することが難しい。このため、固定ブロック5,6は、めっきによってそれぞれ対応するガイド溝4b,4cに固定してもよい。但し、ベース4は、固定ブロック5,6をYAGレーザで溶接して固定する場合には、溶接作業に支障がないように、ガイド溝4b,4cの上部を、図9(d)に示すように、上方に向けて広がるテーパ面Ftとしたり、段部(階段状)としたりしてYAGレーザを照射する領域を確保するようにする。ガイド溝4b,4cをこのような形状とした場合でも、固定ブロック5,6は、めっきによってそれぞれ対応するガイド溝4b,4cに固定してもよいことはいうまでもない。
【0065】
このようにして金属フェルール16の前部両側が固定ブロック6に固定されたら、供給エリア内の無電解めっき液を吸入管21によって排出した後、供給管20から蒸留水を供給して供給エリア内を水洗する。これにより、光部品である金属フェルール16は、固定ブロック6を介して前部をベース4に対してめっき固定することが完了する。
【0066】
ここで、湿式めっきでは、めっき液の温度によってめっき(化学反応)速度等が変化する。このため、湿式めっきでは、めっき処理温度を適当な温度に調節することで、めっきの仕上がりや作業性等をある程度制御可能となる。従って、めっき作業は、少なくともLD素子8、フォトダイオード11を搭載したベース4が固定された半導体レーザモジュールをホットプレートや外部に設けた他のサーモモジュール等の温度調節装置上に設置してめっき液の温度を制御しながら行ってもよい。
【0067】
更に、図6に示すように、サーモモジュール3を内蔵した半導体レーザモジュールにおいては、サーモモジュール3を利用してベース4を加熱や冷却あるいは略一定温度に調節し、めっき液の温度を適当な温度に調節することで、めっきの仕上がりや作業性等を制御してもよい。このとき、ベース4あるいはめっき液の温度は、温度計や熱電対等のセンサで測定してもよいし、半導体レーザモジュールが内蔵するサーミスタ9でモニタしてもよい。これらは、以下に説明する実施の形態2以降においても同様である。
【0068】
次に、金属フェルール16の後部を第一の調芯冶具で把持して動かすことにより、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して再度位置決め(調芯)する。例えば、図10に示すように、金属フェルール16の後部を、固定ブロック6にめっき固定された点Pを支点として矢印A方向に僅かに揺動させる。そして、上述のように、パワーメータでモニタされるレーザ光の強度が最大の位置を、レンズ付ファイバ15の光軸がLD素子8から出射されるレーザ光の光軸に対して一致した調芯位置と見なす。このように、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して再度位置決め(調芯)することで、LD素子8から出射されるレーザ光のレンズ付ファイバ15への結合効率が一層高まる。
【0069】
このようにして、レンズ付ファイバ15がLD素子8に対して再度位置決めされたら、図11に示すように、金属フェルール16を挟むようにしてガイド溝4bに一組の固定ブロック5を配置し、各固定ブロック5を複数の溶接点PwdにおいてYAGレーザでベース4に溶接する。そして、撥水性の膜Mで囲まれた供給エリアに対してめっきの前処理を施した後、無電解ニッケルめっきを行い、金属フェルール16の後部両側を固定ブロック5に対して強固に固定する。
【0070】
このように、LDモジュール1は、ベース4に固定した固定ブロック5,6に対して金属フェルール16が無電解ニッケルめっきによって固定されている。このため、LDモジュール1は、金属フェルール16を固定ブロック5,6に溶接した場合に比べ、室温での作業で、固定部分が加熱されることがないことから、熱応力に起因したLD素子8とレンズ付ファイバ15との間に位置ずれを回避することができる。また、めっき固定の作業は、パッケージ2内に収容したベース4の上で行うことから、固定ブロック5,6に対する金属フェルール16の固定が容易なことから、LDモジュール1の製造が容易で歩留まりも向上し、出力の安定したLDモジュールを製造することができる。
【0071】
なお、LDモジュール1は、必ずしもLD素子8とレンズ付ファイバ15がレーザ光の強度が最大の位置で固定されていなくても良い。つまり、スリーブ2eと、及びLDモジュール1上部を図示しない蓋体によって気密封止した状態で、所望の特性を満足すれば良いものである。
【0072】
ここで、ベース4は、図12に示すように、ガイド溝4bのない短尺のベースとし、ガイド溝4cに固定した固定ブロック6に金属フェルール16をめっきによって固定してもよい。この場合、フェルール16は、例えば、チャック等の把持部材によって把持でき、ベース4へ固定し得る最短のものを使用するのが望ましい。
【0073】
一方、ベース4は、図13(a)に示すように、Cu−W製の本体41とFe−Ni−Co合金(KOVAR(R))からなるホルダ42とを組み合わせた複合体としてもよい。本体41は、図13(b)に示すように、中央に台座41aが一体に形成され、台座41aによってホルダ42を位置決めし、ホルダ42が銀ろう付け等で接合される。台座41aには、図13(a)に示すように、キャリア7を介してLD素子8が設置される。本体41は、ホルダ42と組み合わせた後、フォトダイオードを設置するキャリア45が設けられる。
【0074】
ホルダ42は、金属製の板の幅方向中央に長手方向に延びる配置溝42aが形成され、配置溝42aと直交するガイド溝42b,42cが幅方向に設けられている。配置溝42aは、後述する金属フェルール16を配置して、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決めする。ガイド溝42bには固定ブロック43が、ガイド溝42cには固定ブロック44が、それぞれ一組ずつ対向配置されている。また、ホルダ42は、長手方向一方に、台座41aに係合する係合部42dが形成されている。
【0075】
本体41とホルダ42とを組み合わせたベース4は、台座41aによってホルダ42を本体41に位置決めしてろう付けした後、キャリア7を介して設置されたLD素子8に対してレンズ付ファイバ15を位置決め(調芯)し、固定ブロック43,44を金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接させる。そして、図13(a)に示すように、YAGレーザ溶接により各固定ブロック43,44を複数の溶接点Pwdでホルダ42に固定する。
【0076】
そして、金属フェルール16と各固定ブロック43,44とが当接した周囲を取り囲むようにして、防水性あるいは撥水性の膜を塗布し、無電解ニッケルめっきによって金属フェルール16を固定ブロック43,44に対して強固に固定する。これにより、金属フェルール16は、固定ブロック43,44を介してベース4に固定される。
【0077】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1は、金属フェルール16を固定ブロック5,6に対して無電解ニッケルめっきによって固定したが、実施の形態2では電気めっきで固定する。図14は、この発明の実施の形態2であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュール1を示す斜視図である。ここで、以下の説明においては、実施の形態1と同一の構成部材には同一の符号を付して説明する。
【0078】
金属フェルール16を固定ブロック5,6に対して電気めっきで固定する場合、電極はめっき部分の近傍に配置する必要がある。従って、実施の形態2では、図14に示すように、一組の固定ブロック6に挟まれた金属フェルール16の近傍に電極25を配置する必要から配置溝4aを成形し、金属フェルール16がめっき液中に浸漬されるようにしている。そして、電極25を挟んで両側にめっき液の供給管26及び吸入管27を配置すると共に、リード線28を金属フェルール16に接続し、金属フェルール16を固定ブロック5,6に電気をめっきで固定する。このとき、固定ブロック5,6は、実施の形態1と同様に、予め複数の溶接点PwdにおいてYAGレーザ溶接でベース4に固定されている。
【0079】
また、金属フェルール16と固定ブロック5,6とが当接した部分にめっき液を供給する手段として、例えば、筆めっき,ブラシめっきあるいは液面制御めっき等を用いてもよい。筆めっきとは、筆,フェルトあるいはスポンジ等にめっき液を吸収させて陽極とし、陰極とした金属フェルール16の固定ブロック5,6との当接部分に筆等からめっき液を供給するめっき方法をいう。ブラシめっきとは、先端にブラシを設けた管を用い、ブラシ部分にめっき液を供給しながら金属フェルール16と固定ブロック5,6との当接部分にめっき液を供給したり、ブラシが回転したりしながら金属フェルール16と固定ブロック5,6との当接部分にめっき液を供給するめっき方法をいう。また、液面制御めっきとは、中空の丸管,角管あるいは異型管を用いて下方から上方にめっき液を流して管の上端部に一定の高さの液面を生じさせ、この液中に金属フェルール16と固定ブロック5,6との当接部分を浸漬してめっき液を供給するめっき方法をいう。
【0080】
ここで、実施の形態1及び2においては、固定ブロック5,6は、YAGレーザ溶接によって予め複数の溶接点Pwdでベース4に固定していたが、めっきで固定してもよい。この場合、レンズ付ファイバ15とLD素子8とを位置決め(調芯)した後、金属フェルール16と固定ブロック5,6との間隔を0〜10μmに調整する。そして、この状態で無電解めっきあるいは電気めっきを行えば、金属フェルール16と固定ブロック5,6とのめっき固定と並行して固定ブロック5,6とベース4とがめっき固定される。このようにすると、1度のめっき作業で済ますことが可能であるから、LDモジュール1の製造がより容易となり、歩留まりも更に向上する。
【0081】
(実施の形態3)
次に、この発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3は、フェルールを有しないレンズ付ファイバを用いている。図15は、この発明の実施の形態3であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【0082】
この実施の形態3のLDモジュール30で使用するレンズ付ファイバ15は、図2に示したように、先端にレンズ部15aが形成されているが、金属フェルール16に代えて、金属フェルール16を取り付ける部分にメタルコート、例えば、ニッケル(Ni)を下地として金(Au)めっきが施されている。また、ベース4は、金属製の板の幅方向中央に長手方向に延びる配置溝4aが形成され、配置溝4aと直交するガイド溝4cが幅方向に設けられている。
【0083】
従って、LDモジュール30は、実施の形態1に係るLDモジュール1と同様にして製造される。即ち、レンズ付ファイバ15を配置溝4aに配置すると共に、レンズ付ファイバ15を挟むようにしてガイド溝4cに一組の固定ブロック6を配置する。この状態で、ベース4から延出したレンズ付ファイバ15の後端を図示しない第一の調芯冶具で把持し、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決め(調芯)する。
【0084】
各固定ブロック6が金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接するように、第二の調芯冶具により固定ブロック6の位置を調整する。そして、位置調整が完了したら、図15に示すように、YAGレーザ溶接により各固定ブロック6を複数の溶接点Pwdでベース4に固定する。
【0085】
この後、めっきを施す部分の周囲を取り囲むようにして撥水性の膜を塗布し、めっきの前処理を施した後、無電解めっきあるいは電気めっきにより、レンズ付ファイバ15を固定ブロック6に対して固定する。
【0086】
このように、金属フェルール16を取り付けていないレンズ付ファイバ15は、重量が小さいため、1点で固定ブロック6に固定するだけで十分である。このため、実施の形態3に係るLDモジュール30は、実施の形態1,2に係るLDモジュール1に比べると構成部品が少ないことから、LDモジュール1に比較して安価で製造に要する時間を短縮することができる。
【0087】
(実施の形態4)
次に、この発明の実施の形態4について説明する。実施の形態1〜3では固定ブロックを介してレンズ付ファイバをベースに固定したが、実施の形態4では固定ブロックを使用せずにレンズ付ファイバを直接ベース4に固定している。図16は、この発明の実施の形態4であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【0088】
この実施の形態4のLDモジュール35で使用するレンズ付ファイバ15は、図2(b)に示したように、先端にレンズ部15aが形成されているが、金属フェルール16に代え、金属フェルール16を取り付ける部分にメタルコート17が施されている。また、ベース4は、配置溝4aが形成され、配置溝4aに代えて台形の配置溝4eが形成されている。
【0089】
従って、LDモジュール35は、配置溝4eに金属フェルール16を有しないレンズ付ファイバ15を配置し、図17に示すように、メタルコート17を施した部分をめっきによってベース4に固定する。このとき、レンズ付ファイバ15は、LD素子8に対して位置決め(調芯)されるが、配置溝4eとの間に0〜10μmの間隔をおいて当接するように位置決め(調芯)される。このため、めっき層Lpは、図示のように、メタルコート17を施した部分の下面と配置溝4eとの間の隙間に形成される。
【0090】
ここで、レンズ付ファイバ15は、金属フェルール16を有するものを使用した場合には、図18に示すLDモジュール35のように、配置溝4eに金属フェルール16を配置し、金属フェルール16をめっきによってベース4に固定する。このとき、レンズ付ファイバ15は、LD素子8に対して位置決め(調芯)されるが、金属フェルール16は、配置溝4eとの間に0〜10μmの間隔をおいて当接するように位置決め(調芯)される。このため、金属フェルール16は、配置溝4eとの間の隙間に形成されるめっき層Lpによってベース4に固定される。
【0091】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、前記基板に対して前記光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法において、前記光部品を、前記基板に対してめっきによって固定するようにしているので、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定することができるという効果を奏する。
【0092】
また、請求項2の発明によれば、前記基板は固定部材が固定され、前記固定部材を介して前記光部品を前記基板に対してめっき固定するようにしているので、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定することができるという効果を奏する。
【0093】
また、請求項3の発明によれば、前記基板上に前記光部品を当接した部分の周囲、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給するようにしているので、撥水性の膜によって固定部材と光部品とが当接した部分からめっき液が漏れ出し難くしてフェルールを固定部材にめっき固定する作業を行うことができるという効果を奏する。
【0094】
また、請求項4の発明によれば、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接するようにしているので、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了できるという効果を奏する。
【0095】
また、請求項5の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバとし、請求項6の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバとしたので、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けることができるという効果を奏する。
【0096】
また、請求項7の発明によれば、前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して位置決めする工程と、前記レンズ付ファイバあるいはフェルールと、前記基板あるいは前記固定部材とをめっき固定する工程とを含むので、レンズ付ファイバのフェルールを基板あるいは固定部材にめっきで固定することができるという効果を奏する。
【0097】
また、請求項8の発明によれば、更に、前記フェルールの後部を動かして前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めする工程を含むので、レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めすることで、結合効率を一層高めることができるという効果を奏する。
【0098】
また、請求項9の発明によれば、更に、サーモモジュールを内蔵する前記半導体レーザモジュールであって、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節するので、内蔵したサーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節することができるという効果を奏する。
【0099】
また、請求項10の発明によれば、互いに位置決めされる半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品が前記基板に対して固定される半導体レーザモジュールにおいて、前記光部品が、前記基板に対してめっきで固定されるので、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定することができるという効果を奏する。
【0100】
また、請求項11の発明によれば、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は、前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されているので、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定することができるという効果を奏する。
【0101】
また、請求項12の発明によれば、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接しているので、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了するという効果を奏する。
【0102】
また、請求項13の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバとし、請求項14の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバとしたので、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けることができるという効果を奏する。
【0103】
また、請求項15の発明によれば、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記基板上に光部品を固定する光部品の固定方法において、前記光部品を前記基板に対して当接させ、この当接させた部分で前記光部品と前記基板とをめっきによって固定するので、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定することができるという効果を奏する。
【0104】
また、請求項16の発明によれば、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されるので、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定することできるという効果を奏する。
【0105】
また、請求項17の発明によれば、前記基板上の前記光部品を当接した部分、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給するので、防水性あるいは撥水性の膜によって光部品と基板あるいは光部品と固定部材とが当接した部分からめっき液が漏れ出し難くすることができるという効果を奏する。
【0106】
また、請求項18の発明によれば、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接しているので、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了することできるという効果を奏する。
【0107】
また、請求項19の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバとし、請求項20の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバとしたので、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けることできるという効果を奏する。
【0108】
また、請求項21の発明によれば、更に、サーモモジュールを内蔵する半導体レーザモジュールであって、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節するので、サーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【図2】この発明で用いるレンズ付ファイバを示す斜視図である。
【図3】金属フェルールの前部に配置した固定ブロックをYAGレーザ溶接によって複数の溶接点でベースに固定した状態を示す斜視図である。
【図4】基板のめっきを施す部分の周囲を取り囲むようにして防水性あるいは撥水性の膜を貼付したLDモジュールの斜視図である。
【図5】図4に示すLDモジュールにおいて、防水性あるいは撥水性の膜の他の貼付例を示す斜視図である。
【図6】基板のめっきを施す部分に供給管及び吸入管を配置し、電解脱脂等のめっきの前処理を行う様子を示す斜視図である。
【図7】基板のめっきを施す部分に無電解めっきを施す様子を示す斜視図である。
【図8】金属フェルール及び固定ブロックにめっき層が形成される様子を模式的に示す断面図である。
【図9】LDモジュールで用いるベースの他の例を示す図である。
【図10】金属フェルール16の後部を動かしてレンズ付ファイバをLD素子に対して再度位置決めする様子を示す模式図である。
【図11】金属フェルールの後部に配置した固定ブロックをYAGレーザ溶接によって複数の溶接点でベースに固定した状態を示す斜視図である。
【図12】実施の形態1のLDモジュールにおけるベースの変形例を示す斜視図である。
【図13】実施の形態1のLDモジュールにおけるベースの他の変形例を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュール1を示す斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態3であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【図16】この発明の実施の形態4であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【図17】図16のLDモジュールにおけるレンズ付ファイバとベースとの位置関係を示す図である。
【図18】図16のレンズ付ファイバが金属フェルールを有するLDモジュールの斜視図である。
【符号の説明】
1 LDモジュール
2 パッケージ
2a 底板
2b 側壁
2c 取付部
2d リードピン
2e スリーブ
3 サーモモジュール
4 ベース
4a,4e 配置溝
4b,4c ガイド溝
4d 段部
5,6 固定ブロック
7、10 キャリア
8 LD素子
9 サーミスタ
11 フォトダイオード
15 レンズ付ファイバ
15a レンズ部
16 金属フェルール
17 メタルコート
20 供給管
21 吸入管
22,23 リード線
25 電極
26 供給管
27 吸入管
30 LDモジュール
41 本体
41a 台座
42 ホルダ
42a 配置溝
42b,42c ガイド溝
42d 係合部
43,44 固定ブロック
45 キャリア
Lp めっき層
M 防水性あるいは撥水性の膜
Pwd 溶接点
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信において用いられる半導体レーザ(LD)モジュールには、レーザ光を発振するLD素子及び発振されたレーザ光を伝送する光ファイバが予め光結合されてモジュール化されている。このようなLDモジュールとして、例えば、レンズ付ファイバとLD素子とを調芯した状態で、レンズ付ファイバが固定された金属フェルールを固定部材に対してYAGレーザで溶接するLDモジュールが知られている(特開2000−147335号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特開2000−147335号に開示されたLDモジュールでは、光ファイバに取り付けた金属フェルールを金属製のベース上に配置した固定部材にレーザ溶接固定している。このため、上述のLDモジュールでは、金属フェルールをレーザ溶接した場合に、レーザ照射時のレーザ出力のばらつき、固定部材表面の状態、固定部材の製造方法、配合金属のばらつき、あるいは金属の溶融・凝固に伴って生じる熱応力により、LD素子と光ファイバとの間に位置ずれが発生する場合がある。この場合、光出力が所定値に達しなかったLDモジュールは、不良品として排除しなければならない。特に、先端にレンズ部を形成したレンズ付ファイバを用いたLDモジュールは、レンズ付ファイバとLD素子との光結合に関する許容誤差が1μm以下と非常に厳しいことから、製造上の歩留まりが悪く、製造単価が増加してコスト高になるという問題があった。しかも、レーザ溶接部が急速に冷却され、レーザ溶接部に内部応力が残留して固定されたLDモジュールにおいては、使用時の温度変化や経時変化によってLD素子と光ファイバとの間に位置ずれが発生することがあった。
【0004】
この発明は上述した従来技術による問題点を解消するため、構成部品に関する位置ずれの発生を回避し得る半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、前記基板に対して前記光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法において、前記光部品を、前記基板に対してめっきによって固定することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定している。
【0007】
また、請求項2の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記基板は固定部材が固定され、前記固定部材を介して前記光部品を前記基板に対してめっき固定することを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明によれば、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定している。
【0009】
また、請求項3の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記基板上に前記光部品を当接した部分の周囲、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給することを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明によれば、撥水性の膜によって光部品が基板あるいは固定部材と当接した部分からめっき液が漏れ出し難くしている。
【0011】
また、請求項4の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明によれば、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が適切な時間で完了するようにしている。
【0013】
また、請求項5の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0015】
請求項5,6の発明によれば、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けるようにしている。
【0016】
また、請求項7の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して位置決めする工程と、前記レンズ付ファイバあるいはフェルールと、前記基板あるいは前記固定部材とをめっき固定する工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明によれば、レンズ付ファイバのフェルールを基板あるいは固定部材にめっきで固定しようとしている。
【0018】
また、請求項8の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、更に、前記フェルールの後部を動かして前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めする工程を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明によれば、レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めすることで、結合効率を一層高めるようにしている。
【0020】
また、請求項9の発明に係る半導体レーザモジュールの製造方法は、上記の発明において、更に、サーモモジュールを内蔵する前記半導体レーザモジュールであって、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節することを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明によれば、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、内蔵したサーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節するようにしている。
【0022】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項10の発明に係る半導体レーザモジュールは、互いに位置決めされる半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品が前記基板に対して固定される半導体レーザモジュールにおいて、前記光部品が、前記基板に対してめっきで固定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項10の発明によれば、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定している。
【0024】
また、請求項11の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は、前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されていることを特徴とする。
【0025】
請求項11の発明によれば、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定している。
【0026】
また、請求項12の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする。
【0027】
請求項12の発明によれば、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了するようにしている。
【0028】
また、請求項13の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0029】
また、請求項14の発明に係る半導体レーザモジュールは、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0030】
請求項13,14の発明によれば、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けるようにしている。
【0031】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項15の発明に係る光部品の固定方法は、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記基板上に光部品を固定する光部品の固定方法において、前記光部品を前記基板に対して当接させ、この当接させた部分で前記光部品と前記基板とをめっきによって固定することを特徴とする。
【0032】
請求項15の発明によれば、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定している。
【0033】
また、請求項16の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されることを特徴とする。
【0034】
請求項16の発明によれば、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定している。
【0035】
また、請求項17の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記基板上の前記光部品を当接した部分、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給することを特徴とする。
【0036】
請求項17の発明によれば、防水性あるいは撥水性の膜によって光部品と基板あるいは光部品と固定部材とが当接した部分からめっき液が漏れ出し難くしている。
【0037】
また、請求項18の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする。
【0038】
請求項18の発明によれば、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了するようにしている。
【0039】
また、請求項19の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0040】
また、請求項20の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする。
【0041】
請求項19,20の発明によれば、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けるようにしている。
【0042】
また、請求項21の発明に係る光部品の固定方法は、上記の発明において、更に、サーモモジュールを内蔵する半導体レーザモジュールであって、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節することを特徴とする。
【0043】
請求項21の発明によれば、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、サーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節するようにしている。
【0044】
ここで、本発明でいうめっきとは、湿式で行う電気めっき及び無電解めっきをいう。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明にかかる光部品の固定方法、LDモジュールの製造方法及びLDモジュールの好適な実施の形態について説明する。
【0046】
(実施の形態1)
まず、この発明の実施の形態1について説明する。図1は、この発明の実施の形態1であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。図2は、この発明で用いるレンズ付ファイバを示す斜視図である。
【0047】
この実施の形態1にかかるLDモジュール1は、図1に示すように、パッケージ2と、パッケージ2内に収容されるサーモモジュール3、ベース4、LD素子8、フォトダイオード11、およびレンズ付ファイバ15を有している。
【0048】
パッケージ2は、図1に示すように、底板2a、側壁2b及び、側壁2bの上部に被せられる図示しないカバーを有し、底板2aの四隅に長手方向に延びるフランジ状の取付部2cが設けられている。側壁2bは、複数のリードピン2dが外方へ突出させて設けられると共に、レンズ付ファイバ15の端末をパッケージ2の外部へ引き出すスリーブ2eが設けられている。取付部2cは、底板2aの四隅に設ける代わりに、底板1aの両側へ延出させた2つの延出片としてもよく、その場合には各延出片に2つの取付孔を設ける。また、取付部2cは、底板2aと略同じ厚さとしてもよい。サーモモジュール3は、複数のペルチェ素子を組み合わせたもので、LD素子8の温度をサーミスタ9によってモニタし、所定温度に調整するものである。
【0049】
ベース4は、図1に示すように、金属製の板の幅方向中央に長手方向に延びる配置溝4aが形成され、配置溝4aと直交するガイド溝4b,4cが幅方向に設けられている。ガイド溝4bには固定ブロック5が、ガイド溝4cには固定ブロック6が、それぞれ一組ずつ対向配置されている。また、ベース4は、長手方向一方に、他方よりも低くした段部4dが形成されている。ここで、配置溝4aは、後述する金属フェルール16を配置して、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決めする。このため、配置溝4aは、金属フェルール16の直径を考慮して成形する。また、固定ブロック5,6は、ガイド溝4b,4cに配置され、YAGレーザ溶接によって複数の溶接点Pwdでベース4に固定されている。
【0050】
LD素子8は、図1に示すように、段部4dに設けたキャリア7に設置され、近傍にはLD素子8の温度をモニタするサーミスタ9が設けられている。フォトダイオード11は、段部4dに設けたキャリア10に設置され、LD素子8と対向させて配置される。レンズ付ファイバ15は、図2(a)に示すように、端部を楔状等のレンズ部15aが先端に形成され、レンズ部15aを含む先端側を突出させて金属フェルール16に取り付けられている。レンズ部15aは、楔状の他、半球状に成形したものでもよい。レンズ付ファイバ15は、レンズ部15aをLD素子8と対向させるようにして、金属フェルール16を配置溝4aに配置する。レンズ付ファイバ15は、図2(b)に示すように、金属フェルール16に代えて必要な部分にメタルコート17を施したものでもよい。
【0051】
金属フェルール16は、半導体レーザ素子8側の前部に一組の固定ブロック6が、後部に一組の固定ブロック5が、それぞれ配置され、固定ブロック5,6に対してめっきで固定されている。このとき、金属フェルール16は、セラミックや合成樹脂で成形されたフェルールの表面及び内面の必要な部分に金属をめっきしたものを使用してもよい。ここで、固定に用いるめっきとしては、Auめっき,Niめっき,Cuめっき,Pdめっき,Snめっき等のどれを用いてもよいが、特性面、作業性、経済性から無電解Niめっきが妥当である。
【0052】
上述のように構成されるLDモジュール1は、実施の形態1に係るレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を利用して以下のようにして製造される。
【0053】
先ず、キャリア7、LD素子8、サーミスタ9、キャリア10及びフォトダイオード11を搭載したベース4を固定する。サーモモジュール3を内蔵するLDモジュール1は、サーモモジュール3をパッケージ2の底板2aに半田等で固定する。このとき、ベース4には、固定ブロック5,6及び金属フェルール16は配置しない。
【0054】
次に、レンズ付ファイバ15の端末をパッケージ2のスリーブ2eから外部へと引き出し、金属フェルール16を配置溝4aに配置すると共に、金属フェルール16を挟むようにしてガイド溝4cに一組の固定ブロック6を配置する。この状態で、ベース4から延出した金属フェルール16の後端を図示しない第一の調芯冶具で把持し、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決め(調芯)する。
【0055】
この位置決め(調芯)作業は、例えば、LD素子8から出射したレーザ光をレンズ付ファイバ15に入射させ、レンズ付ファイバ15の出射端でパワーメータによってレーザ光の強度をモニタしながら、調芯冶具で金属フェルール16をX,Y,Z軸方向のうち少なくとも一方向に微動させる。そして、モニタされるレーザ光の強度が最大の位置を、レンズ付ファイバ15の光軸がLD素子8から出射されるレーザ光の光軸に対して一致した調芯位置と見なす。このとき、金属フェルール16の移動は、例えば、第一の調芯冶具にコンピュータ制御されたステッピングモータを取り付けて正確に行う。
【0056】
次いで、各固定ブロック6が金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接するように、第二の調芯冶具により固定ブロック6の位置を調整する。固定ブロック6を金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接させると、両部材の間隔が適切で、めっき固定に要する時間を短時間とすることができる。そして、位置調整が完了したら、図3に示すように、YAGレーザ溶接により各固定ブロック6を複数の溶接点Pwdでベース4に固定する。
【0057】
この後、めっきを施す部分の周囲を取り囲むようにして、ベース4の上面、配置溝4a及びガイド溝4b,4cの両側並びに金属フェルール16の前後に、図4に斜線で示すように防水性あるいは撥水性の膜Mを貼付してシールする。以下、膜Mによって囲まれた領域を供給エリアと呼ぶ。膜Mは、供給エリアを最小、言い換えると、必要部分以外になるべくめっきをしないようにするためである。このとき、膜Mは、図5に斜線で示すように、配置溝4a及びガイド溝4b,4cの両側部分を塞ぐように貼付すると、より一層シール効果が高まる。特に、膜Mは、弾性があれば、配置溝4aに配置した金属フェルール16の外形に沿って変形するので、金属フェルール16の部分におけるシール効果が高まる。また、膜Mに代えて配置溝4a及びガイド溝4b,4cの両側部分を合成樹脂によって塞いでもよい。膜Mの素材としては、例えば、炭化水素系ポリマー,水性アクリル・シリコーンハイブリッド系合成樹脂,ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系合成樹脂等を使用することができる。また、膜Mは、めっき処理後に剥離可能な材料であることが好ましい。または、LDモジュール1の長期信頼性に問題がなければ、膜Mは残しても良い。
【0058】
次に、めっきの前処理として、図6に示すように、供給管20及び吸入管21を供給エリアの一組の固定ブロック6が当接している金属フェルール16の部分に前後に配置し、供給管20から供給エリアに電解脱脂液を供給する。電解脱脂液としては、水酸化ナトリウム,炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,オルソ及びメタケイ酸ナトリウムリン酸ナトリウム,シアン化ナトリム等を使用する。このとき、供給エリアは、周囲が防水性あるいは撥水性の膜Mで囲まれているため、電解脱脂液が漏れ出し難くなっている。
【0059】
そして、電解脱脂液が供給エリア内に所定の高さまで満たされたら、図6に示すように、リード線22,23をそれぞれベース4及び金属フェルール16に接続し、リード線22,23に通電して電解脱脂を行うことでめっきを施す部分の油脂類を除去する。この電解脱脂の工程において、電解脱脂液は、供給管20から供給エリアに連続的に供給しながら、吸入管21で供給エリアから連続的に吸引して排出してもよい。あるいは、電解脱脂液は、所定量を供給エリア内に満たし、所定時間電解脱脂を行ったら全量交換するようにし、電解脱脂を行うサイクルを数回繰り返してもよい。
【0060】
このようにして電解脱脂が終了したら、電解脱脂液に代えて蒸留水を供給管20から供給エリアに連続的に供給しながら、吸入管21で供給エリアから連続的に吸引し、供給エリアを水洗する。そして、水洗が終了したら、蒸留水に代えて硫酸や塩酸の水溶液からなる酸洗液を供給管20から供給エリアに連続的に供給すると共に、吸入管21で供給エリアから連続的に吸引し、供給エリアを酸洗いする。
【0061】
このようにして供給エリアに対するめっきの前処理が終了したら、図7に示すように、酸洗液に代えてニッケル−リンからなる無電解めっき液を供給管20から供給エリアに連続的に供給しながら、吸入管21で吸引して供給エリアから排出し、主として供給エリア内の固定ブロック6と金属フェルール16の表面に無電解ニッケルめっきを施す。このとき、めっき液は、電解脱脂の場合と同様に、所定量を供給エリア内に満たし、所定時間めっき処理を行ったら全量交換するようにし、無電解ニッケルめっきを行うサイクルを数回繰り返してもよい。
【0062】
この無電解ニッケルめっきは、主として供給エリア内の固定ブロック6と金属フェルール16の表面に施されるが、固定ブロック6が金属フェルール16に対して当接している0〜10μmの隙間にもめっき層が形成される。このため、固定ブロック6と金属フェルール16との間に僅かな隙間がある場合には、図8(a)に示すように、めっき層Lpは固定ブロック6と金属フェルール16の表面に薄く成長し始める。そして、図8(b)に示すように、固定ブロック6と金属フェルール16との間の最も狭い部分で、固定ブロック6側で成長しためっき層Lpと金属フェルール16側で成長しためっき層Lpとが接合する。この結果、金属フェルール16は、前部両側が固定ブロック6にめっき層Lpによって強固に固定される。但し、図8(c)に示すように、固定ブロック6が金属フェルール16に対して当接し、隙間がない場合には、金属フェルール16の下部側に形成されるめっき層Lpが、金属フェルール16を固定ブロック6に対して強固に固定する。
【0063】
このとき、ベース4は、図9(a),(b)に示すように、一端が配置溝4aに繋がるガイド溝4b,4cの他端を閉じた形状とし、めっき液が漏れ出さないようにしている。
【0064】
さらに、ガイド溝4b,4cの深さを固定ブロック5,6の厚みに比べて大きく設定してもよい。このようなガイド溝4b,4cを深くしたベース4を用いる場合、配置溝4aの両側に前述の膜Mを貼付して供給エリアをシールし、図9(c)に示すように、固定ブロック5,6及び金属フェルール16が浸る線Lまでめっき液を満たす。この状態で、めっき作業を行うことにより、固定ブロック5,6を介して金属フェルール1をベース4に対してめっき固定する。このとき、ベース4は、ガイド溝4b,4cの深さが深いため、固定ブロック5,6をYAGレーザで溶接することが難しい。このため、固定ブロック5,6は、めっきによってそれぞれ対応するガイド溝4b,4cに固定してもよい。但し、ベース4は、固定ブロック5,6をYAGレーザで溶接して固定する場合には、溶接作業に支障がないように、ガイド溝4b,4cの上部を、図9(d)に示すように、上方に向けて広がるテーパ面Ftとしたり、段部(階段状)としたりしてYAGレーザを照射する領域を確保するようにする。ガイド溝4b,4cをこのような形状とした場合でも、固定ブロック5,6は、めっきによってそれぞれ対応するガイド溝4b,4cに固定してもよいことはいうまでもない。
【0065】
このようにして金属フェルール16の前部両側が固定ブロック6に固定されたら、供給エリア内の無電解めっき液を吸入管21によって排出した後、供給管20から蒸留水を供給して供給エリア内を水洗する。これにより、光部品である金属フェルール16は、固定ブロック6を介して前部をベース4に対してめっき固定することが完了する。
【0066】
ここで、湿式めっきでは、めっき液の温度によってめっき(化学反応)速度等が変化する。このため、湿式めっきでは、めっき処理温度を適当な温度に調節することで、めっきの仕上がりや作業性等をある程度制御可能となる。従って、めっき作業は、少なくともLD素子8、フォトダイオード11を搭載したベース4が固定された半導体レーザモジュールをホットプレートや外部に設けた他のサーモモジュール等の温度調節装置上に設置してめっき液の温度を制御しながら行ってもよい。
【0067】
更に、図6に示すように、サーモモジュール3を内蔵した半導体レーザモジュールにおいては、サーモモジュール3を利用してベース4を加熱や冷却あるいは略一定温度に調節し、めっき液の温度を適当な温度に調節することで、めっきの仕上がりや作業性等を制御してもよい。このとき、ベース4あるいはめっき液の温度は、温度計や熱電対等のセンサで測定してもよいし、半導体レーザモジュールが内蔵するサーミスタ9でモニタしてもよい。これらは、以下に説明する実施の形態2以降においても同様である。
【0068】
次に、金属フェルール16の後部を第一の調芯冶具で把持して動かすことにより、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して再度位置決め(調芯)する。例えば、図10に示すように、金属フェルール16の後部を、固定ブロック6にめっき固定された点Pを支点として矢印A方向に僅かに揺動させる。そして、上述のように、パワーメータでモニタされるレーザ光の強度が最大の位置を、レンズ付ファイバ15の光軸がLD素子8から出射されるレーザ光の光軸に対して一致した調芯位置と見なす。このように、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して再度位置決め(調芯)することで、LD素子8から出射されるレーザ光のレンズ付ファイバ15への結合効率が一層高まる。
【0069】
このようにして、レンズ付ファイバ15がLD素子8に対して再度位置決めされたら、図11に示すように、金属フェルール16を挟むようにしてガイド溝4bに一組の固定ブロック5を配置し、各固定ブロック5を複数の溶接点PwdにおいてYAGレーザでベース4に溶接する。そして、撥水性の膜Mで囲まれた供給エリアに対してめっきの前処理を施した後、無電解ニッケルめっきを行い、金属フェルール16の後部両側を固定ブロック5に対して強固に固定する。
【0070】
このように、LDモジュール1は、ベース4に固定した固定ブロック5,6に対して金属フェルール16が無電解ニッケルめっきによって固定されている。このため、LDモジュール1は、金属フェルール16を固定ブロック5,6に溶接した場合に比べ、室温での作業で、固定部分が加熱されることがないことから、熱応力に起因したLD素子8とレンズ付ファイバ15との間に位置ずれを回避することができる。また、めっき固定の作業は、パッケージ2内に収容したベース4の上で行うことから、固定ブロック5,6に対する金属フェルール16の固定が容易なことから、LDモジュール1の製造が容易で歩留まりも向上し、出力の安定したLDモジュールを製造することができる。
【0071】
なお、LDモジュール1は、必ずしもLD素子8とレンズ付ファイバ15がレーザ光の強度が最大の位置で固定されていなくても良い。つまり、スリーブ2eと、及びLDモジュール1上部を図示しない蓋体によって気密封止した状態で、所望の特性を満足すれば良いものである。
【0072】
ここで、ベース4は、図12に示すように、ガイド溝4bのない短尺のベースとし、ガイド溝4cに固定した固定ブロック6に金属フェルール16をめっきによって固定してもよい。この場合、フェルール16は、例えば、チャック等の把持部材によって把持でき、ベース4へ固定し得る最短のものを使用するのが望ましい。
【0073】
一方、ベース4は、図13(a)に示すように、Cu−W製の本体41とFe−Ni−Co合金(KOVAR(R))からなるホルダ42とを組み合わせた複合体としてもよい。本体41は、図13(b)に示すように、中央に台座41aが一体に形成され、台座41aによってホルダ42を位置決めし、ホルダ42が銀ろう付け等で接合される。台座41aには、図13(a)に示すように、キャリア7を介してLD素子8が設置される。本体41は、ホルダ42と組み合わせた後、フォトダイオードを設置するキャリア45が設けられる。
【0074】
ホルダ42は、金属製の板の幅方向中央に長手方向に延びる配置溝42aが形成され、配置溝42aと直交するガイド溝42b,42cが幅方向に設けられている。配置溝42aは、後述する金属フェルール16を配置して、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決めする。ガイド溝42bには固定ブロック43が、ガイド溝42cには固定ブロック44が、それぞれ一組ずつ対向配置されている。また、ホルダ42は、長手方向一方に、台座41aに係合する係合部42dが形成されている。
【0075】
本体41とホルダ42とを組み合わせたベース4は、台座41aによってホルダ42を本体41に位置決めしてろう付けした後、キャリア7を介して設置されたLD素子8に対してレンズ付ファイバ15を位置決め(調芯)し、固定ブロック43,44を金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接させる。そして、図13(a)に示すように、YAGレーザ溶接により各固定ブロック43,44を複数の溶接点Pwdでホルダ42に固定する。
【0076】
そして、金属フェルール16と各固定ブロック43,44とが当接した周囲を取り囲むようにして、防水性あるいは撥水性の膜を塗布し、無電解ニッケルめっきによって金属フェルール16を固定ブロック43,44に対して強固に固定する。これにより、金属フェルール16は、固定ブロック43,44を介してベース4に固定される。
【0077】
(実施の形態2)
次に、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1は、金属フェルール16を固定ブロック5,6に対して無電解ニッケルめっきによって固定したが、実施の形態2では電気めっきで固定する。図14は、この発明の実施の形態2であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュール1を示す斜視図である。ここで、以下の説明においては、実施の形態1と同一の構成部材には同一の符号を付して説明する。
【0078】
金属フェルール16を固定ブロック5,6に対して電気めっきで固定する場合、電極はめっき部分の近傍に配置する必要がある。従って、実施の形態2では、図14に示すように、一組の固定ブロック6に挟まれた金属フェルール16の近傍に電極25を配置する必要から配置溝4aを成形し、金属フェルール16がめっき液中に浸漬されるようにしている。そして、電極25を挟んで両側にめっき液の供給管26及び吸入管27を配置すると共に、リード線28を金属フェルール16に接続し、金属フェルール16を固定ブロック5,6に電気をめっきで固定する。このとき、固定ブロック5,6は、実施の形態1と同様に、予め複数の溶接点PwdにおいてYAGレーザ溶接でベース4に固定されている。
【0079】
また、金属フェルール16と固定ブロック5,6とが当接した部分にめっき液を供給する手段として、例えば、筆めっき,ブラシめっきあるいは液面制御めっき等を用いてもよい。筆めっきとは、筆,フェルトあるいはスポンジ等にめっき液を吸収させて陽極とし、陰極とした金属フェルール16の固定ブロック5,6との当接部分に筆等からめっき液を供給するめっき方法をいう。ブラシめっきとは、先端にブラシを設けた管を用い、ブラシ部分にめっき液を供給しながら金属フェルール16と固定ブロック5,6との当接部分にめっき液を供給したり、ブラシが回転したりしながら金属フェルール16と固定ブロック5,6との当接部分にめっき液を供給するめっき方法をいう。また、液面制御めっきとは、中空の丸管,角管あるいは異型管を用いて下方から上方にめっき液を流して管の上端部に一定の高さの液面を生じさせ、この液中に金属フェルール16と固定ブロック5,6との当接部分を浸漬してめっき液を供給するめっき方法をいう。
【0080】
ここで、実施の形態1及び2においては、固定ブロック5,6は、YAGレーザ溶接によって予め複数の溶接点Pwdでベース4に固定していたが、めっきで固定してもよい。この場合、レンズ付ファイバ15とLD素子8とを位置決め(調芯)した後、金属フェルール16と固定ブロック5,6との間隔を0〜10μmに調整する。そして、この状態で無電解めっきあるいは電気めっきを行えば、金属フェルール16と固定ブロック5,6とのめっき固定と並行して固定ブロック5,6とベース4とがめっき固定される。このようにすると、1度のめっき作業で済ますことが可能であるから、LDモジュール1の製造がより容易となり、歩留まりも更に向上する。
【0081】
(実施の形態3)
次に、この発明の実施の形態3について説明する。実施の形態3は、フェルールを有しないレンズ付ファイバを用いている。図15は、この発明の実施の形態3であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【0082】
この実施の形態3のLDモジュール30で使用するレンズ付ファイバ15は、図2に示したように、先端にレンズ部15aが形成されているが、金属フェルール16に代えて、金属フェルール16を取り付ける部分にメタルコート、例えば、ニッケル(Ni)を下地として金(Au)めっきが施されている。また、ベース4は、金属製の板の幅方向中央に長手方向に延びる配置溝4aが形成され、配置溝4aと直交するガイド溝4cが幅方向に設けられている。
【0083】
従って、LDモジュール30は、実施の形態1に係るLDモジュール1と同様にして製造される。即ち、レンズ付ファイバ15を配置溝4aに配置すると共に、レンズ付ファイバ15を挟むようにしてガイド溝4cに一組の固定ブロック6を配置する。この状態で、ベース4から延出したレンズ付ファイバ15の後端を図示しない第一の調芯冶具で把持し、レンズ付ファイバ15をLD素子8に対して位置決め(調芯)する。
【0084】
各固定ブロック6が金属フェルール16に対して0〜10μmの間隔をおいて当接するように、第二の調芯冶具により固定ブロック6の位置を調整する。そして、位置調整が完了したら、図15に示すように、YAGレーザ溶接により各固定ブロック6を複数の溶接点Pwdでベース4に固定する。
【0085】
この後、めっきを施す部分の周囲を取り囲むようにして撥水性の膜を塗布し、めっきの前処理を施した後、無電解めっきあるいは電気めっきにより、レンズ付ファイバ15を固定ブロック6に対して固定する。
【0086】
このように、金属フェルール16を取り付けていないレンズ付ファイバ15は、重量が小さいため、1点で固定ブロック6に固定するだけで十分である。このため、実施の形態3に係るLDモジュール30は、実施の形態1,2に係るLDモジュール1に比べると構成部品が少ないことから、LDモジュール1に比較して安価で製造に要する時間を短縮することができる。
【0087】
(実施の形態4)
次に、この発明の実施の形態4について説明する。実施の形態1〜3では固定ブロックを介してレンズ付ファイバをベースに固定したが、実施の形態4では固定ブロックを使用せずにレンズ付ファイバを直接ベース4に固定している。図16は、この発明の実施の形態4であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【0088】
この実施の形態4のLDモジュール35で使用するレンズ付ファイバ15は、図2(b)に示したように、先端にレンズ部15aが形成されているが、金属フェルール16に代え、金属フェルール16を取り付ける部分にメタルコート17が施されている。また、ベース4は、配置溝4aが形成され、配置溝4aに代えて台形の配置溝4eが形成されている。
【0089】
従って、LDモジュール35は、配置溝4eに金属フェルール16を有しないレンズ付ファイバ15を配置し、図17に示すように、メタルコート17を施した部分をめっきによってベース4に固定する。このとき、レンズ付ファイバ15は、LD素子8に対して位置決め(調芯)されるが、配置溝4eとの間に0〜10μmの間隔をおいて当接するように位置決め(調芯)される。このため、めっき層Lpは、図示のように、メタルコート17を施した部分の下面と配置溝4eとの間の隙間に形成される。
【0090】
ここで、レンズ付ファイバ15は、金属フェルール16を有するものを使用した場合には、図18に示すLDモジュール35のように、配置溝4eに金属フェルール16を配置し、金属フェルール16をめっきによってベース4に固定する。このとき、レンズ付ファイバ15は、LD素子8に対して位置決め(調芯)されるが、金属フェルール16は、配置溝4eとの間に0〜10μmの間隔をおいて当接するように位置決め(調芯)される。このため、金属フェルール16は、配置溝4eとの間の隙間に形成されるめっき層Lpによってベース4に固定される。
【0091】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、前記基板に対して前記光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法において、前記光部品を、前記基板に対してめっきによって固定するようにしているので、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定することができるという効果を奏する。
【0092】
また、請求項2の発明によれば、前記基板は固定部材が固定され、前記固定部材を介して前記光部品を前記基板に対してめっき固定するようにしているので、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定することができるという効果を奏する。
【0093】
また、請求項3の発明によれば、前記基板上に前記光部品を当接した部分の周囲、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給するようにしているので、撥水性の膜によって固定部材と光部品とが当接した部分からめっき液が漏れ出し難くしてフェルールを固定部材にめっき固定する作業を行うことができるという効果を奏する。
【0094】
また、請求項4の発明によれば、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接するようにしているので、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了できるという効果を奏する。
【0095】
また、請求項5の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバとし、請求項6の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバとしたので、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けることができるという効果を奏する。
【0096】
また、請求項7の発明によれば、前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して位置決めする工程と、前記レンズ付ファイバあるいはフェルールと、前記基板あるいは前記固定部材とをめっき固定する工程とを含むので、レンズ付ファイバのフェルールを基板あるいは固定部材にめっきで固定することができるという効果を奏する。
【0097】
また、請求項8の発明によれば、更に、前記フェルールの後部を動かして前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めする工程を含むので、レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めすることで、結合効率を一層高めることができるという効果を奏する。
【0098】
また、請求項9の発明によれば、更に、サーモモジュールを内蔵する前記半導体レーザモジュールであって、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節するので、内蔵したサーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節することができるという効果を奏する。
【0099】
また、請求項10の発明によれば、互いに位置決めされる半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品が前記基板に対して固定される半導体レーザモジュールにおいて、前記光部品が、前記基板に対してめっきで固定されるので、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定することができるという効果を奏する。
【0100】
また、請求項11の発明によれば、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は、前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されているので、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定することができるという効果を奏する。
【0101】
また、請求項12の発明によれば、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接しているので、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了するという効果を奏する。
【0102】
また、請求項13の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバとし、請求項14の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバとしたので、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けることができるという効果を奏する。
【0103】
また、請求項15の発明によれば、半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記基板上に光部品を固定する光部品の固定方法において、前記光部品を前記基板に対して当接させ、この当接させた部分で前記光部品と前記基板とをめっきによって固定するので、レーザ溶接による瞬時の温度変化(熱的影響)を与えることなく光部品を基板に固定することができるという効果を奏する。
【0104】
また、請求項16の発明によれば、前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されるので、前記光部品を前記基板に対して間接的に固定することできるという効果を奏する。
【0105】
また、請求項17の発明によれば、前記基板上の前記光部品を当接した部分、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給するので、防水性あるいは撥水性の膜によって光部品と基板あるいは光部品と固定部材とが当接した部分からめっき液が漏れ出し難くすることができるという効果を奏する。
【0106】
また、請求項18の発明によれば、めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接しているので、光部品と基板あるいは光部品と固定部材との間隔をめっき固定が、例えば、適切な時間で完了することできるという効果を奏する。
【0107】
また、請求項19の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバとし、請求項20の発明によれば、前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバとしたので、目的に応じてフェルールを有するレンズ付ファイバと有しないレンズ付ファイバを、例えば、LD素子と光結合させる際の取り扱いのし易さやめっき固定のし易さ等で使い分けることできるという効果を奏する。
【0108】
また、請求項21の発明によれば、更に、サーモモジュールを内蔵する半導体レーザモジュールであって、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節するので、サーモモジュールを利用してめっき処理温度を調節することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【図2】この発明で用いるレンズ付ファイバを示す斜視図である。
【図3】金属フェルールの前部に配置した固定ブロックをYAGレーザ溶接によって複数の溶接点でベースに固定した状態を示す斜視図である。
【図4】基板のめっきを施す部分の周囲を取り囲むようにして防水性あるいは撥水性の膜を貼付したLDモジュールの斜視図である。
【図5】図4に示すLDモジュールにおいて、防水性あるいは撥水性の膜の他の貼付例を示す斜視図である。
【図6】基板のめっきを施す部分に供給管及び吸入管を配置し、電解脱脂等のめっきの前処理を行う様子を示す斜視図である。
【図7】基板のめっきを施す部分に無電解めっきを施す様子を示す斜視図である。
【図8】金属フェルール及び固定ブロックにめっき層が形成される様子を模式的に示す断面図である。
【図9】LDモジュールで用いるベースの他の例を示す図である。
【図10】金属フェルール16の後部を動かしてレンズ付ファイバをLD素子に対して再度位置決めする様子を示す模式図である。
【図11】金属フェルールの後部に配置した固定ブロックをYAGレーザ溶接によって複数の溶接点でベースに固定した状態を示す斜視図である。
【図12】実施の形態1のLDモジュールにおけるベースの変形例を示す斜視図である。
【図13】実施の形態1のLDモジュールにおけるベースの他の変形例を示す斜視図である。
【図14】この発明の実施の形態2であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュール1を示す斜視図である。
【図15】この発明の実施の形態3であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【図16】この発明の実施の形態4であるレンズ付ファイバの固定方法及びLDモジュールの製造方法を適用して製造されるLDモジュールを示す斜視図である。
【図17】図16のLDモジュールにおけるレンズ付ファイバとベースとの位置関係を示す図である。
【図18】図16のレンズ付ファイバが金属フェルールを有するLDモジュールの斜視図である。
【符号の説明】
1 LDモジュール
2 パッケージ
2a 底板
2b 側壁
2c 取付部
2d リードピン
2e スリーブ
3 サーモモジュール
4 ベース
4a,4e 配置溝
4b,4c ガイド溝
4d 段部
5,6 固定ブロック
7、10 キャリア
8 LD素子
9 サーミスタ
11 フォトダイオード
15 レンズ付ファイバ
15a レンズ部
16 金属フェルール
17 メタルコート
20 供給管
21 吸入管
22,23 リード線
25 電極
26 供給管
27 吸入管
30 LDモジュール
41 本体
41a 台座
42 ホルダ
42a 配置溝
42b,42c ガイド溝
42d 係合部
43,44 固定ブロック
45 キャリア
Lp めっき層
M 防水性あるいは撥水性の膜
Pwd 溶接点
Claims (21)
- 半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品を前記半導体レーザ素子に対して位置決めした後、前記基板に対して前記光部品を固定する半導体レーザモジュールの製造方法において、
前記光部品を、前記基板に対してめっきによって固定することを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。 - 前記基板は固定部材が固定され、前記固定部材を介して前記光部品を前記基板に対してめっき固定することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- 前記基板上に前記光部品を当接した部分の周囲、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給することを特徴とする請求項1または2に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- 前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- 前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- 前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して位置決めする工程と、
前記レンズ付ファイバあるいはフェルールと、前記基板あるいは前記固定部材とをめっき固定する工程と、
を含むことを特徴とする請求項5または6に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。 - 更に、前記フェルールの後部を動かして前記レンズ付ファイバを前記半導体レーザ素子に対して再位置決めする工程を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- 更に、サーモモジュールを内蔵する前記半導体レーザモジュールであって、前記光部品を前記基板に対してめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
- 互いに位置決めされる半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記光部品が前記基板に対して固定される半導体レーザモジュールにおいて、
前記光部品が、前記基板に対してめっきで固定されていることを特徴とする半導体レーザモジュール。 - 前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は、前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されていることを特徴とする請求項10に記載の半導体レーザモジュール。
- めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする請求項10または11に記載の半導体レーザモジュール。
- 前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
- 前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の半導体レーザモジュール。
- 半導体レーザ素子と光部品とを搭載した基板を備え、前記基板上に光部品を固定する光部品の固定方法において、
前記光部品を前記基板に対して当接させ、この当接させた部分で前記光部品と前記基板とをめっきによって固定することを特徴とする光部品の固定方法。 - 前記基板は固定部材が固定され、前記光部品は前記固定部材を介して前記基板に対してめっき固定されることを特徴とする請求項15に記載の光部品の固定方法。
- 前記基板上の前記光部品を当接した部分、あるいは前記基板上の前記固定部材と前記光部品とを当接した部分の周囲を防水性あるいは撥水性の膜でシールし、当該シール部分内にめっき液を供給することを特徴とする請求項15または16に記載の光部品の固定方法。
- めっき処理前、前記光部品は、前記基板あるいは前記固定部材に対して0〜10μmの間隔をおいて当接していることを特徴とする請求項15〜17のいずれか一つに記載の光部品の固定方法。
- 前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、表面にメタルコートが施されたレンズ付ファイバであることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一つに記載の光部品の固定方法。
- 前記光部品は、先端にレンズ部が形成され、レンズ部を含む先端側を突出させてフェルールに挿通固定したレンズ付ファイバであることを特徴とする請求項15〜18のいずれか一つに記載の光部品の固定方法。
- 更に、サーモモジュールを内蔵する半導体レーザモジュールであって、前記光部品と前記基板とをめっきによって固定する際に、前記サーモモジュールによってめっき処理温度を調節することを特徴とする請求項15〜20のいずれか一つに記載の光部品の固定方法。
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JP2002238529A JP2004077838A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 半導体レーザモジュールの製造方法、半導体レーザモジュール及び光部品の固定方法 |
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-
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- 2002-08-19 JP JP2002238529A patent/JP2004077838A/ja active Pending
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