JP2004077778A - 光情報出力装置 - Google Patents
光情報出力装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004077778A JP2004077778A JP2002237819A JP2002237819A JP2004077778A JP 2004077778 A JP2004077778 A JP 2004077778A JP 2002237819 A JP2002237819 A JP 2002237819A JP 2002237819 A JP2002237819 A JP 2002237819A JP 2004077778 A JP2004077778 A JP 2004077778A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical information
- unit pixel
- output device
- information output
- lenticular lens
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
Abstract
【課題】観察者がシャッタメガネ等の観察補助具を使用せずに鮮明な立体像情報を得ることができ、更には薄型化することができると共に、高い発光効率を有し、高輝度で高速応答性があり、かつ高コントラストの立体像情報を低電圧及び低消費電力で提供することができる光情報出力装置を提供すること。
【解決手段】立体像情報を構成すべき左眼信号L及び右眼信号Rの印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部21が、電子放出源である背面板31と発光部である前面板30との組み合わせからなるフラットパネルディスプレイ29を構成し、単位画素部21間及び/又は内に設けられたブラックストライプ(又はマトリクス)18及び/又は38を有し、単位画素部21に一対一に対応して光出射側にレンティキュラレンズ19が設けられている、FED等のフラットパネルディスプレイ29。
【選択図】 図1
【解決手段】立体像情報を構成すべき左眼信号L及び右眼信号Rの印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部21が、電子放出源である背面板31と発光部である前面板30との組み合わせからなるフラットパネルディスプレイ29を構成し、単位画素部21間及び/又は内に設けられたブラックストライプ(又はマトリクス)18及び/又は38を有し、単位画素部21に一対一に対応して光出射側にレンティキュラレンズ19が設けられている、FED等のフラットパネルディスプレイ29。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば立体像情報を観察するのに好適な光情報出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体像情報(立体画像)を見るためのテレビジョン(立体テレビ)としては、主に、シャッターメガネ方式を用いて立体画像を見る構造が用いられている。
【0003】
例えば、このシャッターメガネ方式の一種である時分割シャッターメガネ方式は、観察者の左眼又は右眼に対応した自然光(可視光)画像を、通常のテレビジョンではフィールドごとに交互に切り替えて表示し、かつ表示画像に同期して明状態又は暗状態となるシャッターメガネを掛けて見るシステムであり、ディスプレイによるフルカラー表示とシャッターメガネとにより、比較的容易にカラー立体画像を見ることができる。
【0004】
しかし、このシステムでは、専用のシャッターメガネを掛けなければ、通常のテレビジョン画像を見るような感覚で立体画像を楽しむことは出来なかった。更に、このシステムでは、1つの画素内に、立体像情報を構成する右眼信号と左眼信号とを個別に認識できない程度の速度で交互に入力する必要があるために、現行のCRT(Cathode Ray Tube)方式のようにアナログ方式のテレビジョン等では、高速で電子ビームを振る必要があり、多くの消費電力が要求される。
【0005】
ところで、上述のような画像の立体視を行うためのディスプレイ装置としては、例えば極薄型フラットパネルディスプレイである冷陰極電界電子放出型ディスプレイ装置(FED: Field Emission Display)等の電界放出型発光装置がある。これは、パネル内部に電子放出源となる背面板を設け、この背面板の各画素領域内に電子放出材料からなる多数の電子放出部を形成し、所定の電気信号に応じて対応する画素領域の電子放出部を励起することにより電子を放出し、前面板の蛍光体に入射させてこれを光らせる構造のものが知られている。
【0006】
この場合、電子放出源である背面板では、例えば、帯状に形成された複数本のカソード電極と、このカソード電極の上部においてカソード電極層と対向して帯状に形成された複数本のゲート電極とが設けられ、これらのカソード電極とゲート電極との各対向領域がそれぞれ1画素を形成している。
【0007】
図12及び図13を参照して、上記した電子放出源となる背面板81と、螢光体を設けた前面板80とからなるフラットパネルディスプレイとしてのFED79について説明する。
【0008】
図12に示すように、背面板81においては、例えばガラス基板51の表面上に帯状の複数本のカソード電極54が形成され、これらのカソード電極54上に絶縁層58が形成され、更にその上に各カソード電極層54と対向した帯状の複数本のゲート電極59が形成され、各カソード電極54と共にマトリクス構造を構成している。各カソード電極54及び各ゲート電極59は制御手段77にそれぞれ接続されて駆動制御される。
【0009】
カソード電極54とゲート電極59との各対向領域においては、ゲート電極59と絶縁層58とを貫通して、カソード電極54の表面に達する多数の孔部63が形成され、これらの孔部63の底部となるカソード電極54の表面に電子放出部64が設けられている。この電子放出部64が冷陰極を構成する。
【0010】
この電子放出部64は、電子放出材料、例えばモリブデンよりなり、略円錐体に形成されている。そして各電子放出部64の先端部は、ゲート電極59に形成された電子通過用のゲート部59aの高さに略位置している。このように、カソード電極54とゲート電極59との交差領域には、多数の電子放出部64が設けられて画素領域が形成され、1つの画素部(ピクセル)を構成している。
【0011】
上記した背面板81において、制御手段77により所定のカソード電極54とゲート電極59とを選択し、これらの間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極54とゲート電極59との対向領域、即ち、画素領域内の全ての電子放出部64とゲート電極59との間に所定の電界が生じ、電子放出部64の先端からトンネル効果によって電子が放出される。
【0012】
図13は、背面板81を用いたFED79の例を示すが、ガラス基板51上に電子放出部64を多数配置したカソード側の背面板81と、この背面板81に対し電子放出方向に所定の間隔をもって配置されたアノード側(アノード電極は図示省略)の前面板80とが設けられ、この前面板80において、複数の電子放出部64と対向する位置に、カソード電極52と直交して配置された帯状のR(赤)、G(緑)、B(青)の各蛍光体65、66、67の集合体が、ブラックストライプ(又はマトリクス)68と交互に形成され、複数の電子放出部64を有する背面板81とR、G、B蛍光体65、66、67を有する前面板80との間が真空状態に保たれる構造となっている。
【0013】
次に、図12及び図13を参照して、FED79の動作について述べる。画素部を構成する所定の画素領域を有する背面板81において、その電子放出部64と一致する対向領域を有するカソード電極54とゲート電極59とを制御手段77によって選択し、所定の電圧を印加し、これにより、背面板81の電子放出部64は励起されて電子が放出され、カソード電極54とゲート電極59との間に印加された電圧によって電子は加速され、更にアノード電極(図示せず)の方向へ吸引され、R、G、B蛍光体65、66、67と衝突して可視光を出射し、画像を形成するものである。
【0014】
この構造によれば、ディスプレイをフラット(薄型化)にすることができると共に、効率よく電子を蛍光体に衝突させることができて高い発光効率を有することができ、高輝度で高速応答性があり、かつ高コントラストの平面画像を低電圧及び低消費電力で提供することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、平面画像を得るには上述のフラットパネルディスプレイ、特にFEDが有効であるが、立体画像を提供する際には下記のような問題が生じることがある。
【0016】
即ち、このフラットパネルディスプレイは、左眼用及び右眼用の各信号による発光画素部を構成単位として、それぞれの可視光を分離して発光する必要があるが、これらの発光光はフラットパネルディスプレイの前面に対して垂直方向に出射するために、一部の可視光が観察者の眼に入り難くなる共に、左眼用及び右眼用の出射光が明確に分離して左右の眼にそれぞれ入射することが困難となり、高画質、高コントラストの立体画像を形成するのが難しい。これでは、FED等の優れた性能が、立体画像を得る上では発揮されないことになる。
【0017】
そのために、鮮明な立体画像を観察するためには、従来のようにシャッタメガネ等の観察補助具を用いなければならない。
【0018】
また、隣接する単位画素部又は左眼及び右眼の画素構成部分が比較的接近して設けられているために、発光時に、隣接する単位画素部又は画素構成部分からの発光(可視光)の一部が互いに交差して干渉し合い、本来混じり合うべきでない光信号同士がクロストーク現象を生じてしまい、画素間で光情報が混じり合って画質低下を招き、或いは鮮明な立体像情報の形成に欠かせない左眼信号と右眼信号との完全な分離が難しくなる。
【0019】
そこで、本発明の目的は、観察者が観察補助具を使用せずに鮮明な立体像情報を得ることができ、更には薄型化、高発光効率、高輝度、高速応答性が可能であり、かつ高コントラストの立体像情報を低電圧及び低消費電力で提供することができる、光情報出力装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、立体像情報を構成すべき少なくとも第1信号及び第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部と、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部とを有し、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられている、光情報出力装置(以下、本発明の第1の装置と称する。)に係るものである。
【0021】
本発明の第1の装置によれば、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部を有すると共に、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、また隣接する前記単位画素部間及び/又は内に存在する前記非画像部によって、それぞれの前記単位画素部又は単位画素構成部分から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことがなく、相互に十二分に分離されることができ、シャッタメガネ等を用いることなしに、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができる。
【0022】
本発明は又、立体像情報を構成すべき少なくとも第1信号及び第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部が、電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられている、光情報出力装置(以下、本発明の第2の装置と称する。)に係るものである。
【0023】
本発明の第2の装置によれば、前記単位画素部が電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して前記光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、それぞれの前記単位画素部から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことが少なく、相互に分離されることができ、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができると共に、前記電界放出型発光装置が有する薄型、高発光効率、高輝度、高速応答性、高コントラスト、低電圧、低消費電力という高性能を立体像情報を得る上でも有効に発揮することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の装置においては、例えば外光の反射によるハレーションを防止するためには、前記単位画素部間のブラックストライプ又はブラックマトリクス等の前記非画像部の中間位置まで前記レンティキュラレンズが存在しているか、或いは前記非画像部の位置は前記レンティキュラレンズが存在しない平坦面となっているのが望ましい。これは、本発明の第2の装置でも同様である。
【0025】
また、本発明の第1及び第2の装置においては、明確な3次元画像情報を得るために、3次元画像情報を構成すべき少なくとも前記第1信号及び前記第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した、左眼信号部及び右眼信号部からなる単位画素部を有し、更に望ましくは前記単位画素部間及び/又は内に設けられたブラックストライプ又はブラックマトリクスである前記非画像部を有し、前記単位画素部に対応して光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられ、デジタル情報を入、出力可能なフラットパネルディスプレイ装置として構成されるのが望ましい。
【0026】
また、本発明の第1の装置は、前記フラットパネルディスプレイ装置が、電界放出型ディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ及び電子泳動型ディスプレイからなる群より選ばれた一種のディスプレイ装置からなっているのがよく、本発明の第2の装置では特にFED等の電界放出型発光装置を構成する。
【0027】
また、良好な光情報出力を得るには、μ秒以上の応答速度を有するのがよい。
【0028】
また、前記第1信号及び第2信号にそれぞれ相当する左眼及び右眼信号によりそれぞれ動作させるために、赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体及び青色(B)蛍光体の配列の一対の組み合わせを1画素とするのが望ましい。
【0029】
また、立体像情報を形成するために、左眼信号を入力する領域と右眼信号を入力する領域とを前記単位画素部内に有するのが望ましい。
【0030】
また、左眼信号と右眼信号とを明確に分離するために、前記レンティキュラレンズの配列周期と前記単位画素部の配列周期とが同一であり、前記レンティキュラレンズによる焦点位置が画像面に存在するのが望ましい。
【0031】
また、前記単位画素部を構成するサブピクセル間の間隔が100μm以下であるのが望ましい。ここでサブピクセルは、R、G、Bの個々の蛍光体とこの蛍光体に対応する個々の電子放出部との対を表すものとする。
【0032】
また、隣接する前記単位画素部間の間隔が100μm以下であるのが望ましい。
【0033】
また、前記単位画素部の周期方向の長さが100μm以下であるのが望ましい。
【0034】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0035】
第1の実施の形態
まず、本実施の形態によるフラットパネルディスプレイの構造を図1及び図2について説明する。ここで、図1はフラットパネルディスプレイ(ここでは主としてFED)29の概略断面図(a)及びこの一部の概略平面図(b)であり、図2はその概略斜視図である(図1は図2のX−X’線断面図である)。
【0036】
図1及び図2に示すように、背面板31は、例えばガラス基板1の表面上に帯状の複数本のカソード電極2が形成され、これらのカソード電極2の上に触媒層7と絶縁層8とがこの順に形成されていて、更にその上に各カソード電極層2と交差対向して帯状に複数本のゲート電極9が形成され、カソード電極2とゲート電極9とでマトリクス構造を構成している。各カソード電極2及び各ゲート電極9は、制御手段(図示せず)にそれぞれ接続されて駆動制御される。
【0037】
カソード電極2とゲート電極9との各対向領域においては、ゲート電極9及び絶縁層8を貫通して触媒層7の表面まで達する多数の例えば略円形の孔部13が形成され、この孔部13の底面の上を被覆して例えばカーボンナノチューブからなる膜状の電子放出部14が形成されている。
【0038】
上記の制御手段により所定のカソード電極2とゲート電極9を選択し、これらの間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極2とゲート電極9との対向領域、即ち、画素領域内の電子放出部14とゲート電極9の各ゲート部との間に所定の電界が生じ、孔部13内の電子放出部14からトンネル効果によって電子が放出される。
【0039】
ここで注目すべきことは、アノード電極20を設けた前面板30に、各単位画素部(1画素)21毎にレンティキュラレンズ19を光出射側に凸状に形成すると共に、前面板30の内面には更に、左眼信号(光)L1及び右眼信号(光)R1を出射するためのR蛍光体15、G蛍光体16及びB蛍光体17、及びR螢光体15’、G蛍光体16’、B螢光体17’がITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明のアノード電極20上に設けられていること、左眼信号部と右眼信号部との間にブラックストライプ(又はブラックマトリクス)18からなる非画像部が設けられていることである。
【0040】
そして、ゲート電極9とカソード電極2との間に印加された電圧によって電子が加速された後に、アノード電極20とカソード電極2との間の電界で吸引され、R蛍光体15及び15’、G蛍光体16及び16’、B蛍光体17及び17’にそれぞれの電子が衝突して可視光が外部に放出され、これらの可視光がレンティキュラレンズ19を屈折通過して出射した後に、左眼信号光及び右眼信号光として観察者の左眼及び右眼にそれぞれ分離して入射し、立体像情報を形成する。
【0041】
図3は、図1に示した単位画素部21の複数個を平面方向に連設した構造を示す。ここでは、各単位画素部毎に設けられた互いに隣接するレンティキュラレンズ19の凸部間(レンティキュラレンズ19の凸部の端部)は、隣接する単位画素部21間にも設けられたブラックストライプ(又はブラックマトリクス)38の中間位置に存在している。このような構造が更に平面方向に連設してフラットパネルディスプレイ29が構成されている。
【0042】
次に、図4に示すように、上述の単位画素部21による画像を観察者が左右の肉眼で観察する際には、まず、電子放出源となる背面板31(但し、背面板31は簡略図示している)から放出された電子が、左眼信号を形成するR、G、B螢光体15、16、17、及び15’、16’、17’に衝突して可視光を生じさせた後に、レンティキュラレンズ19の凸部にて屈折し、その屈折した可視光が観察者の左眼及び右眼にそれぞれ分離して入射する。
【0043】
このように、光情報としての可視光が左眼信号光と右眼信号光とにそれぞれ分離した状態で左右の眼にそれぞれ入射することによって、観察者が立体画像を観察することができる。
【0044】
図5には、この状態を主に出射光で説明するための全体の要部概略図であって、前面板30とレンティキュラレンズ19を有する背面板31とからなるフラットパネルディスプレイ29において、右眼信号Rを有する右眼信号光と左眼信号Lを有する左眼信号光とが、レンティキュラレンズ19で集束されつつ観察者の右眼と左眼とにそれぞれ分離して入射することによって、立体画像を観察することができる。
【0045】
ここで、半円柱状の凸レンズを配列したレンティキュラレンズ19の各焦点に例えばストライプ状に分割された、左右の眼に対応した画素構成部分R、Lを配置するものである。このレンティキュラレンズ19を通して観察者が観察すると、レンティキュラレンズ19の指向特性に応じて、左眼と右眼とに画像が分離されて立体視できるものであるから、カラーディスプレイとして例えばテレビショッピングやインターネットでの売買等において有効なディスプレイとなる。
【0046】
なお、観察者に対して鮮明な光情報出力を提供するために、フラットパネルディスプレイ29がμ秒以上の応答速度を有し、更にレンティキュラレンズ19の配列周期と単位画素部21の配列周期とを同一にし、加えてレンティキュラレンズ19による焦点位置を画像面となるR、G、B蛍光体の位置と同一にするのが好ましい。
【0047】
また、より多くの単位画素部21をフラットパネルディスプレイ29に設けて立体画像をより高品質にするために、単位画素部21のサブピクセル間の間隔、隣接する単位画素部21間の間隔及び単位画素部21の周期方向の長さ等をそれぞれ100μm以下とし、好ましくは50μm以下とするのがよい。
【0048】
本実施の形態においては、また、上記のフラットパネルディスプレイ29の構造は、デジタル情報を入、出力可能であって、冷陰極電界電子放出型ディスプレイ(FED)に好適であるが、他にもプラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、発光ダイオード(LED:Light Emission Display)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)ディスプレイ又は電子泳動型ディスプレイ等としてもよい。
【0049】
上記したように、本実施の形態は、単位画素部21に一対一に対応して光出射側にレンティキュラレンズ19がそれぞれ設けられているために、左眼信号用及び右眼信号用の単位画素部21から出射する可視光が、レンティキュラレンズ19を通過して屈折された後に収束して、互いに分離された状態で観察者の左眼及び右眼にそれぞれ入射することになる。また、隣接する単位画素部21間及び単位画素部21内にブラックストライプ(又はブラックマトリクス)18及び38が存在することによって、それぞれの単位画素部21から出射する左眼信号光及び右眼信号光、及び各単位画素部内で出射する左眼信号光及び右眼信号光がいずれも、出射後に交差して互いに干渉し合うことを防止できるため、左眼信号及び右眼信号を単位画素部間でも単位画素部内でも乱すことなく分離することができる。
【0050】
これによって、既述した如きシャッタメガネ等の観察補助具を使用することなしに、観察者に対して鮮明な立体像情報を提供することができる。
【0051】
また、フラットパネルディスプレイ29が、電子放出源である背面板31と発光部となる前面板30との組み合わせからなるFEDとして構成されているので、薄型化、高発光効率、高輝度、高速応答性、高コントラスト、低電圧及び低消費電力という優れた性能を立体像情報の実現の上でも有効に発揮することができる。
【0052】
次に、図6〜図8について、上述したフラットパネルディスプレイ29の電子放出源となる背面板31の製造方法を例示する(但し、図6〜図8は、図2のY−Y’線断面である)。
【0053】
まず、図6(a)に示すように、ガラスからなる基板1を用意し、図6(b)に示すように、ガラス基板1上にカソード電極2を形成するための第1のフォトレジスト4を形成し、その後にこのフォトレジスト4を選択的にストライプ形状にパターニングし、ガラス基板1の上面と隣接する第1のフォトレジスト4の側面とからなる複数の第1の溝部3を形成する。
【0054】
或いは、ガラス基板1上にニオビウム、モリブデン又はクロム等からなる厚さ約300nm程度の導体膜を成膜し、その後、写真製版法又は反応性イオンエッチング法によりこの導体膜を例えばライン形状に加工して、カソード電極2を直接形成してもよい。
【0055】
図6(b)の工程後に、図6(c)に示すように、カソード電極2を形成するための溝部3にスパッタ法によりAl等を被着させてカソード電極2を形成する。この工程においてはスパッタ法を用いたが、その他にも電子ビーム蒸着法等を用いてもよい。なお、Al2はフォトレジスト4上にも堆積するが、これは下記のリフトオフで除去する。
【0056】
次に、図6(d)に示すように、Alが堆積したフォトレジスト4の部分を、例えばアセトンを用いて溶解してその上のAlをリフトオフすることにより、所望のカソード電極2を選択的に残し、隣接するカソード電極2の側面とガラス基板1の上面とからなる第2の溝部5を形成する。
【0057】
次に、図6(e)に示すように、触媒層7を形成する領域に溝状部を形成するように、第2のフォトレジスト6を溝部5中にこの溝部5の高さ以上の高さとなるように、パターニングする。
【0058】
この後に、図6(f)に示すように、第2のフォトレジスト6の側面とカソード電極層2の上面とで構成される空間に、スパッタ法により例えばNiを被着させて触媒層7を形成する。この工程においてもスパッタ法を用いたが、スパッタ法に限定しなくてもよい(以下の工程においても同様とする)。また、触媒層7の材質としてNiを用いたが、触媒作用があれば、他の金属を用いてもよい。ここで、Niは第2のフォトレジスト6上にも堆積するが、これは下記のリフトオフで除去する。
【0059】
次に、図7(g)に示すように、例えばアセトン等を用いてNiの堆積したフォトレジスト6の部分を溶解してその上のNiをリフトオフすることによって、Niからなる触媒層7をカソード電極2上に選択的に残す。
【0060】
次に、図7(h)に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いて、ガラス基板1上のカソード電極2及び触媒層7を覆うようにして、絶縁層8の構成材質となるSiNを所定の厚さに被着させる。
【0061】
この被着にはCVD法を用いたが、印刷法やスピンコート法等を用いてもよく、また絶縁層7の材質としてSiNを用いたが、SiO2でもよい。また、例えば二酸化珪素(SiO2)をスパッタリング法又は化学蒸着法により、ガラス基板1上に成膜して、厚さ1μmの絶縁層8を形成してもよい。
【0062】
その後、図7(i)に示すように、例えばスパッタ法等を用いてCrとAuとをこの順に堆積させてゲート電極材料層9Aを形成する。
【0063】
次に、図7(j)に示すように、触媒層7上のゲート電極9及び絶縁層8の部分に孔部13を形成するために、ゲート電極材料層9A上に第3のフォトレジスト10を形成した後に、これを選択的にパターニングして、フォトレジスト10の側面とゲート電極材料層9Aの上面とからなる第3の溝部11を形成する。
【0064】
なお、絶縁層8上に、例えばニオビウム又はモリブデンのゲート電極材料を成膜し、その後、写真製版法及び反応性イオンエッチング法によりこの導体膜をカソード電極2と交差するライン状に形成して、厚さ200nm程度のゲート電極9を形成してもよい。
【0065】
図7(j)の工程後は、図8(k)に示すように、溝部11の底部のCr及びAuからなるゲート電極材料層9Aの部分をウエットエッチング法等によって選択的にエッチングして、隣接するゲート電極9の側面と絶縁層8の上面とからなる第4の溝部12を形成する。
【0066】
次に、図8(l)に示すように、例えばアセトン等を用いてゲート電極9上のフォトレジスト10を溶解する。
【0067】
次に、図8(m)に示すように、Cr及びAuからなるゲート電極9をマスクとして用い、ドライエッチング法、写真製版法又はプラズマエッチング法等によって、絶縁層8を触媒層7の表面に至るまでエッチングし、この開口部を孔部13とする。
【0068】
次に、図8(n)に示すように、例えば化学的気相成長法を用いて、孔部13の底部の触媒層7上に、例えば厚さ50nmのカーボンナノチューブ構造を有する電子放出部14を形成する。
【0069】
この電子放出部14の形成方法については、例えばヘリコンプラズマCVD装置を用いて、以下に示すプラズマCVD条件下でカーボンからなるナノチューブ状の電子放出部14を触媒層7上に形成することができる。
【0070】
原料ガス :CH4/H2=50/50sccm(Standard cc per minute)
電源パワー :1500W
支持体印加電力:100V
プラズマ密度 :3×1012/cm3
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300℃
電子温度 :6.5eV
イオン電流密度:25mA/cm2
である。
【0071】
なお、電子放出部14を構成するカーボンの結晶性を変化させるために、合成条件は随時変化させてもよい。また、電子放出特性を向上させるために、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、ラドン(Rn)等の希ガス、水素(H2)及びアンモニア(NH3)のうちの少なくとも2種類以上の混合ガスにより、触媒層7の表面をプラズマ処理することで、触媒層7の表面の酸化膜を除去し、表面を活性化してもよい。
【0072】
このようにすれば、電子放出部14がチューブ状又は繊維状の構造からなる平坦形状となるので、閾値電界を低くすることができ、消費電力が抑えられ、電子放出効率を非常に高くすることができ、また強度的にも十分となる。
【0073】
他方、図1(a)に示したように、観察者側に凸部が配置されたレンティキュラレンズ19の裏面(又は、レンティキュラレンズ19を設けたガラス基板)にITO等からなるアノード電極20を形成し、この上に、左眼信号用のR蛍光体15、G蛍光体16及びB蛍光体17、右眼信号用のR蛍光体15’、G蛍光体16’及びB蛍光体17’、及びブラックストライプ(又はブラックマトリクス)18、38等を形成して、アノードパネルである前面板30を構成し、上記に得られたカソードパネルである背面板31と組み合わせ、これらの間を真空状態にして封止することによって、フラットパネルディスプレイ29を作製する。
【0074】
ここで、作製上の注意点として、単位画素部21からの出射光を観察者の左眼及び右眼に分離して入射させるために、レンティキュラレンズ19の凸部分と単位画素部21とがそれぞれ一対一に対応した状態で、真空封止を行うことが必要である。
【0075】
第2の実施の形態
本実施の形態は、図9に示すように、平面方向に単位画素部21を連設した構造のフラットパネルディスプレイ29において、レンティキュラレンズ19の隣接する凸部の端部間においてブラックストライプ(又はマトリクス)38上に平坦部26を連設している以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0076】
本実施の形態においては、フラットパネルディスプレイ29の外部からの外光が、レンティキュラレンズ19の凸部間の平坦部26に入射し、平坦部26の平坦面によって正反射して、観察者の左右の眼に入射し難くなるので、ハレーションを起こし難くなり、コントラストが向上し、観察者が画像を観察し易くなる。
【0077】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0078】
第3の実施の形態
本実施の形態は、図10に示すように、単位画素部21から構成されるフラットパネルディスプレイ29において、上述のカーボンナノチューブの替わりに、高融点金属材料等からなるマイクロチップをスピントタイプの電子放出部14として設けて冷陰極を構成する以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0079】
この電子放出部14となるマイクロチップは、電子放出材料、例えばモリブデンよりなり、略円錐体に形成される。そしてこのマイクロチップの先端部は、ゲート電極層9の高さに略位置している。
【0080】
このようなマイクロチップを設けた電子放出源となる背面板31においては、制御手段(図示せず)により所定のカソード電極2とゲート電極9を選択し、これらの間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極2とゲート電極9との対向領域、即ち、画素領域内の全てのマイクロチップとゲート電極9との間に所定の電界が生じ、マイクロチップの先端からトンネル効果によって電子が放出される。尚、このときの印加電圧は、マイクロチップの材料がモリブデンである場合、マイクロチップの円錐体の先端部付近の電界の強さが108〜1010V/m程度となる電圧値にする。
【0081】
この構造においては、電子放出部14の先端部の電子放出用の面積が小さいために、電子放出用の電子の出力を集中し、高めることができる。
【0082】
その他、本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0083】
第4の実施の形態
本実施の形態は、図11に示すように、フラットパネルディスプレイ29にLED(Light Emitting Diode:以下、同様とする。)ディスプレイを用いる以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0084】
まず、詳細は図示しないが、LEDディスプレイ22からなる背面板31を作成した後に、その表面にスピンコート法等を用いて透明な接着剤を塗布する。
【0085】
この後に、レンティキュラレンズ19の平坦な裏面に設けられ、単位画素部を構成する左眼信号及び右眼信号としてのRカラーフィルタ23、Gカラーフィルタ24、Bカラーフィルタ25、及びRカラーフィルタ23’、Gカラーフィルタ24’、Bカラーフィルタ25’と、レンティキュラレンズ19とからなる前面板30を、上記接着剤の塗布された前面板31の表面に接着する。
【0086】
この時に、単位画素部21とレンティキュラレンズ19の凸部分とが一対一に対応するように配置して、レンティキュラレンズ19をLEDディスプレイ22上に設ける。
【0087】
この構造においては、LEDディスプレイ22から出射した光が、左眼信号光と右眼信号光とにそれぞれ分離し、左眼信号を形成するR、G、Bカラーフィルタ23、24、25、右眼信号を形成するR、G、Bカラーフィルタ23’、24’、25’をそれぞれ通過した後に、レンティキュラレンズ19の凸部にて屈折してその屈折光が収束しつつ観察者の左眼及び右眼に入射することによって、観察者が立体画像を見ることができ、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得ることができる。
【0088】
以上に述べた本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0089】
例えば、上述した電子放出部14のカーボンナノチューブ等の厚みや形成方法は、本発明の目的が達成される範囲内で様々に変化させることができる。また、こうしたカーボンナノチューブを含む電子放出部14の作製方法や各部の材質、形状等も種々変更できる。
【0090】
また、レンティキュラレンズ19の大きさ、形状、材質、取り付け位置等や、電子放出源となる背面板31の層構成やパターン、孔部13の形状や配置、カソード電極2及びゲート電極9の配置やパターンも種々変更してよい。上述のブラックストライプ(又はマトリクス)は、各単位画素部間と各単位画素部内の双方に設けるのがよいが、いずれか一方に設けてもよい。
【0091】
また、上述のフラットパネルディスプレイの各構造部分の形成方法としては、レーザアブレーション法(レーザ光照射を利用した堆積法)、スパッタ法(例えばArガスを用いたスパッタリング)、CVD、真空蒸着法(物理蒸着法)等を適宜用いてもよい。
【0092】
また、上述した電子放出源となる背面板31の構造は、FED(Field Emission Display: 電界放出型ディスプレイ)に好適であるが、対向する螢光面パネルである前面板30の構造や各部のパターン及び材質等は、上述したものに限られず、またその作製方法も種々に採用できる。そして、FEDの場合には、その出射光の指向性が良好なため、上述したブラックストライプ(又はマトリクス)を必ずしも設けることはない。
【0093】
なお、上述した電子放出源の用途は、FED又はそれ以外のディスプレイに限定されることはなく、出射された信号先を光電変換素子に入射させ、これを電気信号に変換する等、光通信又は光信号処理用のデバイスにも適用可能である。
【0094】
【発明の作用効果】
上述したように、本発明の第1の装置によれば、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部を有すると共に、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、また隣接する前記単位画素部間及び/又は内に存在する前記非画像部によって、それぞれの前記単位画素部から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことがなく、相互に十二分に分離されることができ、シャッタメガネ等を用いることなしに、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができる。
【0095】
また、本発明の第2の装置によれば、前記単位画素部が電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して前記光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、それぞれの前記単位画素部から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことが少なく、相互に分離されることができ、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができると共に、前記電界放出型発光装置が有する薄型、高発光効率、高輝度、高速応答性、高コントラスト、低電圧、低消費電力という高性能を立体像情報を得る上でも有効に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるフラットパネルディスプレイ(主にFED:以下、同様)の一部の概略断面図(a)及び前面板の概略平面図(b)である。
【図2】同、フラットパネルディスプレイの要部を示す概略斜視図である。
【図3】同、フラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図4】同、フラットパネルディスプレイの概略断面図である。
【図5】同、フラットパネルディスプレイの概略断面図である。
【図6】同、フラットパネルディスプレイを作製する工程を順次示す断面図である。
【図7】同、フラットパネルディスプレイを作製する工程を順次示す断面図である。
【図8】同、フラットパネルディスプレイを作製する工程を順次示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態によるフラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態によるフラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるフラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図12】従来例によるフラットパネルディスプレイの背面板の断面図である。
【図13】同、背面板を用いたディスプレイの要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…カソード電極、4、6、10…第1のフォトレジスト、
7…触媒層、8…絶縁層、9…ゲート電極、13…孔部、14…電子放出部、
15、15’…R蛍光体、16、16’…G蛍光体、
17、17’…B蛍光体、
18、38…ブラックストライプ(又はマトリクス)、
19…レンティキュラレンズ、20…アノード電極、21…単位画素部、
22…LEDディスプレイ、23、23’…Rカラーフィルタ、
24、24’…Gカラーフィルタ、25、25’…Bカラーフィルタ、
26…平坦部、29…フラットパネルディスプレイ、30…前面板、
31…背面板、L…左眼信号、R…右眼信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば立体像情報を観察するのに好適な光情報出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、立体像情報(立体画像)を見るためのテレビジョン(立体テレビ)としては、主に、シャッターメガネ方式を用いて立体画像を見る構造が用いられている。
【0003】
例えば、このシャッターメガネ方式の一種である時分割シャッターメガネ方式は、観察者の左眼又は右眼に対応した自然光(可視光)画像を、通常のテレビジョンではフィールドごとに交互に切り替えて表示し、かつ表示画像に同期して明状態又は暗状態となるシャッターメガネを掛けて見るシステムであり、ディスプレイによるフルカラー表示とシャッターメガネとにより、比較的容易にカラー立体画像を見ることができる。
【0004】
しかし、このシステムでは、専用のシャッターメガネを掛けなければ、通常のテレビジョン画像を見るような感覚で立体画像を楽しむことは出来なかった。更に、このシステムでは、1つの画素内に、立体像情報を構成する右眼信号と左眼信号とを個別に認識できない程度の速度で交互に入力する必要があるために、現行のCRT(Cathode Ray Tube)方式のようにアナログ方式のテレビジョン等では、高速で電子ビームを振る必要があり、多くの消費電力が要求される。
【0005】
ところで、上述のような画像の立体視を行うためのディスプレイ装置としては、例えば極薄型フラットパネルディスプレイである冷陰極電界電子放出型ディスプレイ装置(FED: Field Emission Display)等の電界放出型発光装置がある。これは、パネル内部に電子放出源となる背面板を設け、この背面板の各画素領域内に電子放出材料からなる多数の電子放出部を形成し、所定の電気信号に応じて対応する画素領域の電子放出部を励起することにより電子を放出し、前面板の蛍光体に入射させてこれを光らせる構造のものが知られている。
【0006】
この場合、電子放出源である背面板では、例えば、帯状に形成された複数本のカソード電極と、このカソード電極の上部においてカソード電極層と対向して帯状に形成された複数本のゲート電極とが設けられ、これらのカソード電極とゲート電極との各対向領域がそれぞれ1画素を形成している。
【0007】
図12及び図13を参照して、上記した電子放出源となる背面板81と、螢光体を設けた前面板80とからなるフラットパネルディスプレイとしてのFED79について説明する。
【0008】
図12に示すように、背面板81においては、例えばガラス基板51の表面上に帯状の複数本のカソード電極54が形成され、これらのカソード電極54上に絶縁層58が形成され、更にその上に各カソード電極層54と対向した帯状の複数本のゲート電極59が形成され、各カソード電極54と共にマトリクス構造を構成している。各カソード電極54及び各ゲート電極59は制御手段77にそれぞれ接続されて駆動制御される。
【0009】
カソード電極54とゲート電極59との各対向領域においては、ゲート電極59と絶縁層58とを貫通して、カソード電極54の表面に達する多数の孔部63が形成され、これらの孔部63の底部となるカソード電極54の表面に電子放出部64が設けられている。この電子放出部64が冷陰極を構成する。
【0010】
この電子放出部64は、電子放出材料、例えばモリブデンよりなり、略円錐体に形成されている。そして各電子放出部64の先端部は、ゲート電極59に形成された電子通過用のゲート部59aの高さに略位置している。このように、カソード電極54とゲート電極59との交差領域には、多数の電子放出部64が設けられて画素領域が形成され、1つの画素部(ピクセル)を構成している。
【0011】
上記した背面板81において、制御手段77により所定のカソード電極54とゲート電極59とを選択し、これらの間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極54とゲート電極59との対向領域、即ち、画素領域内の全ての電子放出部64とゲート電極59との間に所定の電界が生じ、電子放出部64の先端からトンネル効果によって電子が放出される。
【0012】
図13は、背面板81を用いたFED79の例を示すが、ガラス基板51上に電子放出部64を多数配置したカソード側の背面板81と、この背面板81に対し電子放出方向に所定の間隔をもって配置されたアノード側(アノード電極は図示省略)の前面板80とが設けられ、この前面板80において、複数の電子放出部64と対向する位置に、カソード電極52と直交して配置された帯状のR(赤)、G(緑)、B(青)の各蛍光体65、66、67の集合体が、ブラックストライプ(又はマトリクス)68と交互に形成され、複数の電子放出部64を有する背面板81とR、G、B蛍光体65、66、67を有する前面板80との間が真空状態に保たれる構造となっている。
【0013】
次に、図12及び図13を参照して、FED79の動作について述べる。画素部を構成する所定の画素領域を有する背面板81において、その電子放出部64と一致する対向領域を有するカソード電極54とゲート電極59とを制御手段77によって選択し、所定の電圧を印加し、これにより、背面板81の電子放出部64は励起されて電子が放出され、カソード電極54とゲート電極59との間に印加された電圧によって電子は加速され、更にアノード電極(図示せず)の方向へ吸引され、R、G、B蛍光体65、66、67と衝突して可視光を出射し、画像を形成するものである。
【0014】
この構造によれば、ディスプレイをフラット(薄型化)にすることができると共に、効率よく電子を蛍光体に衝突させることができて高い発光効率を有することができ、高輝度で高速応答性があり、かつ高コントラストの平面画像を低電圧及び低消費電力で提供することができる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このように、平面画像を得るには上述のフラットパネルディスプレイ、特にFEDが有効であるが、立体画像を提供する際には下記のような問題が生じることがある。
【0016】
即ち、このフラットパネルディスプレイは、左眼用及び右眼用の各信号による発光画素部を構成単位として、それぞれの可視光を分離して発光する必要があるが、これらの発光光はフラットパネルディスプレイの前面に対して垂直方向に出射するために、一部の可視光が観察者の眼に入り難くなる共に、左眼用及び右眼用の出射光が明確に分離して左右の眼にそれぞれ入射することが困難となり、高画質、高コントラストの立体画像を形成するのが難しい。これでは、FED等の優れた性能が、立体画像を得る上では発揮されないことになる。
【0017】
そのために、鮮明な立体画像を観察するためには、従来のようにシャッタメガネ等の観察補助具を用いなければならない。
【0018】
また、隣接する単位画素部又は左眼及び右眼の画素構成部分が比較的接近して設けられているために、発光時に、隣接する単位画素部又は画素構成部分からの発光(可視光)の一部が互いに交差して干渉し合い、本来混じり合うべきでない光信号同士がクロストーク現象を生じてしまい、画素間で光情報が混じり合って画質低下を招き、或いは鮮明な立体像情報の形成に欠かせない左眼信号と右眼信号との完全な分離が難しくなる。
【0019】
そこで、本発明の目的は、観察者が観察補助具を使用せずに鮮明な立体像情報を得ることができ、更には薄型化、高発光効率、高輝度、高速応答性が可能であり、かつ高コントラストの立体像情報を低電圧及び低消費電力で提供することができる、光情報出力装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、立体像情報を構成すべき少なくとも第1信号及び第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部と、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部とを有し、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられている、光情報出力装置(以下、本発明の第1の装置と称する。)に係るものである。
【0021】
本発明の第1の装置によれば、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部を有すると共に、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、また隣接する前記単位画素部間及び/又は内に存在する前記非画像部によって、それぞれの前記単位画素部又は単位画素構成部分から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことがなく、相互に十二分に分離されることができ、シャッタメガネ等を用いることなしに、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができる。
【0022】
本発明は又、立体像情報を構成すべき少なくとも第1信号及び第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部が、電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられている、光情報出力装置(以下、本発明の第2の装置と称する。)に係るものである。
【0023】
本発明の第2の装置によれば、前記単位画素部が電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して前記光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、それぞれの前記単位画素部から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことが少なく、相互に分離されることができ、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができると共に、前記電界放出型発光装置が有する薄型、高発光効率、高輝度、高速応答性、高コントラスト、低電圧、低消費電力という高性能を立体像情報を得る上でも有効に発揮することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の装置においては、例えば外光の反射によるハレーションを防止するためには、前記単位画素部間のブラックストライプ又はブラックマトリクス等の前記非画像部の中間位置まで前記レンティキュラレンズが存在しているか、或いは前記非画像部の位置は前記レンティキュラレンズが存在しない平坦面となっているのが望ましい。これは、本発明の第2の装置でも同様である。
【0025】
また、本発明の第1及び第2の装置においては、明確な3次元画像情報を得るために、3次元画像情報を構成すべき少なくとも前記第1信号及び前記第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した、左眼信号部及び右眼信号部からなる単位画素部を有し、更に望ましくは前記単位画素部間及び/又は内に設けられたブラックストライプ又はブラックマトリクスである前記非画像部を有し、前記単位画素部に対応して光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられ、デジタル情報を入、出力可能なフラットパネルディスプレイ装置として構成されるのが望ましい。
【0026】
また、本発明の第1の装置は、前記フラットパネルディスプレイ装置が、電界放出型ディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ及び電子泳動型ディスプレイからなる群より選ばれた一種のディスプレイ装置からなっているのがよく、本発明の第2の装置では特にFED等の電界放出型発光装置を構成する。
【0027】
また、良好な光情報出力を得るには、μ秒以上の応答速度を有するのがよい。
【0028】
また、前記第1信号及び第2信号にそれぞれ相当する左眼及び右眼信号によりそれぞれ動作させるために、赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体及び青色(B)蛍光体の配列の一対の組み合わせを1画素とするのが望ましい。
【0029】
また、立体像情報を形成するために、左眼信号を入力する領域と右眼信号を入力する領域とを前記単位画素部内に有するのが望ましい。
【0030】
また、左眼信号と右眼信号とを明確に分離するために、前記レンティキュラレンズの配列周期と前記単位画素部の配列周期とが同一であり、前記レンティキュラレンズによる焦点位置が画像面に存在するのが望ましい。
【0031】
また、前記単位画素部を構成するサブピクセル間の間隔が100μm以下であるのが望ましい。ここでサブピクセルは、R、G、Bの個々の蛍光体とこの蛍光体に対応する個々の電子放出部との対を表すものとする。
【0032】
また、隣接する前記単位画素部間の間隔が100μm以下であるのが望ましい。
【0033】
また、前記単位画素部の周期方向の長さが100μm以下であるのが望ましい。
【0034】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を図面の参照下に具体的に説明する。
【0035】
第1の実施の形態
まず、本実施の形態によるフラットパネルディスプレイの構造を図1及び図2について説明する。ここで、図1はフラットパネルディスプレイ(ここでは主としてFED)29の概略断面図(a)及びこの一部の概略平面図(b)であり、図2はその概略斜視図である(図1は図2のX−X’線断面図である)。
【0036】
図1及び図2に示すように、背面板31は、例えばガラス基板1の表面上に帯状の複数本のカソード電極2が形成され、これらのカソード電極2の上に触媒層7と絶縁層8とがこの順に形成されていて、更にその上に各カソード電極層2と交差対向して帯状に複数本のゲート電極9が形成され、カソード電極2とゲート電極9とでマトリクス構造を構成している。各カソード電極2及び各ゲート電極9は、制御手段(図示せず)にそれぞれ接続されて駆動制御される。
【0037】
カソード電極2とゲート電極9との各対向領域においては、ゲート電極9及び絶縁層8を貫通して触媒層7の表面まで達する多数の例えば略円形の孔部13が形成され、この孔部13の底面の上を被覆して例えばカーボンナノチューブからなる膜状の電子放出部14が形成されている。
【0038】
上記の制御手段により所定のカソード電極2とゲート電極9を選択し、これらの間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極2とゲート電極9との対向領域、即ち、画素領域内の電子放出部14とゲート電極9の各ゲート部との間に所定の電界が生じ、孔部13内の電子放出部14からトンネル効果によって電子が放出される。
【0039】
ここで注目すべきことは、アノード電極20を設けた前面板30に、各単位画素部(1画素)21毎にレンティキュラレンズ19を光出射側に凸状に形成すると共に、前面板30の内面には更に、左眼信号(光)L1及び右眼信号(光)R1を出射するためのR蛍光体15、G蛍光体16及びB蛍光体17、及びR螢光体15’、G蛍光体16’、B螢光体17’がITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明のアノード電極20上に設けられていること、左眼信号部と右眼信号部との間にブラックストライプ(又はブラックマトリクス)18からなる非画像部が設けられていることである。
【0040】
そして、ゲート電極9とカソード電極2との間に印加された電圧によって電子が加速された後に、アノード電極20とカソード電極2との間の電界で吸引され、R蛍光体15及び15’、G蛍光体16及び16’、B蛍光体17及び17’にそれぞれの電子が衝突して可視光が外部に放出され、これらの可視光がレンティキュラレンズ19を屈折通過して出射した後に、左眼信号光及び右眼信号光として観察者の左眼及び右眼にそれぞれ分離して入射し、立体像情報を形成する。
【0041】
図3は、図1に示した単位画素部21の複数個を平面方向に連設した構造を示す。ここでは、各単位画素部毎に設けられた互いに隣接するレンティキュラレンズ19の凸部間(レンティキュラレンズ19の凸部の端部)は、隣接する単位画素部21間にも設けられたブラックストライプ(又はブラックマトリクス)38の中間位置に存在している。このような構造が更に平面方向に連設してフラットパネルディスプレイ29が構成されている。
【0042】
次に、図4に示すように、上述の単位画素部21による画像を観察者が左右の肉眼で観察する際には、まず、電子放出源となる背面板31(但し、背面板31は簡略図示している)から放出された電子が、左眼信号を形成するR、G、B螢光体15、16、17、及び15’、16’、17’に衝突して可視光を生じさせた後に、レンティキュラレンズ19の凸部にて屈折し、その屈折した可視光が観察者の左眼及び右眼にそれぞれ分離して入射する。
【0043】
このように、光情報としての可視光が左眼信号光と右眼信号光とにそれぞれ分離した状態で左右の眼にそれぞれ入射することによって、観察者が立体画像を観察することができる。
【0044】
図5には、この状態を主に出射光で説明するための全体の要部概略図であって、前面板30とレンティキュラレンズ19を有する背面板31とからなるフラットパネルディスプレイ29において、右眼信号Rを有する右眼信号光と左眼信号Lを有する左眼信号光とが、レンティキュラレンズ19で集束されつつ観察者の右眼と左眼とにそれぞれ分離して入射することによって、立体画像を観察することができる。
【0045】
ここで、半円柱状の凸レンズを配列したレンティキュラレンズ19の各焦点に例えばストライプ状に分割された、左右の眼に対応した画素構成部分R、Lを配置するものである。このレンティキュラレンズ19を通して観察者が観察すると、レンティキュラレンズ19の指向特性に応じて、左眼と右眼とに画像が分離されて立体視できるものであるから、カラーディスプレイとして例えばテレビショッピングやインターネットでの売買等において有効なディスプレイとなる。
【0046】
なお、観察者に対して鮮明な光情報出力を提供するために、フラットパネルディスプレイ29がμ秒以上の応答速度を有し、更にレンティキュラレンズ19の配列周期と単位画素部21の配列周期とを同一にし、加えてレンティキュラレンズ19による焦点位置を画像面となるR、G、B蛍光体の位置と同一にするのが好ましい。
【0047】
また、より多くの単位画素部21をフラットパネルディスプレイ29に設けて立体画像をより高品質にするために、単位画素部21のサブピクセル間の間隔、隣接する単位画素部21間の間隔及び単位画素部21の周期方向の長さ等をそれぞれ100μm以下とし、好ましくは50μm以下とするのがよい。
【0048】
本実施の形態においては、また、上記のフラットパネルディスプレイ29の構造は、デジタル情報を入、出力可能であって、冷陰極電界電子放出型ディスプレイ(FED)に好適であるが、他にもプラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、発光ダイオード(LED:Light Emission Display)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL:Electro Luminescence)ディスプレイ又は電子泳動型ディスプレイ等としてもよい。
【0049】
上記したように、本実施の形態は、単位画素部21に一対一に対応して光出射側にレンティキュラレンズ19がそれぞれ設けられているために、左眼信号用及び右眼信号用の単位画素部21から出射する可視光が、レンティキュラレンズ19を通過して屈折された後に収束して、互いに分離された状態で観察者の左眼及び右眼にそれぞれ入射することになる。また、隣接する単位画素部21間及び単位画素部21内にブラックストライプ(又はブラックマトリクス)18及び38が存在することによって、それぞれの単位画素部21から出射する左眼信号光及び右眼信号光、及び各単位画素部内で出射する左眼信号光及び右眼信号光がいずれも、出射後に交差して互いに干渉し合うことを防止できるため、左眼信号及び右眼信号を単位画素部間でも単位画素部内でも乱すことなく分離することができる。
【0050】
これによって、既述した如きシャッタメガネ等の観察補助具を使用することなしに、観察者に対して鮮明な立体像情報を提供することができる。
【0051】
また、フラットパネルディスプレイ29が、電子放出源である背面板31と発光部となる前面板30との組み合わせからなるFEDとして構成されているので、薄型化、高発光効率、高輝度、高速応答性、高コントラスト、低電圧及び低消費電力という優れた性能を立体像情報の実現の上でも有効に発揮することができる。
【0052】
次に、図6〜図8について、上述したフラットパネルディスプレイ29の電子放出源となる背面板31の製造方法を例示する(但し、図6〜図8は、図2のY−Y’線断面である)。
【0053】
まず、図6(a)に示すように、ガラスからなる基板1を用意し、図6(b)に示すように、ガラス基板1上にカソード電極2を形成するための第1のフォトレジスト4を形成し、その後にこのフォトレジスト4を選択的にストライプ形状にパターニングし、ガラス基板1の上面と隣接する第1のフォトレジスト4の側面とからなる複数の第1の溝部3を形成する。
【0054】
或いは、ガラス基板1上にニオビウム、モリブデン又はクロム等からなる厚さ約300nm程度の導体膜を成膜し、その後、写真製版法又は反応性イオンエッチング法によりこの導体膜を例えばライン形状に加工して、カソード電極2を直接形成してもよい。
【0055】
図6(b)の工程後に、図6(c)に示すように、カソード電極2を形成するための溝部3にスパッタ法によりAl等を被着させてカソード電極2を形成する。この工程においてはスパッタ法を用いたが、その他にも電子ビーム蒸着法等を用いてもよい。なお、Al2はフォトレジスト4上にも堆積するが、これは下記のリフトオフで除去する。
【0056】
次に、図6(d)に示すように、Alが堆積したフォトレジスト4の部分を、例えばアセトンを用いて溶解してその上のAlをリフトオフすることにより、所望のカソード電極2を選択的に残し、隣接するカソード電極2の側面とガラス基板1の上面とからなる第2の溝部5を形成する。
【0057】
次に、図6(e)に示すように、触媒層7を形成する領域に溝状部を形成するように、第2のフォトレジスト6を溝部5中にこの溝部5の高さ以上の高さとなるように、パターニングする。
【0058】
この後に、図6(f)に示すように、第2のフォトレジスト6の側面とカソード電極層2の上面とで構成される空間に、スパッタ法により例えばNiを被着させて触媒層7を形成する。この工程においてもスパッタ法を用いたが、スパッタ法に限定しなくてもよい(以下の工程においても同様とする)。また、触媒層7の材質としてNiを用いたが、触媒作用があれば、他の金属を用いてもよい。ここで、Niは第2のフォトレジスト6上にも堆積するが、これは下記のリフトオフで除去する。
【0059】
次に、図7(g)に示すように、例えばアセトン等を用いてNiの堆積したフォトレジスト6の部分を溶解してその上のNiをリフトオフすることによって、Niからなる触媒層7をカソード電極2上に選択的に残す。
【0060】
次に、図7(h)に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法等を用いて、ガラス基板1上のカソード電極2及び触媒層7を覆うようにして、絶縁層8の構成材質となるSiNを所定の厚さに被着させる。
【0061】
この被着にはCVD法を用いたが、印刷法やスピンコート法等を用いてもよく、また絶縁層7の材質としてSiNを用いたが、SiO2でもよい。また、例えば二酸化珪素(SiO2)をスパッタリング法又は化学蒸着法により、ガラス基板1上に成膜して、厚さ1μmの絶縁層8を形成してもよい。
【0062】
その後、図7(i)に示すように、例えばスパッタ法等を用いてCrとAuとをこの順に堆積させてゲート電極材料層9Aを形成する。
【0063】
次に、図7(j)に示すように、触媒層7上のゲート電極9及び絶縁層8の部分に孔部13を形成するために、ゲート電極材料層9A上に第3のフォトレジスト10を形成した後に、これを選択的にパターニングして、フォトレジスト10の側面とゲート電極材料層9Aの上面とからなる第3の溝部11を形成する。
【0064】
なお、絶縁層8上に、例えばニオビウム又はモリブデンのゲート電極材料を成膜し、その後、写真製版法及び反応性イオンエッチング法によりこの導体膜をカソード電極2と交差するライン状に形成して、厚さ200nm程度のゲート電極9を形成してもよい。
【0065】
図7(j)の工程後は、図8(k)に示すように、溝部11の底部のCr及びAuからなるゲート電極材料層9Aの部分をウエットエッチング法等によって選択的にエッチングして、隣接するゲート電極9の側面と絶縁層8の上面とからなる第4の溝部12を形成する。
【0066】
次に、図8(l)に示すように、例えばアセトン等を用いてゲート電極9上のフォトレジスト10を溶解する。
【0067】
次に、図8(m)に示すように、Cr及びAuからなるゲート電極9をマスクとして用い、ドライエッチング法、写真製版法又はプラズマエッチング法等によって、絶縁層8を触媒層7の表面に至るまでエッチングし、この開口部を孔部13とする。
【0068】
次に、図8(n)に示すように、例えば化学的気相成長法を用いて、孔部13の底部の触媒層7上に、例えば厚さ50nmのカーボンナノチューブ構造を有する電子放出部14を形成する。
【0069】
この電子放出部14の形成方法については、例えばヘリコンプラズマCVD装置を用いて、以下に示すプラズマCVD条件下でカーボンからなるナノチューブ状の電子放出部14を触媒層7上に形成することができる。
【0070】
原料ガス :CH4/H2=50/50sccm(Standard cc per minute)
電源パワー :1500W
支持体印加電力:100V
プラズマ密度 :3×1012/cm3
反応圧力 :0.1Pa
支持体温度 :300℃
電子温度 :6.5eV
イオン電流密度:25mA/cm2
である。
【0071】
なお、電子放出部14を構成するカーボンの結晶性を変化させるために、合成条件は随時変化させてもよい。また、電子放出特性を向上させるために、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、ラドン(Rn)等の希ガス、水素(H2)及びアンモニア(NH3)のうちの少なくとも2種類以上の混合ガスにより、触媒層7の表面をプラズマ処理することで、触媒層7の表面の酸化膜を除去し、表面を活性化してもよい。
【0072】
このようにすれば、電子放出部14がチューブ状又は繊維状の構造からなる平坦形状となるので、閾値電界を低くすることができ、消費電力が抑えられ、電子放出効率を非常に高くすることができ、また強度的にも十分となる。
【0073】
他方、図1(a)に示したように、観察者側に凸部が配置されたレンティキュラレンズ19の裏面(又は、レンティキュラレンズ19を設けたガラス基板)にITO等からなるアノード電極20を形成し、この上に、左眼信号用のR蛍光体15、G蛍光体16及びB蛍光体17、右眼信号用のR蛍光体15’、G蛍光体16’及びB蛍光体17’、及びブラックストライプ(又はブラックマトリクス)18、38等を形成して、アノードパネルである前面板30を構成し、上記に得られたカソードパネルである背面板31と組み合わせ、これらの間を真空状態にして封止することによって、フラットパネルディスプレイ29を作製する。
【0074】
ここで、作製上の注意点として、単位画素部21からの出射光を観察者の左眼及び右眼に分離して入射させるために、レンティキュラレンズ19の凸部分と単位画素部21とがそれぞれ一対一に対応した状態で、真空封止を行うことが必要である。
【0075】
第2の実施の形態
本実施の形態は、図9に示すように、平面方向に単位画素部21を連設した構造のフラットパネルディスプレイ29において、レンティキュラレンズ19の隣接する凸部の端部間においてブラックストライプ(又はマトリクス)38上に平坦部26を連設している以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0076】
本実施の形態においては、フラットパネルディスプレイ29の外部からの外光が、レンティキュラレンズ19の凸部間の平坦部26に入射し、平坦部26の平坦面によって正反射して、観察者の左右の眼に入射し難くなるので、ハレーションを起こし難くなり、コントラストが向上し、観察者が画像を観察し易くなる。
【0077】
その他、本実施の形態においては、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0078】
第3の実施の形態
本実施の形態は、図10に示すように、単位画素部21から構成されるフラットパネルディスプレイ29において、上述のカーボンナノチューブの替わりに、高融点金属材料等からなるマイクロチップをスピントタイプの電子放出部14として設けて冷陰極を構成する以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0079】
この電子放出部14となるマイクロチップは、電子放出材料、例えばモリブデンよりなり、略円錐体に形成される。そしてこのマイクロチップの先端部は、ゲート電極層9の高さに略位置している。
【0080】
このようなマイクロチップを設けた電子放出源となる背面板31においては、制御手段(図示せず)により所定のカソード電極2とゲート電極9を選択し、これらの間に所定の電圧を印加することにより、カソード電極2とゲート電極9との対向領域、即ち、画素領域内の全てのマイクロチップとゲート電極9との間に所定の電界が生じ、マイクロチップの先端からトンネル効果によって電子が放出される。尚、このときの印加電圧は、マイクロチップの材料がモリブデンである場合、マイクロチップの円錐体の先端部付近の電界の強さが108〜1010V/m程度となる電圧値にする。
【0081】
この構造においては、電子放出部14の先端部の電子放出用の面積が小さいために、電子放出用の電子の出力を集中し、高めることができる。
【0082】
その他、本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得られる。
【0083】
第4の実施の形態
本実施の形態は、図11に示すように、フラットパネルディスプレイ29にLED(Light Emitting Diode:以下、同様とする。)ディスプレイを用いる以外は、第1の実施の形態と同様である。
【0084】
まず、詳細は図示しないが、LEDディスプレイ22からなる背面板31を作成した後に、その表面にスピンコート法等を用いて透明な接着剤を塗布する。
【0085】
この後に、レンティキュラレンズ19の平坦な裏面に設けられ、単位画素部を構成する左眼信号及び右眼信号としてのRカラーフィルタ23、Gカラーフィルタ24、Bカラーフィルタ25、及びRカラーフィルタ23’、Gカラーフィルタ24’、Bカラーフィルタ25’と、レンティキュラレンズ19とからなる前面板30を、上記接着剤の塗布された前面板31の表面に接着する。
【0086】
この時に、単位画素部21とレンティキュラレンズ19の凸部分とが一対一に対応するように配置して、レンティキュラレンズ19をLEDディスプレイ22上に設ける。
【0087】
この構造においては、LEDディスプレイ22から出射した光が、左眼信号光と右眼信号光とにそれぞれ分離し、左眼信号を形成するR、G、Bカラーフィルタ23、24、25、右眼信号を形成するR、G、Bカラーフィルタ23’、24’、25’をそれぞれ通過した後に、レンティキュラレンズ19の凸部にて屈折してその屈折光が収束しつつ観察者の左眼及び右眼に入射することによって、観察者が立体画像を見ることができ、上述の第1の実施の形態で述べたのと同様の作用及び効果が得ることができる。
【0088】
以上に述べた本発明の実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能である。
【0089】
例えば、上述した電子放出部14のカーボンナノチューブ等の厚みや形成方法は、本発明の目的が達成される範囲内で様々に変化させることができる。また、こうしたカーボンナノチューブを含む電子放出部14の作製方法や各部の材質、形状等も種々変更できる。
【0090】
また、レンティキュラレンズ19の大きさ、形状、材質、取り付け位置等や、電子放出源となる背面板31の層構成やパターン、孔部13の形状や配置、カソード電極2及びゲート電極9の配置やパターンも種々変更してよい。上述のブラックストライプ(又はマトリクス)は、各単位画素部間と各単位画素部内の双方に設けるのがよいが、いずれか一方に設けてもよい。
【0091】
また、上述のフラットパネルディスプレイの各構造部分の形成方法としては、レーザアブレーション法(レーザ光照射を利用した堆積法)、スパッタ法(例えばArガスを用いたスパッタリング)、CVD、真空蒸着法(物理蒸着法)等を適宜用いてもよい。
【0092】
また、上述した電子放出源となる背面板31の構造は、FED(Field Emission Display: 電界放出型ディスプレイ)に好適であるが、対向する螢光面パネルである前面板30の構造や各部のパターン及び材質等は、上述したものに限られず、またその作製方法も種々に採用できる。そして、FEDの場合には、その出射光の指向性が良好なため、上述したブラックストライプ(又はマトリクス)を必ずしも設けることはない。
【0093】
なお、上述した電子放出源の用途は、FED又はそれ以外のディスプレイに限定されることはなく、出射された信号先を光電変換素子に入射させ、これを電気信号に変換する等、光通信又は光信号処理用のデバイスにも適用可能である。
【0094】
【発明の作用効果】
上述したように、本発明の第1の装置によれば、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部を有すると共に、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、また隣接する前記単位画素部間及び/又は内に存在する前記非画像部によって、それぞれの前記単位画素部から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことがなく、相互に十二分に分離されることができ、シャッタメガネ等を用いることなしに、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができる。
【0095】
また、本発明の第2の装置によれば、前記単位画素部が電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して前記光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられているために、シャッタメガネ等を用いることなしに、それぞれの前記単位画素部から出射する出射光が、前記レンティキュラレンズを通過する際に屈折して所定の方向、特に立体像情報を観察する者に対して必要な方向(左眼又は右眼への入射方向)に確実に変化し、それぞれの前記単位画素部から出射する前記出射光が出射後に交差して互いに干渉し合って光情報を乱すことが少なく、相互に分離されることができ、前記観察者等に対して鮮明な前記立体像情報を提供することができると共に、前記電界放出型発光装置が有する薄型、高発光効率、高輝度、高速応答性、高コントラスト、低電圧、低消費電力という高性能を立体像情報を得る上でも有効に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるフラットパネルディスプレイ(主にFED:以下、同様)の一部の概略断面図(a)及び前面板の概略平面図(b)である。
【図2】同、フラットパネルディスプレイの要部を示す概略斜視図である。
【図3】同、フラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図4】同、フラットパネルディスプレイの概略断面図である。
【図5】同、フラットパネルディスプレイの概略断面図である。
【図6】同、フラットパネルディスプレイを作製する工程を順次示す断面図である。
【図7】同、フラットパネルディスプレイを作製する工程を順次示す断面図である。
【図8】同、フラットパネルディスプレイを作製する工程を順次示す断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態によるフラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態によるフラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるフラットパネルディスプレイの一部の概略断面図である。
【図12】従来例によるフラットパネルディスプレイの背面板の断面図である。
【図13】同、背面板を用いたディスプレイの要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…ガラス基板、2…カソード電極、4、6、10…第1のフォトレジスト、
7…触媒層、8…絶縁層、9…ゲート電極、13…孔部、14…電子放出部、
15、15’…R蛍光体、16、16’…G蛍光体、
17、17’…B蛍光体、
18、38…ブラックストライプ(又はマトリクス)、
19…レンティキュラレンズ、20…アノード電極、21…単位画素部、
22…LEDディスプレイ、23、23’…Rカラーフィルタ、
24、24’…Gカラーフィルタ、25、25’…Bカラーフィルタ、
26…平坦部、29…フラットパネルディスプレイ、30…前面板、
31…背面板、L…左眼信号、R…右眼信号
Claims (18)
- 立体像情報を構成すべき少なくとも第1信号及び第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部と、前記単位画素部間及び/又は内に設けられた非画像部とを有し、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられている、光情報出力装置。
- 前記単位画素部間の前記非画像部の中間位置まで前記レンティキュラレンズが存在している、請求項1に記載の光情報出力装置。
- 前記単位画素部間の前記非画像部の位置は、前記レンティキュラレンズが存在しない平坦面となっている、請求項1に記載の光情報出力装置。
- 3次元画像情報を構成すべき少なくとも前記第1信号及び前記第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した、左眼信号部及び右眼信号部からなる前記単位画素部と、前記単位画素部間及び/又は内に設けられたブラックストライプ又はブラックマトリクスである前記非画像部とを有し、前記単位画素部に対応して光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられ、フラットパネルディスプレイ装置として構成された、請求項1に記載の光情報出力装置。
- 前記フラットパネルディスプレイ装置が、電界放出型ディスプレイ(FED)、プラズマディスプレイ(PDP)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ及び電子泳動型ディスプレイからなる群より選ばれた一種のディスプレイ装置である、請求項4に記載の光情報出力装置。
- 左眼及び右眼の画像信号によりそれぞれ動作させるために、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の配列の一対の組み合わせを1画素とする、請求項4に記載の光情報出力装置。
- 左眼信号を入力する領域と右眼信号を入力する領域とを前記単位画素部内に有する、請求項4に記載の光情報出力装置。
- 前記レンティキュラレンズの配列周期と前記単位画素部の配列周期とが同一であり、前記レンティキュラレンズによる焦点位置が画像面に存在する、請求項1に記載の光情報出力装置。
- 立体像情報を構成すべき少なくとも第1信号及び第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した単位画素部が、電子放出源と発光部との組み合わせからなる電界放出型発光装置を構成し、前記単位画素部に対応して光出射側にレンティキュラレンズが設けられている、光情報出力装置。
- 3次元画像情報を構成すべき少なくとも前記第1信号及び前記第2信号の印加によって所定の光情報が得られるように構成した、左眼信号部及び右眼信号部からなる前記単位画素部を有し、前記単位画素部に対応して光出射側に前記レンティキュラレンズが設けられ、フラットパネルディスプレイ装置として構成された、請求項9に記載の光情報出力装置。
- 基体上に、カソード電極と、前記カソード電極に対向するゲート電極との対向領域において、前記単位画素部のサブピクセル毎に電子放出源が前記カソード電極上に設けられ、この電子放出源と対向して蛍光体が設けられた画像面上に前記レンティキュラレンズが配置されている、請求項9に記載の光情報出力装置。
- 前記単位画素間及び/又は内に非画像部が設けられている、請求項9に記載の光情報出力装置。
- 前記非画像部がブラックストライプ又はブラックマトリクスからなる、請求項12に記載の光情報出力装置。
- 前記単位画素部間の前記非画像部の中間位置まで前記レンティキュラレンズが存在している、請求項12に記載の光情報出力装置。
- 前記単位画素部間の前記非画像部の位置は、前記レンティキュラレンズが存在しない平坦面となっている、請求項12に記載の光情報出力装置。
- 左眼及び右眼の画像信号によりそれぞれ動作させるために、赤色蛍光体、緑色蛍光体及び青色蛍光体の配列の一対の組み合わせを1画素とする、請求項10に記載の光情報出力装置。
- 左眼信号を入力する領域と右眼信号を入力する領域とを前記単位画素部内に有する、請求項10に記載の光情報出力装置。
- 前記レンティキュラレンズの配列周期と前記単位画素部の配列周期とが同一であり、前記レンティキュラレンズによる焦点位置が画像面に存在する、請求項9に記載の光情報出力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002237819A JP2004077778A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 光情報出力装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002237819A JP2004077778A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 光情報出力装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004077778A true JP2004077778A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32021415
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002237819A Pending JP2004077778A (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | 光情報出力装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004077778A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005029431A1 (de) * | 2005-06-24 | 2007-01-04 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Beleuchtungsvorrichtung |
JP2007172924A (ja) * | 2005-12-20 | 2007-07-05 | Rohm Co Ltd | 電界放出型デバイス |
CN101656262B (zh) * | 2008-08-19 | 2012-06-27 | 三星移动显示器株式会社 | 有机发光二极管显示器 |
JP2019022208A (ja) * | 2017-07-13 | 2019-02-07 | Tianma Japan株式会社 | 表示装置、電子機器及びプログラム |
-
2002
- 2002-08-19 JP JP2002237819A patent/JP2004077778A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102005029431A1 (de) * | 2005-06-24 | 2007-01-04 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Beleuchtungsvorrichtung |
DE102005029431B4 (de) * | 2005-06-24 | 2009-12-03 | Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. | Beleuchtungsvorrichtung |
US7646451B2 (en) | 2005-06-24 | 2010-01-12 | Fraunhofer-Gesellschaft Zur Foerderung Der Angewandten Forschung E.V. | Illumination device |
JP2007172924A (ja) * | 2005-12-20 | 2007-07-05 | Rohm Co Ltd | 電界放出型デバイス |
CN101656262B (zh) * | 2008-08-19 | 2012-06-27 | 三星移动显示器株式会社 | 有机发光二极管显示器 |
US8330361B2 (en) | 2008-08-19 | 2012-12-11 | Samsung Display Co., Ltd. | Organic light emitting diode display with a plurality of condensers |
JP2019022208A (ja) * | 2017-07-13 | 2019-02-07 | Tianma Japan株式会社 | 表示装置、電子機器及びプログラム |
JP7072772B2 (ja) | 2017-07-13 | 2022-05-23 | 天馬微電子有限公司 | 表示装置、電子機器及びプログラム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7495377B2 (en) | Field emission display (FED) and method of manufacture thereof | |
US20100039014A1 (en) | Electron multipliers | |
JPH0246636A (ja) | 画像表示装置 | |
JPH03295138A (ja) | 表示装置 | |
US5729087A (en) | Inversion-type fed structure having auxiliary metal electrodes | |
US5676578A (en) | Soft luminescence of field emission display | |
US5880554A (en) | Soft luminescence of field emission display | |
JP2006086118A (ja) | 電界放出素子及びその製造方法 | |
US20050052116A1 (en) | Flat panel backlight and liquid crystal display device using the same | |
KR20040003499A (ko) | 카본계 물질로 형성된 에미터를 갖는 전계 방출 표시 장치 | |
JP2004077778A (ja) | 光情報出力装置 | |
KR100863955B1 (ko) | 발광 장치 및 이 발광 장치를 백라이트 유닛으로 사용하는액정 표시장치 | |
JP3216796B2 (ja) | 立体表示装置 | |
JP3717358B2 (ja) | 表示装置 | |
JP2006253100A (ja) | 電子/イオン源装置とその製造方法、表示装置及びその製造方法 | |
KR100282266B1 (ko) | 2극 구조의 전계효과 전자방출 표시소자 및 그 제조방법 | |
JPH10321169A (ja) | 電界放出型ディスプレイ用蛍光面とこれを用いた電界放出型ディスプレイ装置 | |
KR20080082773A (ko) | 발광 장치와 이의 제조 방법 | |
KR100296956B1 (ko) | 집속전극을구비한전계방출표시소자 | |
KR100343212B1 (ko) | 수평전계효과전자방출소자및그제조방법 | |
JP2008112609A (ja) | 冷陰極、冷陰極アレイおよび電界放出型ディスプレイ | |
JP3082290B2 (ja) | 平面型表示装置 | |
KR100296955B1 (ko) | 전계방출표시소자및에미터제조방법 | |
KR100814822B1 (ko) | 발광 장치, 이의 제조 방법 및 이 발광 장치를 포함하는액정 표시 장치 | |
JP2007227348A (ja) | 電子放出デバイス、および電子放出デバイスを用いる電子放出表示デバイス |