JP2004077171A - 時刻データ受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】時刻データ受信装置は、モデム内の変復調遅延時間が一定であれば、ループバック路における伝送遅延時間を測定して受信時刻データの伝送路での遅延時間を補正することで時刻サービスを高精度で利用することができるが、モデムによっては1接続中における遅延時間のばらつきが大きいものがあり、高精度の時刻に修正できない。
【解決手段】時刻データ送信装置から送信される時刻データを時刻データ受信装置側で受信し、リアルタイムクロックで時刻を修正する。時刻データ送信装置に伝送路遅延時間測定信号を送信したときリアルタイムクロックの周波数を1.5倍にし、時刻データ送信装置から返信されたときクロック周波数を1倍に戻す。時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを1回だけでなく複数回計測し、その平均値でリアルタイムクロックの1秒未満のタイミングを受信時刻データに同期させる。
【選択図】 図1
【解決手段】時刻データ送信装置から送信される時刻データを時刻データ受信装置側で受信し、リアルタイムクロックで時刻を修正する。時刻データ送信装置に伝送路遅延時間測定信号を送信したときリアルタイムクロックの周波数を1.5倍にし、時刻データ送信装置から返信されたときクロック周波数を1倍に戻す。時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを1回だけでなく複数回計測し、その平均値でリアルタイムクロックの1秒未満のタイミングを受信時刻データに同期させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術】
本発明は、電話回線を通じて標準時の時刻データを遠隔地で受信して時刻修正を行う時刻データ受信装置の補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、時刻データ受信装置と時刻データ送出装置側とで伝送方向の異なる2つの伝送路で折り返し接続した伝送路(以下、ループバック路と称する)で構成され、時刻データ受信装置側は、通信回線の遅延時間をモデムを介して測定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
時刻データ受信装置は、モデム内の変復調遅延時間が一定であれば、ループバック路における伝送遅延時間を測定して受信時刻データの伝送路での遅延時間を補正することで時刻サービスを高精度で利用することができるのである。しかし、時刻データ受信装置内のモデムの中には、1接続中における遅延時間のばらつきが大きいものがある。さらにモデムには電話回線の状態が悪い場合など、送られてきたデータの整合性をチェックし、誤りがあれば正しい符号に訂正する機能などを有するため、モデムの内部処理に要する時間遅れが一定でないことがある。そのため、受信時刻データの伝送遅延時間の補正だけではばらつきが出てしまい実際には信頼性に欠けてしまう。
本発明の目的は、電話回線を通じて時刻データを取得した標準時刻を時刻データ受信装置内のモデムの機種や内部処理時間に関係なく極めて高い同期確度で提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
時刻データ送信装置から送信される送信時刻データを時刻データ受信装置側の受信機で受信し、受信機による受信時刻データに基づいてリアルタイムクロックで時刻を修正する。遅延時間測定信号送受信手段は、時刻データ送信装置へ伝送路遅延時間測定信号を送信して、返信された伝送路遅延時間測定信号を受信している。クロック切替回路は、遅延時間測定信号送受信手段で伝送路遅延時間測定信号を送信したときリアルタイムクロックの入力クロック周波数を1.5倍にしてリアルタイムクロックの計時を行い、遅延時間測定信号送受信手段が時刻データ送信装置から返信されたとき伝送路遅延時間測定信号を受信時にリアルタイムクロックのクロック周波数を1倍に戻す動作を行っている。基準カウンタは時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを計測する基準となっているカウンタである。補正カウンタは、時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを複数回計測し、その平均値でリアルタイムクロックの1秒未満のタイミングを受信時刻データに同期させる時刻データ受信装置を提供する。また、時刻データ受信装置には、時刻データ送信装置へのアクセスパラメータは全てプログラム設定してあるため、初期動作時についてもリアルタイムクロックが積算する時刻に基づいて動作し、あらかじめプログラムしてある時刻毎に時刻データ送信装置に自動アクセスして時刻取得を複数回行って時刻同期を行っている。
【0005】
【実施の形態】
図4は、時刻修正装置全体のシステム構成を示した説明図である。同図において、100は時刻データ送信装置を示し、110は後述する本発明の時刻データ受信装置である。150は、時刻データ送信装置100および後述する本発明の時刻データ受信装置110の通信および時刻データのデータ伝送路である。111は時刻発生装置で、120は時刻データ送信装置100のモデム、112は時刻データ送信装置100の時刻データおよび伝送路150の遅延時間補正などにより時刻データ受信装置110の時刻に同期した時刻を生成する時刻生成装置であり、130は時刻データ受信装置110のモデムである。
【0006】
図に示した時刻修正装置全体の動作概略を述べる。時刻データ受信装置110で時刻修正を行いたい時に、時刻データ受信装置110から時刻データ送信装置100へ向けて時刻データ要求コマンドおよび伝送路遅延時間測定のための形成コマンドおよび伝送路遅延時間測定信号等を伝送路150を経由して送出する。
【0007】
時刻データ送信装置100は、前述の時刻データ受信装置110からの前記コマンドあるいは信号を受けると、時刻データ受信装置110へ向けて時刻発生装置111の時刻データおよび伝送路遅延時間測定信号を伝送路150を経由して返送してくる。
【0008】
一般的に電話回線等を経由して伝送路を往復する信号の往路および復路の伝送時間はほぼ等しいことから、異なる2つの伝送路で折り返し接続した伝送路を計測に用いる(以下ループバックと称する)ことにより伝送路を往復する信号の伝送時間を計測して往復伝送時間の1/2を伝送路遅延時間とすることは古くから知られている。
【0009】
この結果、時刻データ受信装置110は、時刻データ送信装置100からの伝送路遅延時間を含む受信時刻データで時刻データ受信装置110のRTC(リアルタイムクロック)の時間を設定した後、RTCの時刻を進めることで時刻データ送信装置100の時刻データに正確に同期した時刻を時刻データ受信装置110の時刻生成装置112に再現できるのである。
【0010】
図1は本発明の時刻データ受信装置の実施例である。時刻データ受信装置110は、図4に示したように、伝送路150を経由して時刻データ送信装置100と接続する。時刻データ受信装置110は、基準発振器1、分周器2、クロック切替回路3、RTC4、CPU5、モデム6、補正カウンタ7、基準カウンタ8で構成してある。
【0011】
基準発振器1は、水晶振動子および発振回路で構成してあり、本例では発振周波数は4,194,304Hzで、次段の分周器2へ出力する。分周器2は1/64分周器である。したがって、分周器2の出力周波数は基準発振器1の発振周波数4,194,304Hzを1/64分周した65,536Hzで次段のクロック切替回路3に出力する。
【0012】
クロック切替回路3は前段の分周器2の出力周波数65,536Hzを入力周波数として1/2分周および3/4分周して32,768Hzと49,152Hzの2つの周波数を生成し、CPU5の制御により通常は1/2分周周波数32,768Hzを、出力周波数切替時は3/4分周周波数49,152Hzを次段のRTC4に出力する。
【0013】
周波数切替制御信号線9は、CPU5からクロック切替回路3へ周波数切替信号を伝送する伝送線である。クロック切替回路3では、周波数切替信号をうけ、通常はクロック切替回路の入力周波数の1/2分周、すなわち32,768Hzを次段のRTC4へ出力し、後述の遅延時間測定信号送受信手段が動作時には3/4分周、すなわち49,152Hzを次段のRTC4へ出力する。
【0014】
RTC4は年、月、日、曜日のカレンダと時、分、秒の時刻を計数する機能を有する。10は、CPU5からRTC4へのリセット信号である。11は、RTC4が1秒ごとにCPU5に割り込みをかける割込信号線である。12は、RTC4とCPU5との間で時刻データの書き込みあるいは読み出しを行うバスであって、モデム6を介してCPU5が取り込んだ時刻データ送信装置100からの受信時刻データをRTC4に書き込んだり、RTC4の時刻をCPU5からの応答に対して読み出しを行う。
【0015】
モデム6はCPU5によって制御される。このモデム6は伝送路150を介して時刻データ送信装置100に接続し、時刻データ受信装置110から時刻データ送信装置100に対する各種コマンドあるいは信号を送信する送信機と、時刻データ送信装置100から時刻データ受信装置110へ向けて送信される送信時刻データおよび伝送路遅延時間測定信号を受信する受信機の機能を有する。
【0016】
CPU5は、時刻データ受信装置110の各種制御を司る。実際にはCPU5の入出力インターフェイス等の周辺機器とのやりとりはあるが図では省略する。
【0017】
遅延時間測定信号送受信手段17は、モデム6がCPU5の制御による伝送路遅延時間測定信号の送出および時刻データ送信装置100からループバック路を経て返信される伝送路遅延時間測定信号を受信する機能を有する。
【0018】
補正カウンタ7は受信した時刻データの秒のタイミングのモデムにおけるばらつきを補正するときに計時を行うカウンタである。13は、複数回時刻データを取り込みモデムのばらつきを補正する時間を補正カウンタ7が計時し、計時終了の時点でCPU5に対して割込みをかける割込信号線である。14は、モデムのばらつきを補正するデータを時刻カウンタ7に書き込むためのデータバスである。
【0019】
基準カウンタ8は、受信した時刻データの秒のタイミングの計測を行うための基準となる秒カウンタである。15は時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100からの送信時刻データの終端を示すCRコードのストップビットを受信したとき、基準カウンタ8をリセットするリセット信号線である。16は基準カウンタ8からCPU5に割込みをかける割込信号線である。
【0020】
次に、図1の時刻データ受信装置110の実施例の動作概略を説明する。時刻データ受信装置110は時刻データ送信装置100へのアクセスパラメータはすべてCPU5のプログラムに設定してあることを前提とする。
【0021】
時刻データ受信装置110は、RTC4の時刻に基づいて動作し、あらかじめプログラムしてある時刻毎に時刻データ送信装置100に自動アクセスして時刻取得と時刻同期を行ってRTC4の時刻較正を行うのである。
【0022】
以下は本発明の時刻データ受信装置110の実施例における時刻取得と時刻同期の動作プロセスの詳細な説明である。
【0023】
時刻データ受信装置110は、定常動作時はCPU5によってあらかじめプログラムした時刻、例えば3時10分になると、モデム6と伝送路150を経由して時刻データ送信装置100へ回線接続を行う。
【0024】
時刻データ送信装置100への回線接続後、CPU5はモデム6を介して時刻データ取得コマンドを送出し、時刻データ送信装置100からデータの後端が正確に標準時刻の秒に同期している時刻データを受信する。
【0025】
CPU5は、送信時刻データを受信すると、受信データをRTC4にセットし、1秒未満のカウンタをクリアする。また、計測の基準点となる基準カウンタ8を、リセット信号線15を介したリセット信号によりリセットする。次に周波数切換制御信号線9を経由し、クロック切換回路3に周波数切替信号を送出し、クロック切換回路3の基準カウンタ8用出力周波数を約0.4秒の間、1.5倍に切り換え、基準カウンタ8を約0.2秒進め計測の基準点とする。この操作により受信する時刻データの秒のタイミングは、計測の基準である基準カウンタ8より常に遅れることになる。これは計測した複数のデータをCPU5により処理する際、基準点からの値に正、負が発生するのを防ぐ操作である。
【0026】
この結果、RTC4の時刻位相は受信時刻データの後端T1に位相同期し、時刻計時を始める。次に受信した時刻データから、秒のタイミングの取得を行う。受信した時刻データは時刻データ送信装置100から時刻データ受信装置までの伝送路150による伝送路遅延時間Dを含んでいるため、時刻データ送信装置100から送出された送信時刻データの後端T0に対してRTC4の示す時刻T1は、T1=T0−Dとなっている。
【0027】
時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100からの送信時刻データを取得すると、CPU5はリセット信号線10によりRTC4の秒未満をリセットする。その後、モデム6を介して時刻データ送信装置100へ伝送路遅延時間測定のためのループ形成コマンドを送出し、伝送路遅延時間測定信号を送出する。CPU5がモデム6を介して伝送路遅延時間測定信号を送出と、同時に周波数切替制御信号線9を経由しクロック切替回路3にクロック切替信号を送出する。この結果、クロック切替回路3はクロック切替信号が入力されると、分周比3/4出力を選択し、RTC4は通常の1.5倍の周波数で計時を開始する。時刻データ受信装置110が時刻送信装置100から返送される伝送路遅延時間測定信号を受信すると、CPU5は周波数切替制御信号線9を経由しクロック切替回路3を分周比1/2出力に復帰し、この結果、RTC4は通常のクロック周波数(32,768Hz)で計時を開始する。すなわち、RTC4の通常の入力周波数F0(=32,768Hz)の歩進パルス数換算で、伝送路遅延時間D×F0の遅れとなる。
【0028】
いっぽう、時刻データ受信装置110からの伝送路遅延時間測定信号の往復の時間は片道の伝送路遅延時間Dの2倍、すなわち2Dと等しい。この伝送路遅延時間測定信号の往復の時間2Dの間を入力周波数を1.5倍にしてRTC4を歩進すると、この2D間のRTC4の入力周波数F1(=49,152Hz)換算の歩進パルス数は、F1=1.5×F0であることから、2D×1.5×F0=3D×F0である。
【0029】
伝送路遅延時間測定信号の往復の時間2Dの間を通常の入力周波数F0でRTC4を歩進した場合の歩進パルス数は、2D×F0である。
【0030】
伝送路遅延時間測定信号の往復の時間2Dの間を1.5倍速歩進した場合と通常歩進した場合の歩進パルス数の差は、3D×F0−2D×F0であり、1.5倍速歩進した場合は歩進パルス数換算で+D×F0の進みとなる。すなわち、送信時刻データを受信時に修正した時刻データ受信装置110の伝送遅延時間による遅れは伝送路遅延時間測定信号の往復の間、クロック切替回路3の出力周波数を1.5倍速に切り替えることで、送信時刻データを受信時の伝送路遅延時間に相当する時間Dだけ時刻データ受信装置110のRTC4の時間を進めることができる。もしモデムのばらつきが一定であるとき、このようにすることにより正確な時刻が得られる。
【0031】
しかし、上記の過程でCPU5はモデム6を介して、伝送路遅延時間測定のためのループ形成コマンドを送出、それに対して、時刻データ送信装置100から返送される伝送路遅延時間測定信号を受信しているため、コマンド送出ごとにモデムの内部処理時間を含めた時刻を設定しているRTC4の秒のタイミングと、基準点である基準カウンタ8との時間差の間にばらつきが発生する。
【0032】
CPU5は、時刻データを受信し、CRコードを検出する毎にRTC4の秒未満をクリアする。このあと伝送路遅延補正のための操作を行う。基準カウンタ8からの割り込みを基準として、遅延補正済みのRTC4からの1秒毎の割り込み時間、T1を計測し、測定値をCPU5のメモリに格納する。次いで、CPU5でT1からTnの平均値すなわちモデムの処理時間のばらつきの平均値Taを計算により求め、データバス14を通じて補正カウンタ7に平均値Taをセットする。
【0033】
次に基準点である基準カウンタ8から1秒に1回発生する割込信号線16を介して割込信号がCPU5にかかると同時に補正カウンタ7をスタートし、Ta時間分を計時し、計時し終えた直後に割込信号線13を通じて割込みがCPU5にかかり、CPU5はリセット信号線10を通してリセット信号をRTC4に伝送しリセットされる。
【0034】
これによりRTC4には、送信時刻データを受信時の伝送路遅延時間が補正され、モデムの機種やモデムの内部処理時間のばらつきを平均化した値が設定され、時刻データ送信装置100の送信時刻に正確に同期した時刻を時刻データ受信装置110に再現できるのである。
【0035】
上記で述べた本発明の実施例の時刻取得と時刻同期の動作プロセスを図2のタイミング図および図3のフローチャートにより更に詳細に説明する。
【0036】
図2は、図1に示した本発明の実施例の時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100にアクセス後、複数回の時刻取得と時刻同期までの経過を示すタイミング図である。
【0037】
20は、時刻データ送信装置100にアクセス直後、時刻データ送信装置と時刻データ受信装置の秒信号は異なる位相関係にあるために、任意に設けた時刻データ受信装置の秒信号の基準となる基準カウンタの秒信号である。
【0038】
Drは、図1に示した時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100へ時刻データ要求コマンドを送出後、時刻データ送信装置100から送出される秒信号に同期している時刻データに対して、伝送路遅延時間Dとモデムの内部処理時間だけの遅れを含む受信時刻データである。したがって、21に示した時刻データ受信装置の受信時刻データの秒のタイミングは、時刻データ送信装置の時刻に対して伝送路遅延時間Dとモデムの内部処理時間だけ遅れている。
【0039】
次いで、時刻データ受信装置は時刻データ送信装置に対してループコマンドを送出する。時刻データ送信装置はループコマンドを受信すると時刻データ受信装置から送られてくるループバック信号を直ちに折り返し返送するループバックモードになる。ここでループコマンドを時刻データ受信装置が送出してから時刻データ送信装置がループバック信号を折り返し返送するまでの間は、伝送路遅延時間は2Dである。その間は時刻データ受信装置110のクロック切替回路3は分周比3/4出力を選択し、RTC4は通常の1.5倍の周波数で計時を行う。
【0040】
この結果、22で示すRTC4の秒信号は21では時刻データ受信装置110の時刻が時刻データ送信装置の時刻に対して伝送路遅延時間Dだけ遅れていたが、22では伝送路延時間Dだけ補正される。この時点ではモデムの内部処理時間も含まれている。
【0041】
ループコマンド送出からループバック信号が返送される動作を複数回行うと、モデムの内部処理時間が異なるため、その度ごとに基準カウンタ8の秒信号とRTC4の秒信号の差がばらつく。前記動作をn回行ったとすると基準カウンタ8の秒信号とRTC4の秒信号の差Tnが出る。(n=1,2・・・n)
【0042】
図2で記載した実施例では、複数回の動作を図1に示したCPU5のアクセスパラメータとしてn回と設定できるが、複数回の設定は外部回路等から回数を設定してもよい。つまり、1回の動作ではモデムのばらつきは一定でないため前記動作を複数回行い、T1からTnまでの平均値TaをCPUで計算する。
【0043】
このTaの時間をデータバス14を介して補正カウンタ7に書き込み、Taの時間だけ時刻カウンタにて計時する。そして、23はTaの時間分を補正カウンタ7で計時し終えたと同時に図1に示したCPU5に割込信号線13を介して割込み信号を送り、CPU5はリセット信号線10を介してRTCの秒信号をリセットすれば時刻データ送信装置からの秒信号に極めて正確に位相同期することとなる。
【0044】
時刻データ送信装置および時刻データ受信装置の秒信号の位相同期が完了すると、時刻データ受信装置はループ解除信号を時刻データ送信装置に送出してループバックモードを解除して一連の時刻修正動作を終了する。
【0045】
図3は、図1に示した本発明の実施例の時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100へのアクセスから複数回の時刻取得と時刻同期を経てアクセスを終了するまでの一連の動作を示すフローチャートである。
【0046】
25は、時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100へのアクセス開始フローのスタート、26は時刻データ送信装置への回線接続、27は時刻取得から時刻同期までの一連の動作を示すフロー、37は回線の切断、38は時刻データ送信装置100へのアクセスの終了である。
【0047】
時刻取得から時刻同期までの一連動作フロー27は以下に示すプロセスとなっていて、図2(タイムチャート)に示したタイミング図の位置符号をあわせて記す。28は時刻データ要求コマンド発行後の送信時刻データの受信(図2−Dr)、29は28を受信後、リセット信号10とバス12を使ってRTC4の秒信号をあわせる。(図2−21)
【0048】
30は時刻データ受信装置110から時刻データ送信装置100にむけてのループコマンド送出である。
【0049】
31はループコマンド送出後、返送されてくる間だけクロック切替回路3の分周比3/4にし、ループバックコマンドを時刻データ受信装置110で受信するとクロック切替回路3は通常の分周比1/2への復帰で、RTC4の秒信号は伝送路遅延時間Dだけ補正する(図2−22)
【0050】
32は、基準カウンタ8とRTC4との秒比較を行うことで出されるモデムの内部処理時間(図2−Tn)、33は28から32までの動作をn回行なったかの判断をCPU5で行いn回行っていれば次の処理へ、n回行っていなければ28へ戻る。
【0051】
34は、28から33までの動作によって出された(図2−Tn)、すなわちモデムの内部処理時間をCPU5でT1からTnまでの平均値(図2−Ta)をデータバス14を介して時刻カウンタ7にセットしTa時間だけ計時する。
【0052】
35は34にて計時し終えた直後にRTC4の信号をリセットすることでモデムの内部処理のばらつきを補正後(図2―23)、36でループ解除コマンドの送出を行う。
【0053】
以上、図1および図2のタイミング図および図3のフローチャートにより詳述したように、本発明の実施例では、伝送遅延時間を含む受信時刻データによるRTC4の時刻修正後、ループバックコマンドを送出して返送されてくる間、RTC4の歩進を1.5倍に切り替えるという一連動作を複数回行うことでモデムの内部処理時間のばらつきをできるだけ抑制して、時刻データ送信装置100から時刻データ受信装置110への送信時刻データ取得と時刻同期を可能とした。
【0054】
図5は、本発明によるデータ受信装置を使用して、日本の標準時刻(JJY)を電話回線を通して受信した実測値を次に示す。1回だけのタイミング取得の場合、このうちのどの値かに同期し、数ミリ秒のずれが発生する。場合によってはかなりずれることがある。そこで、複数回データを検出して平均化することによりばらつきを抑制する。例は、1回だけのタイミング取得を11回繰り返した結果であるが、?2.16msから+3.80msの広範囲でばらついている。このばらつきは、図2の説明の中で回線の遅延については補正されているので、モデムの処理時間のばらつきが原因と考えられる。また実際にはこれらの値から0点を知ることはできない。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、時刻データ送信装置からの送信時刻データを受信時に直ちに時刻データ受信装置の時計を時刻データで修正し、引き続いて時刻データ受信装置の受信時刻の伝送路による遅延時間補正およびモデムの内部処理時間によるばらつきの補正を行うため、極めて正確に時刻データ受信装置の時計を時刻データ送信時刻に同期させることができる時刻データ受信装置を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例
【図2】タイミング図
【図3】実施例のフローチャート
【図4】時刻修正装置全体のシステム構成
【図5】遅延時間を示した図
【符号の説明】
1 基準発振器
2 分周器
3 クロック切換回路
4 RTC
5 CPU
6 モデム
7 補正カウンタ
8 基準カウンタ
100 時刻データ送信装置
110 時刻データ受信装置
150 伝送路
【発明が属する技術】
本発明は、電話回線を通じて標準時の時刻データを遠隔地で受信して時刻修正を行う時刻データ受信装置の補正に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来は、時刻データ受信装置と時刻データ送出装置側とで伝送方向の異なる2つの伝送路で折り返し接続した伝送路(以下、ループバック路と称する)で構成され、時刻データ受信装置側は、通信回線の遅延時間をモデムを介して測定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
時刻データ受信装置は、モデム内の変復調遅延時間が一定であれば、ループバック路における伝送遅延時間を測定して受信時刻データの伝送路での遅延時間を補正することで時刻サービスを高精度で利用することができるのである。しかし、時刻データ受信装置内のモデムの中には、1接続中における遅延時間のばらつきが大きいものがある。さらにモデムには電話回線の状態が悪い場合など、送られてきたデータの整合性をチェックし、誤りがあれば正しい符号に訂正する機能などを有するため、モデムの内部処理に要する時間遅れが一定でないことがある。そのため、受信時刻データの伝送遅延時間の補正だけではばらつきが出てしまい実際には信頼性に欠けてしまう。
本発明の目的は、電話回線を通じて時刻データを取得した標準時刻を時刻データ受信装置内のモデムの機種や内部処理時間に関係なく極めて高い同期確度で提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
時刻データ送信装置から送信される送信時刻データを時刻データ受信装置側の受信機で受信し、受信機による受信時刻データに基づいてリアルタイムクロックで時刻を修正する。遅延時間測定信号送受信手段は、時刻データ送信装置へ伝送路遅延時間測定信号を送信して、返信された伝送路遅延時間測定信号を受信している。クロック切替回路は、遅延時間測定信号送受信手段で伝送路遅延時間測定信号を送信したときリアルタイムクロックの入力クロック周波数を1.5倍にしてリアルタイムクロックの計時を行い、遅延時間測定信号送受信手段が時刻データ送信装置から返信されたとき伝送路遅延時間測定信号を受信時にリアルタイムクロックのクロック周波数を1倍に戻す動作を行っている。基準カウンタは時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを計測する基準となっているカウンタである。補正カウンタは、時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを複数回計測し、その平均値でリアルタイムクロックの1秒未満のタイミングを受信時刻データに同期させる時刻データ受信装置を提供する。また、時刻データ受信装置には、時刻データ送信装置へのアクセスパラメータは全てプログラム設定してあるため、初期動作時についてもリアルタイムクロックが積算する時刻に基づいて動作し、あらかじめプログラムしてある時刻毎に時刻データ送信装置に自動アクセスして時刻取得を複数回行って時刻同期を行っている。
【0005】
【実施の形態】
図4は、時刻修正装置全体のシステム構成を示した説明図である。同図において、100は時刻データ送信装置を示し、110は後述する本発明の時刻データ受信装置である。150は、時刻データ送信装置100および後述する本発明の時刻データ受信装置110の通信および時刻データのデータ伝送路である。111は時刻発生装置で、120は時刻データ送信装置100のモデム、112は時刻データ送信装置100の時刻データおよび伝送路150の遅延時間補正などにより時刻データ受信装置110の時刻に同期した時刻を生成する時刻生成装置であり、130は時刻データ受信装置110のモデムである。
【0006】
図に示した時刻修正装置全体の動作概略を述べる。時刻データ受信装置110で時刻修正を行いたい時に、時刻データ受信装置110から時刻データ送信装置100へ向けて時刻データ要求コマンドおよび伝送路遅延時間測定のための形成コマンドおよび伝送路遅延時間測定信号等を伝送路150を経由して送出する。
【0007】
時刻データ送信装置100は、前述の時刻データ受信装置110からの前記コマンドあるいは信号を受けると、時刻データ受信装置110へ向けて時刻発生装置111の時刻データおよび伝送路遅延時間測定信号を伝送路150を経由して返送してくる。
【0008】
一般的に電話回線等を経由して伝送路を往復する信号の往路および復路の伝送時間はほぼ等しいことから、異なる2つの伝送路で折り返し接続した伝送路を計測に用いる(以下ループバックと称する)ことにより伝送路を往復する信号の伝送時間を計測して往復伝送時間の1/2を伝送路遅延時間とすることは古くから知られている。
【0009】
この結果、時刻データ受信装置110は、時刻データ送信装置100からの伝送路遅延時間を含む受信時刻データで時刻データ受信装置110のRTC(リアルタイムクロック)の時間を設定した後、RTCの時刻を進めることで時刻データ送信装置100の時刻データに正確に同期した時刻を時刻データ受信装置110の時刻生成装置112に再現できるのである。
【0010】
図1は本発明の時刻データ受信装置の実施例である。時刻データ受信装置110は、図4に示したように、伝送路150を経由して時刻データ送信装置100と接続する。時刻データ受信装置110は、基準発振器1、分周器2、クロック切替回路3、RTC4、CPU5、モデム6、補正カウンタ7、基準カウンタ8で構成してある。
【0011】
基準発振器1は、水晶振動子および発振回路で構成してあり、本例では発振周波数は4,194,304Hzで、次段の分周器2へ出力する。分周器2は1/64分周器である。したがって、分周器2の出力周波数は基準発振器1の発振周波数4,194,304Hzを1/64分周した65,536Hzで次段のクロック切替回路3に出力する。
【0012】
クロック切替回路3は前段の分周器2の出力周波数65,536Hzを入力周波数として1/2分周および3/4分周して32,768Hzと49,152Hzの2つの周波数を生成し、CPU5の制御により通常は1/2分周周波数32,768Hzを、出力周波数切替時は3/4分周周波数49,152Hzを次段のRTC4に出力する。
【0013】
周波数切替制御信号線9は、CPU5からクロック切替回路3へ周波数切替信号を伝送する伝送線である。クロック切替回路3では、周波数切替信号をうけ、通常はクロック切替回路の入力周波数の1/2分周、すなわち32,768Hzを次段のRTC4へ出力し、後述の遅延時間測定信号送受信手段が動作時には3/4分周、すなわち49,152Hzを次段のRTC4へ出力する。
【0014】
RTC4は年、月、日、曜日のカレンダと時、分、秒の時刻を計数する機能を有する。10は、CPU5からRTC4へのリセット信号である。11は、RTC4が1秒ごとにCPU5に割り込みをかける割込信号線である。12は、RTC4とCPU5との間で時刻データの書き込みあるいは読み出しを行うバスであって、モデム6を介してCPU5が取り込んだ時刻データ送信装置100からの受信時刻データをRTC4に書き込んだり、RTC4の時刻をCPU5からの応答に対して読み出しを行う。
【0015】
モデム6はCPU5によって制御される。このモデム6は伝送路150を介して時刻データ送信装置100に接続し、時刻データ受信装置110から時刻データ送信装置100に対する各種コマンドあるいは信号を送信する送信機と、時刻データ送信装置100から時刻データ受信装置110へ向けて送信される送信時刻データおよび伝送路遅延時間測定信号を受信する受信機の機能を有する。
【0016】
CPU5は、時刻データ受信装置110の各種制御を司る。実際にはCPU5の入出力インターフェイス等の周辺機器とのやりとりはあるが図では省略する。
【0017】
遅延時間測定信号送受信手段17は、モデム6がCPU5の制御による伝送路遅延時間測定信号の送出および時刻データ送信装置100からループバック路を経て返信される伝送路遅延時間測定信号を受信する機能を有する。
【0018】
補正カウンタ7は受信した時刻データの秒のタイミングのモデムにおけるばらつきを補正するときに計時を行うカウンタである。13は、複数回時刻データを取り込みモデムのばらつきを補正する時間を補正カウンタ7が計時し、計時終了の時点でCPU5に対して割込みをかける割込信号線である。14は、モデムのばらつきを補正するデータを時刻カウンタ7に書き込むためのデータバスである。
【0019】
基準カウンタ8は、受信した時刻データの秒のタイミングの計測を行うための基準となる秒カウンタである。15は時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100からの送信時刻データの終端を示すCRコードのストップビットを受信したとき、基準カウンタ8をリセットするリセット信号線である。16は基準カウンタ8からCPU5に割込みをかける割込信号線である。
【0020】
次に、図1の時刻データ受信装置110の実施例の動作概略を説明する。時刻データ受信装置110は時刻データ送信装置100へのアクセスパラメータはすべてCPU5のプログラムに設定してあることを前提とする。
【0021】
時刻データ受信装置110は、RTC4の時刻に基づいて動作し、あらかじめプログラムしてある時刻毎に時刻データ送信装置100に自動アクセスして時刻取得と時刻同期を行ってRTC4の時刻較正を行うのである。
【0022】
以下は本発明の時刻データ受信装置110の実施例における時刻取得と時刻同期の動作プロセスの詳細な説明である。
【0023】
時刻データ受信装置110は、定常動作時はCPU5によってあらかじめプログラムした時刻、例えば3時10分になると、モデム6と伝送路150を経由して時刻データ送信装置100へ回線接続を行う。
【0024】
時刻データ送信装置100への回線接続後、CPU5はモデム6を介して時刻データ取得コマンドを送出し、時刻データ送信装置100からデータの後端が正確に標準時刻の秒に同期している時刻データを受信する。
【0025】
CPU5は、送信時刻データを受信すると、受信データをRTC4にセットし、1秒未満のカウンタをクリアする。また、計測の基準点となる基準カウンタ8を、リセット信号線15を介したリセット信号によりリセットする。次に周波数切換制御信号線9を経由し、クロック切換回路3に周波数切替信号を送出し、クロック切換回路3の基準カウンタ8用出力周波数を約0.4秒の間、1.5倍に切り換え、基準カウンタ8を約0.2秒進め計測の基準点とする。この操作により受信する時刻データの秒のタイミングは、計測の基準である基準カウンタ8より常に遅れることになる。これは計測した複数のデータをCPU5により処理する際、基準点からの値に正、負が発生するのを防ぐ操作である。
【0026】
この結果、RTC4の時刻位相は受信時刻データの後端T1に位相同期し、時刻計時を始める。次に受信した時刻データから、秒のタイミングの取得を行う。受信した時刻データは時刻データ送信装置100から時刻データ受信装置までの伝送路150による伝送路遅延時間Dを含んでいるため、時刻データ送信装置100から送出された送信時刻データの後端T0に対してRTC4の示す時刻T1は、T1=T0−Dとなっている。
【0027】
時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100からの送信時刻データを取得すると、CPU5はリセット信号線10によりRTC4の秒未満をリセットする。その後、モデム6を介して時刻データ送信装置100へ伝送路遅延時間測定のためのループ形成コマンドを送出し、伝送路遅延時間測定信号を送出する。CPU5がモデム6を介して伝送路遅延時間測定信号を送出と、同時に周波数切替制御信号線9を経由しクロック切替回路3にクロック切替信号を送出する。この結果、クロック切替回路3はクロック切替信号が入力されると、分周比3/4出力を選択し、RTC4は通常の1.5倍の周波数で計時を開始する。時刻データ受信装置110が時刻送信装置100から返送される伝送路遅延時間測定信号を受信すると、CPU5は周波数切替制御信号線9を経由しクロック切替回路3を分周比1/2出力に復帰し、この結果、RTC4は通常のクロック周波数(32,768Hz)で計時を開始する。すなわち、RTC4の通常の入力周波数F0(=32,768Hz)の歩進パルス数換算で、伝送路遅延時間D×F0の遅れとなる。
【0028】
いっぽう、時刻データ受信装置110からの伝送路遅延時間測定信号の往復の時間は片道の伝送路遅延時間Dの2倍、すなわち2Dと等しい。この伝送路遅延時間測定信号の往復の時間2Dの間を入力周波数を1.5倍にしてRTC4を歩進すると、この2D間のRTC4の入力周波数F1(=49,152Hz)換算の歩進パルス数は、F1=1.5×F0であることから、2D×1.5×F0=3D×F0である。
【0029】
伝送路遅延時間測定信号の往復の時間2Dの間を通常の入力周波数F0でRTC4を歩進した場合の歩進パルス数は、2D×F0である。
【0030】
伝送路遅延時間測定信号の往復の時間2Dの間を1.5倍速歩進した場合と通常歩進した場合の歩進パルス数の差は、3D×F0−2D×F0であり、1.5倍速歩進した場合は歩進パルス数換算で+D×F0の進みとなる。すなわち、送信時刻データを受信時に修正した時刻データ受信装置110の伝送遅延時間による遅れは伝送路遅延時間測定信号の往復の間、クロック切替回路3の出力周波数を1.5倍速に切り替えることで、送信時刻データを受信時の伝送路遅延時間に相当する時間Dだけ時刻データ受信装置110のRTC4の時間を進めることができる。もしモデムのばらつきが一定であるとき、このようにすることにより正確な時刻が得られる。
【0031】
しかし、上記の過程でCPU5はモデム6を介して、伝送路遅延時間測定のためのループ形成コマンドを送出、それに対して、時刻データ送信装置100から返送される伝送路遅延時間測定信号を受信しているため、コマンド送出ごとにモデムの内部処理時間を含めた時刻を設定しているRTC4の秒のタイミングと、基準点である基準カウンタ8との時間差の間にばらつきが発生する。
【0032】
CPU5は、時刻データを受信し、CRコードを検出する毎にRTC4の秒未満をクリアする。このあと伝送路遅延補正のための操作を行う。基準カウンタ8からの割り込みを基準として、遅延補正済みのRTC4からの1秒毎の割り込み時間、T1を計測し、測定値をCPU5のメモリに格納する。次いで、CPU5でT1からTnの平均値すなわちモデムの処理時間のばらつきの平均値Taを計算により求め、データバス14を通じて補正カウンタ7に平均値Taをセットする。
【0033】
次に基準点である基準カウンタ8から1秒に1回発生する割込信号線16を介して割込信号がCPU5にかかると同時に補正カウンタ7をスタートし、Ta時間分を計時し、計時し終えた直後に割込信号線13を通じて割込みがCPU5にかかり、CPU5はリセット信号線10を通してリセット信号をRTC4に伝送しリセットされる。
【0034】
これによりRTC4には、送信時刻データを受信時の伝送路遅延時間が補正され、モデムの機種やモデムの内部処理時間のばらつきを平均化した値が設定され、時刻データ送信装置100の送信時刻に正確に同期した時刻を時刻データ受信装置110に再現できるのである。
【0035】
上記で述べた本発明の実施例の時刻取得と時刻同期の動作プロセスを図2のタイミング図および図3のフローチャートにより更に詳細に説明する。
【0036】
図2は、図1に示した本発明の実施例の時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100にアクセス後、複数回の時刻取得と時刻同期までの経過を示すタイミング図である。
【0037】
20は、時刻データ送信装置100にアクセス直後、時刻データ送信装置と時刻データ受信装置の秒信号は異なる位相関係にあるために、任意に設けた時刻データ受信装置の秒信号の基準となる基準カウンタの秒信号である。
【0038】
Drは、図1に示した時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100へ時刻データ要求コマンドを送出後、時刻データ送信装置100から送出される秒信号に同期している時刻データに対して、伝送路遅延時間Dとモデムの内部処理時間だけの遅れを含む受信時刻データである。したがって、21に示した時刻データ受信装置の受信時刻データの秒のタイミングは、時刻データ送信装置の時刻に対して伝送路遅延時間Dとモデムの内部処理時間だけ遅れている。
【0039】
次いで、時刻データ受信装置は時刻データ送信装置に対してループコマンドを送出する。時刻データ送信装置はループコマンドを受信すると時刻データ受信装置から送られてくるループバック信号を直ちに折り返し返送するループバックモードになる。ここでループコマンドを時刻データ受信装置が送出してから時刻データ送信装置がループバック信号を折り返し返送するまでの間は、伝送路遅延時間は2Dである。その間は時刻データ受信装置110のクロック切替回路3は分周比3/4出力を選択し、RTC4は通常の1.5倍の周波数で計時を行う。
【0040】
この結果、22で示すRTC4の秒信号は21では時刻データ受信装置110の時刻が時刻データ送信装置の時刻に対して伝送路遅延時間Dだけ遅れていたが、22では伝送路延時間Dだけ補正される。この時点ではモデムの内部処理時間も含まれている。
【0041】
ループコマンド送出からループバック信号が返送される動作を複数回行うと、モデムの内部処理時間が異なるため、その度ごとに基準カウンタ8の秒信号とRTC4の秒信号の差がばらつく。前記動作をn回行ったとすると基準カウンタ8の秒信号とRTC4の秒信号の差Tnが出る。(n=1,2・・・n)
【0042】
図2で記載した実施例では、複数回の動作を図1に示したCPU5のアクセスパラメータとしてn回と設定できるが、複数回の設定は外部回路等から回数を設定してもよい。つまり、1回の動作ではモデムのばらつきは一定でないため前記動作を複数回行い、T1からTnまでの平均値TaをCPUで計算する。
【0043】
このTaの時間をデータバス14を介して補正カウンタ7に書き込み、Taの時間だけ時刻カウンタにて計時する。そして、23はTaの時間分を補正カウンタ7で計時し終えたと同時に図1に示したCPU5に割込信号線13を介して割込み信号を送り、CPU5はリセット信号線10を介してRTCの秒信号をリセットすれば時刻データ送信装置からの秒信号に極めて正確に位相同期することとなる。
【0044】
時刻データ送信装置および時刻データ受信装置の秒信号の位相同期が完了すると、時刻データ受信装置はループ解除信号を時刻データ送信装置に送出してループバックモードを解除して一連の時刻修正動作を終了する。
【0045】
図3は、図1に示した本発明の実施例の時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100へのアクセスから複数回の時刻取得と時刻同期を経てアクセスを終了するまでの一連の動作を示すフローチャートである。
【0046】
25は、時刻データ受信装置110が時刻データ送信装置100へのアクセス開始フローのスタート、26は時刻データ送信装置への回線接続、27は時刻取得から時刻同期までの一連の動作を示すフロー、37は回線の切断、38は時刻データ送信装置100へのアクセスの終了である。
【0047】
時刻取得から時刻同期までの一連動作フロー27は以下に示すプロセスとなっていて、図2(タイムチャート)に示したタイミング図の位置符号をあわせて記す。28は時刻データ要求コマンド発行後の送信時刻データの受信(図2−Dr)、29は28を受信後、リセット信号10とバス12を使ってRTC4の秒信号をあわせる。(図2−21)
【0048】
30は時刻データ受信装置110から時刻データ送信装置100にむけてのループコマンド送出である。
【0049】
31はループコマンド送出後、返送されてくる間だけクロック切替回路3の分周比3/4にし、ループバックコマンドを時刻データ受信装置110で受信するとクロック切替回路3は通常の分周比1/2への復帰で、RTC4の秒信号は伝送路遅延時間Dだけ補正する(図2−22)
【0050】
32は、基準カウンタ8とRTC4との秒比較を行うことで出されるモデムの内部処理時間(図2−Tn)、33は28から32までの動作をn回行なったかの判断をCPU5で行いn回行っていれば次の処理へ、n回行っていなければ28へ戻る。
【0051】
34は、28から33までの動作によって出された(図2−Tn)、すなわちモデムの内部処理時間をCPU5でT1からTnまでの平均値(図2−Ta)をデータバス14を介して時刻カウンタ7にセットしTa時間だけ計時する。
【0052】
35は34にて計時し終えた直後にRTC4の信号をリセットすることでモデムの内部処理のばらつきを補正後(図2―23)、36でループ解除コマンドの送出を行う。
【0053】
以上、図1および図2のタイミング図および図3のフローチャートにより詳述したように、本発明の実施例では、伝送遅延時間を含む受信時刻データによるRTC4の時刻修正後、ループバックコマンドを送出して返送されてくる間、RTC4の歩進を1.5倍に切り替えるという一連動作を複数回行うことでモデムの内部処理時間のばらつきをできるだけ抑制して、時刻データ送信装置100から時刻データ受信装置110への送信時刻データ取得と時刻同期を可能とした。
【0054】
図5は、本発明によるデータ受信装置を使用して、日本の標準時刻(JJY)を電話回線を通して受信した実測値を次に示す。1回だけのタイミング取得の場合、このうちのどの値かに同期し、数ミリ秒のずれが発生する。場合によってはかなりずれることがある。そこで、複数回データを検出して平均化することによりばらつきを抑制する。例は、1回だけのタイミング取得を11回繰り返した結果であるが、?2.16msから+3.80msの広範囲でばらついている。このばらつきは、図2の説明の中で回線の遅延については補正されているので、モデムの処理時間のばらつきが原因と考えられる。また実際にはこれらの値から0点を知ることはできない。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、時刻データ送信装置からの送信時刻データを受信時に直ちに時刻データ受信装置の時計を時刻データで修正し、引き続いて時刻データ受信装置の受信時刻の伝送路による遅延時間補正およびモデムの内部処理時間によるばらつきの補正を行うため、極めて正確に時刻データ受信装置の時計を時刻データ送信時刻に同期させることができる時刻データ受信装置を提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例
【図2】タイミング図
【図3】実施例のフローチャート
【図4】時刻修正装置全体のシステム構成
【図5】遅延時間を示した図
【符号の説明】
1 基準発振器
2 分周器
3 クロック切換回路
4 RTC
5 CPU
6 モデム
7 補正カウンタ
8 基準カウンタ
100 時刻データ送信装置
110 時刻データ受信装置
150 伝送路
Claims (2)
- 時刻データ送信装置から送信される送信時刻データを受信する受信機と、
該受信機による受信時刻データに基づいて時刻を修正するリアルタイムクロックと、
前記時刻データ送信装置へ伝送路遅延時間測定信号を送信して返信された伝送路遅延時間測定信号を受信するための遅延時間測定信号送受信手段と、
該遅延時間測定信号送受信手段で伝送路遅延時間測定信号を送信時に前記リアルタイムクロックの入力クロック周波数を1.5倍にして前記リアルタイムクロックの計時を行い、前記遅延時間測定信号送受信手段が時刻データ送信装置から返信された伝送路遅延時間測定信号を受信時に前記リアルタイムクロックのクロック周波数を1倍に戻すクロック切替回路と、
前記時刻データ送信装置から送られてくる時刻データの秒のタイミングを計測する基準となる基準カウンタと、
送られてくる時刻データの秒のタイミングを複数回計測し、その平均値で前記リアルタイムクロックの1秒未満のタイミングを受信時刻データに同期させる補正カウンタと、
を具備することを特徴とする時刻データ受信装置。 - 時刻データ送信装置へのアクセスパラメータは全てプログラム設定してあり、初期動作時は前記リアルタイムクロックが積算する時刻に基づいて動作し、あらかじめプログラムしてある時刻毎に時刻データ送信装置に自動アクセスして時刻取得を複数回行ってから時刻同期を行うことを特徴とする請求項1の時刻データ受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002234522A JP2004077171A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | 時刻データ受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP (1) | JP2004077171A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101346185B1 (ko) * | 2012-03-28 | 2013-12-31 | 삼성중공업 주식회사 | Rtc 모듈 및 이를 포함하는 컴퓨터 시스템 |
-
2002
- 2002-08-12 JP JP2002234522A patent/JP2004077171A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101346185B1 (ko) * | 2012-03-28 | 2013-12-31 | 삼성중공업 주식회사 | Rtc 모듈 및 이를 포함하는 컴퓨터 시스템 |
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