JP2004076736A - 圧縮自己着火内燃機関とその燃焼制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ピストンにキャビティのある燃焼室に燃料を供給し、燃焼室の燃料を圧縮して自己着火させる内燃機関において、燃料は、それ自体のみでは圧縮自己着火が不可能な低セタン価燃料と、それ自体のみで圧縮自己着火が可能な高セタン価燃料である。燃焼制御方法は、低負荷側運転領域では、低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に、高セタン価燃料を燃焼室の外周部に配置し、燃焼室の燃焼が圧縮行程終点前に燃焼室の外周部から始まる燃焼法を用いる。高負荷側運転領域では、低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に、高セタン価燃料をキャビティに配置し、燃焼室の燃焼が圧縮行程終点後にキャビティから始まる燃焼法を用いる。
【選択図】 図4
Description
これは、燃焼室の燃料を圧縮自己着火させる高圧縮比のガソリン内燃機関において、低オクタン価燃料と高オクタン価燃料を燃焼室に供給し、圧縮行程の途中で、低オクタン価燃料を燃焼室の外周部又は全域に配置し、高オクタン価燃料を燃焼室の中心部に配置する。すると、圧縮自己着火燃焼は、燃焼室の外周付近から中心に向って進行し、ノッキングの発生がない、とのことである。
これは、圧縮自己着火内燃機関において、ガソリンを予混合した吸気を燃焼室に供給し、圧縮行程の終点近傍で燃焼室にガソリン着火用のディーゼル燃料を噴射し、燃焼室のガソリンを燃焼する。排気中のスモークや粒子状物質(PM)を全ての負荷領域で低減するのに有効である、とのことである。
圧縮自己着火内燃機関において、負荷が増加するに従って燃焼室の温度ないし燃焼率が過剰に増大する原因は、着火と燃焼が燃焼室の全域で同時に早期に始まるためである。そこで、負荷の領域を低負荷側と高負荷側の2つの領域に大別し、両領域で異なる燃焼法を用いて着火と燃焼を制御することを考えた。
圧縮自己着火性の異なる燃料を用いても、それらの燃料を燃焼室に均一に配置すると、着火と燃焼が燃焼室の全域で同時に始まるので、着火時期に与える影響が大きい高セタン価燃料と、その影響が小さい低セタン価燃料は、燃焼室に成層化して配置する。高セタン価燃料は、燃焼室に不均一に配置する。しかし、燃焼室の高セタン価燃料濃度分布の不均一が大きくなると、NOxやスモークが発生し易くなるので、高セタン価燃料の濃度分布の不均一は、過剰にならない程度にする。
11)負荷が増加した運転領域で、過早着火やノッキングを回避する他の手段は、高セタン価燃料の噴射時期を遅くして圧縮行程の終点近傍にし、着火を膨張行程に移行することである。
キャビティは、ピストンと一緒に上死点と下死点の間を昇降する。また、キャビティ9は、図26に示すように、深皿形である場合、側面が均等径の円筒面ではなく軸方向が凸凹し、底面が平面ではなく径方向が凸凹している。この場合、圧縮行程の終点、上死点(TDC)に位置するキャビティ9の側面の最大径位置を通る垂直線vと底面の最大深さ位置を通る水平線hとの交点と、燃焼室1の天井面における高セタン価燃料の噴射位置、燃料噴射弁2の噴口とを結ぶ直線dを仮想する。この仮想直線dと高セタン価燃料の噴射軸Fとがなす角度αは、高セタン価燃料の噴射方向とキャビティ9との相対位置を表すことになる。
13)低セタン価燃料と高セタン価燃料を燃料にする上記の燃焼法とは異なる燃焼法も可能である。
高セタン価燃料は、点火プラグの代りにし、低セタン価燃料着火用の少量にする。低セタン価燃料の供給量は、負荷に応じて調整する。少量の高セタン価燃料は、圧縮行程の終点近傍で噴射し、低セタン価燃料を燃焼する。この場合、吸気の量は、スロットル弁で制御して、燃焼室の混合気をストイキ又はリーンの状態にし、この状態で燃焼する。このように、通常の火花点火式のストイキ又はリーンバーン機関と近似した燃焼法で運転することができる。
15)燃料槽は、低セタン価燃料貯蔵部と高セタン価燃料貯蔵部に区画する。両燃料の貯蔵量を使用形態に応じて最適化するため、両貯蔵部を区画する仕切り部を移動可能にして両貯蔵部の容積比を変更可能にする。両燃料の使用履歴に応じて、又は、運転者の意思によって、燃料槽の両貯蔵部の容積比を変更する。
1)ピストンにキャビティのある燃焼室に燃料を供給し、燃焼室の燃料を圧縮して自己着火させる内燃機関において、
燃焼室に供給する燃料は、それ自体のみでは圧縮自己着火が不可能な低セタン価燃料と、それ自体のみで圧縮自己着火が可能な高セタン価燃料であり、
低負荷側の運転領域では、低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に、高セタン価燃料を燃焼室の外周部に配置し、燃焼室の燃焼が圧縮行程の終点前に燃焼室の外周部から始まる燃焼法を用い、
高負荷側の運転領域では、低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に、高セタン価燃料をキャビティに配置し、燃焼室の燃焼が圧縮行程の終点後にキャビティから始まる燃焼法を用いることを特徴とする燃焼制御方法。
2)上記の燃焼制御方法において、
低負荷側の運転領域で、圧縮行程において、高セタン価燃料の濃度は、燃焼室の外周部で中心部より高くし、また、高セタン価燃料と低セタン価燃料との合計燃料の濃度も燃焼室の外周部で中心部より高くすることを特徴とする。
低負荷側の運転領域で、圧縮行程において、燃焼室の全域に低セタン価燃料が分布した状態で、燃焼室の外周部のスキッシュエリアに高セタン価燃料を噴射し、スキッシュエリアの高セタン価燃料をスキッシュ流でピストン頂面中央部のキャビティに流入させることを特徴とする。
キャビティは、最大径に対する最大深さの比Lh/Ldが0.2以上で0.8以下であることを特徴とする。
低負荷側の運転領域で、圧縮行程において、低セタン価燃料の濃度は、燃焼室の中心部で外周部より高くすることを特徴とする。
低負荷側の運転領域で負荷が増加すると、圧縮行程において、低セタン価燃料の濃度は、燃焼室の中心部で外周部より高い山形分布にし、又は、その山形分布の高低度合いを大きくして、高セタン価燃料と低セタン価燃料との合計燃料の濃度は、燃焼室の中心部と外周部で差のない均一分布になる方向に制御することを特徴とする。
低負荷側の運転領域で、高セタン価燃料の噴射時期、噴射圧力、噴射量、噴射率や噴霧形状などの噴射特性を変更することによって、燃焼室の高セタン価燃料の分布状態を制御することを特徴とする。
低負荷側の運転領域で、高セタン価燃料の噴射時期は、−30°ATDC以前であることを特徴とする。
低負荷側の運転領域で、負荷が増加するに従って、燃焼室の高セタン価燃料の割合を減少することを特徴とする。
低負荷側の運転領域で、燃焼室に排気の一部を還流し、負荷が増加するに従って、低セタン価燃料の供給量を増加すると共に、排気の還流率を増加することを特徴とする。
11)上記1)〜10)のいずれかの燃焼制御方法において、
高負荷側の運転領域で、高セタン価燃料を、圧縮行程の終点近傍で、燃焼室の天井面中央部の燃料噴射弁からピストン頂面中央部のキャビティの側面と底面の隅角部に向けて噴射し、この高セタン価燃料が圧縮自己着火して発生した高温ガス塊をスキッシュ流などのガス流動でキャビティ内の低セタン価燃料中を流動させ、低セタン価燃料を急速燃焼することを特徴とする。
上死点に位置するキャビティの側面の最大径位置を通る垂直線と底面の最大深さ位置を通る水平線との交点と燃焼室天井面の高セタン価燃料噴射位置とを結ぶ仮想直線と、高セタン価燃料の噴射軸とがなす角度は、±10度以内とすることを特徴とする。
高負荷側の運転領域で、高セタン価燃料は、供給量を低セタン価燃料着火用の少量にし、低セタン価燃料は、供給量を負荷に応じた量にすることを特徴とする。
14)上記1)〜12)のいずれかの燃焼制御方法において、
上記の燃焼法と、高セタン価燃料は、供給量を低セタン価燃料着火用の少量にし、圧縮行程の終点近傍で噴射し、低セタン価燃料は、供給量を負荷に応じた量にする燃焼法とを使い分けることを特徴とする。
上記の燃焼法と、低セタン価燃料は供給せず、高セタン価燃料は供給量を負荷に応じた量にして圧縮行程の終点近傍で噴射する燃焼法とを使い分けることを特徴とする。
16)上記1)〜15)のいずれかの燃焼制御方法を実施する内燃機関であって、
低セタン価燃料の噴射弁を吸気通路又は燃焼室に、高セタン価燃料の噴射弁を燃焼室の天井面中央部に設け、燃焼室のピストンの頂面中央部にキャビティを、ピストンの頂面外周部上にスキッシュエリアを設けたことを特徴とする。
燃料槽は、低セタン価燃料貯蔵部と高セタン価燃料貯蔵部に区画し、両貯蔵部を区画する仕切り部を移動可能にして両貯蔵部の容積比を変更可能にしたことを特徴とする。
単一の燃料から低セタン価燃料と高セタン価燃料を分離する燃料分離装置を設け、燃料分離装置で分離した低セタン価燃料と高セタン価燃料を用いる構成にしたことを特徴とする。
本例の圧縮自己着火内燃機関は、図28に示すように、燃焼室1の天井面の中心部に着火用の燃料噴射弁2を設けている。燃焼室1の天井面の一側には、吸気弁付きの吸気ポート3を設け、吸気ポート3に吸気管4を接続している。吸気ポート3と吸気管4で吸気通路を構成している。吸気通路3、4には、予混合用の燃料噴射弁5を設け、スロットル弁6を設けている。燃焼室1の天井面の他側には、排気弁付きの排気ポート7を設け、排気ポート7に排気管8を接続している。排気ポート7と排気管8で排気通路を構成している。
本例の内燃機関において、燃焼室1の燃焼には、低負荷側の運転領域では、第1燃焼モードと第2燃焼モードを用いる。高負荷側の運転領域では、第3燃焼モードを用いる。
低負荷側の運転領域では、吸気行程において、それ自体のみでは圧縮自己着火が不可能な低セタン価燃料を燃料噴射弁5から吸気通路3、4の吸気に向けて噴射し、低セタン価燃料を予混合した吸気を燃焼室1に充填する。燃焼室1に低セタン価燃料と空気の混合気が充填した状態で、圧縮行程の途中において、それ自体のみで圧縮自己着火が可能な高セタン価燃料を燃料噴射弁2から燃焼室1の外周部のスキッシュエリアに向けて噴射する。
全負荷時の最大燃料供給量に対する燃料供給量の割合、即ち、負荷の割合が45%位を超えない低負荷側運転領域では、負荷が増加するに従って、図29(a)(b)に示すように、高セタン価燃料の噴射時期は、ほとんど変更しないが、低セタン価燃料の供給量を増加して高セタン価燃料の供給量を減少し、燃焼室1に供給される両燃料は、高セタン価燃料の割合を減少する。負荷が極めて低いアイドリング運転付近では、低セタン価燃料を供給せず、燃焼室1の燃料は、高セタン価燃料のみにする。
負荷が45%位を超えた低負荷側運転領域では、排気還流装置を作動し、排気の一部を吸気に還流する。負荷が増加するに従って、図29(b)(c)に示すように、低セタン価燃料の供給量を増加すると共に、排気の還流率、EGR率を増加する。その還流率は、負荷が70%位になると、上限値になる。負荷が70%位を超えると、排気還流装置は、作動を停止する。
負荷が70%位を超えた高負荷側運転領域では、吸気行程において、低セタン価燃料を燃料噴射弁5から吸気通路3、4の吸気に向けて噴射し、低セタン価燃料を予混合した吸気を燃焼室1に充填する。燃焼室1に低セタン価燃料と空気の混合気が充填した状態で、圧縮行程の終点近傍において、高セタン価燃料を燃料噴射弁2からキャビティ9の側面と底面の隅角部に向けて噴射する。
この燃焼例2は、低負荷側の運転領域では、第1燃焼モードのみを用いる。第2燃焼モードは、用いない。高負荷側の運転領域では、第3燃焼モードを用いる。
この燃焼例3は、図31(a)(b)に示すように、低負荷側と高負荷側の全ての運転領域で、第3燃焼モードを用いる。
第1、第2と第3燃焼モードは、低セタン価燃料と高セタン価燃料との2種類の燃料を用いる燃焼法である。第1燃焼モードと第2燃焼モードは、低セタン価燃料と高セタン価燃料を燃料にする燃焼法である。第3燃焼モードは、高セタン価燃料を低セタン価燃料着火用の少量にする燃焼法である。また、低セタン価燃料は、供給を停止し、高セタン価燃料は、負荷に応じた量を圧縮行程の終点近傍で噴射し、通常のディーゼル機関と同様な燃焼法で燃焼することも可能である。これは、低セタン価燃料を使用せずに高セタン価燃料のみを燃料にする燃焼法である。
燃焼室1の燃料噴射弁2は、噴射特性を変更可能な可変式にする。低負荷側の運転領域では、高セタン価燃料の噴射時期、噴射圧力、噴射量、噴射率や噴霧形状などの噴射特性を、燃焼室1の圧力や温度のような燃焼状態に応じて変更する。すると、燃焼室1の高セタン価燃料の分布状態が制御され、燃料の着火時期と熱発生率の変化パターンが制御される。
本例の圧縮自己着火内燃機関は、第1例のそれにおいて、吸気通路3、4に予混合用、低セタン価燃料用の燃料噴射弁5を設けず、図32に示すように、低セタン価燃料用と高セタン価燃料用を兼ねた燃料噴射弁31を燃焼室1の天井面の中心部に設けている。
第1例と第2例の圧縮自己着火内燃機関は、液体燃料を使用しているが、これに代えて、CNG(圧縮天然ガス)、メタンガスやプロパンガスのような気体燃料を使用する。
2 着火用、高セタン価燃料用の燃料噴射弁
3、3a、3b 吸気ポート
3、4 吸気通路
5 予混合用、低セタン価燃料用の燃料噴射弁
6 スロットル弁
9 キャビティ
10 ピストン頂面の外周部
11 燃料槽の高セタン価燃料貯蔵部
12 燃料槽の低セタン価燃料貯蔵部
13 燃料槽の仕切り部
14 燃焼制御装置のデジタルコンピュータ
15 高セタン価燃料の残量センサ
16 低セタン価燃料の残量センサ
17 ナビゲーションシステム
31 低セタン価燃料用と高セタン価燃料用を兼ねた燃料噴射弁
Ld キャビティの最大径
Lh キャビティの最大深さ
F 高セタン価燃料の噴射軸
v キャビティの側面の最大径位置を通る垂直線
h キャビティの底面の最大深さ位置を通る水平線
d 上死点位置のキャビティの垂直線vと水平線hとの交点と、燃料噴射弁2の噴口とを結ぶ仮想直線
α 仮想直線dと噴射軸Fとがなす角度
Claims (18)
- ピストンにキャビティのある燃焼室に燃料を供給し、燃焼室の燃料を圧縮して自己着火させる内燃機関において、
燃焼室に供給する燃料は、それ自体のみでは圧縮自己着火が不可能な低セタン価燃料と、それ自体のみで圧縮自己着火が可能な高セタン価燃料であり、
低負荷側の運転領域では、低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に、高セタン価燃料を燃焼室の外周部に配置し、燃焼室の燃焼が圧縮行程の終点前に燃焼室の外周部から始まる燃焼法を用い、
高負荷側の運転領域では、低セタン価燃料を燃焼室の全域に分布させると共に、高セタン価燃料をキャビティに配置し、燃焼室の燃焼が圧縮行程の終点後にキャビティから始まる燃焼法を用いることを特徴とする燃焼制御方法。 - 低負荷側の運転領域で、圧縮行程において、高セタン価燃料の濃度は、燃焼室の外周部で中心部より高くし、また、高セタン価燃料と低セタン価燃料との合計燃料の濃度も燃焼室の外周部で中心部より高くすることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で、圧縮行程において、燃焼室の全域に低セタン価燃料が分布した状態で、燃焼室の外周部のスキッシュエリアに高セタン価燃料を噴射し、スキッシュエリアの高セタン価燃料をスキッシュ流でピストン頂面中央部のキャビティに流入させることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼制御方法。
- キャビティは、最大径に対する最大深さの比Lh/Ldが0.2以上で0.8以下であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で、圧縮行程において、低セタン価燃料の濃度は、燃焼室の中心部で外周部より高くすることを特徴とする請求項2に記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で負荷が増加すると、圧縮行程において、低セタン価燃料の濃度は、燃焼室の中心部で外周部より高い山形分布にし、又は、その山形分布の高低度合いを大きくして、高セタン価燃料と低セタン価燃料との合計燃料の濃度は、燃焼室の中心部と外周部で差のない均一分布になる方向に制御することを特徴とする請求項2又は5に記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で、高セタン価燃料の噴射時期、噴射圧力、噴射量、噴射率や噴霧形状などの噴射特性を変更することによって、燃焼室の高セタン価燃料の分布状態を制御することを特徴とする請求項3に記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で、高セタン価燃料の噴射時期は、−30°ATDC以前であることを特徴とする請求項3又は7に記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で、負荷が増加するに従って、燃焼室の高セタン価燃料の割合を減少することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の燃焼制御方法。
- 低負荷側の運転領域で、燃焼室に排気の一部を還流し、負荷が増加するに従って、低セタン価燃料の供給量を増加すると共に、排気の還流率を増加することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の燃焼制御方法。
- 高負荷側の運転領域で、高セタン価燃料を、圧縮行程の終点近傍で、燃焼室の天井面中央部の燃料噴射弁からピストン頂面中央部のキャビティの側面と底面の隅角部に向けて噴射し、この高セタン価燃料が圧縮自己着火して発生した高温ガス塊をスキッシュ流などのガス流動でキャビティ内の低セタン価燃料中を流動させ、低セタン価燃料を急速燃焼することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の燃焼制御方法。
- 上死点に位置するキャビティの側面の最大径位置を通る垂直線と底面の最大深さ位置を通る水平線との交点と燃焼室天井面の高セタン価燃料噴射位置とを結ぶ仮想直線と、高セタン価燃料の噴射軸とがなす角度は、±10度以内とすることを特徴とする請求項11に記載の燃焼制御方法。
- 高負荷側の運転領域で、高セタン価燃料は、供給量を低セタン価燃料着火用の少量にし、低セタン価燃料は、供給量を負荷に応じた量にすることを特徴とする請求項1、11又は12に記載の燃焼制御方法。
- 上記の燃焼法と、高セタン価燃料は、供給量を低セタン価燃料着火用の少量にし、圧縮行程の終点近傍で噴射し、低セタン価燃料は、供給量を負荷に応じた量にする燃焼法とを使い分けることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の燃焼制御方法。
- 上記の燃焼法と、低セタン価燃料は供給せず、高セタン価燃料は供給量を負荷に応じた量にして圧縮行程の終点近傍で噴射する燃焼法とを使い分けることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の燃焼制御方法。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の燃焼制御方法を実施する内燃機関であって、
低セタン価燃料の噴射弁を吸気通路又は燃焼室に、高セタン価燃料の噴射弁を燃焼室の天井面中央部に設け、燃焼室のピストンの頂面中央部にキャビティを、ピストンの頂面外周部上にスキッシュエリアを設けたことを特徴とする圧縮自己着火内燃機関。 - 燃料槽は、低セタン価燃料貯蔵部と高セタン価燃料貯蔵部に区画し、両貯蔵部を区画する仕切り部を移動可能にして両貯蔵部の容積比を変更可能にしたことを特徴とする請求項16に記載の圧縮自己着火内燃機関。
- 単一の燃料から低セタン価燃料と高セタン価燃料を分離する燃料分離装置を設け、燃料分離装置で分離した低セタン価燃料と高セタン価燃料を用いる構成にしたことを特徴とする請求項16又は17に記載の圧縮自己着火内燃機関。
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