JP2004075633A - ヘテロポリ酸塩の製造方法 - Google Patents

ヘテロポリ酸塩の製造方法 Download PDF

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Tamotsu Kodama
児玉 保
Hideaki Niino
新納 英明
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Abstract

【課題】周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属(以下、特定の遷移金属、という)含有サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩を、高収率で、再現性よく製造する方法。
【解決手段】化学式(1)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩と、特定の遷移金属の錯体とを、有機溶媒中、60〜180℃で混合して、化学式(2)のヘテロポリ酸塩を製造する方法。
1968    (1)
A‘19(5−b)68    (2)
[式中、A、A‘は、一価金属カチオン、二価金属カチオンおよび/または四級アンモニウムカチオン、aは、4.5〜12、Xは、W、Moおよび/またはV、Yは、Znおよび/またはCo、Zは、特定の遷移金属、bは、3〜0.5、Oは、酸素原子]
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油化学原料である有機物質の酸化反応、還元反応、付加反応置換反応等の触媒として好適な遷移金属含有サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機物質の酸化反応、還元反応、付加反応、置換反応等に用いられる触媒としては、有機配位子を含有する遷移金属錯体、CuやCo等の金属塩、遷移金属粉末または遷移金属を活性炭、シリカゲル等に担持させた固体触媒、遷移金属を高温で焼成した(複合)酸化物、シルカゲル、ゼオライト、イソポリアニオン、ヘテロポリアニオン等が挙げられる。
【0003】
これらの触媒の中には、酸化反応を除く、還元反応、付加反応、置換反応において、触媒自身の劣化が抑止され、高活性、高選択性および長寿命といった性能を有するものが多くある。しかし、ほとんどの触媒は、酸化反応において、活性、選択性および寿命の何れかに問題がある。有機配位子を含有する遷移金属錯体は、その有機配位子が酸化されるため、触媒寿命が短いという問題がある。
CuやCo等の金属塩を酸化触媒として使用する場合は、酸素活性化のために、何らかの還元剤を必要とするという問題がある。反応原料を還元剤とする場合は、原料化合物の反応性の高い部位が酸化されるため、従来の高温ラジカル酸化(自動酸化)と異なる選択酸化反応が実現できない。一方、反応原料と異なる還元剤を導入する場合は、還元剤が酸化された生成物が、副生成物として生成するという問題がある。
【0004】
遷移金属粉末、遷移金属担持活性炭・シリカ、(複合)酸化物、シリカゲル、ゼオライト等の固体触媒は、反応溶液中で不均一となり、複数の被酸化酸化部位を有する有機物質の酸化反応において、高活性・高選択性を実現することが困難である。特に、ラジカル酸化を抑制する必要がある低温酸化反応において、分子状酸素を酸化剤として使用する場合は、固体触媒では、高活性・高選択性を発現させることは困難である。
【0005】
イソポリアニオンやヘテロポリアニオン等は、カウンターカチオンの選択により、親油性または親水性にすることができるため、均一系触媒としての通常の固体触媒より低温酸化反応において分子状酸素の使用時の高活性・高選択性が期待される。しかし、一般的なイソポリアニオンやヘテロポリアニオンの構成金属では、低温で酸素活性化能力を有する遷移金属が含まれないので、分子状酸素を酸化剤とする酸化反応に応用できない。
【0006】
そこで、ヘテロポリアニオンに酸素活性化能力を有する遷移金属を導入する方法が検討されている。例えば、ケギン型ヘテロポリ酸に欠損部位を生じさせ、その欠損部位に種々の遷移金属を導入する方法である(J.Am.Chem.Soc.1998,120,9267−9272)。このヘテロポリ酸においては、周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属(以下、「5、6周期遷移金属」、と略す。)を導入することは困難であり、たとえ導入に成功しても、導入した遷移金属が容易に脱離するという問題がある。
【0007】
サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩中の金属を、酸素活性化能力を有する遷移金属に置換する方法も知られている(NATURE,VOL388,353−355,24JULY1997)。この場合、周期表第5〜12族、かつ、第4周期の遷移金属の導入は、水溶液中で容易に進行するが、第5および第6周期遷移金属については、その導入が困難である。しかし、低収率ではあるが、Ru、Pt、Pdといった遷移金属を導入した報告がある。これらの金属イオン交換反応は水溶液中で実施されているが、第5および第6周期遷移金属の錯体の内、水溶液中で安定であるものは配位子と遷移金属との結合力が強く、サンドイッチ型ヘテロポリ酸の構成金属と交換するには立体障害が大きい。一方、遷移金属との結合力が比較的弱い配位子を用いると水溶液中で分解が生じ、イオン交換速度の低い価数の金属へ変化するという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分子状酸素を酸化剤として使用する酸化反応用の触媒として、最も優れている触媒の一つである周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属含有サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩を、高収率で,再現性よく製造する方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決する手段】
発明者らは、周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属(以下、5、6周期遷移金属、と略す)を含有するサンドイッチ型ヘテロポリ酸を製造する方法として、下記の化学式(1)で表されるサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩と5、6周期遷移金属の錯体を有機溶媒中、60〜180℃で混合することにより、化学式(2)で表される5、6周期遷移金属を含有したヘテロポリ酸塩を高収率で、再現性よく製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、化学式(1)で表されるサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩と、周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属の錯体とを、有機溶媒中、60〜180℃で混合することを特徴とする化学式(2)で表される周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属を含有するヘテロポリ酸塩の製造方法である。
1968    (1)
(式中、Aは、一価金属カチオン、二価金属カチオンおよび四級アンモニウムカチオンから選ばれた少なくとも一種、aは、4.5〜12、Xは、W、MoおよびVからえらばれた少なくとも一種、Yは、ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種、Oは、酸素原子を表す。)
【0011】
A‘19(5−b)68    (2)
[式中、A‘は、一価金属カチオン、二価金属カチオンおよび四級アンモニウムカチオンから選ばれた少なくとも一種、aは、4.5〜12、Xは、W、MoおよびVから選ばれた少なくとも一種の金属、Yは、ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種、Zは、周期表第7〜12族、かつ、第5または6周期の遷移金属、bは、3〜0.5、Oは、酸素原子を表す。]
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0012】
通常、サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩中の構成金属のイオン交換反応には、高イオン伝導度を有する水が使用される。しかし、5、6周期遷移金属の錯体で、サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩中の骨格金属と交換可能な、比較的遷移金属との結合力の低い配位子を有するものは、水溶液中で不安定であり、分解、水酸化物化、多量化等が生じ、結果として、イオン交換しにくい形態へと変化する。
本発明者らは、溶媒として、有機溶媒を用いることによって、イオン交換反応中の、5、6周期遷移金属の変体を抑止し、高収率で、5、6周期遷移金属含有ヘテロポリ酸塩を製造することに成功した。
【0013】
本発明の5、6周期遷移金属の内、Ru、Rh、Pd、Pd、Re、Os、PtおよびAuは、分子状酸素による種々の酸化反応触媒として知られており、非常に有用である。特に、Ru、Pd、OsおよびPtは、100℃付近の低温選択酸化触媒として有用である。
これらのサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩骨格中に組み込まれた5、6周期遷移金属は、酸化反応時に骨格より脱離しにくく、酸化反応時、自らの酸化還元の価数変化のエネルギー障壁をサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩骨格が低下させて、酸化反応を進行しやすくするという効果がある。
【0014】
本発明のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩とは、J.CHEM.SOC.DALTON TRANS,143−155,(1991)に記載されているケギン型のヘテロポリアニオンが二量化したヘテロポリアニオンに、カウンターカチオンを加えたものであり、化学式(1)で表される組成で基本構造が形成されている。実際には、化学式(1)で表される基本構造中に、HOやHOなどが包含されていることが多く、また、基本構造外部に1〜100程度の配位水が存在する。このようなものも、本発明のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩に含まれる。
化学式(1)で表されるヘテロポリ酸塩において、
1968    (1)
【0015】
カウンターカチオンであるAは、一価金属カチオン、二価金属カチオンおよび四級アンモニウムカチオンから選ばれた少なくとも一種である。
具体的には、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr等のアルカリ金属カチオン、Be2+、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ra2+等のアルカリ土類金属イオン、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、W、Re、Os、Ir、Pt、Au等の周期表第5族〜12族で、第4周期〜第6周期の遷移金属のイオン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラペンチルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラヘプチルアンモニウム、テトラオクチルアンモニウム、テトラノニルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、テトラヘキサデシルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ブチルトリメチルアンモニウム、ヘキシルトリメチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、オクチルトリメチルアンモニウム、テトラデシルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、ブチルトリエチルアンモニウム、ヘキシルトリエチル、フェニルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、テトラデシルトリエチルアンモニウム、ヘキサデシルトリエチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、メチルトリブチルアンモニウム、エチルトリブチルアンモニウム、フェニルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウム、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウム、ベンジルジメチルオクタデシルアンモニウム、メチルトリヘキシルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、メチルトリテトラデシルアンモニウム等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、ベンジル基等より成る四級アンモニウムカチオンが挙げられる。また、酸素、窒素、ケイ素、硫黄、リンなどのヘテロ原子を含むアンモニウムカチオンも挙げられる。
【0016】
これらのカウンターカチオンの内、周期表第2または第3周期のアルカリ金属および/または四級アンモニウムを使用することにより、ヘテロポリ酸塩の親油性が向上し、イオン交換反応時のヘテロポリ酸塩濃度を向上させることができるので好ましい。カウンターカチオンの内、四級アンモニウムカチオンを90mol%以上とすることにより、さらに親油性が向上する。炭素数の多い四級アンモニウムカチオンを使用すると、ヘテロポリ酸塩の親油性が著しく向上する。具体的には、炭素数17以上の四級アンモニウムカチオンが好ましく、炭素数19以上の四級アンモニウムカチオンがより好ましく、炭素数25以上の四級アンモニウムカチオンを使用すると数十%の濃度で、有機溶媒に溶解するヘテロポリ酸塩となるため,最も好ましい。
【0017】
メチル基を有する四級アンモニウムは、ヘテロポリアニオンとの立体障害が少なく、ヘテロポリアニオン一分子中に多くの四級アンモニウムがイオン結合でき、結果として、ヘテロポリ酸塩の親油性が向上するので、特に好ましい。四級アンモニウム塩中のメチル基の数は、1以上であることが好ましい。
本発明の5、6周期遷移金属錯体の配位子としては、単座、二座または三座配位子が使用できる。これらの中で、5、6周期遷移金属との結合力が比較的弱い配位座の少ない配位子が好ましい。
【0018】
配位子の官能基としては、アミン系、ケトン系、硫黄系、リン系、芳香族系等が挙げられる。これらの官能基の中で、硫黄系の官能基を有する配位子は、酸化−還元力を有するものが多く、遷移金属の価数を意図的に調整および維持できるものが多くあるので、特に好ましい。具体的は、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジメチルスルフィド、ジメチルスルフォン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルフォン等が挙げられる。
【0019】
次に、本発明で使用される有機溶媒について説明する。
本発明の有機溶媒としては、使用する5、6周期遷移金属錯体を溶解する有機溶媒であれば任意のものを使用できる。有機溶媒の中でも、比誘電率が20以上である溶媒は、遷移金属錯体のイオン交換速度を向上させるので好ましい。溶媒中の金属イオン移動速度を示す電解質伝導率が1×10−8以上である有機溶媒がより好ましい。これらの極性溶媒の内、非プロトン性の溶媒を使用することにより、溶媒と5、6周期遷移金属触媒との反応による遷移金属錯体の変体が抑止できるので、最も好ましい。具体的には、ジメチルスルフォキシドに代表される硫黄系溶媒、アセトニトリルに代表されるニトリル系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等に代表されるアミド系溶媒等を挙げることができる。
【0020】
これらの溶媒の選択は、使用する5、6周期遷移金属錯体の配位子との組み合わせを考慮して決定することが好ましい。例えば、硫黄系の配位子を使用する場合は、硫黄系の溶媒を使用し、アミン系の配位子を使用する場合は、ニトリル系および/またはアミド系の溶媒を使用する。これらの溶媒は、溶媒中に1%以上の濃度で混合されることにより、溶媒効果が発現する。より溶媒効果を強く発現させるためには、溶媒の濃度が高い方が好ましく、50%以上とすると明確な効果が確認される。
【0021】
ヘテロポリ酸塩を製造する際の反応温度は60〜180℃である。反応温度が60℃未満であると、反応速度が著しく低下し、180℃を越えると、遷移金属錯体またはヘテロポリ酸塩の分解が顕著になる。原料の分解と反応速度との双方を考慮すると120℃付近が最適な反応温度であり、80〜150℃の範囲が好ましい。5、6周期遷移金属を2原子程度イオン交換させる場合は100〜140℃の範囲でイオン交換させると高収率で生成物を得ることができる。
【0022】
使用する有機溶媒の量は、使用する化学式(1)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸と5、6周期遷移金属錯体の溶媒に対する溶解度を考慮して決定される。溶媒の選定は、原料の濃度が最大となる溶媒を選定し、できだけ高濃度で反応を実施することが、イオン交換速度を高速にし、イオン交換反応時の分解反応が最小とできるので好ましい。具体的には、使用する化学式(1)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩に対する重量比で表現して、5以下の量の溶媒量が好ましく、2.5以下がより好ましい。
【0023】
使用する5、6周期遷移金属錯体の量は、イオン交換量を増加させる上から、化学式(1)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩に対して等mol量以上が好ましく、3倍mol以上使用すると、反応時間として18時間以内で反応が完結するのでより好ましく、10倍mol以上使用すると、高速、かつ、高収率でイオン交換反応が進行するので最も好ましい。
反応は、錯体の酸化分解を抑制するため、酸化力を有するガスを除去した雰囲気、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気で実施することが好ましい。反応前に、使用する溶媒等から酸素を除去しておくことがより好ましい。予め、化学式(1)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩を有機溶媒に中に溶解させ、不活性ガス雰囲気下、反応温度付近で安定させた後、不活性ガス雰囲気下で、5、6周期遷移金属錯体を一度に投入することによって、反応初期の5、6周期遷移金属錯体の分解を効率的に抑制することができる。
【0024】
反応後の生成物の取り出し方法としては、代表的な二つの方法が挙げられる。一つは、有機溶媒に生成物の貧溶媒を添加して析出(または相分離)させ、その析出物(相分離物)を洗浄する方法である。本発明の好ましい溶媒の多くは、親水性の高いものが多いので、水を貧溶媒として使用することができる。取り出した析出物または相分離物を洗浄する方法としては、そのまま、水洗することのほかに、析出物または相分離物を溶媒に溶解させた後、貧溶媒を添加して再沈殿または再相分離させる方法も有効である。生成物の処理後、乾燥することにより、精製された化学式(2)で表されるサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩を取り出すことができる。
【0025】
もう一つの取り出し方法は、反応溶液より溶媒を蒸留に留去する方法である。この場合は、副生成物や過剰に投入した5、6周期遷移金属錯体の未反応物が残存しているので、化学式(2)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩の溶解度が小さく、5,6周期遷移金属錯体の溶解度が大きい溶媒を選んで洗浄するのが好ましい。5、6周期遷移金属錯体の多くは水に溶けるので、水を洗浄溶媒として選択することができる。精製法として、前記の再沈殿または再相分離方法も採用できる。
【0026】
本発明により製造される化学式(2)で表されるサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩は、そのカウンターカチオンを変更することにより、分子状酸素との反応により生成する酸化物の構造が異なるという特徴を有する。すなわち、カウンターカチオンとして金属カチオンを導入すると、5、6周期遷移金属上にサイドオンタイプおよび/またはエンドオンタイプのスーパーオキソ構造の酸素−金属結合が形成され、これらの酸素−金属結合は、常温でも安定に存在する。この金属結合酸素は、常温で炭化水素類と接触させるだけで、容易に炭化水素と反応し、酸素化された炭化水素を生成する。
【0027】
一方、カウンターカチオンとして四級アンモニウムを導入すると、そのヘテロポリ酸塩の酸素化物は、スーパーオキソ種ではなく、通常の、一原子の遷移金属と一原子の酸素が二重結合で結合している金属酸化物を生成する。この金属酸化物の生成により、化学式(2)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩の骨格構造が変化する。すなわち、このサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩の骨格構造変化のエネルギーが分子状酸素の酸素―酸素間の二重結合の解裂に寄与していると考えられる。この生成した金属酸化物も炭化水素と常温で容易に反応し、酸素化炭化水素を生成する。この酸化物の生成は、NATURE、VOL388、24、353−355(1997)にも示されているが、その際の酸化物の金属酸素のIR吸収のピークは、タングステン−酸素のIR吸収ピークと分離され、一つのピークとして確認されている。化学式(2)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸の四級アンモニウム塩の酸化物の金属−酸素のIR吸収のピークは、タングステン−酸素のピークのショルダーピークとして存在する。したがって、化学式(2)のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩はNATURE、VOL388、24、353−355(1997)に記載されているサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩と異なる構造であると推定される。
【0028】
本発明により製造されるサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩は、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、ペンテン、ヘキセン、ペプテン、オクテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロデセン等の炭素数2〜20の二重結合を有する炭化水素のエポキシ化反応、Wacker−Type反応、エタン、プロパン、プロピレン、ブタン、ブテン、ペンタン、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、ヘプテン、オクタン、オクテン、デカン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロオクタン、シクロオクテン等のアルコール化反応、ケトン化反応、アルデヒド化反応、カルボン酸化反応、メタノール、エタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1,3−プロパンジオール、1−ブタノール、2−ブタノール、1,4−ブタンジオール、1−ペンタノール、2―ペンタノール、3−ペンタノール、1,5−ペンタンジオール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、1,6−ヘキサンジオール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、1,7−ヘプタンジオール、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、1,8−オクタンジオール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサノン、シクロヘプタノール、シクロヘプタノン、シクロオクタノール、シクロオクタノン等の炭素数2〜20の含酸素炭化水素の酸化脱水素によるケトン化反応、アルデヒド化反応、カルボン酸化反応等の酸化反応触媒として非常に有用である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0030】
【参考例1】
[Na1219Zn68の製造方法]
2L反応容器にNaWO・2HO254gおよび水700mlを入れ、窒素雰囲気下で激しく撹拌しながら溶液温度が80〜85℃まで昇温した。90%硝酸49gを、窒素雰囲気下、撹拌しながら、温度80〜85℃で、ゆっくり滴下した。その後、溶液温度を90〜95℃に昇温し、Zn(NO・6HO59.6gを水200mlに溶解した溶液を、窒素雰囲気下、撹拌しながら、温度90〜95℃で、ゆっくり滴下した。滴下終了後、温度90〜95℃で約1時間撹拌し、その後、溶液を90〜95℃に維持し、不溶物を熱時で濾別して、濾液を室温付近まで冷却した。次いで、濾液より水約450mlを50〜60℃で減圧留去し、室温で一晩放置して、目的のNa1219Zn68を析出させた。析出固体を濾別し、その固体を水で再結晶し、室温で真空乾燥した結果、約100gのNa1219Znを得た。
【0031】
【参考例2】
[トリオクチルメチルアンモニウムカチオン(以下、「TOMA」、と略す。)1219Zn68の製造方法]
Na1219Zn6899gおよび水660mlを2L反応容器に入れ、室温で激しく撹拌して、Na1219Zn68を溶解させた。これにトリオクチルメチルアンモニウムクロライド94gおよび塩化メチレン660mlを加え、室温で激しく3時間撹拌した。撹拌終了後、溶液を静置して、上相の水相を除去した。残りの溶液に無水硫酸ナトリウム150gを投入し、一晩放置し、硫酸ナトリウム類を濾別した。
【0032】
その後、溶液中より低沸点成分を60〜70℃で減圧留去した。残存する粘ちょう固体を80℃でアセトニトリル330mlに溶解させた後、水750mlを加え、粘ちょう固体を再度相分離させた。上相の水相を除去し、残存する粘ちょう固体を、再度、アセトニトリル330mlおよび水750mlで再相分離させ、上相の水相を除去し、残存する粘ちょう固体より60〜80℃の温度で低沸点成分を減圧留去した。最終的に約70gのTOMA1219Zn68を得た。
【0033】
【実施例1】
[TOMA1219ZnRu68の製造方法]
1L反応容器にTOMA1219Zn68150gおよびジメチルスルフホキシド(以下、DMSO、と略す。)300gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、90℃まで昇温した。これに、窒素雰囲気下、撹拌しながら、90℃でRu(DMSO)Cl12gを反応容器に一度に投入した。その後、90℃、窒素雰囲気下で18時間撹拌した。次いで、反応溶液を室温まで放冷し、空気下に曝した後、水300mlを加え、約10分激しく撹拌した後、3日間放置した。
【0034】
上相の水相を除去し、残存粘ちょう固体に1,2−ジクロロエタン300mlを加え、80℃に加温して、粘ちょう固体を溶解させ、室温まで放冷した。これに水300mlを加え、激しく撹拌した後、静置し、水相を除去した。再度、水300mlを加えて激しく撹拌した後、静置し、水相を除去した。この1,2−ジクロロエタン溶液の水洗を合計3回行った。残存する粘ちょう固体中の低沸点成分を60〜80℃で減圧留去後、室温で真空乾燥した。最終的に残存したTOMA1219ZnRu68は120gであった。
【0035】
【参考例3】
[Na1219ZnRu68の製造方法]
TOMA1219ZnRu687gおよびメタノール700mlを1Lナスフラスコに入れ、激しく撹拌して、TOMA1219ZnRu68を溶解させた。これに、酢酸ナトリウム5.4gをメタノール113mlに溶解させた溶液を一度に投入し、約2時間激しく撹拌した。析出固体を濾取し、室温で真空乾燥して、約3.5gのNa1219ZnRu68を得た。
【0036】
【実施例2】
[TOMA10Ru19ZnRu68の製造方法]
1L反応容器にTOMA1219Zn68150gおよびDMSO300gを入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、120℃まで昇温した。これに、窒素雰囲気下、撹拌しながら、120℃でRu(DMSO)Cl36gを反応容器に一度に投入した。その後、120℃、窒素雰囲気下で18時間撹拌した。反応溶液を室温まで放冷し、空気下に曝した後、水300mlを加え、約10分激しく撹拌した後、3日間放置した。
【0037】
上相の水相を除去し、残存する粘ちょう固体に1,2−ジクロロエタン300ml加え、80℃に加温し、粘ちょう固体を溶解させた。室温まで放冷し、水300mlを加えて激しく撹拌した後、静置し、水相を除去した。1,2−ジクロロエタンと水による再相分離操作を3回繰り返し、残存する粘ちょう固体中の低沸点成分を60〜80℃で減圧留去後、室温で真空乾燥した。最終的に残存したTOMA10Ru19ZnRu68は130gであった。
【0038】
【参考例4】
[Na1219ZnRu68の製造方法]
TOMA10Ru19ZnRu687gおよびメタノール700mlを1Lナスフラスコに入れ、激しく撹拌し、TOMA10Ru19ZnRu68を溶解させた。これに、酢酸ナトリウム5.4gをメタノール113mlに溶解させた溶液を一度に投入し、約2時間激しく撹拌した。析出固体を濾取し、室温で真空乾燥して、約4gのNa1219ZnRu68を得た。
【0039】
【参考例5】
[K1219ZnRu68の製造方法]
Na1219ZnRu6820gおよび水140mlを500mlナスフラスコに入れ、100℃に調温されたオイルバスにつけ、激しく撹拌し、固体を溶解させた。これに、KClの20gを一度に投入し、数分撹拌した。オイルバスを取り除き、約2時間撹拌した後、5℃で一晩放置した。析出した固体を濾別し、50〜60℃で真空乾燥し、約14gのK1219ZnRu68を得た。
【0040】
【比較例1】
[水溶媒でのイオン交換反応1]
50ml反応容器にNa1219Zn68の23gおよび水10mlを入れ,Ar雰囲気で、撹拌しながら90℃まで昇温した。これに、Ru(DMSO)Cl4gを投入し、Ar雰囲気下、90℃で約18時間撹拌した。撹拌終了後、空気雰囲気下で、反応液を室温まで冷やし、撹拌しながらKClを2g投入し、約2時間撹拌を続けた。その後、析出固体を濾取し、水で2回再結晶した。その結果、約3gの黄色の固体を得た。この固体のICPによる元素分析の結果、Na0.41119Zn4.8Ru0.268という組成比の固体であった。すなわち、水中でのイオン交換は低速で、Ruの挿入量の少ないサンドイッチ型ヘテロポリ酸しか得られなかった。
【0041】
【参考例6】
[Na1219Zn68の酸化反応]
Na1219Zn681g、水0.5gおよび回転子を100mlマイクロボンベに入れ、オートクレーブ内を酸素置換し、80℃に調温されたオイルバスにつけ、約18時間撹拌した。反応終了後、オートクレーブをオイルバスより取り出し、室温まで放冷した後、蓋を開け、ヘテロポリ酸塩を取り出し、室温で真空乾燥した。その固体をKBrで錠剤成型し、IR分析したが、酸化反応前後、IRスペクトル上の変化は確認できなかった。
【0042】
【参考例7】
[Na1219ZnRu68の酸化反応]
Na1219ZnRu681g、水0.5gおよび回転子を100mlマイクロボンベに入れ、オートクレーブ内を酸素置換し、80℃に調温されたオイルバスにつけ、約18時間撹拌した。反応終了後、オートクレーブをオイルバスより取り出し、室温まで放冷した後、蓋を開け、ヘテロポリ酸塩を取り出し、室温で真空乾燥した。その固体をKBrで錠剤成型し、IR分析した結果、酸化反応後サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩は、1210〜1260wavenumberに台形の吸収ピークを有することが確認された。これは、サイドオンタイプとエンドオンタイプのスーパーオキソ種のIR吸収である。
【0043】
【参考例8】
[TOMA10Ru19ZnRu68の酸化反応]
TOMA1219ZnRu681.32g、1,2−ジクロロエタン5mlおよび回転子を100mlマイクロボンベに入れ、オートクレーブ内を酸素置換し、80℃に調温されたオイルバスにつけ、約18時間撹拌した。反応終了後、オートクレーブをオイルバスより取り出し、室温まで放冷した後、蓋を開け、溶液を取り出した。そのままIR分析した結果、酸化反応後サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩は、820wavenumber付近にショルダー上の吸収ピークを有することが確認された。これは、Ru=OのIR吸収である。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、周期表第7〜12族、かつ、第5または6周期の遷移金属含有サンドイッチ型ヘテロポリ酸塩を、高収率で、再現性よく製造できる。

Claims (6)

  1. 化学式(1)で表されるサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩と、周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属の錯体とを、有機溶媒中、60〜180℃で混合することを特徴とする化学式(2)で表される周期表第7〜12族、かつ、第5または第6周期の遷移金属を含有するヘテロポリ酸塩の製造方法。
    1968    (1)
    (式中、Aは、一価金属カチオン、二価金属カチオンおよび四級アンモニウムカチオンから選ばれた少なくとも一種、aは、4.5〜12、Xは、W、MoおよびVからえらばれた少なくとも一種、Yは、ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種、Oは、酸素原子を表す。)
    A‘19(5−b)68    (2)
    [式中、A‘は、一価金属カチオン、二価金属カチオンおよび四級アンモニウムカチオンから選ばれた少なくとも一種、aは、4.5〜12、Xは、W、MoおよびVから選ばれた少なくとも一種の金属、Yは、ZnおよびCoから選ばれた少なくとも一種、Zは、周期表第7〜12族、かつ、第5または6周期の遷移金属、bは、3〜0.5、Oは、酸素原子を表す。]
  2. 周期表第7〜12族、かつ、第5または6周期の遷移金属が、Ru、Pd、PtおよびOsから選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のヘテロポリ酸塩の製造方法。
  3. 有機溶媒が、比誘電率20以上の非プロトン性有機化合物である請求項1記載のヘテロポリ酸塩の製造方法。
  4. 有機溶媒が、電解伝導率が1×10−8以上の非プロトン性有機化合物である請求項1または3記載のヘテロポリ酸塩の製造方法。
  5. 化学式(1)で表される化合物のAが、四級アンモニウムカチオン、Li、NaおよびKから選ばれた少なくとも一種である請求項1記載のヘテロポリ酸塩の製造方法。
  6. 有機溶媒の使用量が、化学式(1)で表される化合物のサンドイッチ型ヘテロポリ酸塩に対して、質量比で5以下であり、混合温度が80〜150℃の範囲である請求項1記載のヘテロポリ酸塩の製造方法。
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