JP2004074827A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたベルト耐久性が得られるようにした空気入りラジアルタイヤを提供する。
【解決手段】カーカス層4のトレッド部1における外周に、スチールコードをタイヤ周方向に対しバイアスに配置した複数のベルト層51,52を設け、これらベルト層51,52の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるようにした補強層6をタイヤ周方向に配置し、該補強層6をテキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層60と、該芯体層60の周囲にテキスタイル補強コードが螺旋状に連続的に巻回して偏平筒状に形成された外周層61とから構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】カーカス層4のトレッド部1における外周に、スチールコードをタイヤ周方向に対しバイアスに配置した複数のベルト層51,52を設け、これらベルト層51,52の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるようにした補強層6をタイヤ周方向に配置し、該補強層6をテキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層60と、該芯体層60の周囲にテキスタイル補強コードが螺旋状に連続的に巻回して偏平筒状に形成された外周層61とから構成したことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、特に超偏平重荷重用として優れたベルト耐久性を発揮する空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バスやトラック等の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいても、低床化により乗降時の便利さや積荷の上げ下ろし労力を軽減できることなどから、偏平率が小さい超偏平タイヤが普及しつつある。しかし、このような超偏平の重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、ベルト層が広幅であるため高速走行時のエッジ部のせり上がり量が大きくなってエッジセパレーションを起こしやすいという問題があった。
【0003】
上記問題の対策として、スチールベルト層の両エッジ部に、波形に型付けしたスチールコードの複数本を平行に引き揃えてゴム引きしたウェーブストリップをタイヤ周方向に螺旋状に巻回するようにした補強層を設ける提案がある。しかしながら、ウェーブストリップをタイヤ周方向に複数回にわたり螺旋状に巻回すると、ウェーブストリップ間で型付け位相のずれができるためウェーブストリップが不規則に多重の重なりを形成し、欠陥の多い乱れた構造になりやすい。このようにウェーブストリップが乱れた構造は、タイヤ破壊の起点になりやすく、十分な補強効果が得られないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の課題を解消し、たとえ超偏平の重荷重用空気入りラジアルタイヤであっても、優れたベルト耐久性が得られるようにした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の空気入りラジアルタイヤは、カーカス層のトレッド部における外周に、スチールコードをタイヤ周方向に対しバイアスに配置した複数のベルト層を設け、これらベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるようにした補強層をタイヤ周方向に配置し、該補強層をテキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、該芯体層の周囲にテキスタイル補強コードが螺旋状に連続的に巻回して偏平筒状に形成された外周層とから構成したことを特徴とするものである。
【0006】
このようにベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるように補強層を配置し、その補強層を、テキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、この芯体層の周囲にテキスタイル補強コードを螺旋状に連続的に巻回して形成したバイアス構造の外周層とから形成したので、ベルト層の両端部のせり上がりを抑制することができる。また、補強層が上記構成であるため、テキスタイル補強コードを均一に緻密に配列することができ、従来のウェーブトリップを巻回するときのような不規則性を生ずることがなく、応力集中箇所を少なくするためタイヤ耐久性を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す本発明の実施形態を参照して具体的に説明する。
【0008】
図1は本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りラジアルタイヤを例示し、図2はベルト層に対する補強層の要部を示す。
【0009】
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。トレッド部1の両側にそれぞれサイドウォール部2、ビード部3が左右対称に設けられ、そのタイヤ内側にスチールコードからなるカーカス層4がタイヤ周方向に対して略90°の角度で設けられている。また、トレッド部1におけるカーカス層4の外周には、ベルト層5がタイヤ周方向に1周にわたるように設けられ、かつその両エッジ部に、それぞれ補強層6がタイヤ1周にわたり設けられている。
【0010】
ベルト層5は、タイヤ周方向に対しスチールコードがバイアスに配列した複数のベルト層51,52から構成されている。各ベルト層51,52のスチールコードは両端がカットされた切断端を有すると共に、層間で互いに交差する関係になっている。ベルト層5の層数は、図1の例では2層であるが、適用車両の大きさに応じて3層以上を設けるようにしたものであってもよい。
【0011】
補強層6はベルト層5の両エッジ部を覆うと共に、タイヤ周方向に環状に設けられている。図1の実施形態では、補強層6はベルト層5の最外側を覆う配置になっているが、これを図3に示す実施形態のように、ベルト層5の層間に挟むようにしてもよい。或いは、図4に示す実施形態のように、ベルト層5の最内側に配置するようにしてもよい。いずれの態様の場合にも、補強層6がベルト層5のエッジ部をタイヤ幅方向に横切り、そのエッジ部をタイヤ幅方向の内側と外側とに跨がるようにする。
【0012】
上記補強層6は、図2(A)(B)に示すように、内側に芯体層60を配置し、その外側を外周層61で偏平筒状に取り囲むように構成されている。その芯体層60と外周層61は、いずれもテキスタイル補強コードを平行に配列したゴム引き層から構成されている。
【0013】
このうち芯体層60は、テキスタイル補強コードが実質的にタイヤ周方向に平行に配列し、タイヤ周方向に環状になった帯状体として形成されている。ここで実質的にタイヤ周方向に配列する、タイヤ周方向Eに対するコード角度θ0 が、0°〜15°、好ましくは0°〜10°の範囲であることをいう。また、芯体層60の外側を偏平筒状に覆う外周層61は、テキスタイル補強コードを上記芯体層50の周囲に螺旋状に巻きつかせると共に、少しずつピッチをずらせて連続的に巻回することにより、横断面が偏平筒状に形成されている。外周層61のテキスタイル補強コードがなす螺旋角、すなわち、タイヤ周方向に対するコード角度θは、好ましくは15°〜40°、さらに好ましくは18°〜30°にするとよい。
【0014】
上記のように補強層6は、芯体層60と外周層61とがテキスタイル補強コードから構成されると共に、外周層61がバイアス構造になっていて、タイヤ周方向の伸長に対して適度の変形態を有するため、加硫時のリフト操作によく追従することができ、かつ伸長後は芯体層60と外周層61とのタガ効果により、タイヤが高速走行するときのベルト層5両端部のせり上がりを効果的に抑制する。また、上記構成を有することで、テキスタイル補強コードを平行に均一緻密に配列可能になるため、従来のウェーブストリップを巻回する場合のように不規則性を発生しない。したがって、ベルト層エッジ部において応力集中箇所を少なくし、タイヤの耐久性を向上することができる。
【0015】
本発明において、補強層6の幅は特に限定されないが、上記効果を効率よく発揮するため25〜100mmの範囲にするとよい。また、必要により、上記補強層6に加えて、テキスタイルコードをタイヤ周方向に小さな角度(タイヤ周方向に対するコード角度で10°以内)に螺旋状に巻き付けるようにした一定幅の補強層とか、或いはテキスタイルコードまたはスチールコードのバイアス補強層を設けるようにしてもよい。
【0016】
また、補強層6は、外周層61のテキスタイル補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜方向と、これに隣接するベルト層5(51,52)のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向とが対面する層間で互いに反対方向になるように配置するとよい。かかる配置により、上述したベルト層端部のせり上がり防止効果を一層向上することができる。
【0017】
本発明において、補強層の芯体層および外周層に使用するテキスタイル補強コードとしては、タイヤコードとして従来から使用されている繊維がいずれも使用可能である。例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等の有機繊維コードを挙げることができる。また、必要に応じてアラミドコード、PBO(ポリパラフェニレン・ベンツビス・オキサゾール)コードなども使用可能である。
【0018】
本発明において、上記構成からなる空気入りラジアルタイヤを生産するときは、補強層は予め独立部品として別生産しておき、それを別途成形されたグリーンタイヤのベルト層に組み付けるように生産すればよい。このようなタイヤ生産方法をとることにより、従来のタイヤ生産設備を何ら変更することなく、本発明の空気入りラジアルタイヤを生産することができる。
【0019】
補強層を独立部品として生産する方法としては、まずテキスタイル補強コードを成形ドラム上にドラム周方向に対して15°以内の範囲で螺旋状に巻き付け、巻幅約25〜100mmの環状の帯状体を芯体層として成形する。次いで、この芯体層を成形ドラムから外して、ガイドローラを4カ所に配置した移送機構に掛け替え、その移送機構を介して芯体層を回動させながら、その芯体層の周囲にテキスタイル補強コードを螺旋状に連続的にピッチをずらせながら巻き付けて外周層を形成し、芯体層を偏平筒状の外周層で覆った補強層を形成する。
【0020】
本発明は、空気入りラジアルタイヤ一般に適用可能であるが、特に偏平率が70%以下の超偏平重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用する場合に、その効果が大きい。
【0021】
【実施例】
タイヤサイズが275/70R22.5、偏平率が70%であり、図1のようにスチールコードからなる2層のベルト層を構成すると共に、その両エッジ部に、テキスタイルコードの材料とコード角度θ0 ,θとを表1のように異ならせた芯体層と外周層からなる50mm幅の補強層を配置した重荷重用空気入りラジアルタイヤ(実施例1,2)を製作した。
【0022】
また、比較のため、同じタイヤサイズと偏平率で、かつ同一構成のスチールコードベルト層の両エッジ部に、スチールコードのウェーブストリップを螺旋状に巻き付けて上記と同一幅にした補強層を配置した重荷重用空気入りラジアルタイヤ(従来例)を製作した。
【0023】
これら3種類のタイヤについて、それぞれ下記の耐久性試験を行った結果を表1に示す。
【0024】
〔耐久性試験〕
各試験タイヤをリムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧900kPaを充填して、ドラム径1707mmの室内ドラム試験機により、速度45km/hで、規定荷重3150kgに対して140%(4410kg)の荷重を負荷して走行させ、ベルトエッジ部にセパレーションが発生するまでの走行距離を測定した。評価は従来例タイヤの走行距離を100とする指数で行い、その指数値が大きいほど耐久性に優れていることを意味する。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、ベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるように補強層を配置し、その補強層を、テキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、この芯体層の周囲にテキスタイル補強コードを螺旋状に連続的に巻回して形成したバイアス構造の外周層とから形成したので、ベルト層の両端部のせり上がり抑制することができる。また、補強層が上記構成であるため、テキスタイル補強コードを均一に緻密に配列することができ、従来のウェーブストリップを巻回するときのような不規則性を生ずることがなく、応力集中箇所を少なくするためタイヤ耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示する子午線断面図である。
【図2】図1の空気入りラジアルタイヤを使用する補強層の説明図であり、(A)は一部を破断して示す展開図、(B)は(A)のX−X断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤのベルト層部分の概略図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤのベルト層部分の概略図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5,51,52 ベルト層
6 補強層
60 芯体層
61 外周層
【発明の属する技術分野】
本発明は空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、特に超偏平重荷重用として優れたベルト耐久性を発揮する空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、バスやトラック等の重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいても、低床化により乗降時の便利さや積荷の上げ下ろし労力を軽減できることなどから、偏平率が小さい超偏平タイヤが普及しつつある。しかし、このような超偏平の重荷重用空気入りラジアルタイヤでは、ベルト層が広幅であるため高速走行時のエッジ部のせり上がり量が大きくなってエッジセパレーションを起こしやすいという問題があった。
【0003】
上記問題の対策として、スチールベルト層の両エッジ部に、波形に型付けしたスチールコードの複数本を平行に引き揃えてゴム引きしたウェーブストリップをタイヤ周方向に螺旋状に巻回するようにした補強層を設ける提案がある。しかしながら、ウェーブストリップをタイヤ周方向に複数回にわたり螺旋状に巻回すると、ウェーブストリップ間で型付け位相のずれができるためウェーブストリップが不規則に多重の重なりを形成し、欠陥の多い乱れた構造になりやすい。このようにウェーブストリップが乱れた構造は、タイヤ破壊の起点になりやすく、十分な補強効果が得られないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の課題を解消し、たとえ超偏平の重荷重用空気入りラジアルタイヤであっても、優れたベルト耐久性が得られるようにした空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の空気入りラジアルタイヤは、カーカス層のトレッド部における外周に、スチールコードをタイヤ周方向に対しバイアスに配置した複数のベルト層を設け、これらベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるようにした補強層をタイヤ周方向に配置し、該補強層をテキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、該芯体層の周囲にテキスタイル補強コードが螺旋状に連続的に巻回して偏平筒状に形成された外周層とから構成したことを特徴とするものである。
【0006】
このようにベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるように補強層を配置し、その補強層を、テキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、この芯体層の周囲にテキスタイル補強コードを螺旋状に連続的に巻回して形成したバイアス構造の外周層とから形成したので、ベルト層の両端部のせり上がりを抑制することができる。また、補強層が上記構成であるため、テキスタイル補強コードを均一に緻密に配列することができ、従来のウェーブトリップを巻回するときのような不規則性を生ずることがなく、応力集中箇所を少なくするためタイヤ耐久性を向上することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す本発明の実施形態を参照して具体的に説明する。
【0008】
図1は本発明の実施形態からなる重荷重用の空気入りラジアルタイヤを例示し、図2はベルト層に対する補強層の要部を示す。
【0009】
図1において、1はトレッド部、2はサイドウォール部、3はビード部である。トレッド部1の両側にそれぞれサイドウォール部2、ビード部3が左右対称に設けられ、そのタイヤ内側にスチールコードからなるカーカス層4がタイヤ周方向に対して略90°の角度で設けられている。また、トレッド部1におけるカーカス層4の外周には、ベルト層5がタイヤ周方向に1周にわたるように設けられ、かつその両エッジ部に、それぞれ補強層6がタイヤ1周にわたり設けられている。
【0010】
ベルト層5は、タイヤ周方向に対しスチールコードがバイアスに配列した複数のベルト層51,52から構成されている。各ベルト層51,52のスチールコードは両端がカットされた切断端を有すると共に、層間で互いに交差する関係になっている。ベルト層5の層数は、図1の例では2層であるが、適用車両の大きさに応じて3層以上を設けるようにしたものであってもよい。
【0011】
補強層6はベルト層5の両エッジ部を覆うと共に、タイヤ周方向に環状に設けられている。図1の実施形態では、補強層6はベルト層5の最外側を覆う配置になっているが、これを図3に示す実施形態のように、ベルト層5の層間に挟むようにしてもよい。或いは、図4に示す実施形態のように、ベルト層5の最内側に配置するようにしてもよい。いずれの態様の場合にも、補強層6がベルト層5のエッジ部をタイヤ幅方向に横切り、そのエッジ部をタイヤ幅方向の内側と外側とに跨がるようにする。
【0012】
上記補強層6は、図2(A)(B)に示すように、内側に芯体層60を配置し、その外側を外周層61で偏平筒状に取り囲むように構成されている。その芯体層60と外周層61は、いずれもテキスタイル補強コードを平行に配列したゴム引き層から構成されている。
【0013】
このうち芯体層60は、テキスタイル補強コードが実質的にタイヤ周方向に平行に配列し、タイヤ周方向に環状になった帯状体として形成されている。ここで実質的にタイヤ周方向に配列する、タイヤ周方向Eに対するコード角度θ0 が、0°〜15°、好ましくは0°〜10°の範囲であることをいう。また、芯体層60の外側を偏平筒状に覆う外周層61は、テキスタイル補強コードを上記芯体層50の周囲に螺旋状に巻きつかせると共に、少しずつピッチをずらせて連続的に巻回することにより、横断面が偏平筒状に形成されている。外周層61のテキスタイル補強コードがなす螺旋角、すなわち、タイヤ周方向に対するコード角度θは、好ましくは15°〜40°、さらに好ましくは18°〜30°にするとよい。
【0014】
上記のように補強層6は、芯体層60と外周層61とがテキスタイル補強コードから構成されると共に、外周層61がバイアス構造になっていて、タイヤ周方向の伸長に対して適度の変形態を有するため、加硫時のリフト操作によく追従することができ、かつ伸長後は芯体層60と外周層61とのタガ効果により、タイヤが高速走行するときのベルト層5両端部のせり上がりを効果的に抑制する。また、上記構成を有することで、テキスタイル補強コードを平行に均一緻密に配列可能になるため、従来のウェーブストリップを巻回する場合のように不規則性を発生しない。したがって、ベルト層エッジ部において応力集中箇所を少なくし、タイヤの耐久性を向上することができる。
【0015】
本発明において、補強層6の幅は特に限定されないが、上記効果を効率よく発揮するため25〜100mmの範囲にするとよい。また、必要により、上記補強層6に加えて、テキスタイルコードをタイヤ周方向に小さな角度(タイヤ周方向に対するコード角度で10°以内)に螺旋状に巻き付けるようにした一定幅の補強層とか、或いはテキスタイルコードまたはスチールコードのバイアス補強層を設けるようにしてもよい。
【0016】
また、補強層6は、外周層61のテキスタイル補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜方向と、これに隣接するベルト層5(51,52)のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向とが対面する層間で互いに反対方向になるように配置するとよい。かかる配置により、上述したベルト層端部のせり上がり防止効果を一層向上することができる。
【0017】
本発明において、補強層の芯体層および外周層に使用するテキスタイル補強コードとしては、タイヤコードとして従来から使用されている繊維がいずれも使用可能である。例えば、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等の有機繊維コードを挙げることができる。また、必要に応じてアラミドコード、PBO(ポリパラフェニレン・ベンツビス・オキサゾール)コードなども使用可能である。
【0018】
本発明において、上記構成からなる空気入りラジアルタイヤを生産するときは、補強層は予め独立部品として別生産しておき、それを別途成形されたグリーンタイヤのベルト層に組み付けるように生産すればよい。このようなタイヤ生産方法をとることにより、従来のタイヤ生産設備を何ら変更することなく、本発明の空気入りラジアルタイヤを生産することができる。
【0019】
補強層を独立部品として生産する方法としては、まずテキスタイル補強コードを成形ドラム上にドラム周方向に対して15°以内の範囲で螺旋状に巻き付け、巻幅約25〜100mmの環状の帯状体を芯体層として成形する。次いで、この芯体層を成形ドラムから外して、ガイドローラを4カ所に配置した移送機構に掛け替え、その移送機構を介して芯体層を回動させながら、その芯体層の周囲にテキスタイル補強コードを螺旋状に連続的にピッチをずらせながら巻き付けて外周層を形成し、芯体層を偏平筒状の外周層で覆った補強層を形成する。
【0020】
本発明は、空気入りラジアルタイヤ一般に適用可能であるが、特に偏平率が70%以下の超偏平重荷重用空気入りラジアルタイヤに適用する場合に、その効果が大きい。
【0021】
【実施例】
タイヤサイズが275/70R22.5、偏平率が70%であり、図1のようにスチールコードからなる2層のベルト層を構成すると共に、その両エッジ部に、テキスタイルコードの材料とコード角度θ0 ,θとを表1のように異ならせた芯体層と外周層からなる50mm幅の補強層を配置した重荷重用空気入りラジアルタイヤ(実施例1,2)を製作した。
【0022】
また、比較のため、同じタイヤサイズと偏平率で、かつ同一構成のスチールコードベルト層の両エッジ部に、スチールコードのウェーブストリップを螺旋状に巻き付けて上記と同一幅にした補強層を配置した重荷重用空気入りラジアルタイヤ(従来例)を製作した。
【0023】
これら3種類のタイヤについて、それぞれ下記の耐久性試験を行った結果を表1に示す。
【0024】
〔耐久性試験〕
各試験タイヤをリムサイズ22.5×8.25のリムに装着し、空気圧900kPaを充填して、ドラム径1707mmの室内ドラム試験機により、速度45km/hで、規定荷重3150kgに対して140%(4410kg)の荷重を負荷して走行させ、ベルトエッジ部にセパレーションが発生するまでの走行距離を測定した。評価は従来例タイヤの走行距離を100とする指数で行い、その指数値が大きいほど耐久性に優れていることを意味する。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、ベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるように補強層を配置し、その補強層を、テキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、この芯体層の周囲にテキスタイル補強コードを螺旋状に連続的に巻回して形成したバイアス構造の外周層とから形成したので、ベルト層の両端部のせり上がり抑制することができる。また、補強層が上記構成であるため、テキスタイル補強コードを均一に緻密に配列することができ、従来のウェーブストリップを巻回するときのような不規則性を生ずることがなく、応力集中箇所を少なくするためタイヤ耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示する子午線断面図である。
【図2】図1の空気入りラジアルタイヤを使用する補強層の説明図であり、(A)は一部を破断して示す展開図、(B)は(A)のX−X断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤのベルト層部分の概略図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤのベルト層部分の概略図である。
【符号の説明】
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5,51,52 ベルト層
6 補強層
60 芯体層
61 外周層
Claims (8)
- カーカス層のトレッド部における外周に、スチールコードをタイヤ周方向に対しバイアスに配置した複数のベルト層を設け、これらベルト層の両エッジ部に該エッジ部をタイヤ幅方向に跨がるようにした補強層をタイヤ周方向に配置し、該補強層をテキスタイル補強コードがタイヤ周方向に環状に配列した芯体層と、該芯体層の周囲にテキスタイル補強コードが螺旋状に連続的に巻回して偏平筒状に形成された外周層とから構成した空気入りラジアルタイヤ。
- 前記芯体層を構成するテキスタイル補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が0°〜15°であり、前記外周層を構成するテキスタイル補強コードのタイヤ周方向に対するコード角度が15°〜40°である請求項1に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強層を前記複数のベルト層の最外側に配置した請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記前記補強層を前記複数のベルト層の層間に配置した請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強層を前記複数のベルト層の最内側に配置した請求項1又は2に記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記外周層のテキスタイル補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜方向と、前記ベルト層のスチールコードのタイヤ周方向に対する傾斜方向とを層間で互いに反対方向にした請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 前記補強層の幅が25〜100mmである請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
- 偏平率70%以下の偏平重荷重用ラジアルタイヤである請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002233774A JP2004074827A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002233774A JP2004074827A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 空気入りラジアルタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004074827A true JP2004074827A (ja) | 2004-03-11 |
Family
ID=32018820
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002233774A Pending JP2004074827A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 空気入りラジアルタイヤ |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004074827A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011225172A (ja) * | 2010-04-22 | 2011-11-10 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入りタイヤ |
JP2012501277A (ja) * | 2008-09-02 | 2012-01-19 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | ビード中に少なくとも2つの追加の層を有する重車両用タイヤ |
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2002
- 2002-08-09 JP JP2002233774A patent/JP2004074827A/ja active Pending
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