JP2004073972A - 貝化石または酸素発生剤のいずれか1つまたは2つを用いた土および水の改良剤 - Google Patents

貝化石または酸素発生剤のいずれか1つまたは2つを用いた土および水の改良剤 Download PDF

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長島 正夫
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Abstract

【課題】この発明は土または水の改良剤に関し、土の場合は酸性土壌の中和を、また水の場合は水のBODを減少させて水を浄化するようにした定量形状の改良剤を提供しようとするものである。
【解決手段】貝化石または過酸化カルシウムを主原料とする酸化剤のいずれか1つまたは2とを生分解樹脂または水溶性樹脂のいずれかの1つまたは2つとを加熱並に加圧手段とによって固化して所定量の改良剤を含有するように定量化した改良剤を形成する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は自然物である貝化石と酸素発生剤を用い、この貝化石の主成分である炭酸カルシウムによって酸性土壌を中和し、しかも他の成分であるケイ酸およびマグネシウムによって湖沼底のヘドロ中のリン,イオウなどを沈浄化することで土壌並に水質の改善を図るようにした土および水の土地改良剤を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
貝化石(ブライオゾーア)は、魚介類などの遺骸が地殻変動により、隆起、地層化したもので、この貝化石は炭酸カルシウムを主成分とし、酸性土壌中を中和する性質が強く土壌改良材として公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、従来の貝化石の使用方法が貝化石の破砕片をそのまま土壌中に散布または埋込むものであって土壌改良にとっての適量と経時効果の確認を得られないという欠点があった。
またこの出願の発明者は、貝化石は湖沼の汚泥中に散布することでBODを減少させる要因である植物プランクトンを減少させ、水の浄化に寄与する性質を発見したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に適用され改良剤は貝化石をある一定期間、土壌中または水中に散布した場合、所定場所に定置された状態を維持し、しかも所定期間継続して浄化機能を発揮するものでなければならないものである。
この目的を達成するため、この発明に係る改良剤は、貝化石を所定大きさに形成し、この所定形状の貝化石の1個の浄化機能をそれぞれ均等化させると共に、過酸化カルシウムで形成した酸素発生剤を水分解性材料で混練固化した形状としたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
この発明に係る改良剤とその製造法を添付図面を参照にして説明すれば次のとおりである。
図1はこの発明に係る改良剤の製造法のフローチャートを示したもので、
第1工程で、生分解樹脂又は水溶性樹脂1又はこれらの混合体を、金型内に入れて加熱する。生分解樹脂又は水溶性樹脂又はこれらの混合体は硬化し流動性を有するようになる。
第2工程で、加圧する。加圧することによって、金型全体に前記混合体である成型材料をいきわたらせると同時に、貝化石を混合体中に混入する。
第3工程で、その後、樹脂硬化反応によって熱硬化をなし、もはや可塑性を有しない状態となる。
【0006】
第3工程で得られたものが、この発明に係る改良剤10であって、この改良剤10は生分解樹脂又は水溶性樹脂(以下生水溶解樹脂と云う)と貝化石2とが混練した構成とされている。
なお前記製造手段によって製造された改良剤は特に図示しないが、製造時の改良剤の大きさによってはこれを分割して散布に適した形状に形成することができるものである。
なお、生分解樹脂又は水溶性樹脂は公知である。また混練剤としては生分解樹脂または水溶性樹脂のいずれか1つまたは2つを使用するものである。
【0007】
この発明に係る改良剤の使用態様を図2および図3により説明すれば次のとおりである。
図2に示す改良剤10は散布に適用したものを示したもので、この改良剤は生水溶解樹脂1と貝化石2とが混練した状態で固化されており、この改良剤10が土壌中又は水中に散布された場合は、図3で示すように所定時間経過後、生水溶解樹脂1が土壌及び湖沼中の水分によって外側から溶解し、これと同時に貝化石2も溶解し、貝化石中に内包されている浄化物質が放出されて、土壌中および湖沼中の被浄化物を捕捉し、土壌および湖沼を浄化する。
この場合、生水溶解樹脂1の溶解時間に対応する時間をもって貝化石中の浄化物質の機能が発揮されるものであり、貝化石2の機能は生水溶解樹脂1の溶解が終了する期間継続して生じているものである。
図4で示す改良剤は貝化石2と過酸化カルシウムを造粒した酸素発生剤3を生水溶解樹脂1で固化したものである。
【0008】
【実施例】
この発明の実施例を説明すれば次のとおりである。
本発明に適用する貝化石の主要組成物を示せば次のとおりである。
石灰28.7,酸化マグネシウム1.0,酸化硅素30%,アルカリ成分30%(重量比)
本発明に係る改良剤の形状について;
【0009】
【表1】
Figure 2004073972
【0010】
使用量の目安から換算
酸素発生剤100g÷比重0.8=125ml(5cm角の立方体容積に相当)
貝化石に125mlをあてはめる
125ml×比重1.5=188g(使用量の目安80g/mの2倍量)
改良剤の大きさを125mlと設定する。(以下改良剤1パックと云う)
【0011】
貝化石及び酸素発生剤との使用態様を示せば次のとおりである。
酸素発生剤の場合 処理水1m に対し、1パック
貝化石の場合   処理水1m に対し、2パック
下記基準配合率による酸素発生剤と貝化石との混合体の場合(以下混合体とい
う)        処理水2m に対し、3パック
混合体1パック125mlに対する基準配合率は次の通りである。
【0012】
【表2】
Figure 2004073972
【0013】
【表3】
Figure 2004073972
【0014】
この実施例に適用される貝化石および酸素発生剤はそれぞれが有する固有の優れた特徴を長期間により最大限活用することにあり、また、それらの混合体により、相乗効果を期待するものである。
さらに、水溶性樹脂又は生分解樹脂又はこれらの混合体で固化することにより、取り扱いの簡便性と同時にその効果を継続的且つ計画的に実現するものである。
【0015】
【発明の効果】
〔1〕貝化石の効果
1.貝化石の主成分は炭酸カルシウム、ケイ酸やマグネシウムも多く含まれることから、酸性土壌を中和する性質が強く、その持続性も普通の石灰石の倍数あり、また多種類のミネラルを含んでいる。
2.貝化石は、天然資源であり、主として魚介類やプランクトンなどの遺骸が地殻変動により、隆起、地層化したものを採掘加工したものである。
3.上記特性により、土地改良剤や湖沼の水質浄化剤への利用などの用途が広がるものである。
【0016】
〔2〕酸素発生剤の効果
1.酸素発生剤は、過酸化カルシウムを含有する造粒製剤(22%以上)であり、水と接触すると酸素を放出(5%以上)するため、水中の溶存酸素を増加させ、酸素不足を補う。
2.放出された酸素は、その酸化作用により硫化水素、二酸化硫黄、アンモニア、アルデヒド等の有害物質を分解する効果があり、いわゆる池底のヘドロを分解し、無害物質に変化させる。
3.底泥に酸素を放出することは、底泥のリン酸化リンを減少させ、植物プランクトンの栄養源を減少させる効果があり、その結果、植物プランクトンが減少し、水の浄化が起きる。
4.酸素発生剤は、水酸化カルシウムを含有しており、硫化物や腐敗物質によって酸性化した地底を中和する効果がある。
【0017】
酸素発生剤と貝化石との相乗効果を期待するには、それぞれの混合の割合を任意に設定、調整することにより可能であり、その使用目的に対する効果を自由に設定することも可能である。
貝化石は凝集沈降剤であり、酸素発生剤また底質改善による水質浄化を目的としている。従って、ある一定期間にて水中に散布され、水底に放置することによる効果が期待される。その為、この発明に係る改良剤は固化形状として形成したので散布設置後、2〜3ケ月間継続して分解することによってその効果の継続性を期待するものである。
【0018】
〔3〕生分解樹脂又は水溶性樹脂又はそれらの混合体により固化することにより得られる効果
1.それぞれの樹脂の混合の割合を任意に設定、調整することにより、貝化石又は酸素発生剤又はそれらの混合体の効果の継続基幹を自由に設定することが可能である。
2.固化することにより、散布時の空気中等への飛散がなく、吸引や皮膚への直接の接触を防止することができ、安全に散布作業を行うことができる。
3.固体であるから運送、保管等の取り扱いが簡便であり、散布時も、たとえば他の容器を移し替えるといった作業の必要がなく、そのままで散布することができる。
4.主原料が生分解樹脂や水溶性樹脂又はそれらの混合したものであるから、公害性が極めて低い。
5.散布による効果の継続期間を任意に設定、調整できることにより、計画的な散布が可能である。
6.湖沼、海中等での水流の変化の影響を受けにくい。
7.土壌における風や雨等の自然の影響を受けにくい。
【0019】
〔4〕圧縮成形法を採用することにより得られる効果
1.所定の形状、金型を用いることにより、互換性のある製品や同型の製品を多数成形することができる。
生分解樹脂又は水溶性樹脂又はこれらの混合体、さらに貝化石又は酸素発生剤又はそれらの混合体の配合比率を自由に設定した同型の製品を多数成形することができる。
2.成形品は相当の耐熱性を有するために、室温近くまで水冷する工程を必要としない。
3.使用する金型温度を特に著しく降下させる必要がないので、最も簡単な加熱加圧装置を使用し、簡単な構造の金型によって成形操作を繰り返すことができる。
4.成形機自体に必要な経費や金型に要する経費も他の成形法に比べて少なくてすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】改良剤の製造工程を示す説明図である。
【図2】改良剤の要部断面説明図である。
【図3】改良剤の使用態様の要部断面説明図である。
【図4】改良剤の他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 生分解樹脂(水溶性樹脂)
2 貝化石
3 酸素発生剤
10 改良剤

Claims (2)

  1. 貝化石と生分解樹脂または水溶性樹脂のいずれか1つまたは2つとで固化したことを特徴とする土および水の改良剤。
  2. 貝化石と酸素発生剤とを生分解樹脂または水溶性樹脂のいずれか1つまたは2つとで固化したことを特徴とする土および水の改良剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106186329A (zh) * 2016-08-30 2016-12-07 苏州科技大学 一种向底泥注入吸附材料控制内源磷释放的方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106186329A (zh) * 2016-08-30 2016-12-07 苏州科技大学 一种向底泥注入吸附材料控制内源磷释放的方法
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