JP2004071629A - シールド構造およびシールド構造を有する電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線基板に電子部品を実装して成る電子機器のシールド構造、詳しくは電子機器の作動中に生じる障害電波を遮蔽するためのシールド構造およびシールド構造を有する電子機器を対象とし、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑え得る、シールド構造およびシールド構造を有する電子機器の提供を目的としている。
【解決手段】本発明の一実施形態であるシールド構造1は、シールド板13における少なくとも一部を、配線基板11に点在させて設けた島状のグランドパターン11Giと、スプリングピン(接続手段)14を介して導通させるよう構成しており、また本発明の一実施形態である電子機器は、シールド板13における少なくとも一部を、配線基板11に点在させて設けた島状のグランドパターン11Giと、スプリングピン(接続手段)14を介して導通させるよう構成したシールド構造1を有している。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の一実施形態であるシールド構造1は、シールド板13における少なくとも一部を、配線基板11に点在させて設けた島状のグランドパターン11Giと、スプリングピン(接続手段)14を介して導通させるよう構成しており、また本発明の一実施形態である電子機器は、シールド板13における少なくとも一部を、配線基板11に点在させて設けた島状のグランドパターン11Giと、スプリングピン(接続手段)14を介して導通させるよう構成したシールド構造1を有している。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板に電子部品を実装して成る電子機器におけるシールド構造、詳しくは電子機器の作動中に生じる障害電波を遮蔽するためのシールド構造に関するものであり、また本発明は、上述した如きシールド構造を具備して成る電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ノート型パソコンや携帯電話機等の各種電子機器においては、様々なEMI(Electro Magnetic Intereference)シールド構造、すなわち電子機器の作動中に電子回路から発生する電磁波が他の電子機器の作動に悪影響を及ぼす現象を防止するためのシールド構造が採用されている。
【0003】
図14および図15に示す従来のシールド構造Aでは、配線基板Bに実装された各電子部品Ea、Eb、Ecの電磁波遮蔽を目的として、これら電子部品Ea、Eb、Ecを収容する態様で、配線基板BにシールドケースCa、Cb、Ccが組み付けられている。
【0004】
配線基板Bの表面Baには、電子部品Ea、Eb、Ecを囲う態様で連続したグランドパターンGa、Gb、Gcが形成されており、配線基板Bの所定位置に組み付けたシールドケースCa、Cb、Ccの下方縁部を、各々グランドパターンGa、Gb、Gcに接触させて導通を図ることにより、各電子部品Ea、Eb、Ecに対する電磁波遮蔽を行なっている。
【0005】
また、図16および図17に示す従来のシールド構造A′では、配線基板Bに実装された各電子部品Ea、Eb、Ecの電磁波遮蔽を目的として、これら電子部品Ea、Eb、Ecを収容する態様で、配線基板BにシールドケースHが組み付けられている。
【0006】
上記シールドケースHは、例えば樹脂モールド成形品の表面にメッキ、蒸着、導電塗装等を施すことにより作成され、各電子部品Ea、Eb、Ecに対応した収容部Ha、Hb、Hcを有している。
【0007】
一方、配線基板Bの表面Baには、各電子部品Ea、Eb、Ecの周囲を巡る態様で連続したグランドパターンGpが形成されており、配線基板Bの所定位置に組み付けたシールドケースHの下方縁部を、グランドパターンGpに接触させて導通を図ることで、各電子部品Ea、Eb、Ecに対する電磁波遮蔽を行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のシールド構造においては、所望の電磁遮蔽性能を引き出すために、1つ1つの電子部品毎、あるいは複数の電子部品を含んで成る電子回路毎を、それぞれシールドケースによって収容する必要がある。
【0009】
このため、図14、15に示したシールド構造Aでは、配線基板Bにおける表面Ba上に、各電子部品Ea、Eb、Ecを囲うグランドパターンGa、Gb、Gcを形成しており、また図16、17に示したシールド構造A′では、配線基板Bにおける表面Ba上に、各電子部品Ea、Eb、Ecの周囲を巡るグランドパターンGpを形成している。
【0010】
すなわち、従来のシールド構造では、配線基板の表面上においてグランドパターンの占める割合が大きなものとなり、配線基板の表面上における実質的な部品実装面積が減少することとなる。
【0011】
したがって、従来のシールド構造においては、所望の電磁遮蔽性能を確保するために、配線基板の大形化、延いては上記配線基板を搭載した電子機器の大型化を招来する不都合があり、特に携帯電話機等の小形電子機器においては大きな問題となっていた。
【0012】
また、上述した従来のシールド構造において、配線基板に搭載された1つ1つの電子部品毎、あるいは複数の電子部品を含んで成る電子回路毎を、それぞれ収容するためのシールドケースは、その形状が複雑なものとなることが多かった。
【0013】
このため、従来のシールド構造においては、複雑な形状のシールドケースを作成するためにコストが掛かることに起因して、電子機器の製造に関わるコストの増大を招く不都合があった。
【0014】
本発明の目的は、上記実状に鑑みて、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑え得る、電子機器のシールド構造を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、上記実状に鑑みて、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、不用意な大型化を抑え得るとともに製造に関わるコストの増大を抑え得る、シールド構造を有する電子機器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、ピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴としている。
【0019】
また、本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記配線基板上に実装された電子部品のうちの所定の電子部品を覆う前記シールド板の少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンとピン状を呈する接続手段を介して導通させるとともに、前記配線基板上に設けられた電子部品の全てを前記シールド板とともにシールドケースによって覆うよう構成したことを特徴としている。
【0020】
一方、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、ピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0022】
また、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記配線基板上に実装された電子部品のうちの所定の電子部品を覆う前記シールド板の少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンとピン状を呈する接続手段を介して導通させるとともに、前記配線基板上に設けられた電子部品の全てを前記シールド板とともにシールドケースによって覆うよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第1実施形態を示しており、図1は本発明に関わるシールド構造の第1実施形態を示す分解斜視図、図2(a)は図1に示したシールド構造の全体平面図、図2(b)は図1に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図3(a)は図2中のa−a線断面図、図3(b)は図2中のb−b線断面図、図4(a)は配線基板に設置されたスプリングピンの平面図、図4(b)は無負荷状態におけるスプリングピンの側面断面図であり、図4(c)はシールド板と接触した状態におけるスプリングピンの側面断面図である。
【0025】
因みに、本発明に関わる電子機器のシールドは「電子部品ユニット」に対する電磁波遮蔽、すなわち個々の電子部品に対する電磁波遮蔽、あるいは複数個の電子部品の集合によって構成された電子回路に対する電磁波遮蔽を目的とするものである。
【0026】
このシールド構造10では、配線基板11の表面に電子部品(電子部品ユニット)12A、12B、12Cが実装されているとともに、これら電磁波遮蔽を必要とする電子部品12A、12B、12Cを覆う態様で、上記配線基板11の表面にシールド板13が組み付けられている。
【0027】
上記シールド板13は、配線基板11の略全域を覆う矩形状を呈する平板であって、ステンレスから成る薄板の内面(配線基板11と対向する側の表面)に金メッキを施すことにより、その表面抵抗が極めて小さいものとなるよう構成されている。
【0028】
なお、上記シールド板13としては、銅系材料(例えばリン青銅)から成る薄板の内面に金メッキを施したものや、樹脂材料から成る薄板の内外面に金属メッキを施したもの、さらには要求される電磁波遮蔽性能の程度により、鉄系材料や銅系材料等の薄板単体から構成することも可能である。
【0029】
一方、上記配線基板11の表面には、個々の電子部品12A、12B、12Cを囲う如きレイアウトで、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン11Giが点在して形成されており、これらグランドパターン11Giと上記シールド板13とは、ピン状を呈する接続手段としてのスプリングピン14を介して互いに導通している。
【0030】
図4に示す如く、上記スプリングピン(接続手段)14は、有底円筒形状を呈するホルダ14Aと、該ホルダ14Aに上下動自在に収容されたピン14Bと、該ピン14Bを常に上方へ付勢するバネ14Cとを有し、上記ホルダ14Aをハンダ付け等の手段によってグランドパターン11Giに固定することで、該グランドパターン11Giに対して機械的かつ電気的に接続されている。
【0031】
また、上記スプリングピン14におけるピン14Bは、図4(b)に示す無負荷状態において、ホルダ14Aのフランジ14Aaにフランジ14Baが当接した初期位置に占位している一方、図4(c)に示す如く配線基板11に対してシールド板13を組み付けた状態(図3参照)、言い換えれば電子機器の筐体内に配線基板11とシールド板13とを組み付けた状態では、上記スプリングピン14のピン14Bはシールド板13によって押し下げられ、且つバネ14Cの弾性復帰力によって上記シールド板13に圧接されている。
【0032】
ここで、ホルダ14Aとピン14Bとは、互いに摺接していることと共にバネ14Cを介して互いに電気的に導通しており、これによって配線基板11に組み付けられたシールド部材13は、上記スプリングピン14を介して配線基板11上におけるグランドパターン11Giと導通している。
【0033】
上述した如きシールド構造10によれば、電子部品12A、12B、12Cからシールド板13に向けて放射された電磁波は、上述した如く表面抵抗の小さなシールド板13を速やかに流れ、スプリングピン14を介して配線基板11上のグランドパターン11Giに落ちることとなる。
【0034】
ここで、上述したシールド構造10においては、各電子部品12A、12B、12Cを囲う如きレイアウトで、グランドパターン11Giおよびスプリングピン14を設置しているので、各々のスプリングピン14を介して電気が流れることで、恰も図2(b)に鎖線で示す如く各電子部品の周囲を巡る壁によって電気的に仕切られた状態となり、もって各電子部品12A、12B、12Cに対する所期の電磁波遮蔽が為されることとなる。
【0035】
また、上述した構成によれば、各電子部品12A、12B、12Cを囲う連続したグランドパターンを形成していないので、配線基板11上におけるグランドパターンの占める割合が減少し、配線基板11上の実質的な部品実装面積が増大することとなる。
【0036】
このため、上述したシールド構造10においては、配線基板11の不用意な大形化を伴うことなく電子部品の実装面積を確保することができ、もって配線基板を搭載した電子機器の大型化を招くことなく所望の電磁遮蔽性能を確保することが可能となる。
【0037】
また、上述した構成によれば、各電子部品12A、12B、12Cを囲う連続したグランドパターンを形成していないので、該連続したグランドパターンに合わせた複雑な形状にシールド板を形成する必要もない。
【0038】
このため、上述したシールド構造10においては、シールド板13を極めて単純な形状とし得るために、シールド板13の作成に関わるコストが抑えられ、もって電子機器の製造に関わるコストを低減することが可能となる。
【0039】
なお、配線基板11上におけるグランドパターン11Giおよびスプリングピン14のレイアウト、すなわち設置個数、設置位置および設置間隔(ピッチ)等は、電子部品ユニット毎に要求される電磁遮蔽性能を満足するよう、適宜に設定し得るものであることは言うまでもない。
【0040】
また、配線基板11上のグランドパターン11Giとシールド板13とを導通させる接続手段としては、上述した実施形態におけるスプリングピン14のみならず、例えば金属等の導電性材料から成るピン状のバネや、導電性ゴムから成るピン状のブロックをも採用し得ることは勿論である。
【0041】
図5〜図7は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第2実施形態を示しており、図5は本発明に関わるシールド構造の第2実施形態を示す分解斜視図、図6(a)は図5に示したシールド構造の全体平面図、図6(b)は図5に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図7(a)は図6中のa−a線断面図であり、図7(b)は図6中のb−b線断面図である。
【0042】
このシールド構造20では、配線基板21の表面に実装された電子部品(電子部品ユニット)22A、22B、22Cのうち、電磁波遮蔽を必要とする電子部品22B、22Cを覆う態様で、上記配線基板21の表面にシールド板23が組み付けられている。
【0043】
上記シールド板23は、電子部品22B、22Cを覆う矩形状の本体部23aと、本体部23aの側縁から下方に展開する左右の側板23sと、各側板23sの下縁から外方に展開する当接舌片23cとを有しており、ステンレスから成る薄板の内面(配線基板21と対向する側の表面)に金メッキを施すことで、その表面抵抗が極めて小さいものとなるよう構成されている。
【0044】
なお、上記シールド板23としては、銅系材料から成る薄板の内面に金メッキを施したものや、樹脂材料から成る薄板の内外面に金属メッキを施したもの、さらには要求される電磁波遮蔽性能の程度により、鉄系材料や銅系材料等の薄板単体から構成したものを採用し得ることは勿論である。
【0045】
一方、上記配線基板21の表面には、上述したシールド板23における左右の当接舌片23cと対応する部位に、縁部に沿って延びる左右のグランドパターン21Gsが形成されており、さらに電子部品22B、22Cを仕切って延びる線上に、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン21Giが点在して形成されている。
【0046】
上記シールド板23は、配線基板21の所定位置に組み付けられた状態において、上記配線基板21における左右のグランドパターン21Gsと直接に当接して導通しているとともに、ピン状を呈する接続手段としてのスプリングピン24を介して、上記配線基板21における島状のグランドパターン21Gsと導通している。
【0047】
なお、スプリングピン24の構成は、第1実施形態におけるスプリングピン14と全く同一であり、もってスプリングピン24についての説明は省略する。 また、上記スプリングピン24は、ハンダ付け等の手段によってグランドパターン21Giに固定することで、該グランドパターン21Giに対して機械的かつ電気的に接続されている。
【0048】
上述した如きシールド構造20によれば、電子部品22B、22Cからシールド板23に向けて放射された電磁波は、上述した如く表面抵抗の小さなシールド板23を速やかに流れ、配線基板21上のグランドパターン21Gsに落ちるとともに、スプリングピン24を介してグランドパターン21Giに落ちることとなる。
【0049】
ここで、上述したシールド構造20においては、各々のスプリングピン24を介して電気が流れることで、恰も図6(b)に鎖線で示す如く各電子部品の周囲を巡る壁によって電気的に仕切られた状態となり、もって各電子部品22B、22Cに対する所期の電磁波遮蔽が為されることとなる。
【0050】
また、上述したシールド構造20においては、先に説明した第1実施形態のシールド構造10と同様に、配線基板21に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0051】
なお、配線基板21上におけるグランドパターン21Giおよびスプリングピン24のレイアウトは、電子部品ユニット毎に要求される電磁遮蔽性能を満足するよう、適宜に設定し得るものであることは言うまでもない。
【0052】
また、配線基板21上のグランドパターン21Giとシールド板23とを導通させる接続手段としては、スプリングピン24のみならず、導電性材料から成るピン状のバネや、導電性ゴムから成るピン状のブロックをも採用し得ることは勿論である。
【0053】
図8〜図10は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第3実施形態を示しており、図8は本発明に関わるシールド構造の第3実施形態を示す分解斜視図、図9(a)は図8に示したシールド構造の全体平面図、図9(b)は図8に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図10(a)は図9中のa−a線断面図であり、図10(b)は図9中のb−b線断面図である。
【0054】
このシールド構造30では、配線基板31の表面に実装された電子部品(電子部品ユニット)32A、32B、32Cのうち、電磁波遮蔽を必要とする電子部品32B、32Cを覆う態様で、上記配線基板31の表面にシールド板33が組み付けられている。
【0055】
一方、上記配線基板31の表面には、縁部に沿って延びる左右のグランドパターン31Gsが形成されており、さらに電子部品32B、32Cを仕切って延びる線上に、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン31Giが点在して形成されている。
【0056】
また、上記シールド板33における本体部33aには、その一部を切り起こすことによって、ピン状を呈する接続手段としての舌片33p、33pが形成されており、この舌片33p、33pは、シールド板33を配線基板31の所定位置に組み付けた状態において、上記島状のグランドパターン31Giと圧接するように構成されている。
【0057】
上述したシールド構造30は、スプリングピンに換えて舌片33pを接続手段とした以外、図5〜図7に示した第2実施形態のシールド構造20と基本的に同一なので、シールド構造30の要素において、シールド構造20の要素と同一の作用を成すものには、図8〜図10において、図1から図4と同一の符号に10を加算した30番台の符号を附すことで詳細な説明は省略する。
【0058】
上述したシールド構造30においても、先に説明した第1実施形態および第2実施形態のシールド構造と同様に、配線基板31に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0059】
なお、シールド板33における舌片33pの形成態様としては、実施形態における「切り起こし」以外にも、例えばシールド板33における本体部33aの縁部に突起部を形成し、この突起部を下方に折り曲げることによって舌片33pを形成しても良い。
【0060】
また、上述したシールド構造30の如く、シールド板に形成した舌片をスプリングピンに換えて接続手段とする構成を、図1〜図4に示した第1実施形態のシールド構造10においても採用し得ることは言うまでもない。
【0061】
図11〜図13は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第4実施形態を示しており、図11は本発明に関わるシールド構造の第4実施形態を示す分解斜視図、図12(a)は図11に示したシールド構造の全体平面図、図12(b)は図11に示したシールド構造のシールドケースを取り外した状態の平面図、図12(c)は図11に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図13(a)は図12中のa−a線断面図であり、図13(b)は図12中のb−b線断面図である。
【0062】
このシールド構造40では、配線基板41の表面に実装された電子部品(電子部品ユニット)42A、42B、42Cのうち、強固な電磁波遮蔽を必要とする電子部品42B、42Cを覆う態様で、上記配線基板41の表面にシールド板43が組み付けられ、さらに全ての電子部品42A、42B、42Cを覆う態様で、上記配線基板41の表面にシールドケース45が組み付けられている。
【0063】
一方、上記配線基板41の表面には、周縁部に沿って延びる枠状のグランドパターン41Gfが形成され、さらに電子部品42B、42Cを仕切って延びる線上に、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン41Giが点在して形成されている。
【0064】
上述したシールド構造40は、シールドケース45を付加するとともに、配線基板41の周縁部に枠状のグランドパターン41Gfを形成した以外、図5〜図7に示した第2実施形態のシールド構造20と基本的に同一なので、シールド構造40の要素において、シールド構造20の要素と同一の作用を成すものには、図11〜図13において、図5〜図7と同一の符号に20を加算した40番台の符号を附すことで詳細な説明は省略する。
【0065】
上述した如きシールド構造40によれば、電子部品42B、42Cからシールド板43に向けて放射された電磁波は、表面抵抗の小さなシールド板43を速やかに流れて、配線基板41上のグランドパターン41Gfに落ちるとともに、スプリングピン44を介してグランドパターン41Giに落ちることとなる。
【0066】
また、電子部品42B、42Cからシールド板43を回避してシールドケース45に放射された電磁波、および電子部品42Aからシールドケース45に向けて放射された電磁波は、該シールドケース45を介して配線基板41上のグランドパターン41Gfに落ちることとなる。
【0067】
かくして、電磁波遮蔽を必要とする電子部品42Aは、該シールドケース45によって電磁波遮蔽が為される一方、より強固な電磁波遮蔽を必要とする電子部品42B、42Cは、シールド板43とシールドケース45との協働によって、より強固な電磁波遮蔽が為されることとなる。
【0068】
また、上述したシールド構造40においても、先に説明した第1実施形態〜第3実施形態のシールド構造と同様、配線基板41に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0069】
なお、上述した実施態様では、グランドパターン41Giとシールド板43とを、接続手段としてのスプリングピン14を介して接続しているが、接続手段として金属等の導電性材料から成るピン状のバネや、導電性ゴムから成るピン状のブロックを採用し得ることは勿論であり、さらに図8〜図10に示した実施態様の如く、接続手段としてシールド板の切り起こしによる舌片を採用することも可能である。
【0070】
また、電子機器の要求する電磁波遮蔽性能に応じて、シールド板43を図1〜図4に示す如く、配線基板の略全域を覆う矩形状を呈する平板によって構成することも可能である。
【0071】
さらに、上述した各実施形態においては、電子機器の一態様である携帯電話機に本発明を適用した例を示したが、例えばPDA(パーソナル・データ・アシスタンス)等、携帯電話機以外の様々な電子機器においても、本発明に係るシールド構造を有効に適用し得ることは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
上述した如く、本発明によれば、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるシールド構造の第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】(a)および(b)は、図1に示したシールド構造の全体平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図3】(a)および(b)は、図2中のa−a線断面図、および図2中のb−b線断面図。
【図4】(a)、(b)および(c)は、配線基板に設置されたスプリングピンの平面図、無負荷状態におけるスプリングピンの側面断面図、およびシールド板と接触した状態におけるスプリングピンの側面断面図。
【図5】本発明に関わるシールド構造の第2実施形態を示す分解斜視図。
【図6】(a)および(b)は、図5に示したシールド構造の全体平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図7】(a)および(b)は、図6中のa−a線断面図、および図6中のb−b線断面図。
【図8】本発明に関わるシールド構造の第3実施形態を示す分解斜視図。
【図9】(a)および(b)は、図8に示したシールド構造の全体平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図10】(a)および(b)は、図9中のa−a線断面図、および図9中のb−b線断面図。
【図11】本発明に関わるシールド構造の第4実施形態を示す分解斜視図。
【図12】(a)、(b)および(c)は、図11に示したシールド構造の全体平面図、シールドケースを取り外した状態の平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図13】(a)および(b)は、図12中のa−a線断面図、および図12中のb−b線断面図。
【図14】従来のシールド構造を示す分解斜視図。
【図15】(a)は図14に示したシールド構造の全体平面図、(b)は(a)中のb−b線断面図。
【図16】従来のシールド構造を示す分解斜視図。
【図17】(a)は図16に示したシールド構造の全体平面図、(b)は(a)中のb−b線断面図。
【符号の説明】
10、20、30、40…シールド構造
11、21、31、41…配線基板
11Gi、21Gs、21Gi、31Gs、31Gi、41Gf、41Gi…グランドパターン
12A、12B、12C、22A、22B、22C、
32A、32B、32C、42A、42B、42C…電子部品
13、23、33、43…シールド板
14、24、44…スプリングピン(接続手段)
33p…舌片(接続手段)
45…シールドケース
【発明の属する技術分野】
本発明は、配線基板に電子部品を実装して成る電子機器におけるシールド構造、詳しくは電子機器の作動中に生じる障害電波を遮蔽するためのシールド構造に関するものであり、また本発明は、上述した如きシールド構造を具備して成る電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ノート型パソコンや携帯電話機等の各種電子機器においては、様々なEMI(Electro Magnetic Intereference)シールド構造、すなわち電子機器の作動中に電子回路から発生する電磁波が他の電子機器の作動に悪影響を及ぼす現象を防止するためのシールド構造が採用されている。
【0003】
図14および図15に示す従来のシールド構造Aでは、配線基板Bに実装された各電子部品Ea、Eb、Ecの電磁波遮蔽を目的として、これら電子部品Ea、Eb、Ecを収容する態様で、配線基板BにシールドケースCa、Cb、Ccが組み付けられている。
【0004】
配線基板Bの表面Baには、電子部品Ea、Eb、Ecを囲う態様で連続したグランドパターンGa、Gb、Gcが形成されており、配線基板Bの所定位置に組み付けたシールドケースCa、Cb、Ccの下方縁部を、各々グランドパターンGa、Gb、Gcに接触させて導通を図ることにより、各電子部品Ea、Eb、Ecに対する電磁波遮蔽を行なっている。
【0005】
また、図16および図17に示す従来のシールド構造A′では、配線基板Bに実装された各電子部品Ea、Eb、Ecの電磁波遮蔽を目的として、これら電子部品Ea、Eb、Ecを収容する態様で、配線基板BにシールドケースHが組み付けられている。
【0006】
上記シールドケースHは、例えば樹脂モールド成形品の表面にメッキ、蒸着、導電塗装等を施すことにより作成され、各電子部品Ea、Eb、Ecに対応した収容部Ha、Hb、Hcを有している。
【0007】
一方、配線基板Bの表面Baには、各電子部品Ea、Eb、Ecの周囲を巡る態様で連続したグランドパターンGpが形成されており、配線基板Bの所定位置に組み付けたシールドケースHの下方縁部を、グランドパターンGpに接触させて導通を図ることで、各電子部品Ea、Eb、Ecに対する電磁波遮蔽を行なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のシールド構造においては、所望の電磁遮蔽性能を引き出すために、1つ1つの電子部品毎、あるいは複数の電子部品を含んで成る電子回路毎を、それぞれシールドケースによって収容する必要がある。
【0009】
このため、図14、15に示したシールド構造Aでは、配線基板Bにおける表面Ba上に、各電子部品Ea、Eb、Ecを囲うグランドパターンGa、Gb、Gcを形成しており、また図16、17に示したシールド構造A′では、配線基板Bにおける表面Ba上に、各電子部品Ea、Eb、Ecの周囲を巡るグランドパターンGpを形成している。
【0010】
すなわち、従来のシールド構造では、配線基板の表面上においてグランドパターンの占める割合が大きなものとなり、配線基板の表面上における実質的な部品実装面積が減少することとなる。
【0011】
したがって、従来のシールド構造においては、所望の電磁遮蔽性能を確保するために、配線基板の大形化、延いては上記配線基板を搭載した電子機器の大型化を招来する不都合があり、特に携帯電話機等の小形電子機器においては大きな問題となっていた。
【0012】
また、上述した従来のシールド構造において、配線基板に搭載された1つ1つの電子部品毎、あるいは複数の電子部品を含んで成る電子回路毎を、それぞれ収容するためのシールドケースは、その形状が複雑なものとなることが多かった。
【0013】
このため、従来のシールド構造においては、複雑な形状のシールドケースを作成するためにコストが掛かることに起因して、電子機器の製造に関わるコストの増大を招く不都合があった。
【0014】
本発明の目的は、上記実状に鑑みて、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑え得る、電子機器のシールド構造を提供することにある。
【0015】
また、本発明の目的は、上記実状に鑑みて、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、不用意な大型化を抑え得るとともに製造に関わるコストの増大を抑え得る、シールド構造を有する電子機器を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、ピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴としている。
【0019】
また、本発明に係るシールド構造は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造において、前記配線基板上に実装された電子部品のうちの所定の電子部品を覆う前記シールド板の少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンとピン状を呈する接続手段を介して導通させるとともに、前記配線基板上に設けられた電子部品の全てを前記シールド板とともにシールドケースによって覆うよう構成したことを特徴としている。
【0020】
一方、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、ピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0022】
また、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係るシールド構造を有する電子機器は、所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器において、前記配線基板上に実装された電子部品のうちの所定の電子部品を覆う前記シールド板の少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンとピン状を呈する接続手段を介して導通させるとともに、前記配線基板上に設けられた電子部品の全てを前記シールド板とともにシールドケースによって覆うよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第1実施形態を示しており、図1は本発明に関わるシールド構造の第1実施形態を示す分解斜視図、図2(a)は図1に示したシールド構造の全体平面図、図2(b)は図1に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図3(a)は図2中のa−a線断面図、図3(b)は図2中のb−b線断面図、図4(a)は配線基板に設置されたスプリングピンの平面図、図4(b)は無負荷状態におけるスプリングピンの側面断面図であり、図4(c)はシールド板と接触した状態におけるスプリングピンの側面断面図である。
【0025】
因みに、本発明に関わる電子機器のシールドは「電子部品ユニット」に対する電磁波遮蔽、すなわち個々の電子部品に対する電磁波遮蔽、あるいは複数個の電子部品の集合によって構成された電子回路に対する電磁波遮蔽を目的とするものである。
【0026】
このシールド構造10では、配線基板11の表面に電子部品(電子部品ユニット)12A、12B、12Cが実装されているとともに、これら電磁波遮蔽を必要とする電子部品12A、12B、12Cを覆う態様で、上記配線基板11の表面にシールド板13が組み付けられている。
【0027】
上記シールド板13は、配線基板11の略全域を覆う矩形状を呈する平板であって、ステンレスから成る薄板の内面(配線基板11と対向する側の表面)に金メッキを施すことにより、その表面抵抗が極めて小さいものとなるよう構成されている。
【0028】
なお、上記シールド板13としては、銅系材料(例えばリン青銅)から成る薄板の内面に金メッキを施したものや、樹脂材料から成る薄板の内外面に金属メッキを施したもの、さらには要求される電磁波遮蔽性能の程度により、鉄系材料や銅系材料等の薄板単体から構成することも可能である。
【0029】
一方、上記配線基板11の表面には、個々の電子部品12A、12B、12Cを囲う如きレイアウトで、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン11Giが点在して形成されており、これらグランドパターン11Giと上記シールド板13とは、ピン状を呈する接続手段としてのスプリングピン14を介して互いに導通している。
【0030】
図4に示す如く、上記スプリングピン(接続手段)14は、有底円筒形状を呈するホルダ14Aと、該ホルダ14Aに上下動自在に収容されたピン14Bと、該ピン14Bを常に上方へ付勢するバネ14Cとを有し、上記ホルダ14Aをハンダ付け等の手段によってグランドパターン11Giに固定することで、該グランドパターン11Giに対して機械的かつ電気的に接続されている。
【0031】
また、上記スプリングピン14におけるピン14Bは、図4(b)に示す無負荷状態において、ホルダ14Aのフランジ14Aaにフランジ14Baが当接した初期位置に占位している一方、図4(c)に示す如く配線基板11に対してシールド板13を組み付けた状態(図3参照)、言い換えれば電子機器の筐体内に配線基板11とシールド板13とを組み付けた状態では、上記スプリングピン14のピン14Bはシールド板13によって押し下げられ、且つバネ14Cの弾性復帰力によって上記シールド板13に圧接されている。
【0032】
ここで、ホルダ14Aとピン14Bとは、互いに摺接していることと共にバネ14Cを介して互いに電気的に導通しており、これによって配線基板11に組み付けられたシールド部材13は、上記スプリングピン14を介して配線基板11上におけるグランドパターン11Giと導通している。
【0033】
上述した如きシールド構造10によれば、電子部品12A、12B、12Cからシールド板13に向けて放射された電磁波は、上述した如く表面抵抗の小さなシールド板13を速やかに流れ、スプリングピン14を介して配線基板11上のグランドパターン11Giに落ちることとなる。
【0034】
ここで、上述したシールド構造10においては、各電子部品12A、12B、12Cを囲う如きレイアウトで、グランドパターン11Giおよびスプリングピン14を設置しているので、各々のスプリングピン14を介して電気が流れることで、恰も図2(b)に鎖線で示す如く各電子部品の周囲を巡る壁によって電気的に仕切られた状態となり、もって各電子部品12A、12B、12Cに対する所期の電磁波遮蔽が為されることとなる。
【0035】
また、上述した構成によれば、各電子部品12A、12B、12Cを囲う連続したグランドパターンを形成していないので、配線基板11上におけるグランドパターンの占める割合が減少し、配線基板11上の実質的な部品実装面積が増大することとなる。
【0036】
このため、上述したシールド構造10においては、配線基板11の不用意な大形化を伴うことなく電子部品の実装面積を確保することができ、もって配線基板を搭載した電子機器の大型化を招くことなく所望の電磁遮蔽性能を確保することが可能となる。
【0037】
また、上述した構成によれば、各電子部品12A、12B、12Cを囲う連続したグランドパターンを形成していないので、該連続したグランドパターンに合わせた複雑な形状にシールド板を形成する必要もない。
【0038】
このため、上述したシールド構造10においては、シールド板13を極めて単純な形状とし得るために、シールド板13の作成に関わるコストが抑えられ、もって電子機器の製造に関わるコストを低減することが可能となる。
【0039】
なお、配線基板11上におけるグランドパターン11Giおよびスプリングピン14のレイアウト、すなわち設置個数、設置位置および設置間隔(ピッチ)等は、電子部品ユニット毎に要求される電磁遮蔽性能を満足するよう、適宜に設定し得るものであることは言うまでもない。
【0040】
また、配線基板11上のグランドパターン11Giとシールド板13とを導通させる接続手段としては、上述した実施形態におけるスプリングピン14のみならず、例えば金属等の導電性材料から成るピン状のバネや、導電性ゴムから成るピン状のブロックをも採用し得ることは勿論である。
【0041】
図5〜図7は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第2実施形態を示しており、図5は本発明に関わるシールド構造の第2実施形態を示す分解斜視図、図6(a)は図5に示したシールド構造の全体平面図、図6(b)は図5に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図7(a)は図6中のa−a線断面図であり、図7(b)は図6中のb−b線断面図である。
【0042】
このシールド構造20では、配線基板21の表面に実装された電子部品(電子部品ユニット)22A、22B、22Cのうち、電磁波遮蔽を必要とする電子部品22B、22Cを覆う態様で、上記配線基板21の表面にシールド板23が組み付けられている。
【0043】
上記シールド板23は、電子部品22B、22Cを覆う矩形状の本体部23aと、本体部23aの側縁から下方に展開する左右の側板23sと、各側板23sの下縁から外方に展開する当接舌片23cとを有しており、ステンレスから成る薄板の内面(配線基板21と対向する側の表面)に金メッキを施すことで、その表面抵抗が極めて小さいものとなるよう構成されている。
【0044】
なお、上記シールド板23としては、銅系材料から成る薄板の内面に金メッキを施したものや、樹脂材料から成る薄板の内外面に金属メッキを施したもの、さらには要求される電磁波遮蔽性能の程度により、鉄系材料や銅系材料等の薄板単体から構成したものを採用し得ることは勿論である。
【0045】
一方、上記配線基板21の表面には、上述したシールド板23における左右の当接舌片23cと対応する部位に、縁部に沿って延びる左右のグランドパターン21Gsが形成されており、さらに電子部品22B、22Cを仕切って延びる線上に、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン21Giが点在して形成されている。
【0046】
上記シールド板23は、配線基板21の所定位置に組み付けられた状態において、上記配線基板21における左右のグランドパターン21Gsと直接に当接して導通しているとともに、ピン状を呈する接続手段としてのスプリングピン24を介して、上記配線基板21における島状のグランドパターン21Gsと導通している。
【0047】
なお、スプリングピン24の構成は、第1実施形態におけるスプリングピン14と全く同一であり、もってスプリングピン24についての説明は省略する。 また、上記スプリングピン24は、ハンダ付け等の手段によってグランドパターン21Giに固定することで、該グランドパターン21Giに対して機械的かつ電気的に接続されている。
【0048】
上述した如きシールド構造20によれば、電子部品22B、22Cからシールド板23に向けて放射された電磁波は、上述した如く表面抵抗の小さなシールド板23を速やかに流れ、配線基板21上のグランドパターン21Gsに落ちるとともに、スプリングピン24を介してグランドパターン21Giに落ちることとなる。
【0049】
ここで、上述したシールド構造20においては、各々のスプリングピン24を介して電気が流れることで、恰も図6(b)に鎖線で示す如く各電子部品の周囲を巡る壁によって電気的に仕切られた状態となり、もって各電子部品22B、22Cに対する所期の電磁波遮蔽が為されることとなる。
【0050】
また、上述したシールド構造20においては、先に説明した第1実施形態のシールド構造10と同様に、配線基板21に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0051】
なお、配線基板21上におけるグランドパターン21Giおよびスプリングピン24のレイアウトは、電子部品ユニット毎に要求される電磁遮蔽性能を満足するよう、適宜に設定し得るものであることは言うまでもない。
【0052】
また、配線基板21上のグランドパターン21Giとシールド板23とを導通させる接続手段としては、スプリングピン24のみならず、導電性材料から成るピン状のバネや、導電性ゴムから成るピン状のブロックをも採用し得ることは勿論である。
【0053】
図8〜図10は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第3実施形態を示しており、図8は本発明に関わるシールド構造の第3実施形態を示す分解斜視図、図9(a)は図8に示したシールド構造の全体平面図、図9(b)は図8に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図10(a)は図9中のa−a線断面図であり、図10(b)は図9中のb−b線断面図である。
【0054】
このシールド構造30では、配線基板31の表面に実装された電子部品(電子部品ユニット)32A、32B、32Cのうち、電磁波遮蔽を必要とする電子部品32B、32Cを覆う態様で、上記配線基板31の表面にシールド板33が組み付けられている。
【0055】
一方、上記配線基板31の表面には、縁部に沿って延びる左右のグランドパターン31Gsが形成されており、さらに電子部品32B、32Cを仕切って延びる線上に、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン31Giが点在して形成されている。
【0056】
また、上記シールド板33における本体部33aには、その一部を切り起こすことによって、ピン状を呈する接続手段としての舌片33p、33pが形成されており、この舌片33p、33pは、シールド板33を配線基板31の所定位置に組み付けた状態において、上記島状のグランドパターン31Giと圧接するように構成されている。
【0057】
上述したシールド構造30は、スプリングピンに換えて舌片33pを接続手段とした以外、図5〜図7に示した第2実施形態のシールド構造20と基本的に同一なので、シールド構造30の要素において、シールド構造20の要素と同一の作用を成すものには、図8〜図10において、図1から図4と同一の符号に10を加算した30番台の符号を附すことで詳細な説明は省略する。
【0058】
上述したシールド構造30においても、先に説明した第1実施形態および第2実施形態のシールド構造と同様に、配線基板31に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0059】
なお、シールド板33における舌片33pの形成態様としては、実施形態における「切り起こし」以外にも、例えばシールド板33における本体部33aの縁部に突起部を形成し、この突起部を下方に折り曲げることによって舌片33pを形成しても良い。
【0060】
また、上述したシールド構造30の如く、シールド板に形成した舌片をスプリングピンに換えて接続手段とする構成を、図1〜図4に示した第1実施形態のシールド構造10においても採用し得ることは言うまでもない。
【0061】
図11〜図13は、本発明に係るシールド構造を、例えば携帯電話機等の小形電子機器に適用した第4実施形態を示しており、図11は本発明に関わるシールド構造の第4実施形態を示す分解斜視図、図12(a)は図11に示したシールド構造の全体平面図、図12(b)は図11に示したシールド構造のシールドケースを取り外した状態の平面図、図12(c)は図11に示したシールド構造のシールド板を取り外した状態の平面図、図13(a)は図12中のa−a線断面図であり、図13(b)は図12中のb−b線断面図である。
【0062】
このシールド構造40では、配線基板41の表面に実装された電子部品(電子部品ユニット)42A、42B、42Cのうち、強固な電磁波遮蔽を必要とする電子部品42B、42Cを覆う態様で、上記配線基板41の表面にシールド板43が組み付けられ、さらに全ての電子部品42A、42B、42Cを覆う態様で、上記配線基板41の表面にシールドケース45が組み付けられている。
【0063】
一方、上記配線基板41の表面には、周縁部に沿って延びる枠状のグランドパターン41Gfが形成され、さらに電子部品42B、42Cを仕切って延びる線上に、各々孤立した島状を呈する所定数のグランドパターン41Giが点在して形成されている。
【0064】
上述したシールド構造40は、シールドケース45を付加するとともに、配線基板41の周縁部に枠状のグランドパターン41Gfを形成した以外、図5〜図7に示した第2実施形態のシールド構造20と基本的に同一なので、シールド構造40の要素において、シールド構造20の要素と同一の作用を成すものには、図11〜図13において、図5〜図7と同一の符号に20を加算した40番台の符号を附すことで詳細な説明は省略する。
【0065】
上述した如きシールド構造40によれば、電子部品42B、42Cからシールド板43に向けて放射された電磁波は、表面抵抗の小さなシールド板43を速やかに流れて、配線基板41上のグランドパターン41Gfに落ちるとともに、スプリングピン44を介してグランドパターン41Giに落ちることとなる。
【0066】
また、電子部品42B、42Cからシールド板43を回避してシールドケース45に放射された電磁波、および電子部品42Aからシールドケース45に向けて放射された電磁波は、該シールドケース45を介して配線基板41上のグランドパターン41Gfに落ちることとなる。
【0067】
かくして、電磁波遮蔽を必要とする電子部品42Aは、該シールドケース45によって電磁波遮蔽が為される一方、より強固な電磁波遮蔽を必要とする電子部品42B、42Cは、シールド板43とシールドケース45との協働によって、より強固な電磁波遮蔽が為されることとなる。
【0068】
また、上述したシールド構造40においても、先に説明した第1実施形態〜第3実施形態のシールド構造と同様、配線基板41に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【0069】
なお、上述した実施態様では、グランドパターン41Giとシールド板43とを、接続手段としてのスプリングピン14を介して接続しているが、接続手段として金属等の導電性材料から成るピン状のバネや、導電性ゴムから成るピン状のブロックを採用し得ることは勿論であり、さらに図8〜図10に示した実施態様の如く、接続手段としてシールド板の切り起こしによる舌片を採用することも可能である。
【0070】
また、電子機器の要求する電磁波遮蔽性能に応じて、シールド板43を図1〜図4に示す如く、配線基板の略全域を覆う矩形状を呈する平板によって構成することも可能である。
【0071】
さらに、上述した各実施形態においては、電子機器の一態様である携帯電話機に本発明を適用した例を示したが、例えばPDA(パーソナル・データ・アシスタンス)等、携帯電話機以外の様々な電子機器においても、本発明に係るシールド構造を有効に適用し得ることは言うまでもない。
【0072】
【発明の効果】
上述した如く、本発明によれば、配線基板に実装された電子部品に対する所望の電磁遮蔽性能を確保しつつ、電子機器の不用意な大型化を抑え得るとともに、電子機器の製造に関わるコストの増大を抑えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるシールド構造の第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】(a)および(b)は、図1に示したシールド構造の全体平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図3】(a)および(b)は、図2中のa−a線断面図、および図2中のb−b線断面図。
【図4】(a)、(b)および(c)は、配線基板に設置されたスプリングピンの平面図、無負荷状態におけるスプリングピンの側面断面図、およびシールド板と接触した状態におけるスプリングピンの側面断面図。
【図5】本発明に関わるシールド構造の第2実施形態を示す分解斜視図。
【図6】(a)および(b)は、図5に示したシールド構造の全体平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図7】(a)および(b)は、図6中のa−a線断面図、および図6中のb−b線断面図。
【図8】本発明に関わるシールド構造の第3実施形態を示す分解斜視図。
【図9】(a)および(b)は、図8に示したシールド構造の全体平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図10】(a)および(b)は、図9中のa−a線断面図、および図9中のb−b線断面図。
【図11】本発明に関わるシールド構造の第4実施形態を示す分解斜視図。
【図12】(a)、(b)および(c)は、図11に示したシールド構造の全体平面図、シールドケースを取り外した状態の平面図、およびシールド板を取り外した状態の平面図。
【図13】(a)および(b)は、図12中のa−a線断面図、および図12中のb−b線断面図。
【図14】従来のシールド構造を示す分解斜視図。
【図15】(a)は図14に示したシールド構造の全体平面図、(b)は(a)中のb−b線断面図。
【図16】従来のシールド構造を示す分解斜視図。
【図17】(a)は図16に示したシールド構造の全体平面図、(b)は(a)中のb−b線断面図。
【符号の説明】
10、20、30、40…シールド構造
11、21、31、41…配線基板
11Gi、21Gs、21Gi、31Gs、31Gi、41Gf、41Gi…グランドパターン
12A、12B、12C、22A、22B、22C、
32A、32B、32C、42A、42B、42C…電子部品
13、23、33、43…シールド板
14、24、44…スプリングピン(接続手段)
33p…舌片(接続手段)
45…シールドケース
Claims (13)
- 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造であって、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、ピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴とするシールド構造。
- 前記接続手段がスプリングピンであることを特徴とする請求項1記載のシールド構造。
- 前記接続手段が導電材料から成るピン状のバネであることを特徴とする請求項1記載のシールド構造。
- 前記接続手段が導電性ゴムから成るピン状のブロックであることを特徴とする請求項1記載のシールド構造。
- 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造であって、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴とするシールド構造。
- 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造であって、前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴とするシールド構造。
- 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成る電子機器のシールド構造であって、前記配線基板上に実装された電子部品のうちの所定の電子部品を覆う前記シールド板の少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンとピン状を呈する接続手段を介して導通させるとともに、前記配線基板上に設けられた電子部品の全てを前記シールド板とともにシールドケースによって覆うよう構成したことを特徴とするシールド構造。
- 前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴とする請求項7記載のシールド構造。
- 前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したことを特徴とする請求項7記載のシールド構造。
- 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器であって、
前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、ピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴とするシールド構造を有する電子機器。 - 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器であって、
前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記配線基板上に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴とするシールド構造を有する電子機器。 - 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器であって、
前記シールド板に設けた当接舌片を、前記配線基板のグランドパターンに当接させて導通を図るとともに、前記シールド板における少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンと、前記シールド板に設けたピン状を呈する接続手段を介して導通させるよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴とするシールド構造を有する電子機器。 - 所定個数の電子部品を実装した配線基板に、電磁波遮蔽を必要とする電子部品ユニットを覆い且つ前記配線基板に設けたグランドパターンと導通する態様で、シールド板を組み付けて成るシールド構造を有する電子機器であって、
前記配線基板上に実装された電子部品のうちの所定の電子部品を覆う前記シールド板の少なくとも一部を、前記配線基板に点在させて設けた島状のグランドパターンとピン状を呈する接続手段を介して導通させるとともに、前記配線基板上に設けられた電子部品の全てを前記シールド板とともにシールドケースによって覆うよう構成したシールド構造を備えて成ることを特徴とするシールド構造を有する電子機器。
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