JP2004071478A - コネクタおよびシールドケーブルの接続構造 - Google Patents

コネクタおよびシールドケーブルの接続構造 Download PDF

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Abstract

【課題】シールドケーブルの接続に用いられるコネクタのハウジング内における、中心導体と外部導体との間の絶縁性能を向上させる。
【解決手段】中心導体2と外部導体7との間に絶縁体4が介在されてなるシールドケーブルの接続に用いられるコネクタにおいて、前記中心導体に接続された端子1を含む前記シールドケーブルの端末部が前記コネクタのハウジングの一部により包囲され、前記中心導体と前記外部導体との間に前記絶縁体を包囲する弾性絶縁部材6が介在されてなるものとする。また、このコネクタを用いてシールドケーブルの接続構造を最適化する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドケーブルの接続に用いられるコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中心導体と外部導体との間に絶縁体が介在されてなるシールドケーブルの接続に用いられるコネクタのハウジング内におけるシールドケーブルの端末部の中心導体と外部導体との間の絶縁は、中心導体に接続された端子と外部導体との間の距離を離し、シールドケーブルの中心導体と外部導体との間に介在された絶縁体およびその周囲の空気を用いて行っていた。
【0003】
従来のシールドケーブルの接続に用いられるコネクタは、例えば自動車用電気配線の場合は電圧が12〜24Vであることが多く、コネクタのハウジング内において、中心導体と外部導体との間の絶縁性能が事実上問題となることはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、最近では電気自動車等の検討が進んでおり、電圧が数百Vとなる自動車用電気配線の検討もあわせて進められている。同時に、コネクタの高耐圧化の検討も必要となり、また信頼性向上の観点からも、シールドケーブルの端末部における中心導体と外部導体との間の絶縁が重要になっており、この部分の絶縁性能を更に向上させることが求められている。
【0005】
そこで、本発明では、上記課題を解決するため、シールドケーブルの接続に用いられるコネクタのハウジング内における、中心導体と外部導体との間の絶縁性能を高めたコネクタおよびシールドケーブルの接続構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明における請求項1の発明は、中心導体と外部導体との間に絶縁体が介在されてなるシールドケーブルの接続に用いられるコネクタにおいて、前記中心導体に接続された端子を含む前記シールドケーブルの端末部が前記コネクタのハウジングの一部により包囲され、前記中心導体と前記外部導体との間に前記絶縁体を包囲する弾性絶縁部材が介在されてなることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記弾性絶縁部材の一部が前記絶縁体に実質的に密着していることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記弾性絶縁部材の一部が前記ハウジングに実質的に密着していることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記弾性絶縁部材の形状がジャバラ状外観を呈することを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、中心導体と外部導体との間に絶縁体が介在されてなるシールドケーブルの接続をコネクタにより行うシールドケーブルの接続構造において、前記中心導体に接続された端子および前記弾性絶縁部材を含む前記シールドケーブルの端末部が前記コネクタのハウジングの一部により包囲され、前記中心導体と前記外部導体との間に前記絶縁体を包囲する弾性絶縁部材が介在されてなるコネクタを用いることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係るコネクタのメスコネクタ側に組み込まれるメス端子およびシールドケーブル端末部の一例を示す図であって、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【0013】
図1において、1はメス端子、2はシールドケーブルの中心導体、3は端子の中心導体圧着部、4はシールドケーブルの絶縁体、5は端子の絶縁体圧着部、6は弾性絶縁部材、7はシールドケーブルの外部導体、8は外部導体7を押さえる金具、9はシールドケーブルのシース、10は防水栓である。
【0014】
図2は本発明の実施形態に係るコネクタのオスコネクタ側に組み込まれるオス端子およびシールドケーブル端末部の一例を示す図であって、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【0015】
図2において、11はオス端子であり、他の構成はすべて図1と同様である。すなわち、図2に示されるシールドケーブル端末部は、中心導体2、中心導体圧着部3、絶縁体4、絶縁体圧着部5、弾性絶縁部材6、外部導体7、金具8、シース9、防水栓10を有する。
【0016】
そして、図1および図2に示されるように、中心導体2と外部導体7との間、具体的には中心導体2に接続された端子の絶縁体圧着部5と外部導体7を押さえる金具8との間に、絶縁体4を包囲する弾性絶縁部材6が介在されている。この構成により、中心導体2と外部導体7との間の絶縁性を高めることが可能となる。
【0017】
本実施形態において、中心導体2に接続された端子の絶縁体圧着部5と外部導体7を押さえる金具8との間に弾性絶縁部材6が配置される理由は、以下のとおりである。
【0018】
(1)弾性絶縁部材6を絶縁体4に密着させやすくなり、中心導体2に接続された端子の絶縁体圧着部5と外部導体7を押さえる金具8との間の沿面距離を、弾性絶縁部材6の外周に沿った距離とすることができ、絶縁性能を高めることが可能となる。
【0019】
(2)中心導体2に接続された端子およびシールドケーブル端末部を、ハウジング内へ導入しやすくなる。また、弾性絶縁部材6をハウジングに密着させやすくなり、絶縁体圧着部5と金具8との間を弾性絶縁部材6によって空間的に隔離することができ、絶縁性能を高めることが可能となる。
【0020】
(3)弾性絶縁部材6に隣接する端子絶縁体圧着部5または金具8の近傍で万一水の浸入、結露による水滴の発生あるいはその他導電性のある異物の浸入等があっても、絶縁体圧着部5と金具8との間の導通または絶縁低下を回避することが可能となる。
【0021】
本実施形態における弾性絶縁部材6の材料としては、例えばゴム材料(天然ゴム材料またはエチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム等の合成ゴム材料)、熱可塑性エラストマー等が挙げられるが、実際の使用環境温度の範囲内において適切なゴム弾性および耐熱性を有する材料であればよい。
【0022】
また、弾性絶縁部材6の形状は、図1および図2に示されるようなジャバラ状外観を呈することが望ましい。このことにより、弾性絶縁部材6表面の沿面距離を長くすることが可能となり、中心導体に接続された端子と外部導体との間の絶縁性をより高めることが可能となる。
【0023】
なお、弾性絶縁部材6の形状は、ジャバラ状外観を呈するものに限らず、弾性絶縁部材6表面の沿面距離を長くすることが可能な他の形状であってもよい。例えば、弾性絶縁部材6の形状を、コネクタハウジングのうち端子およびシールドケーブル端末部を包囲する部分と密着するような形状としても、中心導体に接続された端子と外部導体との間の絶縁性を高めることが可能となる。
【0024】
次に、図1に示されたメス端子が組み込まれたメスコネクタと、図2に示されたオス端子が組み込まれたオスコネクタとが結合された状態について説明する。
【0025】
図3は本発明の実施形態に係るメスコネクタとオスコネクタとを結合させた状態の一例を示す図であって、(イ)は平面断面図であり、(ロ)は側面断面図である。
【0026】
図3において、12はメスコネクタのアウターハウジング、13はメスコネクタのインナーハウジング、14はオスコネクタのアウターハウジング、15はオスコネクタのインナーハウジングを示す。
【0027】
16はシールド部材、17はシールド部材端部であって、シールド部材端部17はカール状となってバネ性を有しており、金具8を介してシールドケーブルの外部導体7と電気的に接続されるようになっている。
【0028】
18はハウジング間の防水機能をもたせる為のハウジング間防水栓であり、19は防水栓10を抑える為のリテーナである。
【0029】
また、メス端子1はメスコネクタのインナーハウジング13、オス端子11はオスコネクタのインナーハウジング15によりそれぞれ周囲を包囲され、各端子が同一コネクタ内の他端子から隔離された形状となっている。そして本発明に関する弾性絶縁部材6は上記包囲された部分にシールドケーブル端末部、端子などとともに収容されている。
【0030】
ここで、本発明に関するコネクタの組み付け例を説明する。
【0031】
<ハウジングの組み立て>
メスコネクタの場合、インナーハウジング13をシールド部材16に挿入し、さらにこれをアウターハウジング12に挿入する。オスコネクタの場合、インナーハウジング15をシールド部材16に挿入し、さらにこれをアウターハウジング14に挿入する。
【0032】
<シールドケーブルの端末処理>
リテーナ19、防水栓10をシールドケーブルに挿入しておき、その後シールドケーブル端末部のシース9の端部を適当な長さ除去して外部導体7を露出させ、この外部導体7上に金具8を取り付け、その後本発明に関する弾性絶縁部材6をシールドケーブルの絶縁部4の外周に挿入し、絶縁部4の端部を適当な長さ除去して中心導体2を露出させた後、メス端子1またはオス端子11を圧着する。
【0033】
<シールドケーブル端末部のコネクタハウジングへの組み込み>
メス端子1またはオス端子11が圧着されたシールドケーブル端末部を、組み立てが終了したハウジングに挿入し、先にシールドケーブルに挿入しておいたリテーナ19をハウジングに組み込む。
【0034】
このようにしてメスコネクタ、オスコネクタの組み付けが完了する。なお、この例ではインナー、アウターに分かれたハウジングの例について述べたが、コネクタ内の各端子の周囲がハウジングの一部により包囲され、各端子が同一コネクタ内の他端子から隔離された形状であれば、インナーハウジングとアウターハウジングが一体に成型された形状のハウジングであっても差し支えなく、3つ以上の部材から構成されるハウジングであっても差し支えない。
【0035】
このように、中心導体に接続された端子と外部導体との間に弾性絶縁部材を挿入することにより、両者間の絶縁耐圧を上昇させることが可能であり、また弾性絶縁部材に隣接する中心導体に接続された端子または外部導体の近傍で万一水の浸入、結露による水滴の発生あるいはその他導電性のある異物の浸入混入等があっても、中心導体に接続された端子と外部導体との間の導通または絶縁低下を回避することが可能となる。
【0036】
なお、本実施形態では防水コネクタについて説明したが、非防水コネクタについても同様の効果が期待できることはいうまでもない。
【0037】
また、上述のコネクタを用いたシールドケーブルの接続構造は、従来のコネクタによるシールドケーブルの接続構造と比較して、中心導体と外部導体との間の絶縁性能が向上するため、信頼性が大幅に向上されたものとなる。
【0038】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のコネクタは、中心導体と外部導体との間に絶縁体が介在されてなるシールドケーブルの接続に用いられるコネクタにおいて、前記中心導体に接続された端子を含む前記シールドケーブルの端末部が前記コネクタのハウジングの一部により包囲され、前記中心導体と前記外部導体との間に前記絶縁体を包囲する弾性絶縁部材が介在されてなるものであるため、前記中心導体と前記外部導体との間の絶縁性能が向上し、高圧コネクタとしての信頼性が大幅に向上されたものとなる。
【0039】
また、本発明のシールドケーブルの接続構造は、上記コネクタを用いることにより、絶縁性能が向上し、信頼性が大幅に向上されたシールドケーブルの接続構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るコネクタのメスコネクタ側に組み込まれるメス端子およびシールドケーブル端末部の一例を示す図であって、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコネクタのオスコネクタ側に組み込まれるオス端子およびシールドケーブル端末部の一例を示す図であって、(イ)は平面図、(ロ)は側面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るメスコネクタとオスコネクタとを結合させた状態の一例を示す図であって、(イ)は平面断面図であり、(ロ)は側面断面図である。
【符号の説明】
1 メス端子
2 中心導体
3 中心導体圧着部
4 絶縁体
5 絶縁体圧着部
6 弾性絶縁部材
7 外部導体
8 金具
9 シース
10 防水栓
11 オス端子
12 メスコネクタのアウターハウジング
13 メスコネクタのインナーハウジング
14 オスコネクタのアウターハウジング
15 オスコネクタのインナーハウジング
16 シールド部材
17 シールド部材端部
18 ハウジング間防水栓
19 リテーナ

Claims (5)

  1. 中心導体と外部導体との間に絶縁体が介在されてなるシールドケーブルの接続に用いられるコネクタにおいて、前記中心導体に接続された端子を含む前記シールドケーブルの端末部が前記コネクタのハウジングの一部により包囲され、前記中心導体と前記外部導体との間に前記絶縁体を包囲する弾性絶縁部材が介在されてなることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記弾性絶縁部材の一部が前記絶縁体に実質的に密着していることを特徴とする、請求項1記載のコネクタ。
  3. 前記弾性絶縁部材の一部が前記ハウジングに実質的に密着していることを特徴とする、請求項1記載のコネクタ。
  4. 前記弾性絶縁部材の形状がジャバラ状外観を呈することを特徴とする、請求項1記載のコネクタ。
  5. 中心導体と外部導体との間に絶縁体が介在されてなるシールドケーブルの接続をコネクタにより行うシールドケーブルの接続構造において、前記中心導体に接続された端子および前記弾性絶縁部材を含む前記シールドケーブルの端末部が前記コネクタのハウジングの一部により包囲され、前記中心導体と前記外部導体との間に前記絶縁体を包囲する弾性絶縁部材が介在されてなるコネクタを用いることを特徴とするシールドケーブルの接続構造。
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