JP2004071226A - 定電流供給制御システム及び分流バランス回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】一つの供給源から複数の負荷に電流を分流し供給する場合に、従来の電流制御回路を各々の負荷に独立して付加することなく、各負荷に供給される電流を一定に保持できる定電流供給制御システム及び分流バランス回路を提供する。
【解決手段】各々の負荷13に流れる電流の総和が定電流になるように制御し、各々の負荷13へ供給される電流を一定の比率で配分する分流バランス回路を各負荷ライン側に設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】各々の負荷13に流れる電流の総和が定電流になるように制御し、各々の負荷13へ供給される電流を一定の比率で配分する分流バランス回路を各負荷ライン側に設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶バックライト用冷陰極蛍光ランプの多灯駆動回路などに用いられる複数の負荷へ一定の電流を供給するための定電流供給制御システム及び分流バランス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来例に係る分流バランス回路の構成図である。図において、1は電源、2、5は制御回路、3、6は負荷、4、7は電流検出回路を示す。同図に示すように複数の負荷3、6への定電流供給を行う場合、負荷ラインの電流検出回路4、7による電流検出と、それが一定になるように供給電圧を制御する制御回路2、5を、各負荷3、6ごとに設ける方法が一般的である。
【0003】
直流負荷への供給電流を制御する従来の方法としては、DC−DCコンバータ等によるスイッチング制御、トランジスタ等によるドロッパー制御がある。交流負荷への供給電流を制御する従来の方法としては、DC−ACインバータ等によるスイッチング制御、トライアック等による位相導通角制御がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来方法によれば、複数の負荷への供給電流を制御する場合、負荷の増加に応じて検出回路及び制御回路がその分だけ必要となるため、部品点数が増加し、回路が複雑になり、コストが高くなるという問題がある。
【0005】
また複数の負荷への供給電流を制御するに当たり、スイッチング制御で行う場合、相互干渉の影響による不安定動作を防止するために、スイッチング周波数を同期させるなど回路構成が複雑となる。
【0006】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、一つの供給源から複数の負荷に電流を分流し供給する場合に、従来の電流制御回路を各々の負荷に独立して付加することなく、各負荷に供給される電流を一定に保持できる定電流供給制御システム及び分流バランス回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の手段は、複数の負荷へ定電流を分流供給する複数負荷への定電流供給制御システムにおいて、前記各々の負荷に流れる電流の総和が定電流になるように制御し、各々の負荷へ供給される電流を一定の比率で配分する分流バランス回路を各負荷ライン側に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第2の手段は、複数の負荷への供給電流の配分を一定に保持する分流バランス回路において、各トランジスタのエミッタ側にバランス抵抗を介して共通接続して、コレクタ、ベースを各々共通接続とするトランジスタの並列駆動回路を有し、前記バランス抵抗の共通接続部を供給バイアスの片側へ接続し、各々のコレクタに負荷を挿入接続することにより、各負荷への供給電流の配分を一定に保持することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、前記各々のコレクタからバイアス抵抗を介して共通ベースへ接続する自己バイアス駆動とすることにより、負荷ライン側のみで各負荷への供給電流配分を一定に保持することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、供給バイアスを交流供給源とし、NPNとPNPの一対のトランジスタ、及びそれらへの逆バイアスを阻止するためのダイオードによって構成されることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第5の手段は前記第4の手段の分流バランス回路を複数の冷陰極蛍光ランプ点灯ラインに接続し、並列駆動される冷陰極蛍光ランプの電流総和値を検出して、その電流総和値が一定になるように制御する手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る複数負荷への定電流供給回路の構成図である。
【0013】
この図において、符号11は電源、12は制御回路、13は負荷、14は電流検出回路、15はベース抵抗、19は分流バランス回路を示す。
【0014】
複数の負荷13、13へ電流を分流供給する場合に、各々の負荷13、13への電流配分比を一定にする分流バランス回路19を各々の負荷ラインに挿入し、供給負荷電流の総和、すなわち供給源である電源11からの電流のみを一定となるように定電流制御を行う。
【0015】
この手段によれば供給源の電流制御を主制御回路とし、各負荷に応じた電流配分を行うバランス回路を補助制御回路として、それぞれの負荷ラインに挿入するだけで複数負荷13、13への定電流供給が可能となる。
【0016】
次に上記を実現するために発明された分流バランス回路について説明する。トランジスタを並列接続で駆動する場合に、それぞれのエミッタ側に小さな値の抵抗を挿入することにより、各トランジスタから供給する電流をバランスさせる方法は既に公知の技術である。
【0017】
本発明の分流バランス回路は、図2に示すように並列接続したトランジスタ16の各コレクタ側に、電流の被供給体である負荷13を各々挿入し、バランス抵抗の共通接続部を供給バイアスの片側に接続することにより構成される。従来の並列接続においては電流供給負荷が各々のトランジスタの共通負荷であることに対して、本発明の分流バランス回路は各々のトランジスタに電流供給負荷を分割するという点において、その動作、機能が異なるものである。
【0018】
本発明の分流バランス回路の動作について図2を参照しながら説明する。2個以上のトランジスタ16で構成される分流バランス回路でベースが共通接続されているため、各トランジスタ16のベース電位VB は同一であり、各々のエミッタ電位VE 、ベースエミッタ間電圧VBE、エミッタ抵抗RE 、ベース電流IB 及び負荷電流Il を用いて、次式で表される。
【0019】
ここで各々のベースエミッタ間電圧はほぼ同一であるとし、各々のベース電流は小さいため無視できるとすると、上式は次式で近似でき、各負荷13に供給される電流はエミッタ抵抗17の値により一定の比率で配分される。
【0020】
Il1・RE1=Il2・RE2・・・・・=I1n・REn ≒VEn
Il1:Il2:・・・:Iln=1/RE1:RE2:・・・:1/REn
またベース電流を制限するための共通ベース供給側インピーダンスに対して、各ベースエミッタ間のPN接合を介して接続されるバランス用のエミッタ抵抗17を十分小さな値とすることにより、共通ベース電位はそれぞれの負荷供給電流とエミッタ抵抗17で決まるエミッタ電位の最小値に保持され、分流の基準電位となる。
【0021】
これをもう少し詳しく考察するために、共通ベースを切り離した場合の、個々のトランジスタについての動作について考える。
【0022】
トランジスタ16が不飽和動作領域にある場合、負荷電流及びベース電位は直流電流利得hFEを用いて、
Il =hFE・IB
VB =VBE+(IB +Il )・RE =VBE+(1+hFE)・IB ・RE ≒hFE・IB ・RE
従って、ベースを共通接続とした場合の共通ベース電位は、個々のトランジスタ16の上記で表されるベース電位の最小値に保持され、それを基準として他のトランジスタ16も不飽和領域で動作し、各負荷13に一定比の電流を供給する。
【0023】
トランジスタ16が飽和動作領域に入った場合、ベース電流をそれ以上増加させても負荷13に供給される電流Il は変化せず一定となる。
【0024】
Il =(Vcc−VCE(sat) −VE )/RL =(Vcc−VCE(sat) −IB ・RE)/(RL +RE )≒Vcc/(RL +RE )・・・・・一定
VB =VBE+(IB +Il )・RE ≒RE ・Vcc/(RL +RE )
従って、ベースを共通接続した場合の共通ベース電位は、個々のトランジスタ16の上記で表される飽和動作時のベース電位の最小値に保持され、それを基準に他のトランジスタ16は不飽和領域で動作し、各負荷13に一定比率の電流を供給する。
【0025】
以上のように本発明による分流バランス回路を採用すれば、共通接続ベースへの入力制御を行うことにより、各負荷13への供給バイアス、及び負荷13の変動に係わらず、各負荷13への配分比率を一定に保持した状態で任意の電流供給が可能となる。また本分流バランス回路において、各々の負荷13への供給バイアスは同じ極性であれば異なる電源11から接続しても問題ない。
【0026】
次に上記分流バランス回路において、共通接続ベースを外部入力の駆動とせず、各々のトランジスタ16のコレクタから抵抗15を経由し、共通ベースへ接続する自己バイアス駆動の実施形態を図3に示す。
【0027】
この自己バイアス駆動方法によれば、各負荷13へ供給される電流の一定比率配分を、バランス回路側自身で行うことが可能となる。自己バイアス駆動の場合、各負荷13への供給バイアス、及び負荷13の変動に対して電流供給量は変化するが、電流配分比率は一定に保持することができる。
【0028】
従って自己バイアス駆動により、各負荷13への電流供給量を制御する場合、負荷全体への供給電流、または供給バイアスを制御する手段12,14を設けることにより可能となる。
【0029】
次に分流バランス回路を交流負荷に利用する場合の実施形態を図4に示す。分流バランス回路の一負荷ラインにおけるトランジスタ16を、PNPとNPNの一対の組み合わせとし、各トランジスタ16の逆バイアスを防止する手段として、ダイオード18等を配置することにより、双方向性の分流バランス回路を実現することができる。
【0030】
但し、上記の双方向性分流バランス回路を自己バイアス型で使用する場合は、各交流負荷に流れる電流位相がほぼ同じであることが使用可能な条件となる。電流位相がほぼ同じ交流負荷であれば、上記自己バイアス型双方向性分流回路を使用することにより、各負荷13の変動に対し一定の比率で電流を供給することが可能である。
【0031】
すなわち同じ種類の交流負荷13を複数個駆動する場合、負荷自身のばらつき、負荷13の引き回し、配置によって生じる浮遊容量や浮遊インダクタンスの影響を受けることなく各負荷13への供給電流比率を一定に抑制することが可能となる。
【0032】
本発明の実施形態として図5に液晶バックライト用冷陰極蛍光ランプ(CCFL)の多灯駆動回路を示す。一般に液晶バネルの輝度を高めるために、高周波交流点灯駆動のCCFLを複数使用し点灯させる場合、一個のトランスの出力から数個のCCFLを並列に接続し駆動する方法、またはCCFLを接続したトランスを複数個並列に駆動する方法等がある。
【0033】
しかし上記の駆動方法によれば、CCFLの寿命劣化による特性の変化、CCFLの配置による浮遊容量の影響などにより、各CCFLに流れる高周波の電流量にばらつきを生じるという問題があった。
【0034】
本発明の双方向性自己バランス型分流回路19を各CCFL20ラインに配置し、並列駆動されるCCFL20の電流総和を検出し、一定になるように制御する手段を設けることにより、各CCFL20に流れる電流のばらつきを抑制することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一つの電流供給源から並列に接続された複数の負荷への定電流供給を、各負荷ラインに簡単な分流バランス回路を設けることにより、それらに供給する電流を一定の比率で行うことが可能である。
【0036】
更に自己バランス型とすれば負荷側単独で一定比率の分流供給が可能になるため、負荷への供給電流の総和を制御することにより、各負荷への定電流制御が可能となる。
【0037】
更にPNP、NPNの一対のトランジスタで双方向性の自己バイアス型とすることにより、同じ特性を有する交流負荷を並列駆動する場合の、各負荷への電流ばらつきを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る複数負荷への定電流供給回路の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る分流バランス回路の構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る自己バイアス型分流バランス回路の構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る交流負荷分流バランス回路の構成図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る冷陰極蛍光ランプの多灯駆動回路の構成図である。
【図6】従来例に係る複数負荷定電流供給回路の構成図である。
【符号の説明】
11 電源
12 制御回路
13 負荷
14 電流検出回路
15 ベース抵抗
16 トランジスタ
17 エミッタ抵抗
18 ダイオード
19 分流バランス回路
20 液晶バックライト用冷陰極蛍光ランプ(CCFL)
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液晶バックライト用冷陰極蛍光ランプの多灯駆動回路などに用いられる複数の負荷へ一定の電流を供給するための定電流供給制御システム及び分流バランス回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来例に係る分流バランス回路の構成図である。図において、1は電源、2、5は制御回路、3、6は負荷、4、7は電流検出回路を示す。同図に示すように複数の負荷3、6への定電流供給を行う場合、負荷ラインの電流検出回路4、7による電流検出と、それが一定になるように供給電圧を制御する制御回路2、5を、各負荷3、6ごとに設ける方法が一般的である。
【0003】
直流負荷への供給電流を制御する従来の方法としては、DC−DCコンバータ等によるスイッチング制御、トランジスタ等によるドロッパー制御がある。交流負荷への供給電流を制御する従来の方法としては、DC−ACインバータ等によるスイッチング制御、トライアック等による位相導通角制御がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記従来方法によれば、複数の負荷への供給電流を制御する場合、負荷の増加に応じて検出回路及び制御回路がその分だけ必要となるため、部品点数が増加し、回路が複雑になり、コストが高くなるという問題がある。
【0005】
また複数の負荷への供給電流を制御するに当たり、スイッチング制御で行う場合、相互干渉の影響による不安定動作を防止するために、スイッチング周波数を同期させるなど回路構成が複雑となる。
【0006】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、一つの供給源から複数の負荷に電流を分流し供給する場合に、従来の電流制御回路を各々の負荷に独立して付加することなく、各負荷に供給される電流を一定に保持できる定電流供給制御システム及び分流バランス回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の手段は、複数の負荷へ定電流を分流供給する複数負荷への定電流供給制御システムにおいて、前記各々の負荷に流れる電流の総和が定電流になるように制御し、各々の負荷へ供給される電流を一定の比率で配分する分流バランス回路を各負荷ライン側に設けたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の第2の手段は、複数の負荷への供給電流の配分を一定に保持する分流バランス回路において、各トランジスタのエミッタ側にバランス抵抗を介して共通接続して、コレクタ、ベースを各々共通接続とするトランジスタの並列駆動回路を有し、前記バランス抵抗の共通接続部を供給バイアスの片側へ接続し、各々のコレクタに負荷を挿入接続することにより、各負荷への供給電流の配分を一定に保持することを特徴とするものである。
【0009】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、前記各々のコレクタからバイアス抵抗を介して共通ベースへ接続する自己バイアス駆動とすることにより、負荷ライン側のみで各負荷への供給電流配分を一定に保持することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、供給バイアスを交流供給源とし、NPNとPNPの一対のトランジスタ、及びそれらへの逆バイアスを阻止するためのダイオードによって構成されることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の第5の手段は前記第4の手段の分流バランス回路を複数の冷陰極蛍光ランプ点灯ラインに接続し、並列駆動される冷陰極蛍光ランプの電流総和値を検出して、その電流総和値が一定になるように制御する手段を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る複数負荷への定電流供給回路の構成図である。
【0013】
この図において、符号11は電源、12は制御回路、13は負荷、14は電流検出回路、15はベース抵抗、19は分流バランス回路を示す。
【0014】
複数の負荷13、13へ電流を分流供給する場合に、各々の負荷13、13への電流配分比を一定にする分流バランス回路19を各々の負荷ラインに挿入し、供給負荷電流の総和、すなわち供給源である電源11からの電流のみを一定となるように定電流制御を行う。
【0015】
この手段によれば供給源の電流制御を主制御回路とし、各負荷に応じた電流配分を行うバランス回路を補助制御回路として、それぞれの負荷ラインに挿入するだけで複数負荷13、13への定電流供給が可能となる。
【0016】
次に上記を実現するために発明された分流バランス回路について説明する。トランジスタを並列接続で駆動する場合に、それぞれのエミッタ側に小さな値の抵抗を挿入することにより、各トランジスタから供給する電流をバランスさせる方法は既に公知の技術である。
【0017】
本発明の分流バランス回路は、図2に示すように並列接続したトランジスタ16の各コレクタ側に、電流の被供給体である負荷13を各々挿入し、バランス抵抗の共通接続部を供給バイアスの片側に接続することにより構成される。従来の並列接続においては電流供給負荷が各々のトランジスタの共通負荷であることに対して、本発明の分流バランス回路は各々のトランジスタに電流供給負荷を分割するという点において、その動作、機能が異なるものである。
【0018】
本発明の分流バランス回路の動作について図2を参照しながら説明する。2個以上のトランジスタ16で構成される分流バランス回路でベースが共通接続されているため、各トランジスタ16のベース電位VB は同一であり、各々のエミッタ電位VE 、ベースエミッタ間電圧VBE、エミッタ抵抗RE 、ベース電流IB 及び負荷電流Il を用いて、次式で表される。
【0019】
ここで各々のベースエミッタ間電圧はほぼ同一であるとし、各々のベース電流は小さいため無視できるとすると、上式は次式で近似でき、各負荷13に供給される電流はエミッタ抵抗17の値により一定の比率で配分される。
【0020】
Il1・RE1=Il2・RE2・・・・・=I1n・REn ≒VEn
Il1:Il2:・・・:Iln=1/RE1:RE2:・・・:1/REn
またベース電流を制限するための共通ベース供給側インピーダンスに対して、各ベースエミッタ間のPN接合を介して接続されるバランス用のエミッタ抵抗17を十分小さな値とすることにより、共通ベース電位はそれぞれの負荷供給電流とエミッタ抵抗17で決まるエミッタ電位の最小値に保持され、分流の基準電位となる。
【0021】
これをもう少し詳しく考察するために、共通ベースを切り離した場合の、個々のトランジスタについての動作について考える。
【0022】
トランジスタ16が不飽和動作領域にある場合、負荷電流及びベース電位は直流電流利得hFEを用いて、
Il =hFE・IB
VB =VBE+(IB +Il )・RE =VBE+(1+hFE)・IB ・RE ≒hFE・IB ・RE
従って、ベースを共通接続とした場合の共通ベース電位は、個々のトランジスタ16の上記で表されるベース電位の最小値に保持され、それを基準として他のトランジスタ16も不飽和領域で動作し、各負荷13に一定比の電流を供給する。
【0023】
トランジスタ16が飽和動作領域に入った場合、ベース電流をそれ以上増加させても負荷13に供給される電流Il は変化せず一定となる。
【0024】
Il =(Vcc−VCE(sat) −VE )/RL =(Vcc−VCE(sat) −IB ・RE)/(RL +RE )≒Vcc/(RL +RE )・・・・・一定
VB =VBE+(IB +Il )・RE ≒RE ・Vcc/(RL +RE )
従って、ベースを共通接続した場合の共通ベース電位は、個々のトランジスタ16の上記で表される飽和動作時のベース電位の最小値に保持され、それを基準に他のトランジスタ16は不飽和領域で動作し、各負荷13に一定比率の電流を供給する。
【0025】
以上のように本発明による分流バランス回路を採用すれば、共通接続ベースへの入力制御を行うことにより、各負荷13への供給バイアス、及び負荷13の変動に係わらず、各負荷13への配分比率を一定に保持した状態で任意の電流供給が可能となる。また本分流バランス回路において、各々の負荷13への供給バイアスは同じ極性であれば異なる電源11から接続しても問題ない。
【0026】
次に上記分流バランス回路において、共通接続ベースを外部入力の駆動とせず、各々のトランジスタ16のコレクタから抵抗15を経由し、共通ベースへ接続する自己バイアス駆動の実施形態を図3に示す。
【0027】
この自己バイアス駆動方法によれば、各負荷13へ供給される電流の一定比率配分を、バランス回路側自身で行うことが可能となる。自己バイアス駆動の場合、各負荷13への供給バイアス、及び負荷13の変動に対して電流供給量は変化するが、電流配分比率は一定に保持することができる。
【0028】
従って自己バイアス駆動により、各負荷13への電流供給量を制御する場合、負荷全体への供給電流、または供給バイアスを制御する手段12,14を設けることにより可能となる。
【0029】
次に分流バランス回路を交流負荷に利用する場合の実施形態を図4に示す。分流バランス回路の一負荷ラインにおけるトランジスタ16を、PNPとNPNの一対の組み合わせとし、各トランジスタ16の逆バイアスを防止する手段として、ダイオード18等を配置することにより、双方向性の分流バランス回路を実現することができる。
【0030】
但し、上記の双方向性分流バランス回路を自己バイアス型で使用する場合は、各交流負荷に流れる電流位相がほぼ同じであることが使用可能な条件となる。電流位相がほぼ同じ交流負荷であれば、上記自己バイアス型双方向性分流回路を使用することにより、各負荷13の変動に対し一定の比率で電流を供給することが可能である。
【0031】
すなわち同じ種類の交流負荷13を複数個駆動する場合、負荷自身のばらつき、負荷13の引き回し、配置によって生じる浮遊容量や浮遊インダクタンスの影響を受けることなく各負荷13への供給電流比率を一定に抑制することが可能となる。
【0032】
本発明の実施形態として図5に液晶バックライト用冷陰極蛍光ランプ(CCFL)の多灯駆動回路を示す。一般に液晶バネルの輝度を高めるために、高周波交流点灯駆動のCCFLを複数使用し点灯させる場合、一個のトランスの出力から数個のCCFLを並列に接続し駆動する方法、またはCCFLを接続したトランスを複数個並列に駆動する方法等がある。
【0033】
しかし上記の駆動方法によれば、CCFLの寿命劣化による特性の変化、CCFLの配置による浮遊容量の影響などにより、各CCFLに流れる高周波の電流量にばらつきを生じるという問題があった。
【0034】
本発明の双方向性自己バランス型分流回路19を各CCFL20ラインに配置し、並列駆動されるCCFL20の電流総和を検出し、一定になるように制御する手段を設けることにより、各CCFL20に流れる電流のばらつきを抑制することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、一つの電流供給源から並列に接続された複数の負荷への定電流供給を、各負荷ラインに簡単な分流バランス回路を設けることにより、それらに供給する電流を一定の比率で行うことが可能である。
【0036】
更に自己バランス型とすれば負荷側単独で一定比率の分流供給が可能になるため、負荷への供給電流の総和を制御することにより、各負荷への定電流制御が可能となる。
【0037】
更にPNP、NPNの一対のトランジスタで双方向性の自己バイアス型とすることにより、同じ特性を有する交流負荷を並列駆動する場合の、各負荷への電流ばらつきを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る複数負荷への定電流供給回路の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る分流バランス回路の構成図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る自己バイアス型分流バランス回路の構成図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係る交流負荷分流バランス回路の構成図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係る冷陰極蛍光ランプの多灯駆動回路の構成図である。
【図6】従来例に係る複数負荷定電流供給回路の構成図である。
【符号の説明】
11 電源
12 制御回路
13 負荷
14 電流検出回路
15 ベース抵抗
16 トランジスタ
17 エミッタ抵抗
18 ダイオード
19 分流バランス回路
20 液晶バックライト用冷陰極蛍光ランプ(CCFL)
Claims (5)
- 複数の負荷へ定電流を分流供給する複数負荷への定電流供給制御システムにおいて、前記各々の負荷に流れる電流の総和が定電流になるように制御し、各々の負荷へ供給される電流を一定の比率で配分する分流バランス回路を各負荷ライン側に設けたことを特徴とする複数負荷への定電流供給制御システム。
- 複数の負荷への供給電流の配分を一定に保持する分流バランス回路において、各トランジスタのエミッタ側にバランス抵抗を介して共通接続して、コレクタ、ベースを各々共通接続とするトランジスタの並列駆動回路を有し、前記バランス抵抗の共通接続部を供給バイアスの片側へ接続し、各々のコレクタに負荷を挿入接続することにより、各負荷への供給電流の配分を一定に保持することを特徴とする分流バランス回路。
- 請求項2記載の分流バランス回路において、前記各々のコレクタからバイアス抵抗を介して共通ベースへ接続する自己バイアス駆動とすることにより、負荷ライン側のみで各負荷への供給電流配分を一定に保持することを特徴とする分流バランス回路。
- 請求項3記載の分流バランス回路において、供給バイアスを交流供給源とし、NPNとPNPの一対のトランジスタ、及びそれらへの逆バイアスを阻止するためのダイオードによって構成されることを特徴とする分流バランス回路。
- 請求項4記載の分流バランス回路を複数の冷陰極蛍光ランプ点灯ラインに接続し、並列駆動される冷陰極蛍光ランプの電流総和値を検出して、その電流総和値が一定になるように制御する手段を設けたことを特徴とする冷陰極蛍光ランプの多灯駆動回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226114A JP2004071226A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 定電流供給制御システム及び分流バランス回路 |
Applications Claiming Priority (1)
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