JP2004070887A - 座標入力装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を減少させ、製造コストを低減し、実装が容易で、かつ筆記具の持ち方に制限をつけることなくペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供すること。
【解決手段】圧電膜14の内側に電極13を形成し、圧電膜14の外側に電極15と電極16とを形成した超音波素子を筆記具1に設ける。電極15と電極13とを用いて超音波を送信する場合と、電極16と電極13とを用いて超音波を送信する場合とで、超音波受信器3,4にそれぞれ超音波が到達するまでにかかる伝播時間を測定し、伝播時間の差から筆記具1の座標面に対する傾きを算出し、ペン先17の正確な位置を算出して座標入力する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、筆記具を用いて用紙上に文字や図形を手書きした場合の軌跡をコンピュータに文字データ、あるいは図形データとして入力するための座標入力装置に関し、特に、筆記具の傾きを簡易な構成で検出し、筆記具のペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のコンピュータの普及に伴い、鉛筆などの筆記具を使用して用紙に文字を手書きするよりもキーボードを使用して電子文書を作成することが多くなってきている。しかし、簡単なメモ書きをおこなう場合には、キーボード入力するよりも実際に文字などを用紙に手書きする方が簡便である。
【0003】
このため、会議などをおこなう場合には各自メモ帳などを持参し、鉛筆などを使ってメモ帳などに手書き入力するのが依然として一般的であるが、作成したメモの配布や管理を考えると、かかるメモは電子化されていることが望ましい。特に、手書き文字をイメージスキャナなどで読み取ることとすると電子化に要する処理が煩雑であり、タッチパネルやタブレットなどを利用すると持ち運びに不便であるので、簡易に手書き文字を電子データとして入力することが望まれている。
【0004】
これらのことから、従来、一対の超音波受信器を用紙上に配設し、筆記具から発信する超音波をこれらの超音波受信器によって受信して、その超音波の伝播時間から三角測量を用いて筆記具の位置を算出し、座標の入力をおこなう座標入力装置が知られている。この座標入力装置では、筆記具のペン先の動きを正確に入力するため、筆記具に設ける超音波素子をなるべくペン先の近傍に近づけることが望ましい。これは、筆記具に設けた超音波素子の距離が同一であっても、筆記具の傾きによって、ペン先の位置が変化するためである。
【0005】
たとえば図14に示すように、ペン先位置Pが同一の場所であっても、筆記具を垂直に支持する場合(101)と傾けて支持した場合(101a)とで筆記具に設けた超音波素子102の位置が変化し、超音波素子102と超音波受信器103との距離が変化する。この距離の変化がペン先の位置の誤差となるため、正確な座標入力が困難となる。
【0006】
この誤差の発生を防止するため、座標入力装置では、筆記具に複数の超音波素子を設けてそれぞれの超音波素子の位置を測定し、複数の超音波素子の位置から筆記具の傾きを算出してペン先の位置を正確に入力する技術が考案されている。たとえば特開昭54−42125号公報や特表2002−509317号公報には、ペン先に2個の超音波素子を付け、それぞれの超音波素子が発信する超音波の伝播時間を測定してそれぞれの超音波素子の位置を求め、超音波素子の位置関係からペン先の位置を補正する技術が開示されている。なお、筆記具に複数の超音波素子を設ける場合、超音波素子ごとにタイミングや周波数を変更することで、それぞれの超音波素子が発信する超音波を識別する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の座標入力装置では、筆記具に複数の超音波素子を形成するため、必要な部品点数および組立コストが超音波素子の数に従って増大するという問題点があった。さらに、指で持つ位置には超音波素子を配置することができないため、超音波素子の実装が困難になり、かつ筆記具の持ち方に制限が生じるという問題点があった。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、部品点数を減少させ、製造コストを低減し、実装が容易で、かつ筆記具の持ち方に制限をつけることなくペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る座標入力装置は、第1電極と第2電極とが圧電膜を介して対向する超音波素子を筆記具に配設し、該超音波素子と所定の座標面上に固定された固定超音波素子との間で超音波の送受信に要する伝播時間を測定して前記筆記具の座標面上の位置を算出する座標入力装置であって、前記第1電極は、前記筆記具のペン先近傍に位置する下側第1電極と、前記下側第1電極に比して前記ペン先から遠い上側第1電極とを有し、前記下側第1電極と前記上側第1電極とを切り替えて前記超音波の送信位置を切替制御する送信制御部と、前記下側第1電極を用いた場合の前記超音波の伝播時間と、前記上側第1電極を用いた場合の前記超音波の伝播時間とをもとに前記筆記具の前記座標面に対する傾きを算出する傾斜算出部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、座標入力装置は、圧電膜の一方の面に形成する電極を上側第1電極と下側第1電極とに分割し、上側第1電極と下側第1電極とを切り替えて超音波を発生させることで超音波の発生位置を制御し、超音波の発生位置の違いから生じる伝播時間の差をもとに筆記具の傾きを算出し、ペン先の正確な位置を座標入力している。
【0011】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記下側第1電極および前記上側第1電極は、前記圧電膜の同一面上に導電体を印刷して形成することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、圧電膜の表面に導電体を印刷することで電極を形成し、この印刷時のパターンによって上側第1電極と下側第1電極とを形成している。
【0013】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記下側第1電極、前記上側第1電極、前記圧電膜および前記第2電極は、前記筆記具の長手方向に平行な円筒形状であることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、上側第1電極および下側第1電極は筆記具の長手方向に平行な円筒形状であり、円筒形状の径を伸縮させることで超音波を発生する。
【0015】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記上側第1電極は、前記ペン先に対して反対側に引き出された端子部を備え、前記上側第1電極が形成する円筒形状は、当該円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、前記下側第1電極は、前記上側第1電極の開口部に印刷した配線を介して前記ペン先に対して反対側に引き出された端子部を備えることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、上側第1電極の円筒形状は円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、この開口部に配線をおこなうことで、下側第1電極に接続する端子と、上側第1電極に接続する端子とを同一方向に引き出している。
【0017】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記下側第1電極は、前記ペン先側に引き出された端子部を備え、前記下側第1電極が形成する円筒形状は、当該円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、前記上側第1電極は、前記下側第1電極の開口部に印刷した配線を介して前記ペン先側に引き出された端子部を備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、下側第1電極の円筒形状は円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、この開口部に配線をおこなうことで、上側第1電極に接続する端子と、下側第1電極に接続する端子とを同一方向に引き出している。
【0019】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記上側第1電極および前記下側第1電極は、前記圧電膜の外側に形成されることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、上側第1電極および下側第1電極を圧電膜の外側に形成し、第2電極を圧電膜の内側に形成して、上側第1電極と下側第1電極とを切り替えて超音波の発信位置を制御するようにしている。
【0021】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記上側第1電極および前記下側第1電極は、前記圧電膜の内側に形成されることを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、上側第1電極および下側第1電極を圧電膜の内側に形成し、第2電極を圧電膜の外側に形成して、上側第1電極と下側第1電極とを切り替えて超音波の発信位置を制御するようにしている。
【0023】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記第2電極は、前記筆記具のペン先近傍に位置する下側第2電極と、前記下側第2電極に比して前記ペン先から遠い上側第2電極とを有し、前記送信制御部は、前記下側第1電極と前記下側第2電極とを用いる場合と、前記上側第1電極と前記下側第2電極とを用いる場合とを切り替えることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、第1電極を上側第1電極と下側第1電極とに分割し、さらに第2電極を上側第2電極と下側第2電極とに分割することで、圧電膜の両側の電極をそれぞれ切り替えて超音波の発信位置を制御するようにしている。
【0025】
また、本発明に係る座標入力装置は、上記の発明において、前記上側第1電極と前記下側第1電極との間に、前記圧電膜の振動を押止する押止部材を備えたことを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、上側第1電極と下側第1電極との間に押止部材を設け、上側第1電極を用いた場合の圧電膜の振動と、下側第1電極を用いた場合の圧電膜の振動とを峻別可能としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る座標入力装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0028】
まず、本実施の形態に係る座標入力装置の概要構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る座標入力装置の概要構成を説明する説明図である。図1において、座標入力装置は、筆記具1、超音波受信器3,4、座標算出器2を備えている。また、筆記具1は、ケース11に電極13,15,16および圧電膜14によって形成される超音波素子を備えている。
【0029】
この超音波素子は、圧電膜14の一方の面に電極13を形成し、電極13を形成した面の裏面に電極15,16を形成している。したがって、この超音波素子は、電極15および電極13を用いて圧電膜14に電圧を印加する場合と、電極16および電極13を用いて圧電膜14に電圧を印加する場合とで超音波の発信位置が異なることとなる。
【0030】
電極15を用いる場合の超音波の発信位置と電極16を用いる場合の超音波の発信位置との差は、超音波が超音波受信器3,4にそれぞれ到達するまでに要する伝播時間の差となる。座標算出器2内部の伝播時間測定部21は、電極15を用いる場合の超音波の伝播時間と、電極16を用いる場合の超音波の伝播時間とをそれぞれ算出する。さらに座標算出器2内部の傾斜算出部22は、伝播時間の差から電極15,16の位置関係、すなわち筆記具1の座標面に対する傾斜を算出する。したがって、座標算出器2内部の座標算出部23は、電極15,16までの距離、および筆記具1の傾きからペン先17の先端部の座標を算出することができる。
【0031】
なお、筆記具1には、超音波の発信時のタイミングを制御するため、赤外線放射部12を設けている。この赤外線放射部12は、赤外線発光ダイオード12a,12bを含む複数の赤外線発光ダイオードを有し、筆記具の回転に関わらず、全方位に赤外線を放射可能である。
【0032】
つぎに、図2を参照し、筆記具1の内部構成について説明する。図2は、筆記具1の概要構成を示す概要構成図である。図2に示すように、筆記具1は、その内部に電池31、駆動回路32およびペンタッチスイッチ33を有する。ペンタッチスイッチ33は、ペン先17に連動しており、ペン先17が筆記面に接触した場合にオン状態となる。駆動回路32は、ペンタッチスイッチ33がオン状態となった場合に、電池31を電源として用い、超音波素子から超音波を送信する。
【0033】
つぎに、図3〜図5を参照し、筆記具1における超音波素子の構成について説明する。図3は、超音波素子の展開図であり、図4は、超音波素子の組立図であり、図5は、超音波素子の断面図である。図3に示すように、超音波素子は、圧電膜14の一方の面に電極15および電極16を形成し、電極15,16を形成した面の裏面に電極13を形成している。この電極13,15,16の形成は、圧電膜14のそれぞれの面に導電体をパターン印刷によって付着させることでおこなう。
【0034】
ここで、電極15は、開口部Aを設けてパターン印刷される。電極16に電源を供給する配線をこの開口部Aに設けることで、電極16の端子16aは、電極15の端子15aと同一方向に引き出すことが可能となる。さらに、電極13の端子13aを端子15a,16aと同一方向に引き出すことで、超音波素子の端子を全て同一方向に引き出すことができる。
【0035】
このように、圧電膜の同一面に形成する電極の一方に開口部を設け、この開口部に配線をおこなうことで、超音波素子の端子を全て同一方向に引き出すことができる。したがって、筆記具における配線を簡略化し、超音波素子に係る構成を小型化するとともに組立コストを低減することができる。この時、特に端子を引き出す方向は、駆動回路32が実装されている側、すなわちペン先に対して反対側が望ましい。
【0036】
電極を印刷した圧電膜は、図4に示すように円筒形状に組み立てる。この円筒形の径によって、送信に適する超音波の周波数が決定される。たとえば、超音波素子の直径が6mmである場合、出力する超音波の周波数は80kHz程度が適切な周波数となる。この超音波素子の径は、必要な周波数および実装の簡便さによって任意に定めればよい。
【0037】
さらに、円筒形に組み立てた超音波素子の断面図を図5に示す。図5において、圧電膜14はその両端を固定軸34,35によって固定する。また、電極13のさらに内側に間隙37,38を設けている。この構成で電極15と電極13との間に電圧を印加した場合、圧電膜14は円周方向に収縮する。しかしながら、圧電膜14を円筒形に固定し、かつ、電極13の内側に間隙37を設けているので、圧電膜14の収縮は、円筒形状の径の縮小として実現され、圧電膜14の表面から超音波が発生することとなる。
【0038】
同様に、電極16と電極13との間に電圧を印加した場合、圧電膜14は円周方向に収縮する。この圧電膜14の収縮は、圧電膜14を円筒形に固定し、かつ電極13の内側に間隙38を設けているので、円筒形状の径の縮小として実現され、圧電膜14の表面から超音波が発生することとなる。
【0039】
ここで、間隙37と間隙38との間は、押止部材36によって仕切られている。押止部材36は、圧電膜14に接触してその振動を停止させる。したがって、電極15によって発生した圧電膜14の振動が電極16側に波及することを防止し、電極16によって発生した振動が電極15側に波及することを防止することができる。
【0040】
なお、この押止部材36は、電極15を用いる場合の超音波の発生位置と、電極16を用いる場合の超音波の発生位置とを峻別するために設けている。したがって、圧電膜14の材質や厚さの選択によって、超音波の発生位置の峻別が可能であれば、かならずしも押止部材36の配設を必要とするものではない。押止部材36を設けない場合、間隙37および間隙38が単一の間隙によって実現された簡易な構成とすることができ、筆記具1の製造コストの低減を図ることができる。
【0041】
このように、電極15と電極13との間に電圧を印加した場合、および電極15と電極13との間に電圧を印加した場合に、圧電膜14は超音波を発生する。しかしながら、電極15と電極16との位置の違いから、電極15を用いて電圧を印加した場合と、電極16を用いて電圧を印加した場合とでは超音波の発生位置が異なることとなる。すなわち、この超音波素子では、電極15と電極16とを切り替えることで、超音波の発生位置を2つの場所から任意に選択することができる。
【0042】
つぎに、筆記具1における超音波の発生およびその制御について詳細に説明する。図6に示すように、駆動回路32は、その内部にタイマ41、赤外線駆動回路42、および超音波駆動回路43を備えている。この赤外線駆動回路42は赤外線放射部12に接続され、超音波駆動回路43は、超音波発信器44に接続される。
【0043】
駆動回路32は、ペンタッチスイッチ33がオン状態となった場合に、タイマ41が出力する周期信号をもとに、赤外線駆動回路42および超音波駆動回路43を一定周期で動作させる。したがって、赤外線放射部12は一定の周期で赤外線を放出し、同様に、超音波発信器44は、一定周期で超音波を送信することとなる。なお、タイマ41が出力する周期信号の周期は、人間の手による筆記具1の動きを安定して検出可能な範囲で任意に設定し、たとえば100Hz程度の値とすればよい。
【0044】
図7に、超音波駆動回路43の一例を示す。図7に示したコンデンサC1は、電極15,13および圧電膜14によって形成され、コンデンサC2は、電極16,13および圧電膜14によって形成される。また、電源45は、電池31をもちいて実現する。図7において、スイッチS1がオン状態となると、コイルL1に徐々に増加する電流が流れる。ここでスイッチS1をオフ状態とすると、逆起電力が発生し、コンデンサC1に高電圧が印加される。このコンデンサC1は、電極15,13および圧電膜14によって形成されているので、高電圧の印加によって圧電膜14が収縮して超音波が発生する。
【0045】
同様に、スイッチS2がオン状態となると、コイルL2に徐々に増加する電流が流れる。ここで、スイッチS2をオフ状態とすると、逆起電力が発生し、コンデンサC2に高電圧が印加される。このコンデンサC2は、電極16,13および圧電膜14によって形成されているので、高電圧の印加によって圧電膜14が収縮して超音波が発生する。
【0046】
超音波駆動回路43は、このように、スイッチS1,S2を切り替えることで、電極15と電極16とを切り替えて超音波を出力することができる。具体的には、駆動回路32は、赤外線放射部12から赤外線を放射すると同時に電極15をもちいて超音波を送信し、さらに所定時間T0経過後に電極16を用いて超音波を送信する。
【0047】
つぎに、図8〜11を参照し、筆記具1が送信した超音波の受信側における処理について説明する。図8は、超音波を受信する受信装置の概要構成を示す概要構成図であり、図9は、超音波の伝播時間を測定する伝播時間測定部21の回路構成を示す回路図であり、図10は、筆記具1が送信する超音波の波形を説明する説明図であり、図11は、超音波の伝播時間から筆記具1のペン先の座標を算出する算出方法を説明する説明図である。
【0048】
筆記具1が送信した超音波は、超音波受信器3および超音波受信器4によって受信され、座標算出器2によって筆記具1の座標が算出される。なお、超音波受信器3,4および座標算出器2は、図8に示すように、受信装置51の筐体内に配設する。また、受信装置51は、赤外線放出部12が放出した赤外線を受信する赤外線受信器52を備えている。
【0049】
赤外線受信器52は、赤外線放射部12によって放射された赤外線同期信号を受信した場合に、図9に示すように、タイマ71,72,74をスタートさせる。一方で、超音波受信器3は、電極15を用いて送信された超音波を受信し、受信波81として入力アンプ61に送出する。入力アンプ61は、受信波81を適度な大きさに増幅し、コンパレータ63および零クロスコンパレータ64に出力する。コンパレータ63は、増幅された受信波81と閾値rt1とを比較し、受信波81が閾値rt1を超えた場合にフリップフロップ67をオン状態とする。さらに、零クロスコンパレータ64によって零クロス(Z点)を検出し、フリップフロップ67と零クロスコンパレータ64との論理積(アンド)によってタイマ72およびタイマ73をストップさせる。したがって、タイマ72は、電極15が超音波を発信してから超音波受信器3に到達するまでの伝播時間T1を測定することとなる。タイマ72は、この測定した伝播時間T1を傾斜算出部22に送出する。
【0050】
同様に、超音波受信器4は、電極15を用いて送信された超音波を受信し、受信波82として入力アンプ62に送出する。入力アンプ62は、受信波82を適度な大きさに増幅し、コンパレータ65および零クロスコンパレータ66に出力する。コンパレータ65は、増幅された受信波82と閾値rt2とを比較し、受信波82が閾値rt2を超えた場合にフリップフロップ68をオン状態とする。さらに、零クロスコンパレータ66によって零クロス(Z点)を検出し、フリップフロップ68と零クロスコンパレータ66との論理積(アンド)によってタイマ74およびタイマ75をストップさせる。したがって、タイマ74は、電極15が超音波を発信してから超音波受信器4に到達するまでの伝播時間T2を測定することとなる。タイマ74は、この伝播時間T2を傾斜算出部22に送出する。
【0051】
さらに、タイマ71は、赤外線受信器52によってスタートした後、所定時間T0経過後にフリップフロップ67およびフリップフロップ68を初期化し、さらにタイマ73およびタイマ75をスタートさせる。この所定時間T0は、電極15を用いて超音波を送信した後、電極16を用いて超音波を送信するまでの間隔であるので、フリップフロップ67,68の初期化およびタイマ72およびタイマ75のスタートは、電極16を用いた超音波が発生すると同時におこなわれることとなる。
【0052】
超音波受信器3は、電極16を用いて送信された超音波を受信し、受信波81として入力アンプ61に送出する。入力アンプ61は、受信波81を適度な大きさに増幅し、コンパレータ63および零クロスコンパレータ64に出力する。コンパレータ63は、増幅された受信波81と閾値rt1とを比較し、受信波81が閾値rt1を超えた場合にフリップフロップ67をオン状態とする。さらに、零クロスコンパレータ64によって零クロス(Z点)を検出し、フリップフロップ67と零クロスコンパレータ64との論理積(アンド)によってタイマ72およびタイマ73をストップさせる。したがって、タイマ73は、電極16が超音波を発信してから超音波受信器3に到達するまでの伝播時間T3を測定することとなる。タイマ73は、この測定した伝播時間T3を傾斜算出部22に送出する。
【0053】
同様に、超音波受信器4は、電極16を用いて送信された超音波を受信し、受信波82として入力アンプ62に送出する。入力アンプ62は、受信波82を適度な大きさに増幅し、コンパレータ65および零クロスコンパレータ66に出力する。コンパレータ65は、増幅された受信波82と閾値rt2とを比較し、受信波82が閾値rt2を超えた場合にフリップフロップ68をオン状態とする。さらに、零クロスコンパレータ66によって零クロス(Z点)を検出し、フリップフロップ68と零クロスコンパレータ66との論理積(アンド)によってタイマ74およびタイマ75をストップさせる。したがって、タイマ75は、電極16が超音波を発信してから超音波受信器4に到達するまでの伝播時間T4を測定することとなる。タイマ75は、この伝播時間T4を傾斜算出部22に送出する。
【0054】
傾斜算出部22は、伝播時間T1,T2,T3,T4および筆記具1における電極15,16の位置関係から、筆記具1の座標面に対する傾斜を算出し、ペン先17の先端部の正確な位置を得ることができる。この実施例においては、傾斜算出部22によってペン先17の先端部から超音波受信器3,4までの距離をそれぞれ算出し、座標算出部23によってペン先17の座標を算出する。
【0055】
図11は、ペン先17の先端部から超音波受信器3,4までの距離の算出を説明する説明図である。図11において、「R1」は超音波受信器3の位置を示し、「P」はペン先17の先端部の位置を示す。また、「P1」は筆記具1の中心軸上に存在する電極16の中心であり、「P2」は筆記具1の中心軸上に存在する電極15の中心である。さらに、「P」から「P1」までの距離は「a」、「P1」から「P2」までの距離は「b」である。また、電極16,15の半径を「r」とし、超音波が発生する電極上の位置をそれぞれ「S1」、「S2」とする。
【0056】
ここで、「R1」から「S1」、「S2」までの距離「d1」、「d3」は、音速V、伝播時間T1,T3をもちいて
d1=V×T1、d3=V×T3
とあらわせる。
【0057】
一方、∠R1S2S1を「α2」とすると、
ΔR1S2S1から、(d1)=b+(d3)−2×b×(d3)×cos
α2であり、
ΔR1S2P1から、(e3)=r+(d3)−2×r×(d3)×cos
(α2+90)、これを変形し、(e3)=r+(d3)±r×(d3)×(1−cosα2)1/2 である。
したがって、(e3)=r+(d3)±r×(d3)×{1−(b+(d3)−(d1)/(2b(d3))1/2となる。
【0058】
さらに、ΔR1S2S0から、(e5)=(a+b)+(d3)−2(
a+b)×(d3)×cosα2、これを変形し、(e5)=(a+b)+(d3)−(a+b)×{b+(d3)−(d1)}/b となる。
【0059】
また、∠R1S1S0を「α1」とすると、
ΔR1S1S0から、(e5)=a+(d1)−2a×(d1)×cosα
1であり、
ΔR1P2P1から、(e1)=r+(d1)−2×r×(d1)×cos
(α1+90)、これを変形し、(e1)=r+(d1)±r×(d1)×(1−cosα1)1/2 である。
したがって、(e1)=r+(d1)±r×(d1)×{1−(a+(d1)−(e5)/(2a(d1))1/2となる。
【0060】
以上により、「P1」から「R1」までの距離「e1」、および「P2」から「R1」までの距離「e2」が算出できる。ここで、∠R1P2Pを「β」とすると、
ΔR1P2P1から、(e1)=b+(e3)−2×b×(e3)cosβ
であり、
ΔR1P2Pから、(f1)=(a+b)+(e3)―2(a+b)×(e3)×cosβ、これを変形し、(f1)=(a+b)+(e3)―(a+b)×(b+(e3)−(e1))/bとして、「R1」から「P」までの距離「f1」、すなわち、ペン先17の先端から超音波受信器3までの距離を求めることができる。
【0061】
同様に、筆記具1の中心軸と超音波受信器4とを含む平面上で、ペン先17の先端部「P」から超音波受信器の位置「R2」までの距離「f2」を算出する。傾斜算出部22は、算出した「f1」および「f2」の値を座標算出部23に出力し、座標算出部23によってペン先17の先端部「P」の座標を算出する。
【0062】
座標算出部23は、まず、「R1」、「R2」および「P」を含む平面に、「R1」を原点とし、「R2」の座標を(W,0)とする座標系をとる。この座標系において、ペン先17の先端部「P」の座標を(x,y)とすると、x,yには、
+y=f1
(x−W)+y=f2
の関係が成立する。
【0063】
したがって、x,yの値は、
x=(f1−f2+W)/2W
y=−(f1−x1/2
として求めることができる。
【0064】
このように、位置の異なる2つの電極15,16を切り替えて超音波を発信し、伝播時間の差を用いることで座標面に対する筆記具1の傾きを補正し、ペン先17の先端部と超音波受信器との距離を算出することができるので、ペン先17の先端部の座標を正確に入力することができる。
【0065】
上述してきたように、本実施の形態では、圧電膜14の一方の面に形成する電極を2つに分割し、電極の切替によって超音波の発信位置を切り替え、超音波の伝播時間の差からペン先17の先端部の位置を算出するようにしているので、超音波素子の部品点数を減少させ、製造コストを低減し、実装を簡易にすることができる。また、超音波素子の構造を簡易かつ小型にすることで、筆記具の持ち方に対する制限をなくし、筆記具の使用感を向上することができる。
【0066】
さらに、分割した電極の一方に開口部Aを設けてパターン印刷し、この開口部に配線を設けることで分割した電極の端子を同一方向に引き出すようにしているので、筆記具の構成をさらに簡易かつ小型化している。
【0067】
なお、本実施の形態においては、電極の端子を全てペン先から遠い側に引き出していたが、この発明の実施はこれに限定されるものではなく、電極の端子を全てペン先から近い側に引き出すようにしてもよい。この端子の引き出し方向は、筆記具の設計に合わせて任意に選択することができる。
【0068】
また、本実施の形態においては、圧電膜14の外側の電極を2つに分割し、内側の電極を共有化していたが、本発明の実施はこれに限定されるものではなく、圧電膜の両面の電極をそれぞれ分割してもよいし、また、圧電膜の内側の電極を分割し、外側の電極を共有化するようにしてもよい。
【0069】
図12は、圧電膜の両側の電極をそれぞれ分割した場合の超音波素子を示す図である。図12において、圧電膜14は、外側の面に電極15および電極16を形成し、内側の面に電極91および電極92を形成している。したがって、この超音波素子では、電極15および電極91を用いて圧電膜14に電圧を印加する場合と、電極16および電極92を用いて圧電膜14に電圧を印加する場合とを切り替えることで超音波の発生位置を切り替えることとなる。
【0070】
また、図13は、圧電膜の内側の電極を分割した場合の超音波素子を示す図である。図13において、圧電膜14は、外側の面に電極93を形成し、内側の面に電極91および電極92を形成している。したがって、この超音波素子では、電極91および電極93を用いて圧電膜14に電圧を印加する場合と、電極92および電極93を用いて圧電膜14に電極を印加する場合とを切り替えることで超音波の発生位置を切り替えることとなる。
【0071】
さらに、本実施の形態では、筆記具1に設けた超音波素子から超音波を発信し、固定した受信装置51で受信するように構成しているが、超音波素子は同一の構成で超音波の送信と受信とを行うことができるので、固定した装置から超音波を発信し、筆記具1に設けた超音波素子で受信するように構成してもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、筆記具1に設けた赤外線放射部12から放射した赤外線を受信装置51に設けた赤外線受信器52によって受信することで、超音波送受信の同期を取っていたが、この発明の実施はこれに限定されるものではなく、受信装置51に赤外線放射部を設け、筆記具1に赤外線受信部を設けて、受信装置51が放射した赤外線を筆記具1によって受信して超音波送受信の同期を取るようにしてもよい。また、受信装置51と筆記具1とをケーブルによって物理的に接続して超音波送受信の同期を取るようにしてもよい。
【0073】
(付記1)第1電極と第2電極とが圧電膜を介して対向する超音波素子を筆記具に配設し、該超音波素子と所定の座標面上に固定された固定超音波素子との間で超音波の送受信に要する伝播時間を測定して前記筆記具の座標面上の位置を算出する座標入力装置であって、
前記第1電極は、前記筆記具のペン先近傍に位置する下側第1電極と、前記下側第1電極に比して前記ペン先から遠い上側第1電極とを有し、
前記下側第1電極と前記上側第1電極とを切り替えて前記超音波の送信位置を切替制御する送信制御部と、
前記下側第1電極を用いた場合の前記超音波の伝播時間と、前記上側第1電極を用いた場合の前記超音波の伝播時間とをもとに前記筆記具の前記座標面に対する傾きを算出する傾斜算出部と、
を備えたことを特徴とする座標入力装置。
【0074】
(付記2)前記下側第1電極および前記上側第1電極は、前記圧電膜の同一面上に導電体を印刷して形成することを特徴とする付記1に記載の座標入力装置。
【0075】
(付記3)前記下側第1電極、前記上側第1電極、前記圧電膜および前記第2電極は、前記筆記具の長手方向に平行な円筒形状であることを特徴とする付記1または2に記載の座標入力装置。
【0076】
(付記4)前記上側第1電極は、前記ペン先に対して反対側に引き出された端子部を備え、前記上側第1電極が形成する円筒形状は、当該円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、前記下側第1電極は、前記上側第1電極の開口部に印刷した配線を介して前記ペン先に対して反対側に引き出された端子部を備えることを特徴とする付記3に記載の座標入力装置。
【0077】
(付記5)前記下側第1電極は、前記ペン先側に引き出された端子部を備え、前記下側第1電極が形成する円筒形状は、当該円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、前記上側第1電極は、前記下側第1電極の開口部に印刷した配線を介して前記ペン先側に引き出された端子部を備えることを特徴とする付記3に記載の座標入力装置。
【0078】
(付記6)前記上側第1電極および前記下側第1電極は、前記圧電膜の外側に形成されることを特徴とする付記3〜5のいずれか一つに記載の座標入力装置。
【0079】
(付記7)前記上側第1電極および前記下側第1電極は、前記圧電膜の内側に形成されることを特徴とする付記3〜5のいずれか一つに記載の座標入力装置。
【0080】
(付記8)前記第2電極は、前記筆記具のペン先近傍に位置する下側第2電極と、前記下側第2電極に比して前記ペン先から遠い上側第2電極とを有し、前記送信制御部は、前記下側第1電極と前記下側第2電極とを用いる場合と、前記上側第1電極と前記下側第2電極とを用いる場合とを切り替えることを特徴とする付記1〜7のいずれか一つに記載の座標入力装置。
【0081】
(付記9)前記上側第1電極と前記下側第1電極との間に、前記圧電膜の振動を押止する押止部材を備えたことを特徴とする付記1〜8のいずれか一つに記載の座標入力装置。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、座標入力装置は、圧電膜の一方の面に形成する電極を上側第1電極と下側第1電極とに分割し、上側第1電極と下側第1電極とを切り替えて超音波を発生させることで超音波の発生位置を制御し、超音波の発生位置の違いから生じる伝播時間の差をもとに筆記具の傾きを算出し、ペン先の正確な位置を座標入力しているので、部品点数を減少させ、製造コストを低減し、実装が容易で、かつ筆記具の持ち方に制限をつけることなくペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0083】
また、本発明によれば、圧電膜の表面に導電体を印刷することで電極を形成し、この印刷時のパターンによって上側第1電極と下側第1電極とを形成しているので、ペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置をさらに簡易に製造可能とし、製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0084】
また、本発明によれば、上側第1電極および下側第1電極は筆記具の長手方向に平行な円筒形状であり、円筒形状の径を伸縮させることで超音波を発生するので、簡易な構成でペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0085】
また、本発明によれば、上側第1電極の円筒形状は円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、この開口部に配線をおこなうことで、下側第1電極に接続する端子と、上側第1電極に接続する端子とを同一方向に引き出しているので、ペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置をさらに簡易な構成として実装を容易にすることができるという効果を奏する。
【0086】
また、本発明によれば、下側第1電極の円筒形状は円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、この開口部に配線をおこなうことで、上側第1電極に接続する端子と、下側第1電極に接続する端子とを同一方向に引き出しているので、ペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置をさらに簡易な構成として実装を容易にすることができるという効果を奏する。
【0087】
また、本発明によれば、上側第1電極および下側第1電極を圧電膜の外側に形成し、第2電極を圧電膜の内側に形成して、上側第1電極と下側第1電極とを切り替えて超音波の発信位置を制御するように構成しているので、簡易な構成でペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0088】
また、本発明によれば、上側第1電極および下側第1電極を圧電膜の内側に形成し、第2電極を圧電膜の外側に形成して、上側第1電極と下側第1電極とを切り替えて超音波の発信位置を制御するように構成しているので、簡易な構成でペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供することができるという効果を奏する。
【0089】
また、本発明によれば、第1電極を上側第1電極と下側第1電極とに分割し、さらに第2電極を上側第2電極と下側第2電極とに分割することで、圧電膜の両側の電極をそれぞれ切り替えて超音波の発信位置を制御するように構成しているので、簡易な構成でペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供し、かつ超音波の発信位置の識別をさらに容易にすることができるという効果を奏する。
【0090】
また、本発明によれば、上側第1電極と下側第1電極との間に押止部材を設け、上側第1電極を用いた場合の圧電膜の振動と、下側第1電極を用いた場合の圧電膜の振動とを峻別可能としているので、簡易な構成でペン先の座標を正確に入力可能な座標入力装置を提供し、かつ超音波の発信位置の識別をさらに容易にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る座標入力装置の概要構成を説明する説明図である。
【図2】図1に示した筆記具の概要構成を示す概要構成図である。
【図3】図1に示した超音波素子の展開図である。
【図4】図1に示した超音波素子の組立図である。
【図5】図1に示した超音波素子の断面図である。
【図6】駆動回路の概要構成を説明する説明図である。
【図7】超音波駆動回路43の一例を示す回路図である。
【図8】超音波を受信する受信装置の概要構成を示す概要構成図である。
【図9】超音波の伝播時間を測定する伝播時間測定部の回路構成を示す回路図である。
【図10】筆記具が送信する超音波の波形を説明する説明図である。
【図11】超音波の伝播時間から筆記具のペン先の座標を算出する算出方法を説明する説明図である。
【図12】圧電膜の両側の電極をそれぞれ分割した場合の超音波素子を示す図である。
【図13】圧電膜の内側の電極を分割した場合の超音波素子を示す図である。
【図14】筆記具の傾きによって生じる誤差を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 筆記具
2 座標算出器
3,4 超音波受信器
11 ケース
12 赤外線放射部
12a,12b 赤外線発光ダイオード
13,15,16,91,92,93 電極
14 圧電膜
17 ペン先
21 伝播時間測定部
22 傾斜算出部
23 座標算出部
31 電池
32 駆動回路
33 ペンタッチスイッチ
34,35 固定軸
36 押止部材
37,38 間隙
41,72,73,74,75 タイマ
42 赤外線駆動回路
43 超音波駆動回路
44 超音波発信器
45 電源
51 受信装置
52 赤外線受信器
61,62 入力アンプ
63,65 コンパレータ
64,66 零クロスコンパレータ
67 フリップフロップ
81,82 受信波

Claims (3)

  1. 第1電極と第2電極とが圧電膜を介して対向する超音波素子を筆記具に配設し、該超音波素子と所定の座標面上に固定された固定超音波素子との間で超音波の送受信に要する伝播時間を測定して前記筆記具の座標面上の位置を算出する座標入力装置であって、
    前記第1電極は、前記筆記具のペン先近傍に位置する下側第1電極と、前記下側第1電極に比して前記ペン先から遠い上側第1電極とを有し、
    前記下側第1電極と前記上側第1電極とを切り替えて前記超音波の送信位置を切替制御する送信制御部と、
    前記下側第1電極を用いた場合の前記超音波の伝播時間と、前記上側第1電極を用いた場合の前記超音波の伝播時間とをもとに前記筆記具の前記座標面に対する傾きを算出する傾斜算出部と、
    を備えたことを特徴とする座標入力装置。
  2. 前記下側第1電極および前記上側第1電極は、前記圧電膜の同一面上に導電体を印刷して形成し、前記下側第1電極、前記上側第1電極、前記圧電膜および前記第2電極は、前記筆記具の長手方向に平行な円筒形状であることを特徴とする請求項1に記載の座標入力装置。
  3. 前記上側第1電極は、前記ペン先に対して反対側に引き出された端子部を備え、前記上側第1電極が形成する円筒形状は、当該円筒形状の軸方向に平行な開口部を有し、前記下側第1電極は、前記上側第1電極の開口部に印刷した配線を介して前記ペン先に対して反対側に引き出された端子部を備えることを特徴とする請求項2に記載の座標入力装置。
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