JP2004070760A - 無体財産権に対する保険掛金算定装置及び無体財産権の価値評価方法 - Google Patents

無体財産権に対する保険掛金算定装置及び無体財産権の価値評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特許権などの無体財産権に対して実情に即した適切な保険掛金を算定することができる無体財産権に対する保険掛金算定装置を提供する。
【解決手段】IPCに属する特許権の件数をIPCごとに記憶した分類データベース172と、保険の対象とするIPCに属する特許権の件数を分類データベース172から取得し、取得された特許権の件数に基づいて、保険の対象とするIPCに対して重み付けされたIPC係数を算出する分類係数算出ユニット121と、保険の対象とするIPCに属する製品の売上金額とIPC係数とに基づいて、上記製品に関する特許権の保険の掛金を算定する掛金算定ユニット122とを備えた。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無体財産権に対する保険掛金算定装置に係り、特に特許権をはじめとする無体財産権に関する訴訟費用等の補填を目的とした保険の掛金を算定する保険掛金算定装置に関するものである。また、本発明は、無体財産権の価値評価方法に係り、特に特許権をはじめとする無体財産権の価値を評価する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から火災保険、損害保険、自動車保険、生命保険などの保険システムが確立されている。しかしながら、現在の市場においては、特許権などの無体財産権における侵害訴訟の裁判費用や裁判の判決における損害賠償金、差止請求権の行使に伴う費用などを補填するような保険システムとして有用なものは存在しない。
【0003】
最近では、特に米国において特許訴訟の当事者となった場合には、敗訴した場合の損害賠償費用だけでなく、和解となった場合における弁護士費用も莫大なものとなり、企業や個人の財政を非常に圧迫している。また、特許権に代表される無体財産権の権利関係は、権利書(明細書)中の用語の解釈が実際の訴訟で判断されるまではっきりしないため、原告、被告ともに判断することが難しい。更に、訴訟の結果も時代によって特許重視あるいは特許軽視の傾向に変化し、また国によってもプロ・パテント政策やアンチ・パテント政策などのトレンドがある。
【0004】
このような理由により、例えば自己の製品が他者の特許権を侵害しない、もしくは他者の特許が無効であると考えて、自己の製品の製造を続けていても、必ず不安定要素が存在する。しかしながら、このような法律的リスクを補完する一貫したシステムは従来存在していなかった。
【0005】
また、特許権などの無体財産権は無体物に関する権利であるため、一般的にその価値評価が困難である。このような無体財産権の価値評価手法としては、(1)コストアプローチ、(2)マーケットアプローチ、(3)インカムアプローチ、(4)オプション理論といった定性的な価値評価手法が知られているが、特定の会社(権利者)や特定の技術分野に対して第三者が持つ関心の高さ(侵害に対する懸念の度合い)を定量的に表すことができる価値評価手法は現在知られていない。
【0006】
すなわち、実際の権利内容、例えば、特許の内容や国際特許分類などを反映した評価方法や、出願人に関連した実際の経済社会で注目されている特許などを重み付けした評価方法はなく、上述した従来の価値評価手法は、知的財産権に携わる実務者や企業経営者の実体感覚から少し遊離したものとなっている。
【0007】
このように、従来の無体財産権の価値評価方法では、独占排他権としての無体財産権に基づく訴訟の当事者となる企業や個人発明家などが保有する権利の実際の内容、技術分野や出願人、出願国等を考慮した重み付けが十分になされておらず、実情を十分反映したものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、特許権などの無体財産権に対して実情に即した適切な保険掛金を算定することができる無体財産権に対する保険掛金算定装置を提供することを目的としている。
【0009】
また、本発明は、実際の権利の内容に合致した適切な価値評価基準を得ることができる無体財産権の価値評価方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の第1の態様は、無体財産権に関する分類に属する無体財産権の件数を上記分類ごとに記憶した分類データベースと、保険の対象とする分類に属する無体財産権の件数を上記分類データベースから取得し、該取得された無体財産権の件数に基づいて、上記保険の対象とする分類に対して重み付けされた分類係数を算出する分類係数算出ユニットと、上記保険の対象とする分類に属する製品の売上金額と上記分類係数とに基づいて、上記製品に関する無体財産権の保険の掛金を算定する掛金算定ユニットとを備えたことを特徴とする無体財産権に対する保険掛金算定装置である。
【0011】
本発明の好ましい一態様は、保険の対象とする権利者が保有する無体財産権の件数を上記分類ごとに記憶した権利者データベースと、上記権利者が保有する無体財産権のうち、上記保険の対象とする分類に属する無体財産権の件数を上記権利者データベースから取得し、該取得された無体財産権の件数に基づいて、上記分類係数を補正する分類係数補正ユニットとを更に備えたことを特徴としている。
【0012】
本発明の好ましい一態様は、上記保険の対象とする権利者に関連する訴訟情報を記憶した訴訟データベースを更に備え、上記分類係数補正ユニットは、上記権利者に関連する訴訟情報を上記訴訟データベースから取得し、該取得された訴訟情報に基づいて、上記分類係数を更に補正することを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、特許権などの無体財産権の訴訟に関する費用やライセンス契約によって発生する費用に対して、実情に即した分類に基づいて実情に即した適切な保険掛金を算定することができ、この掛金に基づいて上記費用を保険金により補填することが可能となる。
【0014】
本発明の第2の態様は、無体財産権に関する分類に属する無体財産権の件数を上記分類ごとに記憶した分類データベースから、評価の対象とする分類に属する無体財産権の件数を取得し、該取得された無体財産権の件数に基づいて、上記評価の対象とする分類に対して重み付けされた分類係数を算出し、上記評価の対象とする分類に属する製品の売上金額と上記分類係数とに基づいて、上記製品に関する無体財産権の価値を算定することを特徴とする無体財産権の価値評価方法である。
【0015】
本発明の好ましい一態様は、評価の対象とする権利者が保有する無体財産権の件数を上記分類ごとに記憶した権利者データベースから、上記権利者が保有する無体財産権のうち、評価の対象とする分類に属する無体財産権の件数を取得し、該取得された無体財産権の件数に基づいて、上記分類係数を補正することを特徴としている。
【0016】
本発明の好ましい一態様は、上記評価の対象とする権利者に関連する訴訟情報を記憶した訴訟データベースから、上記権利者に関連する訴訟情報を取得し、該取得された訴訟情報に基づいて、上記分類係数を更に補正することを特徴としている。
【0017】
本発明によれば、実情に即した分類に基づいて特許権などの無体財産権に対する価値評価が算定されるので、実際の権利の内容に合致した適切な価値評価基準を得ることができる。例えば、特定の技術分野や他社に警戒されている権利者の情報といった無体財産権の独占排他権的要素に基づいて権利の価値評価が算定されるので、特定の技術分野や権利者に対する関心を定量的に表した価値評価基準を得ることができ、無体財産権の価値評価における信頼性を高めることができる。第三者の関心が高い技術分野や権利者に関する無体財産権は、単なる1つの権利であっても、対世的には1つの権利以上の大きな価値(重み)を持つが、本発明によれば、第三者が関心を持つ技術分野や権利者を考慮した適切な価値判断基準を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無体財産権に対する保険掛金算定装置の実施形態について図1乃至図8を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、主として特許権に関連して説明するが、本発明は、特許権だけではなく他の無体財産権、例えば、実用新案権、意匠権、商標権、著作権などにも適用できるものである。
【0019】
特許権に関係する特許権者と第三者(各国特許庁も含む。以下同じ)とのトラブル及び金銭の授受行為としては、例えば以下のものが考えられる。
1)特許権侵害訴訟に伴う損害賠償金及び和解金の支払
2)特許権侵害の警告及び差止請求に伴う設備の除却等
3)特許権侵害に伴う不当利得返還請求権の行使
4)米国の特許権侵害訴訟における故意侵害に基づく3倍賠償
5)特許無効審判、訂正審判、拒絶査定不服審判、特許異議申立てなどにおいて代理人を介して手続を行う場合の手数料などの代理人費用
6)特許ライセンサーとライセンシーとの間の金銭授受
7)ライセンス契約及びライセンス対象となっている特許の無効
【0020】
図1は、本発明に係る無体財産権に対する保険システムを説明するための模式図である。図1に示すように、本発明に係る保険システムは、被保険者1が所定金額の保険掛金を保険機関2に支払い、上述した特許権に関係するトラブル及び金銭の授受行為が被保険者1と第三者3との間に生じた場合に、保険機関2が所定金額の保険金を被保険者1に支払うものである。なお、本実施形態では、被保険者1が保険契約者及び保険金受取人と同一人(法人も含む)である場合について説明するが、保険契約者及び保険金受取人と被保険者が同一人である必要はない。例えば、保険契約者及び保険金受取人が保険相互会社の構成員であってもよい。
【0021】
被保険者1(保険契約者、保険加入者)が保険の対象を特定して保険機関2に加入を申請すると、保険機関2が該保険の対象に対して保険掛金を算定し、被保険者1に保険内容(保険掛金や保険金の支払条件など)を説明、提案する。被保険者1がこの提案に同意して保険に加入する場合には、保険金の支払条件を確認した上で保険契約を行い、これにより保険金の支払条件に従った内容で図1に示す保険システムが有効期限まで存続する。なお、被保険者1が保険掛金を支払わない場合や被保険者1から保険解約の意思が伝えられた場合には保険契約が終了する。
【0022】
本実施形態では、以下に述べる保険掛金算定装置を用いて上記保険掛金の算定を行う。図2は、本発明の第1の実施形態における保険掛金算定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、本実施形態における保険掛金算定装置10は、一般的なネットワークサーバコンピュータやパーソナルコンピュータなどにより構成されるもので、中央処理演算部(CPU)12と、キーボードやマウス等の入力装置13と、ディスプレイ等の表示装置14と、記憶装置としてのROM15、RAM16、及びハードディスク17と、通信インターフェイス18とを備えている。保険掛金算定装置10は、図2に示すように、通信インターフェイス18を介してインターネットに接続可能となっている。なお、図2に示すハードウェア構成は一例であり、図示のものに限られるわけではない。
【0023】
保険掛金算定装置10のハードディスク17には、OS(Operating System)と協動してCPU12等に命令を与え、所定の処理を行うためのコンピュータプログラム171が格納されている。このコンピュータプログラム171は、RAM16にロードされることによって実行される。このコンピュータプログラム171がCPU12と協動することによって後述する分類係数算出ユニット121、掛金算定ユニット122、データ取得ユニット123などの各ユニットが構成され、各種の処理が行われる。なお、これらの各ユニットの機能を1台のコンピュータにより実現することとしてもよいし、複数のコンピュータを協動させることによって実現することとしてもよい。
【0024】
また、保険掛金算定装置10のハードディスク17には、国際特許分類(IPC)に属する特許権の件数を各IPCごとに記憶したIPCデータベース(分類データベース)172が格納されている。なお、本実施形態では、特許権に関する分類として国際特許分類(IPC)を用いているが、米国特許分類(US Class)などの分類を用いることもできる。このようなIPCデータベース172の一例を図3に示す。図3に示すように、IPCデータベース172には、各国における特許権の件数がIPCごとに分類されて記憶されている。このIPCデータベース172は、本発明に係る保険掛金算定装置10における保険掛金の算定のベースとなるものである。なお、IPCデータベース172に記憶するデータとしては、特許件数(登録件数)に代えて出願件数を使用することもでき、また、1年間の特許件数や出願件数、あるいは数年間の特許件数や出願件数を用いることができる。
【0025】
分類係数算出ユニット121は、保険の対象とするIPCに属する特許件数をIPCデータベース172から取得し、取得された特許件数に基づいて、保険の対象とするIPCに対して重み付けされたIPC係数を算出するものである。また、掛金算定ユニット122は、保険の対象とするIPCに属する製品の売上金額と上記IPC係数とに基づいて保険の掛金を算定するものである。データ取得ユニット123は、通信インターフェイス18を介してインターネットに接続し、各国の主要な特許庁のウェブサイトにおいて提供されている特許検索サービスを用いて出願件数や特許件数をIPCごとに自動的に取得し、取得したデータを上述したIPCデータベース172に登録するものである。
【0026】
次に、上述した保険掛金算定装置10を用いて保険掛金を算定する手順について説明する。まず、被保険者1(保険契約者、保険加入者)が、図4に示すような申請書(フォーム)に所定のデータを記入して、この申請書を保険機関2に提出する(ステップ1)。図4に示す例では、保険の対象とするIPCの範囲(B24B)と、保険の対象とする国名(日本,アメリカ)と、上記IPCに属する技術分野における製品の単価(2億円)と、この製品の各国ごとの年間販売台数(日本300台、アメリカ100台)と、年間売上金額(日本600億円,アメリカ200億円)とを記入するようになっている。
【0027】
この申請書を受け取った保険機関2は、申請書に記入されたデータを入力装置13により保険掛金算定装置10に入力する(ステップ2)。データが入力されると、保険掛金算定装置10の分類係数算出ユニット121により、申請書に記載されたIPCに属する技術分野において権利化されたすべての特許件数がIPCデータベース172から取得される(ステップ3)。例えば、図3に示すIPCデータベース172においては、「B24B」について日本300件、アメリカ400件という数値が取得される。
【0028】
そして、分類係数算出ユニット121により、これらの取得された特許件数に基づいて、IPCに対して重み付けされたIPC係数(分類係数)が算出される(ステップ4)。このIPC係数は、保険の対象とするIPCに属する特許件数(又は出願件数)が多いほど、高くなるように設定されている。例えば、上記IPCに属する特許件数の1/10000をIPC係数とする。上述した例では、日本のIPC係数CI−JP=0.03、アメリカのIPC係数CI−US=0.04が算出される。なお、このIPC係数は、被保険者1に知らしめることとしてもよく、あるいは保険業経営のノウハウとして公開しないこともできる。
【0029】
次に、掛金算定ユニット122により、上記IPC係数CI−JP,CI−U と、申請書に記入され保険掛金算定装置10に入力された売上金額(図4参照、日本での売上金額SJP=600億円、アメリカでの売上金額SUS=200億円)と、所定の基本係数C(例えば10%とする)とに基づいて保険掛金が算定される(ステップ5)。例えば、以下の式により保険掛金が算定される。
Figure 2004070760
【0030】
このようにして算定された保険掛金(2.6億円)を被保険者1が保険機関2に支払うことで、被保険者1と第三者3との間にトラブル等が生じた場合に、保険機関2から被保険者1に所定金額の保険金が支払われる。通常、この保険掛金は積立金であって、掛け捨ての掛金ではない。もちろん、保険の種類によっては、掛け捨ての掛金を選択することとしてもよい。積立て型の保険掛金を選択した場合には、保険機関2は、被保険者1の指定する期間中、積立金を運用し、この指定した期間の終了後に運用実績に応じて被保険者1に掛金を払い戻すこともできる。
【0031】
保険金の支払金額は、保険機関2と被保険者1との間の取り決め(契約)に則って算出される。例えば、保険金の支払に関して以下のような契約が考えられる。
1)日本において裁判所が判決の主文で言い渡した金額の全額を支払う。
2)裁判に要した訴訟費用(弁護士費用、通信費用、移動費用など)を被保険者が支払うこととなった場合にこの訴訟費用を支払う。
3)米国においていわゆる3倍賠償の判決があったときに3倍分の全額を支払う。
4)米国において3倍賠償の判決があったときに1倍分(すなわち過失分だけ)を支払う。
5)保険を申し込んだ後、他社の特許権について鑑定書を作成するための費用も保険金に含めて支払う。
6)支払う保険金の上限を予め設定しておく。
【0032】
このような保険金の支払に関して、図4に示す申請書(フォーム)に保険金の支払方法を記入する欄を設け、保険金の支払方法に応じて上述した保険掛金の算定の手順の一部を変更してもよい。また、訴訟に必要な弁護士(代理人)費用を保険金の支払対象とする場合には、調査費用、鑑定費用など種々の費用を必要に応じて支払対象として選択することができる。なお、保険機関2は、保険金の支払金額が高額になる可能性がある場合には、他の保険機関の保険(二重保険)に加入することとしてもよい。
【0033】
なお、米国の特許が保険の対象となっている場合には、(被保険者1が特定の他社特許に関して鑑定書を取得している場合であっても)保険掛金が高くなるように上記計算式を設定してもよい。一方、米国以外の特許(例えば日本特許)が保険の対象となっている場合であって、被保険者1が特定の他社特許に関して弁護士あるいは弁理士の鑑定書を取得している場合には、保険掛金を安くなるように上記計算式を設定してもよい。
【0034】
また、ある訴訟における原告及び被告の双方が上述した保険システムに加入しており、その訴訟に対して反訴の提起があった場合(特許権者と侵害者が入れ替わる場合)には、同一の原告及び被告の組合せにおける各訴訟における損害賠償請求額(弁護士費用などの当事者間で相殺できない費用は除く)を相殺した上で保険金が支払われる。
【0035】
上述した例では、サブクラス(B24B)を単位として保険の対象とするIPCを指定した場合を説明したが、セクション、クラス、サブクラス、メイングループ、サブグループのいずれを単位として指定してもよい。例えば、H01L21/304というIPCに対して、「H01」、「H01L」、「H01L21」、「H01L21/304」のいずれを単位として指定してもよい。IPCの範囲が広い場合、例えば、セクションとクラスのみを指定した場合(H01)には、上述した保険掛金は高くなるようにIPC係数が算出される。また、上述の例では、1つのIPCのみを保険の対象として指定した場合を説明したが、これに限らず、複数のIPCを保険の対象として指定することもできる。
【0036】
上述したように、本発明によれば、特許権などの無体財産権の訴訟に関する費用やライセンス契約によって発生する費用に対して、実情に即した分類(上述ではIPC)に基づいて実情に即した適切な保険掛金を算定することができ、この掛金に基づいて上記費用を保険金により補填することが可能となる。また、上述のようにして算定された保険掛金は、実情に即した分類に基づいて算定されているので、実情を反映した適切な無体財産権の価値評価の判断基準としても利用することができる。すなわち、上述の手順により算出された金額を無体財産の価値を示す基準として利用することが可能となる。このようにすれば、実情に即した分類に基づいて特許権などの無体財産権に対する価値評価を算定することができるので、実際の権利の内容に合致した適切な価値評価基準を得ることができる。例えば、特定の技術分野や他社に警戒されている権利者の情報といった無体財産権の独占排他権的要素に基づいて権利の価値評価が算定されるので、特定の技術分野や権利者に対する関心を定量的に表した価値評価基準を得ることができ、無体財産権の価値評価における信頼性を高めることができる。第三者の関心が高い技術分野や権利者に関する無体財産権は、単なる1つの権利であっても、対世的には1つの権利以上の大きな価値(重み)を持つが、本発明によれば、第三者が関心を持つ技術分野や権利者を考慮した適切な価値判断基準を得ることができる。
【0037】
次に、本発明に係る無体財産権に対する保険掛金算定装置の第2の実施形態について説明する。本実施形態は、上述したIPCに加えて、競合する特定企業(特定の権利者)を保険の対象として指定する場合の例である。なお、本実施形態において、上述の第1の実施形態における要素と同一の作用又は機能を有する要素には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0038】
図5は、本発明の第2の実施形態における保険掛金算定装置110のハードウェア構成の一例を示す図である。図5に示すように、本実施形態の保険掛金算定装置110のハードディスク17には、各権利者が保有する特許権の件数をIPCごとに記憶した権利者データベース173が格納されている。このような権利者データベース173の一例を図6に示す。図6に示すように、権利者データベース173には、各国における各権利者(A社、B社、C社等)が保有する特許権の件数がIPCごとに分類されて記憶されている。なお、権利者データベース173に記憶するデータとしては、特許件数(登録件数)に代えて出願件数を使用することもでき、また、1年間の特許件数や出願件数、あるいは数年間の特許件数や出願件数を用いることができる。
【0039】
また、本実施形態では、コンピュータプログラム171がCPU12と協動することによって、上述した分類係数算出ユニット121、掛金算定ユニット122、データ取得ユニット123に加えて、分類係数補正ユニット124が構成される。この分類係数補正ユニット124は、保険の対象とする権利者が保有する特許のうち、保険の対象とするIPCに属する特許の件数を権利者データベース173から取得し、取得された特許件数に基づいて、分類係数算出ユニット121により算出された分類係数を補正するものである。また、本実施形態におけるデータ取得ユニット123は、IPCデータベース172にデータを登録する機能だけではなく、各国の主要な特許庁のウェブサイトから各権利者ごとに出願件数や特許件数を自動的に取得し、取得したデータを権利者データベース173に登録する機能も有する。
【0040】
次に、本実施形態における保険掛金算定装置110を用いて保険掛金を算定する手順について説明する。まず、被保険者1が、図7に示すような申請書(フォーム)に所定のデータを記入して、この申請書を保険機関2に提出する(ステップ10)。図7に示す例では、保険の対象とするIPCの範囲(B24B)と、保険の対象とする国名(日本,アメリカ)と、上記IPCに属する技術分野における製品の単価(2億円)と、この製品の各国ごとの年間販売台数(日本300台、アメリカ100台)と、年間売上金額(日本600億円,アメリカ200億円)と、保険の対象とする権利者名(A社)を記入するようになっている。
【0041】
この申請書を受け取った保険機関2は、申請書に記入されたデータを入力装置13により保険掛金算定装置110に入力する(ステップ11)。データが入力されると、保険掛金算定装置110の分類係数算出ユニット121により、申請書に記載されたIPCに属する技術分野において権利化されたすべての特許件数がIPCデータベース172から取得される(ステップ12)。例えば、第1の実施形態で説明したように、「B24B」について日本300件、アメリカ400件という数値が取得される。
【0042】
そして、分類係数算出ユニット121により、これらの取得された特許件数に基づいて、IPCに対して重み付けされたIPC係数が算出される(ステップ13)。例えば、上記IPCに属する特許件数の1/10000をIPC係数とする。上述した例では、日本のIPC係数CI−JP=0.03、アメリカのIPC係数CI−US=0.04が算出される。
【0043】
次に、分類係数補正ユニット124により、申請書に記載されたIPCに属する技術分野において申請書に記載された権利者の保有する特許件数が権利者データベース173から取得される(ステップ14)。例えば、図6に示す権利者データベース173においては、「A社のB24B」について日本30件、アメリカ100件という数値が取得される。
【0044】
そして、分類係数補正ユニット124により、これらの取得された特許件数に基づいて、補正係数が算出される(ステップ15)。この補正係数は、例えば、対象とするIPCにおける全特許件数(ステップ12で取得された特許件数)に対して、対象とする権利者が該IPCにおいて保有する特許の件数(ステップ14で取得された特許件数)の割合とする。上述した例では、日本の補正係数C −JP=30/300=0.1、アメリカの補正係数CR−US=100/400=0.25が算出される。
【0045】
次に、この補正係数CR−JP,CR−USに基づいて、分類係数算出ユニット121により算出されたIPC係数CI−JP,CI−USが補正される(ステップ16)。例えば、以下の式によりIPC係数が補正される。
Figure 2004070760
【0046】
次に、掛金算定ユニット122により、上記補正後のIPC係数CI1−JP,CI1−USと、申請書に記入され保険掛金算定装置110に入力された売上金額(図7参照、日本での売上金額SJP=600億円、アメリカでの売上金額SUS=200億円)と、所定の基本係数C(例えば10%とする)とに基づいて保険掛金が算定される(ステップ17)。例えば、以下の式により保険掛金が算定される。
Figure 2004070760
【0047】
このようにして算定された保険掛金(0.38億円)を被保険者1が保険機関2に支払うことで、被保険者1と第三者3(上述の例ではA社)との間にトラブル等が生じた場合に、保険機関2から被保険者1に所定金額の保険金が支払われる。
【0048】
ここで、A社とE社との間で生じた特許侵害訴訟を具体例として本実施形態における保険システムを説明する。
【0049】
A社は、米国の半導体製造装置メーカーであって、世界の半導体製造装置市場において総合的に大きなシェアを有している。このA社は、製品を世に出す前に該製品に関する特許出願及び商標登録出願を国内外に出願するという特許戦略をとっており、他社の追随を許さない程の出願件数及び登録件数を誇っている。A社は、自社の特許権及び訴訟交渉能力に絶大な自信を持っているため、本発明に係る保険システムに加入していない。
【0050】
一方、E社は、日本の機械メーカーであって、半導体製造装置の分野で特定の機種について世界的なシェアを有していたが、近年世界1位のシェアをA社に奪われた。半導体製造装置の分野におけるE社の特許出願及び商標登録出願の件数は、A社に比べて少なかったが、自社の製造する半導体製造装置に関して本発明に係る保険システムに加入している。E社が加入している保険は、特定の半導体製造装置Pが含まれるIPC(B24B)を指定し、かつ、業界第1位のA社を保険の対象とするものである。
【0051】
A社は、E社が保有する特許権に関係する技術分野(例えば半導体製造装置の分野)における製品を製造及び販売している。ここで、A社は、E社が保有する特許権の存在を知らないか、もしくは特許権の存在を知っていても自社の製品がE社の特許権を侵害しているとは考えていない(侵害していない旨の鑑定書、特許が無効である旨の鑑定書又は実用新案技術評価書を取得している場合も含む)ものとする。また、話を簡単にするために、A社及びE社がそれぞれ保有する自社特許は自社製品にすべて使用していることとし、A社及びE社ともにそれぞれお互いが保有する日本及び米国の特許権を侵害する半導体製造装置を製造及び販売していることとする。
【0052】
A社の半導体製造装置の客先売上単価は3億円であり、後述する侵害訴訟の提起までにA社が日本及び米国で販売した半導体製造装置の台数は、日本で100台、米国で400台である。すなわち、A社の売上金額は、日本で300億円、米国で1200億円である。また、E社が上記保険において指定したIPC(B24B)において、A社が日本及び米国で保有している特許の件数は、日本で30件、米国で100件である。
【0053】
一方、E社の半導体製造装置の客先売上単価は2億円であり、後述する侵害訴訟の提起までにE社が日本及び米国で販売した半導体製造装置の台数は、日本で300台、米国で100台である。すなわち、E社の売上金額は、日本で600億円、米国で200億円である。また、上記IPC(B24B)において、E社が日本及び米国で保有している特許件数は、日本で20件、米国で50件である。
【0054】
このような条件の下で、上記保険掛金算定装置110を用いてE社が加入する保険の掛金を算定すると、上述したように0.38億円となる。E社はこの金額の保険掛金を保険機関2に支払っている。
【0055】
このような関係のA社とE社において、A社が自社の保有する特許権に基づいてE社に対して侵害訴訟を提起したとする。A社は上記保険システムに加入していないため、保険機関2によって損害賠償金が補填されることはない。一方、E社は上記保険システムに加入しているので、例えば、損害賠償金(800億円)をA社に支払う判決が確定したときには、審査を経て所定の金額の保険金が保険機関2からE社に支払われる。
【0056】
次に、本発明に係る無体財産権に対する保険掛金算定装置の第3の実施形態について説明する。本実施形態は、IPC及び特定の権利者を保険の対象として指定した上で、この特定の権利者に関係する訴訟情報を考慮して保険掛金を算定する場合の例である。なお、本実施形態において、上述の第2の実施形態における要素と同一の作用又は機能を有する要素には同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0057】
図8は、本発明の第3の実施形態における保険掛金算定装置210のハードウェア構成の一例を示す図である。図8に示すように、本実施形態の保険掛金算定装置210のハードディスク17には、各権利者に関連する訴訟情報を記憶した訴訟データベース174が格納されている。例えば、訴訟データベース174には、権利者に関連する前年の特許訴訟の数や過去の特許裁判履歴、損害賠償額の平均値などの訴訟情報が記憶されている。
【0058】
本実施形態における分類係数補正ユニット124は、第2の実施形態で説明した機能に加えて、保険の対象とする権利者に関連する訴訟情報を訴訟データベース174から取得し、取得された訴訟情報に基づいてIPC係数を補正する機能を有する。また、本実施形態におけるデータ取得ユニット123は、IPCデータベース172及び権利者データベース173にデータを登録する機能だけではなく、訴訟データベース174にデータを登録する機能も有する。例えば、日本やアメリカの裁判所のウェブサイトでは特許訴訟についての情報が提供されており、また、アメリカの証券取引所のウェブサイトでは各企業が関係している訴訟の情報が提供されている。本実施形態におけるデータ取得ユニット123は、通信インターフェイス18を介してインターネットに接続し、これらのウェブサイトにおいて提供されている情報を自動的に取得し、取得したデータを上述した訴訟データベース174に登録する機能を有する。
【0059】
次に、本実施形態における保険掛金算定装置210を用いて保険掛金を算定する手順について説明する。まず、被保険者1が、図7に示すものと同様な申請書(フォーム)に所定のデータを記入して、この申請書を保険機関2に提出する(ステップ20)。例えば、第2の実施形態で説明したように、保険の対象とするIPCの範囲(B24B)と、保険の対象とする国名(日本,アメリカ)と、上記IPCに属する技術分野における製品の単価(2億円)と、この製品の各国ごとの年間販売台数(日本300台、アメリカ100台)と、年間売上金額(日本600億円,アメリカ200億円)と、保険の対象とする権利者名(A社)を申請書に記入する。
【0060】
この申請書を受け取った保険機関2は、申請書に記入されたデータを入力装置13により保険掛金算定装置210に入力する(ステップ21)。データが入力されると、保険掛金算定装置210の分類係数算出ユニット121により、申請書に記載されたIPCに属する技術分野において権利化されたすべての特許件数がIPCデータベース172から取得される(ステップ22)。例えば、第1の実施形態で説明したように、「B24B」について日本300件、アメリカ400件という数値が取得される。
【0061】
そして、分類係数算出ユニット121により、これらの取得された特許件数に基づいて、IPCに対して重み付けされたIPC係数が算出される(ステップ23)。例えば、上記IPCに属する特許件数の1/10000をIPC係数とする。上述した例では、日本のIPC係数CI−JP=0.03、アメリカのIPC係数CI−US=0.04が算出される。
【0062】
次に、分類係数補正ユニット124により、申請書に記載されたIPCに属する技術分野において申請書に記載された権利者の保有する特許件数が権利者データベース173から取得される(ステップ24)。例えば、第2の実施形態で説明したように、「A社のB24B」について日本30件、アメリカ100件という数値が取得される。
【0063】
そして、分類係数補正ユニット124により、これらの取得された特許件数に基づいて、補正係数が算出される(ステップ25)。この補正係数は、例えば、対象とするIPCにおける全特許件数(ステップ22で取得された特許件数)に対して、対象とする権利者が該IPCにおいて保有する特許の件数(ステップ24で取得された特許件数)の割合とする。上述した例では、日本の補正係数CR−JP=30/300=0.1、アメリカの補正係数CR−US=100/400=0.25が算出される。
【0064】
次に、この補正係数CR−JP,CR−USに基づいて、分類係数算出ユニット121により算出されたIPC係数CI−JP,CI−USが補正される(ステップ26)。例えば、以下の式によりIPC係数が補正される。
Figure 2004070760
【0065】
次に、分類係数補正ユニット124により、申請書に記載された特定の権利者に関連する訴訟情報が権利者データベース173から取得される(ステップ27)。そして、取得された訴訟情報に基づいて、訴訟係数が算出される(ステップ28)。この訴訟係数は、例えば、保険の対象とする権利者が頻繁に訴訟を起こす(又は起こされる)場合、すなわち保険の対象とする権利者に関連する訴訟件数が多いほど、高くなるように設定される。また、保険の対象とするIPCを考慮してこの訴訟係数を設定することもできる。例えば、IPCに属する技術分野の業界が訴訟解決業界であれば、訴訟が提起される可能性が高いと考えられるため、訴訟係数を高く設定する。なお、この訴訟係数は、上述したIPC係数と同様に、被保険者1に知らしめることとしてもよく、あるいは保険業経営のノウハウとして公開しないこともできる。
【0066】
次に、この訴訟係数に基づいて、上記補正されたIPC係数CI1−JP,CI1−USが補正される(ステップ29)。例えば、日本における訴訟係数CS−JP=1.5、アメリカにおける訴訟係数CS−US=2.0とすると、以下の式によりIPC係数が補正される。
Figure 2004070760
【0067】
次に、掛金算定ユニット122により、上記補正後のIPC係数CI2−JP,CI2−USと、申請書に記入され保険掛金算定装置210に入力された売上金額(日本での売上金額SJP=600億円、アメリカでの売上金額SUS=200億円)と、所定の基本係数C(例えば10%とする)とに基づいて保険掛金が算定される(ステップ30)。
Figure 2004070760
【0068】
このようにして算定された保険掛金(0.67億円)を被保険者1が保険機関2に支払うことで、被保険者1と第三者3(上述の例ではA社)との間にトラブル等が生じた場合に、保険機関2から被保険者1に所定金額の保険金が支払われる。
【0069】
ここで、上述した各実施形態において用いた計算式及び条件は例示であり、上述したものに限られないことは言うまでもない。また、申請書に記入する事項は、上述したものに限られるものではなく、種々の情報を含めることができる。例えば、保険機関2により支払われる保険金の上限額、対象とする製品に関連する分野における裁判件数、保険の対象とするIPCの分野において取得した鑑定書の数、特許調査結果(事前特許調査の有無)、関連製品の実績、知的財産部署の人員構成などを申請書に記入するようにし、これらの付加情報を考慮して上述した保険掛金の算定を行うこととしてもよい。
【0070】
また、本発明に係る無体財産権に対する保険掛金算定装置をWebサーバなどのネットワークサーバに組み込み、保険加入の申請から保険掛金の算定及び保険契約までをインターネットを介して行うようにしてもよい。このようにすれば、被保険者1が保険条件を随時変更することにより、納得できる保険掛金で保険契約を締結することができる。この場合において、電子メールやチャット、インターネットを介したテレビ会議システムなどを用いて保険内容の説明や提案を行うことができる。また、同様に、無体財産権の価値評価を行うサービスをインターネットを介して提供してもよい。
【0071】
なお、上述した保険システムは、あくまで第三者から訴えを提起されたときの損害賠償金や訴訟費用等の補填を行うものであり、被保険者1が自ら裁判を提起して敗訴した場合には保険金の支払いは行われない。ただし、契約によっては、被保険者1が自ら裁判を提起し、勝訴した場合には、特許成立のために必要とした費用や特許を維持するために必要な費用、訴訟費用の一部などを保険金により補填することもできる。
【0072】
上述の各実施形態においては、特許権について説明したが、特許権だけではなく他の無体財産権、例えば、実用新案権、意匠権、商標権、著作権に本発明を適用することもできる。例えば、意匠権に適用する場合の分類としては、日本意匠分類やロカルノ協定に基づく意匠分類を用いることができ、商標権に適用する場合の分類としては、ニース協定に基づく標章の登録のための商品及びサービスの国際分類を用いることができる。
【0073】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る無体財産権に対する保険掛金算定装置によれば、特許権などの無体財産権の訴訟に関する費用やライセンス契約によって発生する費用に対して、実情に即した分類に基づいて実情に即した適切な保険掛金を算定することができ、この掛金に基づいて上記費用を保険金により補填することが可能となる。また、上述のようにして算定された保険掛金は、実情に即した分類に基づいて算定されているので、実情を反映した適切な無体財産権の価値評価の判断基準としても利用することができる。すなわち、算定された保険掛金を無体財産の価値を示す基準として利用することが可能となる。
【0075】
このような無体財産権の価値評価方法によれば、実情に即した分類に基づいて特許権などの無体財産権に対する価値評価を算定することができるので、実際の権利の内容に合致した適切な価値評価基準を得ることができる。例えば、特定の技術分野や他社に警戒されている権利者の情報といった無体財産権の独占排他権的要素に基づいて権利の価値評価が算定されるので、特定の技術分野や権利者に対する関心を定量的に表した価値評価基準を得ることができ、無体財産権の価値評価における信頼性を高めることができる。第三者の関心が高い技術分野や権利者に関する無体財産権は、単なる1つの権利であっても、対世的には1つの権利以上の大きな価値(重み)を持つが、本発明によれば、第三者が関心を持つ技術分野や権利者を考慮した適切な価値判断基準を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無体財産権に対する保険システムを説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における保険掛金算定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図2に示すIPCデータベースの構造の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における申請書を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態における保険掛金算定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図6】図5に示す権利者データベースの構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における申請書を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施形態における保険掛金算定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
1  被保険者
2  保険機関
3  第三者
10,110,210  保険掛金算定装置
12  中央処理演算部(CPU)
13  入力装置
14  表示装置
15  ROM
16  RAM
17  ハードディスク
18  通信インターフェイス
121  分類係数算出ユニット
122  掛金算定ユニット
123  データ取得ユニット
124  分類係数補正ユニット
171  コンピュータプログラム
172  IPCデータベース
173  権利者データベース
174  訴訟データベース

Claims (6)

  1. 無体財産権に関する分類に属する無体財産権の件数を前記分類ごとに記憶した分類データベースと、
    保険の対象とする分類に属する無体財産権の件数を前記分類データベースから取得し、該取得された無体財産権の件数に基づいて、前記保険の対象とする分類に対して重み付けされた分類係数を算出する分類係数算出ユニットと、
    前記保険の対象とする分類に属する製品の売上金額と前記分類係数とに基づいて、前記製品に関する無体財産権の保険の掛金を算定する掛金算定ユニットとを備えたことを特徴とする無体財産権に対する保険掛金算定装置。
  2. 保険の対象とする権利者が保有する無体財産権の件数を前記分類ごとに記憶した権利者データベースと、
    前記権利者が保有する無体財産権のうち、前記保険の対象とする分類に属する無体財産権の件数を前記権利者データベースから取得し、該取得された無体財産権の件数に基づいて、前記分類係数を補正する分類係数補正ユニットとを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の無体財産権に対する保険掛金算定装置。
  3. 前記保険の対象とする権利者に関連する訴訟情報を記憶した訴訟データベースを更に備え、
    前記分類係数補正ユニットは、前記権利者に関連する訴訟情報を前記訴訟データベースから取得し、該取得された訴訟情報に基づいて、前記分類係数を更に補正することを特徴とする請求項2に記載の無体財産権に対する保険掛金算定装置。
  4. 無体財産権に関する分類に属する無体財産権の件数を前記分類ごとに記憶した分類データベースから、評価の対象とする分類に属する無体財産権の件数を取得し、
    該取得された無体財産権の件数に基づいて、前記評価の対象とする分類に対して重み付けされた分類係数を算出し、
    前記評価の対象とする分類に属する製品の売上金額と前記分類係数とに基づいて、前記製品に関する無体財産権の価値を算定することを特徴とする無体財産権の価値評価方法。
  5. 評価の対象とする権利者が保有する無体財産権の件数を前記分類ごとに記憶した権利者データベースから、前記権利者が保有する無体財産権のうち、前記評価の対象とする分類に属する無体財産権の件数を取得し、
    該取得された無体財産権の件数に基づいて、前記分類係数を補正することを特徴とする請求項4に記載の無体財産権の価値評価方法。
  6. 前記評価の対象とする権利者に関連する訴訟情報を記憶した訴訟データベースから、前記権利者に関連する訴訟情報を取得し、
    該取得された訴訟情報に基づいて、前記分類係数を更に補正することを特徴とする請求項5に記載の無体財産権の価値評価方法。
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