JP2004070637A - 資産価値評価システム及び資産価値の評価方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保有資産についての情報を複数の評価者に対して開示して保有資産の適切な評価結果を得ることを目的とするとともに、さらに評価者の評価負担を軽減することにより評価結果を得る実効性を高めることができる資産価値評価のためのシステムを提供する
【解決手段】複数の評価者に対して保有資産に関する情報を開示することにより、これらの評価者からの評価結果を受付けることによって、保有資産についての客観的な評価を了知することができる。また、評価者の評価作業を効率化するために、評価において参考となる情報を同時に送信する。さらに、評価結果を最も効率的に受取れるように、資産保有者等の希望に応じて送信先をグループ化した優先順位を設定することもできる。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の評価者に対して保有資産に関する情報を開示することにより、これらの評価者からの評価結果を受付けることによって、保有資産についての客観的な評価を了知することができる。また、評価者の評価作業を効率化するために、評価において参考となる情報を同時に送信する。さらに、評価結果を最も効率的に受取れるように、資産保有者等の希望に応じて送信先をグループ化した優先順位を設定することもできる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、資産保有者が保有する資産について複数の評価者による資産価値の評価を受付けるための資産価値評価システム及び資産価値の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
企業や個人が保有する資産としては、金融資産、不動産、知的資産などの様々な種類の資産が存在する。これらの資産のうち、例えば株式などの金融資産や土地などの金融資産については、流通マーケットが整備されているために価値評価が行いやすく、資産保有者も自己の資産価値を比較的容易に把握することができる。
【0003】
これに対して、例えば企業を全体として捉えるときのような多様な資産から形成されている集合体の資産価値を把握したい場合や、知的資産のように流通マーケットが未整備の資産価値を把握したい場合は、現状においては価値評価を行うことが困難になっている。
【0004】
このように保有する資産の価値評価が困難であると、次のような問題が生じる。例えば、企業が融資を受けたいと思った場合に、自社の資産状況に対して金融機関からどのような評価を受けられるかを把握できないと、一つの金融機関から融資条件を提示された場合にその条件が妥当か否かを判断することができない。このような場合には複数の金融機関から条件提示を受けることにより妥当な評価を探ることも可能であるが、個別に金融機関を訪問して融資申込を行わなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、例えばある研究者が開発資金の援助を受けたいと思った場合に、自己の有する知的資産の客観的な価値を把握できていないと、一つの企業がその技術内容に注目して資金援助を申し出たとしても、その条件が妥当であるかどうか判断することができない。研究者にとっては、特定の企業から支援を受けるとその企業に以後の活動を束縛されやすくなってしまうため、支援を受ける以上は当該研究の価値について十分な評価を受けることが当然に望ましい。
【0006】
特定の商品やサービスについて広く価格の見積りを集めるための手段としては、いわゆる逆オークション特許(米国特許第5794207号)が知られているが、これはある程度価値の固定した商品やサービスについて最も有利な条件の提供者を選択しようとするものであり、価値が把握しにくい自己の保有資産についての情報を開示して適正な評価を得ようとする本願発明とは、目的及び課題を異にするものである。
【0007】
また、前記の融資申込のケースについては、例えば特開2002−73983及び特開2002−133103には、複数の金融機関に融資を申込む手間を軽減し、かつ最も有利な融資条件を提示した金融機関を選択するための手段について開示されている。これらの発明は、企業の資産に対して融資条件という形で評価を見積もるという意味では、保有資産に対する適正な評価を得るという課題に対する解決手段の一形態とも考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の特開2002−73983及び特開2002−133103に開示された発明は、複数の金融機関に対する融資申込みの手間の軽減や、最適の提示条件を効率的に選択するという点においては効果的であるものの、現実的には以下のような問題を残している。
【0009】
通常、銀行などの金融機関においては日々多くの融資申込みを受付けているため、前記の発明によってインターネット等から融資申込みを受付けたとしても、これらの申込み全てについての情報を分析して融資条件について回答することは、分析作業等にかかる手間の問題から事実上困難である。融資を申し込む側がより有利な条件を得るために、見積りの依頼先として多くの金融機関を指定すればするほどこれらの作業量は増加することとなり、さらに金融機関にとっては無駄になる作業も増加してしまうため、評価結果の回答を尚一層躊躇させる結果となってしまう。
【0010】
このような問題に対処するためには、前記の金融機関のような評価者が評価を行いやすいような情報を併せて提供するとともに、評価者が評価すべき対象資産の件数をなるべく絞り込んで、結果的に無駄になる作業を軽減するよう、評価の依頼先を適切に制御することが望ましい。
【0011】
本発明は、このような課題に対応して、保有資産についての情報を複数の評価者に対して開示して保有資産の適切な評価結果を得ることを目的とするとともに、さらに評価者の評価負担を軽減することにより評価結果を得る実効性を高めることができる資産価値評価のためのシステムを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために、本発明は、資産保有者が保有する資産について複数の評価者による資産価値の評価を受付けるための資産価値評価システムであって、資産保有者が保有する資産に関する資産情報を格納した資産情報格納手段と、前記資産情報の少なくとも一部を抽出して評価情報を作成する評価情報作成手段と、前記評価情報を評価者端末に送信する評価情報送信手段と、を備えることを特徴とする。前記評価者端末から評価結果を受信する評価結果受信手段と、前記評価結果を格納した評価結果格納手段と、を備えていて、前記評価結果は前記資産保有者が資産保有者端末から参照できることを特徴とすることもできる。
【0013】
この発明においては、複数の評価者に対して保有資産に関する情報を開示することにより、これらの評価者からの評価結果を受付けることによって、保有資産についての客観的な評価を了知することができる。
【0014】
ここで「資産情報」には、金融資産、不動産、知的資産など全ての資産を対象とする情報が含まれる。これらの資産は単体を対象とするものであってもよいし、企業の総資産などのように複数の資産から構成されるものを対象とするものであってもよい。また、これらの資産を評価する上で必要な属性情報、例えば個人資産を評価する際には年齢や家族構成などの関連情報も含まれる。「評価情報」は、これらの情報の中から必要な情報を評価用に抽出して加工したものであり、例えば企業における財務諸表や資金繰り表などが含まれる。「評価結果」とはこれらの評価情報から評価者が判定した結果に関する情報であり、資産価値の鑑定価格に限られず、これらを勘案した上で提示される条件、例えば融資の可否や適用金利などの結果情報も含まれる。
【0015】
「評価者端末」はインターネット等の通信ネットワークを通じて評価者が評価情報に関するデータを受信し、評価結果に関するデータを送信できるものであればよく、専用端末、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話などネットワークに接続可能な全ての機器が含まれる。「資産保有者端末」についても同様に、評価結果に関するデータを受信できるネットワークに接続可能な全ての機器が含まれる。
【0016】
また、本発明は、資産価値の評価において参考となる参考情報を格納した参考情報格納手段と、前記評価情報に関連する参考情報を前記参考情報格納手段から抽出する参考情報抽出手段と、前記参考情報から前記評価情報の参考資料として添付する添付情報を作成する添付情報作成手段と、を備えていて、前記評価情報送信手段は前記評価情報とあわせて前記添付情報を前記評価者端末に送信することを特徴とすることもできる。前記参考情報格納手段には、前記評価結果が参考情報として格納されることを特徴としてもよい。
【0017】
より多くの評価結果を得るためには、評価者の評価作業を効率化することが好ましく、そのためにここでは評価において参考となる情報を同時に送信するように構成している。例えば企業評価を行うために財務データを送信する場合であれば、業種平均の財務データなどの参考情報を参照して、この中から該当する業種の平均値などを抽出して、添付情報に用いることができる。本発明にかかる資産価値評価システムで得られた評価結果自体も、資産価値に関するデータとして参考情報とすることができるので、評価結果をフィードバックして参考情報に反映するよう構成することもできる。
【0018】
さらに、本発明は、前記評価者に関する属性情報を格納した評価者情報格納手段と、前記属性情報を参照して前記評価情報の送信先を選択する送信先選択手段と、を備えていて、前記評価情報送信手段は前記送信先選択手段で選択された送信先に対して前記評価情報を送信することを特徴とすることもできる。前記送信先選択手段は、前記評価結果が前記資産保有者の指定した基準を満たさない場合には新たな送信先を選択し、前記評価情報送信手段は、前記新たな送信先に対して前記評価情報を送信することを特徴としてもよい。
【0019】
評価情報を全ての評価者に対して送信するよう構成すると、評価者の母数を増やすことはできるものの、評価者側からは評価対象の件数が膨大となり、評価自体が無駄となるケースも多くなってしまうため、評価結果を返すことを拒まれるために、かえって評価結果を受取る件数が減少してしまうことも考えられる。従って、この構成においては、評価結果の母数を最大にするために適当な評価者を選択して、評価情報を送信することを特徴としている。
【0020】
評価者の選択は、システム上一定のルールを予め定めておいてもよいし、資産保有者が評価者の属性に関する条件を指定して、当該属性を有する評価者を選択するよう構成してもよい。例えば、金融機関に対して企業評価により融資条件を受け付ける場合であれば、金融機関を都市銀行、地方銀行、信用金庫のようにグルーピングして、評価情報の送信先を制御してもよい。
【0021】
この構成においては、第一のグループから適切な評価が得られなかった場合に、第二のグループに対して評価情報を送信するというように、グループ順に送信を制御することもできる。このように制御することにより、評価者の母数を優先度に合わせて絞り込むことで、回答を得る効率を高めることができる。
【0022】
前記資産保有者は企業であり、前記資産情報は前記企業の財務状況に関する情報を含むものであって、前記評価者としての金融機関に前記財務状況に関する情報を送信し、前記評価結果として前記企業に対する融資条件を受信することを特徴とすることもできる。
【0023】
このように構成すると、企業は自社の資産状況の価値を反映した評価結果として融資条件の提示を受けることにより、自社の資金調達力や与信状況を正確に認識することが可能になるとともに、最適な条件を提示した金融機関を選択することも可能になる。
【0024】
前記資産保有者は知的資産を保有する研究者であり、前記資産情報は前記知的資産に関する情報を含むものであって、前記評価者としての研究支援機関に前記知的資産に関する情報を送信し、前記評価結果として前記研究者に対する支援条件を受信することを特徴とすることもできる。
【0025】
このように構成すると、研究者は自己の研究成果の価値を反映した評価結果としての支援条件の提示を受けることにより、自己の有する知的資産の価値や研究テーマに関する期待度を正確に認識することが可能になるとともに、最適な条件を提示できる研究支援機関を選択することも可能になる。
【0026】
ここで「知的資産」とは、研究成果である特許権などの工業所有権、発表した論文などの著作権といった明確に権利化された知的財産権の他に、研究テーマの魅力や研究者に対する期待度など、明確に権利としては表現することはできないが当該研究者の価値と評価できる全ての資産を含むものとする。「研究支援機関」には、公的な研究機関、資金助成機関、企業などの研究者に対して研究環境や研究開発資金を提供する全ての機関が含まれる。また、「支援条件」は主として研究開発に提供する資金支援が該当するが、研究施設の利用などの物理的支援や研究員の派遣などの人的支援も含まれる。
【0027】
尚、本発明は、本発明にかかるそれぞれの構成の資産価値評価システムに対応して、それぞれのシステムを用いた資産価値の評価方法として構成することもできる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は本発明の例示であり、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明にかかる資産価値評価システムの構成を示すブロック図である。図2〜図4は、本発明にかかる資産価値評価システムの、それぞれ第1〜第3の実施形態を示す図である。図5は、本発明にかかる資産価値の評価方法のフローチャートである。
【0030】
図1において、本発明にかかる資産価値評価システム100は、入力処理部110、表示制御部120、資産管理データベース130、評価結果データベース140、送信データ作成部151、送信データ制御部152、送信処理部153、受信処理部160、参考指標データベース170及び評価者データベース180の全部又は一部から構成されている。資産価値評価システム100は、インターネット等の通信ネットワークを通じて、資産保有者端末200及び複数の評価者端末300と接続されている。
【0031】
資産保有者が、自己の保有資産に関連する情報を資産保有者端末200より入力すると、入力処理部110を介して資産管理データベース130にその内容が記録される。資産価値の評価を受けたい場合には、送信データ作成部151において資産管理データベース130から必要な情報を抽出して、フォーマットに則った評価者への送信データが作成されるが、併せて参考指標データベース170から評価の参考となる情報を抽出し、送信データの一部として保有資産に関するデータに添付するよう構成してもよい。
【0032】
作成された送信データは、そのまま予め登録された評価者端末に送信してもよいが、送信データ制御部152において評価者データベース180を参照し、評価依頼を送信する相手先を選択して送信先を決定することとしてもよい。この場合、送信処理部153では選択された送信先に対する送信データの送信処理を行い、該当する評価者端末300に評価依頼のデータが送信される。
【0033】
データを受信した評価者が所定の評価を行うと、評価結果に関するデータを受信処理部160で受信する。そのデータは評価結果データベース140に記録され、資産保有者端末200から表示制御部120を介してこれらのデータを参照することができる。
【0034】
尚、資産管理データベース130や評価結果データベース140に記録された実績データは、以後の評価を行う際の参考データとすることができるように参考指標データベース170に記録することとすれば、本発明にかかる資産価値評価システムにより資産評価を行うに従って、参考データを充実させて評価の質的向上を図ることもできる。
【0035】
以下、具体的な実施形態によりそれぞれの構成部分の機能について説明する。図2は、本発明にかかる資産価値評価システムを用いて、金融機関が中小企業の企業価値を評価して融資条件を提示する例について示している。
【0036】
この場合、資産管理データベース130には中小企業の資産状況を表す財務データが記録されている。これらのデータは財務会計システムにおいて扱われるデータが利用できるため、例えば財務会計システムをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)形式で提供すれば、ここで使用する財務データに関するデータベースを資産管理データベース130として用いることにすればよい。中小企業においては、情報投資額を抑えながら財務会計部門のシステム化を進めるニーズが強いので、ASP形式と連動させると効果的である。
【0037】
評価依頼用の送信データとしては、融資条件の提示を受けるために必要な開示情報として、財務会計システムから必要なデータを抽出して、最新のバランスシートなどの財務諸表や資金繰り表などが作成される。参考指標データベース170には経営指標の統計値を記録したデータベースを用いることにより、業界平均や同業他社との比較データを参考資料として添付すれば、評価者の負担を軽減することができる。
【0038】
これらの送信データは、評価者である金融機関に送信される。ここで評価者を都市銀行、地方銀行などのグループに分けて登録しておくことにより、中小企業側の希望に沿って、例えば最初は都市銀行に絞って送信して条件提示を受け、その条件が不十分な場合は、次に地方銀行に絞って送信して条件提示を受ける、というように段階的な絞込みも可能になる。例えば、融資判断は厳しいが金利などの条件が有利なものから、融資判断は緩いが金利などの条件が不利なものの順にグループを設定して評価依頼を送信すれば、より有利な条件を受けられる金融機関を効率的に探すことも可能になる。
【0039】
図3は、本発明にかかる資産価値評価システムを用いて、金融機関が個人の資産状況を評価して融資条件を提示する例について示している。
【0040】
この場合、資産管理データベース130には個人の資産状況に加えて、与信上必要な家族構成や年齢などの属性情報が記録されている。これらのデータは、カード決済システム等におけるカード保有者の決済情報や個人情報を利用すると効果的である。
【0041】
評価依頼用の送信データとしては、融資条件の提示を受けるために必要な開示情報として、カード決済システムから必要なデータを抽出して、過去のカード決済における実績情報や個人の属性などの信用情報などの資料が作成される。参考指標データベース170にはカード決済の事故情報の統計値を記録したデータベースを用いることにより、事故が起こり易いパターンを参考資料として添付すれば、これを参考に評価者の負担を軽減することができる。
【0042】
これらの送信データは、評価者であるカード会社や消費者金融などの金融機関に送信される。この場合も、金利等の融資条件の有利なものから順に絞込みを行って送信すると、より効果的である。
【0043】
図4は、本発明にかかる資産価値評価システムを用いて、研究支援機関が研究者の研究内容を評価して支援条件を提示する例について示している。
【0044】
この場合、資産管理データベース130には、研究者の過去の研究実績や現在の研究テーマに関する情報が、研究者の有する知的資産を示す情報として記録されていて、これらの情報から評価依頼の情報が作成されて送信される。これに対して、参考指標データベース170には他の研究開発事例についての研究内容やその後の成果等に関する情報が記録されており、これらの情報から評価者に対する参考情報が作成されて添付される。
【0045】
これらの送信データは、評価者である企業や助成機関などの支援機関に送信される。研究者にとっては、資金のみ援助を受けたい場合や人的な援助を受けたい場合、また将来的に特定企業との関係に束縛されることを回避したい場合など様々な希望が生じ得るため、これらに応じた評価者のグループ分けを行うことにより、送信先を制御できることが望ましい。
【0046】
次に、図5を用いて、本発明にかかる資産価値の評価方法のフローを説明する。
【0047】
資産内容に関するデータを入力すると、資産価値評価システムはこれを受信してデータベースに記録する(S01)。資産価値の評価を受けたい場合には、データベースに記録された資産内容に関する情報から必要な情報を抽出し、送信データを作成する(S02)。評価の参考となるデータを添付したい場合は、参考情報が記録されたデータベースから参考指標を抽出し、送信用の参考資料を作成して(S03)、送信データに添付する(S04)。
【0048】
作成された送信データを送信する評価者については、評価者を登録したデータベースから該当する評価者を選択する(S05)。選択した評価者の送信先に対してデータを送信し(S06)、それぞれから評価結果を受信すると(S07)、評価結果に関するデータはデータベースに記録され、本システムの利用者である資産保有者がこれらの評価結果に関するデータを参照する(S08)。
【0049】
資産保有者が評価結果に満足する場合、例えば希望する融資条件の提示を受けることができた場合には、ここで評価が終了する(S10)。一方、評価結果に満足しない場合は、先に選択した送信先とは異なる新たな送信先を選択して(S05)、再度評価を依頼することになる。
【0050】
【発明の効果】
この発明により、資産保有者は保有資産についての情報を複数の評価者に対して開示して評価結果を受け取ることにより、保有資産に対する適切な評価を認識するとともに、評価結果と対応した保有資産に対する最適の条件提示を選択することも可能になる。
【0051】
資産価値を評価する評価者にとっては、評価に関する参考情報等を受取ることや、資産保有者の希望に沿った評価者から順に評価依頼を受付けることにより、評価にかかる負担を軽減するとともに、実需に近い要請から順に対応することができる。その結果、資産保有者にとっても評価結果を受取ることができる確率が高まることにより、より実効性の高い資産価値評価システムとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる資産価値評価システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかる資産価値評価システムの第1の実施形態を示す図である。
【図3】本発明にかかる資産価値評価システムの第2の実施形態を示す図である。
【図4】本発明にかかる資産価値評価システムの第3の実施形態を示す図である。
【図5】本発明にかかる資産価値の評価方法のフローチャートである。
【符号の説明】
100 資産価値評価システム
110 入力処理部
120 表示制御部
130 資産管理データベース
140 評価結果データベース
151 送信データ作成部
152 送信データ制御部
153 送信処理部
160 受信処理部
170 参考指標データベース
180 評価者データベース
200 資産保有者端末
300 評価者端末
【発明の属する技術分野】
本発明は、資産保有者が保有する資産について複数の評価者による資産価値の評価を受付けるための資産価値評価システム及び資産価値の評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
企業や個人が保有する資産としては、金融資産、不動産、知的資産などの様々な種類の資産が存在する。これらの資産のうち、例えば株式などの金融資産や土地などの金融資産については、流通マーケットが整備されているために価値評価が行いやすく、資産保有者も自己の資産価値を比較的容易に把握することができる。
【0003】
これに対して、例えば企業を全体として捉えるときのような多様な資産から形成されている集合体の資産価値を把握したい場合や、知的資産のように流通マーケットが未整備の資産価値を把握したい場合は、現状においては価値評価を行うことが困難になっている。
【0004】
このように保有する資産の価値評価が困難であると、次のような問題が生じる。例えば、企業が融資を受けたいと思った場合に、自社の資産状況に対して金融機関からどのような評価を受けられるかを把握できないと、一つの金融機関から融資条件を提示された場合にその条件が妥当か否かを判断することができない。このような場合には複数の金融機関から条件提示を受けることにより妥当な評価を探ることも可能であるが、個別に金融機関を訪問して融資申込を行わなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、例えばある研究者が開発資金の援助を受けたいと思った場合に、自己の有する知的資産の客観的な価値を把握できていないと、一つの企業がその技術内容に注目して資金援助を申し出たとしても、その条件が妥当であるかどうか判断することができない。研究者にとっては、特定の企業から支援を受けるとその企業に以後の活動を束縛されやすくなってしまうため、支援を受ける以上は当該研究の価値について十分な評価を受けることが当然に望ましい。
【0006】
特定の商品やサービスについて広く価格の見積りを集めるための手段としては、いわゆる逆オークション特許(米国特許第5794207号)が知られているが、これはある程度価値の固定した商品やサービスについて最も有利な条件の提供者を選択しようとするものであり、価値が把握しにくい自己の保有資産についての情報を開示して適正な評価を得ようとする本願発明とは、目的及び課題を異にするものである。
【0007】
また、前記の融資申込のケースについては、例えば特開2002−73983及び特開2002−133103には、複数の金融機関に融資を申込む手間を軽減し、かつ最も有利な融資条件を提示した金融機関を選択するための手段について開示されている。これらの発明は、企業の資産に対して融資条件という形で評価を見積もるという意味では、保有資産に対する適正な評価を得るという課題に対する解決手段の一形態とも考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の特開2002−73983及び特開2002−133103に開示された発明は、複数の金融機関に対する融資申込みの手間の軽減や、最適の提示条件を効率的に選択するという点においては効果的であるものの、現実的には以下のような問題を残している。
【0009】
通常、銀行などの金融機関においては日々多くの融資申込みを受付けているため、前記の発明によってインターネット等から融資申込みを受付けたとしても、これらの申込み全てについての情報を分析して融資条件について回答することは、分析作業等にかかる手間の問題から事実上困難である。融資を申し込む側がより有利な条件を得るために、見積りの依頼先として多くの金融機関を指定すればするほどこれらの作業量は増加することとなり、さらに金融機関にとっては無駄になる作業も増加してしまうため、評価結果の回答を尚一層躊躇させる結果となってしまう。
【0010】
このような問題に対処するためには、前記の金融機関のような評価者が評価を行いやすいような情報を併せて提供するとともに、評価者が評価すべき対象資産の件数をなるべく絞り込んで、結果的に無駄になる作業を軽減するよう、評価の依頼先を適切に制御することが望ましい。
【0011】
本発明は、このような課題に対応して、保有資産についての情報を複数の評価者に対して開示して保有資産の適切な評価結果を得ることを目的とするとともに、さらに評価者の評価負担を軽減することにより評価結果を得る実効性を高めることができる資産価値評価のためのシステムを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
これらの課題を解決するために、本発明は、資産保有者が保有する資産について複数の評価者による資産価値の評価を受付けるための資産価値評価システムであって、資産保有者が保有する資産に関する資産情報を格納した資産情報格納手段と、前記資産情報の少なくとも一部を抽出して評価情報を作成する評価情報作成手段と、前記評価情報を評価者端末に送信する評価情報送信手段と、を備えることを特徴とする。前記評価者端末から評価結果を受信する評価結果受信手段と、前記評価結果を格納した評価結果格納手段と、を備えていて、前記評価結果は前記資産保有者が資産保有者端末から参照できることを特徴とすることもできる。
【0013】
この発明においては、複数の評価者に対して保有資産に関する情報を開示することにより、これらの評価者からの評価結果を受付けることによって、保有資産についての客観的な評価を了知することができる。
【0014】
ここで「資産情報」には、金融資産、不動産、知的資産など全ての資産を対象とする情報が含まれる。これらの資産は単体を対象とするものであってもよいし、企業の総資産などのように複数の資産から構成されるものを対象とするものであってもよい。また、これらの資産を評価する上で必要な属性情報、例えば個人資産を評価する際には年齢や家族構成などの関連情報も含まれる。「評価情報」は、これらの情報の中から必要な情報を評価用に抽出して加工したものであり、例えば企業における財務諸表や資金繰り表などが含まれる。「評価結果」とはこれらの評価情報から評価者が判定した結果に関する情報であり、資産価値の鑑定価格に限られず、これらを勘案した上で提示される条件、例えば融資の可否や適用金利などの結果情報も含まれる。
【0015】
「評価者端末」はインターネット等の通信ネットワークを通じて評価者が評価情報に関するデータを受信し、評価結果に関するデータを送信できるものであればよく、専用端末、パーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話などネットワークに接続可能な全ての機器が含まれる。「資産保有者端末」についても同様に、評価結果に関するデータを受信できるネットワークに接続可能な全ての機器が含まれる。
【0016】
また、本発明は、資産価値の評価において参考となる参考情報を格納した参考情報格納手段と、前記評価情報に関連する参考情報を前記参考情報格納手段から抽出する参考情報抽出手段と、前記参考情報から前記評価情報の参考資料として添付する添付情報を作成する添付情報作成手段と、を備えていて、前記評価情報送信手段は前記評価情報とあわせて前記添付情報を前記評価者端末に送信することを特徴とすることもできる。前記参考情報格納手段には、前記評価結果が参考情報として格納されることを特徴としてもよい。
【0017】
より多くの評価結果を得るためには、評価者の評価作業を効率化することが好ましく、そのためにここでは評価において参考となる情報を同時に送信するように構成している。例えば企業評価を行うために財務データを送信する場合であれば、業種平均の財務データなどの参考情報を参照して、この中から該当する業種の平均値などを抽出して、添付情報に用いることができる。本発明にかかる資産価値評価システムで得られた評価結果自体も、資産価値に関するデータとして参考情報とすることができるので、評価結果をフィードバックして参考情報に反映するよう構成することもできる。
【0018】
さらに、本発明は、前記評価者に関する属性情報を格納した評価者情報格納手段と、前記属性情報を参照して前記評価情報の送信先を選択する送信先選択手段と、を備えていて、前記評価情報送信手段は前記送信先選択手段で選択された送信先に対して前記評価情報を送信することを特徴とすることもできる。前記送信先選択手段は、前記評価結果が前記資産保有者の指定した基準を満たさない場合には新たな送信先を選択し、前記評価情報送信手段は、前記新たな送信先に対して前記評価情報を送信することを特徴としてもよい。
【0019】
評価情報を全ての評価者に対して送信するよう構成すると、評価者の母数を増やすことはできるものの、評価者側からは評価対象の件数が膨大となり、評価自体が無駄となるケースも多くなってしまうため、評価結果を返すことを拒まれるために、かえって評価結果を受取る件数が減少してしまうことも考えられる。従って、この構成においては、評価結果の母数を最大にするために適当な評価者を選択して、評価情報を送信することを特徴としている。
【0020】
評価者の選択は、システム上一定のルールを予め定めておいてもよいし、資産保有者が評価者の属性に関する条件を指定して、当該属性を有する評価者を選択するよう構成してもよい。例えば、金融機関に対して企業評価により融資条件を受け付ける場合であれば、金融機関を都市銀行、地方銀行、信用金庫のようにグルーピングして、評価情報の送信先を制御してもよい。
【0021】
この構成においては、第一のグループから適切な評価が得られなかった場合に、第二のグループに対して評価情報を送信するというように、グループ順に送信を制御することもできる。このように制御することにより、評価者の母数を優先度に合わせて絞り込むことで、回答を得る効率を高めることができる。
【0022】
前記資産保有者は企業であり、前記資産情報は前記企業の財務状況に関する情報を含むものであって、前記評価者としての金融機関に前記財務状況に関する情報を送信し、前記評価結果として前記企業に対する融資条件を受信することを特徴とすることもできる。
【0023】
このように構成すると、企業は自社の資産状況の価値を反映した評価結果として融資条件の提示を受けることにより、自社の資金調達力や与信状況を正確に認識することが可能になるとともに、最適な条件を提示した金融機関を選択することも可能になる。
【0024】
前記資産保有者は知的資産を保有する研究者であり、前記資産情報は前記知的資産に関する情報を含むものであって、前記評価者としての研究支援機関に前記知的資産に関する情報を送信し、前記評価結果として前記研究者に対する支援条件を受信することを特徴とすることもできる。
【0025】
このように構成すると、研究者は自己の研究成果の価値を反映した評価結果としての支援条件の提示を受けることにより、自己の有する知的資産の価値や研究テーマに関する期待度を正確に認識することが可能になるとともに、最適な条件を提示できる研究支援機関を選択することも可能になる。
【0026】
ここで「知的資産」とは、研究成果である特許権などの工業所有権、発表した論文などの著作権といった明確に権利化された知的財産権の他に、研究テーマの魅力や研究者に対する期待度など、明確に権利としては表現することはできないが当該研究者の価値と評価できる全ての資産を含むものとする。「研究支援機関」には、公的な研究機関、資金助成機関、企業などの研究者に対して研究環境や研究開発資金を提供する全ての機関が含まれる。また、「支援条件」は主として研究開発に提供する資金支援が該当するが、研究施設の利用などの物理的支援や研究員の派遣などの人的支援も含まれる。
【0027】
尚、本発明は、本発明にかかるそれぞれの構成の資産価値評価システムに対応して、それぞれのシステムを用いた資産価値の評価方法として構成することもできる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態は本発明の例示であり、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
【0029】
図1は、本発明にかかる資産価値評価システムの構成を示すブロック図である。図2〜図4は、本発明にかかる資産価値評価システムの、それぞれ第1〜第3の実施形態を示す図である。図5は、本発明にかかる資産価値の評価方法のフローチャートである。
【0030】
図1において、本発明にかかる資産価値評価システム100は、入力処理部110、表示制御部120、資産管理データベース130、評価結果データベース140、送信データ作成部151、送信データ制御部152、送信処理部153、受信処理部160、参考指標データベース170及び評価者データベース180の全部又は一部から構成されている。資産価値評価システム100は、インターネット等の通信ネットワークを通じて、資産保有者端末200及び複数の評価者端末300と接続されている。
【0031】
資産保有者が、自己の保有資産に関連する情報を資産保有者端末200より入力すると、入力処理部110を介して資産管理データベース130にその内容が記録される。資産価値の評価を受けたい場合には、送信データ作成部151において資産管理データベース130から必要な情報を抽出して、フォーマットに則った評価者への送信データが作成されるが、併せて参考指標データベース170から評価の参考となる情報を抽出し、送信データの一部として保有資産に関するデータに添付するよう構成してもよい。
【0032】
作成された送信データは、そのまま予め登録された評価者端末に送信してもよいが、送信データ制御部152において評価者データベース180を参照し、評価依頼を送信する相手先を選択して送信先を決定することとしてもよい。この場合、送信処理部153では選択された送信先に対する送信データの送信処理を行い、該当する評価者端末300に評価依頼のデータが送信される。
【0033】
データを受信した評価者が所定の評価を行うと、評価結果に関するデータを受信処理部160で受信する。そのデータは評価結果データベース140に記録され、資産保有者端末200から表示制御部120を介してこれらのデータを参照することができる。
【0034】
尚、資産管理データベース130や評価結果データベース140に記録された実績データは、以後の評価を行う際の参考データとすることができるように参考指標データベース170に記録することとすれば、本発明にかかる資産価値評価システムにより資産評価を行うに従って、参考データを充実させて評価の質的向上を図ることもできる。
【0035】
以下、具体的な実施形態によりそれぞれの構成部分の機能について説明する。図2は、本発明にかかる資産価値評価システムを用いて、金融機関が中小企業の企業価値を評価して融資条件を提示する例について示している。
【0036】
この場合、資産管理データベース130には中小企業の資産状況を表す財務データが記録されている。これらのデータは財務会計システムにおいて扱われるデータが利用できるため、例えば財務会計システムをASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)形式で提供すれば、ここで使用する財務データに関するデータベースを資産管理データベース130として用いることにすればよい。中小企業においては、情報投資額を抑えながら財務会計部門のシステム化を進めるニーズが強いので、ASP形式と連動させると効果的である。
【0037】
評価依頼用の送信データとしては、融資条件の提示を受けるために必要な開示情報として、財務会計システムから必要なデータを抽出して、最新のバランスシートなどの財務諸表や資金繰り表などが作成される。参考指標データベース170には経営指標の統計値を記録したデータベースを用いることにより、業界平均や同業他社との比較データを参考資料として添付すれば、評価者の負担を軽減することができる。
【0038】
これらの送信データは、評価者である金融機関に送信される。ここで評価者を都市銀行、地方銀行などのグループに分けて登録しておくことにより、中小企業側の希望に沿って、例えば最初は都市銀行に絞って送信して条件提示を受け、その条件が不十分な場合は、次に地方銀行に絞って送信して条件提示を受ける、というように段階的な絞込みも可能になる。例えば、融資判断は厳しいが金利などの条件が有利なものから、融資判断は緩いが金利などの条件が不利なものの順にグループを設定して評価依頼を送信すれば、より有利な条件を受けられる金融機関を効率的に探すことも可能になる。
【0039】
図3は、本発明にかかる資産価値評価システムを用いて、金融機関が個人の資産状況を評価して融資条件を提示する例について示している。
【0040】
この場合、資産管理データベース130には個人の資産状況に加えて、与信上必要な家族構成や年齢などの属性情報が記録されている。これらのデータは、カード決済システム等におけるカード保有者の決済情報や個人情報を利用すると効果的である。
【0041】
評価依頼用の送信データとしては、融資条件の提示を受けるために必要な開示情報として、カード決済システムから必要なデータを抽出して、過去のカード決済における実績情報や個人の属性などの信用情報などの資料が作成される。参考指標データベース170にはカード決済の事故情報の統計値を記録したデータベースを用いることにより、事故が起こり易いパターンを参考資料として添付すれば、これを参考に評価者の負担を軽減することができる。
【0042】
これらの送信データは、評価者であるカード会社や消費者金融などの金融機関に送信される。この場合も、金利等の融資条件の有利なものから順に絞込みを行って送信すると、より効果的である。
【0043】
図4は、本発明にかかる資産価値評価システムを用いて、研究支援機関が研究者の研究内容を評価して支援条件を提示する例について示している。
【0044】
この場合、資産管理データベース130には、研究者の過去の研究実績や現在の研究テーマに関する情報が、研究者の有する知的資産を示す情報として記録されていて、これらの情報から評価依頼の情報が作成されて送信される。これに対して、参考指標データベース170には他の研究開発事例についての研究内容やその後の成果等に関する情報が記録されており、これらの情報から評価者に対する参考情報が作成されて添付される。
【0045】
これらの送信データは、評価者である企業や助成機関などの支援機関に送信される。研究者にとっては、資金のみ援助を受けたい場合や人的な援助を受けたい場合、また将来的に特定企業との関係に束縛されることを回避したい場合など様々な希望が生じ得るため、これらに応じた評価者のグループ分けを行うことにより、送信先を制御できることが望ましい。
【0046】
次に、図5を用いて、本発明にかかる資産価値の評価方法のフローを説明する。
【0047】
資産内容に関するデータを入力すると、資産価値評価システムはこれを受信してデータベースに記録する(S01)。資産価値の評価を受けたい場合には、データベースに記録された資産内容に関する情報から必要な情報を抽出し、送信データを作成する(S02)。評価の参考となるデータを添付したい場合は、参考情報が記録されたデータベースから参考指標を抽出し、送信用の参考資料を作成して(S03)、送信データに添付する(S04)。
【0048】
作成された送信データを送信する評価者については、評価者を登録したデータベースから該当する評価者を選択する(S05)。選択した評価者の送信先に対してデータを送信し(S06)、それぞれから評価結果を受信すると(S07)、評価結果に関するデータはデータベースに記録され、本システムの利用者である資産保有者がこれらの評価結果に関するデータを参照する(S08)。
【0049】
資産保有者が評価結果に満足する場合、例えば希望する融資条件の提示を受けることができた場合には、ここで評価が終了する(S10)。一方、評価結果に満足しない場合は、先に選択した送信先とは異なる新たな送信先を選択して(S05)、再度評価を依頼することになる。
【0050】
【発明の効果】
この発明により、資産保有者は保有資産についての情報を複数の評価者に対して開示して評価結果を受け取ることにより、保有資産に対する適切な評価を認識するとともに、評価結果と対応した保有資産に対する最適の条件提示を選択することも可能になる。
【0051】
資産価値を評価する評価者にとっては、評価に関する参考情報等を受取ることや、資産保有者の希望に沿った評価者から順に評価依頼を受付けることにより、評価にかかる負担を軽減するとともに、実需に近い要請から順に対応することができる。その結果、資産保有者にとっても評価結果を受取ることができる確率が高まることにより、より実効性の高い資産価値評価システムとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる資産価値評価システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明にかかる資産価値評価システムの第1の実施形態を示す図である。
【図3】本発明にかかる資産価値評価システムの第2の実施形態を示す図である。
【図4】本発明にかかる資産価値評価システムの第3の実施形態を示す図である。
【図5】本発明にかかる資産価値の評価方法のフローチャートである。
【符号の説明】
100 資産価値評価システム
110 入力処理部
120 表示制御部
130 資産管理データベース
140 評価結果データベース
151 送信データ作成部
152 送信データ制御部
153 送信処理部
160 受信処理部
170 参考指標データベース
180 評価者データベース
200 資産保有者端末
300 評価者端末
Claims (10)
- 資産保有者が保有する資産について複数の評価者による資産価値の評価を受付けるための資産価値評価システムであって、
資産保有者が保有する資産に関する資産情報を格納した資産情報格納手段と、
前記資産情報の少なくとも一部を抽出して評価情報を作成する評価情報作成手段と、
前記評価情報を評価者端末に送信する評価情報送信手段と、
を備えることを特徴とする資産価値評価システム。 - 前記評価者端末から評価結果を受信する評価結果受信手段と、
前記評価結果を格納した評価結果格納手段と、を備えていて、
前記評価結果は前記資産保有者が資産保有者端末から参照できることを特徴とする請求項1記載の資産価値評価システム。 - 資産価値の評価において参考となる参考情報を格納した参考情報格納手段と、
前記評価情報に関連する参考情報を前記参考情報格納手段から抽出する参考情報抽出手段と、
前記参考情報から前記評価情報の参考資料として添付する添付情報を作成する添付情報作成手段と、を備えていて、
前記評価情報送信手段は前記評価情報とあわせて前記添付情報を前記評価者端末に送信することを特徴とする請求項1又は2記載の資産価値評価システム。 - 前記参考情報格納手段には、前記評価結果が参考情報として格納されることを特徴とする請求項3記載の資産価値評価システム。
- 前記評価者に関する属性情報を格納した評価者情報格納手段と、
前記属性情報を参照して前記評価情報の送信先を選択する送信先選択手段と、を備えていて、
前記評価情報送信手段は前記送信先選択手段で選択された送信先に対して前記評価情報を送信することを特徴とする請求項1乃至4記載の資産評価システム。 - 前記送信先選択手段は、前記評価結果が前記資産保有者の指定した基準を満たさない場合には新たな送信先を選択し、
前記評価情報送信手段は、前記新たな送信先に対して前記評価情報を送信することを特徴とする請求項5記載の資産価値評価システム。 - 前記資産保有者は企業であり、
前記資産情報は前記企業の財務状況に関する情報を含むものであって、
前記評価者としての金融機関に前記財務状況に関する情報を送信し、
前記評価結果として前記企業に対する融資条件を受信することを特徴とする請求項2乃至6記載の資産評価システム。 - 前記資産保有者は知的資産を保有する研究者であり、
前記資産情報は前記知的資産に関する情報を含むものであって、
前記評価者としての研究支援機関に前記知的資産に関する情報を送信し、
前記評価結果として前記研究者に対する支援条件を受信することを特徴とする請求項2乃至6記載の資産評価システム。 - 資産保有者が保有する資産について複数の評価者による資産価値の評価を受付けるための資産価値の評価方法であって、
資産保有者が保有する資産に関する資産情報をコンピュータに格納するステップと、
コンピュータが前記資産情報の少なくとも一部を抽出して評価情報を作成するステップと、
コンピュータが前記評価情報を評価者端末に送信するステップと、
を有することを特徴とする資産価値の評価方法。 - 資産価値の評価において参考となる参考情報をコンピュータに格納するステップと、
コンピュータが前記評価情報に関連する参考情報を抽出するステップと、
前記参考情報から前記評価情報の参考資料として添付する添付情報を作成するステップと、
前記評価情報とあわせて前記添付情報を前記評価者端末に送信するステップと、
を有することを特徴とする請求項9記載の資産価値の評価方法。
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- 2002-08-06 JP JP2002228479A patent/JP2004070637A/ja active Pending
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