JP2004069463A - プラスチックフィルムのガス透過度測定方法、この測定方法に用いる測定装置及びこの測定方法を用いたガス透過度測定用プログラム - Google Patents

プラスチックフィルムのガス透過度測定方法、この測定方法に用いる測定装置及びこの測定方法を用いたガス透過度測定用プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】測定準備、手順が簡単な作業で済み、しかも測定精度も従来の手法に比して極めて高精度な方法でプラスチックフィルムのガス透過度を測定する。
【解決手段】被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる質量及び表面積が既知の被試験フィルム袋3にガスXを封入し、温度が管理され被試験フィルム袋の内圧と同等の圧力となるようにガスXとは異なるガスYで満たされた恒温器1内で、温度を一定に維持しつつ、時系列上で複数回に渡ってガスの入った被試験フィルム袋3の質量を電子秤2によって測定し、この測定結果と被試験フィルム袋のみの質量及び表面積との関係から、コンピュータ4によりガスXに係わる透過度を演算する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルムを透過する種々のガス(気体)の透過度を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法とその測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルムは、食品の保存容器を始めとして広範囲の用途に使用され、次々と新しい素材が開発されている。ガス透過性はこれらのフィルムの性能や品質を知る上で重要な特性であり、種々の方式の測定装置が各国で開発・製品化されている。
【0003】
ガス透過度を測定する方法として知られているのは、一般ガスの場合、差圧法、等圧法、小袋法の3つである。また、水蒸気の場合には、カップ法、感湿センサー法、赤外センサー法、容器測定方法がある。
【0004】
フィルムの気体透過度を測定するためには、通常JIS(Japanese Industrial Standard:日本工業規格)に定められている差圧法または等圧法が用いられる(プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法:JIS K 7126、プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法:JIS K 7129、防湿包装容器の透湿度試験方法:JIS Z 0222、防湿包装材料の透湿度試験方法:JIS Z 0208)。
【0005】
差圧法は、試験片によって隔てられた一方を真空に保ち、もう一方に試験ガスを導入し、低圧側の圧力増加によりガス透過量を求める方法である。等圧法は、試験片によって隔てられた一方に試験ガスを供給し、もう一方には等圧でキャリアーガスを流し、透過したガス量を何らかのガス検知器またはガスクロマトグラフを用いて測定する方法である。差圧法や等圧法に基づく測定装置は、古くから開発、製品化されているが、どちらの方法も測定部に取り付けた試験片の周囲を完全にシールする必要があり、測定装置自体も複雑になっている。
【0006】
一方、小袋法による測定方法は1990年に論文発表され(井上俊夫、石谷孝佑:ガス置換包装における酸素濃度、体積の経時変化、包装研究Vol.11, No.1(1990)、p.21−27)、測定したいガスを密封した袋を測定したい雰囲気の中に放置し、内部のガス濃度の変化と袋の体積変化を見るというものである。この小袋法は、ガス透過度の測定に供されるフィルムを実際に製品として使用する際に、袋状に加工した密閉容器形状とし、例えば食品などを封入して使用することが多いことから、袋の構造も含めた実際の使用状態に対応した試験及び評価が可能であり、応用範囲が広いと考えられている。
【0007】
しかしながら、気体の濃度変化と袋の体積変化の両方を測定する必要がある。体積変化は、例えば袋を水中に沈めて水位の上昇により求め、濃度変化は、例えばガスクロマトグラフを用いて求める。したがって、密閉した袋を直接測定するという利点が生かされず、現在のところ測定装置の製品化には至っていない。
【0008】
また、ガスセンサーを使わない方法であるカップ法と容器測定方法は、いずれも容器または袋内に透過した水蒸気による吸湿材の重量増加を測定する方法であり、測定は水蒸気に限定される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来のプラスチックフィルムのガス透過度測定方法では、測定準備、手順が煩雑で、測定装置の複雑化を招いている。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、測定準備、手順が簡単な作業で済み、しかも測定精度も従来の手法に比して極めて高精度なプラスチックフィルムのガス透過度測定方法、この測定方法に用いる測定装置及びこの測定方法を用いたガス透過度測定用プログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係るプラスチックフィルムのガス透過度測定方法は、被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる質量及び表面積が既知の被試験フィルム袋にガスXを封入し、温度が管理され前記被試験フィルム袋の内圧と同等の圧力となるように前記ガスXとは異なるガスYで満たされた密閉容器内で、温度を一定に維持しつつ、時系列上で複数回に渡って前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を測定し、この測定結果と前記被試験フィルム袋のみの質量及び表面積との関係から前記ガスXに係わる透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)を求めることを特徴とする。
【0012】
具体的には、以下の手法に基づいて、演算処理装置のプログラム処理によって行うものとする。
【0013】
(1)被試験プラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスYの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
λ を求める計算式
λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をR、K =k RTAとして、
 =(λ K  +K )/(RTA)
を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスYの透過度k を求めることを特徴とする。
【0014】
(2)被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ でガスYが満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
λ を求める計算式
λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をR、K =k RTAとして、 λ >0の場合には、
 ={−1+(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
を演算し、
λ <0の場合には、
 ={−1±(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
を演算することより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k を求めることを特徴とする。
【0015】
(3)被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] (但し、k >>k )を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
λ を求める計算式
λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をRとして、
 =−1/(λ RTA)
を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k (k >>k )を近似的に求めることを特徴とする。
【0016】
(4)被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] (但し、k >>k )を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg]を計測し、
時刻t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 を次式から求め、
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
気体定数をRとして、
 =(Vx −Vx )/{(t −t )RTA}
を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k (k >>k )を近似的に求めることを特徴とする。
【0017】
(5)被試験プラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] 、ガスYの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる第1及び第2の被試験フィルム袋を用意してそれぞれの被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 、m′[kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] 、A′[m] を測定しておき、
前記第1の被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記第1の被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った第1の被試験フィルム袋のm [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
前記第2の被試験フィルム袋に前記ガスYを密度ρ′で封入し、前記ガスXが前記第2の被試験フィルム袋内の内圧と同一の圧力P′[Pa] となるように密度ρ′で満たされ、かつ測定温度T′(但し、T′=T)[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t′[s] ,t′[s] ,t′[s] における前記ガスの入った第2の被試験フィルム袋の質量m′[kg] ,m′[kg] ,m′[kg] を計測し、
時刻t ,t ,t における第1の被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
λ を求める計算式
λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
に上の結果を代入してλ を求め、
時刻t′,t′,t′における第2の被試験フィルム袋内のガスYの体積Vy0′,Vy1′,Vy2′を次式から求め、
y0′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
y1′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
y2′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
λ を求める計算式
Figure 2004069463
に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をRとして、
λ >0かつλ <0の場合には、
 =−1/(λ RTA)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
 =−1/(λ RTA′)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
を演算し、
λ <0かつλ >0の場合には、
 =−1/(λ RTA)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
 =−1/(λ RTA′)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
を演算することによりガスXの透過度k 及びガスYの透過度k を求めることを特徴とする。
【0018】
(6)前記ガスXの飽和蒸気圧が大気圧より低い場合、前記被試験フィルム袋内の飽和蒸気圧が前記密閉容器内の圧力より高くなるように当該密閉容器内を減圧することを特徴とする。
【0019】
(7)被試験プラスチックフィルムについて、常温で飽和蒸気圧が大気圧より低いガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
前記被試験フィルム袋に前記ガスXを蒸気圧が飽和状態となるように一部液体の状態にて封入し、常温で飽和蒸気圧が大気圧より高いガスYが満たされ、かつ測定温度を任意に制御可能な密閉容器内で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を計測可能とし、
前記密閉容器の内部温度をT [K]、圧力を大気圧に等しいP [Pa] (ガスXの飽和蒸気圧Px0 [Pa] 、ガスXの密度ρx0 、ガスYの密度ρy0 )とする状態0で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
前記密閉容器の内部温度をT [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px1 [Pa] 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 )とする状態1で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
状態1から前記密閉容器の内部温度T [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px1 [Pa] 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 )を維持しつつ所定時間t[s] 経過後の状態2で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
状態2の測定後、前記密閉容器の内部温度をT [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px3 [Pa] )とする状態3で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
状態1における試験フィルム袋内の液体及び気体の全質量を次式から求め、
x1+ρx1x1 =m−m+(m−m)(P/Px0−1)/(P/Px0−P/Px1
状態2における試験フィルム袋内の液体及び気体の全質量を次式から求め、
x2+ρx2x2 =m−m+(m−m)(P/Px2−1)/(P/Px2−P/Px3
上式の演算結果を次式に代入して、
={(mx1+ρx1x1)−(mx2+ρx2x2)}/(tPA)
を演算することによりガスXの透過度k を求めることを特徴とする。
【0020】
(8)前記質量の測定は、測定場所における重力加速度に基づいて測定値を修正することを特徴とする。
【0021】
上記測定方法の実施に用いる測定装置は、前記密閉容器として用いられ、内部温度制御手段及びガス充填手段を備える恒温器と、この恒温器内に設けられ、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を測定する電子秤と、予め(1)乃至(7)いずれかの演算処理プログラムが組み込まれ、前記測定結果を入力することにより、試験ガスの透過度測定値を求める演算処理装置とを具備することを特徴とする。
【0022】
上記測定装置にあっては、さらに、前記恒温器に対して前記内部温度制御手段を通じて内部温度を測定温度に設定し、前記電子秤から所定時刻の質量測定値を取得する測定自動化手段を備えることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
図1は本発明に係るプラスチックフィルムのガス透過度測定方法の実施に用いる測定装置の構成を示す概略図である。図1において、1は内部を密閉可能とする恒温器であり、この恒温器1の内部には精密電子秤2が配置される。試験体載置構造のものでもよいが、台の上に置くと表面の一部がガスの透過に利用できなくなり、有効表面積の計算が困難になるため、全表面がガス透過に供される吊り下げ式の方が高い測定精度が得られると考えられる。このため、当該実施形態では、恒温器1の内部上面に吊り下げ式の電子秤2を取り付け、その吊り下げワイヤーフックに試験体(ガスを封入した試験フィルム袋)3が吊り下げられるようにする。尚、恒温器1は、試験体3の体積に対して十分大きい容積を有し、内部温度、圧力を所定値に制御するための温度・圧力制御部、内部にガスを充填するためのガス充填制御部を備えているものとする。
【0025】
上記電子秤2は、インターフェース(図示せず)を通じてパーソナルコンピュータ(PC)4に接続される。このパーソナルコンピュータ4は、予め本発明による測定方法に基づく測定値収集、演算処理のプログラムがインストールされ、当該プログラムの実行時には、所要データのインプット後、試験開始を指定することで、電子秤2から所定時刻の質量を計測し、計算式にインプットして最終的に試験体3のガス透過度を求める。
【0026】
以下、上記測定装置を用いて、プラスチックフィルムのガス透過度を測定する方法を、一般のドライガスの場合と、飽和蒸気圧が大気圧より低いガスの場合とに分けて説明する。
【0027】
(一般のドライガスの場合)
図2に示す処理手順に従って、ある厚さのプラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] 及びガスYの透過度k [mol/msPa] を同時に測定する場合と、透過度k が既知である場合に透過度k を測定する場合を説明する。ガスX及びYは、例として、それぞれ酸素及び窒素であるものとする。
【0028】
まず、試験フィルムを袋状に加工した試験体(以下、試験フィルム袋)3を用意し、袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に関わる全表面積A[m] を予め測定する(ステップS1)。次に、試験フィルム袋3にガスXを適量入れて密封する(ガスXの密度ρ )(ステップS2)。その際、ガスYが混入しても差し支えない。ガスXの封入量は、試験環境温度圧力条件において、試験中3に袋に圧力がかからない程度の量とする。すなわち、袋3の内圧と恒温器1内の圧力は常に同一であるようにする。
【0029】
但し、試験フィルム袋3の内面同士が接触しない程度に十分なガスを封入する。あるいは、試験フィルム袋3の内面が接触しないように、袋3の中に本測定に影響を与えないような不織布や構造物を入れて隙間を設けてもよい。その場合には、ガスが透過する面積を変えないように、また、ガスの透過に伴って袋3の中が負圧になることのないように注意する。
【0030】
続いて、図3(a)に示すように、恒温器1の内部に設置した電子秤2にガスの入った試験フィルム袋3を吊し、ガスYのみを満たして(圧力P[Pa] 、密度ρ )、測定温度T[K] で保持するようにセットする(ステップS3)。このとき、恒温器1内の容積は袋3の体積と比べて十分に大きく、恒温器1内の圧力は通常大気圧に等しい。
【0031】
以上の準備完了後、恒温器1内の温度と試験フィルム袋3内のガス温度が平衡し、ガス透過が定常状態になるまで適当な時間放置する(ステップS4)。これは、ガス透過の時間遅れによる誤差を防ぐ意味もある。
【0032】
測定開始時の時刻をt [s] (状態0:図3(a))として電子秤2によりガスの入った試験フィルム袋3の質量m [kg] を測定し、同様に適当な間隔で時刻t [s] (状態1:図3(b))及びt [s] (状態2:図3(c))における質量m [kg]、m [kg] を測定する(ステップS5)。この測定では、測定場所における重力加速度の違いは補正されているものとする。
【0033】
ここで、ガスX,Yの透過度が共に未知の場合、ガスX,Yを入れ替えて、ステップS1〜S5と同様の処理を行う。
【0034】
すなわち、ステップS1′において、試験フィルム袋3′のみの質量m′[kg] 及び全表面積A′[m] を測定し、ステップS2′において、試験フィルム袋3′にガスYを適量入れて密封し(ガスYの密度ρ )、ステップS3′において、電子秤2に試験フィルム袋3′を吊し、ガスXのみを満たして(圧力P[Pa]、密度ρ )、測定温度T[K] で保持する。
【0035】
以上の準備完了後、ステップS4′において、恒温器1内の温度と試験フィルム袋3′内のガス温度が平衡し、ガス透過が定常状態になるまで適当な時間放置した後、ステップS5′において、時刻t′[s] (状態0′:図3(a′))、t [s] (状態1′:図3(b′))、t [s] (状態2′:図3(c′))において、電子秤2によりガスの入った試験フィルム袋3′の質量m′[kg] 、m′[kg]、m′[kg] を測定する(ステップS5)。この測定においても、測定場所における重力加速度の違いは補正されているものとする。
【0036】
上記測定完了後、パーソナルコンピュータ4に透過度測定プログラムを実行させ、測定結果を入力してガスX、ガスYの透過度を計算させる(ステップS6)。以上により、一連の測定手順を終了する。
【0037】
ここで、以上の測定値及び所要値から、ガス透過度を求める計算式について説明する。
【0038】
温度T、圧力Pにおける、袋3内のガスX及びガスYの密度をρ 、ρ とし、ガスX及びYの体積をそれぞれV 、V とする。恒温器1内でガスの入った袋3の質量を測定すると、浮力の原理により、流入してきたガスYの質量は浮力と相殺され、ガスXの質量は両ガスの分子量の差に比例した値を示すため、ガスXの体積V のみを求めることができる。したがって、時刻t ,t ,t におけるガスの入った袋3内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 は次のようになる。
【0039】
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )           …(1a)
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )           …(1b)
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )           …(1c)
一方、ガスの体積V 、V と透過度k 、k の間には次のような関係がある。
dV /dt=−K V /(V +V )        …(2a)
dV /dt=−K {V /(V +V )−1}     …(2b)
但し、気体定数をRとして、
 =k RTA                   …(3a)
 =k RTA                   …(3b)
とする。
【0040】
式(2a)、(2b)より、
 −Vy0 =−(K /K )(V −Vx0 )       …(4)
が得られ、式(2a)、(2b)をV について解くと、最終的に次の結果を得る。
t=λ V −C logV +C            …(5)
但し、
λ =(K −K )/K                …(6)
とする。
【0041】
定数C 、C 、λ は異なる時刻t 、t 、t における3組の測定値から決定される。このうちλ は、次式により求められる。
λ ={a(t −t )−b(t −t }/(aVx1 −bVx2 −cVx0 ) …(7)
但し、
a=logVx0 −logVx2                 …(8a)
b=logVx0 −logVx1                 …(8b)
c=logVx1 −logVx2                 …(8c)
とする。
【0042】
以下、ガスXの透過度k とガスYの透過度k の相互関係により以下の6つの場合にわけて解法を述べる。
【0043】
(1)透過度k が既知の場合
この場合は、次式によりガスYの透過度k が求められる。
 =(λ K  +K )/(RTA)           …(9)
(2)透過度k が既知であり、かつλ >0の場合
この場合は、次式によりガスXの透過度k が求められる。
 ={−1+(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)   …(10)
(3)透過度k が既知であり、かつλ <0の場合
この場合は、次式によりガスXの透過度k が求められる。
 ={−1±(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)   …(11)
(4)透過度k が既知であり、かつk >>k の場合
この場合は、次式によりガスXの透過度k が近似的に求められる。
 =−1/(λ RTA)               …(12)
(5)透過度k が既知であり、かつk >>k であり、かつ袋3内にガスXのみが封入されている場合
この場合は、時刻t 、t における2回の計測値により、次式によりガスXの透過度k が近似的に求められる。
 =(Vx −Vx )/(t RTA)          …(13)
(6)k とk の両方が未知の場合
この場合は、続けてガスXとYを入れ換えて同様の測定を行う。すなわち、ガスYを封入した試験フィルム袋3′(圧力P′、密度ρ′)を恒温器1の中に設置された電子秤2にセットし、ガスXのみを満たし(圧力P′、密度ρ′)、測定温度T′に保持させる。試験フィルム袋3′内にガスXが混入しても差し支えない。
【0044】
尚、袋3′のみの質量m′及び全表面積A′を予め測定しておく。ここで、m′、A′、P′は、m 、A 、Pと異なっていてもかまわないが、恒温器1内の温度T′はTと同一とする。前回と同様に、適当な3つの時刻t′、t′、t′において、電子秤2によりガスの入った試験フィルム袋3′の質量m′、m′、m′を測定する。
【0045】
温度T、圧力P′におけるガスX及びガスYの密度をρ′、ρ′とする。試験フィルム袋3′内のガスY及びXの体積をそれぞれV′、V′とする。時刻t′、t′、t′における袋内のガスYの体積Vy0′、Vy1′、Vy2′は、それぞれ次のようになる。
【0046】
y0′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)        …(1a′)
y1′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)        …(1b′)
y2′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)        …(1c′)
ガスの体積V′、V′と透過度k′、k′の間の関係式は、
dV′/dt=−K′V′/(V′+V′)      …(2a′)
dV′/dt=−K′{V′/(V′+V′)−1}   …(2b′)
となる。但し、
′=k RTA′                  …(3a′)
′=k RTA′                  …(3b′)
とする。
【0047】
式(2a′)〜(2b′)をV′について解くと、最終的に次の結果を得る。
t=λ V′−C′logV′+C′          …(5′)
但し、
λ =(K′−K′)/K             …(6′)
とする。
【0048】
定数C′、C′、λ は異なる時刻t′、t′、t′における3組の測定値から決定される。このうち、λ は、次式により求められる。
Figure 2004069463
とする。
【0049】
したがって、先に求められたλ 及び上の式により求められたλ とから、両方のガス透過度k ,k が求められる。
【0050】
すなわち、λ >0かつλ <0の場合には、
 =−1/(λ RTA)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 } …(14a)
 =−1/(λ RTA′)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 } …(14b)
となる。
【0051】
また、λ <0かつλ >0の場合には、
 =−1/(λ RTA)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 } …(15a)
 =−1/(λ RTA′)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 } …(15b)
となる。
【0052】
実際の測定では、時刻t 、t 、t におけるm 、m 、m 、時刻t′、t′、t′におけるm′、m′、m′を自動的に測定し、温度、圧力の計測値と合わせて、以後の計算式をコンピュータ4のプログラムにより、透過度が自動的に出力されるようにすることができる。
【0053】
以下に、コンピュータ4によるプログラム処理の一例を説明する。
【0054】
(1)透過度k が既知の場合
この場合の処理の流れを図4に示す。
【0055】
ステップS11:試験フィルム袋3のみの質量m 、その表面積A、ガスXの密度ρ 、ガスYの密度ρ 、圧力P、温度T、ガスXの透過度k を入力する。
【0056】
ステップS12:時刻t ,t ,t における質量m ,m ,m の測定結果を入力する。
【0057】
ステップS13:各時刻t ,t ,t における試験フィルム袋3内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
によって求める。
【0058】
ステップS14:λ を
λ ={a(t −t )−b(t −t }/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
によって求める。
【0059】
ステップS15:気体定数Rを用いてK =k RTA(R:気体定数)を計算する。
【0060】
ステップS16:次式
 =(λ K  +K )/(RTA)
によりガスYの透過度k を求める。
【0061】
(2)(3)透過度k が既知である場合
この場合の処理の流れを図5に示す。
【0062】
ステップS21:試験フィルム袋3のみの質量m 、その表面積A、ガスXの密度ρ 、ガスYの密度ρ 、圧力P、温度T、ガスYの透過度k を入力する。
【0063】
ステップS22:時刻t ,t ,t における質量m ,m ,m の測定結果を入力する。
【0064】
ステップS23:各時刻t ,t ,t における試験フィルム袋3内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
によって求める。
【0065】
ステップS24:λ を
λ ={a(t −t )−b(t −t }/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
によって求める。
【0066】
ステップS25:K =k RTA(R:気体定数)を計算する。
【0067】
ステップS26:λ >0を判断する。
【0068】
ステップS27:λ >0の場合、
 ={−1+(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
によりガスXの透過度k を求める。
【0069】
ステップS28:λ >0でない場合、λ <0を判断する。
【0070】
ステップS29:λ <0の場合、
 ={−1±(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
によってガスXの透過度k を求める。
【0071】
ステップS30:λ <0でない場合、測定不能として提示する。
【0072】
(4)透過度k が既知であり、かつk >>k の場合
この場合の処理の流れを図6に示す。
【0073】
ステップS31:試験フィルム袋3のみの質量m 、その表面積A、ガスXの密度ρ 、ガスYの密度ρ 、圧力P、温度Tを入力する。
【0074】
ステップS32:時刻t ,t ,t における質量m ,m ,m の測定結果を入力する。
【0075】
ステップS33:各時刻t ,t ,t における試験フィルム袋3内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
によって求める。
【0076】
ステップS34:λ を
λ ={a(t −t )−b(t −t }/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
によって求める。
【0077】
ステップS35:気体定数Rを用いて、
 =−1/(λ RTA)
によりガスXの透過度k を近似的に求める。
【0078】
(5)透過度k が既知であり、かつk >>k であり、かつ袋3内にガスXのみが封入されている場合
この場合の処理の流れを図7に示す。
【0079】
ステップS41:試験フィルム袋3のみの質量m 、その表面積A、ガスXの密度ρ 、ガスYの密度ρ 、圧力P、温度Tを入力する。
【0080】
ステップS42:時刻t ,t における質量m ,m の測定結果を入力する。
【0081】
ステップS43:各時刻t ,t における試験フィルム袋3内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 を
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
ステップS44:気体定数Rを用いて、
 =(Vx −Vx )/{(t −t )RTA}
によりガスXの透過度k を近似的に求める。
【0082】
(6)k とk の両方が未知の場合
この場合の処理の流れを図8に示す。
【0083】
ステップS51:第1及び第2の試験フィルム袋3、3′のみの質量m 、m′、その表面積A、、A′、袋3にガスXを封入したときのガスXの密度ρ 、ガスYの密度ρ 、圧力P、温度T、袋3′にガスYを封入したときのガスXの密度ρ′、ガスYの密度ρ′、圧力P′、温度T′(=T)を入力する。
【0084】
ステップS52:第1の試験フィルム袋3にガスXを封入したときの時刻t ,t ,t における質量m ,m ,m の測定結果を入力する。
【0085】
ステップS53:第2の試験フィルム袋3′にガスYを封入したときの時刻t′,t′,t′における質量m′,m′,m′の測定結果を入力する。
【0086】
ステップS54:第1の試験フィルム袋3にガスXを封入したときの各時刻t ,t ,t における試験フィルム袋3内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2
x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
によって求める。
【0087】
ステップS55:λ を
λ ={a(t −t )−b(t −t }/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
但し、
a=logVx0 −logVx2
b=logVx0 −logVx1
c=logVx1 −logVx2
によって求める。
【0088】
ステップS56:第2の試験フィルム袋3′にガスYを封入したときの各時刻t′,t′,t′における試験フィルム袋3′内のガスYの体積Vy0′、Vy1′、Vy2′を
y0′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
y1′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
y2′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
によって求める。
【0089】
ステップS57:λ を
Figure 2004069463
によって求める。
【0090】
ステップS58:λ >0かつλ <0か否かを判断する。
【0091】
ステップS59:λ >0かつλ <0ならば、気体定数Rを用いて、
 =−1/(λ RTA)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
 =−1/(λ RTA′)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
を演算してガスXの透過度k 、ガスYの透過度k を求める。
【0092】
ステップS60:λ >0かつλ <0でない場合、λ <0かつλ >0を判断する。
【0093】
ステップS61:λ <0かつλ >0ならば、気体定数Rを用いて、
 =−1/(λ RTA)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
 =−1/(λ RTA′)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
を演算してガスXの透過度k 、ガスYの透過度k を求める。
【0094】
ステップS62:λ <0かつλ >0でない場合、測定不能として処理を終了する。
【0095】
以上のプログラムを用いてコンピュータ4により処理を実行することで、プラスチックフィルムの透過度測定を簡単に、かつ精度良く行えるようになる。
【0096】
尚、上記実施形態では、2点または3点の計測値から気体透過度を求める方法を示したが、さらに多くの計測点から精度良く計算することも可能である。また、試験フィルム袋3の大きさを変更することにより、電子秤2の精度にあわせて、計測時間や測定精度を適宜調整することができる。
【0097】
また、上記実施形態では、(6)で説明したように、透過度k とk の両方が未知の場合に、ガスXとガスYを入れ換えて2回目の測定を行う方法を示したが、これに代わって、1回目のVy2 測定後に直ちに恒温器1内のガスYをガスXに置換して体積Vy2 を求めることにより、式(4)を用いて計算する方法もある。この場合は、時刻t における袋内のガスYの体積がVy0 =0である必要がある。
【0098】
測定例を以下に示す。
【0099】
ガスXを窒素、ガスYを酸素とし、温度25[℃] 、圧力1009[hPa] において以下の計測値を得た。但し、気体定数R=8.3145[J/molK] とする。
 =2020.00[mg]、A=0.0445[m
最初(t=0[s] ):m =1965.20[mg]
9200秒後(t =9200[s] ):m =1966.74[mg]
10800秒後(t =20000[s] ):m =1968.19[mg]
また、同一の温度の下で、ガスXとガスYを入れ換えた測定を行い、以下の計測値を得た。圧力は1017[hPa] になっていた。
′=2088.00[mg] 、A′=0.0452[m
最初(t=0[s] ):m′=2149.15[mg]
1490秒後(t′=1490[s] ):m′=2147.49[mg]
1510秒後(t′=3000[s] ):m′=2145.78[mg]
また、それぞれの試験温度圧力環境におけるガスXとガスYの密度差は
ρ −ρ =−0.162357[kg/m
ρ −ρ =0.163645[kg/m
であるとする。各体積を求める計算式(1a)〜(1c)及び(1a′)〜(1c′)に測定値を代入すると、以下のようになる。
x0 =0.000337527[m
x1 =0.000328042[m
x2 =0.000319111[m
y0′=0.000373676[m
y1′=0.000363532[m
y2′=0.000353082[m
さらにλ 、λ を求める計算式(7)及び(7′)に上の結果を代入すると、以下のようになる。
λ =7.44241×10
λ =−2.29725×10
λ >0、λ <0であるから、計算式(14a)、(14b)から各透過度k ,k は以下のように決定される。
 =5.66×10−12 [mol/msPa]
 =3.20×10−11 [mol/msPa]
以上の測定例から明らかなように、本実施形態によれば、試験フィルムにおけるドライガスX、Yの透過度k ,k を簡単な測定装置でかつ高精度に測定することができる。
【0100】
(飽和蒸気圧が大気圧より低いガスの場合)
この場合、2つの方法がある。1つは、飽和蒸気圧が恒温器1内の圧力より高くなるように恒温器1内を減圧する方法である。この場合の測定方法はドライガスの場合と同様であるので省略する。ここでは大気圧下で測定する方法について述べる。
【0101】
図9に示す処理手順に従って、ある厚さのプラスチックフィルムについて、常温で蒸気圧が大気圧より小さいガスXの透過度k [kg/msPa] を測定する場合を説明する。この場合、ガスX及びYは、例として、それぞれ水蒸気及び窒素であるものとする。
【0102】
まず、ドライガスの場合と同様に、試験フィルムを袋状に加工した試験体(以下、試験フィルム袋)3を用意し、袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に関わる全表面積A[m] を予め測定する(ステップS71)。次に、試験フィルム袋3にガスXとして水蒸気、ガスYとして窒素を適量入れて密封する(ステップS72)。このとき、袋3内には常に液体の水が残っているようにする。すなわち、袋3内の水蒸気が常に飽和状態を保つようにする。
【0103】
その際、ガスYが混入しても差し支えない。水蒸気Xの封入量は、試験環境温度圧力条件において、試験中に袋3に圧力がかからない程度の量とする。すなわち、袋3の内圧と恒温器1内の圧力は常に同一であるようにする。
【0104】
但し、試験フィルム袋3の内面同士が接触しない程度に十分な水蒸気Xを封入する。あるいは、試験フィルム袋3の内面が接触しないように、袋3の中に本測定に影響を与えないような不織布や構造物を入れて隙間を設けてもよい。その場合には、水蒸気Xが透過する面積を変えないように、また、水蒸気Xの透過に伴って袋3の中が負圧になることのないように注意する。
【0105】
続いて、図10(a)に示すように、恒温器1の内部に設置した電子秤2に試験フィルム袋3を吊し、ガスYのみを満たして、温度T [K](圧力P [Pa] 、密度ρy0 )で保持するようにセットする(ステップS73)。このとき、恒温器1内の容積は袋3の体積と比べて十分に大きく、恒温器1内の圧力は通常大気圧に等しい。
【0106】
このようにガスYのみを満たした恒温器(温度T [K]、圧力P [Pa] )1の中で、電子秤2により測定重量を測定場所における重力加速度で除した値(質量)m [kg] を測定する(ステップS74)。この時を状態0とする。さらに、図10(b)に示すように、恒温器1の内部温度を試験温度T [K] (圧力P[Pa] )に変更し、同様に測定値m [kg] を得る(ステップS75)。この時を状態1とし、時刻をt [s] とする。その後、図10(c)に示すように、時刻t [s] に測定値m [kg] を得る(ステップS76)。このときを状態2とする。さらに、図10(d)に示すように、恒温器1の内部温度をT [K] (圧力P[Pa] )に変更し、測定値m [kg] を得る(ステップS77)。このときを状態3とする。
【0107】
尚、状態0から1、及び、状態2から3に変更するために要する時間は、測定時間t −t と比較して十分に小さいことから、この間のガスの透過量は無視できるものとする。
【0108】
上記測定後、コンピュータ4に透過度測定プログラムを実行させ、測定結果を入力し、透過度を計算させる(ステップS78)。
【0109】
尚、コンピュータ4のプログラム実行に際して、恒温器1の温度制御、質量測定値取得を自動的に行うようにしてもよい。
【0110】
以下、本測定における透過度演算処理について説明する。
【0111】
まず、水の質量、ガス(水蒸気)Xの体積、ガスYの体積の間には、浮力の原理により次のような関係がある。
【0112】
 −m =mx0 +(ρx0 −ρy0 )Vx0         …(16a)
 −m =mx1 +(ρ −ρ )Vx1          …(16b)
 −m =mx2 +(ρ −ρ )Vx2          …(16c)
 −m =mx3 +(ρx3 −ρy3 )Vx3         …(16d)
状態0から1、及び状態2から3の変化は短時間で行われるのでガスの透過はないものとすると、この各状態間で水の総量及びガスYの量は等しいので、
ρy0 Vy0 =ρ Vy1                 …(17a)
x0 +ρx0 Vx0 =mx1 +ρ Vx1          …(17b)
ρ Vy2 =ρy3 Vy3                 …(17c)
x2 +ρ Vx2 =mx3 +ρx3 Vx3          …(17d)
となる。また、ガス(水蒸気)Xは常に飽和状態にあるので、
x0 /(Vx0 +Vy0 ) =Px0 /P          …(18a)
x1 /(Vx1 +Vy1 ) =P /P           …(18b)
x2 /(Vx2 +Vy2 ) =P /P           …(18c)
x3 /(Vx3 +Vy3 ) =Px3 /P          …(18d)
となる。ここで、Px0 、P 、Px3 はそれぞれ温度T 、T、T におけるガス(水蒸気)Xの飽和蒸気圧である。
【0113】
式(16a)〜(18d)から、状態1及び状態2におけるガスXの水(液体及び気体)の全質量を求めると以下のようになり、これらは4組の測定値から計算できる。
Figure 2004069463
したがって、ガス(水蒸気)Xの透過度は、
={(mx1+ρx1x1)−(mx2+ρx2x2)}/(tA)  …(20)
で求められる。
【0114】
この場合のコンピュータ4によるプログラム処理の一例を説明する。
【0115】
ステップS81:試験フィルム袋3のみの質量m 、その全表面積Aを入力する。
【0116】
ステップS82:状態0における内部温度T 、圧力P 、ガスXの飽和蒸気圧Px0 、ガスXの密度ρx0 、ガスYの密度ρy0 の各値と、試験フィルム袋3の質量測定結果m を入力する。
【0117】
ステップS83:状態1における内部温度T 、圧力P 、ガスXの飽和蒸気圧Px1 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 の各値と、ガスの入った試験フィルム袋3の質量測定結果m を入力する。
【0118】
ステップS84:状態1からt[s] 経過後の状態2におけるガスの入った試験フィルム袋3の質量m の測定結果を入力する。
【0119】
ステップS85:状態3における内部温度T 、圧力P 、ガスXの飽和蒸気圧Px3 の各値と、ガスの入った試験フィルム袋3の質量測定結果m を入力する。
【0120】
ステップS86:状態1における試験フィルム袋3内の液体及び気体の全質量を、
x1+ρx1x1 =m−m+(m−m)(P/Px0−1)/(P/Px0−P/Px1
により求める。
【0121】
ステップS87:状態2における試験フィルム袋3内の液体及び気体の全質量を、
x2+ρx2x2 =m−m+(m−m)(P/Px2−1)/(P/Px2−P/Px3
により求める。
【0122】
ステップS88:ステップS87,S88の演算結果を次式に代入して、
={(mx1+ρx1x1)−(mx2+ρx2x2)}/(tPA)
を演算することによりガスXの透過度k を求める。
【0123】
測定例を以下に示す。
【0124】
ガスXを水蒸気、ガスYを窒素とし、以下の計測値を得た。尚、圧力は1013[hPa] の一定値であった。但し、気体定数R=8.3145[J/molK] とする。
 =2050.00[mg] 、A=0.0502[m
状態0:温度20℃、m =2456.52[mg]
状態1:温度40℃、m =2454.39[mg]
状態2(1000秒後、すなわちt =1000[s] ):温度40℃、m =2431.61[mg]
状態3:温度20℃、m =2433.78[mg]
また、それぞれの温度における蒸気圧は、
x0 =2313[Pa]
 =7359[Pa]
x3 =2313[Pa]
であるとする。水の総量を求める計算式(19a)、(19b)に測定値を代入すると、以下のようになる。
x1+ρx1x1=407.43[Pa]
x2+ρx2x2=384.70[Pa]
したがって、水蒸気Xの透過度は計算式(20)から以下のように決定される。
 =6.15×10−11 [kg/msPa]
以上の測定例から明らかなように、本実施形態によれば、試験フィルムにおける飽和蒸気圧が大気圧より低いガスXの透過度kx を簡単な測定装置でかつ高精度に測定することができる。
【0125】
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0126】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、測定準備、手順が簡単な作業で済み、しかも測定精度も従来の手法に比して極めて高精度なプラスチックフィルムのガス透過度測定方法、この測定方法に用いる測定装置及びこの測定方法を用いたガス透過度測定用プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラスチックフィルムのガス透過度測定方法の実施形態に用いる測定装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態として、被測定ガスがドライガスの場合の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の処理手順に沿った状態0〜2、状態0′〜2′の設定環境を示す概念図である。
【図4】第1の実施形態において、ガスXの透過度k が既知である場合にガスYの透過度k を求める処理プログラムを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態において、ガスYの透過度k が既知である場合にガスXの透過度k を求める処理プログラムを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態において、ガスYの透過度k が既知であり、かつk >>k の場合にガスXの透過度k を簡易的に求める処理プログラムを示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態において、透過度k が既知であり、かつk >>k であり、かつ袋内にガスXのみが封入されている場合にガスXの透過度k を簡易的に求める処理プログラムを示すフローチャートである。
【図8】第1の実施形態において、ガスXの透過度k とガスYの透過度k の両方が未知の場合にそれぞれの透過度を共に求める場合の処理プログラムを示すフローチャートである。
【図9】本発明に係る第2の実施形態として、飽和蒸気圧が大気圧より低いガスを被測定ガスとする場合の測定処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施形態の処理手順に沿った状態0〜3の設定環境を示す概念図である。
【図11】第2の実施形態において、飽和蒸気圧が大気圧より低いガスの透過度を求める処理プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…恒温器
2…電子秤
3…試験フィルム袋
4…パーソナルコンピュータ

Claims (18)

  1. 被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる質量及び表面積が既知の被試験フィルム袋にガスXを封入し、温度が管理され前記被試験フィルム袋の内圧と同等の圧力となるように前記ガスXとは異なるガスYで満たされた密閉容器内で、温度を一定に維持しつつ、時系列上で複数回に渡って前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を測定し、この測定結果と前記被試験フィルム袋のみの質量及び表面積との関係から前記ガスXに係わる透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)を求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  2. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスYの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
    時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をR、K =k RTAとして、
     =(λ K  +K )/(RTA)
    を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスYの透過度k を求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  3. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ でガスYが満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
    時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をR、K =k RTAとして、λ >0の場合には、
     ={−1+(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
    を演算し、
    λ <0の場合には、
     ={−1±(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
    を演算することより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k を求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  4. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] (但し、k >>k )を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
    時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をRとして、
     =−1/(λ RTA)
    を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k (k >>k )を近似的に求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  5. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] (但し、k >>k )を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg]を計測し、
    時刻t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    気体定数をRとして、
     =(Vx −Vx )/{(t −t )RTA}
    を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k (k >>k )を近似的に求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  6. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] 、ガスYの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる第1及び第2の被試験フィルム袋を用意して、それぞれの被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 、m′[kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] 、A′[m] を測定しておき、前記第1の被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記第1の被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った第1の被試験フィルム袋のm [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測し、
    前記第2の被試験フィルム袋に前記ガスYを密度ρ′で封入し、前記ガスXが前記第2の被試験フィルム袋内の内圧と同一の圧力P′[Pa] となるように密度ρ′で満たされ、かつ測定温度T′(但し、T′=T)[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t′[s] ,t′[s] ,t′[s] における前記ガスの入った第2の被試験フィルム袋の質量m′[kg] ,m′[kg] ,m′[kg] を計測し、
    時刻t ,t ,t における第1の被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、
    時刻t′,t′,t′における第2の被試験フィルム袋内のガスYの体積Vy0′,Vy1′,Vy2′を次式から求め、
    y0′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
    y1′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
    y2′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
    λ を求める計算式
    λ ={a′(t′−t′)−b′(t′−t′)}
    /(a′Vy1′−bVy2′−cVy0′)
    但し、
    a′=logVy0′−logVy2
    b′=logVy0′−logVy1
    c′=logVy1′−logVy2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をRとして、
    λ >0かつλ <0の場合には、
     =−1/(λ RTA)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
     =−1/(λ RTA′)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
    を演算し、
    λ <0かつλ >0の場合には、
     =−1/(λ RTA)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
     =−1/(λ RTA′)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
    を演算することによりガスXの透過度k 及びガスYの透過度k を求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  7. 前記ガスXの飽和蒸気圧が大気圧より低い場合、前記被試験フィルム袋内の飽和蒸気圧が前記密閉容器内の圧力より高くなるように当該密閉容器内を減圧することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載のプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  8. 被試験プラスチックフィルムについて、常温で飽和蒸気圧が大気圧より低いガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定方法において、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋を用意して、この被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] を測定しておき、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを蒸気圧が飽和状態となるように一部液体の状態にて封入し、常温で飽和蒸気圧が大気圧より高いガスYが満たされ、かつ測定温度を任意に制御可能な密閉容器内で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を計測可能とし、
    前記密閉容器の内部温度をT [K]、圧力を大気圧に等しいP [Pa] (ガスXの飽和蒸気圧Px0 [Pa] 、ガスXの密度ρx0 、ガスYの密度ρy0 )とする状態0で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
    前記密閉容器の内部温度をT [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px1 [Pa] 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 )とする状態1で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
    状態1から前記密閉容器の内部温度T [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px1 [Pa] 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 )を維持しつつ所定時間t[s] 経過後の状態2で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
    状態2の測定後、前記密閉容器の内部温度をT [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px3 [Pa] )とする状態3で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定し、
    状態1における試験フィルム袋内の液体及び気体の全質量を次式から求め、
    x1+ρx1x1=m−m+(m−m)(P/Px0−1)/(P/Px0−P/Px1
    状態2における試験フィルム袋内の液体及び気体の全質量を次式から求め、
    x2+ρx2x2=m−m+(m−m)(P/Px2−1)/(P/Px2−P/Px3
    上式の演算結果を次式に代入して、
    ={(mx1+ρx1x1)−(mx2+ρx2x2)}/(tPA)
    を演算することによりガスXの透過度k を求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  9. 前記質量の測定は、測定場所における重力加速度に基づいて測定重量値を修正することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載のプラスチックフィルムのガス透過度測定方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれか記載のプラスチックフィルムのガス透過度測定方法の実施に用いられる測定装置であって、
    前記密閉容器として用いられ、内部温度制御手段及びガス充填手段を備える恒温器と、
    この恒温器内に設けられ、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を測定する電子秤と、
    予め前記請求項1乃至8いずれか記載の演算処理プログラムが組み込まれ、前記測定結果を入力することにより、試験ガスの透過度測定値を求める演算処理装置とを具備することを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定装置。
  11. さらに、前記恒温器に対して前記内部温度制御手段を通じて内部温度を測定温度に設定し、前記電子秤から所定時刻の質量測定値を取得する測定自動化手段を備えることを特徴とする請求項11記載のプラスチックフィルムのガス透過度測定装置。
  12. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスYの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定に用いられ、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] の測定結果を入力する第1ステップと、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測した結果を入力する第2ステップと、
    時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をR、K =k RTAとして、
     =(λ K  +K )/(RTA)
    を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスYの透過度k を求める第3ステップとを具備することを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
  13. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定に用いられ、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] の測定結果を入力する第1ステップと、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ でガスYが満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測した結果を入力する第2ステップと、
    時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をR、K =k RTAとして、
    λ >0の場合には、
     ={−1+(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
    を演算し、
    λ <0の場合には、
     ={−1±(1+4λ K )1/2}/(2λ RTA)
    を演算することより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k を求める第3ステップとを具備することを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
  14. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] (但し、k >>k )を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定に用いられ、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] の測定結果を入力する第1ステップと、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測した結果を入力する第2ステップと、
    時刻t ,t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をRとして、
     =−1/(λ RTA)
    を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k (k >>k )を近似的に求める第3ステップとを具備することを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
  15. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスYの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] が既知であるとき、ガスXの透過度k [mol/msPa] (但し、k >>k )を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定に用いられ、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] の測定結果を入力する第1ステップと、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] における前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] ,m [kg]を計測した結果を入力する第2ステップと、
    時刻t ,t における被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0 ,Vx1 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    気体定数をRとして、
     =(Vx −Vx )/{(t −t )RTA}
    を演算することにより、透過度k が既知の場合のガスXの透過度k (k >>k )を近似的に求める第3ステップとを具備することを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
  16. 被試験プラスチックフィルムについて、ガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] 、ガスYの透過度k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定に用いられ、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる第1及び第2の被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 、m′[kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] 、A′[m] の測定結果を入力する第1ステップと、
    前記第1の被試験フィルム袋に前記ガスXを密度ρ で封入し、前記ガスYが前記第1の被試験フィルム袋の内圧と同一の圧力P[Pa] となるように密度ρ で満たされ、かつ測定温度T[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t [s] ,t [s] ,t [s] における前記ガスの入った第1の被試験フィルム袋のm [kg] ,m [kg] ,m [kg] を計測した結果を入力する第2ステップと、
    前記第2の被試験フィルム袋に前記ガスYを密度ρ′で封入し、前記ガスXが前記第2の被試験フィルム袋内の内圧と同一の圧力P′[Pa] となるように密度ρ′で満たされ、かつ測定温度T′(但し、T′=T)[K] で一定に維持される密閉容器内で、少なくとも時刻t′[s] ,t′[s] ,t′[s] における前記ガスの入った第2の被試験フィルム袋の質量m′[kg] ,m′[kg] ,m′[kg] を計測した結果を入力する第3ステップと、
    時刻t ,t ,t における第1の被試験フィルム袋内のガスXの体積Vx0,Vx1 ,Vx2 を次式から求め、
    x0 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x1 =(m −m )/(ρ −ρ )
    x2 =(m −m )/(ρ −ρ )
    λ を求める計算式
    λ ={a(t −t )−b(t −t )}/(aVx1 −bVx2 −cVx0 )
    但し、
    a=logVx0 −logVx2
    b=logVx0 −logVx1
    c=logVx1 −logVx2
    に上の結果を代入してλ を求め、
    時刻t′,t′,t′における第2の被試験フィルム袋内のガスYの体積Vy0′,Vy1′,Vy2′を次式から求め、
    y0′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
    y1′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
    y2′=(m′−m′)/(ρ′−ρ′)
    λ を求める計算式
    Figure 2004069463
    に上の結果を代入してλ を求め、気体定数をRとして、
    λ >0かつλ <0の場合には、
     =−1/(λ RTA)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
     =−1/(λ RTA′)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
    を演算し、
    λ <0かつλ >0の場合には、
     =−1/(λ RTA)−1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
     =−1/(λ RTA′)+1/{RT(−λ λ AA′)1/2 }
    を演算することによりガスXの透過度k 及びガスYの透過度k を求めることを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
  17. 被試験プラスチックフィルムについて、常温で飽和蒸気圧が大気圧より低いガスXの透過度(単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する気体のモル数を示す値)k [mol/msPa] を測定するプラスチックフィルムのガス透過度測定に用いられ、
    前記被試験プラスチックフィルムを袋状に加工してなる被試験フィルム袋のみの質量m [kg] 及びガスの透過に係わる全表面積A[m] の測定結果を入力する第1ステップと、
    前記被試験フィルム袋に前記ガスXを蒸気圧が飽和状態となるように一部液体の状態にて封入し、常温で飽和蒸気圧が大気圧より高いガスYが満たされ、かつ測定温度を任意に制御可能な密閉容器内で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量を計測可能として、
    前記密閉容器の内部温度をT [K]、圧力を大気圧に等しいP [Pa] (ガスXの飽和蒸気圧Px0 [Pa] 、ガスXの密度ρx0 、ガスYの密度ρy0 )とする状態0で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定した結果を入力する第2ステップと、
    前記密閉容器の内部温度をT [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧P  [Pa] 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 )とする状態1で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定した結果を入力する第3ステップと、
    状態1から前記密閉容器の内部温度T [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px1 [Pa] 、ガスXの密度ρx1 、ガスYの密度ρy1 )を維持しつつ所定時間t[s] 経過後の状態2で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定した結果を入力する第4ステップと、
    状態2の測定後、前記密閉容器の内部温度をT [K] (圧力P [Pa] 、ガスXの飽和蒸気圧Px3 [Pa] )とする状態3で、前記ガスの入った被試験フィルム袋の質量m [kg] を測定した結果を入力する第5ステップと、
    状態1における試験フィルム袋内の液体及び気体の全質量を次式から求め、
    x1+ρx1x1=m−m+(m−m)(P/Px0−1)/(P/Px0−P/Px1
    状態2における試験フィルム袋内の液体及び気体の全質量を次式から求め、
    x2+ρx2x2=m−m+(m−m)(P/Px2−1)/(P/Px2−P/Px3
    上式の演算結果を次式に代入して、
    ={(mx1+ρx1x1)−(mx2+ρx2x2)}/(tPA)
    を演算することによりガスXの透過度k を求める第6ステップとを具備することを特徴とするプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
  18. さらに、前記質量の測定のために、重量測定結果を測定場所における重力加速度に基づいて修正するステップを備えることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか記載のプラスチックフィルムのガス透過度測定用プログラム。
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