JP2004069213A - 多室形空気調和機の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】均油管を用いず、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法を提供する。
【解決手段】複数の圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、絞り機構からなる室外ユニットと、複数の室内ユニットとを接続して冷媒回路を構成し、室内熱交換器の負荷変動に応じて、各圧縮機の運転/停止を制御する多室形空気調和機の制御方法において、各圧縮機の吐出側合流点と四方弁との間に、油分離器を接続し、油分離器の油戻し管と各圧縮機の各吸入側との間に、開閉弁を介して夫々バイパス路を設け、複数の圧縮機に運転中と停止中のものが混在する場合、運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、停止中の圧縮機に対応する開閉弁を開き、油分離器内の冷凍機油を停止中の圧縮機に戻し、各圧縮機の油面高さが均一になるよう制御する。
【選択図】 図4
【解決手段】複数の圧縮機と、四方弁と、室外熱交換器と、絞り機構からなる室外ユニットと、複数の室内ユニットとを接続して冷媒回路を構成し、室内熱交換器の負荷変動に応じて、各圧縮機の運転/停止を制御する多室形空気調和機の制御方法において、各圧縮機の吐出側合流点と四方弁との間に、油分離器を接続し、油分離器の油戻し管と各圧縮機の各吸入側との間に、開閉弁を介して夫々バイパス路を設け、複数の圧縮機に運転中と停止中のものが混在する場合、運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、停止中の圧縮機に対応する開閉弁を開き、油分離器内の冷凍機油を停止中の圧縮機に戻し、各圧縮機の油面高さが均一になるよう制御する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室外機に複数の圧縮機を有し、複数の室内機を備えた多室形空気調和機の制御方法に係わり、より詳細には、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができる制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複数の圧縮機の組合せで冷媒循環量を制御する多室形空気調和機には、例えば図5に示すようなものがある。図において、21a,21b,21c は並列に接続された複数の圧縮機、22は圧縮機21a,21b,21c より吐出される冷媒の流れを冷房運転、暖房運転等に合わせて切り換える四方弁、23は室外側熱交換器、24は膨張弁、25a,25b は同時または何れかを任意に運転できる室内側熱交換器、26a,26b は電磁弁で、これらを順次連結し冷媒回路を形成した構成となっている。
【0003】
28は前記各圧縮機21a,21b,21c への吸入分岐部29a,29b より上流側の吸入配管30c と均油管31を連通し、均油管31の圧力を前記各圧縮機21a,21b,21c のシェル内の圧力より高くした連通管である。32は一端が圧縮機21b,21c のシェルに連通し、他端が圧縮機21a の吸入配管30a に連通し、かつ両端の途中に絞りを有するバイパスである。
【0004】
上記構成において、冷房運転時、冷媒は実線矢印方向に流れ、暖房運転時は破線矢印方向に流れる。まず、各圧縮機21a,21b,21c の運転中は、連通管28により各圧縮機21a,21b,21c の吸入分岐部29a,29b より上流側の吸入配管30c と連通されている均油管31の圧力は、各圧縮機21a,21b,21c のシェル内の圧力より高くなる。例えば、圧縮機21a を低容量、圧縮機21b,21c を高容量とした場合、低容量側の圧縮機21a から高容量側の圧縮機21b,21c に油が移動することはない。また、全ての圧縮機21a,21b,21c が停止している場合は、サイクル内が均圧され、均油管31を介した各圧縮機21a,21b,21c 間の油の移動が可能となり、各圧縮機21a,21b,21c の油量は油面高さが等しくなるよう調節される。
【0005】
また、高容量側の圧縮機21b,21c では吐出油量に対して返油量が少なく、油量が減少していく。この場合バイパス32により、圧力の高い低容量側の圧縮機21a のシェルから、圧力の低い高容量側の吸入配管に油が移動するため、高容量側の油量を防止している。
【0006】
しかしながら、上記構成において、均油管31により各圧縮機21a,21b,21c の油面を平衡に維持しているが、ある特定の圧縮機のみの運転が長時間続くと均油管31によるレベル均一が難しく、このような運転が続いた後に、オイルレベルが低下した圧縮機が起動した場合、油量不足からその圧縮機が焼き付く可能性を有していた。また、圧縮機を交換する際、圧縮機の均油管接続部からの油流出を考慮しなければならず、作業効率が悪く、かつ均油管の組立性も悪くなるという問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記の問題点に鑑み、均油管を用いず、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、並列に接続された複数台の低圧シェル方式の圧縮機と、四方弁と、室外側熱交換器と、絞り機構からなる室外ユニットと、室内側熱交換器、膨脹弁からなる複数の室内ユニットとを接続して冷媒回路を構成し、前記室内側熱交換器の負荷変動に応じて、前記各圧縮機の運転/停止を夫々組合せて制御してなる多室形空気調和機の制御方法において、
前記各圧縮機の吐出側合流点と前記四方弁との間に、油分離器を接続し、同油分離器の油戻し管と前記各圧縮機の各吸入側との間に、開閉弁を介して夫々バイパス路を設け、前記複数の圧縮機に運転中と停止中のものが混在する場合、前記運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、前記停止中の圧縮機に対応する前記開閉弁を開き、前記油分離器内の冷凍機油を前記停止中の圧縮機に戻し、前記各圧縮機の油面高さが均一になるよう制御してなる構成となっている。
【0009】
また、前記停止中の圧縮機が複数台の場合、何れか1台目の前記開閉弁を開き、予め設定された第1の設定時間経過後、前記1台目の開閉弁を閉じ、次の2台目の前記開閉弁を開き、次の第2の設定時間経過後、前記2台目の開閉弁を閉じ、このステップを順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0010】
また、前記運転中の圧縮機が停止し、他の圧縮機へ運転が順次移行した場合、前記開閉弁の前記開閉ステップを、設定時間経過毎に、順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として説明する。
図1は本発明による多室形空気調和機の冷媒回路の構成図である。図において、1は室外に設置された室外ユニット、2a,2b,2cは夫々並列に接続された3台の室内ユニットである。
【0012】
前記室外ユニット1は、並列に接続された同容量又は容量の異なる低圧シェル方式の3台の圧縮機3a,3b,3cと、四方弁4と、室外側熱交換器5と、電子膨張弁からなる絞り機構6とをそれぞれ接続して構成され、また前記室内ユニット2a,2b,2cは、夫々電子膨張弁7a,7b,7cと、室内側熱交換器8a,8b,8cとを夫々接続して構成されている。
【0013】
これら前記室外ユニット1と前記室内ユニット2a,2b,2cとが第一接続部A1と第二接続部A2を介して冷媒配管により接続され冷媒回路が構成され、前記室内側熱交換器8a,8b,8cの負荷変動に応じて、前記各圧縮機3a,3b,3cの運転/停止を夫々切換るように、制御部9により制御するようなされている。
【0014】
前記各圧縮機3a,3b,3cの吐出側合流点aと前記四方弁4との間に、油分離器10を接続し、同油分離器10の油戻し管10a と前記各圧縮機3a,3b,3cの各吸入側b,c,dとの間に、開閉弁11a,11b,11c を夫々介してバイパス路12a,12b,12c を夫々設けた構成となっている。
上記において、図1に示すように冷媒は冷房運転時に実線矢印の方向に流れ、暖房運転時には破線矢印の方向に夫々流れる。冷媒回路内の冷媒循環量は、前記室内ユニット2a,2b,2cの運転台数などの負荷変動により、常に変化(増減)する。このため、必要な冷媒循環量の変化にあわせ、前記3台の圧縮機3a,3b,3cの運転/停止を組合せ、制御部9により制御するようになされている。
【0015】
本発明は、圧縮機内の冷凍機油の油面が高いほど、即ち、シェル内の容積に占める冷凍機油の割合が多いほど、吐出ガスと共に圧縮機外に出る油量も多いという傾向を利用したもので、前記油分離器10内は高圧で、圧縮機内は低圧のため、前記複数の圧縮機3a,3b,3cに運転中と停止中のものが混在する場合、停止中の圧縮機に対応する前記開閉弁を開き、前記油分離器10内の冷凍機油を前記停止中の圧縮機に戻し、前記各圧縮機3a,3b,3cの油面高さが均一(各圧縮機の標準の油面高さ)になるよう制御するものである。
【0016】
図2に示すように、前記3台の圧縮機3a,3b,3cを組合せた場合、均油運転のステップは1〜9番までの9通りの組合せが作りだせる。但し全ての圧縮機の同時運転及び停止状態は省く。ここで、運転圧縮機に対応する前記開閉弁は常に閉じる。例えば、ステップ1の圧縮機3aが運転状態であれば、開閉弁11a は閉じたままである。均油運転は、この場合圧縮機3aの運転積算時間が所定時間に達したとき開始する。
【0017】
また、停止中の圧縮機が複数台の場合、何れか1台目(例えば圧縮機3b)の開閉弁11b を開き、予め設定された第1の設定時間経過後、前記1台目の開閉弁11b を閉じ、次の2台目(例えば圧縮機3c)の開閉弁11c を開き、次の第2の設定時間経過後、前記2台目の開閉弁11c を閉じ、このステップを順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0018】
また、運転中の圧縮機(例えばステップ2の圧縮機3a)が停止し、他の圧縮機(例えばステップ3の圧縮機3b)へ運転が順次移行した場合、前記開閉弁の前記開閉ステップを、設定時間経過毎に、順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0019】
次に上記構成において、本発明の動作について説明する。図3に本発明における制御ブロック図を示す。
前記制御部9は前記各室内ユニット2a,2b,2cの運転/停止状況及び負荷変動による冷媒循環量に応じて、前記各圧縮機3a,3b,3cの運転/停止を設定する圧縮機運転/停止設定部9aと、前記各圧縮機3a,3b,3cの運転開始からの運転積算時間を計測する積算タイマ9bと、均油運転の各ステップ毎に予め設定した均油運転時間をメモリーしておく均油時間設定部9cと、均油運転開始からの時間を計測する均油タイマ9dと、同均油タイマ9dが計測した時間が予め設定したステップ毎の設定時間(T1 〜T9) に達したら、前記各開閉弁11a,11b,11c の開閉を制御する開閉制御部9eと、前記積算タイマ9bおよび均油タイマ9dの各制御信号に基づいて、前記各圧縮機3a,3b,3cを駆動制御する駆動部9fとから構成されている。
【0020】
次に図4のフローチャート図に基づいて本発明の動作を説明する。
通常の冷房又は暖房運転がスタートすると、まず、ステップST1で圧縮機が1台で運転されているかどうか判定される。もし、1台運転であれば、ステップST2で圧縮機3aを運転し、圧縮機3b,3c を停止する。ステップST3で圧縮機3aの運転積算時間が所定時間TM秒に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST4で開閉弁11a,11c を閉じ、開閉弁11b を開く(図2の均油ステップ1に相当)。そしてステップST5で、均油タイマ9dの計測した時間が、予め設定した設定時間T1に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST6で開閉弁11a,11b を閉じ、開閉弁11c を開く(図2の均油ステップ2に相当)。そして、ステップST7で、均油タイマ9dの計測した時間が、予め設定した設定時間T2に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST8で圧縮機3bを運転し、圧縮機3a,3c を停止する(図2の均油ステップ3に相当)。
以下上記と同様に、図2の均油ステップ3〜6対応して、フローチャート図のステップST9 〜17の作業が行われ、ステップST1 に戻り、動作が繰り替えされる。
【0021】
前記ステップST1で圧縮機が1台で運転されていなければ、ステップST18で、圧縮機3a,3b の2台運転を行い、圧縮機3b,3c を停止する。ステップST19で圧縮機3a,3b の運転積算時間が所定時間TM秒に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST20で開閉弁11a,11b を閉じ、開閉弁11c を開く(図2の均油ステップ7に相当)。そしてステップST21で、均油タイマ9dの計測した時間が、予め設定した設定時間T7に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST22で圧縮機3b,3c を運転し、圧縮機3aを停止する(図2の均油ステップ8に相当)。
以下上記と同様に、図2の均油ステップ8〜9対応して、フローチャート図のステップST22〜27の作業が行われ、ステップST1 に戻り、動作が繰り替えされる。
【0022】
以上に説明したように、前記各圧縮機3a,3b,3cの吐出側合流点aと前記四方弁4との間に、油分離器10を接続し、同油分離器10の油戻し管10a と前記各圧縮機3a,3b,3cの各吸入側b,c,d との間に、開閉弁11a,11b,11c を夫々介してバイパス路12a,12b,12c を夫々設けた構成とし、前記複数の圧縮機3a,3b,3cに運転中と停止中のものが混在する場合、運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、停止中の圧縮機に対応する開閉弁を開き、油分離器10内の冷凍機油を停止中の圧縮機に戻し、各圧縮機3a,3b,3cの油面高さが均一になるよう制御することにより、均油管を用いず、各圧縮機3a,3b,3cの油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法となる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、均油管を用いず、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における多室形空気調和機の制御方法の実施例を示す冷媒回路図である。
【図2】本発明における均油運転の各圧縮機と各開閉弁の組合せ表である。
【図3】本発明における制御ブロック図である。
【図4】本発明におけるフローチャート図である。
【図5】従来の多室形空気調和機の制御方法の冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
2a、2b、2c 室内ユニット
3a、3b、3c 圧縮機
4 四方弁
5 室外側熱交換器
6 絞り機構(電子膨張弁)
7a、7b、7c 電子膨張弁
8a、8b、8c 室内側熱交換器
9 制御部
9a 圧縮機運転/停止設定部
9b 積算タイマ
9c 均油時間設定部
9d 均油タイマ
9e 開閉弁制御部
9f 駆動部
【発明の属する技術分野】
本発明は、室外機に複数の圧縮機を有し、複数の室内機を備えた多室形空気調和機の制御方法に係わり、より詳細には、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができる制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の複数の圧縮機の組合せで冷媒循環量を制御する多室形空気調和機には、例えば図5に示すようなものがある。図において、21a,21b,21c は並列に接続された複数の圧縮機、22は圧縮機21a,21b,21c より吐出される冷媒の流れを冷房運転、暖房運転等に合わせて切り換える四方弁、23は室外側熱交換器、24は膨張弁、25a,25b は同時または何れかを任意に運転できる室内側熱交換器、26a,26b は電磁弁で、これらを順次連結し冷媒回路を形成した構成となっている。
【0003】
28は前記各圧縮機21a,21b,21c への吸入分岐部29a,29b より上流側の吸入配管30c と均油管31を連通し、均油管31の圧力を前記各圧縮機21a,21b,21c のシェル内の圧力より高くした連通管である。32は一端が圧縮機21b,21c のシェルに連通し、他端が圧縮機21a の吸入配管30a に連通し、かつ両端の途中に絞りを有するバイパスである。
【0004】
上記構成において、冷房運転時、冷媒は実線矢印方向に流れ、暖房運転時は破線矢印方向に流れる。まず、各圧縮機21a,21b,21c の運転中は、連通管28により各圧縮機21a,21b,21c の吸入分岐部29a,29b より上流側の吸入配管30c と連通されている均油管31の圧力は、各圧縮機21a,21b,21c のシェル内の圧力より高くなる。例えば、圧縮機21a を低容量、圧縮機21b,21c を高容量とした場合、低容量側の圧縮機21a から高容量側の圧縮機21b,21c に油が移動することはない。また、全ての圧縮機21a,21b,21c が停止している場合は、サイクル内が均圧され、均油管31を介した各圧縮機21a,21b,21c 間の油の移動が可能となり、各圧縮機21a,21b,21c の油量は油面高さが等しくなるよう調節される。
【0005】
また、高容量側の圧縮機21b,21c では吐出油量に対して返油量が少なく、油量が減少していく。この場合バイパス32により、圧力の高い低容量側の圧縮機21a のシェルから、圧力の低い高容量側の吸入配管に油が移動するため、高容量側の油量を防止している。
【0006】
しかしながら、上記構成において、均油管31により各圧縮機21a,21b,21c の油面を平衡に維持しているが、ある特定の圧縮機のみの運転が長時間続くと均油管31によるレベル均一が難しく、このような運転が続いた後に、オイルレベルが低下した圧縮機が起動した場合、油量不足からその圧縮機が焼き付く可能性を有していた。また、圧縮機を交換する際、圧縮機の均油管接続部からの油流出を考慮しなければならず、作業効率が悪く、かつ均油管の組立性も悪くなるという問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記の問題点に鑑み、均油管を用いず、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、並列に接続された複数台の低圧シェル方式の圧縮機と、四方弁と、室外側熱交換器と、絞り機構からなる室外ユニットと、室内側熱交換器、膨脹弁からなる複数の室内ユニットとを接続して冷媒回路を構成し、前記室内側熱交換器の負荷変動に応じて、前記各圧縮機の運転/停止を夫々組合せて制御してなる多室形空気調和機の制御方法において、
前記各圧縮機の吐出側合流点と前記四方弁との間に、油分離器を接続し、同油分離器の油戻し管と前記各圧縮機の各吸入側との間に、開閉弁を介して夫々バイパス路を設け、前記複数の圧縮機に運転中と停止中のものが混在する場合、前記運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、前記停止中の圧縮機に対応する前記開閉弁を開き、前記油分離器内の冷凍機油を前記停止中の圧縮機に戻し、前記各圧縮機の油面高さが均一になるよう制御してなる構成となっている。
【0009】
また、前記停止中の圧縮機が複数台の場合、何れか1台目の前記開閉弁を開き、予め設定された第1の設定時間経過後、前記1台目の開閉弁を閉じ、次の2台目の前記開閉弁を開き、次の第2の設定時間経過後、前記2台目の開閉弁を閉じ、このステップを順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0010】
また、前記運転中の圧縮機が停止し、他の圧縮機へ運転が順次移行した場合、前記開閉弁の前記開閉ステップを、設定時間経過毎に、順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として説明する。
図1は本発明による多室形空気調和機の冷媒回路の構成図である。図において、1は室外に設置された室外ユニット、2a,2b,2cは夫々並列に接続された3台の室内ユニットである。
【0012】
前記室外ユニット1は、並列に接続された同容量又は容量の異なる低圧シェル方式の3台の圧縮機3a,3b,3cと、四方弁4と、室外側熱交換器5と、電子膨張弁からなる絞り機構6とをそれぞれ接続して構成され、また前記室内ユニット2a,2b,2cは、夫々電子膨張弁7a,7b,7cと、室内側熱交換器8a,8b,8cとを夫々接続して構成されている。
【0013】
これら前記室外ユニット1と前記室内ユニット2a,2b,2cとが第一接続部A1と第二接続部A2を介して冷媒配管により接続され冷媒回路が構成され、前記室内側熱交換器8a,8b,8cの負荷変動に応じて、前記各圧縮機3a,3b,3cの運転/停止を夫々切換るように、制御部9により制御するようなされている。
【0014】
前記各圧縮機3a,3b,3cの吐出側合流点aと前記四方弁4との間に、油分離器10を接続し、同油分離器10の油戻し管10a と前記各圧縮機3a,3b,3cの各吸入側b,c,dとの間に、開閉弁11a,11b,11c を夫々介してバイパス路12a,12b,12c を夫々設けた構成となっている。
上記において、図1に示すように冷媒は冷房運転時に実線矢印の方向に流れ、暖房運転時には破線矢印の方向に夫々流れる。冷媒回路内の冷媒循環量は、前記室内ユニット2a,2b,2cの運転台数などの負荷変動により、常に変化(増減)する。このため、必要な冷媒循環量の変化にあわせ、前記3台の圧縮機3a,3b,3cの運転/停止を組合せ、制御部9により制御するようになされている。
【0015】
本発明は、圧縮機内の冷凍機油の油面が高いほど、即ち、シェル内の容積に占める冷凍機油の割合が多いほど、吐出ガスと共に圧縮機外に出る油量も多いという傾向を利用したもので、前記油分離器10内は高圧で、圧縮機内は低圧のため、前記複数の圧縮機3a,3b,3cに運転中と停止中のものが混在する場合、停止中の圧縮機に対応する前記開閉弁を開き、前記油分離器10内の冷凍機油を前記停止中の圧縮機に戻し、前記各圧縮機3a,3b,3cの油面高さが均一(各圧縮機の標準の油面高さ)になるよう制御するものである。
【0016】
図2に示すように、前記3台の圧縮機3a,3b,3cを組合せた場合、均油運転のステップは1〜9番までの9通りの組合せが作りだせる。但し全ての圧縮機の同時運転及び停止状態は省く。ここで、運転圧縮機に対応する前記開閉弁は常に閉じる。例えば、ステップ1の圧縮機3aが運転状態であれば、開閉弁11a は閉じたままである。均油運転は、この場合圧縮機3aの運転積算時間が所定時間に達したとき開始する。
【0017】
また、停止中の圧縮機が複数台の場合、何れか1台目(例えば圧縮機3b)の開閉弁11b を開き、予め設定された第1の設定時間経過後、前記1台目の開閉弁11b を閉じ、次の2台目(例えば圧縮機3c)の開閉弁11c を開き、次の第2の設定時間経過後、前記2台目の開閉弁11c を閉じ、このステップを順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0018】
また、運転中の圧縮機(例えばステップ2の圧縮機3a)が停止し、他の圧縮機(例えばステップ3の圧縮機3b)へ運転が順次移行した場合、前記開閉弁の前記開閉ステップを、設定時間経過毎に、順次繰返し行うよう制御してなる構成となっている。
【0019】
次に上記構成において、本発明の動作について説明する。図3に本発明における制御ブロック図を示す。
前記制御部9は前記各室内ユニット2a,2b,2cの運転/停止状況及び負荷変動による冷媒循環量に応じて、前記各圧縮機3a,3b,3cの運転/停止を設定する圧縮機運転/停止設定部9aと、前記各圧縮機3a,3b,3cの運転開始からの運転積算時間を計測する積算タイマ9bと、均油運転の各ステップ毎に予め設定した均油運転時間をメモリーしておく均油時間設定部9cと、均油運転開始からの時間を計測する均油タイマ9dと、同均油タイマ9dが計測した時間が予め設定したステップ毎の設定時間(T1 〜T9) に達したら、前記各開閉弁11a,11b,11c の開閉を制御する開閉制御部9eと、前記積算タイマ9bおよび均油タイマ9dの各制御信号に基づいて、前記各圧縮機3a,3b,3cを駆動制御する駆動部9fとから構成されている。
【0020】
次に図4のフローチャート図に基づいて本発明の動作を説明する。
通常の冷房又は暖房運転がスタートすると、まず、ステップST1で圧縮機が1台で運転されているかどうか判定される。もし、1台運転であれば、ステップST2で圧縮機3aを運転し、圧縮機3b,3c を停止する。ステップST3で圧縮機3aの運転積算時間が所定時間TM秒に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST4で開閉弁11a,11c を閉じ、開閉弁11b を開く(図2の均油ステップ1に相当)。そしてステップST5で、均油タイマ9dの計測した時間が、予め設定した設定時間T1に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST6で開閉弁11a,11b を閉じ、開閉弁11c を開く(図2の均油ステップ2に相当)。そして、ステップST7で、均油タイマ9dの計測した時間が、予め設定した設定時間T2に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST8で圧縮機3bを運転し、圧縮機3a,3c を停止する(図2の均油ステップ3に相当)。
以下上記と同様に、図2の均油ステップ3〜6対応して、フローチャート図のステップST9 〜17の作業が行われ、ステップST1 に戻り、動作が繰り替えされる。
【0021】
前記ステップST1で圧縮機が1台で運転されていなければ、ステップST18で、圧縮機3a,3b の2台運転を行い、圧縮機3b,3c を停止する。ステップST19で圧縮機3a,3b の運転積算時間が所定時間TM秒に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST20で開閉弁11a,11b を閉じ、開閉弁11c を開く(図2の均油ステップ7に相当)。そしてステップST21で、均油タイマ9dの計測した時間が、予め設定した設定時間T7に達したかどうか判定され、もし達していれば、ステップST22で圧縮機3b,3c を運転し、圧縮機3aを停止する(図2の均油ステップ8に相当)。
以下上記と同様に、図2の均油ステップ8〜9対応して、フローチャート図のステップST22〜27の作業が行われ、ステップST1 に戻り、動作が繰り替えされる。
【0022】
以上に説明したように、前記各圧縮機3a,3b,3cの吐出側合流点aと前記四方弁4との間に、油分離器10を接続し、同油分離器10の油戻し管10a と前記各圧縮機3a,3b,3cの各吸入側b,c,d との間に、開閉弁11a,11b,11c を夫々介してバイパス路12a,12b,12c を夫々設けた構成とし、前記複数の圧縮機3a,3b,3cに運転中と停止中のものが混在する場合、運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、停止中の圧縮機に対応する開閉弁を開き、油分離器10内の冷凍機油を停止中の圧縮機に戻し、各圧縮機3a,3b,3cの油面高さが均一になるよう制御することにより、均油管を用いず、各圧縮機3a,3b,3cの油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法となる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、均油管を用いず、複数の圧縮機の運転および停止状況に応じて各圧縮機の油面を均一にすることができ、組立性、サービス性を向上することができる多室形空気調和機の制御方法となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における多室形空気調和機の制御方法の実施例を示す冷媒回路図である。
【図2】本発明における均油運転の各圧縮機と各開閉弁の組合せ表である。
【図3】本発明における制御ブロック図である。
【図4】本発明におけるフローチャート図である。
【図5】従来の多室形空気調和機の制御方法の冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 室外ユニット
2a、2b、2c 室内ユニット
3a、3b、3c 圧縮機
4 四方弁
5 室外側熱交換器
6 絞り機構(電子膨張弁)
7a、7b、7c 電子膨張弁
8a、8b、8c 室内側熱交換器
9 制御部
9a 圧縮機運転/停止設定部
9b 積算タイマ
9c 均油時間設定部
9d 均油タイマ
9e 開閉弁制御部
9f 駆動部
Claims (3)
- 並列に接続された複数台の低圧シェル方式の圧縮機と、四方弁と、室外側熱交換器と、絞り機構からなる室外ユニットと、室内側熱交換器、膨脹弁からなる複数の室内ユニットとを接続して冷媒回路を構成し、前記室内側熱交換器の負荷変動に応じて、前記各圧縮機の運転/停止を夫々組合せて制御してなる多室形空気調和機の制御方法において、
前記各圧縮機の吐出側合流点と前記四方弁との間に、油分離器を接続し、同油分離器の油戻し管と前記各圧縮機の各吸入側との間に、開閉弁を介して夫々バイパス路を設け、前記複数の圧縮機に運転中と停止中のものが混在する場合、前記運転圧縮機の運転積算時間が所定時間に達したとき、前記停止中の圧縮機に対応する前記開閉弁を開き、前記油分離器内の冷凍機油を前記停止中の圧縮機に戻し、前記各圧縮機の油面高さが均一になるよう制御してなることを特徴とする多室形空気調和機の制御方法。 - 前記停止中の圧縮機が複数台の場合、何れか1台目の前記開閉弁を開き、予め設定された第1の設定時間経過後、前記1台目の開閉弁を閉じ、次の2台目の前記開閉弁を開き、次の第2の設定時間経過後、前記2台目の開閉弁を閉じ、このステップを順次繰返し行うよう制御してなることを特徴とする請求項1記載の多室形空気調和機の制御方法。
- 前記運転中の圧縮機が停止し、他の圧縮機へ運転が順次移行した場合、前記開閉弁の前記開閉ステップを、設定時間経過毎に、順次繰返し行うよう制御してなることを特徴とする請求項1または2記載の多室形空気調和機の制御方法。
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