JP2004067981A - 内装用塗材原料及び内装用塗材 - Google Patents

内装用塗材原料及び内装用塗材 Download PDF

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Abstract

【目的】建物空間の壁面や天井面に自在に塗着でき、多様な美装と且安全で衛生的、快適な建物空間を形成しえる内装用塗材原料及び内装用塗材を提供する。
【構成】カルシウムイオン、鉄イオン、マグネシウムイオン若しくはカリウムイオンで置換され、且平均粒径が10乃至50μmで比表面積が120m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体が35乃至60%重量とカオリナイト、酸化チタン、タルク若しくは炭酸カルシウムからなり、その平均粒径が1乃至10μmの調色空隙補助材が15乃至30%重量、水溶性アクリル樹脂粉体が15乃至25%重量、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体からなる分散剤が1.0乃至3.0%、セルロース誘導体若しくはポリアクリル酸アンモニウムからなる透湿透気添着材が0.5乃至1.5%重量及び無機顔料0.5乃至2.0%重量割合で配合分散された内装用塗材原料。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内装用塗材原料及び内装用塗材に係るもので、更に詳しくは建物の内壁面や天井面に所要の水を混合し分散混練させ、若しくは予め所要の水が混合分散混練されたものをローラーや刷毛、鏝若しくは吹付けにより塗着膜を形成させ、以って建物空間内の消臭、調湿、遮音、及び結露防止を可能となす内装用塗材原料及び内装用塗材に関する。
【0002】
【従来技術】
近年の建物は耐震耐火構造とともに建築技術の向上に加え建物金物や新建材の採用とが相俟って建物空間の密閉性が一段と高まっている。
反面建物はその使用目的に合せて多種多様な内装が施されるものであるが、現状の内装材の多くは合成樹脂素材が用いられ、且これら内装材の施工に使用される接着剤も有機溶剤や合成樹脂並びに化学品が多用され、更に塗料やワックス類にも有機溶剤や各種の化学品が多用されている。
【0003】
これがため密閉性の高い建物空間内にはこれら内装材や接着剤或いは塗料等から揮散される有機溶剤ガスやホルムアルデヒド若しくは環境ホルモン等の揮発性有機化合物が揮散滞留し多くの健康被害が惹起されていること所謂シックハウス症候群の原因たることが解明されるに至り、社会的に重要な課題として提起され既に住宅の品質確保に関する法律に加え建築基準法等によるその対策のための立法化もなされるに至っている。
【0004】
加えて密閉性の高い建物空間は年間を通して温暖であるため、外気との較差により壁面等に結露の発生が頻発するとともに黴や細菌の繁殖が増長され、而もこれら黴や細菌の繁殖がダニ等不快害虫の恰好の餌料となることから不快害虫が蝟集し、且これら黴、細菌或いは不快害虫の死骸がアレルゲンとなって、アトピー性皮膚炎や小児喘息を誘発させる等、密閉性の高い建物空間は著しく非衛生的な状態におかれている。
【0005】
更に密閉性の高い居住用建物においては生活者の汗や体液、皮膚片等の変性臭や食物残滓の腐敗臭、或いは水回り施設における排水管等からの微生物臭等とが相俟って特有の生活臭気が充満し、且これらが内装材や家具、衣類等にまで浸透して著しく不快な環境と化しており、また密閉性の高い店舗や事務所建物空間においても、多数の利用者の体臭や搬入される各種製品や商品等からの臭気との混交による異臭が滞留し不快な環境を形成する結果となっている。
【0006】
発明者はかかる問題に早くから取組みこれらの解決のため研究を重ねた結果、産業廃棄物の有効再利用の一環として残留主要成分が酸化珪素及び酸化アルミニウムからなる火力発電における石炭灰や鋳造廃砂或いは焼成汚泥等は、アルカリ前処理と高温高圧処理により人工ゼオライトの生成が可能であること、及びこの生成される人工ゼオライトは極めて大きな比表面積や塩基置換容量(meq/100g)を保持し、各種の臭気ガスを初めホルムアルデヒドやダイオキシン、環境ホルモン等の有害ガス並びに重金属類に対し優れた吸着性と分解性若しくは固定性を保持するばかりか、多量の湿気を保水し且放湿させる調湿性とともに、遮音性や断熱性をも保持するものであることから、かかる人工ゼオライトの特性を有効に発揮させて、密閉性の高い建物空間の美装と安全で快適且衛生的建物空間となす内装用塗材を開発上市し、その内容が先願たる特願2001−116164号で開示されている。
【0007】
而してかかる先願内装用塗材を用いることにより密閉性の高い建物空間内の臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着と分解並びに調湿性や遮音性とが相俟って、安全で衛生的且快適な建物空間が創出されることが各地で実証されているが、広範囲に亘る使用途の拡大に伴って多彩な色調への対処を初め、臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着分解性特には臭気ガスの短時における分解消臭、及び広大な建物空間においては従来の鏝による厚塗りやローラーや刷毛による略0.5乃至1.0mm程度の塗厚に対して、吹付塗着により塗着厚が0.1乃至0.5mm程度の薄塗りで対処しえる要請が強くなされるに至っている。
【0008】
かかる要請への対処として多様な色調の解決には人工ゼオライトの生成原料である石炭灰や鋳造廃砂或いは焼成スラッジ等には多少のカーボンの混在が不可避であること、及び酸化珪素並びに酸化アルミニウムを主成分とするうえから基本的色調が暗灰色若しくは灰色であるため、特に淡色且高明度の各種色調の発色が不能となる。これがためには人工ゼオライトの性能を損ねることなく全体を白色化させるためには調色材を15乃至30%重量割合で配合させたうえ所望の無機顔料を添加することにより解決されるものの、調色材の配合は相対的に添着剤の配合割合の減少を来たすため実用上の塗着力が保持できぬ結果となる。
【0009】
これがため塗着力が強く且多量に含水する水溶性アクリル樹脂を塗着剤として用いるとともに使用する人工ゼオライト粉体の粒径に対し高充填密度となる粒径で、且特定素材の調色空隙補助材並びに透水透気性を有する透湿透気補助材とを分散剤を用いて均質に配合分散させることによりこれら問題を解決しえることを究明し本発明に至った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は水を40乃至70%重量割合で混合し分散混練し、若しくは予め加水混練されたものを直接に建物空間の壁面や天井面に所要の厚さで自在に塗着でき多様な美装と且安全で衛生的、快適な建物空間を形成しえる内装用塗材原料及び内装用塗材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明が採用した技術的手段は、建物空間に拡散滞留する臭気ガスや揮発性有機化合物等を積極的に吸着せしむるとともに、吸着した臭気ガスや揮発性有機化合物を分解せしめて吸着能力を長期に保持せしむるうえから、使用する人工ゼオライト粉体として塩基置換性の高いカルシウムイオン、鉄イオン、マグネシウムイオン若しくはカリウムイオンで置換されたもので、且臭気ガスや揮発性有機化合物を積極的に吸着せしむるうえからは、接触表面積が大きく而も膨大な吸着容量所謂比表面積の大きなものが望ましいこと及び配合分散性を高めるうえから、その平均粒径が10乃至50μmで且比表面積が少なくとも120m/g以上のものが選択され、更に吸着された臭気ガスや揮発性有機化合物を分解させる塩基置換性としてその塩基置換容量(meq/100g)が少なくとも200mg以上のものが選択されるとともに、この選択された人工ゼオライト粉体が全体量に対し35乃至60%重量割合で使用される。
【0012】
そしてこの人工ゼオライト粉体には、人工ゼオライト粉体の基本的色調を白色状となしたるうえ無機顔料の配合により多様な色調に形成させるため、及び人工ゼオライト粉体と高充填密度に分散された状態で塗着層を形成させ、且人工ゼオライト粉体相互間に微細空隙の形成を図るうえから、その平均粒径が1乃至10μmのカオリナイト、酸化チタン、タルク若しくは炭酸カルシウムからなる調色空隙補助材が、全体量に対して15乃至30%重量割合で配合される。
【0013】
かくして配合される人工ゼオライト粉体並びに色調空隙補助材には、塗着により強靭な塗着層を形成させ且広範囲の被着面との強固な塗着を図ること、及び形成される塗着層により人工ゼオライト粉体の保持する膨大な微孔が閉塞されぬよう水溶性アクリル樹脂粉体が全体量に対して15乃至25%重量割合及びセルロース誘導体若しくはポリアクリル酸アンモニウムからなる透湿透気添着材が0.5乃至1.5%重量割合で配合され、更にはこの配合される人工ゼオライト粉体並びに調色空隙補助材、及び水溶性アクリル樹脂粉体や透湿透気添着材の分散性を高めるため、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体からなる分散剤が全体量に対し1.0乃至3.0%重量割合で配合されている。
【0014】
そして所望の色調には適宜の無機顔料が配合されるものであるが、内装用塗材は比較的淡色高明度のものが要請されることから、該無機顔料の配合割合は淡色のものでは全体量に対し0.5%程度から濃色のものでも2.0%重量割合以内で配合される。
かかる如き構成により本発明内装用塗材原料が形成されるもので、使用に際しては該内装用塗材原料に水を40乃至70%重量割合で加えて分散混練のうえローラーや刷毛、鏝若しくは吹付けにより所要の厚さに塗着層を形成させる方法、若しくは予め水を40乃至70%重量割合で加水のうえ混合分散させた内装用塗材となし、該内装用塗材を直接ローラー、刷毛、鏝若しくは吹付けにより塗着させる方法も採用される。
【0015】
【作用】
本発明は上述のような構成を用いてなるから、以下の如き作用を有する。即ち使用する人工ゼオライト粉体がカルシウムイオン、鉄イオン、マグネシウムイオン若しくはカリウムイオンで置換され、且その平均粒径が10乃至50μmとその接触表面積率が極めて大きく、而もその比表面積が少なくとも120m/g以上と膨大な吸着容量を保持し、更にはその塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上のものが全体量に対して35乃至60%重量割合で使用されるとともに、この人工ゼオライト粉体にカオリナイト、酸化チタン、タルク或いは炭酸カルシウムからなる基本色調が白色で無孔質なうえ、その平均粒径が1乃至10μmの調色空隙補助材が全体量に対し15乃至30%重量割合で配合されるため、人工ゼオライト粉体を含む全体の色調が白色化され適宜の無機顔料の配合により所望の色調の塗着層が形成できる。
【0016】
そして人工ゼオライト粉体の平均粒径に対し配合される調色空隙補助材の平均粒径が略1/5乃至1/10であり、而もポリオキシエチレレン−ポリオキシプロピレン共重合体からなる分散剤が1.0乃至3.0%重量割合で配合されることと相俟って形成される塗着層が高充填密度で形成されるため、水溶性アクリル樹脂粉体の配合割合が少なくても強靭且緻密な塗着層の形成がなされる。
加えて塗着層の形成に係る人工ゼオライト粉体や添着材としての水溶性アクリル樹脂及び全体量に対して0.5乃至1.5%重量割合で配合される透湿透気添着材は通常加水により略50乃至70%程度の含水した状態で塗着層が形成されるとともに、人工ゼオライト粉体の含水は結晶に保水されたものであるから塗着とともに急速に放出蒸散され、且水溶性アクリル樹脂や透湿透気添着材の含水分もその放出蒸散に伴って膨大量の微細孔が固化するアクリル樹脂塗膜に形成され而も無孔質の調色空隙補助材との間には微細間隙が形成されることと相俟って臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着性や吸湿放湿性が阻害されることもない。
【0017】
更に塗着形成された塗着層表面には、接触表面積率の極めて大きな人工ゼオライト粉体が露出しているため、接触する臭気ガスや揮発性有機化合物が積極的に吸着されるとともに、著しく強い塩基置換性により臭気ガス分子や揮発性有機化合物分子等が容易に分解され消臭や安全化が図られるばかりか、吸着飽和がなされず長期に亘って吸着性が維持される。
而も過剰な湿気に対しても積極的に吸湿され、一旦その水分が人工ゼオライト粉体の結晶空隙に保水されるものであるから、乾燥に伴って速やかに放湿されるため建物空間内が略一定の湿度に保持されることとなる。
【0018】
【実施例】
以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明すれば、図1は人工ゼオライト1の拡大説明図、図2は本発明内装塗材用原料の説明図であって、本発明に使用する人工ゼオライト粉体1は建物空間内に揮散滞留する臭気ガスや揮発性有機化合物を積極的に吸着させ且その強い塩基置換性により分解し消臭化や安全化を図るうえからカルシウムイオン、鉄イオン、マグネシウムイオン若しくはカリウムイオンで置換されてなる人工ゼオライト粉体1が用いられ、且その接触表面積率が大きく而も配合に際しての分散性や取扱性の良好なものが望まれることから、その平均粒径として10乃至50μmのものが選択される。この場合の平均粒径はその中央値に対してプラス30%、マイナス30%の粒径範囲に略80%以上が含まれるものと理解すれば良い。
【0019】
更に該人工ゼオライト粉体1は建物空間内に揮散滞留する臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着と分解或いは湿気の吸湿放湿はもとより、長期に亘って発生する臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着と分解を継続して発揮させるうえから、膨大量に及ぶ微孔1Aによる大きな吸着容量所謂その比表面積において少なくとも120m/g以上のもの好ましくは150乃至180m/gのものが望まれ、且吸着した臭気ガスや揮発性有機化合物の分解による消臭や安全性と吸着飽和を無くし長期に亘って吸着性を保持させるうえからも、その塩基置換容量(meq/100g)が少なくとも200mg以上、好ましくは240乃至280mgのものが選択されるもので、かかる如く選択された人工ゼオライト粉体1は全体量に対して35乃至60%重量割合で使用される。
【0020】
而して人工ゼオライト分体1は、その原料たる石炭灰や鋳造廃砂或いは焼成スラッチ等は排出過程において微量カーボンの混入が不可避であり、且その主要成分が酸化珪素及び酸化アルミニウムであること等により基本色調が暗灰色若しくは灰色のため多様な色調特には内装用塗材に要請される淡色高明度の色調の形成が著しく至難となる。
そこで図2に示すように人工ゼオライト粉体1にその全体の色調を一旦白色状に調色のうえ適宜の無機顔料2Eを配合して所望の色調の塗着層3を形成させる手段を用いるうえから、調色空隙補助材2Aが全体量に対して15乃至30%重量割合で配合される。
【0021】
この調色空隙補助材2Aは、その一つの目的が本発明を所望の色調に形成させるために、一旦全体を白色状に調色させるうえで素材の色調が白色であることが望まれ、他の目的としては塗着層3の形成に係る添着材の使用が相対的に少なくなることから、形成される塗着層3を高充填密度で強靭に形成させるため、その平均粒径として1乃至10μmの調色空隙補助材2Aが使用されるものであり、更なる目的としては建物空間の壁面や天井面等の多様な素材からなる被着面4への強固な塗着と且形成される塗着層3の強靭な形成のために使用する水溶性アクリル樹脂粉体2Bのアクリル樹脂成分により、人工ゼオライト粉体1が保持する膨大量に亘る微孔1Aが閉塞されて吸着性や吸湿性が阻害されぬよう、該調色空隙補助材2Aに無機質で且無孔質のものを使用することにより人工ゼオライト粉体1と該調色空隙補助材2Aとの間に多数の微細間隙1Bが形成されるよう配慮されている。そして調色空隙補助材2Aの具体的なものとしてはカオリナイトや酸化チタン、タルク或いは炭酸カルシウムが挙げられる。
【0022】
人工ゼオライト粉体1や該調色空隙補助材2Aに所要の粘性を付与せしめて所要の厚さに塗着層3を形成せしむる添着材としては、水溶性アクリル樹脂粉体2Bが全体量に対して15乃至25%重量割合で配合される。
この添着材に水溶性アクリル樹脂粉体2Bを採用する所以は、建物空間を形成する広範な素材からなる被着面4と強固な塗着と且塗着形成される塗着層3を十分に強靭に形成しえることによるものである。
加えて本発明による建物空間内への塗着施工に際しては、全体量に対して水が40乃至70%重量割合で加水2Fされるもので、該加水に伴い水溶性アクリル樹脂粉体2Bがかかる水分量に従った吸水溶解をなし且塗着層3の形成とともに、人工ゼオライト粉体1の微孔1A内に保水された水分の積極的放水(放湿)とも相俟って該吸水溶解した水分も蒸散され、この蒸散に伴い微細蒸散孔1Cが膨大量に亘って形成しえる理由による。
【0023】
本発明では形成される塗着層3に人工ゼオライト粉体1の保持する臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着並びに分解性、及び過剰湿気の吸湿と乾燥時の放湿所謂調湿性を発揮させる配慮として、前記微細蒸散孔1Cの形成に加えて加水時において透湿透気性を保持する透湿透気添着材2Cを全体量に対して、0.5乃至1.5%重量割合で配合させ加水2Fに際してその早い溶解性と且高い粘性により人工ゼオライト粉体1の外表面に積極的に包着せしめてアクリル樹脂成分の微孔1A内への浸透を抑制するとともに塗着層3の形成に際して、人工ゼオライト粉体1の微孔1Aが透湿透気添着材2Cで包着されていても吸着並びに分解性、及び調湿性が発揮しえるよう配慮されている。
透湿透気添着材2Cの具体的なものとしてはセルロース誘導体ではヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられ、その他としてはポリアクリル酸アンモニウムも挙げられる。
【0024】
そして本発明においては図2に示す如き内装用塗材原料2の場合はもとより、直接塗着施工が可能なよう図5に示すように予め所要割合の加水2Fがなされた内装用塗材5においても、人工ゼオライト粉体1や調色空隙補助材2A、水溶性アクリル樹脂粉体2B、透湿透気添着材2C或いは所望の調色のために配合される無機顔料2E等が可能な限り均質に分散混合されることが肝要で、かかる均質な分散混合が不十分であると形成される塗着層3に濃淡むらや色調むらが顕著に発生する。
反面本発明には広範多様な素材が分散混合されるもので、これら多様な素材相互の均質な分散混合を可能となす分散剤2Dとしては、各多の分散性試験よりポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体が選択されるもので、且該分散剤2Dは全体量に対して1.0乃至3.0%重量割合で配合されれば良い。
【0025】
加えて本発明を所望の色調に着色するために配合される顔料としては、耐候性や耐退色性に優れる無機顔料2Eが使用されるもので、形成される塗着層3の具体的形成厚さや被着面4の色調等によっても異なるが、淡色高明度の形成には全体量に対して無機顔料2Eを0.5乃至1.0%重量割合で配合し、更に濃色低明度の形成には1.5乃至2.0重量割合で配合されれば良い。
【0026】
かくして人工ゼオライト粉体1、調色空隙補助材2A、水溶性アクリル樹脂粉体2B、透湿透気添着材2C、分散材2D及び無機顔料2Eが所要の割合で混合分散されることにより内装用塗材原料2が形成されるもので、かかる内装用塗材原料2に対して水を40乃至70%重量割合に加水2Fして塗着層3を形成させれば良い。
図3はにはウーローラー6による塗着層3の塗着形成態様が示されてなるものでかかる場合では内装用塗材原料2に対する加水2F割合は略50乃至60%重量割合が目途となる。更に図4には吹付器7を用いた塗着層3の塗着形成態様が示されてなり、かかる形成手段においては内装用塗材原料2に対する加水2F割合は60乃至70%重量割合として十分に低粘度の状態で被着面4に吹付けがなされる。
【0027】
近年においては住宅建物空間や小規模店舗空間の塗着施工等は一般居住者自身により若しくは専門業者外の業者でも塗着施工をなす時代背景にある。これがため図5に示すように内装用塗材原料2に予め塗着施工方法に適合するよう水を40乃至70%重量割合で加水2Fのうえ十分に分散混合させ、ウーローラー6や刷毛或いは鏝等で直接塗施工の可能な内装用塗着材5として提供することが有利となる。
【0028】
図6は本発明により被着面4に塗着形成された塗着層3の拡大断面説明図であって、人工ゼオライト粉体1の相互間には分散剤2Dの作用により調色空隙補助材2Aが高充填密度に分散されてなるとともに、該人工ゼオライト粉体1と調色空隙補助材2A相互を接着させ且全体の塗着層3の保形をなす水溶性アクリル樹脂成分には、塗着乾燥に伴い人工ゼオライト粉体1に保水された水分並びに該水溶性アクリル樹脂成分が含水した水分の蒸散に伴う膨大量且微細の蒸散孔1Cの形成並びに人工ゼオライト粉体1と調色空隙補助材2Aとの間にも多数の微細間隙1Bが形成され、而も人工ゼオライト粉体1の外表面には透湿透気添着材2Cが包着されてなるため、人工ゼオライト粉体1の保持する臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着並びに分解性、及び吸湿放湿に係る調湿性も維持され発揮される。
【0029】
以下に本発明内装用塗材によるガス吸着分解試験結果を述べれば、使用した内装用塗材はカルシウムイオンで置換した平均粒径30μm、比表面積120m/g、塩基置換容量(meq/100g)210mgの人工ゼオライト55%重量に、平均粒径3μmの炭酸カルシウム20%重量、水溶性アクリル樹脂21%重量、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体からなる分散剤2%重量、メチルセルロースからなる透湿透気添着材1.0%重量及び無機顔料1.0%重量割合で分散混合させたうえ、この全体量に対し55%重量割合で加水し混練させたものを使用した。
【0030】
試験は神奈川県大和市福田地先の鉄筋コンクリート4階建築19年の改装中の賃貸マンション間取り2DK2室を使用し、一方の6帖間(内容積26m)には天井及び壁3面合計28mをウーローラーを用いて厚さ0.5mmの塗着層を形成させて実験区とし、他方の6帖間は未塗着のまま対照区とした。
試験方法は実験区及び対照区共に目張りを施し密閉空間となし、臭気ガスとしてアンモニアガス及びイソ吉草酸ガスを、更に揮発性有機化合物としてホルムアルデヒドガスを用い実験区及び対照区に所要濃度に拡散させ時間経過とともに残留ガス濃度を測定した結果は表1の通りで、本発明内装用塗材で塗着層を形成させた場合のガス吸着分解は驚く程優れていることが確認できる。
【0031】
【表1】
Figure 2004067981
【0032】
【発明の効果】
本発明は以上の如くカルシウムイオンや鉄イオン、マグネシウムイオン若しくはカリウムイオンで置換され、且その平均粒径が10乃至50μmと接触表面積率が極めて大きく、而もその比表面積が120m/g以上と吸着吸湿容量が膨大で且塩基置換容量(meq/100g)も200mg以上の強い塩基置換性を有する人工ゼオライト粉体が35乃至60%重量割合で使用され、更にその平均粒径が1乃至10μmのカオリナイト、酸化チタン、タルク若しくは炭酸カルシウムからなる無孔質で白色状の調色空隙補助材が15乃至30%重量割合で配合されるため人工ゼオライト粉体が白色状に調色され、適宜の無機顔料の配合により広範囲の色調の塗着層が形成でき美装効果が著しく高められる。
【0033】
そして本発明は塗着層形成のための添着材として水溶性アクリル樹脂粉体が使用されるため、アクリル樹脂成分により広範な被着面へも強固な塗着と且強靭な塗着層の形成がなされる。
而も水溶性アクリル樹脂粉体は加水により実質的に40乃至70%重量割合の水を含水し且人工ゼオライト粉体にも40乃至70%重量割合の保水がなされ、塗着層の形成に伴って人工ゼオライト粉体からはその保水された水分が積極的に蒸散放水され、而も水溶性アクリル樹脂粉体に含水された水分も蒸散されることに伴い、固化するアクリル樹脂成分には膨大量で且微細な蒸散孔が形成され、而も人工ゼオライト粉体と高充填密度に混合された調色空隙補助材との相互間にも多数の微細間隙が形成され、更には人工ゼオライト粉体の外表面には透湿透気添着材が包着されてなるため、人工ゼオライト粉体の保持する臭気ガスや揮発性有機化合物の吸着性並びに分解性、及び吸湿並びに放湿に伴う調湿性が十分に発揮されるため、本発明を用いて塗着層を形成させることにより安全で衛生的且快適な建物空間となすことが可能となる。そして本発明は40乃至70%重量割合の加水をなし混練させるのみでローラーや刷毛、鏝或いは吹付けで極めて容易に塗着層が形成しえる等優れた特長を具備する内装用塗材原料及び内装用塗材である。
【図面の簡単な説明】
【図1】人工ゼオライト粉体の拡大説明図である。
【図2】内装用塗材原料の説明図である。
【図3】ウーローラーによる塗着形成態様図である。
【図4】吹付器による塗着形成態様図である。
【図5】内装用塗材の説明図である。
【図6】塗着層の拡大断面説明図である。
【符号の説明】
1  人工ゼオライト粉体
1A 微孔
1B 微細間隙
1C 蒸散孔
2  内装用塗材原料
2A 調色空隙補助材
2B 水溶性アクリル樹脂粉体
2C 透湿透気添着材
2D 分散剤
2E 無機顔料
2F 加水
3  塗着層
4  被着面
5  内装用塗材
6  ウーローラー
7  吹付器

Claims (2)

  1. カルシウムイオン、鉄イオン、マグネシウムイオン若しくはカリウムイオンで置換され、且その平均粒径が10乃至50μmで比表面積が少なくとも120m/g以上並びに塩基置換容量(meq/100g)が200mg以上の人工ゼオライト粉体が35乃至60%重量割合、カオリナイト、酸化チタン、タルク若しくは炭酸カルシウムからなり、且その平均粒径が1乃至10μmの調色空隙補助材が15乃至30%重量割合、水溶性アクリル樹脂粉体15乃至25%重量割合、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体からなる分散剤が1.0乃至3.0%重量並びにセルロース誘導体若しくはポリアクリル酸アンモニウムからなる透湿透気添着剤が0.5乃至1.5%重量割合及び適宜の無機顔料が0.5乃至2.0%重量割合で配合分散されてなることを特徴とする内装用塗材原料。
  2. 請求項1記載の内装用塗材原料に対して水が40乃至70%重量割合で混合分散されてなる内装用塗材。
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