JP2004067507A - 耐水性粒状爆薬組成物 - Google Patents

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杉原 秀明
Tokuo Inoue
井上 篤雄
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Abstract

【課題】本発明は、従来のANFO爆薬と同様にバルクでの使用が可能、流動性を有する等、取扱性に優れると共に製造方法が容易であり、且つ実用上想定される浸水時間において十分な耐水性、及び爆発性能を有する爆薬組成物を開発することを目的とする。
【解決手段】本発明の粒状爆薬組成物は、微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝安、燃料油、熱硬化性樹脂、及び必要によりアンチブロッキング剤を含有し、熱硬化性樹脂による耐水性被膜を形成し、これらの成分が樹脂膜により被覆されていることを特徴とする。

Description

 本発明は砕石、採鉱、採炭、ずい道掘進等の産業用爆破作業に広く利用される爆薬組成物に関する。更に詳しくは、穿孔等に直接装填して使用し得る耐水性の粒状爆薬組成物に関する。
 産業用爆破作業に用いられる爆薬としては、ダイナマイト、含水爆薬、硝安爆薬、硝安油剤爆薬(以下ANFO爆薬と呼ぶ)等が良く知られている。これらの爆薬のうち、ANFO爆薬は比較的簡単に製造できる爆薬であり、他の産業用爆薬と比較して安価で、安全性の高い爆薬として良く知られている。また、ANFO爆薬は流動性のある粒状物質からなり、穿孔内に直接流し込んだり、ローダー等の装填機によって装填したりすることもできる。これらの理由から、ANFO爆薬は極めて広範に使用されている。
ANFO爆薬の主成分は、多孔質粒状(以下ポーラスプリルと呼ぶ)の硝酸アンモニウム(以下硝安と呼ぶ)で、爆薬全体の90重量%以上を占めることが多い。ANFO爆薬は、このポーラスプリル硝安に軽油などの液体燃料成分を混合した爆薬である。一方硝安は水100gに対して0℃で約120g、また100℃においては約950g溶解し、水に対して非常に溶解し易い特徴がある。
 従ってANFO爆薬は、爆破用の穿孔内に水が存在したり、地下水が浸み込んだり、雨天で穿孔内に水が浸入した場合には、硝安が容易に穿孔内で溶解し、軽油が分離するために爆発性を失うことがある。従って、このような条件下では耐水性のあるダイナマイト、含水爆薬等の包装爆薬が用いられたり、予めポリチューブ製薬筒のような防水性のある包装材料に装填された(包装)ANFO爆薬が使用されたりする。しかし、前者の場合は使用される爆薬がANFO爆薬よりも高価な爆薬であり、発破コストが上昇する。また後者の場合は、元来バルクで簡単に装填することのできるという優位性を失うばかりでなく、包装された爆薬と穿孔壁との間に隙間を生じ、穿孔内にANFO爆薬を直接装填する場合に比べて、十分な発破効果を得ることができない。また、このようなポリチューブに包装されたANFO爆薬は、穿孔内への装薬時に穿孔壁の鋭利な石などによって損傷し、その結果包装内部に水が浸入し、そのためにANFO爆薬が吸湿してしまい爆発性能を失うことがある。また、穿孔内に水が大量に存在する場合、爆薬が浮き上がるのを防ぐため、水を排出させる必要がある。
 上記の諸問題を解決する一試みとして、ポリチューブに装填することなく、爆薬を使用する方法がいくつか提案されている。例えば、ANFO爆薬に吸水剤を加えた爆薬が開発・実用化されている(特許文献1)が、吸水性能は充分でなく爆薬の使用に際して、排水ポンプにより穿孔内から水を一旦除去する必要があり、装薬作業における工程が増えることになる。また、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5では、種々の方法によりポーラスプリル硝安の耐水性の向上が試みられているが、これらはいずれも高融点ワックスの溶融、被膜形成時の加熱、冷却温度及び時間の管理、更にコーティング剤のスプレーコーティング、被覆用エマルション爆薬の製造、粉状硝安によるプレコーティング工程等、複雑な操作や特別な装置が必要で製造工程の複雑及び長時間化が予想される。
特開2000−16891号公報 特開2001−31490号公報 特開2001−48689号公報 特開2001−89285号公報 特開2002−47088号公報 特開昭55−51794号公報 特開平11−147784号公報 特開平11−278974号公報 特開平10−291883号公報 特開平8−26877号公報
 本発明は、バルクでの使用が可能で流動性を有する等、取扱性に優れるというANFO爆薬の利点をできるだけ活かして、且つ穿孔内に存在する水及び浸入する水を除去せずに使用が可能であるという耐水特性を有すると共に、簡単な装置で容易に製造できる粒状爆薬を提供することを目的とする。
 本発明者らは、上記課題を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成させたものである。
すなわち本発明は、
(1)微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝酸アンモニウム、燃料油及び熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする耐水性粒状爆薬組成物、
(2)微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝酸アンモニウム、燃料油、熱硬化性樹脂及びアンチブロッキング剤を含有することを特徴とする耐水性粒状爆薬組成物、
(3)ポーラスプリル硝酸アンモニウムの吸油率が、5.0〜20.0%であり、且つ硬度が10.0%以下である(1)項又は(2)項に記載の耐水性粒状爆薬組成物、
(4)ポーラスプリル硝酸アンモニウムの嵩比重が、0.55〜0.78である(1)項乃至(3)項のいずれか1項に記載の耐水性粒状爆薬組成物、
(5)全ポーラスプリル硝酸アンモニウム中、粒径が2.36mm以上及び0.98mm以下のものの割合がそれぞれ、1.0重量%以上及び1.0重量%以下である(1)項から(4)項のいずれか1項に記載の耐水性粒状爆薬組成物、
(6)微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝酸アンモニウム、燃料油を熱硬化性樹脂、重合性モノマーあるいは重合性オリゴマーからなる群から選ばれる1種以上と混合し、必要により硬化剤、アンチブロッキング剤の添加、あるいは加熱することを特徴とする爆薬組成物の製造方法
に関する。
 本発明の爆薬組成物は、従来のANFO爆薬と同等の取扱、及び簡便な工程での製造が可能であり、優れた爆発性能、耐水性、並びに水中での十分な爆発性能を保持する爆薬組成物である。
 以下本発明を詳細に説明する。
 本発明の爆薬組成物においては、微小中空粒子をポーラスプリル硝安に対して1.0×10−6〜10.0重量%、好ましくは1.0×10−3〜5.0重量%の範囲で包含するポーラスプリル硝安が使用される。
 本発明の爆薬組成物で用いられる微小中空粒子は、主に比重調整剤等として用いられているもので、使用し得る微小中空粒子の具体例を挙げれば、樹脂マイクロバルーン、ガラスバルーン、金属中空粒子、シラスバルーンのような天然又は合成の多孔性物質等があり、これらは単独または2種類以上混合して用いられる。本発明の爆薬組成物においては上記のうち樹脂マイクロバルーンが好ましいものとして挙げられる。
 本発明の爆薬組成物において使用されるポーラスプリル硝安としては、吸油率が5.0〜20.0%、好ましくは7.0〜18.0%、硬度が10.0%以下、好ましくは5.0%以下であるものが好ましい。
 更に、本発明の爆薬組成物においては、嵩比重が0.55〜0.78、好ましくは0.60〜073であるポーラスプリル硝安が使用される。
 更に、本発明の爆薬組成物において使用されるポーラスプリル硝安としては、粒径が2.36mm以上及び0.98mm以下のものの割合がそれぞれ、1.0重量%以上及び1.0重量%以下であるものが好ましい。
 ポーラスプリル硝安の吸油率は、一定量の試料ポーラスプリル硝安を、軽油に一定時間浸しておいた後、吸引ろ過し、試験前後の重量差より軽油の吸着量を算出することによって測定される。詳しくは試料ポーラスプリル硝安50gを直径40mm、深さ50mmのガラスフィルター(11G−1)に入れ、上皿直示天秤で秤量し、これを真空装置にセットする。ついでガラスフィルター中に軽油40mlを注入し、細い棒でよく撹拌し、ポーラスプリル硝安と軽油の混合接触を図る。5分間放置後、ガラスフィルターに付属した外部のコックを開放し、2分間軽油を自然流下させる。引き続き真空ポンプにて5分間吸引(流速:約30l/min)した後、軽油を吸着した試料のポーラスプリル硝安の入ったままのガラスフィルターを、上皿直示天秤で秤量する。ここで増量分が軽油の吸着分である。以上の測定を終えた後、元の試料ポ−ラスプリル硝安50gに対する軽油吸着分(g)の比率(%)を、吸油率(%)として表示する。計算式は下記式(1)の通りである。
  吸油率(重量%)=軽油吸着分(g)/試料50(g)×100  (1)
 ポーラスプリル硝安の硬度は、一定量のポーラスプリル硝安の試料を硬度測定装置により一定の条件で機械的に粉砕し、粉砕された量を計ることにより測定される。
 測定に使用される装置は、試料注入用漏斗、圧縮空気流入孔(内径4mm、長さ55mm)に接続した流送管(内径16mm、長さ175mm)、それらの接続部上部と漏斗を垂直に接続する試料注入管(内径12mm、長さ52mm)及び流送管と垂直に接続した試料粉砕管(内径50mm、長さ315mm)から構成されている。
 35mesh篩で粉末を除去した試料硝安100gを漏斗から試料注入管を通して流送管に落下注入し、流入孔から流入した圧縮空気(4kg/cm2)により、試料を流送管を通して粉砕管内壁に衝突させ試料硝安を粉化させる。流送後の試料ポ−ラスプリル硝安を35meshで篩分けし、+35mesh量(N)を秤量し、元の試料硝安100gに対する粉化量の比率(%)として表示する。計算式は下記式(2)の通り。
   硬度(%)=100(g)−N(g)    (2)
 ポーラスプリル硝安の嵩比重はJIS K−6721に規定の方法に準じて測定される。即ち、一定量の試料のポーラスプリル硝安を一定の高さから、支持棒に支持された下部にダンパーを有する漏斗を用いて、支持台上に設置した円筒形コップ内に落下させ、コップ上に盛り上がった試料ポーラスプリルの硝安を除去した後、コップ内の試料のポーラスプリル硝安を秤量することによって測定される。詳しくは、上端の直径90mm、下端の直径15mm、高さ115mmの漏斗を、漏斗下端と支持台上の深さ80mm、容積100cm3のコップ上端との距離が45mmとなるように設置し、漏斗内に試料のポーラスプリル硝安100gを入れ、ダンパーをスライドさせてコップ内に試料のポーラスプリル硝安を落下させる。振動を与えないように注意してコップの上に盛り上がった試料のポーラスプリル硝安をヘラでコップの上端と同じ高さで水平になるように払いのける。コップの外側に付着した試料のポーラスプリル硝安はこれを除去して、コップ内の試料のポーラスプリル硝安重量を上皿直示天秤で秤量する。以上の測定を終えた後、下記(3)式により嵩比重を算出する。
  嵩比重=試料重量(g)/100(cm3)  (3)
 ポーラスプリル硝安の粒度分布(重量%)は、一定量のポーラスプリル硝安を篩目の異なる各種篩を通し、各篩目毎の篩網上残留分重量から測定される。
 本発明の爆薬組成物に用いられる燃料油としては、混合時に液状である可燃性の有機物質であればいずれも使用し得るが、好ましい燃料油の具体例としては軽油、灯油等の鉱物油、大豆油、ナタネ油、ヒマシ油等の植物油、牛脂、スクワレン等の動物油等が挙げられる。
 この他、必要により、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコール類、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類、ジニトロトルエン、ジニトロキシレン等のニトロ化合物等を燃料油として単独又は混合して用いることができる。融点の高い燃料油は、それが液状になる温度以上で、ポーラスプリル硝安と混合することによって用いることができる。
 本発明の爆薬組成物に用いられる燃料油の使用量は、通常爆薬全体の2.5〜25.0重量%、好ましくは4.0〜10.0重量%の範囲である。
 本発明においてポーラスプリル硝安を被覆するための熱硬化性樹脂としては、ポーラスプリル硝安の表面に被膜を形成し、耐水性を有する物質であればいずれも使用可能であり、これらは単独で又は2種類以上混合して用いられる。また、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを本発明の爆薬組成物を製造する際に原料に添加し、高分子化して被膜を生成させることもできる。重合性モノマーまたは重合性オリゴマーは、その粘度が10〜1000mPa・s(25℃)のものが好ましい。また、例えばエポキシ樹脂のような硬化剤と反応して架橋構造を形成する樹脂は、単独で本発明に使用してもよいが、硬化剤を併用すると耐水性の高い被膜が生成し好ましい。重合性モノマーまたは重合性オリゴマーを使用した場合や熱硬化性樹脂とその硬化剤を併用した場合の被膜は、常温で高分子化するもの以外は、混合する際、または混合後に加熱して生成させる。また、本発明において、被覆工程時の熱硬化性樹脂又はその原料(重合性モノマーまたは重合性オリゴマー)及び硬化剤が液状であり、且つ被覆後には固形化するものが好ましい。更に硬化剤を用いる場合、常温で硬化反応する組み合わせを選択するのが好ましい。
 使用し得る熱硬化性樹脂の具体例としては、「14012の化学商品、pp.1017−1043、化学工業日報社」記載のエポキシ樹脂、キシレン樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、アミノ樹脂等が挙げられる。
 本発明において、上記のうちエポキシ樹脂、ポリウレアが好ましいものとして挙げられる。
 ここで、硬化剤としてはエポキシ樹脂、ポリウレアの場合、ポリエーテル、ポリエステル、アルコール類、アミン類、多価フェノール類、酸無水物、グリコール又はこれらの混合物が好適に用いられる。
 好ましいエポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ジグリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。また、重合性モノマーまたは重合性オリゴマーの好ましい例としては、ポリイソシアネート類が挙げられ、この場合の硬化剤としてはアミン類、ジオール類が挙げられる。
 本発明の爆薬組成物は、ポーラスプリル硝安に所定量の燃料油及び熱硬化性樹脂又はその原料を加え(熱硬化性樹脂が固体の場合は溶剤希釈せしめた後で加える)撹拌、混合することにより得ることができる。この際、上記したように硬化剤を添加したり、加熱したりしてもよい。なお、予め燃料油とポーラスプリル硝安を混合した混合物に熱硬化性樹脂またはその原料を添加して被膜を形成させることも可能である。このような混合工程やそれに続く加熱工程に伴いポーラスプリル硝安を主成分とする他の成分は熱硬化性樹脂またはその硬化物により被覆される。
 本発明の爆薬組成物における熱硬化性樹脂(重合性モノマー、重合性オリゴマーを含む)の使用量は、爆薬組成物全体に対して通常3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲である。なお、熱硬化性樹脂の硬化物の使用量は、熱硬化性樹脂とその硬化剤の合計重量により近似的に求められる。また、硬化剤を使用する場合その使用量は、熱硬化性樹脂に対し通常1当量以上、好ましくは1.1〜2当量である。
 本発明の爆薬組成物に必要に応じて用いられるアンチブロッキング剤としては、粉体であり、燃料油及び熱硬化性樹脂と混合したポーラスプリル硝安同士の固着を防ぎ、爆薬組成物の流動性を保持させ得るものであれば特に制限は無い。
 使用し得るアンチブロッキング剤の具体例としては、小麦デンプン、コーンスターチ等のデンプン類、カーボンブラック、グラファイト等の炭素粉、アルミニウム粉、マグネシウム粉等の金属粉、ガラスマイクロバルーン、樹脂マイクロバルーン、シラスマイクロバルーン等の微小中空粒子、タルク等が挙げられる。本発明において上記のうち炭素粉、アルミニウム粉、微小中空粒子が好ましいものとして挙げられる。
 アンチブロッキング剤を使用する場合、その添加量は爆薬組成物全体に対して通常0.05〜3.00重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%の範囲であり、熱硬化性樹脂の被覆時又は前後のいずれにおける添加も可能である。
 本発明の爆薬組成物には、静電気発生防止の措置を施すことができる。例えば水溶性及び油溶性の帯電防止剤(特許文献6、特許文献7、特許文献8)として知られる各種界面活性剤や、デンプン類(特許文献9)、脂肪酸アミド等の添加剤を加えることができる。
 本発明の爆薬組成物は、一般的には、ニーダーあるいはコンクリートミキサーのような混合機で、微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝安と燃料油、熱硬化性樹脂又はその原料、並びに必要により熱硬化性樹脂の硬化剤及び前記添加剤を撹拌、混合して熱硬化性樹脂またはその硬化物で被覆された微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝安を得る事により製造される。
 本発明の爆薬組成物は、従来のANFO爆薬と同様に製造工程が簡素であり、バルクでの使用が可能、流動性を有する等、取扱性に優れ、且つ穿孔内に存在する水及び浸入する水を除去せずに使用が可能であるという特徴がある。
 本発明を実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例において部は重量部を示す。
実施例1
 樹脂マイクロバルーンを0.10重量%含有し、吸油率が約12.5重量%、硬度が3.0%、嵩比重が0.69、粒径が2.36mm以上及び0.98mm以下のものがそれぞれ53.3重量%及び0.0重量%であるポーラスプリル硝安(EXPAN200: Sasol Chemical Industries Limited)83.0部を、高速ミキサーの容器に入れ、1分当たり150回転の速度で攪拌しながら、室温で2号軽油4.3部、液状エポキシ樹脂(GOT:ジグリシジルオルソトルイジン 日本化薬(株)製)9.5部、及び硬化剤(KAYATORON RL−90N−A: 日本化薬(株)製)3.2部を添加し、本発明の爆薬組成物100部を得た。
実施例2
 実施例1と同じポーラスプリル硝安79.3部を、シグマ翼を備えた横型ニーダーの容器に入れ、1分当たり100回転の速度で撹拌しながら、室温のジニトロ化合物(DNT−SC: 日本化薬(株)製)4.0部を加え、更に液状エポキシ樹脂(GAN:ジグリシジルアニリン 日本化薬(株)製)12.0部、硬化剤(カヤハードMCD: 日本化薬(株)製)4.2部、及び樹脂マイクロバルーン(EXPANCEL DE551: アクゾノーベル(株)製)0.5部を添加し、本発明の爆薬組成物100部を得た。
実施例3
 樹脂マイクロバルーンを0.19重量%含有し、吸油率が約11.4重量%、硬度が4.7%、嵩比重が0.64、粒径が2.36mm以上及び0.98mm以下のものがそれぞれ5.0重量%及び0.3重量%であるポーラスプリル硝安(EXPAN100: Sasol Chemical Industries Limited)ポーラスプリル硝安83.2部を高速ミキサーの容器に入れ、1分当たり250回転の速度で攪拌しながら、室温の2号軽油5.3部を加え、更にポリイソシアネート化合物(ミリオネートMR−400: 日本ポリウレタン工業(株)製)6.8部、及び変性ポリアミン(リアクトCA−101: 三洋化成工業(株)製)2.0部、ヘキサノール(試薬1級: 林純薬工業(株)製)2.7部を添加し、本発明の爆薬組成物100部を得た。
実施例4
 樹脂マイクロバルーンを0.02重量%含有し、吸油率が約11.7重量%、硬度が2.1%、嵩比重が0.76、粒径が2.36mm以上及び0.98mm以下のものがそれぞれ3.6重量%及び0.3重量%であるポーラスプリル硝安(EXPAN300: Sasol Chemical Industries Limited)ポーラスプリル硝安80.0部を、90℃に加温したシグマ翼を備えた横型ニーダーの容器に入れ、1分当たり100回転の速度で撹拌しながら、120℃に溶融したマイクロクリスタリンワックス(Himic2065: 日本精鑞(株)製)3.3部を加え、更に液状エポキシ樹脂(GOT: 日本化薬(株)製)15.7部、及びフレーク状のアルミニウム粉(P−0100 東洋アルミ(株)製)1.0部を添加し、本発明の爆薬組成物100部を得た。
比較例1
 ポーラスプリル硝安(吸油率12.0重量%、硬度5.5%、嵩比重0.78、粒径2.36mm以上及び0.98mm以下のものの含有量がそれぞれ0.0重量%及び6.0重量%)94.0部に室温の2号軽油6.0部を実施例1と同様に混合し、比較用の粒状爆薬100部を得た。(特許文献10記載の爆薬)
評価試験
(1)耐水性試験
 実施例1〜4及び比較例1で得られた各爆薬組成物を内径50mmの透明アクリル管に300g流し込んで浸水させ、それらの浮遊状況を観察し、耐水性について評価を行った。なお、耐水性の試験結果は、爆薬組成物300gのうち浮遊した爆薬組成物の割合を重量%で示した。
(2)流動性試験
 実施例1〜4及び比較例1で得られた各爆発組成物を内径60mm、長さ1mの塩ビ管に直接流し込み、流動性について観察を行い評価した。
 これらの結果を表1に示す。
Figure 2004067507
 従来のANFO爆薬である比較例1の爆薬組成物は、耐水性を有していないため、ポーラスプリル硝安が瞬時に溶解し、2号軽油が水面に浮遊する。一方、実施例1〜4で得られた本発明の爆薬組成物は、水中に流し込んでも即座にポーラスプリル硝安が溶解することなく、その状態で1時間水中に放置した場合においても、爆薬全体の90%以上が溶解及び浮遊せず、従来のANFO系爆薬と比較して優れた耐水性を有することが明らかである。また、3時間水中に放置した場合でも爆薬全体の約90%が溶解せず、非常に優れた耐水性を有することが明らかである。更に、従来のANFO爆薬と同等の流動性を有するため、直接流し込み装填が可能であり、実施例4のように融点の高い燃料油を使用する場合以外は、加温工程は必要なく、添加原料が増加する他は従来のANFO爆薬同様、簡単な工程での製造が可能であることも明らかである。

Claims (6)

  1. 微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝酸アンモニウム、燃料油及び熱硬化性樹脂を含有することを特徴とする耐水性粒状爆薬組成物。
  2. 微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝酸アンモニウム、燃料油、熱硬化性樹脂及びアンチブロッキング剤を含有することを特徴とする耐水性粒状爆薬組成物。
  3. ポーラスプリル硝酸アンモニウムの吸油率が、5.0〜20.0%であり、且つ硬度が10.0%以下である請求項1又は請求項2に記載の耐水性粒状爆薬組成物。
  4. ポーラスプリル硝酸アンモニウムの嵩比重が、0.55〜0.78である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐水性粒状爆薬組成物。
  5. 全ポーラスプリル硝酸アンモニウム中、粒径が2.36mm以上及び0.98mm以下のものの割合がそれぞれ、1.0重量%以上及び1.0重量%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の耐水性粒状爆薬組成物。
  6. 微小中空粒子を包含するポーラスプリル硝酸アンモニウム、燃料油を熱硬化性樹脂、重合性モノマーあるいは重合性オリゴマーからなる群から選ばれる1種以上と混合し、必要により硬化剤、アンチブロッキング剤の添加、あるいは加熱することを特徴とする爆薬組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012051769A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Japan Carlit Co Ltd:The 爆薬組成物

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