JP2004067238A - ジメチルエーテル充填用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】膨潤や溶解の問題が生じず耐食性に優れるメチルエーテル充填用容器を提供する。
【解決手段】JIS K 7114に基づき測定した、液状ジメチルエーテルに23℃で7日間浸漬後の重量変化率が±1%以内であり、かつ寸法変化率が±1%以内である合成樹脂からなるジメチルエーテル充填用容器。
【選択図】 なし
【解決手段】JIS K 7114に基づき測定した、液状ジメチルエーテルに23℃で7日間浸漬後の重量変化率が±1%以内であり、かつ寸法変化率が±1%以内である合成樹脂からなるジメチルエーテル充填用容器。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジメチルエーテル(以下DMEと表記する)に対して耐食性に優れるDME充填用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液化石油ガス(以下LPGという)は、酸性雨の原因となる硫黄酸化物の排出はほとんどなく、地球温暖化の原因と言われている二酸化炭素の排出量が他の化石燃料に比べて少ないクリーンエネルギーで、通常の状態では気体だが、圧力を加えたり冷却することにより容易に液体に変わる。
LPGのこのような性質を利用して、例えば、ガスライター用の燃料としてプラスチック容器中に高圧で注入し使用されている(特開平5−180439号公報、特開平10−26349号公報)。従来より用いられているガスライターの充填ガスはLPGの一種でブタン、プロパン又はその他の液化炭化水素の混合燃料である。その他としては、例えば、特開平6−159678号公報ではLPGに香料を混入させ着火時に芳香を漂わせたり、特開平10−196951号公報ではLPGに金属塩を溶解させたアルコールを混入させ、炎色反応を利用した着色発炎性ライター等が試みられている。
【0003】
一方、使い捨てライターに代表されるガスライターの容器部には、合成樹脂を射出成形等により成形加工したものが用いられており、素材の多くは、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)である。これはスチレン樹脂では燃料ガスに対して耐食性が低く、容器中の充填ガスに対して溶解や膨潤が起こり内容物の漏洩等の問題が生じるために、スチレンにアクリロニトリルを共重合することにより耐食性を向上させた透明樹脂である。現在使い捨てライターに代表されるプラスチック製ガスライターにおいては、AS樹脂の透明性を利用して充填ガスの残量を確認できる透明ガスライターが主流となっている。従来の立方形ガスライター容器の他には、特開2000−240942号公報では容器を球形としたり、特開平5−157237号公報では容器本体に可撓自在部を設けて燃料を多く充填したりする等の試みがなされている。
【0004】
近年、DMEはLPGと同様に硫黄分を含まないクリーンな新燃料として注目されている。DMEは常温常圧下においては化学的に安定した無色の気体で、飽和蒸気圧はプロパンとブタンのほぼ中間の値である。25℃における飽和蒸気圧が0.6MPaと低く、加圧すると容易に液化し、ガスライターの充填ガスであるLPGとほぼ同様の取り扱いが可能である。
【0005】
しかしながらDMEの蒸気圧等の性質はLPGに類似している部分があるものの、溶解性等の物理的性質、化学的性質は相当に異なり、多くの高分子素材に対して浸透しやすく膨潤や溶解を引き起こす。例えばAS樹脂から作製した現行のガスライター容器に液状DMEを充填した場合、容器部の白化が著しく進行し、遂には溶解して充填ガスが漏洩してしまうという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液体DMEを充填したときに膨潤や溶解の問題が生じず耐食性に優れるメチルエーテル充填用容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の合成樹脂を使用することにより、膨潤や溶解の問題が生じず耐食性に優れるジメチルエーテル充填用容器を得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、JIS K 7114に基づき測定した、液状ジメチルエーテルに23℃で7日間浸漬後の重量変化率が±1%以内であり、かつ寸法変化率が±1%以内である合成樹脂からなるジメチルエーテル充填用容器に関する発明である。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明に使用可能な容器用樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、およびナイロンが使用できる。特に透明性を要求する場合には、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、および共重合ナイロンが使用でき、これらは単独でも異なる樹脂同志ブレンドしても使用できる。
【0009】
ナイロンとは、ナイロンMXD6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等の脂肪族ナイロン、および該ナイロンを形成する成分を主体とする共重合ナイロンである。
【0010】
ナイロンMXD6とは、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応から得られるアミド結合繰り返し単位を含有するナイロンである。
【0011】
共重合ナイロンとしては、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイロン6/66/12共重合体、ナイロン6/612/12共重合体、ナイロン6/610/12共重合体、ナイロン6/66/11共重合体、ナイロン6/66/610/12共重合体等が挙げられる。
【0012】
上記した合成樹脂はいずれもDMEに対して耐食性に優れるため、DMEを充填した容器として好適に使用できる。特に共重合ナイロン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、およびポリエチレンナフタレートを用いて容器とした場合、DMEに対する耐食性に優れていること、かつ透明であるため内容物の確認が容易に可能なことから、DMEを充填した透明容器として使用できる。例えば、本発明の合成樹脂を、DME燃料ガスライターに使用した際には、充填ガスの残量が瞬時に確認でき、かつガスライター容器からの上記ガスが漏洩せず、ガスライターとしての機能を長期間持続することが可能である。
【0013】
本発明の試験条件はJIS K 7114を基準とした。試験片は、長さ50±1mm、幅50±1mmの板状試験片3個を用い、温度23±2℃、7日間浸漬試験で評価した。また、浸漬試験前後での重量変化率M(%)および寸法変化率L(%)は、それぞれ次式によって計算し、増加をプラス(+)、損失をマイナス(−)で表した。
M=100×(M2−M1)/M1、L=100×(L2−L1)/L1
M1:試験片の試験前の重量(mg)、M2:試験片の浸漬試験後状態乾燥を行った後の重量(mg)
L1:試験片の試験前の長さ(mm)、L2:試験片の浸漬試験後状態乾燥を行った後の長さ(mm)
本発明では試験前後での重量変化率及び寸法変化率が共に±1%以内、特に±0.8%以内、最も好適には±0.5%以内であることが望ましい。DMEを充填した各種容器において、重量変化率及び寸法変化率が一方でも±1%を越えると、容器の形状を保持出来ないばかりか、容器の膨潤、溶解によるDMEの漏洩が生じてしまう恐れがあり、好ましくない。
【0014】
本発明のDME充填用容器は、特に透明ガスライター容器に適している。
ガスライター容器としての容器厚みは、0.3〜3.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmのものが好適に使用できる。厚みが0.3mm未満の場合は容器本体は透明であるが強度が低く、落下や衝突等の衝撃に対して破壊する恐れがある。一方、厚みが3.0mmを越える場合は容器本体の耐衝撃性は優れるが、透明性が著しく低下してしまうため使用時に充填ガスの残量を確認することが困難である。
【0015】
ガスライター等のDME充填用容器は、例えば、ペレット状の合成樹脂をブロー成形、インジェクションブロー成形などの一般的な成形法により成形加工して作ることが可能である。
【0016】
なお、本発明の充填用容器は、DME単独の充填に好適に使用できるが、またDMEとLPGとの混合液の容器として用いることもできる。
【0017】
本発明のDME充填用容器に用いる合成樹脂又は樹脂組成物は、DMEに対する耐食性に優れるために、DME充填用容器や透明ガスライター容器の容器本体としての成形材料としてのみでなく、従来、知られていなかった、DMEに接触する各種の部位の材料にも使用可能である。例えば、DMEを充填する容器やキャップ等の内面コーティング材、ガスケット、パッキン及びオーリング等のシール材、チューブ等の材料として単独又は他の材料との混合物として使用することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明のジメチルエーテル充填用容器は、DMEに対して優れた耐食性及び透明性を有することから、DME用充填容器として広く使用することができるので本発明の工業的意義は大きい。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、本実施例、比較例における評価は、下記の方法で行った。
【0020】
(1)樹脂サンプルの浸漬試験:温度23±2℃、湿度50±5%の大気中で48時間以上静置して樹脂サンプルの状態乾燥を行い、オートクレーブ装置を用いて各種樹脂サンプル(50×50×2mm)を液状DME中に温度23±2℃で7日間浸漬させた。
(2)樹脂サンプルの耐食性評価:浸漬試験後の樹脂サンプルを温度23±2℃、湿度50±5%の大気中で48時間以上静置して状態乾燥後、浸漬試験前後での重量変化率及び寸法変化率をJIS K 7114に基づき測定した。
(3)樹脂サンプルの透明性試験:浸漬試験後の樹脂サンプルを温度23±2℃、湿度50±5%の大気中で48時間以上静置して状態乾燥を行った後、浸漬試験前後での樹脂サンプルの外観変化(光沢損失、変色、曇り、ひび割れ、亀裂等の有無)を目視にて観察した。
(4)ガスライター容器の耐食性試験及び透明性評価:射出成形により成形した1mm厚のガスライター容器に着火部分を取り付けDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器の状態を目視にて観察した。
【0021】
実施例1
ペレット状のナイロン6/66共重合体(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ノバミッド2020J)から50×50×2mmの無色透明樹脂サンプルを作製し、液状DME中での浸漬試験を23±2℃で7日間行った。浸漬試験前後の重量変化率は+0.1%で、寸法変化率は+0.1%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。前記ナイロン6/66を用いて射出成形により現行のガスライターと同等の形状で成形し、着火部分を取り付けて1mm厚の無色透明ガスライター容器とした。次いでこのガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果、容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0022】
実施例2
ナイロン6を用いて実施例1と同様に薄黄色透明樹脂サンプル及び薄黄色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は−0.1%で、寸法変化率は+0.3%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。次いで前記ナイロン6から作製したガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0023】
実施例3
ナイロン66を用いて実施例1と同様に薄黄色透明樹脂サンプル及び薄黄色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は−1%で、寸法変化率は+0.2%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。次いで前記ナイロン66から作製したガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0024】
実施例4
ポリエーテルサルフォンを用いて実施例1と同様に琥珀色透明樹脂サンプル及び琥珀色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は+0.2%で、寸法変化率は+0.4%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。次いで前記ポリエーテルサルフォンから作製したガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0025】
実施例5
ポリフェニレンサルファイドを用いて実施例1と同様に茶色不透明樹脂サンプル及び茶色不透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は+0.1%で、寸法変化率は+0.1%であり、外観変化も全くなく試験前と同等であった。次いで前記ポリフェニレンサルファイドから作製した茶色不透明ガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存した。その結果容器外観は初期状態と全く同等で着火状態も異常が観られなかった。
【0026】
実施例6
ポリアセタールを用いて実施例1と同様に白色不透明樹脂サンプル及び白色不透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は+0.2%で、寸法変化率は+0.3%であり、外観変化も全くなく試験前と同等であった。次いでポリアセタールから作製した白色不透明ガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存した。その結果容器外観は初期状態と全く同等で着火状態も異常が観られなかった。
【0027】
【0028】
【0029】
比較例1
ペレット状のAS樹脂を用いて実施例1と同様に無色透明樹脂サンプル及び無色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。浸漬試験後の樹脂サンプルの重量変化率は+6%、寸法変化率は+4%となり、透明性が失われ白化し発泡が激しく初期の形状を維持していなかった。次いでAS樹脂から作製したガスライター容器にDMEを充填したところ、容器の白化、膨潤が生じ、遂には溶解して充填ガスが漏洩してしまい、ガスライターとして使用出来るものではなくなってしまった。
【0030】
比較例2
ペレット状のポリメタクリル酸メチル(PMMA樹脂)を用いて実施例1と同様に無色透明樹脂サンプル及び無色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。浸漬試験後の樹脂サンプルの重量変化率は+7%、寸法変化率は+5%となり、透明性が失われ白化し初期の形状を維持していなかった。次いでPMMA樹脂から作製したガスライター容器にDMEを充填したところ、容器の白化、膨潤、溶解が生じて充填ガスが漏洩してしまい、ガスライターとして使用出来るものではなくなってしまった。
【0031】
比較例3
ペレット状のポリマーボネート(PC樹脂)を用いて実施例1と同様に無色透明樹脂サンプル及び無色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。浸漬試験後の樹脂サンプルの重量変化率は+9%、寸法変化率は+2%で膨潤が観られ、かつ白色不透明となっていた。次いでPC樹脂から作製したガスライター容器にDMEを充填したところ、容器の白化、膨潤が生じ、遂には亀裂が発生し充填ガスが漏洩してしまい、ガスライターとして使用出来るものではなくなってしまった。
【0032】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジメチルエーテル(以下DMEと表記する)に対して耐食性に優れるDME充填用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液化石油ガス(以下LPGという)は、酸性雨の原因となる硫黄酸化物の排出はほとんどなく、地球温暖化の原因と言われている二酸化炭素の排出量が他の化石燃料に比べて少ないクリーンエネルギーで、通常の状態では気体だが、圧力を加えたり冷却することにより容易に液体に変わる。
LPGのこのような性質を利用して、例えば、ガスライター用の燃料としてプラスチック容器中に高圧で注入し使用されている(特開平5−180439号公報、特開平10−26349号公報)。従来より用いられているガスライターの充填ガスはLPGの一種でブタン、プロパン又はその他の液化炭化水素の混合燃料である。その他としては、例えば、特開平6−159678号公報ではLPGに香料を混入させ着火時に芳香を漂わせたり、特開平10−196951号公報ではLPGに金属塩を溶解させたアルコールを混入させ、炎色反応を利用した着色発炎性ライター等が試みられている。
【0003】
一方、使い捨てライターに代表されるガスライターの容器部には、合成樹脂を射出成形等により成形加工したものが用いられており、素材の多くは、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)である。これはスチレン樹脂では燃料ガスに対して耐食性が低く、容器中の充填ガスに対して溶解や膨潤が起こり内容物の漏洩等の問題が生じるために、スチレンにアクリロニトリルを共重合することにより耐食性を向上させた透明樹脂である。現在使い捨てライターに代表されるプラスチック製ガスライターにおいては、AS樹脂の透明性を利用して充填ガスの残量を確認できる透明ガスライターが主流となっている。従来の立方形ガスライター容器の他には、特開2000−240942号公報では容器を球形としたり、特開平5−157237号公報では容器本体に可撓自在部を設けて燃料を多く充填したりする等の試みがなされている。
【0004】
近年、DMEはLPGと同様に硫黄分を含まないクリーンな新燃料として注目されている。DMEは常温常圧下においては化学的に安定した無色の気体で、飽和蒸気圧はプロパンとブタンのほぼ中間の値である。25℃における飽和蒸気圧が0.6MPaと低く、加圧すると容易に液化し、ガスライターの充填ガスであるLPGとほぼ同様の取り扱いが可能である。
【0005】
しかしながらDMEの蒸気圧等の性質はLPGに類似している部分があるものの、溶解性等の物理的性質、化学的性質は相当に異なり、多くの高分子素材に対して浸透しやすく膨潤や溶解を引き起こす。例えばAS樹脂から作製した現行のガスライター容器に液状DMEを充填した場合、容器部の白化が著しく進行し、遂には溶解して充填ガスが漏洩してしまうという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液体DMEを充填したときに膨潤や溶解の問題が生じず耐食性に優れるメチルエーテル充填用容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の合成樹脂を使用することにより、膨潤や溶解の問題が生じず耐食性に優れるジメチルエーテル充填用容器を得られることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、JIS K 7114に基づき測定した、液状ジメチルエーテルに23℃で7日間浸漬後の重量変化率が±1%以内であり、かつ寸法変化率が±1%以内である合成樹脂からなるジメチルエーテル充填用容器に関する発明である。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
本発明に使用可能な容器用樹脂としては、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、およびナイロンが使用できる。特に透明性を要求する場合には、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、および共重合ナイロンが使用でき、これらは単独でも異なる樹脂同志ブレンドしても使用できる。
【0009】
ナイロンとは、ナイロンMXD6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612等の脂肪族ナイロン、および該ナイロンを形成する成分を主体とする共重合ナイロンである。
【0010】
ナイロンMXD6とは、メタキシリレンジアミンとアジピン酸との重縮合反応から得られるアミド結合繰り返し単位を含有するナイロンである。
【0011】
共重合ナイロンとしては、ナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイロン6/66/12共重合体、ナイロン6/612/12共重合体、ナイロン6/610/12共重合体、ナイロン6/66/11共重合体、ナイロン6/66/610/12共重合体等が挙げられる。
【0012】
上記した合成樹脂はいずれもDMEに対して耐食性に優れるため、DMEを充填した容器として好適に使用できる。特に共重合ナイロン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、およびポリエチレンナフタレートを用いて容器とした場合、DMEに対する耐食性に優れていること、かつ透明であるため内容物の確認が容易に可能なことから、DMEを充填した透明容器として使用できる。例えば、本発明の合成樹脂を、DME燃料ガスライターに使用した際には、充填ガスの残量が瞬時に確認でき、かつガスライター容器からの上記ガスが漏洩せず、ガスライターとしての機能を長期間持続することが可能である。
【0013】
本発明の試験条件はJIS K 7114を基準とした。試験片は、長さ50±1mm、幅50±1mmの板状試験片3個を用い、温度23±2℃、7日間浸漬試験で評価した。また、浸漬試験前後での重量変化率M(%)および寸法変化率L(%)は、それぞれ次式によって計算し、増加をプラス(+)、損失をマイナス(−)で表した。
M=100×(M2−M1)/M1、L=100×(L2−L1)/L1
M1:試験片の試験前の重量(mg)、M2:試験片の浸漬試験後状態乾燥を行った後の重量(mg)
L1:試験片の試験前の長さ(mm)、L2:試験片の浸漬試験後状態乾燥を行った後の長さ(mm)
本発明では試験前後での重量変化率及び寸法変化率が共に±1%以内、特に±0.8%以内、最も好適には±0.5%以内であることが望ましい。DMEを充填した各種容器において、重量変化率及び寸法変化率が一方でも±1%を越えると、容器の形状を保持出来ないばかりか、容器の膨潤、溶解によるDMEの漏洩が生じてしまう恐れがあり、好ましくない。
【0014】
本発明のDME充填用容器は、特に透明ガスライター容器に適している。
ガスライター容器としての容器厚みは、0.3〜3.0mm、好ましくは0.5〜2.0mmのものが好適に使用できる。厚みが0.3mm未満の場合は容器本体は透明であるが強度が低く、落下や衝突等の衝撃に対して破壊する恐れがある。一方、厚みが3.0mmを越える場合は容器本体の耐衝撃性は優れるが、透明性が著しく低下してしまうため使用時に充填ガスの残量を確認することが困難である。
【0015】
ガスライター等のDME充填用容器は、例えば、ペレット状の合成樹脂をブロー成形、インジェクションブロー成形などの一般的な成形法により成形加工して作ることが可能である。
【0016】
なお、本発明の充填用容器は、DME単独の充填に好適に使用できるが、またDMEとLPGとの混合液の容器として用いることもできる。
【0017】
本発明のDME充填用容器に用いる合成樹脂又は樹脂組成物は、DMEに対する耐食性に優れるために、DME充填用容器や透明ガスライター容器の容器本体としての成形材料としてのみでなく、従来、知られていなかった、DMEに接触する各種の部位の材料にも使用可能である。例えば、DMEを充填する容器やキャップ等の内面コーティング材、ガスケット、パッキン及びオーリング等のシール材、チューブ等の材料として単独又は他の材料との混合物として使用することができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明のジメチルエーテル充填用容器は、DMEに対して優れた耐食性及び透明性を有することから、DME用充填容器として広く使用することができるので本発明の工業的意義は大きい。
【0019】
【実施例】
以下に、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、本実施例、比較例における評価は、下記の方法で行った。
【0020】
(1)樹脂サンプルの浸漬試験:温度23±2℃、湿度50±5%の大気中で48時間以上静置して樹脂サンプルの状態乾燥を行い、オートクレーブ装置を用いて各種樹脂サンプル(50×50×2mm)を液状DME中に温度23±2℃で7日間浸漬させた。
(2)樹脂サンプルの耐食性評価:浸漬試験後の樹脂サンプルを温度23±2℃、湿度50±5%の大気中で48時間以上静置して状態乾燥後、浸漬試験前後での重量変化率及び寸法変化率をJIS K 7114に基づき測定した。
(3)樹脂サンプルの透明性試験:浸漬試験後の樹脂サンプルを温度23±2℃、湿度50±5%の大気中で48時間以上静置して状態乾燥を行った後、浸漬試験前後での樹脂サンプルの外観変化(光沢損失、変色、曇り、ひび割れ、亀裂等の有無)を目視にて観察した。
(4)ガスライター容器の耐食性試験及び透明性評価:射出成形により成形した1mm厚のガスライター容器に着火部分を取り付けDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器の状態を目視にて観察した。
【0021】
実施例1
ペレット状のナイロン6/66共重合体(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、ノバミッド2020J)から50×50×2mmの無色透明樹脂サンプルを作製し、液状DME中での浸漬試験を23±2℃で7日間行った。浸漬試験前後の重量変化率は+0.1%で、寸法変化率は+0.1%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。前記ナイロン6/66を用いて射出成形により現行のガスライターと同等の形状で成形し、着火部分を取り付けて1mm厚の無色透明ガスライター容器とした。次いでこのガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果、容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0022】
実施例2
ナイロン6を用いて実施例1と同様に薄黄色透明樹脂サンプル及び薄黄色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は−0.1%で、寸法変化率は+0.3%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。次いで前記ナイロン6から作製したガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0023】
実施例3
ナイロン66を用いて実施例1と同様に薄黄色透明樹脂サンプル及び薄黄色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は−1%で、寸法変化率は+0.2%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。次いで前記ナイロン66から作製したガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0024】
実施例4
ポリエーテルサルフォンを用いて実施例1と同様に琥珀色透明樹脂サンプル及び琥珀色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は+0.2%で、寸法変化率は+0.4%であり、外観変化も全くなく試験前の透明性を維持していた。次いで前記ポリエーテルサルフォンから作製したガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存し、容器内面の状態を観察した。その結果容器は初期状態と全く同等で透明性も失われることはなかった。また着火状態も異常が観られなかった。
【0025】
実施例5
ポリフェニレンサルファイドを用いて実施例1と同様に茶色不透明樹脂サンプル及び茶色不透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は+0.1%で、寸法変化率は+0.1%であり、外観変化も全くなく試験前と同等であった。次いで前記ポリフェニレンサルファイドから作製した茶色不透明ガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存した。その結果容器外観は初期状態と全く同等で着火状態も異常が観られなかった。
【0026】
実施例6
ポリアセタールを用いて実施例1と同様に白色不透明樹脂サンプル及び白色不透明ガスライター容器を作製し試験を行った。7日間浸漬試験前後の重量変化率は+0.2%で、寸法変化率は+0.3%であり、外観変化も全くなく試験前と同等であった。次いでポリアセタールから作製した白色不透明ガスライター容器にDMEを充填した後、倒立状態で雰囲気温度23±2℃で3ヶ月保存した。その結果容器外観は初期状態と全く同等で着火状態も異常が観られなかった。
【0027】
【0028】
【0029】
比較例1
ペレット状のAS樹脂を用いて実施例1と同様に無色透明樹脂サンプル及び無色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。浸漬試験後の樹脂サンプルの重量変化率は+6%、寸法変化率は+4%となり、透明性が失われ白化し発泡が激しく初期の形状を維持していなかった。次いでAS樹脂から作製したガスライター容器にDMEを充填したところ、容器の白化、膨潤が生じ、遂には溶解して充填ガスが漏洩してしまい、ガスライターとして使用出来るものではなくなってしまった。
【0030】
比較例2
ペレット状のポリメタクリル酸メチル(PMMA樹脂)を用いて実施例1と同様に無色透明樹脂サンプル及び無色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。浸漬試験後の樹脂サンプルの重量変化率は+7%、寸法変化率は+5%となり、透明性が失われ白化し初期の形状を維持していなかった。次いでPMMA樹脂から作製したガスライター容器にDMEを充填したところ、容器の白化、膨潤、溶解が生じて充填ガスが漏洩してしまい、ガスライターとして使用出来るものではなくなってしまった。
【0031】
比較例3
ペレット状のポリマーボネート(PC樹脂)を用いて実施例1と同様に無色透明樹脂サンプル及び無色透明ガスライター容器を作製し試験を行った。浸漬試験後の樹脂サンプルの重量変化率は+9%、寸法変化率は+2%で膨潤が観られ、かつ白色不透明となっていた。次いでPC樹脂から作製したガスライター容器にDMEを充填したところ、容器の白化、膨潤が生じ、遂には亀裂が発生し充填ガスが漏洩してしまい、ガスライターとして使用出来るものではなくなってしまった。
【0032】
Claims (5)
- JIS K 7114に基づき測定した、液状ジメチルエーテルに23℃で7日間浸漬後の重量変化率が±1%以内であり、かつ寸法変化率が±1%以内である合成樹脂からなるジメチルエーテル充填用容器。
- 合成樹脂がポリプロピレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ナイロンMXD6、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、およびナイロン612から選択された1種以上である請求項1に記載のジメチルエーテル充填用容器。
- 合成樹脂がナイロン6/66共重合体、ナイロン6/12共重合体、ナイロン6/66/610共重合体、ナイロン6/66/12共重合体、ナイロン6/612/12共重合体、ナイロン6/610/12共重合体、ナイロン6/66/11共重合体、およびナイロン6/66/610/12共重合体から選択された1種以上である請求項1に記載のジメチルエーテル充填用容器。
- 合成樹脂がポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレンナフタレート、および共重合ナイロンから選択された1種以上である請求項2または3に記載のジメチルエーテル充填用透明容器。
- 充填用容器が透明ガスライター容器である請求項1に記載のジメチルエーテル充填用容器。
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---|---|---|---|
JP2002233081A JP2004067238A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | ジメチルエーテル充填用容器 |
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Publications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004067238A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009242760A (ja) * | 2008-04-01 | 2009-10-22 | Toray Ind Inc | ポリエーテルスルホン樹脂組成物、その製造方法および成形品 |
WO2018198855A1 (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-01 | 三菱瓦斯化学株式会社 | インジェクションブロー成形容器 |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233081A patent/JP2004067238A/ja active Pending
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US11207861B2 (en) | 2017-04-28 | 2021-12-28 | Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. | Injection blow-molded container |
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