JP2004066228A - 脱硝装置の脱硝触媒管理装置及び脱硝触媒管理方法 - Google Patents

脱硝装置の脱硝触媒管理装置及び脱硝触媒管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実際に劣化している脱硝触媒を把握すると共に、これに基づいて脱硝触媒を効率的に交換することができる脱硝装置の脱硝触媒管理装置及び脱硝触媒管理方法を提供する。
【解決手段】排煙脱硝装置の複数層の脱硝触媒の管理装置であって、各脱硝触媒14A〜14Dの入口側及び出口側のNO濃度を測定するNO測定手段16A〜16Eと、同様に各脱硝触媒の入口側及び出口側のNH濃度を測定するNH測定手段17A〜17Eと、入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して脱硝率ηを測定する脱硝率測定手段18とを具備する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力発電所などの排煙脱硝装置の脱硝触媒の性能管理を行うための脱硝装置の脱硝触媒管理装置及び脱硝触媒管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、石油、石炭、ガスなどを燃料とした火力発電所のボイラ及び各種大型ボイラ、その他の廃棄物焼却装置などには排煙脱硝装置が設けられており、排煙脱硝装置には、複数層の脱硝触媒が内蔵されている。
【0003】
脱硝触媒としては、ハニカムタイプや板状タイプが使用されているが、使用を続けていくと、触媒表面及び内部に触媒性能を劣化させる物質(以下、劣化物質という)が付着又は溶解することにより、触媒性能が低下して行くという問題がある。
【0004】
また、従来、脱硝触媒の性能は、入口と出口のNO濃度及び未反応NH濃度を測定することにより管理し、全体の性能が低下した場合には、使用年数の古いものから順次、新しいものや再生品と交換する作業が定期的に行われていた。
【0005】
さらに、脱硝触媒は非常に高価であるため、各脱硝触媒毎に性能を評価してできるだけ耐用年数を向上させようという提案がされている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平7−47108号公報(第2〜3頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した触媒管理方法では、各触媒層のNO濃度及び未反応NH濃度を測定し、NO濃度から各触媒層の脱硝率及び負担率を算出することにより、性能の劣化したものから順次交換しているが、触媒性能をNO濃度に基づいて算出した負担率から判断した場合、本当に性能の劣化した触媒層を把握できないという問題があることがわかった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、実際に劣化している脱硝触媒を把握すると共に、これに基づいて脱硝触媒を効率的に交換することができる脱硝装置の脱硝触媒管理装置及び脱硝触媒管理方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、排煙脱硝装置の複数層の脱硝触媒の管理装置であって、各脱硝触媒の入口側及び出口側のNO濃度を測定するNO測定手段と、同様に各脱硝触媒の入口側及び出口側のNH濃度を測定するNH測定手段と、入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して脱硝率ηを測定する脱硝率測定手段とを具備することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置にある。
【0010】
かかる第1の態様では、各脱硝触媒の出入口でのNO濃度及びNH濃度を測定して入口モル比を考慮して脱硝率ηを測定するので、モル比が上がるほど向上する脱硝率を絶対的で且つ確実に評価することができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記脱硝率ηが、NH濃度に基づいて測定されることを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置にある。
【0012】
かかる第2の態様では、各脱硝触媒毎の脱硝率ηをNO濃度に基づいてではなくNH濃度に基づいて測定するので、さらに安定して触媒性能を把握することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第2の態様において、前記脱硝率ηが、下記式に従って測定されることを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置にある。
【0014】
【数3】
Figure 2004066228
【0015】
かかる第3の態様では、各脱硝触媒毎の脱硝率を安定して且つ確実に把握することができ、各脱硝触媒毎の管理を無駄なく且つ効率的に行うことができる。
【0016】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記NO測定手段及び前記NH測定手段の測定結果を前記脱硝率測定手段へ送信する送信手段を具備し、前記脱硝率測定手段は、複数の排煙脱硝装置の各脱硝触媒の脱硝率ηを測定することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置にある。
【0017】
かかる第4の態様では、複数の排煙脱硝装置の脱硝触媒の管理を一括して行うことができ、脱硝触媒の管理を効率的に行うことができる。
【0018】
本発明の第5の態様は、排煙脱硝装置の複数層の脱硝触媒の管理方法であって、各脱硝触媒の入口側及び出口側のNO濃度及びNH濃度を測定すると共に、入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して脱硝率ηを測定し、該脱硝率ηに基づいて各脱硝触媒の性能評価を行うことを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法にある。
【0019】
かかる第5の態様では、各脱硝触媒の出入口でのNO濃度及びNH濃度を測定して入口モル比を考慮して脱硝率ηを測定するので、モル比が上がるほど向上する脱硝率を絶対的で且つ確実に評価することができる。
【0020】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記脱硝率ηを、NH濃度に基づいて測定することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法にある。
【0021】
かかる第6の態様では、各脱硝触媒毎の脱硝率ηをNO濃度に基づいてではなくNH濃度に基づいて測定するので、さらに安定して触媒性能を把握することができる。
【0022】
本発明の第7の態様は、第6の態様において、前記脱硝率ηを、下記式に従って測定することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法にある。
【0023】
【数4】
Figure 2004066228
【0024】
かかる第7の態様では、各脱硝触媒毎の脱硝率を安定して且つ確実に把握することができ、各脱硝触媒毎の管理を無駄なく且つ効率的に行うことができる。
【0025】
本発明の第8の態様は、第5〜7の何れかの態様において、前記各脱硝触媒の性能評価に基づいて性能が所定の範囲まで低下した脱硝触媒について性能回復処理を行うことを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法にある。
【0026】
かかる第8の態様では、各脱硝触媒毎の脱硝率を安定して且つ確実に把握し、その結果に基づいて性能回復処理を行うので、各脱硝触媒を効率よく使用することができる。
【0027】
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記性能回復処理が、脱硝触媒の新しいものとの交換、再生処理したものとの交換、排ガスの送通方向が逆転するように逆向きにしたものとの交換、又は劣化部分を除去したものとの交換であることを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法にある。
【0028】
かかる第9の態様では、各処理により劣化した脱硝触媒の性能を回復することができる。
【0029】
本発明の第10の態様は、第5〜9の何れかの態様において、複数の排煙脱硝装置の各脱硝触媒の脱硝率を測定し、複数の排煙脱硝装置の各脱硝触媒の性能評価を行うことを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法にある。
【0030】
かかる第10の態様では、複数の排煙脱硝装置の脱硝触媒の管理を一括して行うことができ、脱硝触媒の管理を効率的に行うことができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を一実施形態に基づいて説明する。
【0032】
図1には、一実施形態に係る脱硝触媒管理装置を具備した排煙脱硝装置の概略構成を示す。なお、この排煙脱硝装置は、火力発電所に設けられたものであるが、本実施形態の脱硝触媒管理装置はこれに限定されるものではない。
【0033】
同図に示すように、排煙脱硝装置10は、装置本体11の上流側に接続されて火力発電所のボイラ装置に連通する排気ダクト12と、下流側に接続される処理ガスダクト13とを具備し、装置本体11内には、複数層、本実施形態では4層の脱硝触媒14A〜14Dが所定の間隔をおいて配置されている。各脱硝触媒14A〜14Dは、排気ダクト12から導入された排ガスが順次通過するように設けられており、通過した排ガスと接触して当該排ガス中に含まれる窒素酸化物(NO)を低減するものである。なお、ボイラ装置に連通する排気ダクト12には、ボイラ本体からの排ガス量に応じてNHが注入されるようになっている。
【0034】
ここで、各脱硝触媒14A〜14Dの種類、形状等は特に限定されないが、一般的には、担体としてTiO、活性成分としてVが用いられ、ハニカム状又は板状などのタイプがある。
【0035】
本実施形態では、ハニカムタイプを用い、柱状のハニカムタイプ触媒を複数個並べて組み合わせることにより、各脱硝触媒14A〜14Dが構成されている。
【0036】
本実施形態の脱硝触媒管理装置20は、各脱硝触媒14A〜14Dの入口側及び出口側にはガス採取手段15A〜15Eが設けられており、ガス採取手段15A〜15EはそれぞれNO濃度測定手段16A〜16Eと、NH濃度測定手段17A〜17Eとに接続され、これらの測定結果は、各脱硝触媒14A〜14Dの脱硝率及び脱硝負担率を算出する脱硝率測定手段18へ集められるようになっている。
【0037】
ここで、ガス採取手段15A〜15Eは、所望のタイミングで所望の量のサンプリングガスをサンプリング管を介して採取し、採取したサンプリングガスをNO濃度測定手段16A〜16E及びNH濃度測定手段17A〜17Eへ供給するものである。なお、サンプリング管等サンプリングガスと接触する部分は所望の耐熱性を有すると共にガスに対して不活性な材質を用いる必要がある。なお、本実施形態では、ガス採取手段15A〜15Eは、採取したガスをそれぞれNO濃度測定手段16A〜16EとNH濃度測定手段17A〜17Eとに供給するようになっているが、NO濃度測定手段16A〜16E及びNH濃度測定手段17A〜17Eそれぞれに独立してガス採取手段を設けてもよいことはいうまでもない。
【0038】
ガス採取手段15A〜15Eによるサンプリングガスの採取タイミングは特に限定されないが、発電所の通常運転時に行い、できればガス量が最大になる定格負荷時に行うのが好ましい。また、ガスサンプリングの間隔は最大6ヶ月程度としても脱硝触媒14A〜14Dの性能の管理には十分であるが、頻度を上げれば管理精度が向上するので、例えば、1〜2ヶ月に1回ぐらいの頻度で行うのが好ましい。また、特に、下流側の触媒層では、NH濃度が低くなり変動幅が増加するので、管理評価を向上するためには、NH濃度の測定回数を増大して平均濃度から脱硝率を求めるようにするのが好ましい。
【0039】
NO濃度測定手段16A〜16E及びNH濃度測定手段17A〜17Eは、それぞれサンプリングガス中のNO濃度及びNH濃度を測定するものであれば特に限定されない。好ましくは自動測定装置が好ましいが人手を介しての分析手段であってもよい。勿論、サンプリングガスを取得することなく直接、NO濃度又はNH濃度を測定するようなセンサにより測定するようにしてもよい。
【0040】
また、サンプリングガスについて、NO濃度及びNH濃度を測定する点を説明したが、必要に応じて、酸素、その他の成分を測定するようにしてもよい。
【0041】
なお、各脱硝触媒14A〜14Dの入口側及び出口側のそれぞれの濃度を測定するために別の測定手段を設けたが、NO濃度測定手段及びNH濃度測定手段をそれぞれ1つずつ設けて各脱硝触媒14A〜14Dの入口側及び出口側の濃度を順次分析するようにしてもよい。また、この場合、サンプリングも測定に併せて順次サンプリングするようにしてもよい。サンプリング時間にタイムラグが生じるが、運転が安定していれば問題ないからである。但し、サンプリングは同時に行っておき、各サンプリングガスを測定手段へ順次供給して分析するようにするのが好ましい。
【0042】
また、脱硝率測定手段18は、NO濃度測定手段16A〜16E及びNH濃度測定手段17A〜17Eからの測定結果を取得し、これらの測定結果から各脱硝触媒14A〜14Dの脱硝率及び脱硝負担率を算出するものである。脱硝率の算出方法は、各脱硝触媒14A〜14Dの入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して算出するものであれば特に限定されない。
【0043】
このように入口モル比を考慮するのは、NHは脱硝触媒直前でガス量に比例して注入され、また、NHが触媒へ吸着することが脱硝反応自体の律速反応であるから、脱硝触媒14A〜14Dの入口側及び出口側のそれぞれのNH濃度を把握して考慮することが脱硝触媒14A〜14Dの性能を管理する上で最も重要となるからである。
【0044】
入口モル比を考慮して算出するのであれば、脱硝率は、NOを基準にして求めても、NHを基準にして求めてもよいが、NHを基準にして求めた方がより精度よく脱硝率を管理することができる。
【0045】
ここで、脱硝率を求める手順の例を示す。下記式はNO濃度に基づいた脱硝率ηを求める式である。
【0046】
【数5】
Figure 2004066228
【0047】
ここで、評価モル比とは、脱硝触媒を評価するために設定するモル比であり、任意のモル比を設定することができるが、例えば、発電所の運用モル比程度、例えば、0.8に設定すればよい。
【0048】
かかる式から求められる脱硝率ηはNO濃度に基づいて算出されたものであるが、入口モル比を考慮してあるので、実際に即した脱硝率に基づいた触媒評価が可能となる。なお、一般的には、脱硝率は、NH/NOが高いほど上昇するので、このようなモル比を考慮して脱硝率を評価しなければ実際に即した評価はできない。
【0049】
また、下記式はNH濃度に基づいた脱硝率ηを求める式である。
【0050】
【数6】
Figure 2004066228
【0051】
かかる式から求められる脱硝率ηはNH濃度に基づいて求められるもので、NOに基づいた脱硝率より安定した数値が得られるという利点があり、触媒評価をより安定して行うことができるという効果を奏する。
【0052】
本発明では、このように入口モル比を考慮した手法により各脱硝触媒14A〜14Dの脱硝率ηを求め、これの大小により各触媒の性能を管理する。すなわち、脱硝率が所定値より低下した場合、性能が低下した触媒について性能回復処理を行うようにする。これにより、最も劣化した又は所定値以上劣化した触媒についてのみ性能回復処理を行うので、無駄な回復処理を行うことなく、脱硝触媒を効率よく使用することができる。
【0053】
ここで、性能回復処理とは、一般的には、劣化した触媒を新しいものと交換すること、劣化した触媒を洗浄して再生したものと交換すること、又は再生処理したものと交換することである。また、特に、ハニカムタイプの触媒では、未再生処理のものもしくは再生処理したものを排ガスの送通方向を逆転するように逆向きに配置したり、又は劣化部分を除去したものと交換したりすることで、性能の回復を図ることができる。なお、このような処理は、排ガスの送通方向の上流側のみが脱硝反応に大きく関与しているという本出願人の新たな知見に基づくものである。
【0054】
なお、上述した実施形態では、1つの脱硝触媒管理装置により、1つの排煙脱硝装置の脱硝触媒を管理するようにしたが、1つの脱硝触媒管理装置で複数の排煙脱硝装置の脱硝触媒を管理するようにしてもよい。すなわち、脱硝率測定手段18が求めた脱硝率のデータを有線又は無線により集中管理システムに送信して管理するようにしてもよいし、NO濃度測定手段16A〜16E及びNH濃度測定手段17A〜17Eの濃度データを集中管理システムへ送信し、これにより脱硝率を求めて集中管理するようにしてもよい。何れにしても、複数の排煙脱硝装置を集中管理することにより、総合的な性能評価を行うことができ、これにより総合的な管理が可能となり、より効率的な性能管理が実現できる。
【0055】
(実施例)
実際の火力発電所の排煙脱硝装置(図1と同様に4層の脱硝触媒を具備する)の入口側及び出口側のNO濃度及びNH濃度を測定した結果を表1に示す。測定は、第1回目(測定開始)から、約2ヶ月後(第2回目)、約5ヶ月後(第3回目)、約7ヶ月後(第4回目)、約12ヶ月後(第5回目)、約24ヶ月後(第6回目)、約30ヶ月後(第7回目)に行った。
【0056】
また、NO濃度及びNH濃度の測定結果を使用し、上述したようにNO濃度に基づいて脱硝率を求めた結果を表2に示す。また、同様にしてNH濃度に基づいて脱硝率を求めた結果を表3に示す。
【0057】
なお、第2層の脱硝触媒の一部を再生触媒(水を使用して洗浄して再生したもの;性能試験では新品同様の性能を示した)に置換しておき、置換した部分の入口側及び出口側で同様にNO濃度及びNH濃度を測定した結果を併せて表1に示す。また、このNO濃度及びNH濃度の測定結果を使用してNO濃度に基づいて脱硝率を求めた結果、及びNH濃度に基づいて脱硝率を求めた結果をそれぞれ表2及び表3に示す。
【0058】
(比較例)
実施例で求めた入口側及び出口側のNO濃度を用いて下記式に基づいて脱硝率及び負担率を求めた。結果を表4に示す。なお、この手法は、特公平7−47108号公報に開示された方法に基づくものである。
【0059】
【数7】
Figure 2004066228
【0060】
【表1】
Figure 2004066228
【0061】
【表2】
Figure 2004066228
【0062】
【表3】
Figure 2004066228
【0063】
【表4】
Figure 2004066228
【0064】
(性能評価)
表1〜4の結果からすると、比較例の単純にNO濃度のみを用いて算出した脱硝率は、第1回目から第3層、第4層の脱硝率が非常に小さく、後の試験例で実証するが、実際の状態を示していないことが明らかとなった。
【0065】
これに対し、NHとNOとのモル比(入口モル比及び評価モル比)を用いた本実施例の方法では、NH濃度に基づいたもの又はNO濃度に基づいたものに拘わらず、実際に則した評価ができることが分かった。
【0066】
さらに、実施例の表2及び表3に示す結果から各統計処理により、データのバラツキについて確認すると、NH濃度に基づいて求めた脱硝率の方が安定していることが分かった。この確認は以下の通りである。
【0067】
まず、実施例の評価モル比が0.8のため、この評価モル比から推定される理論脱硝率(0〜80%)の範囲を超える数値の存在を表2及び表3から数えた結果を表5に示す。
【0068】
また、表2及び表3の第1回〜第7回の脱硝率の単純平均値を求めた結果及び、単純平均値が理論脱硝率を越えた結果を表6に示す。
【0069】
さらに、表2及び表3の不偏分散を演算により求めると共にその平均値を求めた。また、表2及び表3の結果から理論脱硝率の範囲外のものを除外し、最小二乗法により近似式を導き、近似式におけるピアソンの積率相関係数rを求め、r(RSQ)を求めると共にその平均値を求めた。これらの結果を表7に示す。
【0070】
【表5】
Figure 2004066228
【0071】
【表6】
Figure 2004066228
【0072】
【表7】
Figure 2004066228
【0073】
表5の結果からすると、理論脱硝率の範囲を超える数値の存在は、NOの方が多く、NHの方が少ないことが分かる。
【0074】
また、表6の結果から、脱硝率の単純平均値を比較してもNOの方が理論脱硝率の範囲を超えるものが多く、NHの方が少ないことが分かる。
【0075】
さらに、表7の結果から、分散を比較すると、NOの方が分散が大きく、NHの方が分散が小さいことが分かる。また、表7の結果からは、最小二乗法におけるRSQの平均は、NHの方が、NOよりも大きな値を示し、相関が高いことが分かる。なお、第4層、再生第2層では、NHのRSQは、NOに比べて低いが、測定精度の問題であり、平均値としては、NHの相関が高いので、NHの方が安定している。
【0076】
このような表5〜7の結果から、各脱硝触媒についての脱硝率の経時的な変化は、NH濃度に基づいて求めた脱硝率の方が、NO濃度に基づいて求めた脱硝率より安定していることが明らかである。
【0077】
また、表3に示すNH濃度に基づいて求めた脱硝率から、理論脱硝率の範囲外を除外し、理論脱硝率の範囲内のものを用いて最小二乗法により近似式を求め、この近似式を用いて各脱硝触媒の12ヶ月後の脱硝率を演算により求めた。この結果を表8に示す。
【0078】
【表8】
Figure 2004066228
【0079】
表8の結果からすると、一番劣化をしている脱硝触媒は第3層目と推定される。第5回目測定時点での劣化進行具合は、第3層、再生第2層、第4層≒第1層、第2層の順番であることがわかる。
【0080】
一方、比較例の結果を評価すると、第1層の負担率が減少し、第2層目の負担率が増加して脱硝装置の性能を維持しているように見える。すなわち、第1層の劣化が起こっていると結論づけられる。
【0081】
(試験例)
実施例で用いた脱硝触媒のそれぞれについて触媒をサンプリングし、各触媒を以下に示す性能評価方法により性能評価を行った。
【0082】
触媒は、各触媒層の入口側の部位から、50mm×50mm×100mm(長さ)に切り出し、性能試験装置にセットし、ガス条件を実機設計値にあわせて試験ガスを流し、出口側のNO濃度及びNH濃度を測定して脱硝率を測定した。この結果を表9に示す。
【0083】
この結果は触媒の劣化の状態を示しており、結果は、上述した劣化の評価とほぼ一致していた。
【0084】
また、この結果より、実施例の脱硝触媒評価は実際の劣化の状態を評価しているが、比較例の評価は実際の性能評価と一致していないことがわかった。
【0085】
【表9】
Figure 2004066228
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、各脱硝触媒の入口側及び出口側のNO濃度を測定するNO測定手段と、同様に各脱硝触媒の入口側及び出口側のNH濃度を測定するNH測定手段と、入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して脱硝率ηを測定する脱硝率測定手段とを具備する脱硝装置の脱硝触媒管理装置を用いることにより、実際に劣化している脱硝触媒を把握すると共に、これに基づいて脱硝触媒を効率的に交換することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態にかかる脱硝触媒管理装置を具備した排煙脱硝装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
10 排煙脱硝装置
11 装置本体
12 排気ダクト
13 処理ガスダクト
14A〜14D 脱硝触媒
15A〜15E ガス採取手段
16A〜16E NO濃度測定手段
17A〜17E NH濃度測定手段
18 脱硝率測定手段
20 脱硝触媒管理装置

Claims (10)

  1. 排煙脱硝装置の複数層の脱硝触媒の管理装置であって、各脱硝触媒の入口側及び出口側のNO濃度を測定するNO測定手段と、同様に各脱硝触媒の入口側及び出口側のNH濃度を測定するNH測定手段と、入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して脱硝率ηを測定する脱硝率測定手段とを具備することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置。
  2. 請求項1において、前記脱硝率ηが、NH濃度に基づいて測定されることを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置。
  3. 請求項2において、前記脱硝率ηが、下記式に従って測定されることを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置。
    Figure 2004066228
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記NO測定手段及び前記NH測定手段の測定結果を前記脱硝率測定手段へ送信する送信手段を具備し、前記脱硝率測定手段は、複数の排煙脱硝装置の各脱硝触媒の脱硝率ηを測定することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理装置。
  5. 排煙脱硝装置の複数層の脱硝触媒の管理方法であって、各脱硝触媒の入口側及び出口側のNO濃度及びNH濃度を測定すると共に、入口モル比=入口NH/入口NOを考慮して脱硝率ηを測定し、該脱硝率ηに基づいて各脱硝触媒の性能評価を行うことを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法。
  6. 請求項5において、前記脱硝率ηを、NH濃度に基づいて測定することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法。
  7. 請求項6において、前記脱硝率ηを、下記式に従って測定することを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法。
    Figure 2004066228
  8. 請求項5〜7の何れかにおいて、前記各脱硝触媒の性能評価に基づいて性能が所定の範囲まで低下した脱硝触媒について性能回復処理を行うことを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法。
  9. 請求項8において、前記性能回復処理が、脱硝触媒の新しいものとの交換、再生処理したものとの交換、排ガスの送通方向が逆転するように逆向きにしたものとの交換、又は劣化部分を除去したものとの交換であることを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法。
  10. 請求項5〜9の何れかにおいて、複数の排煙脱硝装置の各脱硝触媒の脱硝率を測定し、複数の排煙脱硝装置の各脱硝触媒の性能評価を行うことを特徴とする脱硝装置の脱硝触媒管理方法。
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