JP2004065574A - カプセル型内視鏡の組立方法及びカプセル型内視鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学性能のばらつきを抑えることができるカプセル型内視鏡の組立方法及びカプセル型内視鏡を提供する。
【解決手段】CMOSセンサ24を実装したセンサ基板25を組立治具本体57の基板ホルダ52にセットし、このCMOSセンサ24を予め位置決め状態でセットしたCCDカメラ58で撮像して、CMOSセンサ24のイメージエリアを撮像して、モニタ59にその画像58aを表示し、この画像58aが基準の位置決め状態のイメージエリア枠の表示画像としての基準枠60aと両中心位置が一致するようにXYθステージ53を調整した後、固定枠28を保持した固定枠ホルダ54をその中心が基準枠60aの中心と一致する状態にして、Zステージ55を降下させて固定枠28をセンサ基板25上に位置決めし、固定することにより、光学性能のばらつきの少ない光学系及び撮像手段を備えたカプセル型内視鏡を組み立てできるようにした。
【選択図】 図3
【解決手段】CMOSセンサ24を実装したセンサ基板25を組立治具本体57の基板ホルダ52にセットし、このCMOSセンサ24を予め位置決め状態でセットしたCCDカメラ58で撮像して、CMOSセンサ24のイメージエリアを撮像して、モニタ59にその画像58aを表示し、この画像58aが基準の位置決め状態のイメージエリア枠の表示画像としての基準枠60aと両中心位置が一致するようにXYθステージ53を調整した後、固定枠28を保持した固定枠ホルダ54をその中心が基準枠60aの中心と一致する状態にして、Zステージ55を降下させて固定枠28をセンサ基板25上に位置決めし、固定することにより、光学性能のばらつきの少ない光学系及び撮像手段を備えたカプセル型内視鏡を組み立てできるようにした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はカプセル形状にして、生体内を検査等するカプセル型内視鏡の組立方法及びカプセル型内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲み込み型のカプセル型内視鏡の第1及び第2の従来例として特開2001−95756公報と特開2001−333332公報とがある。
第1の従来例では、その公報中に開示されているようにイメージセンサ窓112が形成された円形回路基板(1)110の表面にイメージセンサ111が固定されたものが、他の回路基板と一緒に電気要素保持筒13内に収納され、13の先端側に13と一体的に形成された対物レンズ保持筒12に対して、対物レンズ鏡筒20が保持される構成となっている。
【0003】
また、第2の従来例では、その公報中に開示されているように、固体撮像素子である集積回路4または固体撮像素子を含む集積回路4の上面に、集積回路4の周囲を取り囲むように形成した被装着部14とレンズ2の被装着部を備えた鏡筒1を、光軸方向において可変となるように装着する構成になっている。また、集積回路4の上面にスタッドバンプ40を形成し、鏡筒1のスタッドバンプ40に対応する位置に外部電気的接続端子52に連なる実装用端子部51を形成し、加圧接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来例では、対物レンズ保持筒12とイメージセンサ111とは直接固定されておらず、対物レンズ保持筒12は、電気要素保持筒13、及び円形回路基板(1)110を介してイメージセンサ111と位置合わせされる構造であるため、イメージセンサ111のイメーエリアの中心と対物レンズ保持筒12内の対物レンズの中心軸とは、径方向のずれを生じる原因となる多くのばらつきを含んでいた。
【0005】
このため、同一の表示モニタに、複数のカプセル型内視鏡の取得内視鏡画像を表示した際に、モニタの表示中心に対して、複数のカプセル内視鏡の内視鏡画像が大きくばらつき、モニタ表示中心に対する偏角などの光学性能が大きくなり、安定して良好な内視鏡検査ができないという不具合を有していた。
【0006】
また、第2の従来例では、集積回路4を取り囲むように形成した集積回路4の被装着部14が、鏡筒1と一体的に形成してあり、鏡筒1を集積回路4に取り付ける際に、上面から集積回路4の表面が見通せない構成になっている。
【0007】
このため、集積回路4のイメージエリアの中心とレンズ2の中心軸とを一致させるのが困難で、径方向のずれを生じやすいものであった。このため、第1の従来例と同様に、同一の表示モニタに、複数の撮像装置の取得画像を表示した際に、モニタの表示中心に対して、複数の撮像装置の取得画像が大きくばらつき、モニタの表示中心に対する偏角などの光学性能が大きくなり、安定して良好な検査ができないという不具合を有していた。その他に、集積回路4と鏡筒1との接着作業が難しいという不具合も有していた。
【0008】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、表示画像のばらつき等を最小限に抑える等、光学性能のばらつきを抑えることができるカプセル型内視鏡の組立方法及びカプセル型内視鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えたことにより、偏角などの光学性能のばらつきを抑えたカプセル型内視鏡を製造できるようにし、撮像した画像範囲のばらつきや、表示手段で撮像(取得)した取得画像を表示した場合における表示範囲のばらつき等を抑制できるようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図5は本発明の1実施の形態に係り、図1は1実施の形態のカプセル型内視鏡システムと記録表示装置を示し、図2はカプセル型内視鏡の構造を示し、図3は組立治具により撮像センサを実装したセンサ基板に固定枠を位置決めする説明図を示し、図4は他の位置決め方法の例を示し、図5はセンサ基板に固定枠を位置決めした後、水密的に固定した構造を示す。
【0011】
図1(A)に示すように本発明の1実施の形態を備えたカプセル型内視鏡システム1は、患者2の口部から飲み込まれることにより体腔内管路を通過する際に体腔内管路内壁面を光学的に撮像した画像信号を無線で送信するカプセル型内視鏡3と、このカプセル型内視鏡3で送信された信号を患者2の体外に設けたアンテナユニット4により受け、画像を保存する機能を有すると共に表示もできる、(患者2の体外に配置される)体外ユニット5とを備えている。
【0012】
この体外ユニット5には、画像データを保存するために、容量が例えば1GBのコンパクトフラッシュ(R)サイズのハードディスクが内蔵されている。
また、このシステム1では、体外ユニット5に蓄積された画像データは検査中或いは検査終了後に図1(B)の記録表示装置7に接続して、画像を表示することができるようにしている。
【0013】
図1(B)に示すように、体外ユニット5は、記録表示装置6を構成するパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略記)7とUSBケーブル8等の通信を行う通信ケーブルで着脱自在に接続される。
【0014】
そして、パソコン7により体外ユニット5に保存した画像を取り込み、内部のハードディスクに保存したり、表示するため等の処理を行い、パソコン7の表示部(モニタ部)9により保存した画像を表示できるようにしている。このパソコン7にはデータ入力操作等を行う操作盤としての例えばキーボード10が接続されている。
【0015】
USBケーブル8としては、USB1.0、USB1.1、USB2のいずれの通信規格でも良い。また、この他にRS−232C、IEEE1394の規格のシリアルのデータ通信を行うものでも良いし、シリアルのデータ通信を行うものに限定されるものでなく、パラレルのデータ通信を行うものでも良い。
【0016】
図1(A)に示すようにカプセル3を飲み込んで内視鏡検査を行う場合には、患者2が着るシールド機能を持つシールドシャツ11の内側には複数のアンテナ12が取り付けられたアンテナユニット4が装着され、カプセル3により撮像され、内蔵されたアンテナから送信された信号を受け、このアンテナユニット4に接続された体外ユニット5に撮像した画像を保存するようにしている。この体外ユニット5は、例えば患者2のベルトに着脱自在のフックにより取り付けられる。
【0017】
また、この体外ユニット5は例えば箱形状であり、前面には画像表示を行う表示装置としての例えば液晶モニタ13と、制御操作を行う操作ボタン14とが設けてある。また、体外ユニット5の内部には、送受信回路(通信回路)、制御回路、画像データ表示回路、電源を備えている。
【0018】
図2はカプセル型内視鏡3の具体的な構成を示す。
このカプセル型内視鏡3は、円筒形状のカプセル本体(以下、単に本体と略記)21の先端に透明で軟性部材を半球形状にした先端カバー22が水密的に固定され、またこの本体21の後端には、着脱可能な後部カバー23が水密的に装着され、これら先端カバー22、本体21,後部カバー23で水密的に覆われた内部に撮像手段や、電源手段が内臓されている。
【0019】
つまり、先端カバー22に対向して、その中央部には、撮像手段として例えばCMOSセンサ24がセンサ基板25に装着されてCMOSモジュールが形成されている。このCMOSセンサ24の前面のイメージエリア(撮像エリア)側には、対物レンズ系26の(CMOSセンサ24に最も近いレンズとしての)固定側レンズ27を取り付けた固定枠28が後述するように位置決めして固着される。
【0020】
この固定枠28における円筒形状の筒部28aには対物レンズ系26の可動側レンズ29を取り付けた可動枠30が嵌合し、対物レンズ系26の光軸方向に移動自在である。つまり、筒部28aは可動枠30のガイドとなる。この可動枠30は光軸方向に前後動してピント出しがされた後、固定される。
【0021】
そして、このピント調整した対物レンズ系26により体腔内の管腔部分等の被写体の像をCMOSセンサ24の撮像面(イメージエリア)にフォーカス状態で結像できるようにしている。
【0022】
また、この可動枠30における筒部には照明手段としての例えば白色LED31を実装したLED基板32が、その中央に設けた孔部を嵌合させて固定され、対物レンズ系26による撮像範囲をその周囲の例えば4箇所に設けた白色LED31で略均一に近い状態で照明できるようにしている。
【0023】
上記センサ基板25の裏面側には凹部が形成され、ICチップ33が例えばフリップ実装されている。このセンサ基板25の裏面側はハンダボールによる接続端子34を介してCMOSセンサ24を駆動すると共に、撮像した出力信号に対する信号処理や制御を行う撮像処理&制御基板35と接続されている。
【0024】
この撮像処理&制御基板35はその前面側に凹部が形成され、その内部に第1のICチップ36がフリップ実装され、そのチップ36の上面にさらに第2のICチップ37がワイヤボンディング実装されている。
【0025】
また、この撮像処理&制御基板35の裏面側は、ハンダボールによる接続端子38を介して通信基板39と接続されている。この通信基板の両面には、電子部品等が実装されて例えばブルートゥース方式の通信モジュールが形成されている。
【0026】
このようにしてセンサ基板25、撮像処理&制御基板35、通信基板39が本体21の軸方向に接続端子34、38の間隔で積層して、高密度で電子部品を実装した回路構成にしている。、
また、センサ基板25、撮像処理&制御基板35には側面の一部が切り欠かれて、その切り欠き部分に沿って、通信基板39と接続されたアンテナ40が配置されている。
【0027】
そして、CMOSセンサ24で光電変換された画像の信号を通信基板39を介して外部の体外ユニット5に送信したり、体外ユニット5からの指令の信号を受けて、照明や撮像の周期を変更等できるようにしている。
また、通信基板39の背面側には、電池収納部41が形成され、この電池収納部41には例えば3個の電池42が収納されている。
【0028】
また、アンテナ40と反対側の本体21内面に沿ってフレキシブル基板43が配置され、このフレキシブル基板43の先端はLED基板32に接続され、通信基板39の背面側に設けた開口部44で略90°折り曲げられて、電池収納室41内に挿入され、その途中で電池42の正極部分に接触している(電池42の正極に接触する部分は導電パターンが露出している)。
【0029】
また、フレキシブル基板43は、このように折り曲げられて途中で電池42の正極と導通し、さらにアンテナ40側の電池収納室41の側面に沿うように90°折り曲げられて、後方側に延出されている。
【0030】
そして、その後端は、後部カバー23の凹部内面に保持した板バネ45の側面側の端部と、後部カバー23の回転操作等により、非接続から接続或いはその逆にできるようにして、電池42による電源をOFFからONする或いはONからOFFにできる電源スイッチ46を形成している。
この板バネ45は略U字形状に近いL字形状で、その中央部分は後部カバー23に保持され、その両端側は弾性変形自在であり、その一端は電池収納室41に収納された電池42の負極に接触して導通している。
【0031】
そして、後部カバー23を本体21側に移動して、所定角度回転し、さらに本体21から引き離す方向に移動して所定角度回転して本体21側に押し込む等することにより、図2に示すように板バネ45の前端部をフレキシブル基板43の後端の露出パターン部分に接触させて電池42による電源をフレキシブル基板45の電源パターンを介して、通信基板39、撮像処理&制御基板35、センサ基板25、そしてLED基板32に供給できるようにしている。
【0032】
なお、図2における板バネ45の2点鎖線は、電池42が収納されていない状態の板バネ45の形状を示しており、電池42が収納されるとその負極に接触する状態となる。
なお、本体21の外周面と後部カバー23の内周面との間には水密用のOリング47が介挿されている。
【0033】
また、フレキシブル基板45における先端付近には、屈曲部(遊び部)を形成してLED基板32と接続することにより、ピント出しの調整にも対応できるようにしている。
【0034】
また、以下の図4等で説明するようにCMOSセンサ24のイメージエリア61の中心位置が固定枠28の中心位置になるように位置決め固定される。その後この固定枠28には可動枠30をピント出し調整して固定され、さらにLED基板32が固定された撮像ユニットは、先端カバー22の段差面がLED基板32の端面に当接する位置で位置決めされる。この位置決めにおける周方向の位置決めは図示しない組立治具により行われる。これにより、対物レンズ系26の瞳位置は先端カバー22の半球面の半径の中心位置となるように固定される。
【0035】
さらに撮像ユニットを取り付けた先端カバー22には治具を介して本体21が位置決め固定される。この位置決めにより、図2に示すように対物レンズ系26の光軸Oは本体21の中心軸O′と一致する状態に設定される。
【0036】
このような構造のカプセル型内視鏡3とすることにより、CMOSセンサ24のイメージエリア61の中心61aが対物レンズ系26の光軸O上にあるように固定され、かつイメージエリア61の中心61aは本体21の円筒の中心軸上にもなるように位置決めされた構造にしている。
【0037】
つまり、本実施の形態では偏角等が十分に抑えられた光学特性が揃った撮像手段がカプセル内部に位置決めされて組み込まれ、従ってCMOSセンサ24で撮像した画像を表示部9等で表示した場合、同一種類のカプセル型内視鏡3でない場合にも、個々のカプセル型内視鏡3が同じ状態に設定されていれば、撮像される撮像画像は殆ど同じ状態になる。
【0038】
このため、表示手段に表示した場合にも、表示される撮像された画像は固体差がわずかにあるものの、殆ど同じ画像で表示されるようになる。つまり、偏角等のバラツキが少ないため、カプセル型内視鏡3の撮像状況が同じであれば、殆ど同じ画像となり、バラツキがある場合における画像範囲がずれて異なったりするようなことを解消できる。
【0039】
また、例えば体腔内でこのカプセル型内視鏡3が回転された場合においても、その場合に得られる画像は、回転前の画像をその画像の中心位置で、単に回転させたものとほぼ重なる状態となる(イメージエリアが円形でないとその周辺側は異なる)。
【0040】
これに対し、従来例では光学特性のばらつきのために、回転させると、画像の中心位置からずれた位置を中心として回転させたような画像となり、かつそのずれた位置がばらつくために、得られる画像に個体差が生じてしまう(つまり、従来例では偏角を持った光学特性の撮像系となってしまい、同じ撮像状況においても得られる画像が異なって(ばらついて)しまうことになる)。
【0041】
次に図3を参照して、CMOSセンサ24を取り付けたセンサ基板25に、対物レンズ系26における撮像手段に一番近い光学部材を固定した固定枠28を位置決めする組立方法を図3を参照して説明する。
【0042】
この位置決めする工程と、位置決めする工程の後に接着剤で固定する固定工程とにより、光学系及びその光学系で結像される撮像手段とが精度良く組み立てられた撮像光学系を備えたカプセル型内視鏡3を提供できるようにしている。
【0043】
図3に示すように、組立治具51は、センサ基板25を位置決め保持する基板ホルダ52と、この基板ホルダ52を水平面の直交するX、Y方向に移動自在で保持すると共に、その中心位置の周りの任意の角度θで保持可能とするXYθステージ53と、固定枠28を保持する固定枠ホルダ54と、この固定枠ホルダ54を、XYθステージ53の上方で前記水平面と直交するZ軸方向に移動自在に保持するZ軸ステージ55と、Z軸ステージ55を所定の方向(例えばX方向)に移動自在とするスライダ56を備えた組立治具本体57と、前記基板ホルダ52の上方側に位置決め保持される例えばCCDカメラ58と、このCCDカメラ58で撮像した画像58aを表示するモニタ59と、CCDカメラ58で撮像したCMOSセンサ24のイメージエリアの画像58aと重畳(スーパインポーズ)してモニタ59上に位置決めされた状態に対応するイメージエリアの基準枠60aを表示する信号を発生する信号発生装置60とからなる。
【0044】
この組立治具51により、以下の手順で組み立てる。
なお、最初に組立治具51は、CCDカメラ58の撮像系の光軸上にXYθステージ53の回転中心が位置するように設定され、また固定枠28を保持する固定枠ホルダ54の中心はCCDカメラ58の光軸上に位置するように調整されている。
【0045】
また、モニタ59の表示面に表示される基準枠60aも、その基準枠60aの基準位置、例えばその中心位置が表示面の中心位置となるように調整されているし、CCDカメラ58で撮像された画像がモニタ59の表示面に表示される場合、画像の中心位置が表示面の中心位置となるようにして表示されるものとする。1.固定枠ホルダ54に固定枠28をセットし、最初はCCDカメラ58の視野の外に移動させておく。例えば、スライダ56を右側に移動して視野外にスライドさせておく。
2.基板ホルダ52にCMOSセンサ24を取り付けたセンサ基板25をセットする。
【0046】
3.モニタ59の表示面上に、基準枠60aを表示させる。この場合、表示面の中心位置が基準枠60aの中心位置になる状態で表示する。
4.CCDカメラ58でセンサ基板25のCMOSセンサ24を撮像し、その場合、CMOSセンサ24のイメージエリアの画像58aの中心位置がモニタ59の表示面の中心位置となるようにXYθステージ53を移動調整する。
【0047】
図3のモニタ59の表示状態では、XYθステージ53を移動調整する前の状態であり、XYθステージ53を移動調整後には、画像58aの中心は基準枠60aの中心と一致するように設定される。
【0048】
5.CCDカメラ58の撮像系の倍率を変えてモニタ59の表示面上に表示されるイメージエリアの画像58aの大きさを基準枠60aの大きさと一致するように調整すると共に、XYθステージ53を回転させる等して、基準枠60aに画像58aが重なるように調整する。
【0049】
なお、イメージエリアの画像58aの大きさを基準枠60aの大きさと重なるように調整することは必ずしも必要でなく、この場合は周方向の位置合わせに利用している。従って、周方向の位置合わせができるならば、単に両方の中心位置が一致するように設定すれば良い。また、例えば固定枠28が回転対称な形状の場合には、周方向の位置決めは不要となる。
【0050】
なお、CCDカメラ58の撮像系の倍率を変える代わりに信号処理装置60側で基準枠60aの大きさを変えられるようにしても良い。
6.固定枠ホルダ54を左側にスライドし、固定枠ホルダ54の中心がモニタ59の基準枠60aの中心とが合う状態にする。
【0051】
7.固定枠ホルダ54を下降させて、CMOSセンサ24上に固定枠25を乗せる。
8.接着剤をディスペンサ塗布し、硬化させ、固定枠28をセンサ基板25に位置決め固定する。
【0052】
このようにして、固定枠28をセンサ基板25に位置決め固定することにより、高精度で固定枠28をセンサ基板25に固定でき、光学系及び撮像手段を高精度にカプセル型内視鏡3に組み付けることができる。
以上の説明では手動の組立治具51の場合で説明したが、同様の考えで自動で認識やステージ移動や調整させるようにしても良い。
【0053】
上述の説明では、CMOSセンサ24のイメージエリアの基準となる基準枠60aを利用した場合で説明したが、以下に説明するように他の基準位置を利用するようにしても良い。
【0054】
図4に示すようにCMOSセンサ24はその中央部にイメージエリア61が形成され、このイメージエリア61の中心61aを基準として、例えば左右の両側に対称的等でボンディングパッド62a、62(及び62、62b)が形成されている。この場合には、上下両側にはボンディングパッド62が形成されていない。
【0055】
そして、例えば左上隅のボンディングパッド62aと、右下隅のボンディングパッド62bとが基準位置として設定される。この場合、例えばボンディングパッド62aとボンディングパッド62bとを結ぶ線分の中心位置がイメージエリア61の中心61aの位置に一致する。
【0056】
そして、この場合には、図3の組立治具51の基板ホルダ52に図4のCMOSセンサ24を取り付けた基板25をセットして、CMOSセンサ24の画像をモニタ59に表示し、その場合イメージエリア61の中心61aをモニタ59の中心位置等の基準位置に表示させる。
【0057】
また、固定枠28にはCMOSセンサ24におけるボンディングパッド62が形成されていない側、具体的には上下の両側に図5(B)に示すように脚部64が設けてあり、両脚部64間の凹部間隔はCMOSセンサ24における上下方向のサイズより僅かに大きく設定されており、CMOSセンサ24側に対して固定枠28を位置決めしてCMOSセンサ24の上に固定枠28を乗せた場合には、図5(A)及び図5(B)に示すように脚部64はCMOSセンサ24の上下方向の側面側まで延びる状態となる(そして、後述するようにその脚部64の端部を基板25に仮止め用接着剤65で仮止めしやすくしている)。
【0058】
上記CMOSセンサ24のイメージエリア61をモニタ59上に基準位置で表示させた後、図4に示す固定枠28を固定枠ホルダ54で保持し、この固定枠28の画像をモニタ59上で表示し、その場合、固定枠28の(固定側レンズ27を取り付けたその)中心28cの画像部分がイメージエリア61の中心61aの画像部分に重なる状態に設定して、Z軸ステージ55を降下させて、固定枠28をCMOSセンサ24上に乗せ、位置決めする。
この場合には、図5に示すようになる(但し、接着剤65,66による固定前の状態)。
なお、図4のようにして位置決めする場合には、固定枠28は、イメージエリア61周辺角部、またはCMOSセンサ24周辺回路の少なくとも一部が上方から見通せる形状をしている。
【0059】
図5は図3或いは図4に示したように位置決めされた固定枠28を、CMOSセンサ24を実装した基板25に、水密的に固定した状態を示す。なお、図5(A)は平面図を示し、図5(B)は側面断面図を示す。
図5(A)に示すように基板25に取り付けられたCMOSセンサ24のボンディングパッド62は基板25側のパッド25aとワイヤボンディング63で接続されている。
【0060】
また、上述したように固定枠28は上下両側に脚部64が設けてあり、各脚部64はCMOSセンサ24の上下の側面側にまで延びその端部は基板25に近接している。
この位置決め状態で図5(B)に示すように各脚部64は基板25に、仮止め用接着剤65で仮止めされた後、さらにその周囲をワイヤボンディング部を含めて水密性の接着剤66で水密固定している。
【0061】
なお、図5(B)に示すように固定枠28における固定側レンズ27を固定した部分とCMOSセンサ24のイメージエリア61とは、一定の間隔が形成されるように固定枠28には切り欠き部28bが形成されている。このようにすることにより、CMOSセンサ24のイメージエリア61にマイクロレンズが設けてある場合にも、そのマイクロレンズを変形させてしまうことなく、固定枠28を取り付けられるようにしている。
【0062】
また、図5(A)に示すように基板25は円形に近い、例えば8角形であり、その上部にはフレキシブル基板45のパターンに接続される接続部67が設けてある。
【0063】
また、固定側レンズ27及びこの固定側レンズ27が取り付けられた固定枠28は、基板25の半田付けなどの温度に耐える材質で構成されている。具体的には、固定枠28は、ステンレス、セラミックス、耐熱性合成樹脂などの硬質部材であり、固定側レンズ27は、ガラス、耐熱性透明合成樹脂などである。
また、可動側レンズ29等の光学部材も固定側レンズ27と同様に半田付けなどの温度に耐える材質で構成されているし、可動枠30も固定枠28と同様に半田付けなどの温度に耐える材質で構成されている。
【0064】
なお、固定枠28を位置決めする場合の撮像手段側の基準位置としては、イメージエリア61の周辺角部やイメージエリア61形成と同じ工程で形成されるボンディングパッド等の撮像手段の周辺回路を利用することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では電池42を収納しているが、電池42の代わりにコイルを内蔵して、生体の外部から交流磁界を印加してコイルに電気エネルギが誘起されるようにするなど、カプセル型内視鏡3に発電手段を内蔵するようにしても良いし、内蔵する電池42の数を減らしてコイルも内蔵し、外部からの交流磁界等でコイルに誘起した電気エネルギで電池を充電できるようにしても良い。また、電磁波(波動)を供給して発電や充電をできるようにしても良い。
【0066】
このような構造のカプセル型内視鏡3によれば、撮像センサを実装したセンサ基板25に、対物レンズ系26を構成し、撮像センサ側に最も近い固定側レンズ27が取り付けられた固定枠28をセンサ基板25に位置決め固定するようにしているので、光学特性を揃えることができ、固体差によるバラツキが極力少ないカプセル型内視鏡3を実現できる。
また、本実施の形態の組立方法によれば、光学特性を揃えることができ、固体差によるバラツキが極力少ないカプセル型内視鏡3を製造できる。
【0067】
[付記]
(1)生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えたことを特徴とするカプセル型内視鏡の組立方法。
【0068】
2.生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めを行ってから、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定したことを特徴とするカプセル型内視鏡。
【0069】
3.付記1、2において、上記イメージエリアの基準位置は、イメージエリア周辺角部、またはイメージエリア形成と同じ工程で形成したボンディングパッドなどの撮像手段周辺回路の少なくとも一部である。
【0070】
4.付記1、2において、上記固定枠は、イメージエリア周辺角部、または撮像手段周辺回路の少なくとも一部が上方から見通せる形状をしている。
【0071】
5.付記4において、上記固定枠は、該撮像手段のボンディングパッドなどの接続端子のない面の側面の一部まで伸びる固定用脚部を有し、該固定用脚部を該撮像手段の固定基板に対して固定する。
【0072】
6.付記1、2において、上記固定枠の光学部材と該撮像手段のイメージエリアとは、一定の間隔を開けて構成される。
【0073】
7.付記6において、上記固定枠の上方に、対物レンズを固定した可動枠をガイドするガイド部を形成し、該ガイド部を光軸方向に前後させて、光軸方向の位置合わせを行う。
【0074】
8.付記1、2において、上記固定枠と光学部材は、固定基板のハンダ付けなどの温度に耐える材質により構成した。
【0075】
9.付記1〜8において、該対物光学系の前方に略半球状の透明カバーを配置し、該密閉カプセル内に更に、内部の電気回路を制御する手段と撮像画像などを生体外に送信する無線手段とを具備した。
【0076】
10.付記9において、該密閉カプセル内に更に、該電気回路にエネルギを供給するバッテリもしくは、生体外からの波動を受けてエネルギを発電する発電手段を具備している。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えているので、偏角などの光学性能のばらつきを抑えたカプセル型内視鏡を製造でき、撮像した画像のばらつきや、取得画像を表示した場合におけるばらつき等を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態のカプセル型内視鏡システムと記録表示装置を示す図。
【図2】カプセル型内視鏡の構造を示す縦断面図。
【図3】組立治具により撮像センサを実装したセンサ基板に固定枠を位置決めする様子を示す図。
【図4】他の位置決め方法の例を示す説明図。
【図5】センサ基板に固定枠を位置決めした後、水密的に固定した構造を示す図。
【符号の説明】
1…カプセル型内視鏡システム
2…患者
3…カプセル型内視鏡
5…体外ユニット
6…記録表示装置
9…表示部(モニタ部)
13…液晶モニタ
21…(カプセル)本体
22…先端カバー
23…後部カバー
24…CMOSセンサ
25…センサ基板
26…対物レンズ系
27…固定側レンズ
28…固定枠
29…可働側レンズ
30…可動枠
31…白色LED
32…LED基板
34、38…接続端子
35…撮像処理&制御基板
39…通信基板
51…組立治具
52…基板ホルダ
53…XYθステージ
54…固定枠ホルダ
55…Zステージ
56…スライダ
57…組立治具本体
58…CCDカメラ
58a…画像
59…モニタ
60…信号発生装置
60a…基準枠
61…イメージエリア
61a…中心
【発明の属する技術分野】
本発明はカプセル形状にして、生体内を検査等するカプセル型内視鏡の組立方法及びカプセル型内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲み込み型のカプセル型内視鏡の第1及び第2の従来例として特開2001−95756公報と特開2001−333332公報とがある。
第1の従来例では、その公報中に開示されているようにイメージセンサ窓112が形成された円形回路基板(1)110の表面にイメージセンサ111が固定されたものが、他の回路基板と一緒に電気要素保持筒13内に収納され、13の先端側に13と一体的に形成された対物レンズ保持筒12に対して、対物レンズ鏡筒20が保持される構成となっている。
【0003】
また、第2の従来例では、その公報中に開示されているように、固体撮像素子である集積回路4または固体撮像素子を含む集積回路4の上面に、集積回路4の周囲を取り囲むように形成した被装着部14とレンズ2の被装着部を備えた鏡筒1を、光軸方向において可変となるように装着する構成になっている。また、集積回路4の上面にスタッドバンプ40を形成し、鏡筒1のスタッドバンプ40に対応する位置に外部電気的接続端子52に連なる実装用端子部51を形成し、加圧接続している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来例では、対物レンズ保持筒12とイメージセンサ111とは直接固定されておらず、対物レンズ保持筒12は、電気要素保持筒13、及び円形回路基板(1)110を介してイメージセンサ111と位置合わせされる構造であるため、イメージセンサ111のイメーエリアの中心と対物レンズ保持筒12内の対物レンズの中心軸とは、径方向のずれを生じる原因となる多くのばらつきを含んでいた。
【0005】
このため、同一の表示モニタに、複数のカプセル型内視鏡の取得内視鏡画像を表示した際に、モニタの表示中心に対して、複数のカプセル内視鏡の内視鏡画像が大きくばらつき、モニタ表示中心に対する偏角などの光学性能が大きくなり、安定して良好な内視鏡検査ができないという不具合を有していた。
【0006】
また、第2の従来例では、集積回路4を取り囲むように形成した集積回路4の被装着部14が、鏡筒1と一体的に形成してあり、鏡筒1を集積回路4に取り付ける際に、上面から集積回路4の表面が見通せない構成になっている。
【0007】
このため、集積回路4のイメージエリアの中心とレンズ2の中心軸とを一致させるのが困難で、径方向のずれを生じやすいものであった。このため、第1の従来例と同様に、同一の表示モニタに、複数の撮像装置の取得画像を表示した際に、モニタの表示中心に対して、複数の撮像装置の取得画像が大きくばらつき、モニタの表示中心に対する偏角などの光学性能が大きくなり、安定して良好な検査ができないという不具合を有していた。その他に、集積回路4と鏡筒1との接着作業が難しいという不具合も有していた。
【0008】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、表示画像のばらつき等を最小限に抑える等、光学性能のばらつきを抑えることができるカプセル型内視鏡の組立方法及びカプセル型内視鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えたことにより、偏角などの光学性能のばらつきを抑えたカプセル型内視鏡を製造できるようにし、撮像した画像範囲のばらつきや、表示手段で撮像(取得)した取得画像を表示した場合における表示範囲のばらつき等を抑制できるようにしている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図5は本発明の1実施の形態に係り、図1は1実施の形態のカプセル型内視鏡システムと記録表示装置を示し、図2はカプセル型内視鏡の構造を示し、図3は組立治具により撮像センサを実装したセンサ基板に固定枠を位置決めする説明図を示し、図4は他の位置決め方法の例を示し、図5はセンサ基板に固定枠を位置決めした後、水密的に固定した構造を示す。
【0011】
図1(A)に示すように本発明の1実施の形態を備えたカプセル型内視鏡システム1は、患者2の口部から飲み込まれることにより体腔内管路を通過する際に体腔内管路内壁面を光学的に撮像した画像信号を無線で送信するカプセル型内視鏡3と、このカプセル型内視鏡3で送信された信号を患者2の体外に設けたアンテナユニット4により受け、画像を保存する機能を有すると共に表示もできる、(患者2の体外に配置される)体外ユニット5とを備えている。
【0012】
この体外ユニット5には、画像データを保存するために、容量が例えば1GBのコンパクトフラッシュ(R)サイズのハードディスクが内蔵されている。
また、このシステム1では、体外ユニット5に蓄積された画像データは検査中或いは検査終了後に図1(B)の記録表示装置7に接続して、画像を表示することができるようにしている。
【0013】
図1(B)に示すように、体外ユニット5は、記録表示装置6を構成するパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略記)7とUSBケーブル8等の通信を行う通信ケーブルで着脱自在に接続される。
【0014】
そして、パソコン7により体外ユニット5に保存した画像を取り込み、内部のハードディスクに保存したり、表示するため等の処理を行い、パソコン7の表示部(モニタ部)9により保存した画像を表示できるようにしている。このパソコン7にはデータ入力操作等を行う操作盤としての例えばキーボード10が接続されている。
【0015】
USBケーブル8としては、USB1.0、USB1.1、USB2のいずれの通信規格でも良い。また、この他にRS−232C、IEEE1394の規格のシリアルのデータ通信を行うものでも良いし、シリアルのデータ通信を行うものに限定されるものでなく、パラレルのデータ通信を行うものでも良い。
【0016】
図1(A)に示すようにカプセル3を飲み込んで内視鏡検査を行う場合には、患者2が着るシールド機能を持つシールドシャツ11の内側には複数のアンテナ12が取り付けられたアンテナユニット4が装着され、カプセル3により撮像され、内蔵されたアンテナから送信された信号を受け、このアンテナユニット4に接続された体外ユニット5に撮像した画像を保存するようにしている。この体外ユニット5は、例えば患者2のベルトに着脱自在のフックにより取り付けられる。
【0017】
また、この体外ユニット5は例えば箱形状であり、前面には画像表示を行う表示装置としての例えば液晶モニタ13と、制御操作を行う操作ボタン14とが設けてある。また、体外ユニット5の内部には、送受信回路(通信回路)、制御回路、画像データ表示回路、電源を備えている。
【0018】
図2はカプセル型内視鏡3の具体的な構成を示す。
このカプセル型内視鏡3は、円筒形状のカプセル本体(以下、単に本体と略記)21の先端に透明で軟性部材を半球形状にした先端カバー22が水密的に固定され、またこの本体21の後端には、着脱可能な後部カバー23が水密的に装着され、これら先端カバー22、本体21,後部カバー23で水密的に覆われた内部に撮像手段や、電源手段が内臓されている。
【0019】
つまり、先端カバー22に対向して、その中央部には、撮像手段として例えばCMOSセンサ24がセンサ基板25に装着されてCMOSモジュールが形成されている。このCMOSセンサ24の前面のイメージエリア(撮像エリア)側には、対物レンズ系26の(CMOSセンサ24に最も近いレンズとしての)固定側レンズ27を取り付けた固定枠28が後述するように位置決めして固着される。
【0020】
この固定枠28における円筒形状の筒部28aには対物レンズ系26の可動側レンズ29を取り付けた可動枠30が嵌合し、対物レンズ系26の光軸方向に移動自在である。つまり、筒部28aは可動枠30のガイドとなる。この可動枠30は光軸方向に前後動してピント出しがされた後、固定される。
【0021】
そして、このピント調整した対物レンズ系26により体腔内の管腔部分等の被写体の像をCMOSセンサ24の撮像面(イメージエリア)にフォーカス状態で結像できるようにしている。
【0022】
また、この可動枠30における筒部には照明手段としての例えば白色LED31を実装したLED基板32が、その中央に設けた孔部を嵌合させて固定され、対物レンズ系26による撮像範囲をその周囲の例えば4箇所に設けた白色LED31で略均一に近い状態で照明できるようにしている。
【0023】
上記センサ基板25の裏面側には凹部が形成され、ICチップ33が例えばフリップ実装されている。このセンサ基板25の裏面側はハンダボールによる接続端子34を介してCMOSセンサ24を駆動すると共に、撮像した出力信号に対する信号処理や制御を行う撮像処理&制御基板35と接続されている。
【0024】
この撮像処理&制御基板35はその前面側に凹部が形成され、その内部に第1のICチップ36がフリップ実装され、そのチップ36の上面にさらに第2のICチップ37がワイヤボンディング実装されている。
【0025】
また、この撮像処理&制御基板35の裏面側は、ハンダボールによる接続端子38を介して通信基板39と接続されている。この通信基板の両面には、電子部品等が実装されて例えばブルートゥース方式の通信モジュールが形成されている。
【0026】
このようにしてセンサ基板25、撮像処理&制御基板35、通信基板39が本体21の軸方向に接続端子34、38の間隔で積層して、高密度で電子部品を実装した回路構成にしている。、
また、センサ基板25、撮像処理&制御基板35には側面の一部が切り欠かれて、その切り欠き部分に沿って、通信基板39と接続されたアンテナ40が配置されている。
【0027】
そして、CMOSセンサ24で光電変換された画像の信号を通信基板39を介して外部の体外ユニット5に送信したり、体外ユニット5からの指令の信号を受けて、照明や撮像の周期を変更等できるようにしている。
また、通信基板39の背面側には、電池収納部41が形成され、この電池収納部41には例えば3個の電池42が収納されている。
【0028】
また、アンテナ40と反対側の本体21内面に沿ってフレキシブル基板43が配置され、このフレキシブル基板43の先端はLED基板32に接続され、通信基板39の背面側に設けた開口部44で略90°折り曲げられて、電池収納室41内に挿入され、その途中で電池42の正極部分に接触している(電池42の正極に接触する部分は導電パターンが露出している)。
【0029】
また、フレキシブル基板43は、このように折り曲げられて途中で電池42の正極と導通し、さらにアンテナ40側の電池収納室41の側面に沿うように90°折り曲げられて、後方側に延出されている。
【0030】
そして、その後端は、後部カバー23の凹部内面に保持した板バネ45の側面側の端部と、後部カバー23の回転操作等により、非接続から接続或いはその逆にできるようにして、電池42による電源をOFFからONする或いはONからOFFにできる電源スイッチ46を形成している。
この板バネ45は略U字形状に近いL字形状で、その中央部分は後部カバー23に保持され、その両端側は弾性変形自在であり、その一端は電池収納室41に収納された電池42の負極に接触して導通している。
【0031】
そして、後部カバー23を本体21側に移動して、所定角度回転し、さらに本体21から引き離す方向に移動して所定角度回転して本体21側に押し込む等することにより、図2に示すように板バネ45の前端部をフレキシブル基板43の後端の露出パターン部分に接触させて電池42による電源をフレキシブル基板45の電源パターンを介して、通信基板39、撮像処理&制御基板35、センサ基板25、そしてLED基板32に供給できるようにしている。
【0032】
なお、図2における板バネ45の2点鎖線は、電池42が収納されていない状態の板バネ45の形状を示しており、電池42が収納されるとその負極に接触する状態となる。
なお、本体21の外周面と後部カバー23の内周面との間には水密用のOリング47が介挿されている。
【0033】
また、フレキシブル基板45における先端付近には、屈曲部(遊び部)を形成してLED基板32と接続することにより、ピント出しの調整にも対応できるようにしている。
【0034】
また、以下の図4等で説明するようにCMOSセンサ24のイメージエリア61の中心位置が固定枠28の中心位置になるように位置決め固定される。その後この固定枠28には可動枠30をピント出し調整して固定され、さらにLED基板32が固定された撮像ユニットは、先端カバー22の段差面がLED基板32の端面に当接する位置で位置決めされる。この位置決めにおける周方向の位置決めは図示しない組立治具により行われる。これにより、対物レンズ系26の瞳位置は先端カバー22の半球面の半径の中心位置となるように固定される。
【0035】
さらに撮像ユニットを取り付けた先端カバー22には治具を介して本体21が位置決め固定される。この位置決めにより、図2に示すように対物レンズ系26の光軸Oは本体21の中心軸O′と一致する状態に設定される。
【0036】
このような構造のカプセル型内視鏡3とすることにより、CMOSセンサ24のイメージエリア61の中心61aが対物レンズ系26の光軸O上にあるように固定され、かつイメージエリア61の中心61aは本体21の円筒の中心軸上にもなるように位置決めされた構造にしている。
【0037】
つまり、本実施の形態では偏角等が十分に抑えられた光学特性が揃った撮像手段がカプセル内部に位置決めされて組み込まれ、従ってCMOSセンサ24で撮像した画像を表示部9等で表示した場合、同一種類のカプセル型内視鏡3でない場合にも、個々のカプセル型内視鏡3が同じ状態に設定されていれば、撮像される撮像画像は殆ど同じ状態になる。
【0038】
このため、表示手段に表示した場合にも、表示される撮像された画像は固体差がわずかにあるものの、殆ど同じ画像で表示されるようになる。つまり、偏角等のバラツキが少ないため、カプセル型内視鏡3の撮像状況が同じであれば、殆ど同じ画像となり、バラツキがある場合における画像範囲がずれて異なったりするようなことを解消できる。
【0039】
また、例えば体腔内でこのカプセル型内視鏡3が回転された場合においても、その場合に得られる画像は、回転前の画像をその画像の中心位置で、単に回転させたものとほぼ重なる状態となる(イメージエリアが円形でないとその周辺側は異なる)。
【0040】
これに対し、従来例では光学特性のばらつきのために、回転させると、画像の中心位置からずれた位置を中心として回転させたような画像となり、かつそのずれた位置がばらつくために、得られる画像に個体差が生じてしまう(つまり、従来例では偏角を持った光学特性の撮像系となってしまい、同じ撮像状況においても得られる画像が異なって(ばらついて)しまうことになる)。
【0041】
次に図3を参照して、CMOSセンサ24を取り付けたセンサ基板25に、対物レンズ系26における撮像手段に一番近い光学部材を固定した固定枠28を位置決めする組立方法を図3を参照して説明する。
【0042】
この位置決めする工程と、位置決めする工程の後に接着剤で固定する固定工程とにより、光学系及びその光学系で結像される撮像手段とが精度良く組み立てられた撮像光学系を備えたカプセル型内視鏡3を提供できるようにしている。
【0043】
図3に示すように、組立治具51は、センサ基板25を位置決め保持する基板ホルダ52と、この基板ホルダ52を水平面の直交するX、Y方向に移動自在で保持すると共に、その中心位置の周りの任意の角度θで保持可能とするXYθステージ53と、固定枠28を保持する固定枠ホルダ54と、この固定枠ホルダ54を、XYθステージ53の上方で前記水平面と直交するZ軸方向に移動自在に保持するZ軸ステージ55と、Z軸ステージ55を所定の方向(例えばX方向)に移動自在とするスライダ56を備えた組立治具本体57と、前記基板ホルダ52の上方側に位置決め保持される例えばCCDカメラ58と、このCCDカメラ58で撮像した画像58aを表示するモニタ59と、CCDカメラ58で撮像したCMOSセンサ24のイメージエリアの画像58aと重畳(スーパインポーズ)してモニタ59上に位置決めされた状態に対応するイメージエリアの基準枠60aを表示する信号を発生する信号発生装置60とからなる。
【0044】
この組立治具51により、以下の手順で組み立てる。
なお、最初に組立治具51は、CCDカメラ58の撮像系の光軸上にXYθステージ53の回転中心が位置するように設定され、また固定枠28を保持する固定枠ホルダ54の中心はCCDカメラ58の光軸上に位置するように調整されている。
【0045】
また、モニタ59の表示面に表示される基準枠60aも、その基準枠60aの基準位置、例えばその中心位置が表示面の中心位置となるように調整されているし、CCDカメラ58で撮像された画像がモニタ59の表示面に表示される場合、画像の中心位置が表示面の中心位置となるようにして表示されるものとする。1.固定枠ホルダ54に固定枠28をセットし、最初はCCDカメラ58の視野の外に移動させておく。例えば、スライダ56を右側に移動して視野外にスライドさせておく。
2.基板ホルダ52にCMOSセンサ24を取り付けたセンサ基板25をセットする。
【0046】
3.モニタ59の表示面上に、基準枠60aを表示させる。この場合、表示面の中心位置が基準枠60aの中心位置になる状態で表示する。
4.CCDカメラ58でセンサ基板25のCMOSセンサ24を撮像し、その場合、CMOSセンサ24のイメージエリアの画像58aの中心位置がモニタ59の表示面の中心位置となるようにXYθステージ53を移動調整する。
【0047】
図3のモニタ59の表示状態では、XYθステージ53を移動調整する前の状態であり、XYθステージ53を移動調整後には、画像58aの中心は基準枠60aの中心と一致するように設定される。
【0048】
5.CCDカメラ58の撮像系の倍率を変えてモニタ59の表示面上に表示されるイメージエリアの画像58aの大きさを基準枠60aの大きさと一致するように調整すると共に、XYθステージ53を回転させる等して、基準枠60aに画像58aが重なるように調整する。
【0049】
なお、イメージエリアの画像58aの大きさを基準枠60aの大きさと重なるように調整することは必ずしも必要でなく、この場合は周方向の位置合わせに利用している。従って、周方向の位置合わせができるならば、単に両方の中心位置が一致するように設定すれば良い。また、例えば固定枠28が回転対称な形状の場合には、周方向の位置決めは不要となる。
【0050】
なお、CCDカメラ58の撮像系の倍率を変える代わりに信号処理装置60側で基準枠60aの大きさを変えられるようにしても良い。
6.固定枠ホルダ54を左側にスライドし、固定枠ホルダ54の中心がモニタ59の基準枠60aの中心とが合う状態にする。
【0051】
7.固定枠ホルダ54を下降させて、CMOSセンサ24上に固定枠25を乗せる。
8.接着剤をディスペンサ塗布し、硬化させ、固定枠28をセンサ基板25に位置決め固定する。
【0052】
このようにして、固定枠28をセンサ基板25に位置決め固定することにより、高精度で固定枠28をセンサ基板25に固定でき、光学系及び撮像手段を高精度にカプセル型内視鏡3に組み付けることができる。
以上の説明では手動の組立治具51の場合で説明したが、同様の考えで自動で認識やステージ移動や調整させるようにしても良い。
【0053】
上述の説明では、CMOSセンサ24のイメージエリアの基準となる基準枠60aを利用した場合で説明したが、以下に説明するように他の基準位置を利用するようにしても良い。
【0054】
図4に示すようにCMOSセンサ24はその中央部にイメージエリア61が形成され、このイメージエリア61の中心61aを基準として、例えば左右の両側に対称的等でボンディングパッド62a、62(及び62、62b)が形成されている。この場合には、上下両側にはボンディングパッド62が形成されていない。
【0055】
そして、例えば左上隅のボンディングパッド62aと、右下隅のボンディングパッド62bとが基準位置として設定される。この場合、例えばボンディングパッド62aとボンディングパッド62bとを結ぶ線分の中心位置がイメージエリア61の中心61aの位置に一致する。
【0056】
そして、この場合には、図3の組立治具51の基板ホルダ52に図4のCMOSセンサ24を取り付けた基板25をセットして、CMOSセンサ24の画像をモニタ59に表示し、その場合イメージエリア61の中心61aをモニタ59の中心位置等の基準位置に表示させる。
【0057】
また、固定枠28にはCMOSセンサ24におけるボンディングパッド62が形成されていない側、具体的には上下の両側に図5(B)に示すように脚部64が設けてあり、両脚部64間の凹部間隔はCMOSセンサ24における上下方向のサイズより僅かに大きく設定されており、CMOSセンサ24側に対して固定枠28を位置決めしてCMOSセンサ24の上に固定枠28を乗せた場合には、図5(A)及び図5(B)に示すように脚部64はCMOSセンサ24の上下方向の側面側まで延びる状態となる(そして、後述するようにその脚部64の端部を基板25に仮止め用接着剤65で仮止めしやすくしている)。
【0058】
上記CMOSセンサ24のイメージエリア61をモニタ59上に基準位置で表示させた後、図4に示す固定枠28を固定枠ホルダ54で保持し、この固定枠28の画像をモニタ59上で表示し、その場合、固定枠28の(固定側レンズ27を取り付けたその)中心28cの画像部分がイメージエリア61の中心61aの画像部分に重なる状態に設定して、Z軸ステージ55を降下させて、固定枠28をCMOSセンサ24上に乗せ、位置決めする。
この場合には、図5に示すようになる(但し、接着剤65,66による固定前の状態)。
なお、図4のようにして位置決めする場合には、固定枠28は、イメージエリア61周辺角部、またはCMOSセンサ24周辺回路の少なくとも一部が上方から見通せる形状をしている。
【0059】
図5は図3或いは図4に示したように位置決めされた固定枠28を、CMOSセンサ24を実装した基板25に、水密的に固定した状態を示す。なお、図5(A)は平面図を示し、図5(B)は側面断面図を示す。
図5(A)に示すように基板25に取り付けられたCMOSセンサ24のボンディングパッド62は基板25側のパッド25aとワイヤボンディング63で接続されている。
【0060】
また、上述したように固定枠28は上下両側に脚部64が設けてあり、各脚部64はCMOSセンサ24の上下の側面側にまで延びその端部は基板25に近接している。
この位置決め状態で図5(B)に示すように各脚部64は基板25に、仮止め用接着剤65で仮止めされた後、さらにその周囲をワイヤボンディング部を含めて水密性の接着剤66で水密固定している。
【0061】
なお、図5(B)に示すように固定枠28における固定側レンズ27を固定した部分とCMOSセンサ24のイメージエリア61とは、一定の間隔が形成されるように固定枠28には切り欠き部28bが形成されている。このようにすることにより、CMOSセンサ24のイメージエリア61にマイクロレンズが設けてある場合にも、そのマイクロレンズを変形させてしまうことなく、固定枠28を取り付けられるようにしている。
【0062】
また、図5(A)に示すように基板25は円形に近い、例えば8角形であり、その上部にはフレキシブル基板45のパターンに接続される接続部67が設けてある。
【0063】
また、固定側レンズ27及びこの固定側レンズ27が取り付けられた固定枠28は、基板25の半田付けなどの温度に耐える材質で構成されている。具体的には、固定枠28は、ステンレス、セラミックス、耐熱性合成樹脂などの硬質部材であり、固定側レンズ27は、ガラス、耐熱性透明合成樹脂などである。
また、可動側レンズ29等の光学部材も固定側レンズ27と同様に半田付けなどの温度に耐える材質で構成されているし、可動枠30も固定枠28と同様に半田付けなどの温度に耐える材質で構成されている。
【0064】
なお、固定枠28を位置決めする場合の撮像手段側の基準位置としては、イメージエリア61の周辺角部やイメージエリア61形成と同じ工程で形成されるボンディングパッド等の撮像手段の周辺回路を利用することができる。
【0065】
なお、本実施の形態では電池42を収納しているが、電池42の代わりにコイルを内蔵して、生体の外部から交流磁界を印加してコイルに電気エネルギが誘起されるようにするなど、カプセル型内視鏡3に発電手段を内蔵するようにしても良いし、内蔵する電池42の数を減らしてコイルも内蔵し、外部からの交流磁界等でコイルに誘起した電気エネルギで電池を充電できるようにしても良い。また、電磁波(波動)を供給して発電や充電をできるようにしても良い。
【0066】
このような構造のカプセル型内視鏡3によれば、撮像センサを実装したセンサ基板25に、対物レンズ系26を構成し、撮像センサ側に最も近い固定側レンズ27が取り付けられた固定枠28をセンサ基板25に位置決め固定するようにしているので、光学特性を揃えることができ、固体差によるバラツキが極力少ないカプセル型内視鏡3を実現できる。
また、本実施の形態の組立方法によれば、光学特性を揃えることができ、固体差によるバラツキが極力少ないカプセル型内視鏡3を製造できる。
【0067】
[付記]
(1)生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えたことを特徴とするカプセル型内視鏡の組立方法。
【0068】
2.生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めを行ってから、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定したことを特徴とするカプセル型内視鏡。
【0069】
3.付記1、2において、上記イメージエリアの基準位置は、イメージエリア周辺角部、またはイメージエリア形成と同じ工程で形成したボンディングパッドなどの撮像手段周辺回路の少なくとも一部である。
【0070】
4.付記1、2において、上記固定枠は、イメージエリア周辺角部、または撮像手段周辺回路の少なくとも一部が上方から見通せる形状をしている。
【0071】
5.付記4において、上記固定枠は、該撮像手段のボンディングパッドなどの接続端子のない面の側面の一部まで伸びる固定用脚部を有し、該固定用脚部を該撮像手段の固定基板に対して固定する。
【0072】
6.付記1、2において、上記固定枠の光学部材と該撮像手段のイメージエリアとは、一定の間隔を開けて構成される。
【0073】
7.付記6において、上記固定枠の上方に、対物レンズを固定した可動枠をガイドするガイド部を形成し、該ガイド部を光軸方向に前後させて、光軸方向の位置合わせを行う。
【0074】
8.付記1、2において、上記固定枠と光学部材は、固定基板のハンダ付けなどの温度に耐える材質により構成した。
【0075】
9.付記1〜8において、該対物光学系の前方に略半球状の透明カバーを配置し、該密閉カプセル内に更に、内部の電気回路を制御する手段と撮像画像などを生体外に送信する無線手段とを具備した。
【0076】
10.付記9において、該密閉カプセル内に更に、該電気回路にエネルギを供給するバッテリもしくは、生体外からの波動を受けてエネルギを発電する発電手段を具備している。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えているので、偏角などの光学性能のばらつきを抑えたカプセル型内視鏡を製造でき、撮像した画像のばらつきや、取得画像を表示した場合におけるばらつき等を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施の形態のカプセル型内視鏡システムと記録表示装置を示す図。
【図2】カプセル型内視鏡の構造を示す縦断面図。
【図3】組立治具により撮像センサを実装したセンサ基板に固定枠を位置決めする様子を示す図。
【図4】他の位置決め方法の例を示す説明図。
【図5】センサ基板に固定枠を位置決めした後、水密的に固定した構造を示す図。
【符号の説明】
1…カプセル型内視鏡システム
2…患者
3…カプセル型内視鏡
5…体外ユニット
6…記録表示装置
9…表示部(モニタ部)
13…液晶モニタ
21…(カプセル)本体
22…先端カバー
23…後部カバー
24…CMOSセンサ
25…センサ基板
26…対物レンズ系
27…固定側レンズ
28…固定枠
29…可働側レンズ
30…可動枠
31…白色LED
32…LED基板
34、38…接続端子
35…撮像処理&制御基板
39…通信基板
51…組立治具
52…基板ホルダ
53…XYθステージ
54…固定枠ホルダ
55…Zステージ
56…スライダ
57…組立治具本体
58…CCDカメラ
58a…画像
59…モニタ
60…信号発生装置
60a…基準枠
61…イメージエリア
61a…中心
Claims (3)
- 生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡の組立方法において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めする位置決め工程と、
前記位置決め工程を行った後、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定する固定工程と、
を備えたことを特徴とするカプセル型内視鏡の組立方法。 - 生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡において、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めを行ってから、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定したことを特徴とするカプセル型内視鏡。 - 生体内を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された部位を撮像する撮像手段と、該撮像手段前方の対物光学系と、を密閉カプセルに内蔵したカプセル型内視鏡および複数の該カプセル型内視鏡の撮像画像を表示する表示手段を有するカプセル型内視鏡システムにおいて、
該撮像手段のイメージエリアの基準位置に対する、少なくとも該撮像手段に一番近い対物光学系の光学部材を固定した固定枠の基準位置の相対位置が一致するように位置決めを行ってから、該撮像手段の上面に、該固定枠を直接載せて該撮像手段と該固定枠を固定したことを特徴とするカプセル型内視鏡システム。
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