JP2004064235A - Cdma受信装置及びフィンガ割り当て方法 - Google Patents

Cdma受信装置及びフィンガ割り当て方法 Download PDF

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Junji Soumon
惣門 淳二
Koichi Aihara
相原 弘一
Masanori Sugata
菅田 真紀
Tomoaki Minamida
南田 智昭
Takashi Toda
戸田 隆
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】ソフトハンドオーバ通信中に起こり得る無線回線の瞬断を防ぎ、安定した受信性能を実現すること。
【解決手段】遅延プロファイル生成部102は、受信信号と制御部101から通知された拡散コードとで相関をとり、遅延プロファイルを生成する。パス検出部103は、各遅延プロファイルから所定の閾値を越え、ピークがたつ位相点をパスとして決定する。フィンガ管理部104は、リンクしているセル毎に相関値の大きなパス上位N個をフィンガに割り当てる。さらに、割り当てた上位N個のパス以外でフィンガ閾値を越えたパスを、相関値の大きいものから優先的に残りのフィンガに割り当てる。逆拡散部105は、逆拡散タイミングに従って受信信号を逆拡散する。RAKE合成部106は、逆拡散部105から出力された逆拡散結果をRAKE合成する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CDMA(Code Division Multiple Access)受信装置及びフィンガ割り当て方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、1つのセクタを複数のセルに分割したセル構成がある。通信端末装置は、このようなセル構成において、1つの基地局装置と通信中にセルエッジ付近に移動した場合、複数の基地局装置との同時通信を始める。同時に通信を行っている複数の基地局装置のうち、通信端末装置は移動によって所定の受信品質を確保できる基地局装置との通信にシームレスに切り替える。これをソフトハンドオーバ(SHO)という。特に、以下において、通信端末装置が複数の基地局装置と同時に通信を行っている状態をSHO通信ということにする。
【0003】
図17は、SHO通信中の下り受信の様子を示す概念図である。この図において、通信端末装置は、3セクタ4セルと同時にリンクしている。すなわち、通信端末装置は、セクタ#Aのセル#A及びセル#D、セクタ#Bのセル#B、セクタ#Cのセル#Cとリンクしている。また、建物や山による反射により、セル#B及びセル#Dから遅延波(パス#B#2、パス#D#2)が到来している。通信端末装置は、同時に4セル分の遅延プロファイルを生成し、パス検出を行う。パス検出については後述する。
【0004】
これにより、通信端末装置は6つのパスがに到来したことが分かり、検出した6パスをフィンガに割り当てる。各セルからの受信信号はフィンガで逆拡散され、RAKE合成された後、復調される。
【0005】
ここで、パス検出について説明する。通信端末装置は、生成した遅延プロファイルにおいて、ピークを検出し、そのピークの示す相関値が所定の閾値(以下、「フィンガ閾値」という)を越えた場合、ピークの位相点をパスとしてフィンガに割り当てるものとする。このフィンガ閾値は、予め設定された関数演算で求められるか定数で設定され、フィンガ閾値を越えるピークがたつ位相点は、ノイズではなくパスである可能性が高くなるように設定される。このため、フィンガ閾値を越える相関値のパスをフィンガに割り当て、逆拡散以降の処理をした場合、多少の誤りがあっても、ある程度の復号が可能である。
【0006】
通信端末装置がSHO通信中に、フィンガ閾値を越える複数のパスが存在する場合は、相関値の大きいパスから優先的にフィンガに割り当てる。一方、フィンガ閾値を越えるパスが1つもない場合は、相関値の最も大きい位相点をパスとしてフィンガに割り当てる。
【0007】
図18は、従来におけるSHO通信中のフィンガ割り当ての様子を説明するための図である。この図では、ある通信端末装置がセル#Aからセル#Dまでの4セルとSHOを行っている場合とし、単位シンボル当たりの相関値でセル毎に生成した遅延プロファイルを示している。それぞれの遅延プロファイルは、左から順にセル#Aからセル#Dの遅延プロファイルであり、全ての遅延プロファイルに共通するフィンガ閾値Th1を点線で示している。この図の場合、4つの遅延プロファイルにおいて、フィンガ閾値Th1を越えるパスは6つ存在する。実際には、フィンガ閾値を越えるか越えないかに関わらず、相関値の大きな位相点がパスとして管理される。
【0008】
図18に示すように、各遅延プロファイルから得られた全ての相関値の中から相関値の大きいパスほどフィンガに割り当てられる優先順位が高い。すなわち、4つの遅延プロファイルから得られた6つのパスのうち、最大の相関値となるパスはパス#A#1(相関値1位)であり、フィンガ割り当て優先順位は第1位となる。次に大きい相関値となるパスはパス#B#1(相関値2位)であり、フィンガ割り当て優先順位は第2位となる。同様に、3番目に大きい相関値のパスから6番目に大きい相関値のパスのフィンガ割り当て優先順位が決まる。この優先順位に従って、実装しているフィンガ数分、上位のパスからフィンガに割り当てる。これが、従来のフィンガ割り当て方法である。
【0009】
次に、3GPP−IMT2000システムのSSDT(Site Selection Diversity Transmit Power Control)制御について説明する。SSDT制御は、SHO通信時に適用されるパワーコントロール方法である。通信端末装置は、通信中の複数の基地局装置から送信される共通パイロットチャネル(CPICH: Common PIlotCHannel)の受信パワを測定し、受信パワが最大となるセルをプライマリセルとして決定する。SHO通信時にリンクしている複数のセルのうち、通信端末装置によって決定されたプライマリセルのみが個別物理チャネル(DPDCH: Dedicated Physical Data CHannel)を送信する。これにより、プライマリセルからのみ下りリンクの送信を行うことで、下りの干渉量の増大を防ぐことができ、全体として周波数当たりの通信端末装置の収容能力を高めることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフィンガ割り当て方法では、1セルからの複数パスを集中的にフィンガに割り当ててしまう場合があり、このような場合に通信端末装置が移動に伴って建物の影などに入るシャドウイング等により、受信において支配的な役割を担っていたセルのパスが急に失われることがある。このため、パス検出の周期、割り当て速度によっては受信できない期間(無線回線の瞬断)が発生する確率が高い。
【0011】
また、SHO通信時に複数のセルとリンクできる個別物理チャネルと、1セルしかリンクできない共有制御物理チャネルを同時受信するシステムでは、複数のコード番号やコード位相などを一まとめとして設定し、1つのフィンガとして多重コードに対応するハードウェア構成を使用する場合、共有制御物理チャネルを送信するセルのパスは、必ずフィンガに割り当てられていないと逆拡散することができず、結果的に共有制御物理チャネルを復号することができない。
【0012】
さらに、SSDT制御を適用する場合、プライマリセルのパスが所定の期間にフィンガに割り当てられていないと個別物理チャネルを復号することができない。これについて、以下に図19を用いて詳しく説明する。
【0013】
図19は、従来におけるSSDT制御適用時のRAKE合成部の合成タイミング図である。この図において、フィンガに割り当てるパスを1フレーム毎に更新(フィンガ割り当て周期:1フレーム)し、個別物理チャネルの送信を行うプライマリセルを3スロット毎に更新(SSDT制御周期:3スロット)し、フレームバウンダリでは必ずSSDT制御のバウンダリとなるタイミングとしている。また、フィンガ数を6とし、従来のフィンガ割り当て方法で割り当てた場合のパスを図に示す。パス#A#1は、セル#Aから到来する識別番号1のパスを示している。なお、割り当てパス情報で示された網掛け部分は、RAKE合成対象のパスが割り当てられていることを示している。
【0014】
図19では、SSDT制御周期iiにおいて区間W1のタイミングでフィンガに割り当てられているセル毎に共通パイロットチャネルの受信パワが測定される。この結果、受信パワが最大となる共通パイロットチャネルは、セル#Aから受信したものであったとすると、プライマリセルは、セル#Aとなる。従って、次SSDT制御単位(図19では、SSDT制御周期iiiに相当)では、セル#Aからのみ個別物理チャネルが送信されることになる。
【0015】
しかしながら、フィンガ割り当て判定を行うための遅延プロファイル生成区間は、プライマリセルを決定する区間とは異なるため、遅延プロファイル生成時において、セル#Aの相関値が非常に小さく、セル#Aのパスがフィンガに割り当てられない場合、プライマリセルの決定区間においてセル#Aがプライマリセルとして決定されてしまうと、結果的にセル#Aから送信された個別物理チャネルを復号することができない。すなわち、SSDT適用時には、プライマリセル以外のセルからは、個別物理チャネルは送信されないため、受信できない区間が存在することになる。
【0016】
一方、基地局装置においても、無線回線の瞬断の可能性があり、上り受信を行うことができない場合がある。以下に、その理由を簡単に説明する。
【0017】
基地局装置は、SHO通信中、同一の通信端末装置からの上り受信を複数のセルで行い、各セルで受信した信号をフィンガで逆拡散し、逆拡散後の信号をRAKE合成した後、復号する。このとき、各セルで受信したパスのうち、相関値の大きいパスからフィンガに割り当てており、1つのセルで受信した複数のパスが集中的にフィンガに割り当てられる場合がある。このような状態において、通信端末装置が移動に伴い建物の影などに入り、シャドウイング等が起こると、受信において支配的な役割を担っていたセルのパスが急に失われることがある。このため、パス検出の周期、割り当て速度によっては受信できない期間(無線回線の瞬断)が発生する確立が高い。
【0018】
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、SHO通信中に起こり得る無線回線の瞬断を防ぎ、安定した受信性能を実現するCDMA受信装置及びフィンガ割り当て方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明のフィンガ割り当て方法は、通信端末装置が複数のセルと通信中に、前記複数のセルから送信された信号に基づいて各セル毎の遅延プロファイルを生成し、生成した遅延プロファイルを基に、2以上の異なるセルから必ずパスを選択するようにし、選択したパスをフィンガに割り当てるようにした。
【0020】
この方法によれば、通信端末装置は、移動に伴い建物の影などに入ることによりシャドウイング等が生じても、2以上の異なるセルから選択したパスをフィンガに割り当てるようにしているので、1つのパスがシャドウイングにより失われても他のパスが残っている可能性が高く、無線回線が瞬断する可能性を低減することができる。
【0021】
本発明のRAKE合成方法によれば、逆拡散後の各フィンガの受信レベルを測定し、同一セルからの複数のパスのうち逆拡散後の受信レベルが最大受信レベルに対して所定値以下となるパスをRAKE合成の対象から外すようにした。
【0022】
この方法によれば、逆拡散後の受信レベルが最大受信レベルに対して所定値以下となるパスをRAKE合成の対象から外すことにより、RAKE合成後の受信性能の向上を図ることができる。
【0023】
本発明のCDMA受信装置は、通信中の複数のセルから送信された信号と既知信号との相関演算を行い、各セル毎の遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成手段と、各遅延プロファイルに基づいてパスを検出するパス検出手段と、前記遅延プロファイル生成手段において生成された遅延プロファイルを基に、2以上の異なるセルから必ずパスを選択するようにし、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ管理手段と、前記フィンガ管理手段がフィンガに割り当てたタイミングで受信信号を逆拡散する逆拡散手段と、を具備する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、通信端末装置は、移動に伴い建物の影などに入ることによりシャドウイング等が生じても、2以上の異なるセルから送信されたパスを選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるようにしているので、1つのパスがシャドウイングにより失われても他のパスが残っている可能性が高く、無線回線が瞬断する可能性を低減することができる。
【0025】
本発明のCDMA受信装置は、前記フィンガ管理手段が、リンク中の各セル毎の遅延プロファイルそれぞれから、相関値の上位いくつまでのパスを選択するかを指定するパス数指定手段と、前記パス検出手段で検出されたパスのなかから相関値の大きいパスから順に前記パス数指定手段から指定されたパス数分それぞれの遅延プロファイルから選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ第1割り当て手段と、前記フィンガ第1割り当て手段において割り当てられたパス以外で相関値の大きいパスから順に残りのフィンガに割り当てるフィンガ第2割り当て手段と、を具備する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、リンク中の全てのセルから送信されたパスがパス数指定手段で指定されたパス数分、フィンガに割り当てられるので、シャドウイングによる無線回線の瞬断の可能性を低減することができる。また、リンク中の複数のセルのうち、共有制御物理チャネル用の1つのセルがある場合や、SSDT制御適用時に選択されるプライマリセルがある場合でも、リンク中の全てのセルからパスがフィンガに割り当てられるので、共有制御物理チャネルやプライマリセルから送信される個別物理チャネルを復号することができる。
【0027】
本発明のCDMA受信装置は、前記フィンガ管理手段が、リンク中のセルのうち必ずパスを割り当てるセルの数を指定するセル数指定手段と、前記セル数指定手段において指定された各セル毎の遅延プロファイルそれぞれから、相関値の上位いくつまでのパスを選択するかを指定するパス数指定手段と、前記パス検出手段において検出されたパスから、前記セル数指定手段において指定されたセル数と前記パス数指定手段において指定されたパス数とに基づいてパスを選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ第1割り当て手段と、前記フィンガ第1割り当て手段において割り当てられたパス以外で相関値の大きいパスから順に残りのフィンガに割り当てるフィンガ第2割り当て手段と、を具備する構成を採る。
【0028】
この構成によれば、リンク中のセルのうち必ずパスを割り当てるセルの数が指定され、さらに、指定されたセルのパスをパス数指定手段で指定されたパス数分、フィンガに割り当てるので、上述したリンク中の全てのセルから送信されたパスを指定されたパス数分、フィンガに割り当てる場合に比べ、同じ受信性能を確保するのに必要なフィンガ数を減らすことができ、回路規模の削減及び消費電力の低減を図ることができる。
【0029】
本発明のCDMA受信装置は、前記フィンガ管理手段が、リンク中のセルのうち優先的にパスを割り当てるセルの数を指定するセル数指定手段と、前記セル数指定手段において指定された各セル毎の遅延プロファイルそれぞれから、相関値の上位いくつまでのパスを選択するかを指定するパス数指定手段と、前記セル数指定手段で指定されたセル数と前記パス数指定手段で指定されたパス数とに基づいて、前記パス検出手段で検出されたパスの相関値をオフセットさせるためのオフセット量を生成するオフセット生成手段と、前記パス検出手段で検出されたパスのうち、前記オフセット量を付加した相関値を含めて相関値の大きいパスから順に選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ割り当て手段と、を具備する構成を採る。
【0030】
この構成によれば、オフセット量を付加した相関値を含めて相関値の大きいパスから順に選択され、選択されたパスがフィンガに割り当てられるので、指定されたセルの最大相関値を有するパスが割り当てられる可能性が高くなり、異なるセルのパスがフィンガに割り当てられる可能性が高くなる。
【0031】
本発明のCDMA受信装置は、SSDT制御適用時に前記セル数指定手段において指定されたセル数に基づいて選択されるパスが、個別物理チャネルを送信するプライマリセルからのパスである構成を採る。
【0032】
この構成によれば、SSDT制御適用時にプライマリセルが必ず又は優先的に割り当てられるセルとして指定されることになるので、プライマリセルからのパスがフィンガに割り当てられていないという事態を完全に、又は、ほとんどの状況で回避し、プライマリセルから送信される個別物理チャネルを復号することができる。
【0033】
本発明のCDMA受信装置は、前記セル数指定手段において指定されたセル数に基づいて選択されるパスが、共有制御物理チャネル用セルからのパスである構成を採る。
【0034】
この構成によれば、共有制御物理チャネル用のセルが必ず又は優先的に割り当てられるセルとして指定されることになるので、共有制御物理チャネル用セルからのパスがフィンガに割り当てられていないという事態を完全に、又は、ほとんどの状況で回避し、共有制御物理チャネルを復号することができる。
【0035】
本発明のCDMA受信装置は、通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段と、セル毎に選択されるパス数を前記受信環境に応じて指定するため前記パス数指定手段を制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0036】
この構成によれば、例えば、個別物理チャネルと共有制御物理チャネルを同時に受信しており、共有制御物理チャネル用セルを必ず又は優先的にフィンガに割り当てるセルに指定し、指定したセルの1パスをフィンガに割り当てていたとき、個別物理チャネルの受信性能は十分よいが、共有制御物理チャネルの受信性能がよくない場合、共有制御物理チャネルから選択されるパス数を増やすことにより、共有制御物理チャネルの受信性能を向上させることができる。
【0037】
本発明のCDMA受信装置は、通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段と、リンク中のセルのうちパスを割り当てるセル数を前記受信環境に応じて指定するため前記セル数指定手段を制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0038】
この構成によれば、例えば、通信端末装置が静止中で、安定した受信を行っていると判断された場合、フェージングの影響は小さいと考えられるので、必ず又は優先的に割り当てるセル数を少なくし、消費電力の低減を図ることができる。一方、通信端末装置が高速移動中であると判断された場合、フェージングの影響は大きいと考えられるので、必ず又は優先的に割り当てるセル数を多くし、多くのセルのパスをフィンガに割り当てることにより、無線回線が瞬断する可能性を少なくすることができる。
【0039】
本発明のCDMA受信装置は、通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段と、前記受信環境に応じたオフセット量を生成するため前記オフセット生成手段を制御する制御手段と、を具備する構成を採る。
【0040】
この構成によれば、例えば、ある1セルの電界強度が他のセルの電界強度に比べ、一定以上強いと判断された場合、電界強度が一番強いセルから受信した信号のみで十分な受信性能を確保できると考えられ、電界強度が一番強いセルからのパスを集中的にフィンガに割り当てるが、シャドウイングなどで途切れた場合を考慮すると他のセルのうち最低1セルのパスはフィンガに割り当てておいた方がよいので、オフセット量を大きくすると共に必ず又は優先的に割り当てるセル数を1より大きくし、他のセルのパスが割り当てられる可能性を高くすることにより、無線回線の瞬断の可能性を少なくすることができる。また、ある1セルの電界強度が他のセルの電界強度に比べ、一定以上強いと判断されない場合、さほど大差ない電界強度のセルが複数存在していることになり、複数のセルのパスがフィンガに割り当てられている可能性が高いと考えられ、オフセット量を小さくし、相関値の大きいパスを割り当てることにより受信性能を向上させることができる。
【0041】
本発明のCDMA受信装置は、フィンガを割り当てる周期に対して短い周期で逆拡散後の各フィンガの受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、前記逆拡散後の受信レベルに基づいて、前記受信レベル測定手段の測定周期毎にRAKE合成の対象とするパスを選択するRAKE合成パス選択手段と、前記RAKE合成パス選択手段の選択結果に応じて逆拡散後の各フィンガ出力に重み付けを行う重み付け係数を決定する重み付け係数決定手段と、前記重み付け係数を逆拡散後の各フィンガ出力に乗算し、乗算結果を合成するRAKE合成手段と、を具備する構成を採る。
【0042】
この構成によれば、上述したフィンガ割り当てを行った場合に、ノイズ成分の多いパスもフィンガに割り当てていることがあり、ノイズ成分の多い逆拡散結果をRAKE合成することにより受信性能を低下させていたが、逆拡散後の受信レベルに基づいてRAKE合成の対象とするパスを選択することにより、RAKE合成後の受信性能の低下を回避することができる。また、フィンガ割り当て周期対して短い周期で逆拡散後の受信レベル測定及びRAKE合成パス選択を行うことにより、短期的なパスの揺らぎによるノイズ成分の多い逆拡散結果をRAKE合成することを回避することができる。
【0043】
本発明のCDMA受信装置は、通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段を具備し、前記RAKE合成パス選択手段は、前記受信環境に応じてRAKE合成の対象とするパスの選択を行うか否かを切り替える構成を採る。
【0044】
この構成によれば、受信環境に応じてRAKE合成パス選択を行うか否かを選択することにより、例えば、SSDT制御を適用している場合には、プライマリセルからのみ個別物理チャネルが送信されているので、プライマリセルのパスをRAKE合成するため、RAKE合成パス選択を行わず、SSDT制御を適用しない場合には、RAKE合成パス選択を行うことにより、受信性能の向上を図っている。
【0045】
本発明のCDMA受信装置は、前記受信レベル測定手段は、通信端末装置の受信環境に応じて受信レベルの測定周期を変更し、前記RAKE合成パス選択手段は、前記受信レベル測定手段の測定周期に従ってRAKE合成の対象とするパスを選択する構成を採る。
【0046】
この構成によれば、例えば、通信端末装置が静止中であると判断された場合、安定した受信状態であり、パス毎の受信レベルの変動は小さいと考えられ、測定周期を長くしても受信レベルの変動に追従することができるので、測定頻度を低くすることになり、処理量が減少し、消費電力の低減を図ることができる。
【0047】
本発明の基地局装置は、通信中の通信端末装置から送信された信号と既知信号との相関演算を行い、受信した各セル毎で遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成手段と、各遅延プロファイルに基づいてパスを検出するパス検出手段と、前記遅延プロファイル生成手段において生成された遅延プロファイルを基に、2以上の異なるセルから必ずパスを選択するようにし、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ管理手段と、前記フィンガ管理手段がフィンガに割り当てたタイミングで受信信号を逆拡散する逆拡散手段と、を具備する構成を採る。
【0048】
この構成によれば、基地局装置は、通信端末装置が移動に伴い建物の影などに入ることによりシャドウイング等が生じても、2以上の異なるセルで受信したパスをフィンガに割り当てるようにしているので、1つのパスがシャドウイングにより失われても他のパスが残っている可能性が高く、上り受信において無線回線が瞬断する可能性を低減することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、SHO通信中に、リンクしているセルのうち異なる2つ以上のセルからのパスを必ずフィンガに割り当てるようにすることである。これにより、通信端末装置が建物の影などに入るシャドウイング等の影響で、急にパスが失われた場合でも、無線回線が瞬断する可能性を低減することができる。
【0050】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0051】
(実施の形態1)
本実施の形態では、SHO通信中にリンクしているセルの遅延プロファイル毎に、相関値の大きいパス上位N個をフィンガに割り当て、割り当てたパス以外でフィンガ閾値を越えるパスの中で、相関値の大きいパスから優先的に残りのフィンガに割り当て、フィンガに割り当てられたパスであっても、同一セルからのパスが複数あり、受信レベルが低いパスはRAKE合成の対象から外す場合について説明する。
【0052】
図1は、本発明の実施の形態1に係るCDMA受信装置の構成を示すブロック図である。この図において、受信信号は、アンテナで受信した信号にゲイン調整、A/D変換等の所定の無線受信処理が施された信号である。制御部101は、遅延プロファイルを生成するセル数、セル毎の拡散コード及び位相情報を遅延プロファイル生成部102に通知する。また、制御部101は、フィンガ管理部104に制御情報を通知すると共に、スロットフォーマット情報などのRAKE合成に必要な制御情報をRAKE合成部106に通知する。
遅延プロファイル生成部102は、受信信号と制御部101から通知された拡散コードとで相関をとり、通知されたセル数分の遅延プロファイルを生成し、生成した遅延プロファイルをパス検出部103及びフィンガ管理部104に出力する。
【0053】
パス検出部103は、遅延プロファイル生成部102から出力された各遅延プロファイルから、所定の閾値(以下、「フィンガ閾値」という)を越えるピークがたつ位相点をパスとして決定し、ピークの相関値を測定する。パスの位相点及び測定した相関値をフィンガ管理部104に出力する。
【0054】
フィンガ管理部104は、制御部101から出力された制御情報と遅延プロファイル生成部102から出力された遅延プロファイルとパス検出部103から出力された結果とに基づいて、パス位相のトラッキング、次の遅延プロファイル生成に備え遅延プロファイル窓のトラッキング、セル位相管理などを行う。遅延プロファイル窓のトラッキング結果は制御部101に出力される。また、リンクしているセル毎に相関値の大きなパス上位N個(Nはフィンガ数を越えない任意の正数)を、フィンガ閾値を越えるか否かにかかわらずフィンガに割り当てる。さらに、割り当てた上位N個のパス以外でフィンガ閾値を越えたパスを、相関値の大きいものから優先的に残りのフィンガに割り当てる。フィンガ割り当て結果は、逆拡散部105及びRAKE合成部106にそれぞれ出力する。フィンガ管理部104の詳細な構成については後述する。
【0055】
逆拡散部105は、フィンガ管理部104から出力されたフィンガ割り当て結果、すなわち、逆拡散タイミングに従って受信信号を逆拡散し、逆拡散結果をRAKE合成部106に出力する。
【0056】
RAKE合成部106は、制御部101から通知された制御情報と、フィンガ管理部104から出力されたフィンガ割り当て結果とに基づいて、逆拡散部105から出力された逆拡散結果をRAKE合成する。合成結果は、図示しない復号部に出力される。RAKE合成部106の内部構成については後述する。
【0057】
図2は、本発明の実施の形態1に係るフィンガ管理部104の内部構成を示すブロック図である。この図において、パス数指定部201は、リンクしている各セルにおいて優先的に割り当てるパスの数N(以下、「割り当て指定パス数」ということもある)が予め決定されており、パス数Nをフィンガ第1割り当て部202に指定する。
【0058】
フィンガ第1割り当て部202は、パス検出部103から出力されたパス検出結果とパス数指定部201から指定されたパス数Nとに基づいて、リンクしている各セルにおいて相関値の大きいパスから順にN個のパスをフィンガに割り当てる。割り当て結果は、逆拡散部105、RAKE合成部106、フィンガ第2割り当て部203に出力される。
【0059】
フィンガ第2割り当て部203は、パス検出部103から出力されたパス検出結果のうち、フィンガ第1割り当て部202で割り当てたパス以外でフィンガ閾値を越えたパスを、相関値の大きいものから優先的に残りのフィンガに割り当てる。割り当て結果は、逆拡散部105及びRAKE合成部106に出力される。
【0060】
次に、実施の形態1におけるフィンガ割り当て方法について図面を用いて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるSHO通信中のフィンガ割り当ての様子を説明するための図である。この図では、ある通信端末装置がセル#Aからセル#Cまでの3セルとSHOを行っている場合とし、単位シンボル当たりの相関値でセル毎に生成した遅延プロファイルを示している。また、個別物理チャネルはセル#A、セル#B、セル#Cでリンクし、共有制御物理チャネルはセル#Cで同時にリンクする。さらに、パス選択の際、リンクしているセル毎に相関値の大きなパスの上位N個を選択するが、割り当て指定パス数Nを1として、各セルにおいて相関値の最も大きいパスをそれぞれ選択する。そして、使用可能なフィンガ数を5とする。
【0061】
フィンガ第1割り当て部202は、セル毎の各遅延プロファイルにおいて、相関値の最も大きなパスをフィンガに割り当てる。具体的には、セル#Aからはパス#A#1(相関値1位、セル内1位)が、セル#Bからはパス#B#1(相関値7位、セル内1位)が、セル#Cからはパス#C#1(相関値6位、セル内1位)がそれぞれフィンガに割り当てられる。使用可能なフィンガ数は5なので、残り2個のフィンガが使用できる。そして、フィンガ第2割り当て部203は、フィンガ第1割り当て部202で割り当てられたパス以外でフィンガ閾値を越えたパスを、相関値の大きいものから優先的に残りのフィンガに割り当てるので、図3より、パス#A#2(相関値2位、セル内2位)及びパス#A#3(相関値3位、セル内3位)が残りのフィンガに割り当てられることになる。
【0062】
従来のフィンガ割り当て方法に従って図3で示した遅延プロファイルからフィンガ割り当てを行うと、全ての遅延プロファイルの中で相関値の大きいパスから順に割り当てられるので、相関値の上位から順に選択すると、5つのフィンガは全てセル#Aからのパスが割り当てられることになり、セル#B及びセル#Cからは1パスも割り当てられないことになる。
【0063】
このように、リンク中の各セルから最低N個のパスをフィンガに割り当てることにより、セル#Aのパスのみをフィンガに割り当てることがなくなり、通信端末装置が移動に伴って建物の影などに入るシャドウイング等の影響で、フィンガに割り当てたセル#Aのパスが急に失われても(同期はずれ)、セル#B又はセル#Cのパスがフィンガに割り当てられているので、このパスを用いて復号することができる可能性が高い。これにより、シャドウイング等による無線回線の瞬断の可能性を少なくし、安定した通信を実現することができる。
【0064】
また、共有制御物理チャネルの復号については、共有制御物理チャネルはセル#Cのみでリンクしており、従来のフィンガ割り当て方法では、セル#Cのパスがフィンガに割り当てられないが、本実施の形態のフィンガ割り当て方法では、セル#Cのパスは必ず最低N個割り当てられる(図3の例では、パス#C#1が割り当てられている)ので、割り当てられたタイミングで受信信号を逆拡散し、共有制御物理チャネルを復号することができる。
【0065】
次に、本実施の形態におけるCDMA受信装置がSSDT制御を適用した場合について、説明する。上述したように、従来のフィンガ割り当て方法では、同時に得られた全ての遅延プロファイルにおいて、相関値の大きいパスから優先的にフィンガに割り当てられる。そして、遅延プロファイル生成区間は平均化に比較的長期間要し、SSDT制御区間はそれに比べ短期間の平均化を行うので、あるセルの受信状態が悪い状態から急激によくなった場合を想定すると、そのセルは、プライマリセルに選択されるが、そのセルのパスは割り当てられていたフィンガから外れてしまうことがある。この場合、プライマリセルから送信される個別物理チャネルを復号することができない。これに対し、本実施の形態のフィンガ割り当て方法では、リンク中の各セルからそれぞれ最低N個のパスをフィンガに割り当てるので、いずれのセルがプライマリセルとして選択されても、必ず対象セルのパスはフィンガに割り当てられている。これにより、割り当てられたタイミングで受信信号を逆拡散し、プライマリセルから送信される個別物理チャネルを復号することができ、安定した通信を行うことができる。
【0066】
しかしながら、上述したフィンガ割り当て方法では、ややノイズ成分の多いパスもフィンガに割り当てられることがあり、ノイズ成分の多い逆拡散結果をRAKE合成して受信性能を下げてしまう場合もある。そこで、RAKE合成部106を図4に示す構成とすることにより、受信性能の低下を回避するようにした。以下、図4に示すRAKE合成部106によるRAKE合成方法について説明する。
【0067】
図4は、本発明の実施の形態1に係るRAKE合成部の内部構成を示すブロック図である。この図において、受信レベル第1測定部401は、逆拡散部105から出力された重み付け情報(フィンガ毎の受信レベル)とフィンガ管理部104から出力されたフィンガ割り当て結果とに基づいて、セル毎にRAKE合成した結果から受信レベルを任意区間(SSDT制御単位)で平均し、平均結果をそのセルの受信レベルとし、プライマリセル選択部403に出力する。
【0068】
受信レベル第2測定部402は、逆拡散部105から出力された重み付け情報(フィンガ毎の受信レベル)とフィンガ管理部104から出力されたフィンガ割り当て結果とに基づいて、フィンガ毎の受信レベルを任意区間(RAKE合成対象フィンガ選択周期)で平均し、平均結果をそのフィンガの平均受信レベルとし、RAKE合成パス選択部404及び重み付け係数決定部405に出力する。なお、RAKE合成対象フィンガ選択周期は、受信レベル第2測定部402がフィンガ毎の平均受信レベルを測定する期間である。
【0069】
プライマリセル選択部403は、受信レベル第1測定部401から出力された測定結果に基づいて、受信レベルの最も大きいセルをプライマリセルとして選択する。選択結果は、次のSSDT制御単位で用いるものとして、符号化部及びRAKE合成パス選択部404に出力される。
【0070】
RAKE合成パス選択部404は、受信レベル第2測定部402から出力された測定結果に基づいて、最大受信レベルから一定レベル以内のフィンガを選択し、RAKE合成の対象パス(RAKE合成パス)とする。ただし、SSDT制御を行っている場合は、プライマリセル選択部403で選択されたプライマリセルのパスが割り当てられているフィンガ以外は、RAKE合成パスとして選択せず、プライマリセルのパスが割り当てられたフィンガであっても、フィンガ毎の受信レベルに基づいてRAKE合成パスの選択を行う。SSDT制御を行っていない場合は、プライマリセル選択部403の選択結果の如何に関わらず、フィンガ毎の受信レベルからRAKE合成パスの選択を行う。選択されたRAKE合成パスは、重み付け係数決定部405に出力される。
【0071】
重み付け係数決定部405は、逆拡散部105から出力された重み付け情報、受信レベル第2測定部402から出力された測定結果、RAKE合成パス選択部404から出力されたRAKE合成パスに基づいて、逆拡散部105の各フィンガ出力に重み付けを行うための重み付け係数を決定する。このとき、フィンガにパスが割り当てられていない場合は、重み付け係数を0とする。決定された重み付け係数は、重み付け処理部407に出力される。
【0072】
シンボル位相調整部406は、フィンガ毎にパスが割り当てられる位相が異なるため、逆拡散部の各フィンガから出力されるタイミングが異なり、異なるタイミングで出力された各フィンガ出力をフィンガ管理部104から出力されたフィンガ割り当て結果に基づいてシンボル位相を合わせて重み付け処理部407に出力する。
【0073】
RAKE合成手段としての重み付け処理部407は、シンボル位相調整部406から出力されたフィンガ出力に重み付け係数決定部405からのフィンガ毎の重み付け係数を乗算(重み付け)し、重み付け後のフィンガ出力を合成部408に出力する。
【0074】
RAKE合成手段としての合成部408は、重み付け処理部407から出力された重み付け後の各フィンガ出力を加算(合成)し、合成結果を図示しない復号部に出力する。
【0075】
次に、上記構成を有するRAKE合成部106の動作について図5を用いて説明する。図5は、SSDT制御を行っていないときのRAKE合成部の合成タイミング図である。この図において、フィンガ割り当て周期を1フレーム、RAKE合成対象フィンガ選択周期を1スロットとし、割り当てパス情報はフィンガに割り当てられたパスとRAKE合成対象(図中網掛け部分)か否かを示すものとする。ここで、RAKE合成対象フィンガ選択周期をフィンガ割り当て周期より短くすることにより、短期的なパスの揺らぎによりノイズ比率が大きくなった逆拡散結果をRAKE合成の対象から外すことができる。
【0076】
図5の区間W1において、受信レベル第2測定部402がフィンガ毎の平均受信レベルを測定し、測定結果をRAKE合成パス選択部404に出力する。
【0077】
RAKE合成パス選択部404は、受信レベル第2測定部402から出力された測定結果に基づいて、RAKE合成パスの選択を行う。図5の区間W2において、RAKE合成パス選択を反映するRAKE合成を行う。この区間W2でRAKE合成されるパスは、パス#B#1とパス#D#1である。このとき、受信レベル第2測定部402で行われるフィンガ毎の平均受信レベルの測定は、位相推定及び同期検波処理を行っておらず、遅延が少ない重み付け情報をもとに演算を行っているのに対し、逆拡散部105からの各フィンガ出力は、前後1スロットの位相推定、同期検波などの処理遅延のため、結果的に重み付け処理部407及び合成部408はRAKE合成パス選択判定に用いた受信レベルの平均区間と同じスロットのフィンガ出力を処理していることになる。
【0078】
RAKE合成パス選択部404で選択されなかったフィンガ#0、#2、#4、#5からの出力は、重み付け係数0を乗算することで、RAKE合成対象から外している。これは、パス#B#1とパス#D#1の受信レベルに対して、他のパスの受信レベルがW1の区間で十分小さく、全てのフィンガ出力をRAKE合成すると逆に受信性能が悪くなってしまい、これを避けるためである。
【0079】
図6は、SSDT制御を行っているときのRAKE合成部106の合成タイミング図である。この図において、フィンガ割り当て周期、RAKE合成対象フィンガ選択周期、割り当てパス情報は、図5と同様であり、SSDT制御単位を3スロットとしている。
【0080】
図6において区間W1で受信レベル第2測定部402がフィンガ毎の受信レベルを測定し、この測定結果に基づいて、プライマリセル選択部403がプライマリセルの選択を行う。区間W1では、セル#Aからセル#Dの4セルの受信レベルが求められ、プライマリセルとしてセル#Bが選択されたとする。本実施の形態では、フィンガ管理部104において、リンク中の各セルからのパスがセル毎に最低N個が割り当てられることになっており、図6の場合、セル#Bのパス(パス#B#1〜パス#B#3)が3つのフィンガに割り当てられている。
【0081】
図6において区間W2は、区間W1で選択されたプライマリセルとのみ個別物理チャネルをリンクするSSDT制御区間であり、プライマリセル選択部403は、RAKE合成パス選択部404に対してセル#B以外のセルからのパスをRAKE合成しない制御を行う。これは、プライマリセル以外のセルは、SSDT制御により個別物理チャネルの送信を停止しているためである。
【0082】
図6において区間W3で、RAKE合成パス選択部404は、フィンガ#1にのみ割り当てられたパス#B#1を選択する。これは、区間W3については、パス#B#1の受信レベルに対して、パス#B#2及びパス#B#3の受信レベルが十分小さいため、これらのパスをRAKE合成すると逆に受信性能が悪くなってしまい、これを避けるためである。
【0083】
同様に、区間W3の次のスロット1及びスロット2では、フィンガ毎の受信レベル測定、プライマリセルの選択が行われ、パス#B#1とパス#B#2とをRAKE合成することとなり、パス#B#3は、パス#B#1とパス#B#2の受信レベルに比べ十分小さいため、RAKE合成対象から外している。
【0084】
このように、フィンガに割り当てられているパスであっても、同一セルからの複数のパスがフィンガに割り当てられており、逆拡散後の受信レベルが低いパスはRAKE合成の対象から外すことにより、RAKE合成後の受信性能の低下を回避することができる。
【0085】
なお、図5及び図6の例では、共有制御物理チャネルについては、上述したRAKE合成方法は適用しておらず、別途、通常のRAKE合成を行っている。
【0086】
このように本発明の実施の形態によれば、SHO通信中にリンクしているセルのパスをN個はフィンガに割り当てるので、シャドウイング等の影響であるセルのパスが急に失われても、他のセルのパスが残る可能性が高いので、通信端末装置は、無線通信の瞬断の可能性を少なくし、安定した通信を行うことができる。また、リンク中の複数のセルのうち、1つのセルのみから送信される共有制御物理チャネルのようなチャネルがある場合や、SSDT制御適用時にプライマリセルから個別物理チャネルを送信する場合でも、リンク中のセルのパスをフィンガに割り当てるので、割り当てたタイミングで逆拡散し、共有制御物理チャネルや個別物理チャネルを復号することができる。さらに、受信レベルの低いパスをRAKE合成対象から外すことで、本実施の形態のフィンガ割り当て方法を用いることによって生じる受信性能の低下を回避することができる。
【0087】
(実施の形態2)
本実施の形態では、SHO通信中にリンクしているセルの中からM個を指定し、M個のセルの遅延プロファイル毎に、フィンガ閾値を越えるか否かにかかわらず、相関値の大きいパスの上位N個をフィンガに割り当て、割り当てたパス以外でフィンガ閾値を越えるパスの中で、大きい相関値のパスから優先的に残りのフィンガに割り当てる場合について説明する。
【0088】
本発明の実施の形態2に係るCDMA受信装置は、実施の形態1のフィンガ管理部104をフィンガ管理部700に変更したものである。図7は、本発明の実施の形態2に係るフィンガ管理部700の内部構成を示すブロック図である。ただし、図7において、図2と共通する部分には図2と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。この図において、図2と異なる点は、フィンガ管理部内にセル数指定部701を設けた点と、フィンガ第1割り当て部202をフィンガ第1割り当て部702に変更した点とである。
【0089】
セル数指定部701は、必ずパスを割り当てるべきセル数M(以下、「必須割り当てセル数」という。Mはリンク数以下の任意の正数)が予め決められており、セル数Mをフィンガ第1割り当て部に指定する。
【0090】
フィンガ第1割り当て部702は、パス検出部103から出力されたパス検出結果に基づいて、セル数指定部701から指定されたM個のセルそれぞれにおいて相関値の大きいパスから順に、パス数指定部201から指定されたN個のパスをフィンガに割り当てる。
【0091】
次に、フィンガ割り当て方法について図面を用いて詳細に説明する。図8は、本発明の実施の形態2におけるSHO通信中のフィンガ割り当て方法を説明するための図である。この図では、ある通信端末装置がセル#Aからセル#Cまでの3セルとSHOを行っている場合とし、単位シンボル当たりの相関値でセル毎に生成した遅延プロファイルを示している。また、個別物理チャネルはセル#A、セル#B、セル#Cでリンクし、共有制御物理チャネルはセル#Cで同時にリンクする。さらに、必須割り当てセル数Mは2とし、割り当て指定パス数Nを1とする。そして、使用可能なフィンガ数を5とする。
【0092】
フィンガ第1割り当て部702は、必須割り当てセル数Mが2であり、共有制御物理チャネルがセル#Cから送信されるため、セル#Cを必須割り当てセルの一つとし、残りの一つは、受信レベルの高いセルとする。図8の例では、セル#Aの方がセル#Bより受信レベルが高いので、セル#Aを必須割り当てセルの一つとする。セル#A及びセル#Cから得られる相関値のうち上位1個のパスをフィンガに割り当てる。すなわち、パス#A#1(相関値1位、セル内1位)及びパス#C#1(相関値6位、セル内1位)である。
【0093】
使用可能なフィンガ数は5なので、残り3個のフィンガが使用できる。フィンガ第2割り当て部203は、割り当てたパス以外でフィンガ閾値を越えたパスを、相関値の大きい順に優先的に残りのフィンガに割り当てるので、図8よりパス#A#2(相関値2位、セル内2位)、パス#A#3(相関値3位、セル内3位)、パス#A#4(相関値4位、セル内4位)がフィンガに割り当てられることになる。これにより、残りのフィンガを有効に利用し、復号精度をできるだけ高めるようにしている。この結果、フィンガに割り当てられるパス数は、セル#Aでは4パス、セル#Bでは0パス、セル#Cでは1パスとなる。
【0094】
従来のフィンガ割り当て方法に従って、図8で示した遅延プロファイルからフィンガ割り当てを行うと、セル#Aにフィンガ割り当てパスが集中してしまうので、セル#B及びセル#Cからは1パスも割り当てられないことになる。
【0095】
このように、リンク中の複数のセルから必須割り当てセルを決め、セル#Aのパスのみをフィンガに割り当てることがなくなり、通信端末装置が移動に伴って建物の影などに入るシャドウイング等の影響で、フィンガに割り当てたセル#Aのパスが急に失われても(同期はずれ)、セル#B又はセル#Cのパスがフィンガに割り当てられているので、このパスを用いて復号することができる。これにより、シャドウイング等による無線回線の瞬断の可能性を少なくし、安定した通信を実現することができる。なお、必須割り当てセルを異なるセクタから割り当てるようにすると、シャドウイングの影響で無線回線が瞬断する可能性をより低減することができる。異なるセクタからのパスは、パスの到来方向が離れている可能性が高く、一方のセクタからのパスがシャドウイングにより失われても、他のセクタからのパスが残っている可能性が高いからである。
【0096】
また、共有制御物理チャネルの復号については、共有制御物理チャネルはセル#Cのみでリンクしており、従来のフィンガ割り当て方法では、セル#Cのパスがフィンガに割り当てられないが、本実施の形態のフィンガ割り当て方法では、セル#Cは必須割り当てセルとして指定することができ、セル#Cのパスは必ず最低N個割り当てられる(図2の例では、パス#C#1が割り当てられている)ので、割り当てられたタイミングで受信信号を逆拡散し、共有制御物理チャネルを復号することができる。
【0097】
さらに、SSDT制御適用時のプライマリセルから送信される個別物理チャネルの復号について説明する。図8の例では、共有制御物理チャネル用のセル#Cを必須割り当てセルの一つとし、もう一つの必須割り当てセルをセル#Aとしている。本実施の形態では、フィンガ割り当て周期とSSDT制御周期のバウンダリでは、プライマリセルを必須割り当てセルとして決定されてからプライマリセルのパスが割り当てられる。また、フィンガ割り当て周期内では、割り当てられているセルをプライマリセルとして決定するので、プライマリセルのパスは必ずフィンガに割り当てられている。これにより、プライマリセルから送信された信号を割り当てられたタイミングで逆拡散し、個別物理チャネルを復号することができる。
【0098】
ここで、本実施の形態のフィンガ割り当て方法を用いた場合、実施の形態1のフィンガ割り当て方法に比べ、回路規模及び消費電力を削減することができることを説明する。例えば、3GPPを例に挙げると、通信端末装置が同時にリンク可能な最大セル数は6であり、実施の形態1では、N=2とすると、12本のフィンガが必要になる。一方、本実施の形態では、3GPPで規定される必須割り当てセル数は、SSDT制御用のセルと共有制御物理チャネルに相当するDSCH(Downlink Shard CHannel)用のセルであり、M=2、N=2とすると、4本のフィンガが必要になる。さらに、1セルからの電界強度が突出している場合、そのセルからは相関値の大きい上位4パス程度をフィンガに割り当てないと受信性能が劣化することがあるので、実施の形態1では2本のフィンガを余分に設けることを考え、14本を必要とし、本実施の形態では、上記4本のフィンガとは別にさらに4本を加え、8本のフィンガが必要であると考えられる。これだけの本数を設けることにより、両者の受信性能に差はなくなると予想されるが、明らかに本実施の形態のフィンガ割り当て方法では、実施の形態1のフィンガ割り当て方法に比べ、予め用意するフィンガの本数が少なくて済み、回路規模の削減及び消費電力の低減につながる。具体的な削減効果は、仮に、必須割り当てセル数Mを2とし、異なるセクタからそれぞれ1セルずつ必須割り当てセルとすれば、シャドウイングに対して十分効果があるとすると、フィンガ数を最大で(2/同時にリンク可能な最大セル数)にすることができる。上記の3GPPの場合、同時にリンク可能な最大セル数は6なので、最大で1/3の削減効果がある。
【0099】
なお、本実施の形態では、必須割り当てセルを異なるセクタから割り当てるようにすると、シャドウイングの影響で無線回線が瞬断する可能性をより低減することができる。異なるセクタからのパスは、パスの到来方向が離れている可能性が高く、一方のセクタからのパスがシャドウイングにより失われても、他のセクタからのパスが残っている可能性が高いからである。
【0100】
また、本発明の実施の形態においても、実施の形態1のRAKE合成方法を適用し、受信性能の向上を図るものとする。
【0101】
このように本発明の実施の形態によれば、SHO通信中にリンクしているセルのうちM個のセルについては、N個のパスを必ずフィンガに割り当てるので、シャドウイング等の影響により、あるセルのパスが急に失われても、他のセルのパスが残る可能性が高いので、通信端末装置は、無線回線の瞬断の可能性を少なくし、安定した通信を行うことができる。また、リンク中の複数のセルのうち、1つのセルのみから送信される共有制御物理チャネルのようなチャネルがある場合や、SSDT制御適用時にプライマリセルから個別物理チャネルを送信する場合でも、共有制御物理チャネル用のセルやプライマリセルを必須割り当てセルとすることにより、これらのセルからのパスを必ず割り当てることになるので、共有制御物理チャネルや個別物理チャネルを復号することができる。さらに、実施の形態1に比べ、同じ受信性能を確保するのに必要なフィンガの本数を減らすことができ、回路規模の削減、消費電力の低減を図ることができる。
【0102】
(実施の形態3)
本実施の形態では、SHO通信中にリンクしているセルの中からM個を指定し、M個のセルの各遅延プロファイルにおいて、相関値の大きいパスの上位N個に仮想の相関値を設定(オフセット量の付加)し、オフセット後の相関値を含めてフィンガ閾値を越える相関値の大きいパスから優先的にフィンガに割り当てる場合について説明する。
【0103】
本発明の実施の形態3に係るCDMA受信装置は、実施の形態2のフィンガ管理部700をフィンガ管理部900に変更したものである。図9は、本発明の実施の形態3に係るフィンガ管理部900の内部構成を示すブロック図である。ただし、図9において、図7と共通する部分には図7と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。この図において、図7と異なる点は、オフセット生成部902を追加した点と、セル数指定部701をセル数指定部901に変更した点と、フィンガ第1割り当て部702とフィンガ第2割り当て部203を1つのフィンガ割り当て部903に変更した点とである。
【0104】
セル数指定部901は、優先的にパスを割り当てるべきセル数M(以下、「優先割り当てセル数」という。Mは、リンク数以下の任意の正数)が予め決められており、セル数Mをオフセット生成部902及びフィンガ割り当て部903に指定する。
【0105】
パス数指定部201は、リンクしている各セルにおいて優先的に割り当てるパスの数Nが予め決定されており、パス数Nをオフセット生成部902に指定する。
【0106】
オフセット生成部902は、セル数指定部901から指定されたセル数M及びパス数指定部201から指定されたパス数Nに該当する各セルのパスの相関値をオフセットさせるためオフセット量(仮想の相関値)を生成し、生成したオフセット量をフィンガ割り当て部903に出力する。
【0107】
フィンガ割り当て部903は、オフセット生成部902で生成されたオフセットを該当するパスに付加し、リンク中の複数セルの遅延プロファイルにおいて、相関値の大きいパスから優先的にフィンガに割り当てる。
【0108】
次に、実施の形態3におけるフィンガ割り当て方法について図面を用いて詳細に説明する。図10は、本発明の実施の形態3におけるSHO通信中のフィンガ割り当て方法を説明するための図である。この図では、ある通信端末装置がセル#Aからセル#Cまでの3セルとSHOを行っている場合とし、単位シンボル当たりの相関値でセル毎に生成した遅延プロファイルを示している。また、個別物理チャネルはセル#A、セル#B、セル#Cでリンクし、共有制御物理チャネルはセル#Cで同時にリンクする。さらに、優先割り当てセル数Mは2とし、割り当て指定パス数Nを1とする。そして、使用可能なフィンガ数を5とする。
【0109】
フィンガ管理部900は、優先割り当てセル数Mが2であり、共有制御物理チャネルがセル#Cから送信されるため、セル#Cを優先割り当てセルの一つとし、残りの一つは、受信レベルの高いセルとする。図10の例では、セル#Aの方がセル#Bより受信レベルが高いので、セル#Aを優先割り当てセルの一つとする。また、割り当て指定パス数Nが1であることより、オフセット生成部902は、優先割り当てセル(セル#A及びセル#C)の遅延プロファイルにおいて最大の相関値となるパスに付加するオフセット量を生成する。
【0110】
フィンガ割り当て部903は、オフセット生成部902において生成されたオフセット量を該当するパスに付加し、オフセット後の相関値に基づいて、相関値の大きいパスから順に優先的にフィンガに割り当てる。この結果、フィンガに割り当てられるパス数は、セル#Aではパス#A#1(相関値1位、オフセット後1位)、パス#A#2(相関値2位、オフセット後2位)、パス#A#3(相関値3位、オフセット後3位)の3パス、セル#Bではパス#B#1(相関値4位、オフセット後5位)の1パス、セル#Cではパス#C#1(相関値7位、オフセット後4位)の1パスとなる。
【0111】
従来のフィンガ割り当て方法に従って、図10で示した遅延プロファイルからフィンガ割り当てを行うと、セル#Aにフィンガ割り当てパスが集中しており、セル#Aから4パス、セル#Bから1パスが割り当てられることになる。
【0112】
このように、リンク中の複数のセルから優先割り当てセルを決め、優先割り当てセルのN個のパスについては、オフセット量を付加することによってフィンガに割り当てられやすくし、セル#Aのパスのみをフィンガに割り当てにくいようにするので、通信端末装置が移動に伴って建物の影などに入るシャドウイング等の影響で、フィンガに割り当てたセル#Aのパスが急に失われても(同期はずれ)、セル#B又はセル#Cのパスがフィンガに割り当てられているので、そのパスを用いて復号することができる可能性が高くなる。これにより、シャドウイング等による無線回線の瞬断の可能性を少なくし、安定した通信を実現することができる。また、オフセット量を付加しても選択されないようなパスについては、受信性能向上に寄与しないと考えられるので、他のセルのパスを割り当てるようにすることで、有限な逆拡散手段を効率よく活用することができる。
【0113】
また、共有制御物理チャネルの復号については、共有制御物理チャネルはセル#Cのみでリンクしているので、従来のフィンガ割り当て方法では、セル#Cのパスがフィンガに割り当てられず、共有制御物理チャネルが復号されないが、本実施の形態のCDMA受信装置では、セル#Cは優先割り当てセルとして指定することができ、セル#Cのパスは優先的に割り当てられる(図2の例では、パス#C#1が割り当てられている)ので、割り当てられたタイミングで受信信号を逆拡散し、共有制御物理チャネルを復号することができる可能性が高くなる。
【0114】
さらに、SSDT適用時のプライマリセルから送信される個別物理チャネルの復号について説明する。図5の例では、共有制御物理チャネル用のセル#Cを優先割り当てセルの一つとし、もう一つの優先割り当てセルをセル#Aとしている。本実施の形態では、フィンガ割り当て周期とSSDT制御周期のバウンダリでは、プライマリセルを優先割り当てセルとして決定されてからプライマリセルのパスが割り当てられる。また、フィンガ割り当て周期内では、割り当てられているセルをプライマリセルとして決定するので、プライマリセルのパスは優先的にフィンガに割り当てられている。これにより、プライマリセルから送信された信号を割り当てられたタイミングで逆拡散し、個別物理チャネルを復号することができる可能性が高くなる。
【0115】
なお、本発明の実施の形態においても、実施の形態1のRAKE合成方法を適用し、受信性能の向上を図るものとする。
【0116】
このように本発明の実施の形態によれば、SHO通信中にリンクしているセルのうちM個のセルについては、N個のパスにオフセットを設け、フィンガに割り当てられやすくするので、シャドウイング等の影響により、あるセルのパスが急に失われても、他のセルのパスが残る可能性が高いので、通信端末装置は、無線回線の瞬断の可能性を少なくし、安定した通信を行うことができる。また、リンク中の複数のセルのうち、1つのセルのみから送信される共有制御物理チャネルのようなチャネルがある場合や、SSDT適用時にプライマリセルから個別物理チャネルを送信する場合でも、共有制御物理チャネル用のセルやプライマリセルを優先割り当てセルとし、優先割り当てセルのN個のパスにオフセット量を付加することにより、パスをフィンガに割り当てられやすくすることになるので、共有制御物理チャネルや個別物理チャネルを復号することができる可能性が高くなる。
【0117】
(実施の形態4)
本実施の形態では、フィンガ割り当て及びRAKE合成に用いられるパラメータを受信環境に応じて変更する場合について説明する。
【0118】
図11は、本発明の実施の形態4に係るCDMA受信装置の構成を示すブロック図である。ただし、この図において、図1と共通する部分は図1と同一の符号を付し、その詳しい説明は省略する。図11が図1と異なる点は、通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視部1101を追加した点と、固定されたパラメータを扱う制御部101から可変のパラメータを扱う制御部1102に変更した点と、フィンガ管理部104をフィンガ管理部1103に変更した点とである。
【0119】
受信環境監視部1101は、通信端末装置の受信環境を監視し、監視した受信環境を制御部1102に通知する。受信環境としては、通信端末装置で管理している周辺セル情報(通信端末装置の周辺に存在するセルが多いか少ないか等の情報)、通信端末装置が間欠受信を行っているか通常の通信を行っているか等を示す制御モード、基地局装置からの下り埋め込み情報やAFC(Automatic Frequency Control)などから推測する通信端末装置の移動速度、復号部からのBER(Bit Error Rate)情報などがある。
【0120】
制御部1102は、受信環境監視部1101から通知された受信環境に応じてフィンガ割り当て及びRAKE合成に用いられるパラメータを変更する制御を、遅延プロファイル生成部102、フィンガ管理部1103、RAKE合成部106に対して行う。
【0121】
フィンガ管理部1103は、制御部1102の制御に基づいて、フィンガ割り当てに用いるパラメータを反映し、フィンガ割り当てを行う。
【0122】
図12は、本発明の実施の形態4に係るフィンガ管理部1103の内部構成を示すブロック図である。ただし、図12は、図9のフィンガ管理部900から、パス数指定部201とセル数指定部901を削除したものである。図12のオフセット生成部902とフィンガ割り当て部903は、図9と共通するので、その詳しい説明は省略する。
【0123】
ここで、本実施の形態において用いられるパラメータについて説明する。まず、本発明のフィンガ割り当て方法(フィンガ割り当てアルゴリズム)を適用するか否かを表すスイッチフラグ(Swf)である。フィンガ割り当てアルゴリズムを適用する場合には、Swfをオンにし、適用しない場合には、Swfをオフにする。
【0124】
次に、優先的にフィンガに割り当てなければならないパスをいくつのセルから受けるかを示す優先割り当てセル数Mである。優先割り当てセル数Mは、リンク中のセル数以下の値として指定される。そして、制御部1102は、優先割り当てセル数Mに従って優先割り当てセルを指定し、指定されたセルは、優先割り当てセル情報(Inff)でフィンガ管理部1103及びRAKE合成部106に通知される。なお、Mの指定はSwfがオンのときのみ行われる。また、Inffは、Mが0以外で生成される。
【0125】
次に、優先割り当てセル情報で通知されるセルについて、当該セルからのパスの相関値が大きい順に上位いくつまでのパスにオフセット量を付加するかを示す優先割り当てパス数Nである。なお、Nの指定はSwfがオン、Mが0以外のときにのみ行われる。
【0126】
次に、オフセット生成部902に対してどれだけのオフセット量を生成させるかを示すオフセット量Fである。なお、オフセット量Fの制御はSwfがオン、Mが0以外、Nが0以外のときにのみ行われる。
【0127】
次に、実施の形態1のRAKE合成方法(RAKE合成アルゴリズム)を適用するか否かを表すスイッチフラグ(Swr)である。RAKE合成アルゴリズムを適用する場合には、Swrをオンにし、適用しない場合には、Swrをオフにする。Swrがオンのときには、RAKE合成部106がフィンガ毎の受信レベルを測定し、測定結果から受信レベルの小さいフィンガをRAKE合成対象から外す。制御部1102はRAKE合成対象フィンガ選択周期Tを制御する。
【0128】
次に、上記構成を有するCDMA受信装置のパラメータ設定動作について説明する。図13は、本発明の実施の形態4に係るCDMA受信装置のパラメータ設定動作を示すフロー図である。この図において、ステップ(以下、「ST」と省略する)1301では、制御部1102において、Swfをオンにし、実施の形態3に示したフィンガ割り当て方法(フィンガ割り当てアルゴリズム)を適用する。
【0129】
ST1302では、リンクセル数Nlcが1を越えるか否かを判定し、SHOを行っているかを判定する。すなわち、リンク中のセル数Nlcが1を越えていればSHOを行っており、ST1303に移行し、リンク中のセル数Nlcが1であればSHOを行っておらず、ST1309に移行する。
【0130】
ST1303では、1セルのみ他のセルに比べて一定以上の電界強度を有するか否かを比較判定する。一定以上の電界強度を有する場合は、ST1304に移行し、一定以上の電界強度を有さない場合は、ST1305に移行する。
【0131】
ST1304では、優先割り当てセル数Mを2に設定し、優先割り当てセル情報(Inff)を電界強度の大きい上位2セルを選択する。また、オフセット量Fを大きく設定し、ST1306に移行する。
【0132】
ST1305では、優先割り当てセル数Mをリンクセル数Nlcとし、優先割り当てセル情報(Inff)をリンク中の全セルとする。また、オフセット量Fを小さく設定し、ST1306に移行する。
【0133】
ST1306では、自装置が静止中か否かを判定し、静止中であればST1307に移行し、静止中でなければST1308に移行する。ST1307では、割り当て指定パス数Nを1に、RAKE合成対象フィンガ選択周期Tを長く設定し、ST1310に移行する。ST1308では、割り当て指定パス数Nを2に、RAKE合成対象フィンガ選択周期Tを短く設定し、ST1310に移行する。
【0134】
ST1309では、ST1302において、ハンドオーバではないと判定されたので、Swfをオフにし、Mを1に設定し、ST1310に移行する。
【0135】
ST1310では、Swrをオンにし、実施の形態1のRAKE合成方法(RAKE合成アルゴリズム)を適用する。
【0136】
ST1311では、SSDT制御を行っているか否かを判定し、SSDT制御を行っていれば、ST1312に移行し、SSDT制御を行っていなければ、パラメータ設定動作を終了する。
【0137】
ST1312では、Swrをオフにし、優先割り当てセル情報(Inff)にプライマリセルを指定する情報を含める。プライマリセルを指定する情報が含まれていなかった場合には、プライマリセルを指定する情報を含める入れ替え処理を行う。また、RAKE合成対象フィンガ選択周期TをSSDT制御単位とする。以上で、パラメータ設定動作を終了する。
【0138】
以下に、フィンガ割り当て及びRAKE合成に用いるパラメータを通信端末装置の受信環境に応じて変更することによる効果を記す。
【0139】
ST1303において、ある1セルの電界強度が他のセルの電界強度に比べ、一定以上強いと判断された場合(Yesと判断された場合)は、電界強度が一番強いセルから受信した信号のみで十分な受信性能を確保すると考えられ、電界強度が一番強いセルからのパスを集中的にフィンガに割り当てる。これは、他のセルからのパスをフィンガに割り当てても受信性能は大幅に向上せず、限られたフィンガ数を有効に活用することを考慮したからである。一方、電界強度の一番強いセルからのパスがシャドウイングなどで途切れた場合を考慮すると、他のセルのうち最低1セルのパスをフィンガに割り当てておきたい。これにより、ST1304において、優先割り当てセル数Mを2とし、優先割り当てセル情報(Inff)を電界強度の上位2セルとすることにより、瞬断の可能性を低減し、限られたフィンガの有効活用を図ることができる。
【0140】
また、ST1303において、ある1セルの電界強度が他のセルの電界強度に比べ、一定以上強いと判断されない場合(Noと判断された場合)は、さほど大差ない電界強度のセルが複数存在していることになる。この場合、1つのセルの複数パスを集中的にフィンガに割り当てても十分な受信性能を確保できない一方、シャドウイングによる無線回線の瞬断の可能性が高くなってしまう。このため、ST1305において、できるだけ多くのセルのパスをフィンガに割り当てるため、優先割り当てセル数Mをリンクセル数Nlcとし、優先割り当てセル情報(Inff)をリンク中の全セルとすることにより、シャドウイングによる無線回線の瞬断の可能性を低減することができる。
【0141】
ST1303において、Yes判断された場合は、上述したように受信性能に関して支配的であると考えられるセルからの信号がシャドウイングなどで途切れた場合を考慮して、他のセルのうち最低1セルのパスはフィンガに割り当てておいた方がよい。従って、優先割り当てセル数Mが1より大きく、かつ、オフセット量Fを大きくすることにより、他のセルのパスが割り当てられる可能性が高くなる分、無線回線の瞬断の可能性を少なくした受信を行うことができる。また、Noと判断された場合は、さほど大差ない電界強度のセルが複数存在していることになる。従って、オフセット量Fを大きくしなくても、複数のセルのパスがフィンガに割り当てられている可能性が高いと考えられ、この場合は、相関値の大きいパスを割り当てた方が受信性能はよくなると考えられる。従って、先の条件の場合にくらべ、オフセット量Fを小さくするのである。
【0142】
ST1306において、SHO通信中に、自装置が静止中であると判断された場合、フェージングによるパスの振幅/位相変動が大きくなる可能性は小さいと考えられる。このため、セル毎の復調を考えた場合、セル内で最大相関値を有する1つのパスだけがフィンガに割り当てられていても安定した受信を行うことができる。そこで、ST1307において、割り当て指定パス数Nを1とすることで、各セルにおいて相関値の大きさが2番目以降のパスの割り当てを避け、受信性能の向上及び消費電力の低減を図ることができる。また、受信性能の向上は、送信電力制御により周波数あたりの通信端末装置の収容能力を高めることにつながる。また、ST1306において、静止中でないと判断された場合、フェージングによるパスの振幅/位相変動が大きくなる可能性は大きいので、できるだけ多くのセル及びパスを割り当てることを考え、ST1308において、割り当て指定パス数Nを2とする。これにより、無線回線の瞬断の可能性を低減することができる。
【0143】
さらに、ST1306において、自装置が静止中であると判断された場合、フェージングによるパスの振幅/位相変動が大きくなる可能性は小さいので、ST1307において、RAKE合成対象フィンガ選択周期Tを長くし制御周期を長くしても、受信レベルの変動に追従することができる。そして、これにより、受信レベルの測定頻度は低くなるので処理量が減少し、消費電力の低減を図ることができる。一方、ST1306において、自装置が静止中ではない(移動中)と判断された場合、フェージングによるパスの振幅/位相変動は大きいと予想されるので、ST1308において、RAKE合成対象フィンガ選択周期Tを短くして、変動に追従するようにすることで、受信性能の向上を図ることができる。
【0144】
フィンガ割当てアルゴリズムは、SHOを行う場合、複雑な制御を必要とする実施の形態3のフィンガ割当てアルゴリズムを採用するのに対し、SHOを行わない場合、複雑な制御を必要としない従来通りのアルゴリズムを採用し、1セルからのパスの相関値を大小判定することによって、フィンガに割り当てるか否かを判定する(ST1309に相当)。これにより、実施の形態3のフィンガ割り当てアルゴリズムと従来のフィンガ割り当てアルゴリズムを共用し、SHOを行わない場合は、従来の単純なアルゴリズムを採用することにより、実施の形態3のフィンガ割り当てアルゴリズムを用いた場合に比べ、処理量の削減及び消費電力の削減を図ることができる。
【0145】
ST1311において、SSDT制御を行っていると判断された場合には、ST1312において、優先割り当てセル情報(Inff)にプライマリセルを必ず含むように制御する。これにより、プライマリセルのパスがフィンガに割り当てられやすくなり、個別物理チャネルを復号することができる可能性が高くなる。
【0146】
ST1312において、SSDT制御中には、プライマリセルからのみ個別物理チャネルが送信されているので、プライマリセルのパスの相関値が低かった場合、RAKE合成されないことを避けるためSwrをオフにする。SSDT制御を行わない場合は、短い周期で受信レベルを測定し、受信レベルの大きいパスをレイク合成に使用することで、受信性能の向上を図っている。
【0147】
また、SSDT制御時には、ST1312において、RAKE合成対象フィンガ選択周期TをSSDT制御単位と一致させることにより、回路規模を削減することができる。これは、実施の形態3の図4で示した、受信レベル第1測定部401と受信レベル第2測定部402の測定周期を一致させることを可能とし、それぞれ別々な制御で測定していたものを、フィンガ毎の受信レベル測定結果をセル毎の受信レベル測定に使用することにより、セル毎の受信レベル測定を行う受信レベル第1測定部401を削減することができるからである。
【0148】
このように本発明の実施の形態によれば、フィンガ割り当て及びRAKE合成に用いるパラメータを受信環境に応じて変更することにより、無線回線の瞬断の可能性を低減し、受信性能の向上及び消費電力の削減を図ることができる。
【0149】
(実施の形態5)
本実施の形態では、上述したフィンガ割り当て方法及びRAKE合成方法を基地局装置に適用し、かつ、フィンガ割り当て及びRAKE合成に用いるパラメータを受信環境に応じて変更する場合について説明する。
【0150】
図14は、SHO通信中の上り受信の概念図を示したものである。この図において、通信端末装置は、2セクタ3セルと同時にリンクしている。すなわち、通信端末装置は、セクタ#Aのセル#A及びセル#D、セクタ#Bのセル#B、セクタ#Cのセル#Cとリンクしている。また、通信端末装置からの上り信号は、建物や山による反射により遅延波が生じ、各々減衰しながら各セルのアンテナで受信される。図14では、パスの経路(パス#A#1〜パス#E#1)を概念的に点線で示した。セクタ#Aのセル#A〜セル#Dに着目し、セル毎に受信した信号の遅延プロファイルを図右上に示す。4つの遅延プロファイルは、セル毎に受信した最大パスを遅延プロファイル窓の中心にしたものである。また、パス#A#1〜パス#D#1の相関値を示した。
【0151】
図15は、本発明の実施の形態5に係る基地局受信装置の構成を示すブロック図である。この図において、受信環境監視部1501は、リンク中の通信端末装置における受信環境を監視し、監視した受信環境を制御部1502に通知する。受信環境には、同一無線基地局内(同一セル内)のセル毎に存在する通信端末装置から送信された信号の受信レベルや、通信端末装置の静止状態又は移動状態などを含む。これらの受信環境は、基地局装置内で行われる測定によって知ることができたり、通信端末装置から送信される情報に含まれていたりする。
【0152】
制御部1502は、受信環境監視部1501から通知された受信環境に応じてパラメータを変更し、遅延プロファイル生成部1503、パス及びフィンガ管理部1504、RAKE合成部1506を制御する。具体的には、制御部1502は、実施の形態1から実施の形態3のフィンガ割り当て方法(フィンガ割り当てアルゴリズム)のいずれかを適用するか否かを選択し、適用する場合には、フィンガ割り当てアルゴリズムのスイッチフラグ(Swf)をオンにし、適用しない場合には、Swfをオフにする。また、各セルにおけるパスの相関値が大きい順に上位いくつまでのパスにオフセットを付加するかを示す割り当て指定パス数Nを指定する。なお、Nの指定はSwfがオンのときにのみ行われる。また、制御部1502は、オフセット生成部に対してどれだけのオフセット量を生成させるかを制御する。なお、オフセット量の制御はSwfがオン、Nが0以外のときにのみ行われる。
【0153】
遅延プロファイル生成部1503は、セル毎のアンテナで受信した信号と制御部1502から通知された拡散コードとで相関をとり、遅延プロファイルを生成し、生成した遅延プロファイルをパス及びフィンガ管理部1504に出力する。
【0154】
パス及びフィンガ管理部1504は、制御部1502から指示されたパラメータに従って、フィンガの割り当てを行う。フィンガ割り当て結果は、逆拡散部1505及びRAKE合成部1506に出力される。
【0155】
逆拡散部1505は、パス及びフィンガ管理部1504から出力されたフィンガ割り当て結果、すなわち、逆拡散タイミングに従って、受信信号を逆拡散し、逆拡散結果をRAKE合成部1506に出力する。
【0156】
RAKE合成部1506は、制御部1502からの制御に従って、逆拡散部1505の各フィンガから出力された逆拡散結果をRAKE合成し、合成結果を図示しない復号部又は上位局に出力する。
【0157】
次に、上記構成を有する基地局受信装置のパラメータ設定動作について説明する。図16は、本発明の実施の形態5に係る基地局受信装置のパラメータ設定動作を示すフロー図である。この図において、ST1601では、制御部において、Swfをオンにし、実施の形態1から実施の形態3に示したいずれかのフィンガ割り当て方法(フィンガ割り当てアルゴリズム)を適用する。
【0158】
ST1602では、リンクセル数Nlcが1を越えるか否かを判定し、SHOを行っているかを判定する。すなわち、リンク中のセル数Nlcが1を越えていればSHOを行っており、ST1603に移行し、リンク中のセル数Nlcが1であればSHOを行っておらず、ST1609に移行する。
【0159】
ST1603では、1セルのみ他のセルに比べて一定以上の受信強度を有するか否かを比較判定する。一定以上の受信強度を有する場合は、ST1604に移行し、一定以上の受信強度を有さない場合は、ST1605に移行する。
【0160】
ST1604では、オフセット量Fを大きく設定し、ST1605では、オフセット量Fを小さく設定する。ST1606では、自装置が静止中か否かを判定し、静止中であればST1607に移行し、静止中でなければST1608に移行する。ST1607では、割り当て指定パス数Nを1に設定し、ST1608では、割り当て指定パス数Nを2に設定し、それぞれパラメータ設定動作を終了する。
【0161】
ST1609では、ST1602において、SHO通信中ではないと判断されたことにより、Swfをオフにし、Mを1に設定し、パラメータ設定動作を終了する。
【0162】
以下に、フィンガ割り当て及びRAKE合成に用いるパラメータを通信端末装置の受信環境に応じて変更することによる効果を記す。
【0163】
ST1603において、ある1セルでの受信強度が他のセルでの受信強度に比べ、一定以上強いと判断された場合は、受信強度が一番強い1つのセルでの信号が受信性能に関して支配的であると考えられるが、そのセルでの受信信号がシャドウイングなどで途切れた場合を考慮して、他のセルのうち最低1セルのパスはフィンガに割り当てておいた方がよい。従って、優先割り当てセル数Mが1より大きく、他のセルのパスが割り当てられる可能性が高くなる分、無線回線の瞬断の可能性を少なくした受信を行うことができる。また、ある1セルでの受信強度が他のセルでの受信強度に比べ、一定以上強いと判断されない場合は、さほど大差ない受信強度のセルが複数存在していることになる。従って、オフセット量Fを大きくしなくても、複数のセルのパスがフィンガに割り当てられている可能性が高いと考えられ、この場合は、相関値の大きいパスを割り当てた方が受信性能はよくなると考えられる。従って、先の条件の場合にくらべ、オフセット量Fを小さくする。
【0164】
ST1606において、受信対象の通信端末装置が静止中であると判断された場合、フェージングによるパスの振幅/位相変動が大きくなる可能性は小さいと考えられる。このため、セル毎の復調を考えた場合、セル内で最大相関値を有する1つのパスだけがフィンガに割り当てられていても安定した受信を行うことができる。そこで、ST1607において、割り当て指定パス数Nを1とすることで、各セルにおいて相関値の大きさが2番目以降のパスの割り当てを避け、受信性能の向上及び消費電力の低減を図ることができる。また、受信性能の向上は、送信電力制御により周波数あたりの通信端末装置の収容能力を高めることにつながる。また、ST1606において、静止中でないと判断された場合、フェージングによるパスの振幅/位相変動が大きくなる可能性は大きいので、できるだけ多くのセル及びパスを割り当てることを考え、ST1608において、割り当て指定パス数Nを2とする。これにより、無線回線の瞬断の可能性を低減することができる。
【0165】
フィンガ割当てアルゴリズムは、SHOを行う場合、複雑な制御を必要とする本発明のフィンガ割当てアルゴリズムを採用するのに対し、ハンドオーバを行わない場合、複雑な制御を必要としない従来通りのアルゴリズムを採用し、1セルでのパスの相関値を大小判定することによって、フィンガに割り当てるか否かを判定する(ST1609に相当)。これにより、本発明のフィンガ割り当てアルゴリズムと従来のフィンガ割り当てアルゴリズムを共用し、SHOを行わない場合は、従来の単純なアルゴリズムを採用することにより、本発明のフィンガ割り当てアルゴリズムを用いた場合に比べ、処理量の削減及び消費電力の削減を図ることができる。
【0166】
このように本発明の実施の形態によれば、実施の形態3のフィンガ割り当て方法を基地局装置に適用し、フィンガ割り当てに用いるパラメータを通信端末装置の受信環境に応じて変更することにより、無線回線の瞬断の可能性を低減し、受信性能の向上及び消費電力の削減を図ることができる。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、SHO通信中に、リンクしているセルのうち異なる2つ以上のセルからのパスを必ずフィンガに割り当てるようにすることにより、通信端末装置が建物の影などに入るシャドウイング等の影響で、急にパスが失われた場合でも、無線回線が瞬断する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るCDMA受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係るフィンガ管理部の内部構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1におけるフィンガ割り当ての様子を説明するための図
【図4】本発明の実施の形態1に係るRAKE合成部の内部構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態1に係るRAKE合成部の合成タイミング図
【図6】本発明の実施の形態1に係るRAKE合成部の合成タイミング図
【図7】本発明の実施の形態2に係るフィンガ管理部の内部構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2におけるフィンガ割り当ての様子を説明するための図
【図9】本発明の実施の形態3に係るフィンガ管理部の内部構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態3におけるフィンガ割り当ての様子を説明するための図
【図11】本発明の実施の形態4に係るCDMA受信装置の構成を示すブロック図
【図12】本発明の実施の形態4に係るフィンガ管理部の内部構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態4に係るCDMA受信装置のパラメータ設定動作を示すフロー図
【図14】SHO通信中の上り受信の様子を示す概念図
【図15】本発明の実施の形態5に係る基地局受信装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態5に係る基地局受信装置のパラメータ設定動作を示すフロー図
【図17】SHO通信中の下り受信の様子を示す概念図
【図18】従来におけるフィンガ割り当ての様子を説明するための図
【図19】従来におけるSSDT制御適用時のRAKE合成部の合成タイミング図
【符号の説明】
101、1102 制御部
102、1503 遅延プロファイル生成部
103 パス検出部
104、700、900、1103 フィンガ管理部
105、1505 逆拡散部
106、1506 RAKE合成部
201 パス数指定部
202 フィンガ第1割り当て部
203 フィンガ第2割り当て部
401 受信レベル第1測定部
402 受信レベル第2測定部
403 プライマリセル選択部
404 RAKE合成パス選択部
405 重み付け係数決定部
406 シンボル位相調整部
407 重み付け処理部
408 合成部
701、901 セル数指定部
902 オフセット生成部
903 フィンガ割り当て部
1101、1501 受信環境監視部
1504 パス及びフィンガ管理部

Claims (15)

  1. 通信端末装置が複数のセルと通信中に、前記複数のセルから送信された信号に基づいて各セル毎の遅延プロファイルを生成し、生成した遅延プロファイルを基に、2以上の異なるセルから必ずパスを選択するようにし、選択したパスをフィンガに割り当てることを特徴とするフィンガ割り当て方法。
  2. 逆拡散後の各フィンガの受信レベルを測定し、同一セルから送信された複数のパスのうち逆拡散後の受信レベルが最大受信レベルに対して所定値以下となるパスをRAKE合成の対象から外すことを特徴とするRAKE合成方法。
  3. 通信中の複数のセルから送信された信号と既知信号との相関演算を行い、各セル毎の遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成手段と、
    各遅延プロファイルに基づいてパスを検出するパス検出手段と、
    前記遅延プロファイル生成手段において生成された遅延プロファイルを基に、2以上の異なるセルから必ずパスを選択するようにし、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ管理手段と、
    前記フィンガ管理手段がフィンガに割り当てたタイミングで受信信号を逆拡散する逆拡散手段と、
    を具備することを特徴とするCDMA受信装置。
  4. 前記フィンガ管理手段は、
    リンク中の各セル毎の遅延プロファイルそれぞれから、相関値の上位いくつまでのパスを選択するかを指定するパス数指定手段と、
    前記パス検出手段で検出されたパスのなかから相関値の大きいパスから順に前記パス数指定手段から指定されたパス数分それぞれの遅延プロファイルから選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ第1割り当て手段と、
    前記フィンガ第1割り当て手段において割り当てられたパス以外で相関値の大きいパスから順に残りのフィンガに割り当てるフィンガ第2割り当て手段と、
    を具備することを特徴とする請求項3に記載のCDMA受信装置。
  5. 前記フィンガ管理手段は、
    リンク中のセルのうち必ずパスを割り当てるセルの数を指定するセル数指定手段と、
    前記セル数指定手段において指定された各セル毎の遅延プロファイルそれぞれから、相関値の上位いくつまでのパスを選択するかを指定するパス数指定手段と、
    前記パス検出手段において検出されたパスから、前記セル数指定手段において指定されたセル数と前記パス数指定手段において指定されたパス数とに基づいてパスを選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ第1割り当て手段と、
    前記フィンガ第1割り当て手段において割り当てられたパス以外で相関値の大きいパスから順に残りのフィンガに割り当てるフィンガ第2割り当て手段と、
    を具備することを特徴とする請求項3に記載のCDMA受信装置。
  6. 前記フィンガ管理手段は、
    リンク中のセルのうち優先的にパスを割り当てるセルの数を指定するセル数指定手段と、
    前記セル数指定手段において指定された各セル毎の遅延プロファイルそれぞれから、相関値の上位いくつまでのパスを選択するかを指定するパス数指定手段と、
    前記セル数指定手段で指定されたセル数と前記パス数指定手段で指定されたパス数とに基づいて、前記パス検出手段で検出されたパスの相関値をオフセットさせるためのオフセット量を生成するオフセット生成手段と、
    前記パス検出手段で検出されたパスのうち、前記オフセット量を付加した相関値を含めて相関値の大きいパスから順に選択し、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ割り当て手段と、
    を具備することを特徴とする請求項3に記載のCDMA受信装置。
  7. SSDT制御適用時に前記セル数指定手段において指定されたセル数に基づいて選択されるパスは、個別物理チャネルを送信するプライマリセルからのパスであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のCDMA受信装置。
  8. 前記セル数指定手段において指定されたセル数に基づいて選択されるパスは、共有制御物理チャネル用セルからのパスであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のCDMA受信装置。
  9. 通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段と、
    セル毎に選択されるパス数を前記受信環境に応じて指定するため前記パス数指定手段を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のCDMA受信装置。
  10. 通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段と、
    リンク中のセルのうちパスを割り当てるセル数を前記受信環境に応じて指定するため前記セル数指定手段を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のCDMA受信装置。
  11. 通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段と、
    前記受信環境に応じたオフセット量を生成するため前記オフセット生成手段を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とする請求項6に記載のCDMA受信装置。
  12. フィンガを割り当てる周期に対して短い周期で逆拡散後の各フィンガの受信レベルを測定する受信レベル測定手段と、
    前記逆拡散後の受信レベルに基づいて、前記受信レベル測定手段の測定周期毎にRAKE合成の対象とするパスを選択するRAKE合成パス選択手段と、
    前記RAKE合成パス選択手段の選択結果に応じて逆拡散後の各フィンガ出力に重み付けを行う重み付け係数を決定する重み付け係数決定手段と、
    前記重み付け係数を逆拡散後の各フィンガ出力に乗算し、乗算結果を合成するRAKE合成手段と、
    を具備することを特徴とするCDMA受信装置。
  13. 通信端末装置の受信環境を監視する受信環境監視手段を具備し、
    前記RAKE合成パス選択手段は、前記受信環境に応じてRAKE合成の対象とするパスの選択を行うか否かを切り替える
    ことを特徴とする請求項12に記載のCDMA受信装置。
  14. 前記受信レベル測定手段は、通信端末装置の受信環境に応じて受信レベルの測定周期を変更し、
    前記RAKE合成パス選択手段は、前記受信レベル測定手段の測定周期に従ってRAKE合成の対象とするパスを選択する
    ことを特徴とする請求項12に記載のCDMA受信装置。
  15. 通信中の通信端末装置から送信された信号と既知信号との相関演算を行い、受信した各セル毎の遅延プロファイルを生成する遅延プロファイル生成手段と、
    各遅延プロファイルに基づいてパスを検出するパス検出手段と、
    前記遅延プロファイル生成手段において生成された遅延プロファイルを基に、2以上の異なるセルから必ずパスを選択するようにし、選択したパスをフィンガに割り当てるフィンガ管理手段と、
    前記フィンガ管理手段がフィンガに割り当てたタイミングで受信信号を逆拡散する逆拡散手段と、
    を具備することを特徴とする基地局装置。
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JP2014138316A (ja) * 2013-01-17 2014-07-28 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光伝送システムおよび光伝送方法

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