JP3814193B2 - 無線基地局装置及び送信方法 - Google Patents

無線基地局装置及び送信方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線基地局装置及び送信方法に関し、特にCDMA(Code Division Multiple Access)方式を用いて無線通信を行う場合に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の無線基地局装置として、通信品質の良し悪しに応じて適応的に1次変調の変調方式を切り換えることにより、通信品質を劣化させずに適応的に通信容量を増大させることができる無線基地局装置がある。
【0003】
例えば、無線基地局(BS)から通信端末(MS)への下り回線の通信において通信品質の良い通信端末に対しては1次変調としてQAM変調等を施すことにより伝送容量を大きくし、通信品質の悪い通信端末に対しては1次変調としてQPSK変調等を施すことにより通信品質を確保する。この際、通信品質を測定する指標としては一般的にSIRが用いられている。
【0004】
またCDMAの無線通信システムでは、無線基地局が通信端末に短時間で多量のデータをダウンロードするために、各ユーザに対してDSCH(Downlink Shared CHannel)等のチャネルを用いて下り高速パケット伝送を行う方式が提案されている。
【0005】
以下、この方式について図11を用いて説明する。図11は、従来の無線通信システムの構成を示す図である。図11において、基地局装置1は、現在、通信端末2〜4と個別通信チャネル(DPCH)を用いて双方向の無線通信を行っているものとする。
【0006】
この場合において、各通信端末2〜4は、基地局装置1に対して下り回線の回線品質を示す情報を送信する。なお、回線品質を示す情報としてSIR等が挙げられる。基地局装置1は、回線品質等を考慮して選択した通信端末(例えば、通信端末2)に対してDSCHを用いてパケット信号を送信する。高速パケット伝送は、電力が大きく、他局にとって干渉となるため、従来は、時分割して各時刻において1局に対してのみパケット信号を送信している。
【0007】
またCDMAの無線通信システムでは、干渉を低減することを目的としてアダプティブアレイを用いることが提案されている。アダプティブアレイは、基地局装置に複数のアンテナ素子で構成されるアレーアンテナを設け、送信信号に複素係数(以下、この複素係数を「ウェイト」という。)を乗算して送信することにより、指向性送信を行う方式である。アダプティブアレイを用いる場合、干渉が低減されるので、お互いに干渉が少ない複数ユーザに対し同時に下り高速パケット伝送を行うことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このようにアダプティブアレイを用いたCDMA無線通信システムでは、アダプティブアレイで得られる適応的指向性による干渉の抑制効果と、CDMAによって得られる直交拡散符号による信号間干渉の抑制効果により、下り回線において高品質及び大容量の送信を行うことができるようになっている。
【0009】
しかし、当然ながら直交性のある拡散コード数は有限である。この結果、互いに指向性領域の重なり合っている中に存在する複数の通信端末に同時に送信する場合には、送信できる通信端末の数は互いに直交性のある拡散コード数に限定される。
【0010】
具体的に、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式を例にとって説明する。W-CDMAでは、下りの送信信号は同一セクタ内においては、スクランブリングコードと呼ばれる同一のロングコードを用いていると共に、互いに直交性のあるチャネリゼーションコードと呼ばれる異なるショートコードを各通信端末に割り当てることにより、同一セクタ内の通信端末間での直交性を保った状態で送信している。
【0011】
しかしながら、拡散率を考えた場合、上述したようにショートコードの数には限界があるので、同時に送信できる通信端末数もショートコード数以上にはできない。そこで同一セクタ内でセコンダリースクランブリングコードと呼ばれる別のロングコードを用意して、同一セクタ内で送信可能な通信端末数を増やす方法が考えられている。ところが、セコンダリースクランブリングコードを用いるとセクタ内の直交性が崩れてしまうため、干渉が大きくなってしまう。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、通信品質を劣化させずに、数に限りがある拡散コードを有効に利用した通信を行うことができる無線基地局装置及び送信方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明の無線基地局装置は、到来するスペクトル拡散信号を複数の指向性をもって受信することにより複数の指向性受信信号を形成する指向性受信手段と、複数の指向性受信信号に対してそれぞれ通信端末に対応する拡散符号を用いて逆拡散処理を施すことにより各通信端末について指向性受信信号毎の遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成手段と、各通信端末について指向性方向毎の遅延プロファイルのピークを検出するピーク検出手段と、通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末の組み合わせを選定する通信端末選定手段と、通信端末選定手段により選定された同じ組の通信端末の送信データに対して同一の拡散符号を用いた拡散処理を施す拡散処理手段と、拡散処理後の送信データを受信時と同じ指向性をもたせて送信対象の通信端末に同時送信する指向性送信手段とを具備する構成を採る。
【0014】
この構成によれば、例えば同じ指向性方向から第1の通信端末の信号と第2の通信端末の信号が到来すると、第1及び第2の通信端末の遅延プロファイルにおいて同じ指向性方向に所定値以上のピークが現れる。この結果、通信端末選定手段においてこの第1及び第2の通信端末は同じ組とは選定されず、続く拡散処理手段では、第1及び第2の通信端末の送信データには同一の拡散符号は用いない。
【0015】
一方、例えば異なる指向性方向から第1の通信端末の信号と第2の通信端末の信号が到来すると、第1及び第2の通信端末の遅延プロファイルにおいて同じ指向性方向には所定値以上のピークは現れない。この結果、通信端末選定手段においてこの第1及び第2の通信端末は同じ組であると選定され、続く拡散処理手段では、第1及び第2の通信端末の送信データは同一の拡散符号が用いられて拡散処理される。同一の拡散符号により拡散処理された送信データは指向性送信手段により同時に指向性送信される。このとき同一の拡散符号が用いられた送信データは同じ指向性範囲内にはないので、符号間干渉は生じず、同一セクタ内でのセクタ内直交化は保たれる。
【0016】
かくして、異なる指向性方向から受信波が到来した通信端末には同じ拡散符号を用いるようにした分だけ、数に限りがある拡散符号を有効利用できる。また遅延プロファイルには、各通信端末からの信号が主波のみならず遅延波までもが明確に現れる。本発明では、各通信端末についての指向性方向毎の遅延プロファイルに基づいて各通信端末に用いるべき拡散符号の組み合わせを決めているので、送信時に符号間干渉が生じないような拡散符号の選定を的確に行うことができる。
【0017】
また本発明の無線基地局装置は、通信端末選定手段は、ある通信端末について、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合に、その通信端末を選定対象から除外する構成を採る。
【0018】
この構成によれば、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れるということは、その通信端末との通信においてはパスが一方向に存在するのではなく広い範囲に亘って存在していると考えられる。このような場合にはこの通信端末に他の通信端末と同一の拡散符号を割り当てると、それらは干渉を起こす可能性が高いので、その通信端末を同一拡散符号を割り当てる選定対象から除外する。この結果、同一拡散符号を割り当てた通信端末におけるマルチパス間での干渉による信号劣化を未然に防止できる。
【0019】
また本発明の無線基地局装置は、通信端末選定手段は、ある通信端末について、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合には、その通信端末は全ての指向性方向にピークが現れたものと想定して、通信端末の選定処理を行う構成を採る。
【0020】
この構成によれば、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れるということは、その通信端末との通信においてはパスが一方向に存在するのではなく広い範囲に亘って存在していると考えられる。このような場合には全ての指向性方向にピークが現れたものと想定する。従って、この通信端末には他の通信端末と同じ拡散符号は用いられず、他の通信端末の拡散符号とは直交関係にある拡散符号が用いられる。この結果、マルチパスが広い範囲に存在する通信端末とその他の通信端末間での干渉に起因する信号劣化を未然に防止できる。
【0021】
また本発明の無線基地局装置は、通信端末選定手段は、ある通信端末について、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合には、その通信端末はピークが現れた指向性方向に挟まれた指向性方向にもピークが現れたと想定して通信端末の選定処理を行う構成を採る。
【0022】
この構成によれば、このようなピークが現れるということはマルチパスがある指向性方向を挟んだ両側の指向性方向に現れていることを意味するので、例えば通信端末が少しでも移動した場合には、その間の指向性範囲にもパスが生じる可能性が高い。これを考慮して、ピークが現れた指向性方向の間の指向性方向にもピークが存在すると想定すれば、その指向性方向にピークが存在する他の通信端末の間で同一の拡散符号は用いられないので、マルチパスの変動による他の通信端末間での干渉による信号劣化を未然に防止できる。
【0023】
また本発明の無線基地局装置は、ピーク検出手段により検出されたピークを所定期間分だけ記憶するピーク記憶手段を具備し、通信端末選定手段は、当該ピーク記憶手段に記憶されたピーク履歴を考慮して通信端末を選定する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、ピーク検出手段により検出されるピークの位置は、通信端末が移動することによりマルチパスの到来方向が変化した際に急激に変化する場合や、瞬間的にある指向性方向に現れる場合がある。そこでこの発明では、所定期間でのピークの履歴を考慮することにより、例えば急激に到来方向の異なる方向にピークが検出されるような通信端末を除いて同一拡散符号を用いる通信端末を選定する。この結果、急激に到来方向が異なり、新たな到来方向にピークが検出される可能性のある通信端末からの影響を受けずに済む。かくして、同一拡散符号を用いても問題のない通信端末を一段と的確に選定できるようになる。
【0025】
また上り回線と下り回線で異なる周波数を用いた通信(FDD(Frequency Division Duplexing)方式)を考えた場合、上り回線の遅延プロファイルと下り回線の遅延プロファイルでは周波数選択性フェージングにより瞬時瞬時では異なるものとなる。しかし、ある期間内での遅延プロファイルを比較すると大体同じものとなる。本発明では、これを考慮してある期間内でのピーク履歴を基に同一拡散符号を用いる通信端末を選定するようにする。この結果、FDD方式の通信でも、下り回線で信号を劣化させずに、拡散符号を有効利用できるようになる。
【0026】
また本発明の無線基地局装置は、ピーク検出手段の検出結果を所定期間分だけ累積するピーク累積手段を具備し、通信端末選定手段は、ピーク累積結果において通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末を選定する構成を採る。
【0027】
この構成によれば、FDD方式の通信を考えた場合、上り回線の遅延プロファイルと下り回線の遅延プロファイルでは周波数選択性フェージングにより瞬時瞬時ではピーク値の大きさが異なるものとなる。そこで本発明では、ある期間内での遅延プロファイルのピーク値を累積する。この結果、瞬時変動の影響が減少した累積値を得ることができる。実際上、周波数は異なっても、上り回線と下り回線とで各パスの経路は同じなので、上り回線のピーク値を累積した値が所定値よりも大きければ、下り回線でもその方向にピークが生じるであろうと推定できる。かくして、周波数選択性フェージングにより実際にはパスが存在するのに瞬間的にピークが小さくなっている場合でも、そのパスを逃さずに同一の拡散符号を用いる通信端末を選定できる。この結果、FDD方式の通信でも、下り回線の信号を劣化させずに、拡散符号を有効利用できるようになる。
また逆に、このように上り回線の瞬時変動に追従するのではなく、過去の記録も用いることにより、現在は上り回線で現れていないが、下り回線で現れている可能性のあるパスを生み出す可能性を削減できる。
【0028】
またピーク検出手段により検出されるピークの位置は、通信端末が移動することによりマルチパスの到来方向が変化した際に急激に変化する場合や、瞬間的にある指向性方向に現れる場合がある。そこでこの発明では、所定期間でピークを累積する。この結果、例えば特異なピークは累積値が小さくなるので、ピークが現れたとは見なされなくなる。従って、特異なピークは除外して同一拡散符号を用いる通信端末を選定できる。この結果、実際上、同一拡散符号を用いても問題のない通信端末を一段と的確に選定できるようになる。
【0029】
また本発明の無線基地局装置は、各通信端末からの受信信号のフェージング変動を検出するフェージング検出手段を具備し、検出したフェージング変動に応じて累積手段の累積期間を選定する構成を採る。
【0030】
この構成によれば、フェージング変動が長い時間に亘って起こっている場合(例えば通信端末がゆっくりと移動している場合)には累積期間を長く選定し、フェージング変動が短い時間内で起こっている場合(例えば通信端末が速い速度で移動している場合)には累積期間を短く選定することにより、ピークの累積期間を通信端末毎に最適に選定することができる。
【0031】
また本発明の無線基地局装置は、拡散処理手段は、通信端末選定手段により選定された通信端末同士の送信データに対しては同一の拡散符号を用いた拡散処理を施すと共に、同一の通信端末の並列送信データに対しては互いに直交関係にある拡散符号を用いて各並列送信データを拡散処理する構成を採る。
【0032】
この構成によれば、例えば第1の通信端末の遅延プロファイルと第2の通信端末の遅延プロファイルについて同じ指向性方向に所定値以上のピークが現れなかった場合には、第1の通信端末に並列送信するパケットデータに対して拡散符号PN1,PN2,PN3,……を用いた場合、第2の通信端末に並列送信するパケットデータに対しても同一の拡散符号PN1,PN2,PN3,……を用いる。この結果、拡散符号を有効利用して下り回線で高速パケット伝送ができる。
【0033】
また本発明の無線基地局装置は、通信端末への送信優先度を取得する優先度取得手段を具備し、指向性送信手段は、当該送信優先度に応じた順番で順次送信データを送信する構成を採る。
【0034】
この構成によれば、送信環境やサービス内容に応じて送信する順番が適宜決められるので、送信環境やサービス内容に対応した最適な送信スケジュールの基で、拡散符号を有効利用したデータ送信ができるようになる。
【0035】
また本発明の無線基地局装置は、優先度取得手段は、希望波電力と干渉波電力との比を表すSIR、通信端末に対して接続している個別チャネルの基地局からの送信電力、通信端末からの送信電力制御情報、ネットワークが保持しているユーザサービス情報、基地局におけるランダム選択情報、通信端末からの非常時信号又はそれらの組み合わせを送信優先度として取得する構成を採る。
【0036】
この構成によれば、受信時にSIRが高い通信端末を優先して送信すれば通信劣化の少ない高品質の送信を行うことができ、ユーザサービス情報に基づいて優先度を選定すればネットワークサイドからみて利便性の良い送信を行うことができ、非常時信号を発信した通信端末を優先して送信すれば安全上重大なデータを後回しにして送信するといった不合理がなくなる。
【0037】
また本発明の送信方法は、到来するスペクトル拡散信号を複数の指向性をもって受信することにより複数の指向性受信信号を形成し、複数の指向性受信信号に対してそれぞれ通信端末に対応する拡散符号を用いて逆拡散処理を施すことにより各通信端末について指向性受信信号毎に遅延プロファイルを作成し、各通信端末について指向性方向毎の遅延プロファイルのピークを検出し、通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末を選定し、選定した通信端末の送信データに対して同一の拡散符号を用いた拡散処理を施し、拡散処理後の送信データを指向性をもたせて送信対象の通信端末に同時送信するようにする。
【0038】
この方法によれば、遅延プロファイルのピークを検出することでマルチパスの全てを含む受信波の到来方向を推定できる。そしてこれを基に同一の指向性方向からパスの到来しない通信端末について同一の拡散符号を用いて拡散処理した送信データを同時送信すれば、拡散符号を有効利用して大容量の送信データを劣化させずに送信することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、各通信端末について指向性受信信号毎に遅延プロファイルを作成し、各通信端末について指向性方向毎の遅延プロファイルのピークを検出し、通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末に対して同一の拡散符号を用いた拡散処理を施して同時送信することである。これにより、データを送信した際に現れるであろう全てのパスの方向を的確に推定して、同一の拡散符号を用いても干渉の生じない指向性方向の通信端末に同一拡散符号を用いた送信データを送信できるようになり、符号間干渉を生じさせずに、拡散符号を有効利用した大容量送信ができるようになる。
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
(実施の形態1)
図1において、10は全体として無線基地局装置を示す。無線基地局装置10は複数のアレイアンテナAN1〜AN4を有し、各アレイアンテナAN1〜AN4で受信した信号を送受信共用器11に入力する。送受信共用器11は受信信号と送信信号を切り分け、受信信号を無線受信部12に送出する。無線受信部12は受信信号に対してダウンコンバートやアナログディジタル変換等の処理を行った後、処理後の信号を通信端末分だけ設けられた受信信号処理回路13A,13B,……の逆拡散部14に送出すると共に指向性形成部15に送出する。
【0042】
以下、説明を簡単化するため、各通信端末分だけ設けられている複数の受信信号処理回路13A,13B,……のうち、一つの受信信号処理回路13Aのみについて説明する。
【0043】
指向性形成部15は、図2に示すような複数の指向性の下で複数の指向性受信信号を形成する。この実施の形態の場合、4つの指向性受信信号を形成するよになっている。またこの実施の形態の場合、120°で一つのセクタを構成するようにしているので、4つの指向性で120°の領域をカバーできるような指向性を形成している。実際上、指向性形成部15は4つのアレイアンテナAN1〜AN4からの受信信号に対して、それぞれ異なるウェイトを掛けてそれらを足し合わせて合成することで4つの指向性受信信号を形成する。
【0044】
そして図2の一点鎖線で示す指向性の下で得られた指向性受信信号が遅延プロファイル作成部16Aに、実線で示す指向性の下で得られた指向性受信信号が遅延プロファイル作成部16Bに、点線で示す指向性の下で得られた指向性受信信号が遅延プロファイル作成部16Cに、二点鎖線で示す指向性の下で得られた指向性受信信号が遅延プロファイル作成部16Dにそれぞれ送出される。
【0045】
このように遅延プロファイル作成部16A〜16Dは、通信端末毎に、指向性受信信号分だけ設けられており、指向性形成部15により得られた各指向性受信信号に対して遅延プロファイルを作成する。具体的には、各通信端末に対応した拡散符号列を少しずつ時間をずらしながら指向性受信信号に乗算して足し合わせ(すなわち逆拡散し)、各時点で得られる逆拡散結果の信号レベルを時間方向に展開することで遅延プロファイルを作成する。
【0046】
各遅延プロファイル作成部16A〜16Dにより作成される遅延プロファイルの一例を、図3〜図6に示す。図3〜図6は、図2の0°の方向から受信波が到来した場合の指向性方向毎の遅延プロファイルを示すものである。すなわち図3は、図2の一点鎖線で示す指向性方向での遅延プロファイルを示し、図4は実線で示す指向性方向での遅延プロファイルを示し、図5は点線で示す指向性方向での遅延プロファイルを示し、図6は二点差線で示す指向性方向での遅延プロファイルを示す。
【0047】
各遅延プロファイル作成部16A〜16Dによって作成された遅延プロファイルデータは、パスサーチ部17に送出される。パスサーチ部17は遅延プロファイル毎にピークを検出し、ピーク検出結果を逆拡散部14及び通信端末選定部18の到来情報収集部19に送出する。
【0048】
逆拡散部14はパスサーチ部17によって検出された遅延プロファイルのピークのタイミングで通信端末に対応する拡散符号を乗じることにより、拡散前の信号を復元する。そして復元後の信号をアダプティブアレイアンテナ(以下、これを場合によってAAAと略す)受信制御部20に送出する。
【0049】
アダプティブアレイアンテナ受信制御部20は、逆拡散後の受信信号を用いて所定のアルゴリズムを実行することにより、受信信号レベルが最大となるウエイトを求める。そして求めたウエイトを逆拡散後の受信信号に加えて合成することにより適応的指向性受信信号を得、これを復調部21に送出する。
【0050】
復調部21はRAKE合成器や復号器、SIR(Signal to Interference Ratio)測定器により構成され、入力した適応的指向性受信信号をRAKE合成した後、復号することにより復号データを得る。復調部21によって得られた復号データは無線基地局装置10の送信系に送られると共に優先度取得部22に送出される。
【0051】
優先度取得部22は各通信端末の復号データの中から、SIR値や非常時信号等を抽出し、これらの信号に基づいて通信端末の優先度を算出し、これを優先度情報としてスケジュール作成部23に送出する。また優先度取得部22には、図示しないネットワークコンピュータからのユーザサービス情報等が入力され、これをスケジュール作成部23に送出する。スケジュール作成部23は入力された優先度情報に基づいて各通信端末へのデータの送信順序を決める。
【0052】
因みに、SIR値の高い通信端末の優先度を高くすることにより、通信状態の良い通信端末から順次送信することができるので、通信品質を向上させることができる。またネットワークサイドからの情報としては、例えば通信端末ユーザの支払っている料金等がある。すなわちスケジュール作成部23では、高い料金を支払っているユーザほど優先度が高いものとする。
また、この他のスケジュール作成の方法として、通信端末に対して接続している個別チャネルの基地局からの送信電力を用いる方法、通信端末からの送信電力制御情報を用いる方法、基地局におけるランダムな選択情報、そして上記技術の組み合わせ等様々なものがあげられる。
【0053】
スケジュール作成部23により決められた送信順序データはデータ選択部24に送出される。データ選択部24には各通信端末から要求のあった各通信端末に対応する複数の送信データが入力されており、データ選択部24はこの複数のデータを、送信順序データよって指示された順序で続く送信信号処理回路25A,25B,……に送出する。
【0054】
かかる構成に加えて、無線基地局装置10は通信端末選定部18を有し、パスサーチ部17により得られたピーク検出結果を到来方向情報収集部19に入力する。到来方向情報収集部19はピーク検出結果に基づいて、各通信端末から発信された信号の到来方向の情報を収集する。
【0055】
到来方向情報収集部19は、各方向の遅延プロファイルにおいて、ある閾値以上のピークが存在したか否かに応じて、図7に示すようなマップを作成する。ここでMS(通信端末)の下の数字は通信端末の番号を表す。すなわち図7の例では、MS1〜MS9の9個の通信端末から信号を受信していることになる。具体的には、通信端末MS1については指向性方向#1(例えば図3に示す−45°方向)及び指向性方向#2(例えば図4に示す−15°方向)に対応する遅延プロファイルで閾値以上のピークが存在することを表し、通信端末MS2については指向性方向#2及び指向性方向#3(例えば図5に示す+15°方向)に対応する遅延プロファイルで閾値以上のピークが存在することを表す。
ここで、閾値の設定としては一般的にパスサーチにおいて用いられる方法で決定して問題無いが、一般的に決められた値からやや低め、もしくは高めにすることで、他の通信端末に対する影響度を変更することも可能である。
【0056】
到来方向情報収集部19はこのようにして収集した情報に基づいて同時通信が可能な通信端末の組み合わせを選定する。到来方向情報収集部19は、図7に示すマップに従い、同じ指向性方向にピークの現れなかった通信端末同士は同時に送信可能な通信端末であると判断する。これに対して同じ指向性方向にピークの現れた通信端末同士は同時に送信不可能な通信端末であると判断する。
【0057】
具体的に図7を用いて説明すると、例えば通信端末MS1と通信端末MS2はどちらも指向性方向#2においてピークが存在するので同時送信不可能な通信端末であると判断する。同様に通信端末MS7と通信端末MS8はどちらも指向性方向#1においてピークが存在するので同時送信不可能な通信端末であると判断する。
【0058】
これに対して、例えば通信端末MS1と通信端末MS3は同じ指向性方向にはピークが存在しないので同時送信可能な通信端末であると判断する。同様に通信端末MS5と通信端末MS6は同じ指向性方向にはピークが存在しないので同時送信可能な通信端末であると判断する。
【0059】
到来情報情報収集部19は上述したように同時通信が可能な通信端末の組み合わせを選定すると、この選定情報を拡散符号割当制御部26に送出する。拡散符号割当制御部26は同一の拡散符号を使って同時に送信可能な通信端末に対応する拡散部28に対してこのことを通知する。これにより対応する拡散部28は拡散符号割当制御部26から通知された通信端末には同一の拡散符号を使って送信データを拡散処理する。
【0060】
次に、無線基地局装置10の送信系について具体的に説明する。送信系は各通信端末に対応する送信データをデータ選択部24を介して送信信号処理回路25A,25B,……の変調部27に入力する。ここで送信信号処理回路25A,25B,……も上述した受信信号処理回路13A,13B,……と同様に通信端末数だけ設けられているが、説明を簡単化するために送信信号処理回路25Aのみに着目して説明する。変調部27は送信データに対して符号化処理を施すと共に1次変調としてQPSK変調処理等を施した後、処理後の信号を拡散部28に送出する。
【0061】
拡散部28は送信データに対して、拡散符号割当制御部26からの制御信号に応じて同一の拡散符号を用いて同時送信可能な通信端末に対応する送信データについては、同一の拡散符号による拡散処理を施す。また拡散部28は同一通信端末に対する送信データを複数のデータに分け、それぞれのデータに対して互いに直交関係にある拡散符号を使った拡散処理を施すようになっている。これにより無線基地局装置10においては、一つの通信端末に対してデータの並列伝送を行うことができるようになっている。
【0062】
すなわち無線基地局装置10においては、同時送信可能であると判断した通信端末において、各通信端末の送信データに対しては互いに直交する拡散符号を用いて並列伝送することで高速通信を可能としていると共に、各通信端末間では同じ拡散符号を用いることで数に限りのある拡散符号を有効利用している。
【0063】
AAA指向性制御部29は、上述したAAA受信制御部20から送出されるウエイトを用いて指向性送信信号を形成する。すなわちAAA受信制御部20により算出された最適ウエイトを用いて指向性送信信号を形成することにより、受信時と同じ指向性の送信信号を形成するようになっている。
【0064】
各通信端末に対応する送信信号処理回路25A,25B,……のAAA指向性制御部29から出力された各通信端末毎の指向性送信信号は、加算部30により加算された後、無線送信部31に送出される。無線送信部31は加算された指向性送信信号に対してディジタルアナログ変換処理やアップコンバート処理を施し、処理後の信号を送受信共用器11を介して各アレイアンテナAN1〜AN4に送出する。これにより受信時に得た各通信端末に対する最適の指向性で、各通信端末に対して指向性送信信号が発信される。
【0065】
以上の構成において、指向性形成部15によって形成した指向性方向#1〜#4のうち、ある通信端末同士で同じ指向性方向から信号が到来すると、それらの通信端末の同じ指向性方向の遅延プロファイルに所定値以上のピークが現れる。このとき通信端末選定部18は、それらの通信端末の送信データは同一拡散符号を用いて同時に送信するには適しないと判断する。
【0066】
このとき通信端末選定部18は、これらの通信端末は同一拡散符号を用いて同時に送信するには適しないことを表す制御信号を拡散部28に送出する。これにより拡散部28はそれらの通信端末間の送信データには互いに直交関係にある拡散符号を用いて拡散処理を行う。例えば通信端末MS1の並列送信パケットデータには互いに直交関係にある拡散符号PN1,PN2,PN3,……,PNnを用いると共に、通信端末MS2の並列送信パケットデータにはPN1,PN2,PN3,……,PNnと直交関係にあり、かつ互いに直交関係にある拡散符号をPN1’,PN2’,PN3’,……,PNn’を用いる。すなわち互いに直交関係にある拡散符号が(2×n)個必要になる。
【0067】
これに対して、指向性形成部15によって形成した指向性方向#1〜#4のうち、ある通信端末同士で同じ指向性方向から信号が到来しないと、それらの通信端末の同じ指向性方向の遅延プロファイルには所定値以上のピークは現れない。このような場合、通信端末選定部18は、それらの通信端末の送信データは同一拡散符号を用いて同時に送信してもよいと判断する。
【0068】
このとき拡散部28は、それらの通信端末間の送信データには同一の拡散符号を用いて拡散処理を行う。例えば通信端末MS1の並列送信パケットデータには互いに直交関係にある拡散符号PN1,PN2,PN3,……,PNnを用いると共に、通信端末MS2の並列送信パケットデータにもPN1,PN2,PN3,……,PNnを用いる。この結果、互いに直交関係にある拡散符号をn個だけ用いて、2つの通信端末に並列送信パケットデータを送信できるようになる。
【0069】
このような送信を行うと、同一の拡散符号が用いられた送信データは同じ指向性範囲内にはないので、符号間干渉は生じず、同一セクタ内でのセクタ内直交化は保たれる。
【0070】
ここで、さらに極端な例を挙げると、図7の全ての通信端末MS1〜MS9に同時に並列パケットデータ(並列数nとする)を送信する場合、この実施の形態で必要な直交拡散符号の数は(6×n)個でよい。これに対して従来の拡散符号の割り当て方法では、(9×n)個の直交拡散符号が必要となる。
【0071】
かくして、異なる指向性方向から受信波が到来した通信端末には同じ拡散符号を用いるようにした分だけ、数に限りがある拡散符号を有効利用できる。また遅延プロファイルには、各通信端末からの信号が主波のみならず遅延波までもが明確に現れる。遅延波はマルチパスにより主波とは異なる方向から到来する。実施の形態では、遅延プロファイルのピークに基づいて遅延波の到来方向も逃さずに各通信端末に用いるべき拡散符号の組み合わせを決めているので、送信時に符号間干渉が生じないような拡散符号の選定を的確に行うことができる。
【0072】
また実施の形態では、優先度取得部22を設け、復調されたSIR値や非常時信号、ネットワークサイドからのユーザサービス情報に基づいて送信データの送出順序を決定するので、信号品質の面、ユーザの利便性の面及びサービス面で最適なスケジュールの基でデータの送信を行うことができる。
【0073】
かくして以上の構成によれば、各方向についての遅延プロファイルを作成し、その遅延プロファイルのピークに基づいて各通信端末からのマルチパスを含めた受信信号の到来方向を推定し、到来方向が同じ指向性範囲内に存在しない通信端末同士は同一の拡散符号を使って受信時と同じ指向性方向に同時送信するようにしたことにより、符号間干渉による信号劣化を未然に防止して、拡散符号を有効利用した大容量通信を行うことのできる無線基地局装置10を実現できる。
【0074】
(実施の形態2)
この実施の形態では、通信端末選定部18における処理が異なることを除いて実施の形態1と同様の構成を有する。通信端末選定部18の到来方向情報収集部19は、パスサーチ部17から図8(a)に示すようなマルチパスの到来情報を入力すると、この到来情報を一旦、図8(b)又は図8(c)に示すような情報に変更してから同一拡散符号を用いる通信端末を選定するようになっている。
【0075】
先ず、到来情報を図8(b)に示すように変更する場合について考える。図(a)の通信端末MS4や通信端末MS7のように互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れるということは、その通信端末との通信においてはパスが一方向に存在するのではなく広い範囲に亘って存在していると考えられる。
【0076】
このような場合には伝送時の信号劣化の危険があるので、全ての指向性方向にピークが現れたものと到来情報を変更した方が安全である。つまり到来情報を図8(b)のように変更した後、実施の形態1で上述した同一拡散符号を用いる通信端末の選定処理を行う。これによりデータ品質の点で信頼性の高い送信を実現する。
【0077】
次に、到来情報を図8(c)に示すように変更する場合について考える。この場合には、全ての指向性方向にピークが現れたものとするのではなく、ピークが現れた指向性方向の間の指向性方向にもピークが存在するように到来情報を変更する。何故なら、通信端末が少しでも移動した場合には、その間の指向性範囲にもパスが生じる可能性が高いからである。この結果、図8(b)の例と比較して、拡散符号の有効利用といった点で若干優れた送信を行うことができるようになる。
【0078】
かくして、この実施の形態の構成によれば、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合に、到来情報を変更してから同一拡散符号を割り当てる通信端末を選定するようにしたことにより、同一拡散符号を割り当てた通信端末におけるマルチパス間での干渉による信号劣化を未然に防止できる。
【0079】
(実施の形態3)
図1との対応部分に同一符号を付して示す図9において、40は全体として実施の形態3の無線基地局装置を示す。無線基地局装置40は、パスサーチ情報記憶部41及び累積部42を有することを除いて図1の無線基地局装置10と同様の構成となっている。因みに、無線基地局装置40は通信端末との間で、上り回線と下り回線で異なる周波数を用いた通信(すなわちFDD(Frequency Division Duplexing)方式)を行うようになっている。
【0080】
パスサーチ情報記憶部41はパスサーチ部17によるピーク検出結果を所定期間だけ記憶する。累積部42はパスサーチ情報記憶部41に記憶された所定期間ぶんのピーク検出結果を累積し、累積結果を到来方向情報収集部19に送出する。
【0081】
以上の構成において、この実施の形態の無線基地局装置40では、FDD方式の通信を行っているため、上り回線の遅延プロファイルと下り回線の遅延プロファイルでは周波数選択性フェージングにより瞬時瞬時ではピーク値の大きさが異なるものとなる。
【0082】
しかし無線基地局装置40では、累積部42においてある期間内での遅延プロファイルのピーク値を累積することにより、累積部42からは瞬時変動の影響が減少した累積値が出力される。実際上、周波数は異なっても、上り回線と下り回線とで各パスの経路は同じなので、上り回線のピーク値を累積した値が所定値よりも大きければ、下り回線でもその位置にパスが生じるであろうと推定できる。
【0083】
そして累積結果は到来方向情報収集部19に入力され、到来方向情報収集部19では、累積結果に基づいて実施の形態1と同様に同一拡散符号を用いることのできる通信端末の組が選定される。この結果、FDD方式で通信を行う場合でも、符号間干渉による信号劣化を未然に回避して拡散符号を有効に利用することができる。
【0084】
因みに、遅延プロファイルのピーク値を累積すれば、例えば瞬時変動により実際にはパスが存在するのに偶然ピークが小さくなっている場合でも、そのパスを逃さずに同一の拡散符号を用いる通信端末を選定できるようになる。
【0085】
かくして以上の構成によれば、遅延プロファイルのピーク値を累積し、その累積結果に基づいて同一拡散符号を割り当てる通信端末を選定したことにより、FDD方式の通信システムでも良好に符号間干渉による信号劣化を回避して拡散符号を有効利用できる無線基地局装置40を実現できる。
【0086】
なおこの実施の形態では、パスサーチ情報記憶部41に記憶された遅延プロファイルのピーク値を累積する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、パスサーチ部17により検出されたピークを所定期間分だけパスサーチ情報記憶部41に記憶し、そのピーク履歴を考慮して同一拡散符号を用いる通信端末を選定すれば上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
(実施の形態4)
図9との対応部分に同一符号を付して示す図10において、50は全体として実施の形態4による無線基地局装置を示す。無線基地局装置50はフェージング変動検出部(FD検出部)51を有することを除いて図9の無線基地局装置40と同様の構成でなる。
【0088】
FD検出部51はAAA受信制御部20の受信信号出力を入力すると、フェージング変動がどのくらいの期間に亘って起こっているかを検出する。そしてFD検出部51は検出結果に応じた累積時間制御信号を累積部42に送出する。具体的には、フェージング変動が長い時間に亘って起こっている場合には累積期間を長くし、フェージング変動が短い時間内で起こっている場合には累積期間を短くする。
【0089】
因みに、フェージング変動が長い時間に亘って起こっている場合とは例えば通信端末がゆっくりと移動している場合などであり、フェージング変動が短い時間内で起こっている場合とは例えば通信端末が速い速度で移動している場合である。
【0090】
かくして以上の構成によれば、フェージング変動の生じている時間の長さに応じて累積期間を変えるようにようにしたことにより、ピークの累積期間を各通信端末毎に最適に選定することができる。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各通信端末について指向性受信信号毎に遅延プロファイルを作成し、各通信端末について指向性方向毎の遅延プロファイルのピークを検出し、通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末に対して同一の拡散符号を用いた拡散処理を施して同時送信したことにより、通信品質を劣化させずに、数に限りがある拡散コードを有効に利用した通信を行うことができる無線基地局装置及び送信方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の指向性形成部により形成される指向性の説明に供する略線図
【図3】図2の一点鎖線で示す指向性方向(−45°方向)の遅延プロファイルを示すグラフ
【図4】図2の実線で示す指向性方向(−15°方向)の遅延プロファイルを示すグラフ
【図5】図2の点線で示す指向性方向(+15°方向)の遅延プロファイルを示すグラフ
【図6】図2の二点鎖線で示す指向性方向(+45°方向)の遅延プロファイルを示すグラフ
【図7】各通信端末に対する各指向性方向の遅延プロファイルにおけるピークの有無を示す図表
【図8】本発明の実施の形態2による同一拡散符号を使用する通信端末選定処理の説明に供する図表
【図9】本発明の実施の形態3による無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4による無線基地局装置の構成を示すブロック図
【図11】従来の無線通信システムの構成を示すブロック図
【符号の説明】
10,40,50 無線基地局装置
13A,13B…… 受信信号処理回路
15 指向性形成部
16A〜16D 遅延プロファイル作成部
17 パスサーチ部
18 通信端末選定部
19 到来方向情報収集部
20 アダプティブアレイアンテナ受信制御部
22 優先度取得部
23 スケジュール作成部
25A,25B…… 送信信号処理回路
26 拡散符号割当制御部
28 拡散部
29 アダプティブアレイアンテナ指向性制御部
41 パスサーチ情報記憶部
42 累積部
51 フェージング変動検出部

Claims (11)

  1. 到来するスペクトル拡散信号を複数の指向性をもって受信することにより複数の指向性受信信号を形成する指向性受信手段と、
    複数の指向性受信信号に対してそれぞれ通信端末に対応する拡散符号を用いて逆拡散処理を施すことにより、各通信端末について、指向性受信信号毎に遅延プロファイルを作成する遅延プロファイル作成手段と、
    各通信端末について指向性方向毎の遅延プロファイルのピークを検出するピーク検出手段と、
    通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末の組み合わせを選定する通信端末選定手段と、
    前記通信端末選定手段により選定された同じ組の通信端末の送信データに対して同一の拡散符号を用いた拡散処理を施す拡散処理手段と、
    拡散処理後の送信データを受信時と同じ指向性をもたせて送信対象の通信端末に同時送信する指向性送信手段と
    を具備することを特徴とする無線基地局装置。
  2. 通信端末選定手段は、ある通信端末について、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合に、その通信端末を選定対象から除外する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  3. 通信端末選定手段は、ある通信端末について、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合には、その通信端末は全ての指向性方向にピークが現れたものと想定して、通信端末の選定処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  4. 通信端末選定手段は、ある通信端末について、互いに隣接しない指向性方向において所定値以上のピークが現れた場合には、その通信端末はピークが現れた指向性方向に挟まれた指向性方向にもピークが現れたと想定して、通信端末の選定処理を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  5. 前記ピーク検出手段により検出されたピークを所定期間分だけ記憶するピーク記憶手段を具備し、通信端末選定手段は、当該ピーク記憶手段に記憶されたピーク履歴を考慮して通信端末を選定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  6. ピーク検出手段の検出結果を所定期間分だけ累積するピーク累積手段を具備し、前記通信端末選定手段は、ピーク累積結果において通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末を選定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の無線基地局装置。
  7. 各通信端末からの受信信号のフェージング変動を検出するフェージング検出手段を具備し、検出したフェージング変動に応じて前記累積手段の累積期間を選定する
    ことを特徴とする請求項6に記載の無線基地局装置。
  8. 前記拡散処理手段は、前記通信端末選定手段により選定された通信端末同士の送信データに対しては同一の拡散符号を用いた拡散処理を施すと共に、同一の通信端末の並列送信データに対しては互いに直交関係にある拡散符号を用いて各並列送信データを拡散処理する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の無線基地局装置。
  9. 通信端末への送信優先度を取得する優先度取得手段を具備し、指向性送信手段は、当該送信優先度に応じた順番で順次送信データを送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  10. 前記優先度取得手段は、希望波電力と干渉波電力との比を表すSIR、通信端末に対して接続している個別チャネルの基地局からの送信電力、通信端末からの送信電力制御情報、ネットワークが保持しているユーザサービス情報、基地局におけるランダム選択情報、通信端末からの非常時信号又はそれらの組み合わせを送信優先度として取得する
    ことを特徴とする請求項9に記載の無線基地局装置。
  11. 到来するスペクトル拡散信号を複数の指向性をもって受信することにより複数の指向性受信信号を形成し、
    複数の指向性受信信号に対してそれぞれ通信端末に対応する拡散符号を用いて逆拡散処理を施すことにより、各通信端末について指向性受信信号毎に遅延プロファイルを作成し、
    各通信端末について指向性方向毎の遅延プロファイルのピークを検出し、
    通信端末間で同一の指向性方向に所定値以上のピークが現れない通信端末を選定し、
    選定した通信端末の送信データに対して同一の拡散符号を用いた拡散処理を施し、
    拡散処理後の送信データを指向性をもたせて送信対象の通信端末に同時送信する
    ことを特徴とする送信方法。
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