JP2004064130A - 無線通信システム、無線局及び通信方法 - Google Patents

無線通信システム、無線局及び通信方法 Download PDF

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前田 浩次
Yuji Yukawa
油川 雄司
Toru Otsu
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Abstract

【課題】干渉の影響を適切に低減できる無線通信システム、基地局及び通信方法を提供する。
【解決手段】受信局10において、干渉電力測定部13が受信信号2に含まれる各干渉信号2bの電力を測定する。干渉キャンセラ14は、その干渉電力測定部13の測定結果に応じて、受信信号2から干渉信号2bの除去を行う。そして、CIR測定部15が、干渉電力測定部13の測定結果に応じて、そのままの受信信号2か、干渉信号2bが除去された除去後受信信号のいずれかを用いてCIRを測定する。そのCIR測定部15の測定結果に基づいて、制御信号生成部17が、送信電力を制御する制御信号3aを生成する。そして、送信局20では、送信電力制御部25が、そのCIR測定部15の測定結果に基づいて生成された制御信号3aに基づいて、送信電力を制御する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システム、無線局及び通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の送信局と受信局とを備える無線通信システムでは、複数の無線回線が相互に干渉を与え合うことにより、周波数利用効率が劣化してしまう。そのため、干渉の影響を軽減し、周波数利用効率を向上させる必要がある。従来、この干渉の影響を軽減する技術として、干渉キャンセラを用いる技術がある。干渉キャンセラは、受信局において、希望信号と干渉信号が重畳された受信信号の情報から、希望信号と干渉信号の伝播路をそれぞれ推定し、その伝播路推定値を用いて干渉信号のレプリカを生成する。そして、受信信号から生成したレプリカを減算することにより、干渉の影響を軽減するものである。
【0003】
又、希望波電力の干渉波電力に対する比である希望波電力対干渉波電力比(Carrier to Interference Power Ratio、以下「CIR」という)として必要とされる所要値(以下「所要CIR」という)に基づいて、送信電力を制御し、干渉の影響を軽減する技術がある。図6に示すように、受信局が受信した希望信号に干渉信号が重畳した受信信号50の干渉波電力52と希望波電力51により求まるCIRが、所要CIR53を満足できない場合に、所要CIR63を満たすように、送信局が希望信号を送信する際の送信電力を、これまでの希望波電力64よりも電力65を上げた希望波電力61とする。このような送信電力制御により、干渉波電力62と希望波電力61により求まる受信信号60のCIRを所要CIR63以上に保つことができる。尚、図6において、所要CIR53と所要CIR63は、同じ値である。
【0004】
更に、干渉の影響を軽減する技術には、基地局が、干渉キャンセラによって受信信号から干渉信号を除去し、その干渉信号が除去された受信信号に基づいて、希望信号の電力の干渉信号の電力に対する比である希望信号電力対干渉信号電力比(Signal to Interference Power Ratio、以下「SIR」という)を求め、求めたSIRと目標SIRに基づいて、移動局の送信電力を制御する送信電力制御方法がある(特開平10―247894号公報、特開2002―44017号公報、2001−251242号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、干渉キャンセラには、干渉信号の電力の小さい受信信号には、対応することができないという問題点があった。干渉キャンセラは、干渉信号の電力が大きい場合には、干渉信号のレプリカを高精度に生成して、受信信号から干渉信号を効果的に除去することができる。しかし、干渉信号の電力が雑音電力と同程度に小さい場合には、干渉信号のレプリカの生成精度が劣化し、却って通信品質の劣化を招く場合があった。又、干渉キャンセラにこのような問題点がある結果、干渉キャンセラを用いて受信信号から干渉信号を除去し、その干渉信号が除去された受信信号に基づいてSIRを求め、移動局の送信電力を制御する送信電力制御方法においては、送信電力を適切に制御できない問題点があった。即ち、干渉信号の電力が雑音電力と同程度に小さい場合に干渉信号のレプリカの生成精度が劣化することに起因して、干渉信号が除去された受信信号に基づいてSIRを求め、移動局の送信電力を制御しても、適切に送信電力を制御できない問題点があった。
【0006】
又、所要CIRに基づいて、送信電力を制御する方法では、ある送信局が送信電力を上げることにより、他の無線回線に与える干渉が増加してしまう。そして、それに伴い、他の送信局でも送信電力制御が行われ、送信電力が上げられてしまう。その結果、無線通信システム全体の送信電力が上昇してしまい、各送信局において限界まで送信電力を上げても所要CIRを満足させることが困難となってしまう場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、干渉の影響を適切に低減できる無線通信システム、無線局及び通信方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る無線通信システムは、送信局と受信局とを備える無線通信システムであって、受信局は、送信局から送信され、受信した受信信号に含まれる複数の干渉信号についてそれぞれの電力を測定する干渉電力測定手段と、干渉電力測定手段の測定結果に応じて、受信信号から干渉信号を除去する干渉除去手段と、干渉電力測定手段の測定結果に応じて、受信信号又は干渉除去手段により干渉信号が除去された受信信号のいずれかを用いて、通信品質を測定する通信品質測定手段とを備え、送信局は、通信品質測定手段の測定結果に基づいて、受信局に信号を送信する送信電力を制御する送信電力制御手段を備えることを特徴とする。
【0009】
このような本発明に係る無線通信システムによれば、受信局において、干渉電力測定手段が受信信号に含まれる複数の干渉信号についてそれぞれの電力を測定する。そして、干渉除去手段は、その干渉電力測定手段の測定結果に応じて、受信信号から干渉信号の除去を行う。そのため、干渉信号の電力が大きい場合には、干渉除去手段が干渉信号を除去し、干渉信号を抑圧することができ、干渉信号の電力が小さい場合には、干渉除去手段が干渉信号の除去を行わないことにより、通信品質の劣化を招くことを防止できる。そして、通信品質測定手段が、干渉電力測定手段の測定結果に応じて、そのままの受信信号か、干渉信号が除去された受信信号のいずれかを用いて通信品質を求める。送信局では、送信電力制御手段が、その通信品質測定手段の測定結果に基づいて、送信電力を制御する。
【0010】
その結果、干渉除去手段と送信電力制御手段が、干渉信号の電力に応じて協同し、適切に干渉の影響を低減できる。即ち、干渉信号の電力が大きい場合には、干渉除去手段により、干渉信号を効果的に除去できる。更に、送信電力制御手段により、干渉除去手段により除去できない干渉の影響も低減できる。よって、無線通信システムは、所要の通信品質を確保できる。又、無線通信システムは、干渉信号が除去された後の受信信号に基づいて通信品質を求め、その通信品質に基づいて送信電力制御を行う。そのため、無線通信システムは、必要以上の送信電力の上昇を防止できる。よって、他の無線回線へ与える干渉が低減し、無線通信システム全体の送信電力の過剰な増大が抑制される。
【0011】
一方、干渉信号の電力が小さい場合には、精度の低い干渉信号の除去を防止して、通信品質の劣化を防止できる。更に、送信電力制御手段により、電力の小さい干渉信号の影響も低減できる。よって、無線通信システムは、所要の通信品質を確保できる。又、電力の小さい干渉信号に基づいて通信品質を求め、その通信品質に基づいて送信電力制御を行う。そのため、無線通信システムは、必要以上の送信電力の上昇を防止できる。よって、他の無線回線へ与える干渉が低減し、無線通信システム全体の送信電力の過剰な増大が抑制される。尚、通信品質としては、例えば、CIR、SIR等を用いることができる。
【0012】
又、受信局は、通信品質測定手段の測定結果に基づいて、送信電力を制御する制御信号を生成する制御信号生成手段を備え、送信電力制御手段は、制御信号生成手段により生成された制御信号に基づいて送信電力を制御することが好ましい。これによれば、制御信号を用いることにより、容易に送信電力制御を行うことができる。
【0013】
又、送信電力制御手段は、通信品質測定手段が測定した通信品質測定値が、必要とされる通信品質の所要値未満の場合には、送信電力を上げ、通信品質測定値が、所要値以上の場合には、その所要値を越える通信品質の所定値と通信品質測定値との比較結果に応じて、送信電力を下げることが好ましい。このような送信電力制御手段によれば、送信局は、通信品質測定値に基づいて、送信電力を自律的に変化させることができる。更に、通信品質測定値が所要値未満の場合には、送信電力を上げるため、干渉の影響を低減して、通信品質を確保できる。又、通信品質測定値が所要値以上の場合には、所要値を越える通信品質の所定値と通信品質測定値との比較結果に応じて、送信電力を下げるため、送信電力を適切に制御することができる。又、他の無線回線へ与える干渉を低減し、無線通信システム全体の送信電力の増大を抑制することができる。又、受信局及び送信局は、移動局と通信を行う基地局であってもよい。このように、本発明は、基地局間の通信にも適用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(無線通信システム)
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システム1の構成を示すブロック図である。無線通信システム1は、複数の受信局10と送信局20とから構成される。図1においては、説明の簡単のために、受信局10、送信局20は1つずつ図示している。受信局10及び送信局20は、基地局や移動局等の無線局である。
【0016】
まず、受信局10について説明する。図1に示すように、受信局10は、アンテナ11aと、切替部11と、増幅器12a,12bと、干渉電力測定部13と、干渉キャンセラ14と、CIR測定部15と、復調器16と、制御信号生成部17と、多重装置18と、変調器19とから構成される。アンテナ11aは、送信局20から送信され、受信局10が受信する受信信号2を受信する。受信信号2は、送信局20が送信した希望信号2aと、複数の干渉信号2bとが重畳された合成信号となっている。又、アンテナ11aは、受信局10が送信局20に送信する送信信号3を、送信局20に送信する。切替部11は、アンテナ11aが受信した受信信号2を、増幅器12aに入力し、増幅器12bから入力された送信信号3を、アンテナ11aに入力する。増幅器12aは、切替部11から入力された受信信号2を増幅して、干渉電力測定部13と干渉キャンセラ14に入力する。
【0017】
干渉電力測定部13は、受信信号2に含まれる複数の干渉信号2bについてそれぞれの電力を測定する干渉電力測定手段である。干渉電力測定部13は、増幅器12aから入力された受信信号2に含まれる複数の干渉信号2bについてそれぞれの電力を測定する。そして、干渉電力測定部13は、各干渉信号2bの電力の測定値を干渉キャンセラ14に入力する。
【0018】
干渉キャンセラ14は、干渉電力測定部13の測定結果に応じて、受信信号2から干渉信号2bを除去する干渉除去手段である。干渉キャンセラ14は、干渉キャンセラ14により受信信号2から干渉信号2bを除去するか否かを決定する干渉電力閾値を保持している。干渉電力閾値は、干渉キャンセラ14が、干渉信号2bのレプリカを精度よく生成し、受信信号2から干渉信号2bを効果的に除去するために必要な干渉信号2bの電力値を設定することが好ましい。
【0019】
干渉キャンセラ14は、干渉電力測定部13から入力された各干渉信号2bの電力の測定値と、保持している干渉電力閾値を比較する。そして、干渉キャンセラ14は、その比較結果に基づいて、各干渉信号2bを除去するか否かを判断し、各干渉信号2bの除去を行う。具体的には、干渉キャンセラ14は、ある干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値以上であれば、干渉キャンセラ14によるその干渉信号2bの除去を行うと判断する。そして、干渉キャンセラ14は、増幅器12aから入力された受信信号2からその干渉信号2bを除去する。干渉キャンセラ14は、干渉電力閾値以上の電力を持つ干渉信号2bを除去した後の受信信号(以下「除去後受信信号」という)を出力信号として出力し、CIR測定部15と復調器16に入力する。
【0020】
一方、干渉キャンセラ14は、ある干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値未満であれば、干渉キャンセラ14によるその干渉信号2bの除去を行わないと判断する。そのため、全ての干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値未満の場合には、干渉キャンセラ14は、増幅器12aから入力された受信信号2から干渉信号2bを一切除去せずに、受信信号2をそのまま出力信号として出力し、CIR測定部15と復調器16に入力する。
【0021】
CIR測定部15は、干渉電力測定部13の測定結果に応じて、受信信号2又は干渉キャンセラ14により干渉信号2bが除去された除去後受信信号のいずれかを用いて、通信品質を測定する通信品質測定手段である。CIR測定部15は、通信品質として、受信信号2又は除去後受信信号のCIRを測定する。CIR測定部15は、干渉キャンセラ14の後段に配置される。CIR測定部15は、干渉電力測定部13の測定結果に応じて、干渉キャンセラ14から受信信号2が入力された場合には、その受信信号2を用いてCIRを測定する。一方、CIR測定部15は、干渉電力測定部13の測定結果に応じて、干渉キャンセラ14から除去後受信信号が入力された場合には、除去後受信信号を用いてCIRを測定する。CIR測定部15は、CIR測定値を測定結果として制御信号生成部17に入力する。尚、復調器16は、干渉キャンセラ14から入力された受信信号2や除去後受信信号を復調し、送信局20から送信されたデータ系列4aを得る。
【0022】
制御信号生成部17は、CIR測定部15の測定結果に基づいて、送信局20が受信局10に送信する希望信号2aを、送信局20が送信する際の送信電力を制御する制御信号3aを生成する制御信号生成手段である。制御信号生成部17は、CIR測定部15から入力されたCIR測定値に基づいて、送信局20に対する送信電力制御に関する命令を含む制御信号3aを生成する。具体的には、制御信号生成部17は、送信局20の送信電力を変化させる命令又は維持する命令を含む制御信号3aを生成する。
【0023】
ここで、受信局10では、予め、無線通信システム1において必要とされる通信品質の所要値として、所要CIRが設定されている。又、受信局10では、予め、所要CIRを越える通信品質の所定値として、所定CIRが設定されている。所定CIRは、送信局20の送信電力を下げる基準となるCIRの値を設定する。例えば、所定CIRと所要CIRの差が小さい場合には、CIR測定値が所定CIRをわずかに上回ったとしても、送信電力を下げることによって得られる他の無線回線へ与える干渉の低減効果や、無線通信システム全体の送信電力の増大の抑制効果は、非常に高いものとはならない。それにも関わらず、所定CIRと所要CIRの差が小さい場合、度々送信電力を下げる制御を行うことになる。そのため、送信局20の制御負荷の増大につながる。そのため、所定CIRを所要CIRに比べてある程度大きく設定することが好ましい。
【0024】
但し、所定CIRが所要CIRに比べて大きすぎる場合には、送信電力を適切に下げることができず、他の無線回線へ与える干渉の低減効果や、無線通信システム全体の送信電力の増大の抑制効果を得ることができない。そのため、所定CIRは、他の無線回線へ与える干渉の低減効果や、無線通信システム全体の送信電力の増大の抑制効果を得ることができ、かつ、制御負荷の増大を抑えることができる値を設定することが好ましい。
【0025】
これによれば、CIR測定値が所要CIRよりも適度に大きく、送信電力を下げることが有効な場合に、即ち、送信電力を下げることによって得られる他の無線回線へ与える干渉の低減効果や、無線通信システム全体の送信電力の増大の抑制効果がある程度高いときに、送信局20は、送信電力制御を行うことができる。その結果、送信局20は、適切に送信電力を制御でき、制御負荷も軽減される。
【0026】
制御信号生成部17は、まず、CIR測定部15が測定したCIR測定値が、所要CIR未満か否かを判定する。制御信号生成部17は、CIR測定値が、所要CIR未満の場合には、CIR測定値が所要CIRとなるように送信電力を上げる命令を含む制御信号3aを生成する。一方、制御信号生成部17は、CIR測定値が、所要CIR以上の場合には、CIR測定値と所定CIRとを比較し、CIR測定値が所定CIR以上か否かを判定する。制御信号生成部17は、その比較結果に応じて、送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを生成する。具体的には、制御信号生成部17は、CIR測定値が所定CIR以上の場合に、CIR測定値が所要CIRを維持できる範囲で、送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを生成する。例えば、制御信号生成部17は、CIR測定値が所要CIR以上所定CIR未満となるように、送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを生成する。制御信号生成部17は、CIR測定値が所要CIR以上所定CIR未満の場合には、送信電力を変化させずに維持する命令を含む制御信号3aを生成する。制御信号生成部17は、生成した制御信号3aを、多重装置18に入力する。
【0027】
多重装置18には、制御信号3a以外にデータ系列4bが入力される。多重装置18は、入力された制御信号3aとデータ系列4bとを多重化し、送信信号3を生成する。多重装置18は、生成した送信信号3を、変調器19に入力する。変調器19は、多重装置18から入力された送信信号3を変調して、増幅器12bに入力する。増幅器12bは、変調器19から入力された変調後の送信信号3を増幅し、切替部11、アンテナ11aを介して送信局20に送信する。
【0028】
次に、送信局20について説明する。図1に示すように、送信局20は、アンテナ21aと、切替部21と、増幅器22と、復調器23と、分離装置24と、送信電力制御部25と、変調器26と、可変増幅器27とから構成される。アンテナ21aは、受信局10から送信される送信信号3を受信する。送信信号3は、データ系列4bと、制御信号3aとを含んでいる。又、アンテナ21aは、送信局20が受信局10に送信する希望信号2aを、受信局10に送信する。
【0029】
切替部21は、アンテナ21aが受信した送信信号3を、増幅器22に入力し、可変増幅器27から入力された希望信号2aを、アンテナ21aに入力する。増幅器22は、切替部21から入力された送信信号3を増幅して、復調器23に入力する。復調器23は、増幅器22から入力された送信信号3を復調して、分離装置24に入力する。分離装置24は、復調器23から入力された復調後の送信信号3を、データ系列4bと、制御信号3aとに分離する。これにより、送信局20は、データ系列4bを得る。分離装置24は、分離した制御信号3aを送信電力制御部25に入力する。
【0030】
送信電力制御部25は、CIR測定部15の測定結果に基づいて、受信局10に信号を送信する送信電力を制御する送信電力制御手段である。具体的には、送信電力制御部25は、CIR測定部15の測定結果に基づいて制御信号生成部17により生成された制御信号3aにより、送信電力を制御する。具体的には、送信電力制御部25は、送信局20の送信電力を変化させる命令を含む制御信号3aに基づいて、送信電力を変化させたり、送信局20の送信電力を変化させずに維持したりする。送信電力制御部25は、CIR測定値が所要CIR未満の場合には、CIR測定値が所要CIRとなるように送信電力を上げる命令を含む制御信号3aを取得する。又、送信電力制御部25は、CIR測定値が所要CIR以上であり、かつ、所定CIR以上の場合には、CIR測定値が所要CIRを維持できる範囲で、送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを取得する。又、送信電力制御部25は、CIR測定値が所要CIR以上であり、かつ、所定CIR未満の場合には、送信電力を変化させずに維持する命令を含む制御信号3aを取得する。
【0031】
そのため、送信電力制御部25は、送信電力を上げる命令や送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを取得した場合には、その制御信号3aを可変増幅器27に適合する制御信号3bに変化させる。そして、送信電力制御部25は、制御信号3aを変化させた制御信号3bを可変増幅器27に入力して可変増幅器27を制御し、送信電力を上げたり下げたりする制御を行う。送信電力制御部25は、送信電力を変化させずに維持する命令を含む制御信号3aを取得した場合には、その制御信号3aを、可変増幅器27に適合する制御信号3bに変化させる。そして、送信電力制御部25は、制御信号3aを変化させた制御信号3bを可変増幅器27に入力して可変増幅器27を制御し、送信電力を変更しないよう制御する。
【0032】
変調器26には、受信局10に送信するデータ系列4aが入力される。変調器26は、入力されたデータ系列4aを変調し、希望信号2aを生成する。変調器26は、変調した希望信号2aを可変増幅器27に入力する。可変増幅器27は、送信電力制御部25により、制御信号3bを入力されることにより制御される。可変増幅器27は、入力された制御信号3bに含まれる命令に従って、送信電力を上下させたり、送信電力を一定に維持したりする。可変増幅器27は、制御された送信電力で希望信号2aを、切替部21、アンテナ21aを介して、受信局10に送信する。
【0033】
次に、図1に示す受信局10及び送信局20が行う干渉信号の除去及び送信電力の制御を、図2を用いてより詳細に説明する。図2(a)に示す希望信号に干渉信号が重畳した受信信号30aに含まれる各干渉信号の電力が、干渉電力閾値以上であった場合、干渉キャンセラ14は、電力が大きく除去可能な干渉信号を除去する。このとき、干渉キャンセラ14により除去できない除去不可能干渉信号は、受信信号30aに残る。その結果、図2(a)に示す受信信号30aに含まれていた全干渉信号の干渉波電力32aは、除去可能な干渉信号の電力33aの分だけ減少し、除去不可能干渉信号の電力(以下「除去不可能干渉波電力」という)34aの分だけとなる。そのため、CIR測定値は、除去不可能干渉波電力34aと、希望波電力31aにより求められる。そのCIR測定値(希望波電力31aの除去不可能干渉波電力34aに対する比)は、図2(a)に示すように、所要CIR35aよりも十分に大きな値となった。
【0034】
このようなCIR測定結果をCIR測定部15から入力された制御信号生成部17は、CIR測定値が、所要CIR35a以上であるため、CIR測定値と所定CIR36aとを比較する。制御信号生成部17は、CIR測定値が所定CIR36a以上であり、十分に大きいため、CIR測定値が所要CIR35a以上所定CIR36a未満となるように、送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを生成する。その結果、送信電力制御部25は、その制御信号3aに基づいて、希望信号の送信電力を、これまでの希望波電力42aよりも電力43aを下げた希望波電力41aとなるように制御する。このような送信電力制御により、受信信号40aが得られる。得られた受信信号40aの除去不可能干渉波電力44aと希望波電力41aにより求まるCIR測定値は、所要CIR45aを満たしており、かつ、他の無線回線へ与える干渉を低減し、無線通信システム1全体の送信電力の増大を抑制したものとなる。
【0035】
又、図2(b)に示す受信信号30bに含まれる干渉信号の電力が、干渉電力閾値以上であった場合、干渉キャンセラ14は、電力が大きく除去可能な干渉信号を除去する。このとき、干渉キャンセラ14により除去できない除去不可能干渉信号は、受信信号30bに残る。その結果、図2(b)に示す受信信号30bに含まれていた全干渉信号の干渉波電力32bは、除去可能な干渉信号の電力33bの分だけ減少し、除去不可能干渉波電力34bの分だけとなる。そのため、CIR測定値は、除去不可能干渉波電力34bと、希望波電力31bにより求められる。そのCIR測定値(希望波電力31bの除去不可能干渉波電力34bに対する比)は、図2(b)に示すように、所要CIR35b未満となった。
【0036】
このようなCIR測定結果をCIR測定部15から入力された制御信号生成部17は、CIR測定値が、所要CIR35b未満であるため、送信電力を所要CIR35bを満たすまで上げる命令を含む制御信号3aを生成する。その結果、送信電力制御部25は、その制御信号3aに基づいて、希望信号の送信電力を、これまでの希望波電力42bよりも電力43bを上げた希望波電力41bとなるように制御する。このような送信電力制御により、受信信号40bが得られる。得られた受信信号40bの除去不可能干渉波電力44bと希望波電力41bにより求まるCIR測定値は、所要CIR45bを満たしており、通信品質を確保したものとなる。尚、除去不可能干渉波電力34a,34b,44a,44bには、様々な干渉波の電力が含まれている。又、図2において、所要CIR35aと所要CIR45a、所要CIR35bと所要CIR45bは、それぞれ同じ値である。
【0037】
又、受信局10が備える干渉キャンセラ14としては、例えば、図3に示すものを用いることができる。干渉キャンセラ14は、伝播路推定部14aと、判断部14bと、複数のレプリカ生成部14c〜14eと、減算器14f,14iと、復調部14gと、変調部14hとから構成される。希望信号2aと干渉信号2bが重畳された受信信号2は、増幅器12aから伝播路推定部14aと減算器14fに入力される。
【0038】
伝播路推定部14aは、増幅器12aから受信信号2を入力されると、入力された受信信号2の情報から希望信号2aと各干渉信号2bの伝播路をそれぞれ推定し、レプリカ生成部14c〜14eを制御する制御信号を、複数のレプリカ生成部14c〜14eにそれぞれ入力する。複数のレプリカ生成部14c〜14eは、伝播路推定部14aから入力された伝播路推定値を用いて、各干渉信号2bのレプリカ2c〜2eをそれぞれ生成する。レプリカ生成部14bは、生成したレプリカ2c〜2eを減算器14fに入力する。ここで、各レプリカ生成部14c〜14eは、判断部14bより、レプリカ生成を行う命令を含む制御信号が入力されたときのみレプリカ2c〜2eを生成し、減算器14fに入力する。レプリカ生成部14c〜14eは、判断部14bより、レプリカ生成を行わない命令を含む制御信号を入力されたときは、減算器14fに0を入力する。
【0039】
判断部14bには、干渉電力測定部13から、各干渉信号2bの電力の測定値4が入力される。判断部14bは、干渉電力閾値を保持している。判断部14bは、干渉電力測定部13から入力された各干渉信号2bの電力の測定値4と、保持している干渉電力閾値を比較する。そして、判断部14bは、その比較結果に基づいて、各干渉信号2bを除去するか否かを判断する。判断部14bは、各干渉信号2bのうち、電力の測定値4が干渉電力閾値以上のものについては、その干渉信号2bの除去を行うと判断する。そして、判断部14bは、レプリカ生成部14c〜14eのうち、除去を行うと判断した干渉信号2bのレプリカを生成するものに、レプリカ生成を行う命令を含む制御信号を入力する。
【0040】
一方、判断部14bは、各干渉信号2bのうち、電力の測定値4が干渉電力閾値未満のものについては、その干渉信号2bの除去を行わないと判断する。そして、判断部14bは、レプリカ生成部14c〜14eのうち、除去を行わないと判断した干渉信号2bのレプリカを生成するものに、レプリカ生成を行わない命令を含む制御信号を入力する。
【0041】
減算器14fは、増幅器12aにより入力された受信信号2から、複数のレプリカ生成部14c〜14eにより入力された各レプリカ2c〜2e又は0を減算する。その結果、複数のレプリカ生成部14c〜14eによりレプリカ2c〜2eが入力された場合には、減算器14fは、受信信号2から入力されたレプリカ2c〜2eに相当する干渉信号2bを除去した後の除去後受信信号を、干渉キャンセラ14の出力信号2fとして出力する。除去後受信信号は、干渉信号2bがほぼ除去されたものとなるが、干渉キャンセラ14によっては除去することができない除去不可能干渉信号を含んでいる。一方、複数のレプリカ生成部14c〜14eにより1つもレプリカ2c〜2eが入力されず、0しか入力されなかった場合には、減算器14fは、受信信号2から一切干渉信号2bを除去しないことになるため、受信信号2をそのまま、干渉キャンセラ14の出力信号2fとして出力する。
【0042】
減算器14fからの出力信号2fは、干渉キャンセラ14の出力信号として、CIR測定部15と復調器16に入力される。又、減算器14fからの出力信号2fは、復調部14gと減算器14iにも入力される。復調部14gは、出力信号2fを復調し、変調部14hに入力する。変調部14hは、復調部14gから入力された復調後の出力信号2fを変調し、その変調信号2gを減算器14iに入力する。減算器14iは、減算器14fから入力された出力信号2fから、変調部14hから入力された変調信号2gを減算する。その結果、減算器14iは、出力信号2fと変調信号2gとの差を、推定誤差2hとして得る。減算器14iは、求めた推定誤差2hを伝播路推定部14aに入力する。以降、伝播路推定部14aは、推定誤差2hを用いることにより、推定誤差2hを考慮して、希望信号2aと干渉信号2bの伝播路を推定する。
【0043】
(通信方法)
次に、無線通信システム1を用いた通信方法について説明する。図4は、無線通信システム1を用いた通信方法の手順を示すフロー図である。まず、受信局10の干渉電力測定部13は、送信局20から送信され、アンテナ11aが受信し、増幅器12aにより増幅された受信信号2に含まれる複数の干渉信号2bについてそれぞれの電力を測定する。そして、干渉電力測定部13は、各干渉信号2bの電力の測定値を、干渉キャンセラ14に入力する(S1)。干渉キャンセラ14は、干渉電力測定部13から入力された各干渉信号2bの電力の測定値と、保持している干渉電力閾値を比較する(S2)。ステップ(S2)において、干渉キャンセラ14は、ある干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値以上であれば、増幅器12aから入力された受信信号2からその干渉信号2bを除去し、その干渉信号2bを除去した後の除去後受信信号を、CIR測定部15に入力する(S3)。一方、ステップ(S2)において、干渉キャンセラ14は、全ての干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値未満であれば、増幅器12aから入力された受信信号2をそのままCIR測定部15に入力する。
【0044】
次に、CIR測定部15は、干渉キャンセラ14から入力された受信信号2又は除去後受信信号のいずれかを用いてCIRを測定し、CIR測定値を制御信号生成部17に入力する(S4)。制御信号生成部17は、CIR測定部15が測定したCIR測定値が、所要CIR未満か否かを判定する(S5)。ステップ(S5)において、CIR測定値が所要CIR未満の場合には、制御信号生成部17は、CIR測定値が所要CIRを満たすように送信電力を上げる命令を含む制御信号3aを生成する。そして、その制御信号3aを取得した送信局20の送信電力制御部25は、その制御信号3aを可変増幅器27に適合するように変化させた制御信号3bを可変増幅器27に入力して可変増幅器27を制御し、送信電力を上げて増加させる(S6)。そして、送信局20は、アンテナ21aを介して希望信号2aを受信局10に送信する(S9)。
【0045】
一方、ステップ(S5)において、CIR測定値が、所要CIR以上の場合には、制御信号生成部17は、CIR測定値が所定CIR以上か否かを判定する(S7)。ステップ(S7)において、CIR測定値が所定CIR以上の場合には、制御信号生成部17は、CIR測定値が所要CIR以上所定CIR未満となるように、送信電力を下げる命令を含む制御信号3aを生成する。そして、その制御信号3aを取得した送信局20の送信電力制御部25は、その制御信号3aを可変増幅器27に適合するように変化させた制御信号3bを可変増幅器27に入力して可変増幅器27を制御し、送信電力を下げて減少させる(S8)。そして、送信局20は、希望信号2aを受信局10に送信する(S9)。
【0046】
一方、ステップ(S7)において、CIR測定値が所定CIR未満の場合、制御信号生成部17は、送信電力を変化させずに維持する命令を含む制御信号3aを生成する。そして、その制御信号3aを取得した送信局20の送信電力制御部25は、その制御信号3aを可変増幅器27に適合するように変化させた制御信号3bを可変増幅器27に入力して可変増幅器27を制御し、送信電力を変化させずに維持する。そして、送信局20は、これまでと同じ送信電力で希望信号2aを受信局10に送信する(S9)。受信局10と送信局20は、ステップ(S1)〜ステップ(S9)までの一連の動作を繰り返すことにより、送信電力を最適な状態に保ち、干渉の影響を適切に低減することができる。
【0047】
(CIR分布)
次に、このような無線通信システム1を用い、上記通信方法を行うことにより得られるCIR分布を図5に示す。図5において、横軸はCIRを示し、縦軸は横軸が示すCIRの値となった累積確率を示す。横軸、縦軸は、任意目盛りである。図5における送信電力制御前CIR7は、無線通信システム1を用いた上記通信方法による送信電力制御を行う前のCIR測定値の分布を示している。送信電力制御前CIR7では、所要CIR6を満たさない場合や、所要CIR6よりも必要以上に大きい場合があり、ばらつきがある。そのため、送信電力制御前においては、干渉の影響が低減されておらず、通信品質が確保されていない場合がある。更に、送信電力が必要以上に大きく、他の無線回線へ与える干渉の増大や無線通信システム1全体の送信電力の増大を招いている場合がある。
【0048】
これに対して、図5における送信電力制御後CIR8は、無線通信システム1を用いた上記通信方法による送信電力制御を行った後のCIR測定値の分布を示している。送信電力制御後CIR8では、所要CIR未満6の累積確率はほぼ0であり、所要CIR6をほぼ満たしている。又、送信電力制御後CIR8においては、所要CIR6よりも大きい場合であっても、所要CIR6との差はわずかである。即ち、送信電力制御後CIR8は、所要CIR6に収束している。そのため、送信電力制御後においては、干渉の影響が低減されており、通信品質が確保されている。更に、送信電力が抑えられているため、他の無線回線へ与える干渉が低減され、無線通信システム1全体の送信電力の増大が抑制されている。尚、送信電力制御後CIR8において、所要CIR6よりもわずかに大きい場合があるのは、CIR測定値が所要CIR以上であっても、所定CIR未満の場合には、送信電力を下げないためである。
【0049】
(効果)
このような本実施形態に係る無線通信システム1、受信局10、送信局20及び通信方法によれば、受信局10において、干渉電力測定部13が受信信号2に含まれる複数の干渉信号2bについてそれぞれの電力を測定する。そして、干渉キャンセラ14は、その干渉電力測定部13の測定結果に応じて、受信信号2から干渉信号2bの除去を行う。そのため、各干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値以上の場合には、干渉キャンセラ14が干渉信号2bを除去し、干渉信号2bを抑圧することができる。一方、各干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値未満の場合には、干渉除キャンセラ14が干渉信号2bの除去を行わないことにより、通信品質の劣化を招くことを防止できる。そして、CIR測定部15が、干渉電力測定部13の測定結果に応じて、そのままの受信信号2か、干渉信号2bが除去された除去後受信信号のいずれかを用いてCIRを測定する。そのCIR測定部15の測定結果に基づいて、制御信号生成部17が、送信電力を制御する制御信号3aを生成する。そして、送信局20では、送信電力制御部25が、CIR測定部15の測定結果に基づいて生成された制御信号3aに基づいて、送信電力を制御する。
【0050】
その結果、干渉キャンセラ14と送信電力制御部25が、干渉信号2bの電力の測定値に応じて協同し、適切に干渉の影響を低減できる。即ち、干渉信号2bの電力が大きい場合には、干渉キャンセラ14により、干渉信号2bを効果的に除去できる。更に、送信電力制御部25により、干渉キャンセラ14により除去できない干渉の影響も低減できる。よって、無線通信システム1は、所要の通信品質を確保できる。又、干渉信号2bが除去された後の除去後受信信号に基づいてCIR測定値を求め、そのCIR測定値に基づいて送信電力制御を行う。そのため、無線通信システム1は、必要以上の送信電力の上昇を防止できる。よって、他の無線回線へ与える干渉が低減し、無線通信システム1全体の送信電力の過剰な増大が抑制される。
【0051】
一方、干渉信号2bの電力が小さい場合には、精度の低い干渉信号2bの除去を防止して、通信品質の劣化を防止できる。更に、送信電力制御部25により、電力の小さい干渉信号2bの影響も低減できる。よって、無線通信システム1は、所要の通信品質を確保できる。又、電力の小さい干渉信号2bに基づいてCIR測定値を求め、そのCIR測定値に基づいて送信電力制御を行う。そのため、無線通信システム1は、必要以上の送信電力の上昇を防止できる。よって、他の無線回線へ与える干渉が低減し、無線通信システム1全体の送信電力の過剰な増大が抑制される。以上のことから、無線通信システム1における周波数利用効率を高めることができる。更に、送信局20の送信電力制御部25は、受信局10からの制御信号3aに基づいて送信電力を制御するため、容易に送信電力制御を行うことができる。
【0052】
又、送信電力制御部25は、CIR測定部15が測定したCIR測定値と、所要CIRと、所定CIRとに基づいて、送信電力制御を行うため、送信電力を自律的に変化させることができる。更に、CIR測定値が所要CIR未満の場合には、送信電力を上げるため、干渉の影響を低減して、通信品質を確保できる。又、CIR測定値が所要CIR以上の場合には、所定CIRとCIR測定値との比較結果に応じて、送信電力を下げるため、送信電力を適切に制御することができる。又、他の無線回線へ与える干渉を低減し、無線通信システム1全体の送信電力の増大を抑制することができる。又、受信局10を基地局、送信局20を基地局とした場合には、基地局間の通信に上記通信方法を適用することができる。
【0053】
(変更例)
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。上記実施形態では、受信局10が、制御信号生成部17を備えており、CIR測定部15による測定結果に基づいて制御信号3aを生成し、送信局20に送信しているが、受信局10は、CIR測定部15による測定結果そのものを、送信局20に送信するようにしてもよい。この場合、送信局20の送信電力制御部25は、受信局10からCIR測定部15による測定結果を取得することになる。そのため、送信電力制御部25自らが、取得したCIR測定値に基づいて、送信電力の上下や維持を決定し、制御信号3bを生成して、送信電力制御を行うことができる。
【0054】
又、上記実施形態では、干渉キャンセラ14が、各干渉信号2bの電力の測定値に基づいて、干渉信号2bの除去を行うか否かを判断しているが、干渉電力測定部13が、干渉信号2bの除去を行うか否かを判断してもよい。この場合、干渉電力測定部13が、干渉電力閾値を保持する。又、増幅器12aは、受信信号2を干渉キャンセラ14に入力しない。干渉電力測定部13は、測定した各干渉信号2bの電力の測定値と、保持している干渉電力閾値を比較する。そして、干渉電力測定部13は、ある干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値以上であれば、干渉キャンセラ14によるその干渉信号2bの除去を行うと判断する。そして、干渉電力測定部13は、受信信号2を干渉キャンセラ14に入力する。一方、干渉電力測定部13は、全ての干渉信号2bの電力の測定値が干渉電力閾値未満であれば、干渉キャンセラ14による干渉信号2bの除去を一切行わないと判断する。そして、干渉電力測定部13は、受信信号2をCIR測定部15と復調器16に入力する。
【0055】
更に、干渉電力測定部13や干渉キャンセラ14とは別に、干渉信号2bの電力の測定値と干渉電力閾値とを比較し、干渉キャンセラ14による干渉信号2bの除去を行うか否かを判断する判断部を設けてもよい。この場合、判断部は、増幅器12aの後段で、干渉キャンセラ14やCIR測定部15の前段に配置される。増幅器12aは、受信信号2を判断部に入力する。干渉電力測定部13は、各干渉信号2bの電力の測定値を判断部に入力する。判断部は、干渉電力閾値を保持する。そして、判断部が、干渉電力測定部13より入力された各干渉信号2bの電力の測定値と干渉電力閾値とを比較し、その比較結果に基づいて、干渉キャンセラ14による干渉信号2bの除去を行うか否かを判断する。そして、判断部は、干渉信号2bの除去を行うと判断した場合には、受信信号2を干渉キャンセラ14に入力する。一方、判断部は、干渉信号2bの除去を行わないと判断した場合には、受信信号2をCIR測定部15と復調器16に入力する。
【0056】
尚、これらの場合、干渉キャンセラ14は、干渉電力測定部13や判断部から入力された受信信号2から除去すると判断された干渉信号2bを除去し、除去後受信信号をCIR測定部15と復調器16に入力することができる。又、CIR測定部15は、干渉キャンセラ14から入力された除去後受信信号や、干渉電力測定部13や判断部から入力された受信信号2に基づいて、CIRを測定する。復調器16は、干渉キャンセラ14から入力された除去後受信信号や、干渉電力測定部13や判断部から入力された受信信号2を復調する。
【0057】
又、図3に示した干渉キャンセラ14は、復調部14gを備えている。そのため、受信局10は、復調器16を備えないようにしてもよい。そして、復調部14gは、出力信号2fを復調し、復調後の出力信号2fを、干渉キャンセラ14の出力信号として出力してもよい。反対に、干渉キャンセラ14が、復調部14gを備えないようにしてもよい。そして、復調器16が、出力信号2fを復調した後、その復調後の出力信号2fを、干渉キャンセラ14の変調部14gに再度、入力するようにしてもよい。又、通信品質としては、CIRだけでなく、SIR等を用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、干渉の影響を適切に低減できる無線通信システム、基地局及び通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る干渉信号の除去及び送信電力制御を説明する説明図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る干渉キャンセラを説明する説明図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る通信方法の手順を示すフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るCIR分布を示すグラフ図である。
【図6】従来の送信電力制御方法を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 無線通信システム
10 送信局
11a,21a アンテナ
11,21 切替部
12a,12b,22 増幅器
13 干渉電力測定部
14 干渉キャンセラ
14a 伝播路推定部
14b 判断部
14c〜14e レプリカ生成部
14f,14i 減算器
14g 復調部
14h 変調部
15 CIR測定部
16,23 復調器
17 制御信号生成部
18 多重装置
19,26 変調器
20 送信局
24 分離装置
25 送信電力制御部
27 可変増幅器

Claims (10)

  1. 送信局と受信局とを備える無線通信システムであって、
    前記受信局は、
    前記送信局から送信され、受信した受信信号に含まれる複数の干渉信号についてそれぞれの電力を測定する干渉電力測定手段と、
    該干渉電力測定手段の測定結果に応じて、前記受信信号から前記干渉信号を除去する干渉除去手段と、
    前記干渉電力測定手段の測定結果に応じて、前記受信信号又は前記干渉除去手段により干渉信号が除去された受信信号のいずれかを用いて、通信品質を測定する通信品質測定手段とを備え、
    前記送信局は、前記通信品質測定手段の測定結果に基づいて、前記受信局に信号を送信する送信電力を制御する送信電力制御手段を備えることを特徴とする無線通信システム。
  2. 前記受信局は、前記通信品質測定手段の測定結果に基づいて、前記送信電力を制御する制御信号を生成する制御信号生成手段を備え、
    前記送信電力制御手段は、前記制御信号生成手段により生成された制御信号に基づいて前記送信電力を制御することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
  3. 前記送信電力制御手段は、
    前記通信品質測定手段が測定した通信品質測定値が、必要とされる通信品質の所要値未満の場合には、前記送信電力を上げ、
    前記通信品質測定値が、前記所要値以上の場合には、該所要値を越える通信品質の所定値と前記通信品質測定値との比較結果に応じて、前記送信電力を下げることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信システム。
  4. 前記受信局及び前記送信局は、移動局と通信を行う基地局であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
  5. 送信局から送信され、受信した受信信号に含まれる複数の干渉信号についてそれぞれの電力を測定する干渉電力測定手段と、
    該干渉電力測定手段の測定結果に応じて、前記受信信号から前記干渉信号を除去する干渉除去手段と、
    前記干渉電力測定手段の測定結果に応じて、前記受信信号又は前記干渉除去手段により干渉信号が除去された受信信号のいずれかを用いて、通信品質を測定する通信品質測定手段と
    を備えることを特徴とする無線局。
  6. 前記通信品質測定手段の測定結果に基づいて、前記送信局が信号を送信する送信電力を制御する制御信号を生成する制御信号生成手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の無線局。
  7. 前記制御信号生成手段は、
    前記通信品質測定手段が測定した通信品質測定値が、必要とされる通信品質の所要値未満の場合には、前記送信電力を上げる制御信号を生成し、
    前記通信品質測定値が、前記所要値以上の場合には、該所要値を越える通信品質の所定値と前記通信品質測定値とを比較し、該比較結果に応じて、前記送信電力を下げる制御信号を生成することを特徴とする請求項6に記載の無線局。
  8. 受信局が送信局から送信され、受信した受信信号に含まれる複数の干渉信号についてそれぞれの電力を測定するステップと、
    該干渉信号の電力の測定結果に応じて、前記受信信号から前記干渉信号を除去するステップと、
    前記干渉信号の電力の測定結果に応じて、前記受信信号又は前記干渉信号が除去された受信信号のいずれかを用いて、通信品質を測定するステップと、
    該通信品質の測定結果に基づいて、前記送信局が前記受信局に信号を送信する送信電力を制御するステップと
    を有することを特徴とする通信方法。
  9. 前記送信電力を制御するステップは、
    前記通信品質の測定結果に基づいて、前記送信電力を制御する制御信号を生成するステップと、
    該生成された制御信号に基づいて、前記送信電力を制御するステップと
    を有することを特徴とする請求項8に記載の通信方法。
  10. 前記送信電力を制御するステップにおいて、
    前記測定した通信品質測定値が、必要とされる通信品質の所要値未満の場合には、前記送信電力を上げ、
    前記通信品質測定値が、前記所要値以上の場合には、該所要値を越える通信品質の所定値と前記通信品質測定値とを比較し、該比較結果に応じて、前記送信電力を下げることを特徴とする請求項8又は9に記載の通信方法。
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