JP2004064123A - ネットワーク通信システム、およびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マスターECUと2つ以上のスレーブECUとを規定し、第1ステップでマスターECUのローカルタイマ値にスレーブECUのローカルタイマ値を合わせ、第2ステップでスレーブECUのローカルタイマ値にマスターECUのローカルタイマ値を合わせるとともに、先に送信しなかったスレーブECUにおいて受信したスレーブECUのローカルタイマ値と自身のローカルタイマ値との差分時間を演算し、差分時間をマスターECUのローカルタイマ値に加算する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はECU間を搬送波を検出して通信する多重通信システムの通信プロトコルに従い複数のECU(電子制御ユニット)を連携させて作動させる際に、各々のECUにおけるタイマを同期させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のECU間をネットワーク通信するシステムは、近年車両等、複数の制御を組み合わせて実行したり、複雑な制御を実行する場合に不可欠になってきている。ところが、通常各々のECU(いわゆる電子制御装置)には各々独立したタイマを持っており、複数のECUが連動して1つあるいは複数の制御を実行する場合には、各ECU間のタイマの時間を同期して、演算タイミング、制御処理タイミング等を合わせる必要性が向上している。特に高応答性が要求される制御等では各々のECUにおける演算タイミング等のずれの影響が大きく、一層このような要求が増大している。
【0003】
複数のECU間をネットワーク通信する方法としては、例えば特開平11−261611号公報に開示されているように、搬送波を検出して通信する多重通信システム(いわゆるCSMA方式:以下CSMA方式と言う)が知られている。このCSMA方式によるネットワーク通信では、複数のECUの各々から送信されるメッセージフレームが衝突する等の理由により通信にかかる時間すなわち、メッセージフレームが送受信されるための必要時間を推定することは不可能に近い。
【0004】
そのため従来、CSMA方式によるネットワーク通信においてECU間の時間同期を行うには、明示的にマスターECUを用意し、そのマスターECUから時間同期を行う際の情報を送信する方法が採られている。たとえば特公平1−60853号に記載されている分散処理システムの絶対時刻同期化方式ではセンタ装置と複数のローカル装置とに分けてセンタ装置からローカル装置に時刻情報を送信することが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の如くマスターECUを用意したとしても、ネットワークの通信バス上でのメッセージフレームの衝突による通信の誤差時間(タイムラグ)を加味した時間同期は実現できないという問題がある。すなわち、この通信時間の誤差とは所定のECUから他のECUへタイマ値を含むメッセージフレームが送信された場合、これらのECUを結ぶ通信バス上にはローカルタイマ値に関わるメッセージフレーム以外にも多種多様なメッセージフレーム(ex.演算データ、演算結果等)が流れている。よってタイマ値を含むメッセージフレームが他のECUに受信されるまでの誤差時間(タイムラグ)が通信バス上の通信密度によって可変する。
【0006】
なお従来では、このメッセージフレームの通信バス上での衝突による誤差時間(タイムラグ)は、ECU間で時間同期する際の考慮の対象にすらなっていなかった。
【0007】
よって本願発明では、通信バス上におけるメッセージフレーム等の衝突による通信誤差時間まで鑑みたECU間の時間同期を実現するネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明では、各々がローカルタイマを備える3つ以上の複数のECUの間を接続したネットワーク通信システムにおいて、前記ECUの内の一つにマスターECUと、前記ECUの内の残るECUであって前記マスターECUのローカルタイマ値に合わせられるスレーブECUとが規定され、前記ECU全てに備えられた前記ローカルタイマ値を記憶する記憶手段が備えられ、前記スレーブECUのうちの一つは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記マスターECUから送信されるローカルタイマ値に自身のローカルタイマ値を合わせるとともに前記マスターECUおよび残るスレーブECUにこのローカルタイマ値を送信する機能を備え、前記残るスレーブECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記マスターECUから送信されるローカルタイマ値に自身のローカルタイマ値を合わせるとともに、前記スレーブECUのうちの一つから送信されたローカルタイマ値とこの送信を受る以前に記憶していた自身のローカルタイマ値との差分時間を算出して前記マスターECUに差分時間情報を送信する機能を備え、前記マスターECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に少なくとも時間同期を図る必要のある前記スレーブECU全てに自身のローカルタイマ値を送信する機能を有するとともに、前記スレーブECUの内の一つから送信されたローカルタイマ値に前記差分時間を加算して自身のローカルタイマ値とする機能を備える事を特徴とする。
【0009】
また請求項2に記載の発明では、複数のECU間をネットワークで接続して、複数のECU間で連携した制御処理を実行するネットワーク通信システムを用いた制御処理システムにおいて、前記複数のECUは、各々ローカルタイマとこのローカルタイマの値を記憶する記憶手段を備えており、前記複数のECUにおいてマスターECUと複数のスレーブECUとが位置付けられ、前記マスターECUが前記複数のスレーブECUに対して前記ローカルタイマ値を送信する第1ステップと、前記複数のスレーブの全てが第1ステップにて送信された前記ローカルタイマ値を各々のスレーブECU自身のローカルタイマ値として記憶して該スレーブECUの内の少なくとも一つが他の全てのECUに対して記憶したローカルタイマ値を送信する第2ステップと、前記第2ステップによる送信を受けた前記スレーブECUの内の少なくとも一つがこの送信によるローカルタイマ値と記憶していたローカルタイマ値との差分時間を算出して、前記マスターECUにこの差分時間の情報を送信とともに、前記マスターECUは前記第2のステップにより送信されたローカルタイマ値に前記差分時間を加算して記憶する第3のステップと、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように請求項1および請求項2に記載の発明では、少なくとも時間同期を図るべきECUのうちでマスターECUとスレーブECUとを規定し、マスターECUから自身のローカルタイマ値をスレーブECUに送信してマスターECUのローカルタイマ値にスレーブECUのローカルタイマ値を合わせる。そして、スレーブECUのうちの一つから他のECUへローカルタイマ値を送信する。この場合マスターECUとスレーブECUとのローカルタイマ値には、スレーブECUのうちの一つから他のECUへローカルタイマ値を送信した際の通信バス上のメッセージフレームの衝突等によるタイムラグ分がずれていることとなる。よって、送信を行ったスレーブECU以外の他のスレーブECUにおいて、スレーブECUのうちの一つから他のECUへローカルタイマ値を送信した際のタイムラグを差分時間として演算し、マスターECUに差分時間の情報を送信する。そして、マスターECUにおいてこの差分時間分スレーブECUから送信されたローカルタイマ値に加算することによって全てのECUすなわちマスターECUとスレーブECUとのローカルタイマ値が同期できる。
【0011】
請求項3に記載の発明では、各々がローカルタイマを備える2つ以上の複数のECUの間を接続したネットワーク通信システムにおいて、前記複数のECUの内の一つであって自身が送信したメッセージフレームを自身で受信する機能を備えるマスターECUと、前記複数のECUの内の残るECUであって前記マスターECUのローカルタイマ値に合わせられるスレーブECUとが規定され、前記マスターECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に全ての前記スレーブECUおよび自身に対してローカルタイマ値を送信し、且つこの送信したローカルタイマ値を自身でも受信できる機能を有するとともに、この送信した時刻と自身で受信した時刻との差分時間を演算してこの差分時間情報を前記スレーブECUに送信する機能を備え、前記スレーブECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記マスターECUから送信されるローカルタイマ値に自身のローカルタイマ値を合わせるとともに、前記マスターECUから受信した前記差分時間情報を自身のローカルタイマ値に加算して記憶する機能を備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明では、複数のECU間をネットワークで接続して、複数のECU間で連携した制御処理を実行するネットワーク通信システムを用いた制御処理システムにおいて、前記複数のECUは、各々ローカルタイマとこのローカルタイマの値を記憶する記憶手段を備えており、前記複数のECUにおいて、自身が送信したメッセージフレームを自身で受信する機能を備えるマスターECUと、前記マスターECUのローカルタイマ値に時間同期されるスレーブECUとが位置付けられ、前記マスターECUが前記スレーブECUおよび自身に対してローカルタイマ値送信する第1のステップと、前記マスターECUおよび前記スレーブECUが前記第1のステップにおける送信を受信した際に、前記マスターECUにおいて前記第1ステップにおける送信時刻および受信時刻の差分時間を演算して前記スレーブECUに送信するとともに、前記スレーブECUにおいてスレーブECUのローカルタイマ値を前記第1ステップにより受信したマスターECUのローカルタイマ値に変更する第2のステップと、前記第2のステップにより前記スレーブECUが受信した前記差分時間を前記スレーブECUが自身のローカルタイマ値に加算する第3のステップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
このような請求項3,4に記載の発明では、自身が発したメッセージフレームを自身で受信できる機能を備えるECUが存在し、このECUをマスターECUと規定した場合には、2つ以上のECUが存在する場合に時間同期を図ることが可能である。すなわち、マスターECUがスレーブECUと自分自身の双方に対してローカルタイマ値を送信し、この送信を受けたスレーブECUは受信したローカルタイマ値に合わせる。そして、マスターECUではこの送信と受信とにおいて、送信したローカルタイマ値と受信した時点での自身のローカルタイマ値との差分時間を算出する。スレーブECUではこの差分時間の情報をマスターECUから受けてスレーブECU自身のローカルタイマ値にこの差分時間を加算する。これにより、2つ以上ECUが存在する場合全てのECUのローカルタイマ値を時間同期することが可能である。
【0014】
請求項5に記載の発明では、マスターECUは、所定のタイミングで前記複数のECUの内の他のECUに変更されることを特徴とする。
【0015】
このように、マスターECUが変更されれば、マスターECUが固定されている場合と比較して時間同期性に関する信頼性が増大する。すなわち、マスターECUが故障等によりマスターECUとしての機能を発揮できなくなった場合においても、マスターECUが変更された段階で時間同期を図ることが可能である。
【0016】
請求項6に記載の発明のごとく、メッセージフレームにはローカルタイマ値の情報の他に前記差分時間がどのスレーブECUで演算されるものかを規定する情報が含まれ、前記差分時間の情報が所定時間経過しても送信されなかったあるいは/および少なくとも前記マスターECUが受信しなかった場合には、他のスレーブECUに差分時間を演算させて少なくともマスターECUに送信させる機能を備えるようにしてもよい。
【0017】
この場合には、差分時間の情報を送信する役割を果たすスレーブECUが故障した場合あるいは差分時間の情報を送信する機能が備えられていないECUがスレーブECUに含まれていたとしても、差分時間の情報がマスターECUに伝達されずに時間同期が達成できなくなるという事態を回避することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明のごとく、ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に少なくとも時間同期を図る必要のあるスレーブECUに対して自身のローカルタイマ値を送信することが所定時間の間にできなかった場合、あるいは/および前記スレーブECUの内の一つから前記差分時間の情報を受信した際に自身のローカルタイマ値に差分時間を加算することができなかった場合を検出および判断する手段を設け、この検出手段で肯定判断された場合にはマスターECUを前記スレーブECUの内の一つに変更するようにしても良い。
【0019】
このようにした場合には、マスターECUに規定されたECUが所定の故障、あるいはマスターECUとしての機能を満足していなかった場合においても、マスターECUが変更されることによって時間同期が達成されなくなることを回避することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明のごとく、前記差分を演算させて少なくともマスターECUに送信させる機能は、前記差分時間を送信できなかったスレーブECU、前記差分時間の情報を受けることになっていたスレーブECU、あるいはマスターECU自身のいずれか1つあるいは複数に備えるようにすればよい。
【0021】
なお、請求項9または請求項11、請求項12のいずれかに記載のごとくマスターECUの変更のタイミングは、車両のイグニッションON毎あるいはECUの制御タイミング毎、たとえば制御実行開始タイミングあるいは制御終了タイミング等としてもよい。すなわち、なるべく本来のECUの制御内容を中断したり制御途中でローカルタイマ値が可変されたりすることがないようなタイミングとすることが望ましい。
【0022】
請求項13に記載の発明では、ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、このメッセージフレームにはローカルタイマ値の情報の他に現在のマスターECUがどのECUかを規定する情報が含まれていることを特徴とする。
【0023】
このようにすれば、マスターECUが随時変更された場合においても、時間同期がスムースに実現できる。
【0024】
請求項14に記載の発明では、メッセージフレームは、他に制御用データ等を含むアプリケーションメッセージフレームであって、該アプリケーションメッセージフレームに前記ローカルタイマ値、マスターECUの情報、差分時間の情報が含まれるようにしている。
【0025】
請求項14,15に記載のごとく構成すれば、通常ECUが実行する制御に用いられているメッセージフレームの数に比較して時間同期を行うことによりメッセージフレーム数の総数が増えることを抑制することができ、データ転送効率が高められる。
【0026】
請求項16に記載の発明のごとく、ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、このメッセージフレームは他の制御用データを含まず、前記時間同期を行う際のデータが含まれるのみとすることも可能である。たとえば車両バリエーション、製品バリエーションが多い場合、このバリエーションごとに制御データ等が異なる場合において前述のアプリケーションメッセージフレームを再構築しなければならないが、本発明のごとく時間同期専用のメッセージフレームを供えるようにすれば、バリエーションに関わらず、時間同期が要求されるECU群において単に時間同期専用のメッセージフレームを備えさせることのみによって時間同期を実現することが可能である。
【0027】
請求項17に記載の発明のごとく、時間同期を行われるECU群と前記時間同期が行われないECUとを含んでいるシステムとしてもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、本願発明の第1の実施形態の概略構成を示す図である。ECU1,2,3,4は太実線にて示すLAN(ローカルエリアネットワーク)ケーブル5によって接続されている。このLANケーブル5は各ECU1ないし4の図示しない送受信タスクにデータを送信する。この際細実線で示す系統はECU1から他のECU2ないし4へのデータ送信を示し、点線で示す系統はECU2から他のECU1、3,4へのデータ送信を示す。また一点破線で示す系統はECU3から他のECU1,2,4へのデータ送信を示し、二点破線で示す系統はECU4から他のECU1ないし3へのデータ送信を示す。このような3つ以上のECU間のネットワーク通信システムはCSMA方式が採用されている。
【0029】
各々のECU1ないし4は、それぞれ内部に図示しないローカルタイマを備えている。そして、各々のECU1ないし4における制御演算等の処理はそれぞれのローカルタイマ値に従い実行される。なお、各々のECU1ないし4におけるローカルタイマ値はローカルタイマ自身あるいは別の記憶部位によって一時的に記憶され、この記憶されたローカルタイマ値を始点にタイマカウントを実行することが可能となっている。なお、このローカルタイマ値の記憶は随時書き換え可能でもある。
【0030】
次に図2に基づいて各ECU1ないし4がLANケーブル5を用いて送受信するデータいわゆるメッセージフレームの形式の一例について説明する。
【0031】
図2に示すメッセージフレームは1つのメッセージフレームが0〜6のバイトで形成されている例であり、各々のバイトを集合単位として意味を持たせ、書き込み・更新が行われる。
【0032】
0バイト目は“モード番号”を意味する内容が記憶される。たとえばモード番号=0は「マスターECUからスレーブECUへローカルタイマ値を送信する際に用いられる識別手段」とし、モード番号=1は「任意の1つのスレーブECUからマスターECUおよび他のスレーブECUへローカルタイマ値を送信する際に用いられる識別手段」とし、モード番号=2は「ローカルタイマ値の差分時間の演算結果をマスターECUに送信する際に用いられる識別手段」としている。なお、モード番号=2は「ローカルタイマ値の差分時間の演算結果を、この演算を行ったスレーブECUからこの演算を行ったスレーブECU以外のスレーブECU及びマスターECUへ送信する際に用いられる識別手段」と位置付けても同等の作用を発揮する。なお、ローカルタイマ値の差分時間については後述する。
【0033】
1バイト目は“ノード番号”を意味する内容が記憶される。このノード番号はどのECUに対する同期時間情報であるかに関して規定する管理番号としている。
【0034】
2バイト目は“マスターノード番号”を意味する内容が記憶される。このマスターノード番号とは、現在のマスターECUがどのECUであるかについて規定する管理番号である。なお、このマスターノード番号は、マスターECUが固定されて決められている場合には不要となり、省くことができる。すなわちこのマスターノード番号は、マスターECUとスレーブECUとが一定時間毎あるいは制御処理タイミング毎に切り替えられる場合にどのECUが現在マスターかを規定するために用いられるものである。
【0035】
3ないし4バイト目は“ローカルタイマ値”を意味する内容が記憶される。このローカルタイマ値とは、マスターECUおよび各スレーブECUの各々が備えている制御演算等の処理のタイミングの基準となるローカルタイマの値である。なお、各ECU1ないし4内のローカルタイマは、この3ないし4バイト目にローカルタイマ値書き込みをし、またこのローカルタイマ値を読み込むことでローカルタイマの値を変更する。なお、このローカルタイマ値が3ないし4バイト目に載って送信される場合は、前述のモード番号が0または1の場合であり、モード番号が0の場合にはこの3ないし4バイト目にはマスターECUのローカルタイマ値が書き込まれ、モード番号が1の場合にはスレーブECUのローカルタイマ値が書きこまれる。なおモード番号が2の場合にはこの3ないし4バイト目には何も書き込まれず空の状態を維持する。
【0036】
5ないし6バイト目は“タイマ差分時間”を意味する内容を記憶する。このタイマ差分時間は前述のモード番号が2の際に算出されたスレーブECUのローカルタイマ値の差分時間である。
【0037】
図3に基づいて、上述の図2にて説明したメッセージフレームがECU1ないし4の間でどのようなタイミングで送受信され、各ECUのローカルタイマ値がどのように更新されて同期されるかの過程を説明する。
【0038】
この図3ではECU1をマスターECUと位置付ける。そして、ECU2ないし4をスレーブECUと位置付ける。すなわちマスターECU1はECU1ないし4のローカルタイマ値を同期させるシーケンスの最初の基準となるローカルタイマ値を持つECUとして位置付け、スレーブECU2ないし4はこのマスターECU1に従属して時間同期が図られるECUである。図3は紙面下方向に時間tの経過を示している。また、▲1▼〜■は各タイミングあるいは各タイミング間におけるECU間のシーケンスについて説明している。なお、図4は図3に示すシーケンスが実行された場合の各ECU1ないし4内のローカルタイマ値がどのように具体的に更新されて時間が同期されていくかの例を示すものであり、図4のタイミングt1の欄には各ECU1ないし4間で時間同期が成されていない段階のバラバラのローカルタイマ値の一例が記載されている。
【0039】
タイミングt1においてECU1が内部のローカルタイマ値を含むメッセージフレームAを各スレーブECU2ないし4に送信する。(図3▲1▼に相当する。)
この際のメッセージフレームAは図2に示す例を採用した場合、モード番号=0、ノード番号=1(ECU1が送信するメッセージフレームである場合を“1”とする。ECU2〜4が送信する際にはノード番号が“2〜4”に随時移行する。)、マスターノード番号=1(一例として、現在のマスターノードがECU1にある場合をマスターノード番号=1とする)、ローカルタイマ値=12秒345(図4の▲1▼と対応する)、タイマ差分値=空(現t1では差分時間を送信するタイミングではないため空である)、となっている。
【0040】
タイミングt1においてマスターECU1がメッセージフレームAを送信した後、各スレーブECU2ないし4がこのメッセージフレームAを受信するまでには、メッセージフレームAのLANケーブル5上での他のメッセージフレームとの衝突等により誤差時間すなわちタイムラグTsys1(図3の▲2▼に相当する)が生じる。よって、スレーブECU2ないし4はタイミングt1からタイムラグTsys1が経過したタイミングt2にマスターECU1からのメッセージフレームAを受信する。(図3の▲3▼に相当する。)
このタイミングt2にメッセージフレームAを受け取った際の各ECU1ないし4のローカルタイマ値は図4のタイミングt2の上欄に示す如く、タイミングt1の際のローカルタイマ値と比較してタイムラグTsys1時間分経過したローカルタイマ値となっている。なおここではタイムラグTsys1を5ミリ秒としている。
【0041】
そしてこのメッセージフレームAを受信したスレーブECU2ないし4は、このメッセージフレームAに記憶されていたローカルタイマ値(=12秒345)に書き換えて記憶する。(図3の▲4▼に相当する)
この処理はタイミングt2においてECU2ないし4がメッセージフレームを受信したと同時に行われる。
【0042】
所定の経過時間Tw1は次にメッセージフレームを送信するまでの時間を規定するあらかじめ定められた時間である。たとえば送信タスクが発信されるタイミングである。なお、この実施例ではこの間隔Tw1は一例として100ミリ秒としている。(図3の▲4▼に相当する)
よってECU2ないし4がECU1から送信されたローカルタイマ値をセットした時点では、ECU1のみが12秒350、その他のECU2ないし4は12秒345が各々のローカルタイマ値となっている。
【0043】
次にタイミングt2から経過時間Tw1が経過したタイミングt3の時点でスレーブECUの一つであるスレーブECU2が内部のローカルタイマ値を含むメッセージフレームBを他のECUここではマスターECU1およびスレーブECU3,4に送信する。(図3の▲5▼に相当する)
この際のメッセージフレームBは図2を例とすると、モード番号=1となっている。その他のバイトはノード番号=2、マスターノード番号=1、ローカルタイマ値=12S445である。
【0044】
この際のローカルタイマ値は図4のタイミングt3の欄に示すように、各々t2の時点からTw1の経過時間経過した値となる。そして、今回の送信においても所定のタイムラグTsys2(ここでは10ミリ秒を例とする)を持つ。(図3の▲6▼に相当する)
そして、タイミングt3からタイムラグTsys2が経過したタイミングt4においてECU1,3,4がECU2からのメッセージフレームBを受信する。(図3の▲7▼に相当する)
この受信時点の各ECUのローカルタイマ値は図4のタイミングt4の欄に示すように、タイミングt3の時点のローカルタイマ値と比較してタイムラグTsys2が経過した値となっている。
【0045】
ECU1は、メッセージフレームBを受信したタイミングt4に、ECU2から送信されたローカルタイマ値をセットする。図4のt4の下欄に示すようにECU1にはタイミングt3におけるECU2のローカルタイマの値である12秒445がセットされることとなる。この時点においても未だECU1ないし4ではマスターECUであるECU1のみがタイムラグTsys2の分、他のECUにおけるローカルタイマ値と差を生じている。
【0046】
また経過時間Tw2の間にマスターECU1内のローカルタイマ値の書き換えの基準となったスレーブECU2を除く他のスレーブECUにおいて、内部のローカルタイマ値と、マスターECU内のローカルタイマ値の書き換えの基準となったスレーブECU内のローカルタイマ値すなわち受信したローカルタイマ値との差分時間を算出する。ここではECU3内のローカルタイマ値(12秒455)と、ECU2から送信されてきたメッセージフレームBに記憶されていたローカルタイマ値(12秒445)との差分時間を算出する。(図3の▲8▼’に相当する)
なお、経過時間Tw2はTw1と同義で、次にメッセージフレームを送信するまでのあらかじめ定められた時間であり、ここでは一例として100ミリ秒としている。
【0047】
そして、タイミングt4時点から経過時間Tw2が経過したタイミングt5において、差分時間を含むメッセージフレームCをスレーブECU3から他のECU1,2,4に送信する。なお、このメッセージフレームCの送信はECU3からマスターECU1のみに送信するようにしてもよい。(図3の▲9▼に相当する)このタイミングt5の時点では図4に示すようにECU1がECU2から受信したローカルタイマ値をセットした時点の各々のECUのローカルタイマ値と比較して経過時間Tw2分経過している。
【0048】
なお、メッセージフレームCは図2を例にとれば、モード番号=2、ノード番号=3、マスターノード番号=1、ローカルタイマ値=空、タイマ差分値=10ミリ秒、となっている。
【0049】
タイミングt5からタイムラグTsys3が経過したタイミングt6において少なくともマスターECU1が差分時間の情報を受信する。(図3の■に相当)なお、図4のタイミングt6の欄に示すように、タイミングt6の時点ではタイムラグTsys3の分経過している。なお、タイムラグTsys3は一例として10ミリ秒としている。
【0050】
マスターECU1は時間t6において差分時間の情報を受信した際に直ちに自身のローカルタイマ値に差分時間分をプラスする。(図3の■’に相当する)
このようなタイミングt1〜t6のシーケンスを実行することによってECU間の高い時間同期精度を実現することができる。また、この実施例では、ネットワーク上のメッセージフレームの衝突による誤差時間すなわちタイムラグTsys1〜3も加味したECU間の時間同期を実現することが可能である。
【0051】
次に本発明にかかる第2の実施形態を図5に基づいて説明する。
【0052】
図5に示す実施形態では、マスターECUの機能として、自身で送信したメッセージフレームを自身で受信することができる機能を備えることを前提としている。そして、このような機能を備えるマスターECUが存在する場合には、スレーブECUは1つ以上存在すれば、マスターECUと1つ以上のスレーブECU間の時間同期を図ることができる。なお、スレーブECUの必須機能として、自身のローカルタイマ値をマスターECUから送信されたローカルタイマ値に書き換え記憶することができること、およびスレーブECU自身のローカルタイマ値に対してマスターECUから送信された差分時間情報を加算することができることが必要である。
【0053】
図5には時間tごとにおけるマスターECUおよびスレーブECU内のローカルタイマ値の移り変わり、および各タイミングT1〜T4におけるシーケンスが示されている。
【0054】
タイミングT1においてマスターECUが自身の現在のローカルタイマ値をスレーブECUおよび自分自身に送信する。
【0055】
送信によるタイムラグTadv後であるタイミングT2においてマスターECUおよびスレーブECUはタイミングT1にマスターECUから送信されたローカルタイマ値Tadjを同時に受信する。そして、このタイミングT2においてスレーブECUは自身のローカルタイマ値を受信したローカルタイマ値(Tadj)に変更・記憶する。
【0056】
T2からT3までの間であるTpassの間は、次にメッセージフレームを送信するまでの時間を規定するあらかじめ定められた時間であり、第1の実施形態におけるTw1,Tw2と同義である。
【0057】
タイミングT3では、マスターECUがタイミングT2で受信した自身のローカルタイマ値(Tadj+Tadv)とタイミングT1で送信したローカルタイマ値Tadjとの差分時間を算出する。そして、スレーブECUにこの差分時間の情報を送信する。
【0058】
T3からT4までの間であるTadv2のタイムラグ後のタイミングT4では、スレーブECUにおいてマスターECUからタイミングT3の時点で送信された差分時間をスレーブECU内のローカルタイマ値に加算する。
【0059】
このようなシーケンスを実行することにより、マスターECUとスレーブECUとにおけるローカルタイマ値が時間同期される。
【0060】
なお、この第2の実施形態においても、スレーブECUは複数備えられてもよく、スレーブECUが複数存在する場合、マスターECUから送信される情報、すなわちタイミングT1におけるローカルタイマ値、タイミングT3における差分時間情報を各々のスレーブECUが受けて、差分時間情報をスレーブECUのローカルタイマ値に加算すればよい。
【0061】
また、上述の第2の実施形態において差分時間はタイミング3において演算されていたが、タイミングT2で算出してタイミングT3でスレーブECUに送信するようにしてもよい。
【0062】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々変更可能である。
【0063】
たとえば、上記実施形態において、マスターECUをあらかじめECU1に固定してもよく、また制御タイミング毎あるいは/および所定時間毎あるいは/およびシーケンス開始タイミング毎にマスターECUをECU1〜4のうちで変更していってもよい。すなわち今回はマスターECU=ECU1、スレーブECU=ECU2〜4であっても、次回の時間同期処理時にはマスターECU=ECU2、スレーブECU=ECU1,3,4としてもよい。このようにマスターECUを随時変更できるようにすれば、特定のECUたとえば固定されたマスターECUが故障した場合においても、他のECUがマスターECUとなった時にECU間の時間同期を図ることができるというメリットがある。
【0064】
また、上記実施例におけるシーケンスは、定期的に所定時間毎に実行するようにしてもよいし、車両等に用いられる場合にはイグニッションスイッチのON動作タイミング毎に実行されるようにしてもよい。また時間同期のシーケンスの実行は、時間同期を行うECUの制御実行タイミング、制御終了タイミングに合わせて時間同期のシーケンスを実行するようにしてもよい。なお、制御実行タイミングとは制御開始直前とすればよい。また、どのECUの制御実行・終了タイミングを基準とするかは、たとえば時間同期を図るECU群のうち、上位の階層にある制御の実行・終了としてもよい。
【0065】
また上述までの実施例では、メッセージフレーム中のノード番号としてどのECUにおけるローカルタイマ値の差分時間かを規定する識別信号として用いたが、こればかりでなく、たとえば差分時間の結果がどのECUがマスターECUである場合の差分時間かを識別するために用いるようにしても良い。
【0066】
またメッセージフレームが他のECUに送信されて来るべき時間間隔を予め規定し、この規定の時間間隔を超えても差分時間の情報を含むメッセージフレームが送信されてこなかった場合には別のECU間の差分時間を規定したノード番号で差分時間の情報を送信するようにしてもよい。具体的に言えば、上述の実施例においてECU3において差分時間を算出していたが、この場合のノード番号を1とすると、このノード番号=1を含むメッセージフレームが規定時間を超えても送信されなかった場合、ECU4において差分時間を演算し、ECU4における差分時間の情報をノード番号=2としてメッセージフレームに載せて送信するようにしてもよい。このノード番号=1を含むメッセージフレームが規定時間を超えても送信されなかった場合の検出および/あるいは差分時間の演算を他のECU4に実行させ少なくともマスターECUに送信させる機能は、スレーブECU3に持たせてもよいし、マスターECU1においてこのメッセージフレームを受信しなかったことを検出するようにしてもよい。またこの差分時間情報を含むメッセージフレームがECU3からECU4等の他のスレーブECUに送信されるように設定されている場合には、他のスレーブECU例えばECU4にこのような機能を持たせるようにしても良い。なお、差分時間が規定時間を超えても送信されない原因としてはECUの故障あるいは/およびECU2ないし4の中に差分時間を演算する機能のない既製汎用品のECUが混在していて、そのECUが上述の実施例のECU3に相当していた場合にはECU3からは何時まで経っても差分時間の情報が送信されないことが予想できる。しかしながら、ノード番号に以上のような機能を持たせるとECU故障に対する補償性が増し、あるいは/および既製汎用品ECUを混在してネットワーク上に採用することが可能となる。
【0067】
ようするに、既製汎用ECUにおいてもローカルタイマ自体は漏れなく存在するため、ローカルタイマ値を読み込み・書き換えする機能とローカルタイマ値をメッセージフレーム等に載せて送受信する機能を備えれば、他のECUとの時間同期を採ることが可能である。なお、ローカルタイマ値を読み込み・書き換えする機能とローカルタイマ値をメッセージフレーム等に載せて送受信する機能が存在しないECUに際しては、ECU内に擬似タイマを設け、この擬似タイマにおいて前述までの実施形態におけるローカルタイマ値の変更・書き換え・送信を行えば、全てのECUに対して時間同期を採ることも可能である。
【0068】
このように本願発明による時間同期の方法は、時間同期を必要とするECUと時間同期を必要としないECUとが混在するシステムにも適用できるし、時間同期を必要とするECUの集合単位がシステム上に2つ以上存在する場合においても適用することができる。たとえばECU1,2,3、4で時間同期を図り、これらのECU1〜3とは独立してECU5,6、7(図示なし)で時間同期を図る場合には例えば図2に図示したメッセージフレームにおけるマスターノード番号によりマスターECUを分けて管理し、且つ別のバイトを設けること等により時間同期を図る集合単位を区別するようにしてもよい。
【0069】
また、時間同期を採るためにメッセージフレームA〜Cを他の制御用のメッセージフレームと独立して設けるようにしてもよいし、または既存の制御用あるいはデータ用等のアプリケーションメッセージフレーム中に必要データを混在させるようにしても良い。この際には特別に時間同期用のメッセージフレームを用意する必要はない。たとえば車両の制御で言えば、車体速度、車輪速度、エンジン回転数、吸入空気量、ステアリング回転角等のいずれか/あるいは全てが複数個データとしてメッセージフレームに格納され、ECU間を通信される。このようなメッセージフレームに本願発明におけるECU間の時間同期を実現する上で必要なモード番号、ローカルタイマ値、タイマ差分値等を付加してアプリケーションメッセージフレームとしてECU間で送受信するようにしてもよい。この場合にはネットワーク上のデータ転送効率を向上でき、またメッセージフレームが衝突して誤差時間自体が長くなることを抑制することができる。なお、アプリケーションメッセージフレームには必要に応じて、前述のノード番号、マスターノード番号を付加するように構成してもよい。
【0070】
なお、図2にて説明したメッセージフレームの例では、ローカルタイマ値用のバイトと差分時間用のバイトとを分けていたが、1つのバイトまたはバイト群においてローカルタイマ値を送る場合にはローカルタイマ値を記憶し、差分時間情報を送信する場合には差分時間を記憶するように、1つのバイトまたはバイト群を共用するようにしてもよい。このような共用はアプリケーションメッセージフレームを採用した場合のも同様に実現できる。
【0071】
また、上述までの実施例はCSMA方式によるネットワークで接続されたリアルタイム分散システムに適用した場合、処理応答時間制約が厳しい車両の挙動制御や統合制御等のシステムにおいて制御性能を向上させることが可能である。なお、CSMA方式によるネットワーク方式では前述の実施形態におけるタイムラグTsys1、Tsys2、Tsys3、Tadv,Tadv2は、どのECU間であっても一律同じ時間である。よって本願発明は、CSMA方式によるネットワークで接続されたシステム以外でも、タイムラグTsys1、Tsys2、Tsys3、Tadv,Tadv2がどのECU間でも同じとなる通信システムであれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信システムを示す概略図である。
【図2】メッセージフレームの構成の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態によるECU1〜4のローカルタイマの時間同期のシーケンスを示す図である。
【図4】第1の実施形態によるECU1〜4のローカルタイマ値が時間同期される際の具体例を示す図である。
【図5】第2の実施形態を示すシーケンスを示す図である。
【符号の説明】
1〜4・・・ECU
5・・・LANケーブル
Claims (18)
- 各々がローカルタイマを備える3つ以上の複数のECUの間を接続したネットワーク通信システムにおいて、
前記ECUの内の一つにマスターECUと、前記ECUの内の残るECUであって前記マスターECUのローカルタイマ値に合わせられるスレーブECUとが規定され、
前記ECU全てに前記ローカルタイマ値を記憶する記憶手段が備えられ、
前記スレーブECUのうちの一つは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記マスターECUから送信されるローカルタイマ値に自身のローカルタイマ値を合わせるとともに前記マスターECUおよび残るスレーブECUにこのローカルタイマ値を送信する機能を備え、
前記残るスレーブECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記マスターECUから送信されるローカルタイマ値に自身のローカルタイマ値を合わせるとともに、前記スレーブECUのうちの一つから送信されたローカルタイマ値とこの送信を受る以前に記憶していた自身のローカルタイマ値との差分時間を算出して前記マスターECUに差分時間情報を送信する機能を備え、
前記マスターECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記スレーブECU全てに自身のローカルタイマ値を送信する機能を有するとともに、前記スレーブECUの内の一つから送信されたローカルタイマ値に前記差分時間を加算して自身のローカルタイマ値とする機能を備える事を特徴とするネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 複数のECU間をネットワークで接続して、複数のECU間で連携した制御処理を実行するネットワーク通信システムを用いた制御処理システムにおいて、
前記複数のECUは、各々ローカルタイマとこのローカルタイマの値を記憶する記憶手段を備えており、
前記複数のECUにおいてマスターECUとこのマスターECUのローカルタイマ値に時間同期される複数のスレーブECUとが位置付けられ、
前記マスターECUが前記複数のスレーブECUに対して前記ローカルタイマ値を送信する第1ステップと、
前記複数のスレーブの全てが第1ステップにて送信された前記ローカルタイマ値を各々のスレーブECU自身のローカルタイマ値として記憶して該スレーブECUの内の少なくとも一つが他の全てのECUに対して記憶したローカルタイマ値を送信する第2ステップと、
前記第2ステップによる送信を受けた前記スレーブECUの内の少なくとも一つがこの送信によるローカルタイマ値と記憶していたローカルタイマ値との差分時間を算出して、前記マスターECUにこの差分時間の情報を送信とともに、前記マスターECUは前記第2のステップにより送信されたローカルタイマ値に前記差分時間を加算して記憶する第3のステップと、
を備えることを特徴とするネットワーク通信システムを用いた制御処理システム。 - 各々がローカルタイマを備える2つ以上の複数のECUの間を接続したネットワーク通信システムにおいて、
前記複数のECUの内の一つであって自身が送信したメッセージフレームを自身で受信する機能を備えるマスターECUと、前記複数のECUの内の残るECUであって前記マスターECUのローカルタイマ値に合わせられるスレーブECUとが規定され、
前記マスターECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に全ての前記スレーブECUおよび自身に対してローカルタイマ値を送信し、且つこの送信したローカルタイマ値を自身でも受信できる機能を有するとともに、この送信した時刻と自身で受信した時刻との差分時間を演算してこの差分時間情報を前記スレーブECUに送信する機能を備え、
前記スレーブECUは、前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に前記マスターECUから送信されるローカルタイマ値に自身のローカルタイマ値を合わせるとともに、前記マスターECUから受信した前記差分時間情報を自身のローカルタイマ値に加算して記憶する機能を備えることを特徴とするネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 複数のECU間をネットワークで接続して、複数のECU間で連携した制御処理を実行するネットワーク通信システムを用いた制御処理システムにおいて、
前記複数のECUは、各々ローカルタイマとこのローカルタイマの値を記憶する記憶手段を備えており、
前記複数のECUにおいて、自身が送信したメッセージフレームを自身で受信する機能を備えるマスターECUと、前記マスターECUのローカルタイマ値に時間同期されるスレーブECUとが位置付けられ、
前記マスターECUが前記スレーブECUおよび自身に対してローカルタイマ値送信する第1のステップと、
前記マスターECUおよび前記スレーブECUが前記第1のステップにおける送信を受信した際に、前記マスターECUにおいて前記第1ステップにおける送信時刻および受信時刻の差分時間を演算して前記スレーブECUに送信するとともに、前記スレーブECUにおいてスレーブECUのローカルタイマ値を前記第1ステップにより受信したマスターECUのローカルタイマ値に変更する第2のステップと、
前記第2のステップにより前記スレーブECUが受信した前記差分時間を前記スレーブECUが自身のローカルタイマ値に加算する第3のステップと、
を備えることを特徴とするネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 前記マスターECUは、所定のタイミングで前記複数のECUの内の他のECUに変更されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、
このメッセージフレームにはローカルタイマ値の情報の他に前記差分時間がどのスレーブECUで演算されるものかを規定する情報が含まれ、
且つ、前記差分時間の情報が所定時間経過しても送信されなかったあるいは/および少なくとも前記マスターECUが受信しなかった場合には、他のスレーブECUに差分時間を演算させて少なくとも前記マスターECUに送信させる機能を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項5に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 前記ローカルタイマの時間同期を図る過程の最初に少なくとも時間同期を図る必要のあるスレーブECUに対して自身のローカルタイマ値を送信することが所定時間の間にできなかった場合、あるいは/および前記スレーブECUの内の一つから前記差分時間の情報を受信した際に自身のローカルタイマ値に差分時間を加算することができなかった場合を検出および判断する手段を設け、この検出手段で肯定判断された場合にはマスターECUを前記スレーブECUの内の一つに変更することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項5または請求項6に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記他のスレーブECUに差分時間を演算させて少なくともマスターECUに送信させる機能は、前記差分時間を送信できなかったスレーブECU、前記差分時間の情報を受けることになっていたスレーブECU、あるいはマスターECU自身のいずれか1つあるいは複数に備えられていることを特徴とする請求項6に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記マスターECUは、前記複数のECUの内、自身が送信したメッセージフレームを自身で受信する機能を備えるECUに所定のタイミングで変更されることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、
前記差分時間の情報が所定時間経過しても送信されなかったあるいは/および前記スレーブECUが受信しなかった場合には、他のECUをマスターECUとすることを特徴とする請求項9に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 前記所定のタイミングは、車両のイグニッションスイッチのON毎であることを特徴とする請求項5または請求項9に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記所定のタイミングは、前記複数のECUの内のいずれかのECUにおける制御タイミングであることを特徴とする請求項5または請求項9または請求項11に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、
このメッセージフレームにはローカルタイマ値の情報の他に現在のマスターECUがどのECUかを規定する情報が含まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 前記ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、
このメッセージフレームは、他に制御用データ等を含むアプリケーションメッセージフレームであって、該アプリケーションメッセージフレームに前記ローカルタイマ値、現在のマスターECUがどのECUであるかの情報、差分時間の情報が含まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - 前記メッセージフレームは全て、前記複数のECUのローカルタイマの時間同期のみを行うものではないことを特徴とする請求項14に記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記ローカルタイマ値は前記ネットワーク通信システムにおいてメッセージフレームにのせて通信され、
このメッセージフレームは他の制御用データを含まず、前記時間同期を行う際のデータが含まれるのみであることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。 - システムの中で、前記複数のECUは、前記時間同期を行われるECU群と前記時間同期が行われないECUとが含まれていることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
- 前記ネットワーク通信システムは、CSMA方式の多重通信システムが採用されていることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれかに記載のネットワーク通信システムおよびこのネットワーク通信システムを用いた制御処理装置。
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