JP2004064006A - 非破壊測定装置および半導体装置製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板電流測定部100は、微細構造が形成された領域に対して、所定の照射角度で電子ビームを順次異なる照射エネルギで走査し、その時の基板電流を測定する。データ記憶部200は、基板電流値と照射エネルギ値と照射座標値からなる測定データ系列を記憶する。数値演算処理部300は、データ記憶部200に記憶された測定データ系列を読み出し、この測定データ系列と、予め準備された参照データ系列との相関値を演算し、最も高い相関値を与える参照データ系列の膜厚値を出力する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上の微細構造の寸法値および側壁形状を測定するのに好適な非破壊測定装置と、該非破壊測定装置により測定された寸法値を用いて半導体装置を製造するための半導体装置製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多数の微細素子から形成された半導体集積回路を製造するにあたって、各素子の寸法、各配線の寸法、素子間の距離、配線間の距離等を管理することは、製品の品質を確保する上で極めて重要である。一般に、素子の寸法は、その規格寸法の±10%以下の精度で管理されており、そのための計測精度は規格寸法の50分の1以下が要求されている。従来、この種の測定を行う場合、電子ビーム走査により微細構造の測長を行ういわゆる測長SEM(Scanning Electron Microscope)が用いられている。この測長SEMは、電子ビームで試料上を二次元的に走査し、試料表面から放出される二次電子を検出し、その検出信号に基づいて微細構造の寸法を測定する。この測長SEMによれば、半導体ウェハ内の微細構造について、一次元的あるいは二次元的な寸法の計測を局所的に行うことができる。
【0003】
ところで、最小線幅が100nmの世代の製品においては、半導体集積回路の微細構造形状を±10nm以下の精度で製造工程を管理する必要があり、微細構造の側壁の形状をモニタする必要に迫られている。なぜなら、その管理寸法が微細構造の傾斜部分の寸法と同等の長さにまで達してきたからである。このような課題の解決を図った技術として、特開2OO2−83849号公報に開示された技術がある。この技術によれば、異なる加速電圧で電子ビームを走査したときの電子ビームの被検査試料に対する透過率の違いから、被検査試料の深さ方向の構造に関する情報を取得して三次元情報を出力させることができ、したがって側壁形状を把握することが可能になる。
【0004】
上述の特開2OO2−83849号公報に開示された技術は、高アスペクトレシオの微細構造であっても信号の回収効率が高いため、特開平8−7818号公報、特開2000−146558号公報、特開平5−299048号公報、特開平11−264726号公報に示されるような二次電子像(SEI)を利用した方法に比較して、測定精度の点で優れている。また、上述の特開2OO2−83849号公報に開示された技術は、電子ビームの照射エネルギをさほど高くする必要がないため、「走査電子顕微鏡、日本電子顕微鏡学会、関東支部編、共立出版株式会社、p.86」に示されているような反射電子像(BEI)を利用した方法に比べて、分解能の点でも優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特開2OO2−83849に記載された従来技術では、順次異なった照射角度で電子ビームを照射し基板電流信号を測定した後、照射角度値と基板電流信号からなる測定データ系列を利用したアルゴリズムによって構造情報を出力するものであるため、次のような課題を抱えていた。
第一の課題は、三次元画像の情報が得られるまでに非常に長い処理時間を必要とすることである。これは、コンピュータ断層撮像装置(CT)と同様の原理に基づく演算処理を行うものであるために、試料が載置されたステージの傾斜角度を所望の値へ非常に精密に設定しなければならないことと、試料に対する電子ビームの入射角度とを利用した複雑なアルゴリズムを処理しなければならないためである。
第二の課題は、ステージの停止精度が不十分であるために、十分な測定精度が得られないことである。これは、試料のウェハに対する電子ビーム入射角度を変える必要上、ウェハを保持するステージ自身を傾斜させる機構を要し、ステージそのものの構造が非常に複雑になるためである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、特開2OO2−83849号公報に記載された技術を改善し、ホール構造やライン構造、トレンチ構造を始めとした半導体デバイスの微細構造の深さ方向に関する情報をより精度良く測定することが可能な非破壊測定装置を提供することを目的とする。
本発明の他の日的は、半導体装置の各製造工程において、微細構造の形成状態の良否を工程単位別にインライン管理し、前記微細構造の形成状態の管理及びそれに伴う設備や工程条件調整のためのフィードバック時間を短縮し、生産管理及びエ程管理を改善するのに要する期間を短縮することができる半導体装置製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明に係る非破壊測定装置は、半導体基板の主面に対し所定の照射角度を保って順次異なる複数の照射エネルギーで電子ビームを走査すると共に前記半導体基板内に発生する基板電流を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された基板電流値を、該基板電流値と前記電子ビームの照射座標と該電子ビームの照射エネルギー値とからなるデータ系列の形態で記憶する記憶手段と、前記記憶手段に前記データ系列の形態で記憶された前記基板電流と前記照射エネルギーとの関係に基づき前記照射座標における前記半導体基板上の微細構造を推定する推定手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非破壊測定装置において、前記推定手段が、前記半導体基板上の微細構造物がとり得る膜厚値に対応づけて、前記電子ビームの照射エネルギー値と、該照射エネルギー値に対して測定されるべき基板電流値とからなる参照データ系列とを記憶して有し、前記記憶手段から前記電子ビームの各照射座標における測定データ系列を取得し、該測定データ系列と前記参照データ系列との相関値を演算する相関演算部と、前記相関演算部の演算結果として最も高い相関値を与える参照データ系列に対応づけられる前記膜厚値を、前記電子ビームの照射座標に対応づけて出力する最大値決定部と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の非破壊測定装置において、前記推定手段が、前記半導体基板上の微細構造物がとり得る複数の膜厚値に対応づけて、前記電子ビームの照射エネルギー値と、該照射エネルギー値に対して測定されるべき基板電流値とからなる複数の参照データ系列とを記憶して有し、前記記憶手段から前記電子ビームの各照射座標における測定データ系列を取得し、該測定データ系列と前記複数の参照データ系列との相関値を演算する相関演算部と、前記複数の参照データ系列のうち前記相関演算部の演算結果として最も高い相関値を与える参照データ系列に対応づけられる膜厚値を、前記電子ビームの照射座標に対応づけて出力する最大値決定部と、を具備することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3の何れか1項に記載の非破壊測定装置において、前記測定手段が、前記電子ビームの加速電圧を固定したままで、前記半導体基板に定電圧を印加すると共に該定電圧を変更可能に構成された定電圧供給回路を備えて構成されたことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載された非破壊測定装置において、前記測定手段が、前記定電圧を接地電圧として前記基板電流の電気信号を光信号に光電変換する第1の光電変換器と、前記第1の光電変換器により変換された光信号を受光し、大地電位を接地電圧として電気信号に光電変換する第2の光電変換器と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2ないし5の何れか1項に記載の非破壊測定装置において、測定データ系列および参照データ系列が、前記測定手段による基板電流測定時の電子ビーム照射電流量で正規化されていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6の何れかに記載の非破壊測定装置において、前記相関演算部が、前記膜厚値に代えて材料名に対応づけて前記参照データ系列を記憶し、前記最大値決定部は、前記膜厚値に代えて前記材料名を出力することを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明に係る半導体装置製造方法は、半導体基板に対する所定の微細構造形成工程が終了した後、請求項1ないし7の何れかに記載の非破壊測定装置を用いて前記微細構造の形状を測定する第一のステップと、前記第一のステップにより得られた測定結果を所定の後段階作業工程が定める工程基準データと比較する第二のステップと、前記第二のステップによる比較結果に基づいて、前記所定の微細構造形成工程で形成された微細構造の良否をインラインで判定する第三のステップと、を含むことを特徴とする。
【0011】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8記載の半導体装置製造方法において、前記工程基準データが、前記後段階作業工程が理想とする寸法値あるいは断面形状の微細構造を有する半導体基板に対して、請求項1ないし7の何れかに記載の非破壊測定装置を用いて測定されたデータであることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載の半導体装置製造方法において、前記微細構造形成工程が、微細構造を形成するために前記半導体基板上にコーティングされたフォトレジストあるいは電子線レジストを露光および現像する工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記露光および現像工程後に行われることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項8または9に記載の半導体装置製造方法において、前記微細構造形成工程が、微細構造を形成するために前記半導体基板上に形成された絶縁物質層をエッチングする工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記絶縁物質層のエッチング工程後に行われることを特徴とする。
【0012】
また、請求項12に記載の発明は、請求項8または9に記載の半導体装置製造方法において、前記微細構造形成工程が、微細構造を形成するために前記半導体基根上に形成された金属物質層をエッチングする工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記金属物質層のエッチング工程後に行われることを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、請求項8または9に記載の半導体装置製造方法において、前記微細構造形成工程が、微細構造を形成するために前記半導体基板上に形成された半導体物質層をエッチングする工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記半導体物質眉のエッチング工程後に行われることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、請求項10ないし13のいずれかに記載の半導体装置製造方法において、前記第一のステップでの測定結果に応じて該当する設備や工程条件を調整する調整工程を更に備えたことを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、請求項14に記載の半導体装置製造方法において、前記調整工程が、前記第一のステップでの測定結果を自動的にフィードバックすることによって実施されることを特徴とする。
【0013】
換言すると、本発明は以下のようである。
第一に、本発明は、例えば半導体基板上の微細構造を測定する電子顕微鏡を利用して構成され、この電子顕微鏡は、前記微細構造が含まれる半導体基板上所定の同一領域に対して、同一照射角度で、順次異なる照射エネルギの電子ビームを走査して基板電流信号を測定する手段と、前記測定した基板電流信号を電子ビーム照射座標と基板電流値と照射エネルギ値からなるデータ系列の形態で記憶する手段と、前記測定データ系列を用いて当該走査領域に含まれる微細構造の構造情報を算出する数値演算処理部とを具備している。
【0014】
前記数値演算処理部は、同一電子ビーム照射座標における照射エネルギと基板電流値からなる測定データ系列を用いて当該座標における膜厚値を算出する手段と、前記膜厚値の算出を当該電子ビーム走査領域に含まれる座標全てに対して実施する手段を具備している。前記数値演算処理部における膜厚算出手段は、照射エネルギと基板電流値からなる測定データ系列と、膜厚値を有した照射エネルギと基板電流値からなる参照データ系列との相関演算を当該数値演算処理部が具備する全ての参照データ系列に対して実施する手段と、前記全ての相関演算値の中から最も高い相関演算値を決定し、当該参照データ系列の膜厚値を出力する手段を有している。前記数値演算処理部が具備する参照データ系列は、膜厚値に関して複数種類の参照データ系列の集合であることを特徴としている。
【0015】
また、前記数値演算処理部は、同一電子ビーム照射座標における照射エネルギと基板電流値からなる測定データ系列を用いて当該座標における材料名を算出する手段と、材料名の算出を当該電子ビーム走査領域に含まれる座標全てに対して実施する手段を具備している。前記材料名を算出するための手段は、照射エネルギと基板電流値からなる測定データ系列と、材料名を有した照射エネルギと基板電流値からなる参照データ系列との相関演算を当該数値演算処理部が具備する全ての参照データ系列に対して実施する手段と、前記全ての相関演算値の中から最も高い相関値を決定し、当該参照データ系列の材料名を出力する手段を具備している。また、本数値演算処理部が具備する参照データ系列は、材料名について複数種類の参照データ系列の集合であることを特徴としている。
相関演算手段における測定データ系列および参照データ系列は、基板電流測定時の電子ビーム照射電流量で正規化されていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明による半導体装置製造方法は、所定の微細構造形成工程が終了した半導体基板に対して、前記いずれかの微細構造測定方法を実施する第一のステップと、前記第一のステップにより得られた微細構造データ評価の結果に基づいて所定の後段階作業工程が定める微細構造データとの比較を行う第二のステップと、前記比較ステップの結果に基づいて半導体基板上微細構造の形成状態の良否をインラインで管理するステップとを備えたことを特徴とする。
この所定の微細構造形成工程は、微細構造を形成するためのフォトレジストあるいは電子線レジストの露光及び現像工程後、微細構造を形成するための絶縁物質層のエッチング工程後、微細構造を形成するための金属物質層のエッチング工程後、及び微細構造を形成するための半導体物質層のエッチング工程後にそれぞれ実施されることが好ましい。
更に、半導体基板上の微細構造の測定結果に応じて、該当する設備や工程条件を調整する工程を備えることが好ましい。この場合、前記調整工程は、前記微細構造の測定結果を自動的にフィードバックするようにするとよい。
【0017】
本発明によれば、検出される基板電流は、物理的に半導体基板上の微細構造を透過し、前記半導体基板に到達した電子量に依存したものである。この透過量は、被照射物である前記微細構造内での電子散乱現象により理解することができ、主に微細構造内での電子飛跡(弾性散乱現象)および電子と微細構造を構成する原子とのエネルギ授受(非弾性散乱現象)により決定される。一般的に、被照射物が単一の材料で構成されている場合、二次電子電流と基板電流(吸収電流とも称される)の大きさは両者とも二次電子放出率によって決定される。
【0018】
これに対して、本発明で取り扱うような半導体基板上に存在する微細構造が被照射物である場合、二次電子電流は二次電子放出率で決定され、基板電流は前記透過量で決定される。二次電子は、如何なる照射エネルギの電子ビームを照射しようとも、被照射物の深さ約100Åより浅い表層部分からしか離脱されないから、前記微細構造の厚さ情報を引き出すことが本質的にできない。これに対して、基板電流は照射エネルギが大きくなるほど前記透過量は大きくなるため、その値は照射エネルギに大きく依存し、前記微細構造の厚さ情報を引き出すことが可能となる。更に、前記透過最は被照射物質を構成する原子のポテンシャルエネルギに影響されるから、前記微細構造の材料情報を引き出すことも可能である。
【0019】
また、基板電流は二次電子と異なり本質的に微細構造の帯電現象に攪乱されることが非常に少ないため、本発明の測定方法は従来の二次電子を利用した測定方法と比較してその測定精度が本質的に高い。図19は、SiO2薄膜へ電子ビームを照射したときの侵入深さと電子ビーム照射エネルギとの関係を示したデータである。従って、電子ビームを照射した地点に関して、照射エネルギ毎の基板電流信号を測定し、前記照射エネルギに対する基板電流信号変化から、前記電子ビーム照射地点における半導体基板上の材料あるいはその膜厚を決定することができる。そして前記処理を電子ビームが走査した領域全体にわたり実施することで、測定対象物である微細構造の寸法値あるいは断面形状を決定することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
先ず、図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る非破壊測定装置の構成を説明する。この実施形態1では、被測定対象となる微細構造を有する基板として、半導体装置の製造に使用される半導体基板(シリコンウェハ)が用いられ、当該半導体基板上に形成されている微細構造の寸法値および側壁形状を測定する。
図1に示すように、この非破壊測定装置は、基板電流測定部100、データ記憶部200、数値演算処理部300から構成される。基板電流測定部100は、特開2OO2−83849号公報に開示された走査型電子顕微鏡を利用して構成されたものであり、微細構造が形成された半導体基板上の所定の同一領域に対して、同一照射角度の電子ビームを順次異なる照射エネルギ走査し、このときに半導体基板に誘起される基板電流信号を測定するものである。
【0021】
図2(a)に基板電流測定部100の構成を示す。基板電流測定部100は、電子ビーム発生器101、移動ステージ102、電子ビーム制御手段103、および基板電流検出電極104、基板電流信号増幅器105、基板電流信号A/D変換器106を含んで構成される。電子ビーム発生器101が発生する電子ビームの光軸は、移動ステージ102上に載置される半導体基板の主面に対して所定の照射角度をなすように設定される。移動ステージ102は、2次元平面(XY平面)を移動可能に構成されたものであって、その移動中にステージ面と電子ビームとがなす角度を一定に保つようになっている。電子ビーム制御手段103は、電子ビーム発生器101の作動および移動ステージ102の移動を制御するものであり、電子ビームの照射エネルギ、照射電流量、走査速度および走査位置を決定する。
【0022】
移動ステージ102の上面には、被測定対象物の半導体基板の裏面に接触するように基板電流検出電極104が設置される。この基板電流検出電極104には基板電流信号増幅器105の入力部が接続され、この基板電流信号増幅器105の出力部は基板電流信号A/D変換器106の入力部に接続される。基板電流信号増幅器105は、基板電流検出電極104により検出された基板電流を増幅するものであり、基板電流信号A/D変換器106は、基板電流信号増幅器105により増幅された基板電流信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するものである。従って、基板電流信号測定部100からデータ記憶部200へ転送される信号はディジタル信号である。図示しないが、基板電流信号A/D変換器106の後段には、測定された基板電流信号に対してフーリエ変換処理を実施する手段と、前記処理結果と任意関数との数値演算を実施する手段と、前記数値演算の処理結果に対して逆フーリエ変換処理を実施する手段が設けられている。
【0023】
ここで、上述の基板電流信号A/D変換器106のサンプリング周期は、基板電流検出電極104から基板電流信号A/D変換器106の入力部へ至る伝送線路が有する時定数の0.1倍以上であって10倍以下に設定されている。図2(b)に、基板電流検出電極104から基板電流信号A/D変換器106へ至る伝送経路の等価電気回路を示す。同図に示すように、この等価電気回路は、信号経路とグランド(接地)との間に並列接続された寄生容量Cpと基板電流信号増幅器105の入力抵抗Riとにより表現される。ここで言う時定数とは、基板電流信号増幅器105の入力抵抗値、半導体基板と基板電流検出電極との間に存在する給電容量値、基板電流検出電極と対物レンズとの間に存在する静電容量値などによって主に決定される。例えば、基板電流信号測定部100における時定数が0.3msecであった場合、基板電流信号A/D変換器106のサンプリング周期は0.3msec以上であって3msec以下に設定される。
【0024】
以下、図3ないし図5を参照して、この実施の形態の動作を説明する。
先ず、被測定対象物である半導体基板を図2に示す基板電流検出電極104に接触させて移動ステージ102に載置する。移動ステージ102は、電子ビーム制御手段103の制御の下に、非測定対象物の半導体基板を搭載し且つこの半導体基板の表面に電子ビーム発生器101から放出された電子ビームが照射されるように半導体基板の位置決めを行う。続いて、基板電流測定部100をなす電子ビーム制御手段103の制御の下、電子ビーム発生器101から放出される電子ビームを半導体基板上に走査する。図3に、走査対象の半導体基板上に形成された微細構造の形状と、電子ビームの走査線との関係を示す。この例では、微細構造として配線を想定し、配線の長手方向に対してほぼ直交するように走査線が設定されている。
【0025】
ここで、図1に示す基板電流測定部100は、半導体基板の主面上の同一領域に対し所定の照射角度を保って順次異なる複数の照射エネルギーで電子ビームを走査すると共に、前記半導体基板内に発生する基板電流を測定する。具体的には、電子ビーム制御手段103が、電子ビーム発生器101の照射エネルギをV1に設定した後、電子ビーム制御手段103の制御の下、電子ビームを半導体基板上の所望の領域に走査する。この時の基板電流は、基板電流信号増幅器105により増幅され、基板電流信号A/D変換器106によりデジタル信号にA/D変換される。基板電流測定部100は、このデジタル信号に変換された基板電流を電子ビーム照射点の座標情報とともにデータ記憶部200へ転送する。
【0026】
続いて、基板電流測定部100の電子ビーム制御手段103は、電子ビーム発生器101の照射エネルギをV2に設定した後、同様に同一領域を走査して測定した基板電流を座標情報とともにデータ記憶部200へ転送する。以下、照射エネルギを順次変え、照射エネルギの水準(V1、V2、V3・‥)の全てに関して基板電流を座標情報とともに測定してデータ記憶部200へ転送する。ただし、異なる照射エネルギの電子ビームを同一領域に対して照射する際に、座標情報は照射エネルギの水準(V1、V2、V3…)の全てにわたって同一に設定される。
【0027】
ここで、上述の基板電流測定部100において、基板電流信号A/D変換器106により変換された基板電流に対し、ノイズ成分を除去するための処理が施される。図4に、移動ステージ102の基板電流検出電極104上に半導体基板を載置した時と載置しない時の測定基板電流信号に対してそれぞれフーリエ変換処理を施した基板電流信号の波形を示す。但し、ここでは、二つの基板電流信号は電子ビームを照射しない状態で測定したものである。半導体基板を載置した時のデータは、搭載させていないときのデータに比べて、周波数全体にわたって高く、特に700Hz以下の周波数領域において差異が拡大する傾向を示す。これは、半導体基板と信号検出器との間に存在する静電容量成分に起因するノイズによるものと考えられる。
【0028】
このノイズを除去するため、微細構造の非破壊評価の際、測定された基板電流信号に対してフーリエ変換処理を実施し、次にノイズ成分を周波数軸上データで除去するための数値演算処理を実施し、その後に数値演算処理後データに逆フーリエ変換を実施する。これにより、上述の静電容量成分に起因するノイズ成分を除去する。
以上により、基板電流測定部100において、図5(a)に示すように、照射エネルギをパラメータとして照射座標と基板電流との関係を表す測定データ系列が測定により取得され、データ記憶部200に転送される。
【0029】
続いて、データ記憶部200が、基板電流測定部100より基板電流に関する上述の測定データ系列を受信し、基板電流測定部100により測定された基板電流値を、基板電流信号を座標値と基板電流値と照射エネルギ値からなるデータ系列の形態で記憶し、逐次数値演算処理部300へ当該測定データ系列を送信する。具体的には、図5(b)に示すように、電子ビームの照射点の座標X1に関して各照射エネルギV1、V2、V3等における基板電流値からなる測定データ系列を生成して数値演算処理部300へ送信する。同様に、他の座標X2、座標X3等に関しても測定データ系列を生成して数値演算処理部300へ送信する。このように、図5(a)に示す測定データ系列が、同図(b)に示すように、照射座標をパラメータとして照射エネルギと基板電流との関係を表す測定データ系列に変換される。
【0030】
続いて、数値演算処理部300が、データ記憶部200に測定データ系列の形態で記憶された基板電流と照射エネルギーとの関係に基づき、照射座標における前記半導体基板上の微細構造を推定し、電子ビーム走査領域に含まれる微細構造の構造情報を算出する。即ち、数値演算処理部300は、上述の測定データ系列と後述する参照データ系列との相関演算を行うことにより当該照射座標における膜厚値を算出する。この膜厚値は電子ビーム走査領域に含まれる所望の座標全てに対して算出される。算出された構造情報は図示しない表示部に送信される。
【0031】
ここで、数値演算処理部300における相関演算について説明する。数値演算処理部300は、相関演算部301と最大値決定部302からなり、膜厚値をパラメータとする照射エネルギと基板電流値からなる参照データ系列を記憶している。この参照データ系列は、図5(c)に示すように、電子ビームの照射エネルギ値と、該照射エネルギ値に対して測定されるべき基板電流値とからなり、半導体基板上に形成された微細構造物(膜およびその加工物)がとり得る複数の膜厚値に対応づけられた複数種類のデータ系列の集合である。数値演算処理部300をなす相関演算部301は、データ記憶部200から電子ビームの各照射座標における測定データ系列を取得し、この測定データ系列と参照データ系列との相関演算を、数値演算処理部300が有する全ての参照データ系列に対して実施して相関値Tを算出する。
【0032】
上述の相関値Tは、例えば下式(1)により相関値Tmとして算出される。
【数1】
ただし、式(1)において、IMnは測定データ系列の基板電流値であり、IRmnは参照データ系列の基板電流値であり、Nはデータの個数であり、mは自然数である。この数式によれば、相関値Tmは測定データ系列と参照データ系列との差分の2乗和として与えられ、相関値Tmが小さいほど相関度が高くなる。
【0033】
そして、数値演算処理部300をなす最大値決定部302は、全ての相関値の中から最も相関度の高い相関値を決定し、この相関値に対応づけられる参照データ系列の膜厚値を出力する。これにより、参照データ系列の中で、測定データ系列と最も相関度の高い相関値を与える参照データ系列の膜厚値が測定データ系列の膜厚値として推定される。図5(c)では、測定データ系列と各参照データ系列(膜厚値=t1、t2、t3…)との相関値(T1,T2,T3…)が算出され、その中では膜厚値T2のものが最も相関度の高い値を示す。最大値決定部302は、図5(d)に示すように、最も相関度の高い相関値T2を与える参照データ系列に対応づけられる膜厚値t2を、測定データ系列に付帯する座標X(即ち電子ビームの照射座標)に対応づけて出力データ系列として表示部へ送信する。
以上により各照射座標での膜厚値が得られ、半導体基板上に形成された微細構造の二次元情報が得られた。
【0034】
上述の例では、単層構造について説明したが、多層構造を有する場合について補足する。図6に、多層構造の一例を示す。同図では、半導体基板200の主面に材料Aからなる薄膜201が形成され、さらにその上層に材料Bからなる膜202が形成されている。薄膜201の一部には凹部が形成され、これと位置をずらして膜202にホールが形成されている。このような多層構造に対しては、同図の位置P1〜P3に示すように、これらの膜厚の全ての組み合わせに対応した参照データ系列を準備する。この例では、位置P1での参照データ系列として、膜202および膜201の各膜厚が標準値である場合に測定されるべき基板電流と照射エネルギとの関係を示すデータが準備される。また、位置P2での参照データ系列として、膜202がエッチングされ、膜201の膜厚が標準値である場合に測定されるべき基板電流と照射エネルギとの関係を示すデータが準備される。さらに、位置P3について、膜202の膜厚が標準値であり、膜201がエッチングされた場合に測定されるべき基板電流と照射エネルギとの関係を示すデータが準備される。即ち、各層の組み合わせの全てに対して参照データ系列が準備される。
なお、本実施の形態1では、複数の参照データ系列を有するものとしたが、参照データ系列を1つとしてもよい。この場合、この参照データ系列に対する所定の膜厚が測定される領域と、測定されない領域との境界を検出することが可能になる。
【0035】
以下、実施の形態1の変形例を説明する。
本実施の形態1では、順次複数の照射エネルギで電子ビームを半導体基板に照射する必要上、基板電流測定部100を構成する電子ビーム制御手段103として、電子ビームを外部から印加される電圧により加速させて半導体基板に照射させるアノード電極と、アノード電極に定電圧を供給する定電圧供給回路を備え、アノード電極の電圧を制御することにより加速エネルギを調節して照射エネルギを調節するようになっており、その点では従来の電子顕微鏡の電子銃の構成と同様である。しかし、この構成では、電子ビームの照射エネルギをアノード電極の電圧だけで制御しようとすると、電子レンズ系の調整も必要となる。このため、制御が複雑となり、照射エネルギーの調整に時間を要するという不都合がある。また、電子ビームの加速電圧が低くなるほど、電子ビームの半値幅が大きくなり、電子ビームの収束性が低下する。このため、電子ビームの照射エネルギが低いと解像度が劣化する傾向がある。なお、電子ビームの半値幅とは、電子ビームの空間的な強度分布を表す指標であり、ピーク値の半分の強度を示す2点間の距離を表す。実用的にはこの半値幅が電子ビームの径として取り扱われる。
【0036】
上述の不都合を回避するため、本変形例では、半導体基板の電位を制御することにより電子ビームの照射エネルギを調整するための機能を備える。本変形例に係る非破壊測定装置の構成例を図7に示す。本非破壊測定装置は、前述の図1に示す構成において、定電圧を発生する定電圧供給回路107を更に備えると共に、基板電流信号増幅器105として光電変換器105A,105Bを備え、これにより半導体基板を定電圧にバイアスしながら基板電流を検出するように構成される。ここで、定電圧供給回路107は、基板電流検出電極104上に載置される半導体基板をバイアスするための定電圧を供給するものであり、この定電圧を変更可能なように構成されている。また、光電変換器105Aは、基板電流検出電極104上に載置された半導体基板の基板電流を検出して光信号に光電変換するものである。この光電変換器105Aは、入力段に演算増幅器(オペアンプ)を備えており、その1対の入力端子のうちの一方には基準電圧として定電圧供給回路107から供給される定電圧が与えられ、その他方には基板電流検出電極104が接続される。この他方の入力端子には演算増幅器の特性(イマジナル・ショート)により基準電圧として供給される定電圧が現れる。従って、基板電流検出電極104上に載置された半導体基板には、演算増幅器を介して定電圧供給回路107から定電圧が供給され、これにより半導体基板が定電圧にバイアスされるようになっている。光電変換器105Bは、光電変換器105Aから出力された光信号を受光し、これを電気信号に光電変換して信号増幅するものである。
【0037】
本変形例に係る非破壊測定装置の動作を説明する。定電圧供給回路107が光電変換器105Aの演算増幅器および基板電流検出電極104を介して半導体基板へ定電圧を供給し、上述のアノード電極に定電圧を供給する定電圧供給回路(図示なし)と共に電子ビームの照射エネルギを制御する。光電変換器105Aは、定電圧供給回路107が供給する定電圧を接地電圧(基準)として、基板電流を検出して得られた電気信号を光信号へ信号増幅する。そして、光電変換器105Bは、光電変換器105Aにより光電変換された光信号を受光し、大地電位を接地電圧(基準)として光信号を電気信号へ信号増幅する。ここで、電子ビームの実効的な照射エネルギは、アノード電極による電子ビームの加速電圧(固定)から、定電圧供給回路107による基板バイアス(可変制御)を差し引いた値となる。図8(a)に、照射エネルギと加速電圧と基板バイアスと半値幅の一例を示す。参考までに、同図(b)に従来技術により照射エネルギを調整する場合の各値の一例を示す。
【0038】
このように、本変形例によれば、定電圧供給回路107により半導体基板の電位)を制御して電子ビームの照射エネルギを調整するため、照射エネルギの切り替え時に電子ビームを集光するための電子レンズ系の調整が不要となり、制御が容易となる。しかも、電子銃から射出される際の電子ビームの照射エネルギが高く保たれるので、半値幅が低下せず、電子ビームの収束度が高まる。
また、順次異なる複数の照射エネルギで電子ビームを走査する必要上、定電圧供給回路107により基板バイアスを制御するが、その際に基板電流が変調される虞がある。しかし、本変形例によれば、光電変換器105A,105Bがいわば光結合型アイソレーション増幅器として機能するので、半導体基板の電位が変動しても、最終的に検出される基板電流値は変調を受けず、電子ビームの照射エネルギ、照射電流量、半導体基板上の微細構造などによって基板電流値が一意に決定される。
【0039】
(実施の形態2)
以下、この発明の実施の形態2を説明する。
上述の実施の形態1では、膜厚値を算出するものとしたが、この実施の形態では、測定データ系列から半導体基板上に形成された微細構造の材料名を特定する。図9に、この実施の形態のデータ系列を示す。この図は、前述の図5に対応するもので、「膜厚値」が「材料名」となっている点を除いて同一である。
この場合、材料名を算出するため、図1に示す相関演算部301が、測定データ系列と、材料名を有した参照データ系列との相関演算を全ての参照データ系列に対して実施するものとし、最大値決定部302が、全ての相関値の中から最も相関度の高い相関値を決定し、当該参照データ系列に付帯する材料名を出力するものとすればよい。
【0040】
相関演算部301が有する参照データ系列は、材料名について複数種類の参照データ系列の集合である。尚、相関演算部301における測定データ系列および参照データ系列は、上述の膜厚値を算出する場合と同様に、基板電流信号測定時の電子ビーム照射電流量で正規化されることが望ましい。これは、基板電流信号に影響を与える電子ビーム制御因子の中で、照射電流量の安定制御が最も困難であるため数値演算処理部で補正処理を実施するためである。また、数値演算処理部300が算出した微細構造の構造情報を、例えば所望の寸法値あるいは画像形態で出力する表示手段をさらに具備してもよい。
【0041】
(実施の形態3)
以下、この発明に係る半導体装置製造方法を説明する。
本実施の形態3は、上述の実施の形態1に係る非破壊測定装置を用いることを前提としている。本実施の形態3においては、測定個所である微細構造をフォトレジストからなる複数種類の線幅を有するライン構造として説明する。このライン構造は、半導体基板、例えばシリコンウェハ(直径200mm、pタイプ、抵抗率=約1Ωcm)の表面上にフォトレジストを塗布し、続けて露光および現像処理を実施することによって形成される。また、本実施形態において、前記微細構造が他の形態、すなわちホールパターンや溝(トレンチ)パターンであっても構わないし、パターンが絶縁物あるいは金属あるいは半導体で形成されていても構わない。
【0042】
先ず、被測定対象物である半導体基板を移動ステージ102に搭載する。この時、半導体基板上において、予め測定すべき微細構造の座標情報などが分かっている場含には、測定個所に電子ビームが照射されるように、移動ステージ102を移動させる。続けて、測定すべき微細構造が含まれる適当な領域に電子ビームを照射し二次電子像を撮影する。二次電子像は、微細構造を有する半導体基板の表面から沸きあがってくる二次電子を二次電子検出器にて検出し、検出された二次電子信号は後段の二次電子信号増幅・A/D変換回路により所望のディジタル信号に変換された後、演算装置へ伝達される。続いて、前記二次電子信号が演算装置により数値演算処理が実施され、基板電流を測定するための電子ビームの走査領域が決定される。
【0043】
次に、決定された電子ビームの走査領域に対して、所定の照射角度で電子ビームを順次異なる照射エネルギで走査し基板電流信号を測定する。照射エネルギは、電子ビーム制御手段によって実施される。電子ビーム制御手段103には、電子ビームを外部から印加される電圧により加速させて半導体基板に照射させるアノード電極と、このアノード電極に定電圧を供給する定電圧供給回路が具備されている。さらに、電子ビーム制御手段103には、半導体基板に接地電庄を供給する定電圧供給回路を更に備えても構わない。この場合、定電圧供給回路は半導体基板に接触する電極を通して半導体基板へ定電圧を供給し、これによって前記アノード電極に定電圧を供給する定電圧供給回路と合わせて収束電子ビームの照射エネルギを制御することになる。
尚、この定電圧供給回路が具備されていることの利点は、電子ビームの色収差などを決定する電子レンズ部の状態を固定したままで、複数種類の照射エネルギに関する基板電流信号を測定できることにある。
【0044】
図10に、照射エネルギを(0.5keV、0.8keV、1.0keV、1.2keV、1.5keV、2.0kev)の6水準として、ある同一電子ビーム走査線上に順次走査したときの基板電流の一例を示す。尚、図10の基板電流は、前述したフーリエ演算処理を用いたノイズ除去処理後のものである。本発明の原理は、微細構造内での電子散乱現象を、特にその電子ビーム照射エネルギ依存性を利用して、当該微細構造の構造情報を算出することである。図19に示すように電子ビームの照射エネルギ(図19では入射エネルギに相当する)が大きくなるほど、被照射物質内への電子ビーム侵入深さは深くなる。検出される基板電流は、物理的に半導体基板上の微細構造を透過し前記半導体基板に到達した電子量に依存したものである。したがって、基板電流信号の照射エネルギ依存性は、被照射物質である微細構造の材料および高さ(厚さ)情報を反映したものとなる。
【0045】
次に測定基板電流信号を電子ビーム照射点座標と基板電流信号値と照射エネルギからなるデータ系列の形態で記憶する。次に、測定基板電流借号の任意座標点における基板電流値を抽出する。一例として、図10上の「座標=P」における基板電流信号を図9に示す。また、図12には、装置自身が具備する参照データ系列の一例として、フォトレジスト膜厚水準(20Å、40Å、60Å、100Å、150Å、200Å、400Å、600Å、1000Å、2000A)全ての基板電流信号をについて図示した。次に、図11に図示した測定データ系列と、図12に図示した参照データ系列それぞれの相関演算を実施した。その結果、フォトレジスト膜厚水準が200Åである参照データ系列との相関演算値が最も大きい相関度を示すことから、「座標=P」に対して「材料名=フォトレジスト」および「膜厚値=200Å」を出力した。上記「座標=P」に対する一連の処理を所望の領域に含まれる座標全てに対して実施する。
【0046】
前述の図3に示された電子線走査線に沿って上記一連の処理を実施し、得られた出力値をグラフ化したものが図13である。図13は、図10に示された微細構造の断面に相当する。図9〜図13にわたって示した本実施の形態2は、電子ビームを半導体基板上の微細構造に沿って一次元方向に走査させた時についてのものである。電子ビームを被測定対象物となる半導体基板上の微細構造に沿って二次元的に走査して測定処理を実施すれば、微細構造に関する三次元形状情報が得られることは言うまでもない。
【0047】
このように、電子ビームを被測定対象物となる半導体基板上の微細構造に沿って走査させた時に、半導体基板に誘起される基板電流信号の測定を複数種類の照射エネルギに対して実施し、前記処理手順に従って数値演算処理を実施することにより、当該半導体ウェハに物理的な損傷を与えることなく、前記微細構造の断面形状情報を観察することが可能となる。
尚、前記微細構造測定方法に関する実施形態は、電子ビームが半導体基板に照射されるときの照射エネルギが500V以上3000V以下の範囲で実施された例を挙げている。本発明者の検討によれば、電子ビームの加速電圧が10OV以上10000V以下であれば、物質あるいは濃厚による違いが基板電流信号の差として検出され、本発明が実現可能である。
【0048】
次に、以上の構成の測定装置を用いた本発明である半導体装置製造方法に関して図14を用いて説明する。図14は、本発明による半導体装置製造方法の流れを説明するためのフローチャートである。尚、本実施形態で述べる半導体装置製造方法は、半導体基板を一枚ずつ取り扱う枚葉処理を基本としており、上述の実施の形態1、2で説明したような微細構造測定装置を用いて測定した後、その測定結果に基づいて該当する設備や工程条件を自動的に調整する工程を更に備えたものである。
【0049】
先ず、ステップS1101では、前記実施形態に記載したような微細構造測定方法を実行する。すなわち、前記したように半導体装置製造途中の適当な工程における半導体基板を移動ステージに搭載して位置決めを行った上で、前記半導体基板上の同一領域に対して同一照射角度で順次異なる照射エネルギで電子ビームを走査し、この時前記半導体基板に誘起される基板電流信号の測定を実施する。また、半導体基板を搭載した移動ステージの移動と停止を繰り返しながら、半導体基板上の複数の評価箇所に対して前記測定を逐次実施しても構わない。前記逐次測定により、微細構造の寸法値および側壁形状に関する半導体基板上面内分布特性が得られるのは言うまでもない。
【0050】
次いでステップS1102に移行し、ステップS1101で得られた測定データと、後段階処理工程が定める工程基準データとの差分処理をする。尚、前記工程基準データとは、後段階処理工程が基準とする微細構造を有する半導体基板に関して、前記微細構造測定方法を実施して得たデータである。一例として、図15(a)に後段階処理工秘が定める工程基準データである照射エネルギー基板電流値特性を、図15(b)に測定データである照射エネルギー基板電流値特性を示した。
次いでステップS11O3移行し、ステップS1102で得られた差分値と、後段階処理工程が定める閾値を比較する。ここで、前記差分値が前記闇値より大きい場合、前記ステップS1101にて測定を実施した微細構造を不良品と判断し、ステップS11O4へ移行する。逆に、前記差分値が前記閾値より小さい場合、ステップS1101にて測定を実施した微細構造を良品と判断し、ステップS1105へ移行する。
【0051】
次にステップS11O4では、該当する半導体処理設備や工程条件の調整を図る。尚、このステップSllO4における調整は、ステップS1102における差分値を可能な限り小さくすることを目的とする。すなわち、評価箇所である微細構造の寸法値および側壁形状を、後段階処理工程が定める基準微細構造の寸法値および側壁形状に近づけることを目的に、該当する半導体処理設備や工程条件の調整を図ることである。ステップ1105では、次の半導体基板に対して、ステップ11O1を実施することを示す。
以上、本発明にかかる微細構造の寸法値および側壁形状の非破壊測定装置および半導体装置製造方法について説明してきたが、本発明はかかる寸法値および側壁形状の測定方法を利用することにより、生産管理及び工程管理を改善するのに要する期間を短縮することができる半導体装置製造システムを実現することを可能としている。
【0052】
最後に、本発明による半導体装置製造方法により得られた微細構造の測定例を説明する。
第1の例を説明する。2枚の8インチシリコンウェハ(pタイプ、抵抗率=約1Ωcm)に、CVD(化学気相堆積)法により膜厚3umのBPSG膜を堆積した。続いて、リソグラフィ工程によってホール形状を有するフォトレジストパターンを作成した。次に、ドライエッチング装置を用い、前記フォトレジストパターンをマスクにして、前記シリコンウェハ表面に達するまでBPSG膜のエッチングを実施した。この時のエッチング条件は、ガス流量に関して「C4F8=22.5sccm、O2=後述、Ar=500sccm」、チャンバ内圧力に関して「Pressure=3.3Pa」、入射電力に関して「Source Power=1900W」、温度に関して「Top temp.=70deg,Bottom temp.=30deg,Inner Shield temp.=20deg,0uter shield temp.=70deg」であった。
【0053】
ここで、一方のサンプルウェハに対しては前記O2流量を9.0sccmで実施し(以降、ウェハCと称す)、他方のサンプルウェハに対しては前記O2流量を10.0osccmで実施した(以降、ウェハDと称す)。次いで、ウェハC、ウェハD共に前記フォトレジストを剥離した後、前記微細構造測定方法の実施形態のとおりに測定を実施した。図16(a)はウェハC上に形成されているホール構造の断面鳥瞰図を示し、図16(b)はウェハD上に形成されているホール構造の断面鳥瞰図を示す。前記断面鳥瞰図は、その切断面がホール中心部を通過するようにウェハを割り、これを従来手段である二次電子信号を用いた電子顕微鏡で撮影することによって得られる。次に、前記ウェハCと前記ウェハDに対して、本発明である微細構造測定方法を実施した結果を図17(a)と図17(b)にそれぞれ示す。図16(a)と図17(a)、および図16(b)と図17(b)をそれぞれ比較した結果、両者とも100Å以下の精度で側壁形状が一致していることが確認された。
【0054】
次に、第二の例を説明する。8インチシリコンウェハ(pタイプ、抵抗率=約1Ωcm)に、CVD(化学気相堆積)法により膜厚4OOnmのBPSG膜を堆積した。続いて、リソグラフィ工程によってトレンチ(溝)形状を有するフォトレジストパターンを作成した。次に、ドライエッチング装置を用い、前記フォトレジストパターンをマスクにして、前記シリコンウェハ表面に遮するまでBPSG膜の異方性エッチングを実施した。前記フオトレジストを剥離した後、CVD法により膜厚800nmの多結晶シリコンを堆積した。次に、CMP(化学的機械研磨)法により前記BPSG膜上の前記多結晶シリコン眉膜厚を50nmまで薄くしながら、前記多結晶シリコン層表面を平坦化させた。その後、リソグラフィ工程とドライエッチング工程を経て、前記多結晶シリコン層をライン状構造に形成し、続けて前記BPSG膜をバッファードフッ酸による等方性エッチングより除去することで、T字状の断面形状を有する多結晶シリコンからなる微細ライン状構造を形成した。
【0055】
このT字状の断面形状を有する微細ライン状構造に関して、前記微細構造測定方法の実施形態のとおりに測定を実施した。図18に前記ライン状構造に対して直交方向に電子線を走査した時に得られた基板電流信号を示す。まず、その中心位置COを検出し、その中心位置COを通る直線lによって基板電流信号の左部分Lと右部分Rに分ける。次に左側部分Lにおける基板電流信号の最大階調数MAXLと最小階調数MINLを検出するとともに、右側部分Rにおける基板電流信号の最大階調諏MAXRと最小階調数MINRと検出する。次に左側部分LにおけるMINLの点とMAXLの点との基板電流信号変位量を1OO%としたとき、MINLの点から50%の位置PLを求める。
【0056】
同様に右側部分Rにおいても、MINRの点とMAXRの点との間の基板電流信号変位量を100%としたとき、MINRの点から50%の位置PRを求める。次に、これらの位置PL、PRをライン構造のエッジ位置として定め、PLとPRとの間に存在するデータ数に比例した値をライン構造の幅寸法とした。その後、前記サンプルウェハを割り、前記微細ホールの断面形状を観察した結果、前記出力結果と前記微細ライン構造の幅寸法(シリコンウェハと接している部分)は100Å以下の精度で一致していることが確認された。
以上のように、所定の微細構造を有する半導体基板に対して、本発明の微細構造測定方法を実施し、前記微細構造の寸法値および側壁形状を測定した。これにより、半導体基板上の微細構造に対して、該基板に損傷を与えることなく、寸法値および側壁形状を十分な精度で測定することが可能である。
【0057】
次に、第三の例を説明する。2枚の8インチシリコンウェハ(pタイプ、抵抗率=約1Ωcm)に、膜厚75Onmのフォトレジストを塗布し、縮小露光装置を用いて微細構造の露光工程を実施した。この時、一方のシリコンウェハはフォーカス位置をフォトレジスト薄膜表面に調整した状態で露光を実施し(以降、ウェハAと称す)、他方のシリコンウェハにはフォーカス位置を前記薄膜表面より上3umの位置にシフトさせた状態で露光を実施した(以降、ウェハBと称す)。その後、両シリコンウェハは現像工程を経ることにより、シリコンウェハ上にフォトレジストからなる微細ライン構造が形成された。
【0058】
ウェハA上の微細ライン構造に対しては、前記微細構造測定方法の実施形態のとおりに測定を実施して測定データ配列を得た後、ウェハAを物理的に割り断面写真を撮影し、前記ウェハA上の微細ライン構造がこの場合の後段階作業工程であるエッチング工程が定める基準微細構造であることを確認した。そして、前記測定データ系列を前記エッチング工程が定める工程基準データ配列として装置に記憶させた。次に、ウェハB上の微細ライン構造に対しては、前記微細構造測定方法の実施形態のとおりに測定を実施して測定データ配列として装置に記憶させた。次いで、前記半導体装置製造方法の実施形態のとおりに前記測定データ配列と前記工程基準データ配列とを比較演算を実施した。この場合、前記比較演算から得られた差分値は、後段階処理工程が定める閥値より大きく、ウェハB上の微細ライン構造は不良品と判断した。次に、前記露光工程のフォーカス位置を下方向へ適当量調整することを自動的に実施した。
【0059】
このことから、所定の半導体処理装置による前段階作業工程が終了した半導体基板に対して、本発明である微細構造の寸法値および側壁形状の測定を実施し、この測定結果から得られる基板電流信号が後段階作業工程が定める所定の条件を満たさない場合は、当該後段階作業工程が定める微細構造の寸法値あるいは測定形状へ近づくように、該当する設備や工程条件の調整を実施する。これにより、当該半導体装置製造システム内の各処理工程が生成する半導体基板上の微細構造の寸法値および側壁形状が管理され、結果として半導体装置の信頼性や歩留まりを大幅に向上することが可能になる。
また、本発明の製造方法(生産方法)においては、前記非破壊測定装置で得られた基板電流信号を半導体基板上の微細構造の寸法値および側壁形状情報として装置内に蓄積しておき、当該寸法値および側壁形状情報の経時的な変化に基づいて該当設備や工程条件が作用する故障モードの推定を行い、この推定結果に基づき該当設備や工程条件の調整作業を実施しても良い。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば以下の効果を得ることができる。
第1の効果は、半導体基板上の微細構造に対して、該基板に損傷を与えることなく、寸法値および側壁形状を十分な精度で迅速に測定できる非破壊測定装置を提供できることにある。その理由は、管理データとして用いる基板電流信号は、物理的に微細構造から半導体基板を透過する電子数に依存したものであり、前記基板電流信号は電子線照射エネルギ・被照射材料の種類および厚さに大きく依存したものであるためである。
第2の効果は、生産管理及び工程管理を改善するのに要する期間を短縮することができる半導体装置製造システムを提供できることにある。その理由は、前記管理装置あるいは前記管理方法により微細構造に関ずるデータを得て、前記微細構造の形成状態の良否を工程単位別にインライン管理して、前記微細構造の形成状態の管理及びそれに伴う設備や工程条件調整のためのフィードバック時間を短縮することができるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る微細構造測定装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る基板電流測定部の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る微細構造に対する走査を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るフーリエ演算処理の一例を示す特性図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る微細構造測定装置の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る測定対象の一例(多層構造)を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係る基板電流測定部の変形例の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態1に係る変形例における照射エネルギと加速電圧と基板バイアスとの関係の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る微細構造測定装置の動作を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る基板電流信号(基板電流値)の一例を示す波形図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る加速電圧と基板電流信号との関係を示す特性図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る参照データ系列の一例(加速電圧と基板電流信号との関係)を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る出力結果の一例を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態3に係る半導体製造方法の流れを示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態3に係る後段階処理工程が定める工程基準データおよび測定データの比較例を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係る微細構造測定に関する第一の例を説明する図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る微細構造測定に関する第二の例を説明する図である。
【図18】本発明の実施の形態3に係る微細構造測定に関する第三の例を説明する図である。
【図19】本発明におけるSiO2薄膜へ電子ビームを照射したときの電子ビームの侵入深さと照射エネルギとの関係を示す特性図である。
【符号の説明】
100;基板電流測定部、101;電子ビーム発生器、102;移動ステージ、103;電子ビーム制御手段、104;基板電流検出電極、105;基板電流信号増幅器、105A,105B;光電変換器、106;基板電流信号A/D変換器、107;定電圧供給回路(バイアス回路)、200;データ記憶部、300;数値演算処理部、301;相関演算部、302;最大値決定部。
Claims (15)
- 半導体基板の主面に対し所定の照射角度を保って順次異なる複数の照射エネルギーで電子ビームを走査すると共に前記半導体基板内に発生する基板電流を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された基板電流値を、該基板電流値と前記電子ビームの照射座標と該電子ビームの照射エネルギー値とからなるデータ系列の形態で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に前記データ系列の形態で記憶された前記基板電流と前記照射エネルギーとの関係に基づき前記照射座標における前記半導体基板上の微細構造を推定する推定手段と、
を具備することを特徴とする非破壊測定装置。 - 前記推定手段は、
前記半導体基板上の微細構造物がとり得る膜厚値に対応づけて、前記電子ビームの照射エネルギー値と、該照射エネルギー値に対して測定されるべき基板電流値とからなる参照データ系列とを記憶して有し、前記記憶手段から前記電子ビームの各照射座標における測定データ系列を取得し、該測定データ系列と前記参照データ系列との相関値を演算する相関演算部と、
前記相関演算部の演算結果として最も高い相関値を与える参照データ系列に対応づけられる前記膜厚値を、前記電子ビームの照射座標に対応づけて出力する最大値決定部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の非破壊測定装置。 - 前記推定手段は、
前記半導体基板上の微細構造物がとり得る複数の膜厚値に対応づけて、前記電子ビームの照射エネルギー値と、該照射エネルギー値に対して測定されるべき基板電流値とからなる複数の参照データ系列とを記憶して有し、前記記憶手段から前記電子ビームの各照射座標における測定データ系列を取得し、該測定データ系列と前記複数の参照データ系列との相関値を演算する相関演算部と、
前記複数の参照データ系列のうち前記相関演算部の演算結果として最も高い相関値を与える参照データ系列に対応づけられる膜厚値を、前記電子ビームの照射座標に対応づけて出力する最大値決定部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の非破壊測定装置。 - 前記測定手段は、
前記電子ビームの加速電圧を固定したままで、前記半導体基板に定電圧を印加すると共に該定電圧を変更可能に構成された定電圧供給回路を備えて構成されたことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の非破壊測定装置。 - 前記測定手段は、
前記定電圧を接地電圧として前記基板電流の電気信号を光信号に光電変換する第1の光電変換器と、
前記第1の光電変換器により変換された光信号を受光し、大地電位を接地電圧として電気信号に光電変換する第2の光電変換器と、
を備えたことを特徴とする請求項4に記載された非破壊測定装置。 - 測定データ系列および参照データ系列は、前記測定手段による基板電流測定時の電子ビーム照射電流量で正規化されていることを特徴とする請求項2ないし5の何れか1項に記載の非破壊測定装置。
- 前記相関演算部は、前記膜厚値に代えて材料名に対応づけて前記参照データ系列を記憶し、
前記最大値決定部は、前記膜厚値に代えて前記材料名を出力することを特徴とする請求項2ないし6の何れかに記載の非破壊測定装置。 - 半導体基板に対する所定の微細構造形成工程が終了した後、請求項1ないし7の何れかに記載の非破壊測定装置を用いて前記微細構造の形状を測定する第一のステップと、
前記第一のステップにより得られた測定結果を所定の後段階作業工程が定める工程基準データと比較する第二のステップと、
前記第二のステップによる比較結果に基づいて、前記所定の微細構造形成工程で形成された微細構造の良否をインラインで判定する第三のステップと、
を含むことを特徴とする半導体装置製造方法。 - 前記工程基準データは、前記後段階作業工程が理想とする寸法値あるいは断面形状の微細構造を有する半導体基板に対して、請求項1ないし7の何れかに記載の非破壊測定装置を用いて測定されたデータであることを特徴とする請求項8記載の半導体装置製造方法。
- 前記微細構造形成工程は、微細構造を形成するために前記半導体基板上にコーティングされたフォトレジストあるいは電子線レジストを露光および現像する工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記露光および現像工程後に行われることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置製造方法。
- 前記微細構造形成工程は、微細構造を形成するために前記半導体基板上に形成された絶縁物質層をエッチングする工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記絶縁物質層のエッチング工程後に行われることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置製造方法。
- 前記微細構造形成工程は、微細構造を形成するために前記半導体基根上に形成された金属物質層をエッチングする工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記金属物質層のエッチング工程後に行われることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置製造方法。
- 前記微細構造形成工程は、微細構造を形成するために前記半導体基板上に形成された半導体物質層をエッチングする工程であり、前記非破壊測定装置による前記微細構造の測定は、前記半導体物質眉のエッチング工程後に行われることを特徴とする請求項8または9に記載の半導体装置製造方法。
- 前記第一のステップでの測定結果に応じて該当する設備や工程条件を調整する調整工程を更に備えたことを特徴とする請求項10ないし13のいずれかに記載の半導体装置製造方法。
- 前記調整工程は、前記第一のステップでの測定結果を自動的にフィードバックすることによって実施されることを特徴とする請求項14に記載の半導体装置製造方法。
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