JP2004062661A - プリント配線板設計支援システム、プリント配線板設計cadシステムおよびプリント配線板の設計を支援するプログラム - Google Patents
プリント配線板設計支援システム、プリント配線板設計cadシステムおよびプリント配線板の設計を支援するプログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】本発明は、プリント配線板設計段階での計算値を実測値により近づけて、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板の設計精度を向上させることのできる、プリント配線板設計支援システム、プリント配線板設計CADシステム、およびプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】プリント配線板設計支援モジュール15は、プリント配線板設計CAD11より取得した設計レイアウト情報と、データベース13より取得したパラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にその値を用い必要に応じて、各層の誘電率、誘電正接等を推定して、その結果の値を表示部14に表示出力するとともに、伝送線路シミュレータ12にフィードバックする。
【選択図】 図1
【解決手段】プリント配線板設計支援モジュール15は、プリント配線板設計CAD11より取得した設計レイアウト情報と、データベース13より取得したパラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にその値を用い必要に応じて、各層の誘電率、誘電正接等を推定して、その結果の値を表示部14に表示出力するとともに、伝送線路シミュレータ12にフィードバックする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板設計CADに適用されるプリント配線板設計支援システム、プリント配線板設計CADシステム、およびプリント配線板の設計を支援するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板を設計するツールとして、プリント配線板設計用のCADが用いられる。このCADのデータとしては、パターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、プリント配線板の形状など種々の設計情報がある。また、上記プリント配線板設計用のCADに加え、このCADデータを用いて伝送線路シミュレーションを行うCAEも活用されている。
【0003】
上記したCAD、CAEとは別に、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接の値が必要なときは、上記プリント配線板のCAD、CAEとはリンクしていないで、プリント配線板の設計段階に於いて、その都度、個別に計算したり、過去の参考になるデータを使ったりすることが一般的である。
【0004】
プリント配線板の設計段階に於いて、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接を求めるとき、次のような問題点がある。
【0005】
(1).プリント配線板の各絶縁層厚さ
ここでは4層貫通スルーホールのプリント配線板を例に挙げて説明する。一般的な4層(L1−L4)プリント配線板は、2−3(L2−L3)層間の両面銅張積層板(コア材)に、1−2(L1−L2)層間、及び3−4(L3−L4)層間の各プリプレグと、L1層とL4層の各銅箔をそれぞれ張り合わせて積層する。その後、この積層板にドリルでスルーホール用の孔を明け、スルーホールめっきを施すことにより4層貫通スルーホールが形成される。
【0006】
この際、2−3層間の両面銅張積層板は、プリント配線板の材料メーカで製造し、両面銅張積層板の絶縁層の厚さが変動する要因が多くないため、厚さの精度はそれほど悪くないが、1−2層間と3−4層間の絶縁層の厚さは、プリント配線板メーカの製造工程に起因し、L2層やL3層の残銅率、L2層やL3層のパターンの厚さ、L2層やL3層のパターンの形状、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プレプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)などのパラメータによって決まり、パラメータが多いため、簡単に計算をするのは難しく、実測値と簡易的に求めた計算値がずれることがある。
【0007】
また、一つのプリント配線板の各絶縁層厚さは、パターンの形状や場所によって、一つの面内で厚さの分布が変わる。一般的に積層時に使うワーキングパネルの外側が薄くなる傾向になることは知られている。
【0008】
プリント配線板の各絶縁層厚さは伝送線路シミュレーションに用いることがある。プリント配線板の設計は、設計するプリント配線板個々に異なり、プリント配線板の各絶縁層厚さは上記のような要因で変化するため、簡易的な計算では正確な値を求めることができない。そのため、伝送線路シミュレーションに使う厚さの値は、実際の値とはずれ、伝送線路シミュレーションで出た解自体の精度が悪い場合がある。
【0009】
(2).プリント配線板の板厚
プリント配線板の各絶縁層厚さの計算値と実測値がずれると、当然ながら、プリント配線板の板厚も同様に計算値と実測値がずれる。板厚の計算値と実測値が大きく異なることによって、次のような問題点が生じる。その一例としては、プリント配線板を内蔵する製品に、プリント配線板を取り付けるとき、例えばノート形のパーソナルコンピュータを例に採ると、プリント配線板上に実装したコネクタの位置が、プリント配線板の厚さが設計値とずれているため、筐体とコネクタ位置の位置関係が合わなくなるという不具合が発生する。他の例としては、プリント配線板に表面実装部品を実装するとき、クリームはんだを印刷するが、プリント配線板の厚さが設計値とずれていると、クリームはんだの印刷量が予定していたものとずれるため、はんだ付けの品質が安定しないという不具合が発生する。
【0010】
(3).誘電率、誘電正接
各層間の材料が単一材料であれば問題ないが、一般的にプリント配線板の材料は、2種類以上の複合材料になっている場合がある。例えば、一般的な材料はガラスエポキシがあるが、ガラスクロスとエポキシ樹脂が混ざり合っている。複合の材料の誘電率、誘電正接は、複合材料それぞれの含有率によって変わる。プリプレグが複合材料の場合、積層前と積層後の誘電率、誘電正接が異なる。それは、プリプレグは、積層前は、ある複合材料の含有率になっているが、積層によって、樹脂がフローしたり、パターンの無い所を埋め込むため、複合材料の含有率が変化する。一例を挙げると、ガラスエポキシの積層前の樹脂含有量は60%、誘電率は4.3であるが、積層後は、樹脂がフローするため、積層後の平均樹脂含有量は53%になり、誘電率は4.5となる。また、プリント配線板の一つの絶縁層をとっても、パターンの形状や場所によって、面内での誘電率、誘電正接が違う。また、次のような問題もある。図5に於いて、例えばL1−L2間はガラスエポキシのプリプレグであり、プリント配線板メーカで積層したときにL1−L2間のプリプレグが熱と圧力によって溶融した後に硬化する。ガラスエポキシのプリプレグは、ガラスクロスとエポキシ樹脂を混合したものである。溶融したプリプレグは、L2のパターンのないところをエポキシ樹脂で埋める。するとL1−L2間はガラスエポキシの混合物であるが、L2のパターンの横(パターンがないところ)は、ガラスクロスは流動しないので、エポキシ樹脂のみである。例にとると、ガラスエポキシの積層前は、樹脂含有量60%、誘電率4.3であるが、積層後は、L1−L2間のガラスエポキシの混合物の部分は、樹脂含有量53%、誘電率4.5となり、L2のパターン横(パターンがないところ)は、エポキシ樹脂のみなので、樹脂含有量100%、誘電率3.0となる。誘電率、誘電正接の値はプリント配線板の伝送線路シミュレーションに用いることがあるが、一般的には材料メーカから提供される積層前の値を使っており、積層後の値を使っていることは殆どない。なぜなら、積層後の値は、プリント配線板の各絶縁層厚さ同様、パターンの残銅率、パターンの厚さ、パターンの形状、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プレプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)など多数のパラメータの影響があるため簡単には求めることが難しいからである。このように、伝送線路シミュレーションに使う値そのものにずれが生じ、これによって伝送線路シミュレーションで出た解自体の精度が悪い場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プリント配線板設計に於いて、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接の値等を必要とする際、従来では、各プリント配線板の設計段階に於いて、その都度、個別に計算したり、過去の参考になるデータを使用して、必要な値を得ていた。このため計算値と実測値とにずれが生じ、実際にできあがった製品に、寸法上、電気特性上の誤差が生じることから、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板製造に於いて所望の製品を得るまでに多くの時間と労力を要するという問題があった。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、プリント配線板設計段階での計算値を実測値により近づけて、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板の設計精度を向上させることのできる、プリント配線板設計CADに適用されるプリント配線板設計支援システムおよびプリント配線板の設計を支援するプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プリント配線板を設計するCADのデータ(パターン、スルーホール、ビア、配線板形状等の二次元データ)を用い、更に、プリント配線板のパターンの残銅率、パターンの厚さ、パターンの形状、絶縁層の樹脂含有量、絶縁層の粘度、絶縁層の樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)などの設計、製造パラメータを考慮した上で、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にはその値を用いて各層の誘電率、誘電正接等を推定し提示する機能を実現したことを特徴とする。
【0014】
このように、本発明は、プリント配線板設計CADから取得されるパターンおよび板形状等の二次元データと、パターンの厚さ、および形状、絶縁層の樹脂含有量、粘度、および樹脂フロー量、積層条件等の設計パラメータとをもとに、設計するプリント配線板の各層および全体の厚さを求める(推定する)ことによって、設計するプリント配線板の特に各層および全体の厚さ方向に対する精度をより高めることができる。
【0015】
即ち、本発明は、プリント配線板設計CADに適用されるプリント配線板設計支援システムであって、プリント配線板設計CADから設計対象となるプリント配線板のパターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、形状等の各種設計レイアウト情報を取得する第1の手段と、前記設計対象となるプリント配線板のパターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、積層温度、積層圧力)等の各種パラメータの情報を取得する第2の手段と、前記第1の手段で取得した情報および前記第2の手段で取得した情報をもとに、少なくとも製造後に於けるプリント配線板の板厚若しくは各絶縁層の厚さを推定し出力する第3の手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
更に、本発明は、前記第3の手段で推定した板厚、各絶縁層の厚さの情報を、前記プリント配線板設計CADの伝送線路シミュレーションを行うシミュレータ若しくは前記プリント配線板設計CADにフィードバックする第4の手段を具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、プリント配線板設計CADと、伝送線路シミュレータと、前記プリント配線板設計CADより取得したデータと設定パラメータとをもとに、少なくとも製造後に於けるプリント配線板の板厚、若しくは各絶縁層の厚さを推定し表示するプリント配線板設計支援モジュールとを具備したプリント配線板設計CADシステムを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、プリント配線板設計CADに用いられるプリント配線板の設計を支援するプログラムであって、前記プリント配線板設計CADから、設計するプリント配線板の設計レイアウト情報を取得する第1の機能と、前記設計するプリント配線板の設定パラメータ情報を取得する第2の機能と、前記第1の機能で取得した情報および前記第2の機能で取得した情報をもとに、少なくとも製造後に於ける前記プリント配線板の板厚、若しくは各絶縁層の厚さを推定し出力する第3の機能とを具備したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0020】
図1は本発明の実施形態に於けるプリント配線板設計CADシステムの構成を示すブロック図であり、プリント配線板設計CAD11、および表示部14と、伝送線路シミュレータ12とを有して構成される。更にこれらの構成要素に、設計対象となるプリント配線板の各種パラメータを格納したデータベース13と、上記プリント配線板設計CAD11およびデータベース13より取得したデータをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には各層の誘電率、誘電正接等を推定し出力するプリント配線板設計支援モジュール15とが付加される。
【0021】
上記データベース13には、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼす、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、積層温度、積層圧力)等のパラメータが格納される。
【0022】
上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11から、設計するプリント配線板の二次元上(平面上)の設計情報を取得し、上記データベース13から、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼすパラメータ情報を取得する。具体的には、上記プリント配線板設計CAD11から、パターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、配線板形状等の各設計レイアウト情報を取得し、上記データベース13から、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)等のパラメータを取得する。
【0023】
更に上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11より取得した設計レイアウト情報と、上記データベース13より取得したパラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にその値を用い必要に応じて、各層の誘電率、誘電正接等を推定して、その結果の値を上記表示部14に表示出力するとともに、上記伝送線路シミュレータ12にフィードバックする。
【0024】
図2は上記プリント配線板設計支援モジュール15の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
図3および図4は上記図2に示すフローチャートのステップS13で実行される処理を説明するためのプリプレグ断面図であり、それぞれ図5に示すプリント配線板の一部を抽出して示している。図3は積層前のプリプレグ断面図、図4は積層後のプリプレグ断面図である。
【0026】
図5は本発明で対象とするプリント配線板の一例として、4層貫通スルーホールプリント配線板の断面構造を示したもので、一般的な4層(L1−L4)プリント配線板は、2−3(L2−L3)層間の両面銅張積層板(コア材)51に、1−2(L1−L2)層間、及び3−4(L3−L4)層間の各プリプレグ52,53と、L1層とL4層の各銅箔54,55をそれぞれ張り合わせて積層する。その後、この積層板にドリルでスルーホール用の孔を明け、スルーホールめっきを施すことにより4層貫通スルーホール56が形成される。
【0027】
ここで、上記各図を参照して本発明の実施形態に於ける処理動作を説明する。
【0028】
本発明の実施形態によるプリント配線板設計CADシステムは、図1に示すように、プリント配線板設計CAD11、および表示部14と、伝送線路シミュレータ12とを有するシステムに、設計対象となるプリント配線板の各種パラメータを格納したデータベース13と、上記プリント配線板設計CAD11およびデータベース13より取得したデータをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には各層の誘電率、誘電正接等を演算し推定するプリント配線板設計支援モジュール15を付加して構成される。上記データベース13には、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼす、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、積層温度、積層圧力)等のパラメータが格納される。
【0029】
上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11から、パターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、配線板形状等の各設計レイアウト情報を取得し(図2ステップS11)、上記データベース13から、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼす、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)等のパラメータを取得する(図2ステップS12)。
【0030】
更に上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11より取得した設計レイアウト情報と、上記データベース13より取得したパラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にその値を用い必要に応じて、各層の誘電率、誘電正接等を推定して(図2ステップS13)、その結果の値を上記表示部14に表示出力するとともに、上記伝送線路シミュレータ12にフィードバックする(図2ステップS14)。
【0031】
ここで、上記プリント配線板設計支援モジュール15に於ける、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定する処理(図2ステップS13)について更に説明を加える。
【0032】
プリント配線板設計支援モジュール15は、プリント配線板設計CAD11の設計データ、および、データベース13に蓄積された、設計、製造パラメータを使って、製造するプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には必要に応じて各層の誘電率、誘電正接の値を求める。
【0033】
(I).プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求める方法について
上記プリント配線板設計支援モジュール15に於ける処理のポイントは、設計するプリント配線板のCADデータとプリント配線板の製造性を考慮することによって、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求めることである。
【0034】
例えば、図5を参照して説明すると、2−3(L2−L3)層間の両面銅張積層板(コア材)51は、プリント配線板の材料メーカで製造し、両面銅張積層板の絶縁層の厚さが変動する要因が多くないため、厚さの精度はそれほど悪くないので、プリント配線板の材料メーカから提供される厚さのデータを用いればよい。上記プリント配線板設計支援モジュール15の特徴は、プリント配線板メーカで製造し、変動要素の多い、1−2層間と、3−4層間の絶縁層の厚さを精度良く求めることができるところにある。1−2層間と、3−4層間の絶縁層の厚さを決める変動要素には次のようなものがある。
【0035】
・L2層やL3層の残銅率
・L2層やL3層のパターンの厚さ
・L2層やL3層のパターンの形状
・プリプレグの樹脂含有量(2種類以上の複合材料の含有率)
・プリプレグの粘度
・プレプレグの樹脂フロー量
・積層条件(積層時間、温度、圧力)
・スルーホール、ノンスルーホール、ビアなど数量、形状、位置
・プリント配線板の形状
このような変動要素をCADデータに加えて用いることで、設計するプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求めることができる。ここで重要なポイントは、各導体の残銅率、各導体のパターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、プリント配線板の形状などの設計情報については、プリント配線板設計CAD11とリンクすることにより、その設計情報に合ったプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求める。一つのプリント配線板の各絶縁層厚さといっても、パターンの形状や場所によって、一つの面内で厚さの分布が変わるが、プリント配線板の設計CADとリンクしているため、面内での厚さの分布を求めることができる。
【0036】
また、一般的にはプリント配線板設計CAD11と伝送線路シミュレータ12はリンクしているが、本発明の実施形態では、プリント配線板設計支援モジュール15で求めたプリント配線板の板厚(板厚の分布)、各絶縁層の厚さの結果を使って伝送線路シミュレーションをすることにより、精度の良い伝送線路シミュレーションが可能となる。
【0037】
ここで絶縁層の厚さについて更に言及する。
【0038】
積層前の絶縁層の厚さと積層後の絶縁層の厚さは次のような関係がある。
【0039】
(1)積層前の絶縁層の厚さ
一般的なガラスエポキシ樹脂を使ったプリント配線板の場合、コア(CCL)とプリプレグがある。
【0040】
コアはプリント配線板メーカは硬化した状態(Cステージ)で購入することから、積層により厚さが変動することは殆どないが、プリプレグは半硬化状態で購入し、積層によって厚さが変動する。
【0041】
積層前プリプレグ断面を図3に示している。
【0042】
積層前のプリプレグの厚さは、シート状になっており、樹脂とガラス布がある一定の割合で混合した状態になっている。樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれ、AとBとする(A+B=1)。プリプレグの面積をS、厚さをZとすると、樹脂量は式1の通りとなる。
【0043】
樹脂量=S×Z×A ・・・式1
(2)積層後の絶縁層の厚さ
積層後のプリプレグ断面を図4に示している。この図4は上記図5に示すプリント配線板の一層目(L1)と二層目(L2)を拡大して示している。
【0044】
積層工程を経るによって、プリプレグの厚さは、ZからZ’に変わる。L2パターンが無い場所は樹脂が流れ込むことで埋まっている。
【0045】
図4に示すL2パターンの残銅率をC、L2パターン厚をH、積層時の樹脂フロー(はみ出した)量をD、Z’エリアの樹脂の体積百分率をA’とすると、樹脂量は式2の通りになる。
【0046】
樹脂量=S×Z’×A+(1−C)×H×S+D ・・・式2
積層前と積層後の樹脂量は同じである(式3)ことから、式1=式2の関係が成り立ち、積層後の厚さZ’は式4の通りとなる。
【0047】
S×Z×A= S×Z’×A’+(1−C)×H×S+D ・・・式3
Z’=(Z−(1−C)×H ― D/S)/A’ ・・・式4
尚、式4の樹脂フロー量Dについては、式5のようなパラメータの関数となる。
【0048】
D=f(プリプレグの粘度、積層条件(積層時間、温度、圧力))・・・式5
(II).各層の誘電率、誘電正接を求める方法について
各層の誘電率、誘電正接に関しては、基本的に上記プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さの考えと同じであり、プリント配線板設計支援モジュール15は、プリント配線板のCADデータとプリント配線板の製造性を考慮することによって、プリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接を求めることである。各絶縁層の材料が2種類以上の複合材料で構成されている場合は、複合されているそれぞれの材料の誘電率、誘電正接は、複合材料それぞれの含有率によって変わる。また、プリント配線板の一つの絶縁層でも、パターンの形状や場所によって、面内で誘電率、誘電正接が違う。
【0049】
例えば、図5を参照して説明すると、2−3層間の両面銅張積層板51は、プリント配線板の材料メーカで製造し、両面銅張積層板の誘電率、誘電正接が変動する要因が多くないため、誘電率、誘電正接の精度はそれほど悪くないので、プリント配線板の材料メーカから提供されるデータを用いればよい。上記プリント配線板設計支援モジュール15の特徴とするところは、プリント配線板メーカで製造し、変動要素の多い、1−2層間と、3−4層間の誘電率、誘電正接を精度良く求めることができるところにある。1−2層間と、3−4層間の誘電率、誘電正接を決める変動要素は、厚さを決める変動要素と同じである。
【0050】
このような変動要素を上記プリント配線板設計支援モジュール15で計算し、設計するプリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接を求めることができる。重要なポイントは各導体の残銅率、各導体のパターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、プリント配線板の形状などの設計情報については、プリント配線板設計CAD11とリンクすることにより、その設計情報にあった絶縁層の誘電率、誘電正接を求める。また、設計するプリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接といっても、パターンの形状や場所によって、一つの面内で絶縁層の誘電率、誘電正接の分布が変わるが、プリント配線板の設計CADとリンクしているため、面内での絶縁層の誘電率、誘電正接の分布を求めることができる。
【0051】
また、一般的にはプリント配線板設計CAD11の設計CADと伝送線路シミュレータ12はリンクしているが、上記プリント配線板設計支援モジュール15で求めたプリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接の結果を使って伝送線路シミュレーションをすることにより、精度の良い伝送線路シミュレーションが可能となる。
【0052】
ここで誘電率について更に言及する。
【0053】
(1)積層前の誘電率
一般的なガラス布の誘電率は7.0、エポキシ系樹脂は3.6である。
【0054】
樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれ、AとBとし、樹脂の誘電率をεresin、ガラスクロスの誘電率をεglass、積層前のガラスエポキシの誘電率をεbeforeとすると、式6の関係がある。
【0055】
(2)積層後の誘電率
積層後の樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれ、A’と’Bとし、図4に示すZ’エリアの樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれA’、B’とし、積層後のガラスエポキシの誘電率をεafterすると、式7の関係がある。
【0056】
上述したように、プリント配線板設計支援モジュール15により、プリント配線板を設計するCADデータ、及びプリント配線板の設計、製造パラメータを使って、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には必要に応じて各層の誘電率、誘電正接を求めることで、実際に出来上がったプリント配線板により近似したプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接の各情報を取得でき、この情報を表示部に表示し、更に伝送線路シミュレータ12にフィードバックすることで、設計するプリント配線板の特に各層および全体の厚さ方向に対する精度をより高めることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、プリント配線板設計段階での計算値を実測値により近づけて、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板の設計精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に於けるプリント配線板設計CADシステムの構成を示すブロック図。
【図2】上記実施形態に於けるプリント配線板設計支援モジュールの処理手順を示すフローチャート。
【図3】上記実施形態に於ける絶縁層の厚さの変動を説明するためのプリプレグの断面を示す図。
【図4】上記実施形態に於ける絶縁層の厚さの変動を説明するためのプリプレグの断面を示す図。
【図5】本発明で対象とするプリント配線板の断面構造例を示す図。
【符号の説明】
11…プリント配線板設計CAD
12…伝送線路シミュレータ
13…データベース
14…表示部
15…プリント配線板設計支援モジュール
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板設計CADに適用されるプリント配線板設計支援システム、プリント配線板設計CADシステム、およびプリント配線板の設計を支援するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板を設計するツールとして、プリント配線板設計用のCADが用いられる。このCADのデータとしては、パターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、プリント配線板の形状など種々の設計情報がある。また、上記プリント配線板設計用のCADに加え、このCADデータを用いて伝送線路シミュレーションを行うCAEも活用されている。
【0003】
上記したCAD、CAEとは別に、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接の値が必要なときは、上記プリント配線板のCAD、CAEとはリンクしていないで、プリント配線板の設計段階に於いて、その都度、個別に計算したり、過去の参考になるデータを使ったりすることが一般的である。
【0004】
プリント配線板の設計段階に於いて、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接を求めるとき、次のような問題点がある。
【0005】
(1).プリント配線板の各絶縁層厚さ
ここでは4層貫通スルーホールのプリント配線板を例に挙げて説明する。一般的な4層(L1−L4)プリント配線板は、2−3(L2−L3)層間の両面銅張積層板(コア材)に、1−2(L1−L2)層間、及び3−4(L3−L4)層間の各プリプレグと、L1層とL4層の各銅箔をそれぞれ張り合わせて積層する。その後、この積層板にドリルでスルーホール用の孔を明け、スルーホールめっきを施すことにより4層貫通スルーホールが形成される。
【0006】
この際、2−3層間の両面銅張積層板は、プリント配線板の材料メーカで製造し、両面銅張積層板の絶縁層の厚さが変動する要因が多くないため、厚さの精度はそれほど悪くないが、1−2層間と3−4層間の絶縁層の厚さは、プリント配線板メーカの製造工程に起因し、L2層やL3層の残銅率、L2層やL3層のパターンの厚さ、L2層やL3層のパターンの形状、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プレプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)などのパラメータによって決まり、パラメータが多いため、簡単に計算をするのは難しく、実測値と簡易的に求めた計算値がずれることがある。
【0007】
また、一つのプリント配線板の各絶縁層厚さは、パターンの形状や場所によって、一つの面内で厚さの分布が変わる。一般的に積層時に使うワーキングパネルの外側が薄くなる傾向になることは知られている。
【0008】
プリント配線板の各絶縁層厚さは伝送線路シミュレーションに用いることがある。プリント配線板の設計は、設計するプリント配線板個々に異なり、プリント配線板の各絶縁層厚さは上記のような要因で変化するため、簡易的な計算では正確な値を求めることができない。そのため、伝送線路シミュレーションに使う厚さの値は、実際の値とはずれ、伝送線路シミュレーションで出た解自体の精度が悪い場合がある。
【0009】
(2).プリント配線板の板厚
プリント配線板の各絶縁層厚さの計算値と実測値がずれると、当然ながら、プリント配線板の板厚も同様に計算値と実測値がずれる。板厚の計算値と実測値が大きく異なることによって、次のような問題点が生じる。その一例としては、プリント配線板を内蔵する製品に、プリント配線板を取り付けるとき、例えばノート形のパーソナルコンピュータを例に採ると、プリント配線板上に実装したコネクタの位置が、プリント配線板の厚さが設計値とずれているため、筐体とコネクタ位置の位置関係が合わなくなるという不具合が発生する。他の例としては、プリント配線板に表面実装部品を実装するとき、クリームはんだを印刷するが、プリント配線板の厚さが設計値とずれていると、クリームはんだの印刷量が予定していたものとずれるため、はんだ付けの品質が安定しないという不具合が発生する。
【0010】
(3).誘電率、誘電正接
各層間の材料が単一材料であれば問題ないが、一般的にプリント配線板の材料は、2種類以上の複合材料になっている場合がある。例えば、一般的な材料はガラスエポキシがあるが、ガラスクロスとエポキシ樹脂が混ざり合っている。複合の材料の誘電率、誘電正接は、複合材料それぞれの含有率によって変わる。プリプレグが複合材料の場合、積層前と積層後の誘電率、誘電正接が異なる。それは、プリプレグは、積層前は、ある複合材料の含有率になっているが、積層によって、樹脂がフローしたり、パターンの無い所を埋め込むため、複合材料の含有率が変化する。一例を挙げると、ガラスエポキシの積層前の樹脂含有量は60%、誘電率は4.3であるが、積層後は、樹脂がフローするため、積層後の平均樹脂含有量は53%になり、誘電率は4.5となる。また、プリント配線板の一つの絶縁層をとっても、パターンの形状や場所によって、面内での誘電率、誘電正接が違う。また、次のような問題もある。図5に於いて、例えばL1−L2間はガラスエポキシのプリプレグであり、プリント配線板メーカで積層したときにL1−L2間のプリプレグが熱と圧力によって溶融した後に硬化する。ガラスエポキシのプリプレグは、ガラスクロスとエポキシ樹脂を混合したものである。溶融したプリプレグは、L2のパターンのないところをエポキシ樹脂で埋める。するとL1−L2間はガラスエポキシの混合物であるが、L2のパターンの横(パターンがないところ)は、ガラスクロスは流動しないので、エポキシ樹脂のみである。例にとると、ガラスエポキシの積層前は、樹脂含有量60%、誘電率4.3であるが、積層後は、L1−L2間のガラスエポキシの混合物の部分は、樹脂含有量53%、誘電率4.5となり、L2のパターン横(パターンがないところ)は、エポキシ樹脂のみなので、樹脂含有量100%、誘電率3.0となる。誘電率、誘電正接の値はプリント配線板の伝送線路シミュレーションに用いることがあるが、一般的には材料メーカから提供される積層前の値を使っており、積層後の値を使っていることは殆どない。なぜなら、積層後の値は、プリント配線板の各絶縁層厚さ同様、パターンの残銅率、パターンの厚さ、パターンの形状、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プレプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)など多数のパラメータの影響があるため簡単には求めることが難しいからである。このように、伝送線路シミュレーションに使う値そのものにずれが生じ、これによって伝送線路シミュレーションで出た解自体の精度が悪い場合がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、プリント配線板設計に於いて、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接の値等を必要とする際、従来では、各プリント配線板の設計段階に於いて、その都度、個別に計算したり、過去の参考になるデータを使用して、必要な値を得ていた。このため計算値と実測値とにずれが生じ、実際にできあがった製品に、寸法上、電気特性上の誤差が生じることから、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板製造に於いて所望の製品を得るまでに多くの時間と労力を要するという問題があった。
【0012】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、プリント配線板設計段階での計算値を実測値により近づけて、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板の設計精度を向上させることのできる、プリント配線板設計CADに適用されるプリント配線板設計支援システムおよびプリント配線板の設計を支援するプログラムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、プリント配線板を設計するCADのデータ(パターン、スルーホール、ビア、配線板形状等の二次元データ)を用い、更に、プリント配線板のパターンの残銅率、パターンの厚さ、パターンの形状、絶縁層の樹脂含有量、絶縁層の粘度、絶縁層の樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)などの設計、製造パラメータを考慮した上で、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にはその値を用いて各層の誘電率、誘電正接等を推定し提示する機能を実現したことを特徴とする。
【0014】
このように、本発明は、プリント配線板設計CADから取得されるパターンおよび板形状等の二次元データと、パターンの厚さ、および形状、絶縁層の樹脂含有量、粘度、および樹脂フロー量、積層条件等の設計パラメータとをもとに、設計するプリント配線板の各層および全体の厚さを求める(推定する)ことによって、設計するプリント配線板の特に各層および全体の厚さ方向に対する精度をより高めることができる。
【0015】
即ち、本発明は、プリント配線板設計CADに適用されるプリント配線板設計支援システムであって、プリント配線板設計CADから設計対象となるプリント配線板のパターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、形状等の各種設計レイアウト情報を取得する第1の手段と、前記設計対象となるプリント配線板のパターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、積層温度、積層圧力)等の各種パラメータの情報を取得する第2の手段と、前記第1の手段で取得した情報および前記第2の手段で取得した情報をもとに、少なくとも製造後に於けるプリント配線板の板厚若しくは各絶縁層の厚さを推定し出力する第3の手段とを具備したことを特徴とする。
【0016】
更に、本発明は、前記第3の手段で推定した板厚、各絶縁層の厚さの情報を、前記プリント配線板設計CADの伝送線路シミュレーションを行うシミュレータ若しくは前記プリント配線板設計CADにフィードバックする第4の手段を具備することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、プリント配線板設計CADと、伝送線路シミュレータと、前記プリント配線板設計CADより取得したデータと設定パラメータとをもとに、少なくとも製造後に於けるプリント配線板の板厚、若しくは各絶縁層の厚さを推定し表示するプリント配線板設計支援モジュールとを具備したプリント配線板設計CADシステムを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、プリント配線板設計CADに用いられるプリント配線板の設計を支援するプログラムであって、前記プリント配線板設計CADから、設計するプリント配線板の設計レイアウト情報を取得する第1の機能と、前記設計するプリント配線板の設定パラメータ情報を取得する第2の機能と、前記第1の機能で取得した情報および前記第2の機能で取得した情報をもとに、少なくとも製造後に於ける前記プリント配線板の板厚、若しくは各絶縁層の厚さを推定し出力する第3の機能とを具備したことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0020】
図1は本発明の実施形態に於けるプリント配線板設計CADシステムの構成を示すブロック図であり、プリント配線板設計CAD11、および表示部14と、伝送線路シミュレータ12とを有して構成される。更にこれらの構成要素に、設計対象となるプリント配線板の各種パラメータを格納したデータベース13と、上記プリント配線板設計CAD11およびデータベース13より取得したデータをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には各層の誘電率、誘電正接等を推定し出力するプリント配線板設計支援モジュール15とが付加される。
【0021】
上記データベース13には、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼす、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、積層温度、積層圧力)等のパラメータが格納される。
【0022】
上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11から、設計するプリント配線板の二次元上(平面上)の設計情報を取得し、上記データベース13から、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼすパラメータ情報を取得する。具体的には、上記プリント配線板設計CAD11から、パターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、配線板形状等の各設計レイアウト情報を取得し、上記データベース13から、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)等のパラメータを取得する。
【0023】
更に上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11より取得した設計レイアウト情報と、上記データベース13より取得したパラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にその値を用い必要に応じて、各層の誘電率、誘電正接等を推定して、その結果の値を上記表示部14に表示出力するとともに、上記伝送線路シミュレータ12にフィードバックする。
【0024】
図2は上記プリント配線板設計支援モジュール15の処理手順を示すフローチャートである。
【0025】
図3および図4は上記図2に示すフローチャートのステップS13で実行される処理を説明するためのプリプレグ断面図であり、それぞれ図5に示すプリント配線板の一部を抽出して示している。図3は積層前のプリプレグ断面図、図4は積層後のプリプレグ断面図である。
【0026】
図5は本発明で対象とするプリント配線板の一例として、4層貫通スルーホールプリント配線板の断面構造を示したもので、一般的な4層(L1−L4)プリント配線板は、2−3(L2−L3)層間の両面銅張積層板(コア材)51に、1−2(L1−L2)層間、及び3−4(L3−L4)層間の各プリプレグ52,53と、L1層とL4層の各銅箔54,55をそれぞれ張り合わせて積層する。その後、この積層板にドリルでスルーホール用の孔を明け、スルーホールめっきを施すことにより4層貫通スルーホール56が形成される。
【0027】
ここで、上記各図を参照して本発明の実施形態に於ける処理動作を説明する。
【0028】
本発明の実施形態によるプリント配線板設計CADシステムは、図1に示すように、プリント配線板設計CAD11、および表示部14と、伝送線路シミュレータ12とを有するシステムに、設計対象となるプリント配線板の各種パラメータを格納したデータベース13と、上記プリント配線板設計CAD11およびデータベース13より取得したデータをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には各層の誘電率、誘電正接等を演算し推定するプリント配線板設計支援モジュール15を付加して構成される。上記データベース13には、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼす、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、積層温度、積層圧力)等のパラメータが格納される。
【0029】
上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11から、パターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、配線板形状等の各設計レイアウト情報を取得し(図2ステップS11)、上記データベース13から、設計するプリント配線板の板厚、各層の厚さに影響を及ぼす、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層条件(積層時間、温度、圧力)等のパラメータを取得する(図2ステップS12)。
【0030】
更に上記プリント配線板設計支援モジュール15は、上記プリント配線板設計CAD11より取得した設計レイアウト情報と、上記データベース13より取得したパラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定し、更にその値を用い必要に応じて、各層の誘電率、誘電正接等を推定して(図2ステップS13)、その結果の値を上記表示部14に表示出力するとともに、上記伝送線路シミュレータ12にフィードバックする(図2ステップS14)。
【0031】
ここで、上記プリント配線板設計支援モジュール15に於ける、製造後に於けるプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを推定する処理(図2ステップS13)について更に説明を加える。
【0032】
プリント配線板設計支援モジュール15は、プリント配線板設計CAD11の設計データ、および、データベース13に蓄積された、設計、製造パラメータを使って、製造するプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には必要に応じて各層の誘電率、誘電正接の値を求める。
【0033】
(I).プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求める方法について
上記プリント配線板設計支援モジュール15に於ける処理のポイントは、設計するプリント配線板のCADデータとプリント配線板の製造性を考慮することによって、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求めることである。
【0034】
例えば、図5を参照して説明すると、2−3(L2−L3)層間の両面銅張積層板(コア材)51は、プリント配線板の材料メーカで製造し、両面銅張積層板の絶縁層の厚さが変動する要因が多くないため、厚さの精度はそれほど悪くないので、プリント配線板の材料メーカから提供される厚さのデータを用いればよい。上記プリント配線板設計支援モジュール15の特徴は、プリント配線板メーカで製造し、変動要素の多い、1−2層間と、3−4層間の絶縁層の厚さを精度良く求めることができるところにある。1−2層間と、3−4層間の絶縁層の厚さを決める変動要素には次のようなものがある。
【0035】
・L2層やL3層の残銅率
・L2層やL3層のパターンの厚さ
・L2層やL3層のパターンの形状
・プリプレグの樹脂含有量(2種類以上の複合材料の含有率)
・プリプレグの粘度
・プレプレグの樹脂フロー量
・積層条件(積層時間、温度、圧力)
・スルーホール、ノンスルーホール、ビアなど数量、形状、位置
・プリント配線板の形状
このような変動要素をCADデータに加えて用いることで、設計するプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求めることができる。ここで重要なポイントは、各導体の残銅率、各導体のパターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、プリント配線板の形状などの設計情報については、プリント配線板設計CAD11とリンクすることにより、その設計情報に合ったプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さを求める。一つのプリント配線板の各絶縁層厚さといっても、パターンの形状や場所によって、一つの面内で厚さの分布が変わるが、プリント配線板の設計CADとリンクしているため、面内での厚さの分布を求めることができる。
【0036】
また、一般的にはプリント配線板設計CAD11と伝送線路シミュレータ12はリンクしているが、本発明の実施形態では、プリント配線板設計支援モジュール15で求めたプリント配線板の板厚(板厚の分布)、各絶縁層の厚さの結果を使って伝送線路シミュレーションをすることにより、精度の良い伝送線路シミュレーションが可能となる。
【0037】
ここで絶縁層の厚さについて更に言及する。
【0038】
積層前の絶縁層の厚さと積層後の絶縁層の厚さは次のような関係がある。
【0039】
(1)積層前の絶縁層の厚さ
一般的なガラスエポキシ樹脂を使ったプリント配線板の場合、コア(CCL)とプリプレグがある。
【0040】
コアはプリント配線板メーカは硬化した状態(Cステージ)で購入することから、積層により厚さが変動することは殆どないが、プリプレグは半硬化状態で購入し、積層によって厚さが変動する。
【0041】
積層前プリプレグ断面を図3に示している。
【0042】
積層前のプリプレグの厚さは、シート状になっており、樹脂とガラス布がある一定の割合で混合した状態になっている。樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれ、AとBとする(A+B=1)。プリプレグの面積をS、厚さをZとすると、樹脂量は式1の通りとなる。
【0043】
樹脂量=S×Z×A ・・・式1
(2)積層後の絶縁層の厚さ
積層後のプリプレグ断面を図4に示している。この図4は上記図5に示すプリント配線板の一層目(L1)と二層目(L2)を拡大して示している。
【0044】
積層工程を経るによって、プリプレグの厚さは、ZからZ’に変わる。L2パターンが無い場所は樹脂が流れ込むことで埋まっている。
【0045】
図4に示すL2パターンの残銅率をC、L2パターン厚をH、積層時の樹脂フロー(はみ出した)量をD、Z’エリアの樹脂の体積百分率をA’とすると、樹脂量は式2の通りになる。
【0046】
樹脂量=S×Z’×A+(1−C)×H×S+D ・・・式2
積層前と積層後の樹脂量は同じである(式3)ことから、式1=式2の関係が成り立ち、積層後の厚さZ’は式4の通りとなる。
【0047】
S×Z×A= S×Z’×A’+(1−C)×H×S+D ・・・式3
Z’=(Z−(1−C)×H ― D/S)/A’ ・・・式4
尚、式4の樹脂フロー量Dについては、式5のようなパラメータの関数となる。
【0048】
D=f(プリプレグの粘度、積層条件(積層時間、温度、圧力))・・・式5
(II).各層の誘電率、誘電正接を求める方法について
各層の誘電率、誘電正接に関しては、基本的に上記プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さの考えと同じであり、プリント配線板設計支援モジュール15は、プリント配線板のCADデータとプリント配線板の製造性を考慮することによって、プリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接を求めることである。各絶縁層の材料が2種類以上の複合材料で構成されている場合は、複合されているそれぞれの材料の誘電率、誘電正接は、複合材料それぞれの含有率によって変わる。また、プリント配線板の一つの絶縁層でも、パターンの形状や場所によって、面内で誘電率、誘電正接が違う。
【0049】
例えば、図5を参照して説明すると、2−3層間の両面銅張積層板51は、プリント配線板の材料メーカで製造し、両面銅張積層板の誘電率、誘電正接が変動する要因が多くないため、誘電率、誘電正接の精度はそれほど悪くないので、プリント配線板の材料メーカから提供されるデータを用いればよい。上記プリント配線板設計支援モジュール15の特徴とするところは、プリント配線板メーカで製造し、変動要素の多い、1−2層間と、3−4層間の誘電率、誘電正接を精度良く求めることができるところにある。1−2層間と、3−4層間の誘電率、誘電正接を決める変動要素は、厚さを決める変動要素と同じである。
【0050】
このような変動要素を上記プリント配線板設計支援モジュール15で計算し、設計するプリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接を求めることができる。重要なポイントは各導体の残銅率、各導体のパターン、スルーホール、ノンスルーホール、ビア、プリント配線板の形状などの設計情報については、プリント配線板設計CAD11とリンクすることにより、その設計情報にあった絶縁層の誘電率、誘電正接を求める。また、設計するプリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接といっても、パターンの形状や場所によって、一つの面内で絶縁層の誘電率、誘電正接の分布が変わるが、プリント配線板の設計CADとリンクしているため、面内での絶縁層の誘電率、誘電正接の分布を求めることができる。
【0051】
また、一般的にはプリント配線板設計CAD11の設計CADと伝送線路シミュレータ12はリンクしているが、上記プリント配線板設計支援モジュール15で求めたプリント配線板の絶縁層の誘電率、誘電正接の結果を使って伝送線路シミュレーションをすることにより、精度の良い伝送線路シミュレーションが可能となる。
【0052】
ここで誘電率について更に言及する。
【0053】
(1)積層前の誘電率
一般的なガラス布の誘電率は7.0、エポキシ系樹脂は3.6である。
【0054】
樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれ、AとBとし、樹脂の誘電率をεresin、ガラスクロスの誘電率をεglass、積層前のガラスエポキシの誘電率をεbeforeとすると、式6の関係がある。
【0055】
(2)積層後の誘電率
積層後の樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれ、A’と’Bとし、図4に示すZ’エリアの樹脂とガラス布の体積百分率をそれぞれA’、B’とし、積層後のガラスエポキシの誘電率をεafterすると、式7の関係がある。
【0056】
上述したように、プリント配線板設計支援モジュール15により、プリント配線板を設計するCADデータ、及びプリント配線板の設計、製造パラメータを使って、プリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、更には必要に応じて各層の誘電率、誘電正接を求めることで、実際に出来上がったプリント配線板により近似したプリント配線板の板厚、各絶縁層の厚さ、各層の誘電率、誘電正接の各情報を取得でき、この情報を表示部に表示し、更に伝送線路シミュレータ12にフィードバックすることで、設計するプリント配線板の特に各層および全体の厚さ方向に対する精度をより高めることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、プリント配線板設計段階での計算値を実測値により近づけて、機械的、電気的に高精度が要求されるプリント配線板の設計精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に於けるプリント配線板設計CADシステムの構成を示すブロック図。
【図2】上記実施形態に於けるプリント配線板設計支援モジュールの処理手順を示すフローチャート。
【図3】上記実施形態に於ける絶縁層の厚さの変動を説明するためのプリプレグの断面を示す図。
【図4】上記実施形態に於ける絶縁層の厚さの変動を説明するためのプリプレグの断面を示す図。
【図5】本発明で対象とするプリント配線板の断面構造例を示す図。
【符号の説明】
11…プリント配線板設計CAD
12…伝送線路シミュレータ
13…データベース
14…表示部
15…プリント配線板設計支援モジュール
Claims (11)
- プリント配線板設計CADから設計対象となるプリント配線板の設計レイアウト情報を取得する第1の手段と、
前記設計対象となるプリント配線板の設定パラメータ情報を取得する第2の手段と、
前記第1の手段で取得した情報および前記第2の手段で取得した情報をもとに、製造後に於けるプリント配線板の絶縁層の厚さを推定し出力する第3の手段とを具備したことを特徴とするプリント配線板設計支援システム。 - 前記第3の手段で推定した板厚若しくは各絶縁層の厚さの情報を、前記プリント配線板設計CADの伝送線路シミュレーションを行うシミュレータ若しくは前記プリント配線板設計CADにフィードバックする第4の手段を具備する請求項1記載のプリント配線板設計支援システム。
- 前記第1の手段で取得する設計レイアウト情報には、パターンの設計情報、スルーホールの設計情報、ノンスルーホールの設計情報、ビアの設計情報、プリント配線板の形状設計情報の少なくともいずれか複数の情報が含まれる請求項1記載のプリント配線板設計支援システム。
- 前記第2の手段で取得する設定パラメータの情報には、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層時間、積層温度、積層圧力の少なくともいずれか複数のパラメータが含まれる請求項1記載のプリント配線板設計支援システム。
- プリント配線板設計CADと、
伝送線路シミュレータと、
前記プリント配線板設計CADより取得したデータと設定パラメータとをもとに、製造後に於けるプリント配線板の絶縁層の厚さを推定し表示するプリント配線板設計支援モジュールと
を具備したことを特徴とするプリント配線板設計CADシステム。 - 前記プリント配線板設計支援モジュールは、前記プリント配線板設計CADから、設計するプリント配線板のパターン情報を取得し、前記設定パラメータとして、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、および積層条件の各パラメータを取得して、前記各情報をもとに、少なくとも製造後に於けるプリント配線板の板厚、若しくは各絶縁層の厚さを推定し、前記伝送線路シミュレータにフィードバックする請求項5記載のプリント配線板設計CADシステム。
- プリント配線板設計CADに用いられるプリント配線板の設計を支援するプログラムであって、
前記プリント配線板設計CADから、設計するプリント配線板の設計レイアウト情報を取得する第1の機能と、
前記設計するプリント配線板の設定パラメータ情報を取得する第2の機能と、
前記第1の機能で取得した情報および前記第2の機能で取得した情報をもとに、製造後に於ける前記プリント配線板の絶縁層の厚さを推定し出力する第3の機能と
を具備したことを特徴とするプリント配線板の設計を支援するプログラム。 - 前記第3の機能で推定した値の情報を、前記プリント配線板設計CADの伝送線路シミュレーションを行うシミュレータにフィードバックする第4の機能を具備する請求項7記載のプリント配線板の設計を支援するプログラム。
- 前記第1の機能が取得する設計レイアウト情報には、パターンの設計情報、スルーホールの設計情報、ノンスルーホールの設計情報、ビアの設計情報、プリント配線板の形状設計情報の少なくともいずれか複数の情報が含まれる請求項7記載のプリント配線板の設計を支援するプログラム。
- 前記第2の機能で取得する設定パラメータ情報には、パターンの厚さ、絶縁材料の厚さ、プリプレグの樹脂含有量、プリプレグの粘度、プリプレグの樹脂フロー量、積層時間、積層温度、積層圧力の少なくともいずれか複数のパラメータが含まれる請求項7または8記載のプリント配線板の設計を支援するプログラム。
- 前記第3の機能は、前記推定した各絶縁層の厚さの情報と、前記第1、第2の機能で取得した所定の情報とをもとに、各層の誘電率、誘電正接を推定し出力する請求項7記載のプリント配線板の設計を支援するプログラム。
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