JP2004062521A - 日毎雷害故障数予測装置及び日毎雷害故障数予測方法 - Google Patents

日毎雷害故障数予測装置及び日毎雷害故障数予測方法 Download PDF

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JP2004062521A JP2002219870A JP2002219870A JP2004062521A JP 2004062521 A JP2004062521 A JP 2004062521A JP 2002219870 A JP2002219870 A JP 2002219870A JP 2002219870 A JP2002219870 A JP 2002219870A JP 2004062521 A JP2004062521 A JP 2004062521A
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Akiyoshi Tominaga
富永 哲欣
Nobue Aoki
青木 延枝
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山根 宏
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Abstract

【課題】前日及び数日前の落雷数と落雷による故障数を利用して、当日の落雷による機器の故障数を予測することが可能な日毎雷害故障数予測装置及び日毎雷害故障数予測方法を提供する。
【解決手段】落雷による機器の故障数を入力する故障数入力部101dと、落雷数を入力する落雷数入力部80dと、故障数入力部101dと落雷数入力部80dとから入力された数値を記憶する数記憶部102dと、落雷による機器の故障数を目的変数、落雷数を説明変数とする重回帰式における回帰係数を、入力された過去の落雷数と故障数から算出し、得られた予測式に、入力された直前の数日間の落雷数と故障数を代入し推定故障数を算出する故障数予測部81dと、算出された推定故障数を出力する故障数出力部82dと、故障数と落雷数とが入力される度に回帰係数を自動的に更新する学習部103dとを具備する。
【選択図】      図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、落雷による機器の故障に際して通信事業者などの故障修理のための人員の稼動調整や配置調整等のマネジメントにおいて、稼動調整や配置調整が必要か否かの判定に用いる日毎雷害故障数予測装置及び日毎雷害故障数予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、故障修理における人員の稼動及び配置を調整するにあたって、回復時間に係わるサービスエリアの広さ及びサービスエリア内に収容されている端末等の機器数に応じて固定的に要員を配属している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、落雷発生は突発的であり、また夏季の数日間のみ発生するという特徴があるので年間を通じて人員を調整することは困難であった。従来の固定的な人員配置では、要員数が故障に対し十分であれば、サービス回復時間が遅延することは少なく、突発的に多数発生する落雷による故障に対しても問題になることは少ない。しかしながら、サービス料金の低下等の要因により、十分な人員配置は不可能となってきているにもかかわらず、機器の低消費電力化、高速デバイスの使用による雷サージ耐力が低下しており、機器配線の複雑化により雷サージの侵入経路が増えている。また、通信機器などの高機能化に伴い機能が複雑化し、故障回復に係る時間も増加する傾向にあり、年間を通じた故障の平均値での人員配置では、夏季に発生する多雷季での人員が大幅に不足し、サービス品質の低下が起こっている。さらに、年間を通じた故障数の最大値での人員の配置では、年間の多くの期間で過剰人員となり、サービス料金を低下させることが困難となる。このような理由のため、故障申告数が要員数を大幅に上回るという事象が発生してから対応をするか、勘によって稼動及び配置調整をする方法の他になかった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、前日及び数日前の落雷数と落雷による機器の故障数を利用して、当日の落雷による機器の故障数を予測することが可能であり、かつ数値的に人員の必要稼働数が出力されるため、客観的に人員配置を調整することが可能である日毎雷害故障数予測装置及び日毎雷害故障数予測方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
あるエリアにおける落雷数と、落雷による機器の故障数の時系列での関係を図1及び図2に示す。図1によると、落雷数のピークと落雷による故障数のピークがずれていることがわかる。これは、故障が発生してから顧客が申告するまでにタイムラグが発生していることが理由であると考えられる。図2は図1を数値化したものである。
【0006】
ここで、落雷は夕方から夜にかけて発生しやすいこと、また、前記のように故障が発生してから顧客が申告するまでにタイムラグが発生していることを利用し、図3のようにi日前からp日前までの故障数Mを目的変数とし、また、i日前からi+p−1日前までのそれぞれ日の落雷数Nli+n−1を説明変数とし、時系列に並べ以下の線形式で重回帰分析を行う。
【0007】
【数5】
Figure 2004062521
【0008】
ここで回帰係数kは、最小二乗法により、つまり(5)式の残差平方和
【0009】
【数6】
Figure 2004062521
【0010】
を考え、(6)式の正規方程式を解くことで求められ、また、統計的に有意であるかを検定できる。
【0011】
図3では例として、2000年7月12日の機器の故障数を推定する例を示している。ここで、p=6としている。
【0012】
回帰係数kを決定するには、図3の太線内の数値を利用する。つまり、1日前から6日前までの故障数M=0に対して、7月11日の落雷数Nlから7月6日の落雷数Nl、2日前から7日前までの故障数M=4に対して、7月10日の落雷数Nlから7月5日の落雷数Nl、3日前から8日前までの故障数M=2に対して、7月9日の落雷数Nlから7月4日の落雷数Nl、4日前から9日前までの故障数M=0に対して、7月8日の落雷数Nlから7月3日の落雷数Nl、5日前から10日前までの故障数M=4に対して、7月7日の落雷数Nlから7月2日の落雷数Nl10、6日前から11日前までの故障数M=13に対して、7月6日の落雷数Nlから7月2日の落雷数Nl11によって、前記(6)式から回帰係数kを決定する。
【0013】
例として、図4のように回帰係数kが決定され、この予測式が有意であるかは分散分析表を作成し、F分布との関係から検定でき、予測の正しさは重相関係数により表される。
【0014】
nが一般的に自然数pである場合も同様で、i日前(i=1,2,…,p)からi+p−1日前までの故障数Mに対して、i日前の落雷数からi+p−1日前までの落雷数によって、前記(6)式から回帰係数kを決定する。
【0015】
図5は上記の計算による落雷による機器の故障数の予測値と実際の故障数を表している。この場合の重相関係数は、0.81である。
【0016】
ここまでは、従来の線形回帰モデルを用いて予測モデルを立てたが、ここからは顧客の通信端末数や通信サービスのエリア面積等を考慮にいれ、通信事業等への実用性のあるモデルへの変形を試みる。
【0017】
図6は、面積当たりの故障密度と収容密度と落雷密度の関係を示している。これによると、故障密度の対数が収容密度と落雷密度の積の対数に比例していることが見て取れる。年間の落雷による故障件数Maは、端末数Ns、年間落雷数Nla、サービスエリア面積Sとする時、面積当たりの故障密度、端末密度、落雷密度の関係は、年毎の落雷密度によらず、以下の式が近似的に成り立つ。
【0018】
【数7】
Figure 2004062521
【0019】
ただし、ここでhは係数である。
【0020】
装置の雷防護耐力等により係数hは変動するが、短期間の時間変化に対し装置の変更はないとすれば、hの時間的変動はないと仮定できる。短期間の時間変化に対し、各サービスエリア面積Sにおける端末数Nsの変化もないと仮定でき、これらを定数とすると、ある交換センタにおける落雷による故障件数Mは、短期間において、
【0021】
【数8】
Figure 2004062521
【0022】
ただし、Kは交換センタの雷害故障係数である。
【0023】
この関係を時系列で並べ、数日前の落雷数Nli+n−1が当日の故障数に影響を与えていると仮定し、以下の非線形近似式を仮定できる。
【0024】
【数9】
Figure 2004062521
【0025】
(9)式で表されると仮定した場合の重相関係数は、0.82となり、(5)式の場合よりも精度を向上することができる。
【0026】
また、予測に必要な日数pは、139エリアにおいて本手法を用いて自由度調整済重相関係数の平均値の比較を行うと、図7に示すような関係となり、5〜6日で最も予測が良くなる。
【0027】
本発明では前記目的を達成するため上記の原理を利用し、請求項1では、図8に示すように、落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測装置であって、i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とから、これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
【0028】
【数10】
Figure 2004062521
【0029】
における回帰係数kを事前に算出し得られた予測式に、入力された前日の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を算出する故障数予測部81aと、サービスエリア内の落雷数を入力する落雷数入力部80aと、前記(10)式により算出された推定故障数を出力する故障数出力部82aとを具備することを特徴とする日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0030】
請求項1の発明によれば、機器の故障数を推定したい当日の直前のp日間の落雷数を落雷数入力部に入力すると、当日の推定故障数が計算され出力される。
【0031】
請求項2では,図10に示すように、i日前からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mを入力する故障数入力部101cと、故障数入力部101cと落雷数入力部80cとから入力された数値を記憶する数記憶部102cと、故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(10)式により回帰係数kを自動的に更新する学習部103cとを具備することを特徴とする請求項1記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0032】
請求項2の発明によれば、機器の故障数を推定したい当日の直前のp日間の落雷数を落雷数入力部80cに入力すると、当日の推定故障数が計算、出力される。また、i日前からi+p−1日前までの落雷数Nli+n−1及びi日前からp日前までの落雷による機器の故障数Mを入力すると、回帰係数kが自動的に更新されるだけでなく、過去のデータが記憶され蓄積していくので、数値を入力して推定故障数を出力する度により正確な推定故障数を得られるようになる。
【0033】
請求項3では、図12に示すように、求められた推定故障数から算出される故障修理のための必要要員数を出力する要員数出力部120eを具備することを特徴とする請求項1あるいは2何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0034】
請求項3の発明によれば、機器の推定故障数だけでなく、故障修理に必要な要員数を出力することができる。
【0035】
請求項4では、図14に示すように、サービスエリアの要員数を蓄積しておく要員数蓄積部140gと、該要員数と前記必要要員数との差分を求め出力する要員数差分出力部141gとを具備する
ことを特徴とする請求項3記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0036】
請求項4の発明によれば、故障修理のために予定の要員数より何人不足しているかを出力することができる。
【0037】
請求項5では、図16に示すように、隣接するサービスエリアの各装置をネットワークで接続し、各エリアで故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に該故障数Mと落雷数Nli+n−1をネットワークを通じて受信し、自動的に回帰係数kを更新することを特徴とする請求項2乃至4何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0038】
請求項5の発明によれば、ひとつのエリアだけでなく、隣接した複数のサービスエリアから送られてきたデータを蓄積するので、より正確な故障数の推定を行うことができる。
【0039】
請求項6では、図9に示すように、落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測装置であって、i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とから、これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
【0040】
【数11】
Figure 2004062521
【0041】
における回帰係数kを事前に算出し得られた予測式に、入力された前日の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を計算する故障数予測部81bと、サービスエリア内の落雷数を入力する落雷数入力部80bと、前記(11)式により算出された推定故障数を出力する故障数出力部81bとを具備することを特徴とする日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0042】
請求項6の発明によれば、機器の故障数を推定したい当日の直前のp日間の落雷数を落雷数入力部80bに入力すると、当日の推定故障数が計算、出力される。この発明は、顧客の通信端末数や通信サービスのエリア面積等を考慮にいれ、通信事業等への実用性のあるモデルに変形されたものであり、前記請求項1乃至5の発明よりもより正確に機器の故障数を推定することができる。
【0043】
請求項7では、図11に示すように、i日前からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mを入力する故障数入力部101dと、該故障数入力部と前記落雷数入力部とから入力された数値を記憶する数記憶部102dと、故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(11)式により回帰係数kを自動的に更新する学習部103dとを具備することを特徴とする請求項6記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0044】
請求項7の発明によれば、機器の故障数を推定したい当日の直前のp日間の落雷数を落雷数入力部80dに入力すると、当日の推定故障数が計算、出力される。また、i日前からi+p−1日前までの落雷数Nli+n−1及びi日前からp日前までの落雷による機器の故障数Mを入力すると、回帰係数kが自動的に更新されるだけでなく、過去のデータが記憶され蓄積していくので、数値を入力して推定故障数を出力する度により正確な推定故障数を得られるようになる。
【0045】
請求項8では、図13に示すように、求められた推定故障数から算出される故障修理のための必要要員数を出力する要員数出力部120fを具備することを特徴とする請求項6あるいは7何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0046】
請求項8の発明によると、機器の推定故障数だけでなく、故障修理に必要な要員数を出力することができる。
【0047】
請求項9では、図15に示すように、サービスエリアの要員数を蓄積しておく要員数蓄積部140hと、該要員数と前記必要要員数との差分を求め出力する要員数差分出力部141hとを具備する
ことを特徴とする請求項8記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0048】
請求項9の発明によると、故障修理のために予定の要員数より何人不足しているかを出力することができる。
【0049】
請求項10では、図16に示すように、隣接するサービスエリアの各装置をネットワークで接続し、各エリアで故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に該故障数Mと落雷数Nli+n−1をネットワークを通じて受信し、自動的に回帰係数kを更新することを特徴とする請求項8乃至9何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置をもって解決手段とする。
【0050】
請求項10の発明によると、ひとつのエリアだけでなく、隣接した複数のサービスエリアから送られてきたデータを蓄積するので、より正確な故障数の推定を行うことができる。
【0051】
請求項11では、落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測方法であって、i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とを入力するステップと、これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
【0052】
【数12】
Figure 2004062521
【0053】
における回帰係数kを求め故障数の予測式をたてるステップと、直前のp日間のサービスエリア内の落雷数を入力するステップと、入力された数値を記憶するステップと、該予測式に入力された直前のp日間の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を計算するステップと、算出された推定故障数を出力するステップと、故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(12)式により回帰係数kを自動的に更新するステップとを有することを特徴とする日毎雷害故障数予測方法をもって解決手段とする。
【0054】
請求項11の発明によれば、機器の故障数を推定したい当日の直前のp日間の落雷数を入力すると、当日の推定故障数が計算され出力される。また、i日前からi+p−1日前までの落雷数Nli+n−1及びi日前からp日前までの落雷による機器の故障数Mを入力すると、回帰係数kが自動的に更新されるだけでなく、過去のデータが記憶され蓄積していくので、数値を入力して推定故障数を出力する度により正確な推定故障数を得られるようになる。
【0055】
請求項12では、前記(12)式により求められた推定故障数から故障修理のための必要要員数を算出するステップと、該必要要員数を出力するステップを含むことを特徴とする請求項11記載の日毎雷害故障数予測方法をもって解決手段とする。
【0056】
請求項12の発明によれば、機器の推定故障数だけでなく、故障修理に必要な要員数を出力することができる。
【0057】
請求項13では、サービスエリアの要員数を蓄積するステップと、該要員数と前記必要要員数との差分を算出するステップと、該差分を出力するステップを含むをもって解決手段とする。
【0058】
請求項13の発明によれば、故障修理のために予定の要員数より何人不足しているかを出力することができる。
【0059】
請求項14では、落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測方法であって、i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とを入力するステップと、これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
【0060】
【数13】
Figure 2004062521
【0061】
における回帰係数kを求め故障数の予測式をたてるステップと、直前のp日間のサービスエリア内の落雷数を入力するステップと、入力された数値を記憶するステップと、該予測式に入力された直前のp日間の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を計算するステップと、算出された推定故障数を出力するステップと、故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(13)式により回帰係数kを自動的に更新するステップとを有することを特徴とする日毎雷害故障数予測方法をもって解決手段とする。
【0062】
請求項14の発明によれば、機器の故障数を推定したい当日の直前のp日間の落雷を入力すると、当日の推定故障数が計算、出力される。また、i日前からi+p−1日前までの落雷数Nli+n−1及びi日前からp日前までの落雷による機器の故障数Mを入力すると、回帰係数kが自動的に更新されるだけでなく、過去のデータが記憶され蓄積していくので、数値を入力して推定故障数を出力する度により正確な推定故障数を得られるようになる。さらにこの発明は、顧客の通信端末数や通信サービスのエリア面積等を考慮にいれ、通信事業等への実用性のあるモデルに変形されたものであり、前記請求項11乃至13の発明よりもより正確に機器の故障数を推定することができる。
【0063】
請求項15では、前記(13)式により求められた推定故障数から故障修理のための必要要員数を算出するステップと、該必要要員数を出力するステップを含むことを特徴とする請求項14記載の日毎雷害故障数予測方法をもって解決手段とする。
【0064】
請求項15の発明によれば、機器の推定故障数だけでなく、故障修理に必要な要員数を出力することができる。
【0065】
請求項16では、サービスエリアの要員数を蓄積するステップと、該要員数と前記必要要員数との差分を算出するステップと、該差分を出力するステップを含むことを特徴とする請求項15記載の日毎雷害故障数予測方法をもって解決手段とする。
【0066】
請求項16の発明によれば、故障修理のために予定の要員数より何人不足しているかを出力することができる。
【0067】
【発明の実施の形態】
図8は日毎雷害故障数予測装置の第1の実施形態を示している。この装置を利用し当日の機器の故障数をもとめるにあたり、最初に、図3のようにサービスエリア内の過去数日間の落雷数と、落雷による機器の故障数の蓄積が必要である。
【0068】
これらの値を、
【0069】
【数14】
Figure 2004062521
【0070】
を用いて重回帰分析する。ここで、^は推定を表し、k(n=1,2,…,p)は回帰係数、Nli+n−1(i=1,2,…,p)はi日前からのi+p−1前までの落雷数である。これにより回帰係数k(n=1,2,…,p)を事前に手動あるいはコンピュータで計算し、日毎雷害故障数予測装置に入力しておく。例えば、過去6日間(p=6)の落雷数と故障数からは、図4のようなkの値を得た。
【0071】
日毎雷害故障数予測装置は、落雷によるサービスエリア内の機器の故障数を推定したい当日の直前の数日間における落雷数を入力する落雷数入力部80aと、入力された落雷数をkの値が決定した( 14 )式に代入することで、当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を計算する故障数予測部81aと、算出された推定故障数を出力する故障数出力部82aを有している。
【0072】
そして、落雷数が落雷数入力部80aに入力されると、その値は故障数予測部81aへ送られ、故障数予測部81aは(14)式により推定故障数を算出する。算出された推定故障数は故障数出力部82aへ送られ、故障数出力部82aはその値を出力する。
【0073】
図9は日毎雷害故障数予測装置の第2の実施形態を示している。この装置を利用し当日の機器の故障数をもとめるにあたり、最初に、図3のようにサービスエリア内の過去数日間の落雷数と、落雷による機器の故障数の蓄積が必要である。
【0074】
これらの値を、
【0075】
【数15】
Figure 2004062521
【0076】
を用いて重回帰分析する。ここで、^は推定を表し、k(n=1,2,…,p)は回帰係数、Nli+n−1(i=1,2,…,p)はi日前からi+p−1日前までの落雷数である。これにより回帰係数k(n=1,2,…,p)を事前に手動あるいはコンピュータで計算し、日毎雷害故障数予測装置に入力しておく。
【0077】
日毎雷害故障数予測装置は、落雷によるサービスエリア内の機器の故障数を推定したい当日の直前の数日間における落雷数を入力する落雷数入力部80bと、入力された落雷数をkの値が決定した( 15 )式に代入することで、当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を計算する故障数予測部81bと、算出された推定故障数を出力する故障数出力部82bを有している。
【0078】
そして、落雷数が落雷数入力部80bに入力されると、その値は故障数予測部81bへ送られ、故障数予測部81bは(15)式により推定故障数を算出する。算出された推定故障数は故障数出力部82bへ送られ、故障数出力部82bはその値を出力する。
【0079】
図9の日毎雷害故障数予測装置では、第1の実施形態と異なり、故障数予測部81bでは線形の(14)式ではなく非線形の(15)式を用いて推定故障数を計算する。
【0080】
この非線形式(15)式は、顧客の通信端末数や通信サービスのエリア面積等を考慮にいれ、通信事業等への実用性のあるモデルへの変形を試みたものであり、実施形態1の場合よりも正確な故障数の推定を行うことができる。
【0081】
図10は日毎雷害故障数予測装置の第3の実施形態であって、第1の実施形態の日毎雷害故障数予測装置にさらに、過去の数日間におけるサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mを入力する故障数入力部101cと、落雷数入力部80cと故障数入力部101cと落雷数入力部80cとから入力された数値を記憶する数記憶部102cを有している。日毎雷害故障数予測装置の初期状態において回帰係数kを決定する際に、故障数入力部101cと落雷数入力部80cとからそれぞれ故障数Mと落雷数Nli+n−1が入力されると、数記憶部102cはその値を記憶する。落雷数入力部80cから入力された当日の直前の数日間の落雷数も数記憶部102cに記憶される。
【0082】
この日毎雷害故障数予測装置はさらに、故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力、記憶されるたびに回帰係数kを自動的に計算し更新する学習部103cも有しており、回帰係数kの値を代入した(14)式に、入力された当日の直前の数日間の故障数を代入し推定故障数を算出する。この場合、回帰係数kはデータが蓄積されるほど精度のよいものとなる。
【0083】
また、図12のように、求められた推定故障数から算出される故障修理のための必要要員数を求め出力する要員数出力部120eを設けてもよい。
【0084】
ここで必要要員数は、例えば、推定故障数が40で1人が0.5の修理能力があるとすると、必要要員数は80人と出力される。
【0085】
さらにまた、図14のように、サービスエリアの要員数を蓄積しておく要員数蓄積部140gと、蓄積された要員数と必要要員数との差分を求め出力する要員数差分出力部141gとを設けてもよい。予めに装置に要員数を蓄積しておき、推定故障数が求まるとその差分が計算され出力される。
【0086】
図11は日毎雷害故障数予測装置の第4の実施形態であって、第2の実施形態の日毎雷害故障数予測装置にさらに、過去の数日間におけるサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mを入力する故障数入力部101dと、落雷数入力部80dと故障数入力部101dと落雷数入力部80dとから入力された数値を記憶する数記憶部102dを有している。日毎雷害故障数予測装置の初期状態において回帰係数kを決定する際に、故障数入力部101dと落雷数入力部80dとからそれぞれ故障数Mと落雷数Nli+n−1が入力されると、数記憶部102dはその値を記憶する。落雷数入力部80dから入力された当日の直前の数日間の落雷数も数記憶部102dに記憶される。
【0087】
この日毎雷害故障数予測装置はさらに、故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力、記憶されるたびに回帰係数kを自動的に計算し更新する学習部103dも有しており、回帰係数kの値を代入した(14)式に、入力された当日の直前の数日間の故障数を代入し推定故障数を算出する。この場合、回帰係数kはデータが蓄積されるほど精度のよいものとなる。
【0088】
また、図13に示すように、求められた推定故障数から算出される故障修理のための必要要員数を求め出力する要員数出力部120fを設けてもよい。
【0089】
さらにまた、図15に示すように、サービスエリアの要員数を蓄積しておく要員数蓄積部140hと、蓄積された要員数と必要要員数との差分を求め出力する要員数差分出力部141hとを設けてもよい。予めに装置に要員数を蓄積しておき、推定故障数が求まるとその差分が計算され出力される。
【0090】
図16では、実施形態3あるいは4の日毎雷害故障数予測装置を隣接するサービスエリアの日毎故障数予測装置とネットワークで接続している。ネットワークで接続したことにより、隣接したサービスエリアの日毎雷害故障数予測装置に落雷数Nli+n−1及び故障数Mが入力されるたびに、ネットワークを介して隣接したサービスエリアの日毎雷害故障数予測装置に新しいデータが送られ、それを受け取った装置は数記憶部に記憶し、学習部で新しい回帰係数kを求めておき、次の落雷数の入力に備える。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、機器の推定故障数が計算され出力されるので、それを基にして人員の稼働数を客観的に調整することができる。また、データの入力数が多いほど、また、他のサービスエリアから送られてきたデータが多いほどデータが蓄積され正確な推定故障数を得られるようになり、正確な人員配置及び稼働の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】日毎の落雷による故障数と落雷数の関係を示した図
【図2】日毎の落雷による故障数と落雷数の関係を数値で示した図
【図3】過去の落雷による故障数と落雷数を示した図
【図4】p=6で計算したときの回帰係数を示した図
【図5】落雷数と(1)(3)(10)(12)(14)式により求められる推定故障数の関係を示した図
【図6】収容密度、落雷密度、落雷による故障数密度の関係を示した図
【図7】故障数の予測に用いた日数と自由度調整済相関係数の関係を示した図
【図8】第1の実施形態に係る日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図9】第2の実施形態に係る日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図10】第3の実施形態に係る日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図11】第4の実施形態に係る日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図12】第3の実施形態に必要要員数出力部を付加した日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図13】第4の実施形態に必要要員数出力部を付加した日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図14】第3の実施形態に必要要員数出力部と要員数蓄積部と要員数差分部を付加した日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図15】第4の実施形態に必要要員数出力部と要員数蓄積部と要員数差分部を付加した日毎雷害故障予測装置のブロック図
【図16】図10乃至15で示される日毎雷害故障予測装置をネットワークで接続した図
【符号の説明】
80a,80b,80c,80d、80e,80f,80g.80h…落雷数入力部、81a,81b,81c,81d,81e,81f,81g,81h…故障数予測部、82a,82b,82c,82d,82e,82f,82g,82h…故障数出力部、101c,101d,101e,101f,101g,101h…故障数入力部、102c,102d,102e,102f,102g,102h…数記憶部、103c,103d,103e,103f,103g,103h…学習部、120e,120f,120g,120h…要員数蓄積部、140g,140h…必要要員数出力部、141g,141h…要員数差分部。

Claims (16)

  1. 落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測装置であって、
    i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とから、これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
    Figure 2004062521
    における回帰係数kを事前に算出し得られた予測式に、入力された前日の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を算出する故障数予測部と、
    サービスエリア内の落雷数を入力する落雷数入力部と、
    前記(1)式により算出された推定故障数を出力する故障数出力部とを具備する
    ことを特徴とする日毎雷害故障数予測装置。
  2. i日前からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mを入力する故障数入力部と、
    該故障数入力部と前記落雷数入力部とから入力された数値を記憶する数記憶部と、
    故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(1)式により回帰係数kを自動的に更新する学習部とを具備する
    ことを特徴とする請求項1記載の日毎雷害故障数予測装置。
  3. 求められた推定故障数から算出される故障修理のための必要要員数を出力する要員数出力部を具備する
    ことを特徴とする請求項1あるいは2何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置。
  4. サービスエリアの要員数を蓄積しておく要員数蓄積部と、
    該要員数と前記必要要員数との差分を求め出力する要員数差分出力部とを具備する
    ことを特徴とする請求項3記載の日毎雷害故障数予測装置。
  5. 隣接するサービスエリアの各装置をネットワークで接続し、各エリアで故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に該故障数Mと落雷数Nli+n−1をネットワークを通じて受信し、自動的に回帰係数kを更新する
    ことを特徴とする請求項2乃至4何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置。
  6. 落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測装置であって、
    i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とから、これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
    Figure 2004062521
    における回帰係数kを事前に算出し得られた予測式に、入力された前日の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を算出する故障数予測部と、
    サービスエリア内の落雷数を入力する落雷数入力部と、
    前記(2)式により算出された推定故障数を出力する故障数出力部とを具備する
    ことを特徴とする日毎雷害故障数予測装置。
  7. i日前からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mを入力する故障数入力部と、
    該故障数入力部と前記落雷数入力部とから入力された数値を記憶する数記憶部と、
    故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(2)式により回帰係数kを自動的に更新する学習部とを具備する
    ことを特徴とする請求項6記載の日毎雷害故障数予測装置。
  8. 求められた推定故障数から算出される故障修理のための必要要員数を出力する要員数出力部を具備する
    ことを特徴とする請求項6あるいは7何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置。
  9. サービスエリアの要員数を蓄積しておく要員数蓄積部と、
    該要員数と前記必要要員数との差分を求め出力する要員数差分出力部とを具備する
    ことを特徴とする請求項8記載の日毎雷害故障数予測装置。
  10. 隣接するサービスエリアの各装置をネットワークで接続し、各エリアで故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に該故障数Mと落雷数Nli+n−1をネットワークを通じて受信し、自動的に回帰係数kを更新する
    ことを特徴とする請求項8乃至9何れか1項記載の日毎雷害故障数予測装置。
  11. 落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測方法であって、
    i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とを入力するステップと、
    これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
    Figure 2004062521
    における回帰係数kを求め故障数の予測式をたてるステップと、
    直前のp日間のサービスエリア内の落雷数を入力するステップと、
    入力された数値を記憶するステップと、
    該予測式に入力された直前のp日間の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を算出するステップと、
    算出された推定故障数を出力するステップと、
    故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(3)式により回帰係数kを自動的に更新するステップとを有する
    ことを特徴とする日毎雷害故障数予測方法。
  12. 前記(3)式により求められた推定故障数から故障修理のための必要要員数を算出するステップと、
    該必要要員数を出力するステップを含む
    ことを特徴とする請求項11記載の日毎雷害故障数予測方法。
  13. サービスエリアの要員数を蓄積するステップと、
    該要員数と前記必要要員数との差分を算出するステップと、
    該差分を出力するステップを含む
    ことを特徴とする請求項12記載の日毎雷害故障数予測方法。
  14. 落雷による機器の故障数を日毎に予測するための日毎雷害故障数予測方法であって、
    i日前(i=1,2,…,p)からp日前までのサービスエリア内での落雷による機器の故障数Mと、i日前からi+p−1日前までのそれぞれの日のサービスエリア内での落雷数Nli+n−1(n=1,2,…,p)とを入力するステップと、
    これらを目的変数及び説明変数とする重回帰式
    Figure 2004062521
    における回帰係数kを求め故障数の予測式をたてるステップと、
    直前のp日間のサービスエリア内の落雷数を入力するステップと、
    入力された数値を記憶するステップと、
    該予測式に入力された直前のp日間の落雷数を代入することにより,当日のサービスエリア内における落雷による機器の推定故障数を算出するステップと、
    算出された推定故障数を出力するステップと、
    故障数Mと落雷数Nli+n−1とが入力される度に、前記(4)式により回帰係数kを自動的に更新するステップとを有する
    ことを特徴とする日毎雷害故障数予測方法。
  15. 前記(4)式により求められた推定故障数から故障修理のための必要要員数を算出するステップと、
    該必要要員数を出力するステップを含む
    ことを特徴とする請求項14記載の日毎雷害故障数予測方法。
  16. サービスエリアの要員数を蓄積するステップと、
    該要員数と前記必要要員数との差分を算出するステップと、
    該差分を出力するステップを含む
    ことを特徴とする請求項15記載の日毎雷害故障数予測方法。
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