JP2004062116A - 画像表示装置の制御回路および制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な回路構成で不揮発性メモリの読み出し速度を高速化する。
補正データをROMから高速に読み出す方法を、安価に実現する。
【解決手段】画像表示装置の制御方法は、発光素子の各々について発光を補正するための補正データを蓄積する第1のメモリから補正データを読み出して、第1のメモリよりも高速な書き込みおよび読み出しが可能な第2のメモリに書き込む工程と、第2のメモリに蓄積された補正データを駆動制御部が読み込む工程と、駆動制御部で補正データに基づいて発光素子の補正を行い、画像データに基づいて表示部に画像を表示させる工程とを有する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像表示装置の制御回路および制御方法に関するものである。特に、本発明は画像データでなく補正データを高速に読み込むための制御回路および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」とも呼ぶ。)等の高輝度の発光素子が、光の三原色である赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)のRGBそれぞれにつき開発されたため、大型の自発光型フルカラーディスプレイが作製されるようになった。特に、LEDディスプレイは軽量化、薄型化が可能で、かつ消費電力が低いなどの特長を有するので、屋外でも使用可能な大型ディスプレイとしての需要が急激に増加している。サイズの大きな大型LEDディスプレイでは多数のLEDが必要となる。例えば縦300×横400ドットのマトリックスでは、12万ドットのLED群が必要で、1ドットにRGBのLEDをそれぞれ使用すると36万個のLEDが必要となる。
【0003】
LEDディスプレイの駆動方式としては、一般にダイナミック駆動方式が用いられている。例えば、図1に示すように、M行×N列のドットマトリックスで構成されたLEDディスプレイの場合、各行に位置する発光素子であるLED11aのアノード端子が1つのコモンソースライン12に共通に接続され、各列に位置するLEDのカソード端子がその列の電流ライン13に共通に接続されている。電流ライン13には、それぞれ定電流源14aが接続されている。M行あるコモンソースライン12が所定の周期で順次ONされ、ONしたラインに対応する画像データに応じて、N列ある電流ライン13にLED駆動電流が供給される。これにより各画素のLED11aにその画像データに応じたLED駆動電流が印加され、画像が表示される。
【0004】
屋外に設置するような大型LEDディスプレイは、複数のLEDユニットを組み合わせて構成されるものが一般的である。各LEDユニットには、基板上にRGBを一組とする発光ダイオードがドットマトリックス状に配置されており、各々のLEDユニットが上述のLEDディスプレイと同様の動作を行う。LEDユニットを複数組み合わせて全体で一のフラットディスプレイを構成する場合、表示される画面の情報の内各部分が各々のLEDユニット上に表示される。
【0005】
各LEDは、素子毎に発光特性のばらつきがあるため、同じ電流を印加しても輝度や明るさがLED毎に若干異なる。よって、複数のLEDを配列したLEDディスプレイとすると、発光の仕方にムラが見られることがある。これを防止するために、各素子毎に輝度または明るさ、あるいはその両方につき補正を行う必要がある。各素子用の補正データは一般にROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)などの不揮発性メモリに記憶される。例えばLEDディスプレイに画像を表示させる際、補正データがROMから読み込まれ、補正された情報に基づいて画像表示が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ROMはデータの読み出し速度が遅いため、高速駆動には不向きであるという問題があった。LEDディスプレイを利用する場合は、表示の際のちらつきを低減するために、一般に画像のリフレッシュレートは、ビデオ垂直同期に対し、4倍速や8倍速、16倍速などの倍速周期で行われる。例えば16倍速表示の場合は、通常のビデオ周期である60Hzの16倍の周期で表示が切り替わる。16倍速表示では、1画面のデータを60Hzにおいて16回繰り返して表示している。このような高速で表示させるためには、コモンソースラインの切り替え速度を高速にしなければならない。これに応じて、輝度補正データ等各種補正データの読み出し速度も高速化することが要求される。このため、高速なROMを使用する必要があり、例えば読み出し速度が10MHzのROMを使用していた。しかしながら、高速なROMは高価になり、回路の製造コストが高騰するという問題があった。またROM自体の高速化にも技術的な限界があった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するために開発されたものである。本発明の主な目的は、高速なデータ読み出しが可能な制御回路を安価に提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は画像表示装置の制御回路および制御方法に関するものである。本発明の請求項1に記載される画像表示装置の制御回路は、複数の発光素子を配列してなる表示部と、前記表示部の発光素子を駆動する駆動制御部を備え、外部データソースからの画像データに基づいて前記表示部にて画像を表示させる。この画像表示装置の制御回路は、前記発光素子の発光を補正するための補正データを蓄積する第1のメモリと、前記第1のメモリよりも高速な書き込みおよび読み出しが可能な第2のメモリとを備えている。前記第1のメモリより前記補正データを読み出して前記第2のメモリに書き込み、前記第2のメモリに蓄積された前記補正データを前記駆動制御部に転送し、前記駆動制御部で前記補正データに基づいて前記発光素子の補正を行って前記表示部に画像を表示させる。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載される画像表示装置の制御回路は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記第1のメモリが不揮発性メモリであることを特徴とする。
【0010】
不揮発性メモリとしては、ROMなどが使用される。また複数のROMを設けて並列に処理可能とすることで、高速化を図ることもできる。
【0011】
さらに、本発明の請求項3に記載される画像表示装置の制御回路は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記第2のメモリが揮発性メモリであることを特徴とする。
【0012】
揮発性メモリとしては、RAM(Randam Access Memory)などが使用される。例えば複数のRAMを並列に設け、切替器で切り替えて使用することができる。
【0013】
さらにまた、本発明の請求項4に記載される画像表示装置の制御回路は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記第1のメモリが複数のメモリ部で構成され、前記補正データが前記複数のメモリ部に分割されて格納されていることを特徴とする。
【0014】
さらにまた、本発明の請求項5に記載される画像表示装置の制御回路は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記第2のメモリの記憶容量が、表示部で表示される1フレームの画像データ容量よりも少ないことを特徴とする。
【0015】
さらにまた、本発明の請求項6に記載される画像表示装置の制御回路は、前記請求項1に記載される特徴に加えて、前記補正データが、前記表示部を構成する個々の発光素子に関するドット補正データと、色調補正データを含むことを特徴とする。
【0016】
一方、本発明の請求項7に記載される画像表示装置の制御方法は、外部データソースからの画像データに基づいて表示部に画像を表示させる方法である。この方法では、表示部には複数の発光素子がドットマトリックス状に配列されており、前記発光素子は複数のコモンソースライン上に電気的に接続されており、駆動制御部が各コモンソースラインに接続される発光素子に対し画像データに基づいて所定の電流を印加し、各コモンソースラインを順次切り替えながらすべてのコモンソースラインを走査して発光素子を点灯するダイナミック駆動方式が採用される。さらに画像表示装置の制御方法は、前記発光素子の各々について発光を補正するための補正データを蓄積する第1のメモリから前記補正データを読み出して、前記第1のメモリよりも高速な書き込みおよび読み出しが可能な第2のメモリに書き込む工程と、前記第2のメモリに蓄積された前記補正データを前記駆動制御部が読み込む工程と、前記駆動制御部で前記補正データに基づいて発光素子の補正を行い、前記画像データに基づいて前記表示部に画像を表示させる工程とを有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための画像表示装置の制御回路および制御方法を例示するものであって、本発明は画像表示装置の制御回路および制御方法を以下のものに特定しない。
【0018】
なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。また各図面が示す部材の大きさや位置関係などは、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよい。
【0019】
以下、本発明では、発光素子としてLEDを使用したLEDディスプレイの制御回路および制御方法について説明する。ただ、本発明で述べる画像表示装置はLEDディスプレイに限定されるものでなく、例えばLCD、TFT、有機ELディスプレイなど、現在利用可能なおよび将来開発される画像表示表示に対して利用可能である。
【0020】
図2に、本発明の実施例に係る画像表示装置の一例を示す。図に示す画像表示装置は、複数のLEDを画素毎にマトリックス状に配列したLEDディスプレイユニット1と、LEDディスプレイユニット1のLEDを駆動する駆動部50と、駆動部50に各種制御データを送信する駆動制御部51を備える。駆動部50は、垂直駆動部50Aと、水平駆動部50Bよりなる。垂直駆動部50Aはコモンドライバ17であり、水平駆動部50BはLEDドライバ50bである。
【0021】
図2の画像表示装置では、駆動制御部51から駆動部50へ画像データ、輝度補正データ、色度補正データなどを送信する。この画像表示装置では直接にダイナミック駆動を行っている。駆動制御部51は垂直駆動部50Aであるコモンドライバ17を制御し、コモンドライバ17が表示部10であるLEDドットマトリックス上の各コモンソースラインCom1〜ComNに接続されたLEDへの電源供給切替を行っている。水平駆動部50BであるLEDドライバ50bは複数段が接続されており、コモンドライバ17によって選択された行に接続されたLEDに電流を供給する。
【0022】
図2では一の駆動制御回路に一のLEDディスプレイユニットのみを接続した例を図示している。ただ実際には、複数のLEDディスプレイユニットを連結して、より大きなLEDディスプレイを構成し、LEDディスプレイユニットの集合体を表示部としてあたかも一のLEDディスプレイユニットのように使用する。このため、駆動制御部には一以上のLEDユニットが接続されて、これらを制御する。例えば、図3に示すように、縦3行×横4列の行列状に接続された一の表示部10に対して、一の駆動制御部51がこれらを駆動する。図3の例では、LEDディスプレイユニット1がS字状に端部で折り返して接続されているが、LEDディスプレイユニットの接続形態はこれに限られない。例えば、同様に3×4の行列状に配列して、各行の終端から次行へのLEDユニット間の接続を開始列に復帰するようZ字状に接続することもできる。あるいは、一列または一行というように、一方向に連なるように接続することもできる。
【0023】
LEDディスプレイの表示に必要なデータとしては、表示される画像データ以外に、補正データがある。補正データには、輝度を補正するドット補正データ、色を補正する色調補正データがある。これらの補正データは、不揮発性メモリであるROMに蓄積される。各表示部を構成するLEDディスプレイユニットに設けられたLED素子は、素子毎にばらつきがあり、そのまま発光させたのでは発光ムラが生じることがある。そこで、素子間のばらつきを補正するためのデータを予め測定しておき、これを各LEDディスプレイユニット毎に設けたROMに保持しておく。したがって、LEDディスプレイユニットに配設されるLEDの補正データが、そのユニットに設けられたROMに記憶される。そして各コモンソースラインの画像データを表示させる際に、ROMから該当するLEDに関する補正データが読み込まれる。ドライバ回路に補正データが転送されて補正された輝度、色調でLEDが発光し、画像表示が行われる。このように各コモンソースライン毎に該当する補正データが順次読み込まれて、補正データにより輝度、色調が補正された画像が表示される。
【0024】
補正データを読み込む際は、発光させる前段階で高速に読み出さなければならない。ダイナミック駆動でLEDを点灯する場合、コモンソースラインを切り替えて表示させるが、フレーム周期が決まっているため、この期間内で各ライン毎に該当する補正データを表示前に読み出す必要がある。補正データは画像データと同期させて読み出されるため、ドライバ回路に画像データを転送するスピードが速いほど、ROMからの読み出しも速くする必要がある。このように、倍速表示などによりコモンソースラインの切り替えが速くなると、これに応じて補正データも短い時間内に読み出さなければならなず、補正データを蓄積するROMの読み出し速度を高速化する必要がある。このため、ROMのデータ読み出しをローコストで高速でかつコントロール可能な回路が望まれる。
【0025】
駆動制御部は、外部から画像データを受け取り、これを各LEDユニットに転送する。一方で、メモリからLEDの補正データを読み込んで、輝度補正、色調補正を行う。駆動制御部がメモリから補正データを読み込むための回路構成例を図4に示す。この図に示す回路は、第1のメモリであるROMと、第2のメモリであるRAMを備える。ROMは図7に示すように、SEPROMである2つのROM#1、ROM#2でROM部18を構成する。RAMは、複数のRAMが並列に接続されたRAM部19に設けられる。ROM部18とRAM部19の間は、ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)15を含む伝送制御部20を介して接続されている。ROM部18と伝送制御部20、および伝送制御部20とRAM部19の間はシリアルで接続されている。ROM部18と伝送制御部20の詳細を図7に示す。RAM部19は、シリアルで受けたデータをパラレルに変換して、ドライバ回路に対しデータをパラレルで転送する。
【0026】
図4に示す回路は、ROM部18に記録された補正データを、伝送制御部20であるブロックAのDMAC15によって、ブロックBのRAM部19に展開し、ブロックBから読み出すように構成している。一方で画像表示装置にて表示させる画像などの表示データは、通信インターフェース(SFCI)に接続された外部コントローラから通信によって受信する。受信された表示データはデコーダ(DEC)を介してブロックDの表示用RAM_A、RAM_Bに送られる。ブロックDで表示用のRAMを2つ備えることによって、2画面分のデータを蓄えることができ、一方のRAMで表示データを書き込む間、他方のRAMから作製された表示データを読み込む。書き込み用SELと読み出し用SELとによって表示用RAM_A、RAM_Bが切り替えられ、これら2つのRAMによって表示データの書き込みと読み出しを同時に行うことができ、高速な動作が可能となる。このようにして読み出された表示データはグラフィックデータ(GD)としてブロックEに送られ、マルチプレクサ(MUX)にてブロックBの補正データと合成される。ブロックEではLEDドライバ50bに送信する通信パケットを生成する。一方、ブロックFではLEDドライバ50bからのデータを受信する。このデータには、例えばLEDの障害情報などが含まれる。ブロックFにて抽出された障害情報などのデータは、ブロックGに送られる。ブロックGは、SFCIとブロックE、およびブロックFとSFCIとの間で通信するためのデータを保持するためのRAMとして、RAM_C、RAM_Dをそれぞれ備える。障害情報などのデータはRAM_Dに書き込まれ、SFICで読み出して外部コントローラにレスポンスとして読み出される。一方でブロックCは、温度センサから温度情報をブロックHを介して蓄積する。またタイミングジェネレータ(TG)はブロックCなどの情報に基づいて制御信号を生成し、コモンドライバに送信する。
【0027】
図4に示す回路は、回路構成を比較的に簡単にできるというメリットがある。ROM#1のデータを読み込むRAM#1と、ROM#2のデータを読み込むRAM#2では、データの信号線は図6に示すようにDATA_A、DATA_Bと別々に設ける必要があるものの、各RAMはROM#1、#2のデータを同じタイミングで読み出しているため、タイミング信号など制御信号の線を共有することができる。また同じ回路で読み出し(R)、書き込み(W)を制御可能というメリットもある。
【0028】
この実施例の構成では、ドライバ回路が直接ROMから補正データを読み出すことはせず、ROMから一旦RAMに蓄積されたデータを読み出す。RAMは一般にROMよりも高速に読み書きができる。よって本発明は、一旦ROMのデータをより高速なRAMに書き出し、RAMに書き出されたデータに対してドライバ回路がアクセスするようにして、ROMへのアクセスが低速になる問題を回避している。この様子を、図5に基づいてさらに詳しく説明する。
【0029】
図5は、デューティ比1/2で16倍速にて駆動した場合のROMとRAMのアクセスの状態を示すタイミングチャートである。60Hzのビデオ周期では、一枚の画像データに割り当てられる時間、すなわち垂直同期信号(VSYNC)の間隔は1÷60=約16.7msとなる。16倍速動作の場合、さらにこれを16のフレームに分割して、各フレーム毎に同じ画像データを表示する。よって1フレーム当たりの所要時間は16.7÷16=1041.6μsとなる。各フレームにおいて、該当する画像データを表示すると共に、次のフレームで表示すべきデータの読み出しが行われる。例えばフレーム1では、フレーム2で表示されるデータの読み出しが行われる。
【0030】
フレーム1の区間では、図5に示すように、Com1データフレームおよびCom2データフレームの2つの点灯制御データが処理されている。表示を順次行うために、表示されるデータを書き出す一方で、次回に処理されるデータを読み出している。Com1データフレームは、図2に示すコモンソースラインの1番に相当する。つまり、Com1データフレームはLEDユニットの1行目に接続されたLEDに関するデータを格納している。Com1データフレームのパケットには、水平同期信号(HSYNC:HS)、コマンドパケット(CP)、表示データ、ドット補正データ、色調補正データが含まれる。コモンソースラインがN行ある場合は、各ライン毎にN回繰り返される。
【0031】
1フレームに割り当てられる時間が1041.6μsであり、これをCom1およびCom2で均等に分割すると1041.6÷2=520.8μsとなる。この時間内に、該当する補正データをROMから読み込んで処理しなければならない。図4の例では、2つのROM#1、#2を使用して読み込み速度を向上させている。予め補正データをこれらのROMに分割して保存しておくことで、2つのROMから同時に並行してデータの読み込みを行うことができ、結果的に読み込み処理に要する時間を半減できる。ROMの数をさらに増やすと、増やした分だけ読み込み速度の向上を図ることができる。
【0032】
Com1データフレームの期間内に、それぞれのROMに記録されたドット補正データと色調補正データをRAMに書き出し、RAMからドライバ回路へのデータ転送を終了させる。ROM#1にはドット補正データD1、色調補正データS1が、ROM#2にはドット補正データD2、色調補正データS2が保持されている。HS信号を受けて、ROM1、ROM2からそれぞれ同時に平行してRAMへの書き出しが行われる。この実施例では、それぞれのROMの読み込み速度は5MHzである。ドット補正データD1の読み込みに307.2μs、色調補正データS1の読み込みに102.4μs、それぞれ要したとする。
【0033】
次に、ROMからRAMに読み込まれたデータがドライバ回路に転送される。それぞれのRAMの読み出し速度は2.5MHzである。RAMはドライバ回路に対し8ビットのパラレルで出力されるため、実速度は2.5MHzの8倍となり、20MHz相当で行われる。ROM#1からRAM#1に読み込まれたドット補正データD1が、ドライバ回路に転送される様子は、図5のタイミングチャートで示される。RAMに、読み込みながら書き出しができるデュアルポートRAMを使用することによって、図に示すようにRAM#1はドット補正データD1の読み込みが完了していない段階からドライバ回路へのデータ転送を開始することができる。なお、この実施例においてシングルポートRAMを使用してもよい。
【0034】
図4に示すように、RAM#1、#2の出力側はセレクタ(SEL)16を介して並列に接続されている。RAMの後段に接続されるセレクタ16により、いずれかのRAMの出力に切り替えられる。この構成により、2つのRAMはセレクタ16で時分割に切り替えられてドライバ回路と接続され補正データを転送する。図5の例では、まずRAM#1がドライバ回路と接続されてドット補正データD1が書き込まれた後、RAM#2に切り替えられてドット補正2のデータがドライバ回路に書き込まれる。その後、再びRAM#1に接続されて色調補正データS1が書き込まれ、同様にしてRAM#2に切り替えて色調補正データS2が書き込まれる。
【0035】
図5から明らかなように、ROMからRAMへのドット補正データおよび色調補正データの取り込みに要する時間と、RAMからドライバ回路へのこれらの転送に要する時間を比較すると、明らかにドライバ回路への転送時間は短縮されている。従来のように、ROMのデータを直接ドライバ回路に転送すると、所要時間は倍になる。実施例では、ROMを複数設けて並列にデータをRAMに取り込むことにより、ROMのデータ読み込み時間を半減させた。さらに、RAMを8ビットパラレルでドライバ回路と接続することで、実効速度で20MHzとROMの読み込み速度の4倍の高速化を実現している。この結果、データの転送に要する時間は1/4となるので、各RAMにおけるドット補正データの転送は307.2μs÷4=76.8μs、色調補正データの転送は102.4μs÷4=25.6μsとなる。RAMをセレクタ16で切り替えて時分割にドライバ回路に転送したとしても、ドット補正データの転送に要する合計時間は76.8μs+76.8μs=153.6μs、色調補正データの転送に要する合計時間は25.6μs+25.6μs=51.2μsとなって、ROMの読み込み時間の半分となっている。
【0036】
このように本発明では、比較的安価なそれほど高速でないメモリ素子を使用しても、十分なデータ転送速度が得られるような構成を実現している。もちろん、より高速なROMやRAMを使用すればさらに高速化することができる。従来はRAMを使用せず、ドライバ回路がROMから直接データを読み出す構成が採用されていた。そして高速なROMを使用することで高速化を図っていたが、高速なROMは高価であるという欠点があった。またROMの高速化自体に限界があり、一般には最も速いROMでも読み込み速度が10MHzあたりとなり、倍速表示か4倍速表示が限界となっていた。
【0037】
本発明では、ROMを高速化するよりも、一旦別のメモリに読み込んで、ここからデータを転送する構成とした。この構成により、読み出すデータ量は同じでも所要時間を短縮することができる。RAMが複数のポート(この実施例では2ポート)を有する場合は、時分割で別々にデータを読み出せば済む。この動作をコモンドライバの各ライン毎に繰り返すことで、読み出しの高速化が実現される。
【0038】
またこの構成によれば、RAMはコモンソースラインに相当するデータを保持できる容量を持てばよいことになる。実施例のように次画面のデータを準備する場合でも、2つ分で足りる。言い換えると、1ラインのデータを2つ分保持できる容量のRAMで十分であって、全ラインに相当する表示画面1面分のデータを保持する容量は必要ない。1面分のデータを保持できるRAMを用意しようとすれば、大容量のメモリが必要となって高価になる欠点があった。例えば1面分のデータをメモリに保持させようとすれば、LEDユニット1面が16ドット×16ドットの場合、16×16=256ドットとなり、RGB3色分で3倍、輝度はその2倍のデータ量が必要となる。これに対し本発明では1ライン16ドット分のデータで足り、結果としてメモリ容量を抑え、安価なメモリを使用することで回路のコストを削減することができるメリットを享受できる。このように、本発明の構成によれば、安価に高速化を図ることができる。
【0039】
この実施例では16倍速表示を行う場合について説明したが、これ以外の速度で表示可能であることはいうまでもない。一般にビデオレートでは、4倍〜16倍の表示が行われる。
【0040】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の画像表示装置の制御回路および制御方法によれば、比較的安価な低速なメモリ素子を使用して、高速な倍速表示に対応できる補正データの高速な読み込み、転送が可能であるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表示装置の駆動方式の概略を示す回路図である。
【図2】駆動制御部がLEDユニットを制御する様子を示す概略図である。
【図3】複数のLEDユニットを連結した表示部を駆動制御部が制御する様子を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施例に係る画像表示装置の制御回路を示す回路図である。
【図5】図4に示す回路の動作を示すタイミングチャートである。
【図6】図4のRAM部において各RAMの信号線を示す回路図である。
【図7】図4の伝送制御部の詳細を示す回路図である。
【符号の説明】
1…LEDディスプレイユニット
10…表示部
11a…LED
12…コモンソースライン
13…電流ライン
14a…定電流源
15…DMAC
16…セレクタ
17…コモンドライバ
18…ROM部
19…RAM部
20…伝送制御部
50…駆動部
50A…垂直駆動部
50B…水平駆動部
50b…LEDドライバ
51…駆動制御部
L…画素
D1、D2…ドット補正データ
S1、S2…色調補正データ

Claims (7)

  1. 複数の発光素子を配列してなる表示部と、
    前記表示部の発光素子を駆動する駆動制御部を備え、
    外部データソースからの画像データに基づいて前記表示部にて画像を表示させる画像表示装置の制御回路であって、
    前記発光素子の発光を補正するための補正データを蓄積する第1のメモリと、
    前記第1のメモリよりも高速な書き込みおよび読み出しが可能な第2のメモリとを備え、
    前記第1のメモリより前記補正データを読み出して前記第2のメモリに書き込み、前記第2のメモリに蓄積された前記補正データを前記駆動制御部に転送し、前記駆動制御部で前記補正データに基づいて前記発光素子の補正を行って前記表示部に画像を表示させる画像表示装置の制御回路。
  2. 前記第1のメモリが不揮発性メモリであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の制御回路。
  3. 前記第2のメモリが揮発性メモリであることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の制御回路。
  4. 前記第1のメモリが複数のメモリ部で構成され、前記補正データが前記複数のメモリ部に分割されて格納されていることを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の制御回路。
  5. 前記第2のメモリの記憶容量が、表示部で表示される1フレームの画像データ容量よりも少ないことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の制御回路。
  6. 前記補正データが、前記表示部を構成する個々の発光素子に関するドット補正データと、色調補正データを含むことを特徴とする請求項1記載の画像表示装置の制御回路。
  7. 外部データソースからの画像データに基づいて表示部に画像を表示させる画像表示の制御方法であって、表示部には複数の発光素子がドットマトリックス状に配列されており、前記発光素子は複数のコモンソースライン上に電気的に接続されており、駆動制御部が各コモンソースラインに接続される発光素子に対し画像データに基づいて所定の電流を印加し、各コモンソースラインを順次切り替えながらすべてのコモンソースラインを走査して発光素子を点灯するダイナミック駆動方式の画像表示装置の制御方法であって、
    前記発光素子の各々について発光を補正するための補正データを蓄積する第1のメモリから前記補正データを読み出して、前記第1のメモリよりも高速な書き込みおよび読み出しが可能な第2のメモリに書き込む工程と、
    前記第2のメモリに蓄積された前記補正データを前記駆動制御部が読み込む工程と、
    前記駆動制御部で前記補正データに基づいて発光素子の補正を行い、前記画像データに基づいて前記表示部に画像を表示させる工程とを有する画像表示装置の制御方法。
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