JP2004061104A - 廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置 - Google Patents

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【課題】酸素を供給するパイプ長さを測定して先端位置を求めることができるパイプ測長装置を使用して廃棄物溶融炉の炉底に溜まった炉内残留物の酸素洗浄作業の自動化を図る、炉内残留物の酸素洗浄装置を提供する。
【解決手段】パイプ先端から酸素を噴出させて廃棄物溶融炉内残留物を流動化し排出させる酸素洗浄装置において、パイプ1の一端からパイプ内にマイクロ波を送信しパイプ先端1aから反射されたマイクロ波を受信するマイクロ波送受信装置2を備えた、パイプの一端からパイプ先端までのパイプの長さをマイクロ波により測定するパイプ測長装置のパイプに設けられた酸素供給口と、パイプを移動させるパイプ駆動装置5と、パイプの測長結果からパイプ先端が炉内の所定の位置に移動するようにパイプの移動量を演算してパイプ駆動装置5の駆動を制御する制御装置6とを備える。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロ波によりパイプの長さを測定するパイプ測長装置のパイプから酸素を供給口して廃棄物溶融炉の炉内残留物を排出するための酸素洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
都市ごみなどの廃棄物を溶融処理する廃棄物溶融炉では、溶融スラグを炉底の出湯口から排出した後、炉内に溜まった炉内残留物を排出するために酸素ランスパイプを出湯口から炉内に挿入し、酸素を噴出させて酸素による炉内可燃物の燃焼熱およびランスパイプ自身の燃焼熱により炉底を高温化させ残留物を流動化し完全に排出させる場合がある。
【0003】
作業中、酸素ランスパイプの先端位置が側壁に当たると炉壁が損傷するので、炉壁を傷めずに炉内の高温化を図るために、常に時間とともに消耗する酸素ランスパイプの先端位置を想定し先端が炉内中心あるいはその近傍に位置させるように経験的感覚で操作して炉内残留物排出作業を行っていた。
【0004】
ところで、マイクロ波を送信し、反射されたマイクロ波を受信して物体の位置や長さを測定することが知られている。パイプにおいても、移動するパイプの長さを測定するのにマイクロ波が利用されている。例えば、特許文献1には、シームレスパイプ製造ライン等により押し出された直後の熱間状態で押出管の長さを測定するため、押出プレス機から押し出された直後の押出管の外周部から、押出管の外周面に向けてマイクロ波を所定角度で照射し、押出管の外周面から反射されてきたマイクロ波を受信し、反射マイクロ波が押出管の押出速度に伴うドップラ効果により周波数変化したものを、照射したマイクロ波と混合して得たドップラ周波数に基づき、押出管の長さを測定する方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−147870号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の廃棄物溶融炉での炉内残留物の排出では、炉内を観察することができないので、経験的な感覚で消耗するパイプ先端位置を想定しつつ操作して酸素洗浄作業を行っているため、かつパイプ先端の消耗する早さも一定しないので、的確に作業を行うことができず、また炉壁を傷める場合があった。そこで、パイプ先端位置を計測することが考えられる。
【0007】
しかしながら、前記特許文献1記載のマイクロ波によるパイプ長さの測定は、移動しているパイプにマイクロ波を照射して行うものなので移動しないで停止しているパイプの測定ができないため、パイプの先端位置を計測することはできない。また、マイクロ波を遮る障害物が存在するなどの測定環境によりパイプの外周面にマイクロ波を照射できない場合には、当然のことながらパイプの測定は不可能である。
【0008】
そこで、本発明は、酸素を供給するパイプ長さを測定して先端位置を求めることができるパイプ測長装置を使用して廃棄物溶融炉の炉底に溜まった炉内残留物の酸素洗浄作業の自動化を図ることができる廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、パイプを廃棄物溶融炉の出湯口から炉内に挿入しパイプ先端から酸素を噴出させて廃棄物溶融炉内残留物を流動化し排出させる廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置において、パイプの一端からパイプ内にマイクロ波を送信しパイプ先端から反射されたマイクロ波を受信するマイクロ波送受信装置を備えた、パイプの一端からパイプ先端までのパイプの長さをマイクロ波により測定するパイプ測長装置のパイプに設けられた酸素供給口と、前記パイプを移動させるパイプ駆動装置と、パイプの測長結果からパイプ先端が炉内の所定の位置に移動するように前記パイプの移動量を演算してパイプ駆動装置の駆動を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置において、パイプ長さの測定は、マイクロ波の特性を利用するもので、パイプ内にマイクロ波を発信すると、パイプ開放端においては、マイクロ波伝波のインピーダンスミスマッチングにより反射波が生じる。また、パイプ先端にスラグ等の物体がある場合には当然そこからの反射波が発生し、反射されたマイクロ波の反射波強度が高くなることから、この特性を利用しパイプの一端からパイプ内にマイクロ波を発信しパイプ先端までの長さを求めんとするものである。
【0011】
廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置では、酸素ランスパイプの先端部が高温燃焼により消耗して行くが、本発明では、パイプ測長装置により連続的にパイプ長さを検出し発信点の現在位置より炉内先端位置を演算することができる。そのため、パイプ長さの変化に応じてパイプを移動させてパイプ先端部の位置を炉心近傍の位置など所定の位置に移動させることができる。
【0012】
図1(a)は本発明の酸素洗浄装置に使用するパイプ測長装置の説明図、(b)は反射波強度を示す図である。
【0013】
図1(a)において、パイプ測長装置は、パイプ1の一端にパイプ内にマイクロ波を送信し、反射されたマイクロ波を受信するマイクロ波送受信装置2が固定されている。マイクロ波送受信装置2には公知のものを使用することができる。パイプ1はソケット3でつなぐことによりパイプ1の長さを調節できるようにしてもよい。送信するマイクロ波の波長は、パイプ1の直径に応じて遮断周波数を考慮して最適な周波数に設定する。例えば、パイプ径が10Aでは24GHz付近、20Aでは10GHz付近に設定する。
【0014】
図1(b)に示すように、パイプ内にマイクロ波送受信装置でマイクロ波を発信すると、パイプ端1aにおいてはマイクロ波の特性、即ちマイクロ波伝波のインピーダンスミスマッチングから反射波強度が強くなるので、反射波強度のピーク(図1(b)では5mの位置)が表れるので、設定された基準点からパイプ開放端までのパイプ長さを測定することができる。また、パイプ端にスラグ等の物体が密着しているとそれによる反射波が生じ、反射強度のピークが表れる。
【0015】
図2は本発明の廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置の概略図である。
【0016】
図2において、パイプ1内にマイクロ波を送信して反射したマイクロ波を受信するマイクロ波送受信装置2を一端に固定したパイプ1には、パイプ内に酸素を供給してパイプ1の開放端1aから噴出させるために酸素供給口4が設けられている。
【0017】
パイプ1を前進あるいは後退させるために、パイプ1にはパイプ駆動装置5が接続されている。パイプ駆動装置5は制御装置6により制御されてパイプ1の移動量が制御される。
【0018】
制御装置6は、マイクロ波送受信装置2からの入力信号により、設定された基準点からパイプ開放端の長さを演算し、廃棄物溶融炉7の出湯口8から挿入されたパイプ1の開放端位置1aと炉7の中心位置との間の距離を演算する。パイプ長さを常時計測することにより、パイプ先端の消耗長さを知ることができるので、制御装置6によりパイプ駆動装置5を制御してパイプ1の移動量を調節してパイプ1の開放端を所定の位置に移動させる。
【0019】
【発明の効果】
本発明では、パイプの測長装置を使用して常時パイプ長さを測定することによりパイプの移動量を演算してパイプの移動を調整することができるので、酸素洗浄作業の自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の酸素洗浄装置に使用するパイプ測長装置の説明図、(b)は反射波強度を示す図である。
【図2】本発明の廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置の概略図である。
【符号の説明】
1:パイプ
1a:パイプ開放端
2:マイクロ波送受信装置
3:ソケット
4:酸素供給口
5:パイプ駆動装置
6:制御装置

Claims (1)

  1. パイプを廃棄物溶融炉の出湯口から炉内に挿入しパイプ先端から酸素を噴出させて廃棄物溶融炉内残留物を流動化し排出させる廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置において、
    パイプの一端からパイプ内にマイクロ波を送信しパイプ先端から反射されたマイクロ波を受信するマイクロ波送受信装置を備えた、パイプの一端からパイプ先端までのパイプの長さをマイクロ波により測定するパイプ測長装置のパイプに設けられた酸素供給口と、
    前記パイプを移動させるパイプ駆動装置と、
    パイプの測長結果からパイプ先端が炉内の所定の位置に移動するように前記パイプの移動量を演算してパイプ駆動装置の駆動を制御する制御装置とを備えたことを特徴とする廃棄物溶融炉内残留物の酸素洗浄装置。
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