JP2004061091A - 電子レンジ用容器の合成樹脂製トレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】一般家庭において、磁器、陶器、耐熱ガラス等の他、新しく開発された合成樹脂製の漆器を用いて電子レンジ調理をするにあたり、前記容器の何れかを使用しても適合し、吹き零れが生じた場合には、皿状のトレイに確実に受容させ、かつ、安定にトレイ上の容器を位置決めして定置できる電子レンジ調理用容器のトレイを提供する。
【解決手段】電子レンジ調理用容器のトレイ1は、底面11と、底面11の周囲の側面13とを合成樹脂で一体成形し、底面11に容器3の糸底33の内径より小さい直径として、前記糸底33と係合する環状位置決めリブ12を突設している。
【選択図】 図3
【解決手段】電子レンジ調理用容器のトレイ1は、底面11と、底面11の周囲の側面13とを合成樹脂で一体成形し、底面11に容器3の糸底33の内径より小さい直径として、前記糸底33と係合する環状位置決めリブ12を突設している。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジを利用して容器とトレイとを組み合わせて調理するとき、その出し入れに関して安全性を向上させ、さらには、煮沸を確実に向上させるトレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、低価格の電子レンジの普及に伴い、電子レンジで調理できるように調整された多種多様なファーストフードが提供されている。そして、これらの即席食品は、スープを伴うか否かによって、蒸し物と汁物に大別することができ、何れの種類の食品においても、電子レンジを利用して調理するときは、食品を入れた容器の開口部を塞ぐため、蓋もしくはフィルム状のラップを用いている。また、調理物が汁物であるときは、蓋に加えて、吹き零れが発生したときに備えてのトレイが用いられている。
【0003】
この際に用いられる容器の蓋及びトレイには、電子レンジ内の高周波加熱条件下において食品を扱う器具として、品質、構造、衛生性、性能等において、多くの特性が要求される。因みに、日本工業規格JIS S 2033「電子レンジ用プラスチック製容器」を参照するに、材質的には、高周波加熱に耐えることができる材料によって製造され、かつ、高周波加熱条件下での変形や有害な揮発物質、臭気、溶出物質を伴わないこと。が規定されている。また、使用の面から観ても、交番熱負荷に耐える耐久性を有すること。調理完了時点での温度上昇が安全温度内に止まること。汚れ落ちがよく洗浄しやすいこと等が列挙できる。
【0004】
さらに、構造的な見地から観れば、容器のトレイは、過ってトレイを斜めにしてもトレイ上の容器が容易に滑らないこと。万一、吹き零れが生じた場合においても電子レンジ内を汚さないこと等の諸特性が求められる。そして、これらの諸要求全体を同時に満足することは、従来、提案されている様々な電子レンジ調理用容器のトレイを参照するところ、現実には、なかなか困難なことであると言える。
【0005】
電子レンジ用容器のトレイに関しては、実開昭53−133248号公報を参照するに、皿体の中央部に液受け用の凹部を形成し、または、液受け用の凹部とともに、凹部に連続する放射方向の溝条を形成したものが開示されている。同公報に開示された図面によれば、皿体は、全体として、周縁部から中央の凹部に向かって下がる向きの緩い傾斜を持たせるように形成されている。
【0006】
この考案は、上記した、万一、吹き零れが生じた場合においても電子レンジ内を汚さないこと、と言う要求に応えようとするものであるが、この要求を満たす反面において、皿体の上に載せ置いた電子レンジ用の容器が、少しの外力によっても傾き危険であるという問題がある。つまり、この皿体は、吹き零れを中央部の凹部に流し集めることによって、吹き零れが電子レンジ内に流れ出ることを阻止したものであり、そのためには、皿体全体を浅いすり鉢状に傾斜したものとせざるを得ないのである。そして、この傾斜は、皿体の上に載せ置いた容器が、皿体の中央位置から僅かに位置ずれするだけでも、容器の一方側を高くするとともに他方側を低くするように作用するので、容器の安定性を欠くことになってしまう。また、溝条を設けたものは洗浄に困難が伴うという問題もある。
【0007】
また、特許第3053804号公報には、底面に形成された環状のリブを持ち、電子レンジの調理室内で回転する受け台上に置かれる補助トレーが開示されている。すなわち、回転受け台上に置く補助トレーを、食物の調理完了後、回転受け台から容易に取り出せるように底面に設けた環状リブに、エアベントを設けたことを特徴としている。
【0008】
さらには、実開平5−73897号公報には、、高熱効率電子レンジ用セラミックス・トレイが開示され、底面側には環状リブ状の高台が設けられている。
【0009】
電子レンジにおいて、種々のものを調理するため、回転受け台は永年使用中に主として熱歪みによって、台上の平面度が低下することがあり、底面側に環状リブもしくは高台が底面に連続して形成されていると、回転受け台の回転が始まるとガタツキ、安定性が危惧される。そして、トレイ上の容器に水分を入れて煮沸するとき、ガタツキによる煮零れが発生する虞もある。加えて、回転時に底面上側は平底状であるため、ガタツキが原因して容器自体がトレイ上を滑る危険性が発生する等の問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子レンジ用容器(以下、単に容器という)の合成樹脂製トレイに一般的に要求される諸特性を満たすことを課題とする。殊に、従来の提案に係る容器のトレイないし皿体が有する問題点に鑑み、洗浄性がよく、しかも耐久性を備えるとともに、一般家庭において、磁器、陶器、耐熱ガラス等の容器の他、新しく開発された合成樹脂製の漆器(特許第3119654号公報)を用いて電子レンジ調理する場合、前記容器にも広く適合して汎用性を維持し、吹き零れが生じた場合に、電子レンジ内を汚損させない機能を維持しながら、トレイ上の容器を安定に支持することができること等を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、この目的を達成するための手段として次のような構成を採用している。
【0012】
容器に敷く合成樹脂製トレイは、平面状の底面外側周囲に上方に向かって開拡する傾斜を連続した側面からなり、そして、この側面の外周は、上端縁の側方に向かって突出する環状の指掛けフランジを備え、その底面の裏面側には3箇所に電子レンジの回転受け台に当接する安定突起を形成するとともに、表面側中央に、容器の糸底内径よりも小さい直径とした1条の環状位置決めリブを突出形成し、この位置決めリブは、トレイが傾斜したとき前記糸底と係合して安全性を保持し、かつ、電子レンジ内での容器中心位置を位置合わせする基準としたことを特徴としている。
【0013】
このような構成を有するトレイは、裏面側の3箇所に形成する安定突起を介して電子レンジ内に安定に据え置くことができ、トレイ上の容器は、環状位置決めリブを頼りとして、電子レンジの回転受け台上で、その容器もしくはトレイを動かして位置決め調整することができる。従って、回転受け台と容器の中心を簡単に位置違いにさせることができる。換言すると、容器は回転受け台の中心を避けた偏心した状態で回転するから、容器内の調理物を万遍なく早く煮沸させる。また、調理完了に際しては、合成樹脂からなるトレイは、陶器、磁器、耐熱ガラス等からなる容器と比較して、比熱と熱伝導率が格段に低いので、容器を手で触ると危険な温度に上昇している場合でも、トレイ自体の温度上昇は非常に少なく、したがって、トレイを持って安全に容器を電子レンジから取出し、そのままで食卓上に運ぶことができる。この際、トレイ側面の指掛けフランジは、トレイを指で容易に持つことができ、滑るのを防止するとともに、環状位置決めリブは、トレイが傾いたときにも、糸底内で係合する環状位置決めリブによって容器の滑走が阻止され、その容器の転落を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、図面を引用しながら本発明のトレイとそのトレイを用いた実施の形態例を説明する。
【0015】
本発明にかかる合成樹脂製のトレイ1は、極僅かな中窪みに形成した底面11と、その底面11の周囲に一体成形した側面13とから成る(図1(A)、(B))。同図(A)は、トレイ1の平面図、(B)は、(A)の中央縦断面図である。
【0016】
トレイ1の底面11の表面側には、中心位置で1条の環状位置決めリブ12を突出させ、裏面側には120度間隔に等分分散配置された3個の安定突起15、15…が形成されている。また、側面13は、上側に向かって開拡する傾斜が連続し、側面13の上端縁には、側方に向かって突出状とした環状の指掛けフランジ14が形成されている。この環状位置決めリブ12は、容器3の糸底33(図3参照)よりも小さい直径として、ある程度容器の違いがあっても適合でき、かつ、その糸底33と係合可能な高さとして、トレー1はPP樹脂を材料として一体成形加工されている。
【0017】
環状位置決めリブ12を糸底33の直径よりも小さくした理由は、例えば、容器3を取り出そうとしてトレー1の側面13および指掛けフランジ14に指で触れた瞬間に、そのトレー1が傾き、容器3が滑ったとき、容器3内の調理物Fは容器の滑る方向に重力を移動するから、糸底33と係合する環状位置決めリブ12で阻止される。すなわち、環状位置決めリブ12が糸底33よりも直径が大きいときは、滑る方向の反対側では重力が軽くなるから、係合係止された容器3は滑った方向に転動が危惧されるので、その安定性を図ることを意図している。さらには、後述するように、電子レンジの中心と容器3の中心がトレー1を介して一致しないようにさせるためである。
【0018】
容器の蓋2は、蓋面20に複数(図示例では3カ所)の蒸気抜き孔24、24…を設け、常に蒸気圧は上方向に抜けるようにしてあり、蓋面20とフランジ部29とを一体にPP樹脂材料から成形している(図2(A),(B),(C))。なお、図2(A)は、蓋2の平面図、同図(B)は、蓋面20における凹陥部21、把持部22、下がり段23および蒸気抜き孔24の関係が理解できるようにした断面図である。同図(C)は、同様に重ねリブ27を表す断面図である。
【0019】
蓋面20は、一般的には電子レンジ調理に多用されている磁器、陶器、耐熱ガラス等の容器の開口部の外径寸法を考慮して、これらの外径寸法よりも大きい外径寸法を有する円形に形成されている。したがって、蓋面20は、通常の容器の開口部全体を覆うことができるサイズであり、把持部22を持って容器3に容易に着脱できる寸法である。フランジ部12は、短円筒形に形成されて蓋面20の裏面側に垂下している。
【0020】
蓋面20の中心部には、略球面形をなすように窪んだ凹陥部21が形成され、この凹陥部21内には、凹陥部21を横断する態様で把持部22が突設されている。
【0021】
蓋面20の表面側には、蓋面20の周縁部と中間部下がり段23との間に3本の重ねリブ27、27…が、中心から120度の角度間隔を保って放射状に分散配置され、隣り合う重ねリブ27と重ねリブ27との間には、それぞれ蓋面20の周方向に沿って湾曲する長孔状の蒸気抜き孔24を設けている。なお、各重ねリブ27は、蓋面20の周縁部からフランジ部29の厚み相当内側に小さくして形成され、蓋2を重ね保管するときに嵩張らなないようにしたものである。また、各蒸気抜き孔24の周囲には、蓋面20の内面側に僅か縁取りしたように突出した濡れ止めリブ26、26…と、蓋面20の上面には上向きに突出したダクトリブ25が一体成形されている。
【0022】
さらには、3箇所の蒸気抜き孔24、24…(図示では3箇所ではあるが、4箇所でも良い)は、容器3に被せたときに、容器3との間に、凹陥部21を中心とする蒸気通路を形成する。なお、容器3は、底面31と側面32と糸底33とからなり、丼椀ではあるが、容器3の上端縁は、蒸気抜き孔24、24…の外側位置において蓋面20の裏面に当接する位置関係となっている。
【0023】
そして、調理の進行によって、調理物Fから発生した蒸気は、蓋2の中心に位置する凹陥部21によって蓋面20の周方向に分散され、蒸気抜き孔24、24…を介して外部に排出される。このとき濡れ止めリブ26によって、結露を調理物F側に滴下させ、さらには、濡れ止めリブ26とダクトリブ25は、上昇しようとする蒸気を円滑に通過させる作用の他、蒸気抜き孔24の周縁部からクラックが進行するのを防止し、また、蓋2を取ってダクトリブ25及び重ねリブ27側を下にして置くことにより、蓋2内部で結露した水分を前述した蓋面20の内面側に僅か縁取りしたように突出した濡れ止めリブ26によって堰止め、その水分をテーブル上に零して汚損することがないように図られている。
【0024】
トレイ1は、容器の蓋2と組み合わせて使用することができ、トレイ1の直径は、蓋2より一回り大きい(図3)。トレイ1は、3箇所の安定突起15、15…によって、電子レンジの回転受け台(図示せず)上に安定に着座させることができ、さらには、卓上に置いたときでも安定した状態で定置できる。そして、トレイ1上に、例えば、容器3を載せ置き、回転受け台との関係をみながら、容器3の位置をほぼ中央に位置させた後、さらに容器3の位置を調整する。この電子レンジ内に容器3を挿入するとき、または取り出すとき、トレイ1が傾斜しても容器3は環状位置決めリブ12に係止され、容器3がトレイ1から転落するようなことがない。そのため、特に調理後の取出し時に、熱くなった汁が入った容器3を少し傾けた状態で取出す場合であっても、安全に取り出せる。また、トレイ1は、PP樹脂から成形され、合成樹脂は熱伝導率も低いことから、調理に際しても温度上昇が少ないので、火傷の危険もなく素手であっても取り出せ、安全に容器3を取り扱いできる。
【0025】
また、この容器3の中心と、電子レンジの中心とが一致しないように容器3を位置合わせするようなときでも、容器3またはトレイ1のどちらかを動かすことによって位置の調整ができる。すなわち、電子レンジでは、その中心と温めようとする容器の中心が一致しないようにすることがよく、環状位置決めリブ12の外径を容器30の糸底33内径より小さくすることにより、中心位置合わせがし易くなっている。すなわち、トレー1の環状位置決めリブ12は、容器3を位置合わせするときの基準となっている。
【0026】
この容器3を、例えば、特許第3119654号公報に記載されたPET樹脂を主原料とした複合樹脂から製造して漆器とした場合、PET樹脂およびPBT樹脂等の混合樹脂に対して、結晶化核剤は15重量%の範囲で添加するが、その核剤には、内5重量%のガラス繊維を加える。すなわち、このガラス繊維の添加量が5重量%を超えた場合は、顕著にガラス繊維が成形品表面に露出し、漆器としての塗料塗付の際に、塗膜の均一な仕上がりを阻害するからである。加えて、ガラス繊維が5重量%を超過すると、再利用化するためのペレット化することが困難となって、再利用化できない原因にもなってしまう。このガラス繊維のわずかな添加によって、成形品の結晶化がより促進され、例えば、椀状の容器3の「腰の強さ」を増大させ、耐熱性も向上し、変形温度もより向上する。
【0027】
上記合成樹脂製の漆器とした容器3中に、即席ラーメンまたはうどんのような麺類を入れ、予め用意したポットの湯を注入し、蓋2を被せてトレイ1上に定置して電子レンジ(ここでは出力600W)内で沸騰状態になったとき、該電子レンジのスイッチを切った。その蓋2は、容器3内の水分が煮沸したときであるので、発生した蒸気によってかなりの熱さになっていたが、容器3の温度は83℃であった。
【0028】
さらに容器3を陶磁器製のものと、耐熱性ガラス製のものを使用して、前記同様に麺類が沸騰状態になったとき電子レンジのスイッチを切った。このときの容器3の温度は、前者が92℃、後者が97℃であった。前述した合成樹脂製の漆器と、陶磁器および耐熱性ガラス製の容器3の三者の実験において、該容器が83℃〜97℃になるにもかかわらず、トレイ1は室温とほぼ同一程度の温度であり、大きな温度変化は見られなかった。すなわち、トレイ1は素手であっても安全に電子レンジから取り出せる温度である。換言すると、トレイ1を陶磁器、或いは耐熱ガラス製としたときは、これらの熱伝導率は合成樹脂よりも高いことから、かなりの高温になることが予想できる。
【0029】
また、容器3を丼椀として説明しているが、みそ汁やぜんざいのように汁椀の場合であっても同様に実施できる。そして、容器3を、特許第3119654号公報に記載されたPET樹脂を主原料とした複合樹脂から製造される漆器とした場合を上述したが、このトレイ1および蓋2においても、この樹脂を用いて成形することもできる。しかしながら、電子レンジ用容器の蓋やトレイの目的から考えて、漆器のような装飾性も必要ではないので、詳述は省略する。
【0030】
しかし、この実施例においては、トレイ1および蓋2は、樹脂材料としてポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリアミド(ナイロン:PA),ポリアセタール(POM),ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの結晶性樹脂の中から選択したPP樹脂が用いられている。これらの樹脂は、ペットボトルで代表して知られるように、ペレット化して再利用可能な材料が多く、焼却してもダイオキシンの発生もなく、環境ホルモンを含まず、電子レンジで加熱しても異臭を放出するようなこともなく、成形性にも優れており、なかでもPP樹脂は市販でも耐熱PP樹脂として入手しやすく、機械的強度、降伏強さや引っ張り強さなどの特性は、ポリエチレンよりも大きい。
【0031】
また、PP樹脂の場合、半透明なものから樹脂に顔料を添加することによって種々の着色ができ、容器3との装飾性の調和向上のため、その色彩調合のための色づけをトレイ1、蓋2に行うことができる。しかしながら、これらの結晶性樹脂は共通して、射出成形時のペレットに含水率が多すぎると、使用中に加水分解して成形品を劣化する虞があるので、成形前のペレットの乾燥には十分な配慮が必要である。
【0032】
また、トレイ1は、円形としているが、これは回転受け台との関係から円形としたものであり、楕円あるいは四角形、長方形、六角形のように多角形の形状は任意に選択できる。さらには、PP樹脂は上述のように、顔料の添加によって透明なものから種々の着色ができ、容器との色彩調和も意図的に調合しやすく、融点は、165〜170℃点の間に存在するポリマーであり、電子レンジ用容器の蓋およびトレイとしては好適である。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る電子レンジ調理用容器のトレイは、回転受け台に対して容器は環状位置決めリブを基準として位置合わせがし易く、その環状位置決めリブは、容器の出し入れの時には糸底と係合もしくは係止して転動を防止し、トレイが少々傾いても滑り落ちることがないので、安全に容器を運搬することができる。そしてまた、容器を回転受け台の中心に対して偏心した状態に置くことがし易いので、電子レンジ特有の調理物の芯から熱くする作用を利用して、容器内の調理物を万遍なく回転して煮沸させることができる。さらには、トレイに載せたままで食卓まで運んで安定した状態で定置でき、容器の安全な敷物として盆の代わりもできるから、食べ物を安心して賞味できるという効果を奏する。
【0034】
さらには、使用するPP樹脂材料は、環境ホルモンにも関係なく、熱くなっても悪臭を伴うことがなく、また、極端に柔らかくなって変形することもないので、電子レンジ調理用容器のトレイ或いは蓋として使用しても安全性は向上して、インスタント食品を電子レンジ特有の芯部から熱くでき、調理された食品を即席で熱いときに賞味できるから、その食品の風味・味合を向上させる。そしてまた、洗浄によって繰り返し利用できるから、家庭ゴミとなったカップ状の容器、蓋の代わりとしたフィルム・ラップ等が必要でないので、これらゴミの低減にも大きく貢献するばかりでなく、ゴミ集積場などで見かける犬、猫或いは烏による捨てた紙カップ、発泡スチロールの容器が散乱する虞は解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子レンジ調理用容器のトレイの平面図と断面図。
【図2】電子レンジ調理用容器の蓋の平面図と断面図。
【図3】電子レンジ調理用容器のトレイと蓋の実施形態を示す一部断面図。
【符号の説明】
1 トレイ
2 蓋
3 容器
11 底面
12 環状位置決めリブ
13 側面
14 指掛けフランジ
15 安定突起
33 糸底
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジを利用して容器とトレイとを組み合わせて調理するとき、その出し入れに関して安全性を向上させ、さらには、煮沸を確実に向上させるトレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、低価格の電子レンジの普及に伴い、電子レンジで調理できるように調整された多種多様なファーストフードが提供されている。そして、これらの即席食品は、スープを伴うか否かによって、蒸し物と汁物に大別することができ、何れの種類の食品においても、電子レンジを利用して調理するときは、食品を入れた容器の開口部を塞ぐため、蓋もしくはフィルム状のラップを用いている。また、調理物が汁物であるときは、蓋に加えて、吹き零れが発生したときに備えてのトレイが用いられている。
【0003】
この際に用いられる容器の蓋及びトレイには、電子レンジ内の高周波加熱条件下において食品を扱う器具として、品質、構造、衛生性、性能等において、多くの特性が要求される。因みに、日本工業規格JIS S 2033「電子レンジ用プラスチック製容器」を参照するに、材質的には、高周波加熱に耐えることができる材料によって製造され、かつ、高周波加熱条件下での変形や有害な揮発物質、臭気、溶出物質を伴わないこと。が規定されている。また、使用の面から観ても、交番熱負荷に耐える耐久性を有すること。調理完了時点での温度上昇が安全温度内に止まること。汚れ落ちがよく洗浄しやすいこと等が列挙できる。
【0004】
さらに、構造的な見地から観れば、容器のトレイは、過ってトレイを斜めにしてもトレイ上の容器が容易に滑らないこと。万一、吹き零れが生じた場合においても電子レンジ内を汚さないこと等の諸特性が求められる。そして、これらの諸要求全体を同時に満足することは、従来、提案されている様々な電子レンジ調理用容器のトレイを参照するところ、現実には、なかなか困難なことであると言える。
【0005】
電子レンジ用容器のトレイに関しては、実開昭53−133248号公報を参照するに、皿体の中央部に液受け用の凹部を形成し、または、液受け用の凹部とともに、凹部に連続する放射方向の溝条を形成したものが開示されている。同公報に開示された図面によれば、皿体は、全体として、周縁部から中央の凹部に向かって下がる向きの緩い傾斜を持たせるように形成されている。
【0006】
この考案は、上記した、万一、吹き零れが生じた場合においても電子レンジ内を汚さないこと、と言う要求に応えようとするものであるが、この要求を満たす反面において、皿体の上に載せ置いた電子レンジ用の容器が、少しの外力によっても傾き危険であるという問題がある。つまり、この皿体は、吹き零れを中央部の凹部に流し集めることによって、吹き零れが電子レンジ内に流れ出ることを阻止したものであり、そのためには、皿体全体を浅いすり鉢状に傾斜したものとせざるを得ないのである。そして、この傾斜は、皿体の上に載せ置いた容器が、皿体の中央位置から僅かに位置ずれするだけでも、容器の一方側を高くするとともに他方側を低くするように作用するので、容器の安定性を欠くことになってしまう。また、溝条を設けたものは洗浄に困難が伴うという問題もある。
【0007】
また、特許第3053804号公報には、底面に形成された環状のリブを持ち、電子レンジの調理室内で回転する受け台上に置かれる補助トレーが開示されている。すなわち、回転受け台上に置く補助トレーを、食物の調理完了後、回転受け台から容易に取り出せるように底面に設けた環状リブに、エアベントを設けたことを特徴としている。
【0008】
さらには、実開平5−73897号公報には、、高熱効率電子レンジ用セラミックス・トレイが開示され、底面側には環状リブ状の高台が設けられている。
【0009】
電子レンジにおいて、種々のものを調理するため、回転受け台は永年使用中に主として熱歪みによって、台上の平面度が低下することがあり、底面側に環状リブもしくは高台が底面に連続して形成されていると、回転受け台の回転が始まるとガタツキ、安定性が危惧される。そして、トレイ上の容器に水分を入れて煮沸するとき、ガタツキによる煮零れが発生する虞もある。加えて、回転時に底面上側は平底状であるため、ガタツキが原因して容器自体がトレイ上を滑る危険性が発生する等の問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子レンジ用容器(以下、単に容器という)の合成樹脂製トレイに一般的に要求される諸特性を満たすことを課題とする。殊に、従来の提案に係る容器のトレイないし皿体が有する問題点に鑑み、洗浄性がよく、しかも耐久性を備えるとともに、一般家庭において、磁器、陶器、耐熱ガラス等の容器の他、新しく開発された合成樹脂製の漆器(特許第3119654号公報)を用いて電子レンジ調理する場合、前記容器にも広く適合して汎用性を維持し、吹き零れが生じた場合に、電子レンジ内を汚損させない機能を維持しながら、トレイ上の容器を安定に支持することができること等を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、この目的を達成するための手段として次のような構成を採用している。
【0012】
容器に敷く合成樹脂製トレイは、平面状の底面外側周囲に上方に向かって開拡する傾斜を連続した側面からなり、そして、この側面の外周は、上端縁の側方に向かって突出する環状の指掛けフランジを備え、その底面の裏面側には3箇所に電子レンジの回転受け台に当接する安定突起を形成するとともに、表面側中央に、容器の糸底内径よりも小さい直径とした1条の環状位置決めリブを突出形成し、この位置決めリブは、トレイが傾斜したとき前記糸底と係合して安全性を保持し、かつ、電子レンジ内での容器中心位置を位置合わせする基準としたことを特徴としている。
【0013】
このような構成を有するトレイは、裏面側の3箇所に形成する安定突起を介して電子レンジ内に安定に据え置くことができ、トレイ上の容器は、環状位置決めリブを頼りとして、電子レンジの回転受け台上で、その容器もしくはトレイを動かして位置決め調整することができる。従って、回転受け台と容器の中心を簡単に位置違いにさせることができる。換言すると、容器は回転受け台の中心を避けた偏心した状態で回転するから、容器内の調理物を万遍なく早く煮沸させる。また、調理完了に際しては、合成樹脂からなるトレイは、陶器、磁器、耐熱ガラス等からなる容器と比較して、比熱と熱伝導率が格段に低いので、容器を手で触ると危険な温度に上昇している場合でも、トレイ自体の温度上昇は非常に少なく、したがって、トレイを持って安全に容器を電子レンジから取出し、そのままで食卓上に運ぶことができる。この際、トレイ側面の指掛けフランジは、トレイを指で容易に持つことができ、滑るのを防止するとともに、環状位置決めリブは、トレイが傾いたときにも、糸底内で係合する環状位置決めリブによって容器の滑走が阻止され、その容器の転落を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の態様】
以下、図面を引用しながら本発明のトレイとそのトレイを用いた実施の形態例を説明する。
【0015】
本発明にかかる合成樹脂製のトレイ1は、極僅かな中窪みに形成した底面11と、その底面11の周囲に一体成形した側面13とから成る(図1(A)、(B))。同図(A)は、トレイ1の平面図、(B)は、(A)の中央縦断面図である。
【0016】
トレイ1の底面11の表面側には、中心位置で1条の環状位置決めリブ12を突出させ、裏面側には120度間隔に等分分散配置された3個の安定突起15、15…が形成されている。また、側面13は、上側に向かって開拡する傾斜が連続し、側面13の上端縁には、側方に向かって突出状とした環状の指掛けフランジ14が形成されている。この環状位置決めリブ12は、容器3の糸底33(図3参照)よりも小さい直径として、ある程度容器の違いがあっても適合でき、かつ、その糸底33と係合可能な高さとして、トレー1はPP樹脂を材料として一体成形加工されている。
【0017】
環状位置決めリブ12を糸底33の直径よりも小さくした理由は、例えば、容器3を取り出そうとしてトレー1の側面13および指掛けフランジ14に指で触れた瞬間に、そのトレー1が傾き、容器3が滑ったとき、容器3内の調理物Fは容器の滑る方向に重力を移動するから、糸底33と係合する環状位置決めリブ12で阻止される。すなわち、環状位置決めリブ12が糸底33よりも直径が大きいときは、滑る方向の反対側では重力が軽くなるから、係合係止された容器3は滑った方向に転動が危惧されるので、その安定性を図ることを意図している。さらには、後述するように、電子レンジの中心と容器3の中心がトレー1を介して一致しないようにさせるためである。
【0018】
容器の蓋2は、蓋面20に複数(図示例では3カ所)の蒸気抜き孔24、24…を設け、常に蒸気圧は上方向に抜けるようにしてあり、蓋面20とフランジ部29とを一体にPP樹脂材料から成形している(図2(A),(B),(C))。なお、図2(A)は、蓋2の平面図、同図(B)は、蓋面20における凹陥部21、把持部22、下がり段23および蒸気抜き孔24の関係が理解できるようにした断面図である。同図(C)は、同様に重ねリブ27を表す断面図である。
【0019】
蓋面20は、一般的には電子レンジ調理に多用されている磁器、陶器、耐熱ガラス等の容器の開口部の外径寸法を考慮して、これらの外径寸法よりも大きい外径寸法を有する円形に形成されている。したがって、蓋面20は、通常の容器の開口部全体を覆うことができるサイズであり、把持部22を持って容器3に容易に着脱できる寸法である。フランジ部12は、短円筒形に形成されて蓋面20の裏面側に垂下している。
【0020】
蓋面20の中心部には、略球面形をなすように窪んだ凹陥部21が形成され、この凹陥部21内には、凹陥部21を横断する態様で把持部22が突設されている。
【0021】
蓋面20の表面側には、蓋面20の周縁部と中間部下がり段23との間に3本の重ねリブ27、27…が、中心から120度の角度間隔を保って放射状に分散配置され、隣り合う重ねリブ27と重ねリブ27との間には、それぞれ蓋面20の周方向に沿って湾曲する長孔状の蒸気抜き孔24を設けている。なお、各重ねリブ27は、蓋面20の周縁部からフランジ部29の厚み相当内側に小さくして形成され、蓋2を重ね保管するときに嵩張らなないようにしたものである。また、各蒸気抜き孔24の周囲には、蓋面20の内面側に僅か縁取りしたように突出した濡れ止めリブ26、26…と、蓋面20の上面には上向きに突出したダクトリブ25が一体成形されている。
【0022】
さらには、3箇所の蒸気抜き孔24、24…(図示では3箇所ではあるが、4箇所でも良い)は、容器3に被せたときに、容器3との間に、凹陥部21を中心とする蒸気通路を形成する。なお、容器3は、底面31と側面32と糸底33とからなり、丼椀ではあるが、容器3の上端縁は、蒸気抜き孔24、24…の外側位置において蓋面20の裏面に当接する位置関係となっている。
【0023】
そして、調理の進行によって、調理物Fから発生した蒸気は、蓋2の中心に位置する凹陥部21によって蓋面20の周方向に分散され、蒸気抜き孔24、24…を介して外部に排出される。このとき濡れ止めリブ26によって、結露を調理物F側に滴下させ、さらには、濡れ止めリブ26とダクトリブ25は、上昇しようとする蒸気を円滑に通過させる作用の他、蒸気抜き孔24の周縁部からクラックが進行するのを防止し、また、蓋2を取ってダクトリブ25及び重ねリブ27側を下にして置くことにより、蓋2内部で結露した水分を前述した蓋面20の内面側に僅か縁取りしたように突出した濡れ止めリブ26によって堰止め、その水分をテーブル上に零して汚損することがないように図られている。
【0024】
トレイ1は、容器の蓋2と組み合わせて使用することができ、トレイ1の直径は、蓋2より一回り大きい(図3)。トレイ1は、3箇所の安定突起15、15…によって、電子レンジの回転受け台(図示せず)上に安定に着座させることができ、さらには、卓上に置いたときでも安定した状態で定置できる。そして、トレイ1上に、例えば、容器3を載せ置き、回転受け台との関係をみながら、容器3の位置をほぼ中央に位置させた後、さらに容器3の位置を調整する。この電子レンジ内に容器3を挿入するとき、または取り出すとき、トレイ1が傾斜しても容器3は環状位置決めリブ12に係止され、容器3がトレイ1から転落するようなことがない。そのため、特に調理後の取出し時に、熱くなった汁が入った容器3を少し傾けた状態で取出す場合であっても、安全に取り出せる。また、トレイ1は、PP樹脂から成形され、合成樹脂は熱伝導率も低いことから、調理に際しても温度上昇が少ないので、火傷の危険もなく素手であっても取り出せ、安全に容器3を取り扱いできる。
【0025】
また、この容器3の中心と、電子レンジの中心とが一致しないように容器3を位置合わせするようなときでも、容器3またはトレイ1のどちらかを動かすことによって位置の調整ができる。すなわち、電子レンジでは、その中心と温めようとする容器の中心が一致しないようにすることがよく、環状位置決めリブ12の外径を容器30の糸底33内径より小さくすることにより、中心位置合わせがし易くなっている。すなわち、トレー1の環状位置決めリブ12は、容器3を位置合わせするときの基準となっている。
【0026】
この容器3を、例えば、特許第3119654号公報に記載されたPET樹脂を主原料とした複合樹脂から製造して漆器とした場合、PET樹脂およびPBT樹脂等の混合樹脂に対して、結晶化核剤は15重量%の範囲で添加するが、その核剤には、内5重量%のガラス繊維を加える。すなわち、このガラス繊維の添加量が5重量%を超えた場合は、顕著にガラス繊維が成形品表面に露出し、漆器としての塗料塗付の際に、塗膜の均一な仕上がりを阻害するからである。加えて、ガラス繊維が5重量%を超過すると、再利用化するためのペレット化することが困難となって、再利用化できない原因にもなってしまう。このガラス繊維のわずかな添加によって、成形品の結晶化がより促進され、例えば、椀状の容器3の「腰の強さ」を増大させ、耐熱性も向上し、変形温度もより向上する。
【0027】
上記合成樹脂製の漆器とした容器3中に、即席ラーメンまたはうどんのような麺類を入れ、予め用意したポットの湯を注入し、蓋2を被せてトレイ1上に定置して電子レンジ(ここでは出力600W)内で沸騰状態になったとき、該電子レンジのスイッチを切った。その蓋2は、容器3内の水分が煮沸したときであるので、発生した蒸気によってかなりの熱さになっていたが、容器3の温度は83℃であった。
【0028】
さらに容器3を陶磁器製のものと、耐熱性ガラス製のものを使用して、前記同様に麺類が沸騰状態になったとき電子レンジのスイッチを切った。このときの容器3の温度は、前者が92℃、後者が97℃であった。前述した合成樹脂製の漆器と、陶磁器および耐熱性ガラス製の容器3の三者の実験において、該容器が83℃〜97℃になるにもかかわらず、トレイ1は室温とほぼ同一程度の温度であり、大きな温度変化は見られなかった。すなわち、トレイ1は素手であっても安全に電子レンジから取り出せる温度である。換言すると、トレイ1を陶磁器、或いは耐熱ガラス製としたときは、これらの熱伝導率は合成樹脂よりも高いことから、かなりの高温になることが予想できる。
【0029】
また、容器3を丼椀として説明しているが、みそ汁やぜんざいのように汁椀の場合であっても同様に実施できる。そして、容器3を、特許第3119654号公報に記載されたPET樹脂を主原料とした複合樹脂から製造される漆器とした場合を上述したが、このトレイ1および蓋2においても、この樹脂を用いて成形することもできる。しかしながら、電子レンジ用容器の蓋やトレイの目的から考えて、漆器のような装飾性も必要ではないので、詳述は省略する。
【0030】
しかし、この実施例においては、トレイ1および蓋2は、樹脂材料としてポリエチレン(PE),ポリプロピレン(PP),ポリアミド(ナイロン:PA),ポリアセタール(POM),ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの結晶性樹脂の中から選択したPP樹脂が用いられている。これらの樹脂は、ペットボトルで代表して知られるように、ペレット化して再利用可能な材料が多く、焼却してもダイオキシンの発生もなく、環境ホルモンを含まず、電子レンジで加熱しても異臭を放出するようなこともなく、成形性にも優れており、なかでもPP樹脂は市販でも耐熱PP樹脂として入手しやすく、機械的強度、降伏強さや引っ張り強さなどの特性は、ポリエチレンよりも大きい。
【0031】
また、PP樹脂の場合、半透明なものから樹脂に顔料を添加することによって種々の着色ができ、容器3との装飾性の調和向上のため、その色彩調合のための色づけをトレイ1、蓋2に行うことができる。しかしながら、これらの結晶性樹脂は共通して、射出成形時のペレットに含水率が多すぎると、使用中に加水分解して成形品を劣化する虞があるので、成形前のペレットの乾燥には十分な配慮が必要である。
【0032】
また、トレイ1は、円形としているが、これは回転受け台との関係から円形としたものであり、楕円あるいは四角形、長方形、六角形のように多角形の形状は任意に選択できる。さらには、PP樹脂は上述のように、顔料の添加によって透明なものから種々の着色ができ、容器との色彩調和も意図的に調合しやすく、融点は、165〜170℃点の間に存在するポリマーであり、電子レンジ用容器の蓋およびトレイとしては好適である。
【0033】
【発明の効果】
本発明に係る電子レンジ調理用容器のトレイは、回転受け台に対して容器は環状位置決めリブを基準として位置合わせがし易く、その環状位置決めリブは、容器の出し入れの時には糸底と係合もしくは係止して転動を防止し、トレイが少々傾いても滑り落ちることがないので、安全に容器を運搬することができる。そしてまた、容器を回転受け台の中心に対して偏心した状態に置くことがし易いので、電子レンジ特有の調理物の芯から熱くする作用を利用して、容器内の調理物を万遍なく回転して煮沸させることができる。さらには、トレイに載せたままで食卓まで運んで安定した状態で定置でき、容器の安全な敷物として盆の代わりもできるから、食べ物を安心して賞味できるという効果を奏する。
【0034】
さらには、使用するPP樹脂材料は、環境ホルモンにも関係なく、熱くなっても悪臭を伴うことがなく、また、極端に柔らかくなって変形することもないので、電子レンジ調理用容器のトレイ或いは蓋として使用しても安全性は向上して、インスタント食品を電子レンジ特有の芯部から熱くでき、調理された食品を即席で熱いときに賞味できるから、その食品の風味・味合を向上させる。そしてまた、洗浄によって繰り返し利用できるから、家庭ゴミとなったカップ状の容器、蓋の代わりとしたフィルム・ラップ等が必要でないので、これらゴミの低減にも大きく貢献するばかりでなく、ゴミ集積場などで見かける犬、猫或いは烏による捨てた紙カップ、発泡スチロールの容器が散乱する虞は解消できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子レンジ調理用容器のトレイの平面図と断面図。
【図2】電子レンジ調理用容器の蓋の平面図と断面図。
【図3】電子レンジ調理用容器のトレイと蓋の実施形態を示す一部断面図。
【符号の説明】
1 トレイ
2 蓋
3 容器
11 底面
12 環状位置決めリブ
13 側面
14 指掛けフランジ
15 安定突起
33 糸底
Claims (1)
- 容器に調理物と水分を入れ、電子レンジ内で煮沸することにより該調理物を調理する電子レンジ用容器の合成樹脂製トレイにおいて、
平面状の底面と、該底面外側周囲の上側に向かって開拡する傾斜を連続した側面からなり、該側面の外周は、上端縁の側方に向かって突出する環状の指掛けフランジを備え、
前記底面の裏面側には、等間隔にした3箇所に電子レンジの回転受け台に当接する安定突起を形成するとともに、表面側中央に、電子レンジ調理用容器の糸底内径よりも小さい直径とした環状位置決めリブを突出成形し、
該リブは、トレイが傾斜したとき前記糸底と係合して安全性を保持し、かつ、電子レンジ内での容器中心位置を位置合わせする基準とした、ことを特徴とする、
電子レンジ用容器の合成樹脂製トレイ。
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