JP2004061051A - 給湯機のドレン処理構造 - Google Patents

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Masazumi Nishikawa
西川 正純
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Toyotomi Kogyo Co Ltd
Toyotomi Co Ltd
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Toyotomi Kogyo Co Ltd
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Abstract

【目的】給湯機の副熱交換器で発生するドレンの処理構造に関する。
【構成】バーナー1と、バーナー1で発生した燃焼ガスが送られる燃焼室2と、燃焼室2壁及び燃焼ガス流路3壁を熱交換部とする熱交換器4とを設け、給水パイプ5から熱交換器4に送られた冷水をバーナー1の燃焼熱で温水にして温水パイプ6から吐出す。熱交換器4に続く排気ガス室7に副熱交換器8と、副熱交換器8で発生した結露水を回収するドレン受け9とを設け、熱交換器4もしくは温水パイプ6の熱交換器4側に圧力弁11を設け、ドレン受け9に接続した排水パイプ10と圧力弁11の吐出パイプ12とを合流し、ドレン受け9のドレンを圧力弁11から吐出する温水で希釈して排水する。また、ドレン受け9のドレンと圧力弁11から吐出する温水が合流する滞留室13を設け、滞留室13にドレン水を改質する処理剤の供給手段14を備えることで、排水のpH濃度を安定させることができる。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は燃焼ガスによる熱で水道水を加熱して熱交換する給湯機において、熱交換効率を高めることができる給湯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
給湯機には熱源となるバーナーと、バーナーで発生した燃焼ガスが送られる熱交換器を備えている。この熱交換器はバーナーが取り付けられる燃焼室の壁面と、燃焼室に接続した燃焼ガス流路を熱交換部分としている。
【0003】
前記熱交換器には給水パイプと、温水パイプが取り付けられており、バーナーを運転しながら給水パイプから冷水を供給すると高温となる熱交換器から熱量を受け取って温水となり、この温水は温水パイプによって所定の場所で使用される。
【0004】
従来の給湯機では、熱交換面積を大きくするなどの方法で熱効率を高めようとすると熱交換部の壁面で燃焼ガスに含まれる水蒸気が結露することになる。また、このドレン水は強酸性であるためにドレン水の付着部分は腐食し易く、給湯機の耐久性を著しく低下させるなどの問題が生じるため給湯機の給湯効率は高発熱量計算でおおよそ88%が限界であり、一般にこの限界値近くの給湯効率を得られるように設計されている。
【0005】
上記の給湯効率の向上が望めない理由は、給湯機の熱交換器内及び排気ガス経路においてドレン水が発生するためであるから、燃焼ガス流路に続く排気ガス室に副熱交換器と、発生したドレン水を受けるドレン受けを設け、熱交換器内ではドレンが発生しないような給湯機が提案されており、排気ガス中の水蒸気量が減少するから排気パイプ内でのドレンは防ぐことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来型給湯機の給湯効率を向上させるために熱交換器と同じ燃焼ガス流路上に副熱交換器を設けた場合、副熱交換器で発生する酸性ドレン水が排出基準を超えるpH値を示すためにドレン水を改質処理するか、もしくは給水経路に設けられた電磁弁を開くことにより水を混合し希釈するなどをおこなう必要があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するもので、給湯機の熱源となるバーナー1と、バーナー1で発生した燃焼ガスが送られる燃焼室2と、燃焼室2壁もしくは燃焼室2に続く燃焼ガス流路3壁を熱交換部とする熱交換器4とを設け、該熱交換器4には冷水を供給する給水パイプ5と、温水を吐出する温水パイプ6を取り付け、給水パイプで送られた冷水をバーナー1の燃焼熱で温水とする給湯機において、前記熱交換器4に続く排気ガス室7に副熱交換器8と、該副熱交換器8で発生した結露水を回収するドレン受け9とを設けると共に、前記熱交換器4もしくは温水パイプ6の熱交換器4側に圧力弁11を設け、前記ドレン受け9に接続した排水パイプ10と圧力弁11の吐出パイプ12とを合流し、前記ドレン受け9のドレンを圧力弁11から吐出する温水で希釈して排水することを特徴とする構造である。
【0008】
また、前記ドレン受け9に接続した排水パイプ10の途中にドレン水の滞留室13を設け、前記圧力弁11の吐出パイプ12を滞留室13に連通し、滞留室13内でドレン水を希釈して排水することにより排出水のpH濃度を安定させることができるものである。
【0009】
さらに、前記滞留室13にはドレン水を改質する処理剤の供給手段14が備え付けることによって滞留室13内で中和処理をおこない、排出水のpH濃度をさらに安定させることができた。
【0010】
また、前記滞留室13は上部の片側をドレン受け9に接続するU字状に形成し、滞留室13に溜まる水によって排気ガス室7の排気ガスが排水パイプ10から外部へ流出しないようにした構造である。
【0011】
また、前記滞留室13は上部の片側をドレン受け9に接続するU字状に形成し、他側の上部に圧力弁11の吐出パイプ12を接続した構造とすることにより、圧力弁11および吐出パイプ12内に燃焼の排気ガスが流入することがなくなった。
【0012】
また、前記副熱交換器8には副熱交換器8を通過する排気ガスを冷却する冷却器8aを設け、前記給水パイプ5は冷却器8aを通過した冷水が供給されて、給水の予熱を行うことを特徴とする給湯機の構造である。
【0013】
また、前記給湯機の熱交換器4に接続する給水パイプ5には逆止弁15を取り付け、前記圧力弁11は温水パイプ6の温水停止後の圧力上昇時に出る温水を確実に滞留室13に供給できるようになった。
【0014】
また、前記燃焼室2壁もしくは燃焼室2に続く燃焼ガス流路3壁を熱交換部とする水室4aで熱交換器4を構成し、前記水室4aに接続する給水パイプ5には減圧弁16を配置することにより温水パイプ6の温水停止後の圧力上昇時に出る温水を確実に滞留室13に供給できるようになった。
【0015】
また、前記副熱交換器8の冷却器8aはパイプ状に構成し、前記減圧弁16はパイプ状の冷却器8aと水室4aとの間の給水パイプ5に取り付けることにより給湯圧力の低下を抑えることができるようになった。
【0016】
【作用】
給湯機では温水使用後のバルブ閉動作において、バーナー1の燃焼熱による熱交換器4などの熱膨張を緩和するために温水経路上に圧力弁11を配し、内部膨張水を外へ排出している。この発明では、前記動作によって排出される内部膨張水を副熱交換器8で発生するドレン水と混合することによってドレン水の酸性pHを調整するものである。
【0017】
また、前記圧力弁11からの排出水を副熱交換器8で発生するドレン水の滞留室13に流入させることによって、高温水が滞留室13に供給されるため、滞留室13内部に溜まったドレン水を高温に保温維持するものである。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。図1は本発明の実施例を示す給湯機の構成図、図2は副熱交換器8で発生するドレン水を一時的に貯める滞留室の断面図である。
【0019】
まず、図1を用いて説明すると、1は給湯機の熱源となるバーナー、4はバーナー1の燃焼熱で水の加熱をおこなう熱交換器、2はバーナー1から燃焼ガスが供給されて壁面が熱交換器4の熱交換部を成す燃焼室、3は熱交換器4の熱交換部を成す燃焼ガス流路、7は燃焼ガス流路3を通過した燃焼ガスが集まる排気ガス室、17は排気ガス室7に連なる排気筒であり、バーナー1を運転すると燃焼炎と燃焼ガスは燃焼室2に送られ、燃焼ガスは燃焼ガス流路3を経て排気ガス室7に送られ、排気筒17によって排出される。
【0020】
4aは前記燃焼室2壁および燃焼ガス流路3壁を熱交換部分とする熱交換器4を構成する水室、5は熱交換器4に水を流入させるための給水パイプ、6は加熱された温水を吐出するための温水パイプであり、給水パイプ5で熱交換器4に供給された水を、バーナー1で発生した燃焼ガスが熱交換器4内に形成された燃焼室2と、燃焼室2に続く燃焼ガス流路3を通過する際に熱交換器内の水を加熱し、温水パイプ6で温水を吐出するものであって、以上の基本構成は図3に示した従来例と同じである。
【0021】
本実施例の形態において、8は前記熱交換器4に続く排気経路下流側の排気ガス室7内に設けられた副熱交換器、9は副熱交換器8で発生するドレン水を回収するドレン受け、10はドレン受け9に集まったドレン水を排出するための排水パイプである。
【0022】
前記副熱交換器8はおもに金属パイプなどで構成されており、熱交換器4を通過した約200℃の排気ガスが排気ガス室7へ流入した際に、該排気ガス室7内に配設された副熱交換器8で熱交換するものであり、その際の熱交換は、燃焼排気ガスの顕熱だけでなく、燃焼ガス中の水蒸気が副熱交換器8の表面で結露することによる潜熱の回収もおこなうために従来機器よりも高効率とすることが可能である。
【0023】
一方、前記のように副熱交換器8における熱交換の際には結露水が発生するため、発生したドレン水(結露水)をドレン受け9で集めて機器外に排出するための排水パイプ10を設けている。
【0024】
ところで、前記ドレン水は燃焼ガスが溶け込んでいるため強酸性となり、そのままでは排水基準(pH5.8〜8.0)を満たさない。また、そのまま排出すると配水管やコンクリートの腐食などが発生するなどのおそれがあるためpHを調整する処置が必要となり、従来の一部の給湯機では排水基準を満たすためにドレン水を排水するとともに給水経路に設けられた電磁弁を開くことにより水を適宜混合し希釈させて排出していたが、タイミング良く電磁弁を開閉することはかなり面倒であった。
【0025】
上記の問題点を解決するこの発明において、11は熱交換器4もしくは温水パイプ6の熱交換器側に設けた圧力弁、12は圧力弁11から圧力抜き時に温水が排出される吐出パイプであり、前記ドレン受け9の排水パイプ10と圧力弁11の吐出パイプ12とは途中で合流している。前記水室4aは温水流量の変動やあと沸きなどによって給湯使用時や使用直後に内圧が高まることがあり、この圧力上昇を圧力弁11が検出して温水を吐出パイプ12から排出することで安全内圧を維持している。熱交換器4に続く排気ガス室7内にある副熱交換器8で発生した結露水をドレン受け9および排水パイプ10を介して排出する際に、排水パイプ10と吐出パイプ12とを合流させることにより、排水パイプ10のドレン水は圧力弁11から吐出される内部膨張水で混合希釈して排水することにより、排水基準(pH5.8〜8.0)を満たすpH濃度まで調整することが可能となった。
【0026】
また、排水パイプ10は排出されるドレン水が寒冷条件にて凍結しないような処置として、普通は外壁面にヒーターなどの加温装置が取り付けられているが、前記のように圧力弁11から吐出される高温の内部膨張水を排水パイプ10と合流して混合することによって、ヒーターなどの加温装置による凍結予防を補助する機能をもたせることができ、場合によってはヒーターなしでも凍結の予防が可能となった。
【0027】
また、請求項2に示す実施例において、13は副熱交換器8で発生する結露水を溜めておく滞留室、18は滞留室13から下水に排水するための流出パイプであり、前記副熱交換器8で発生した結露水を排水パイプ10から滞留室13に導き、圧力弁11から圧力抜き時に排出される温水を吐出パイプ12から滞留室13に導いて合流させている。このように、排水パイプ10から出るドレン水と吐出パイプ12から出る温水とを滞留室13内で合流し、混合してから流出パイプ18によって下水に排水することにより、ドレン水と温水が滞留室13内で混合希釈されるため排水のpH濃度が安定する。
【0028】
また、前記滞留室13に排出されるドレン水が寒冷条件にて凍結しないような処置として、普通は外壁面にヒーターなどの加温装置を必要とするが、滞留室13は耐熱性および耐薬品性を有する樹脂などで造られる容器のために熱伝導性が低く、ヒーターを取り付けても外気温度によっては凍結を防止するのに充分とはいえなかった。前記のように圧力弁11から吐出される高温の内部膨張水を滞留室13に混合することによって、ヒーターなどの加温装置による凍結予防機能を補助して、場合によってはヒーターなしでも凍結の予防が可能となった。
【0029】
請求項3に示す実施例において、14は前記滞留室13内に設けた改質処理剤の供給手段であり、塩基性物質からなる中和処理剤を滞留室13内に保持することができる。前記熱交換器4に続く排気ガス室7内にある副熱交換器8で発生した酸性の結露水をドレン受け9で受け止めて排水パイプ10を介して滞留室13へ排出する際に、前記圧力弁11の吐出パイプ12から出る温水を滞留室13内で合流させているから、酸性の結露水は滞留室13内で希釈されて排水基準(pH5.8〜8.0)のpH濃度にすることができる。しかし、希釈後の結露水のpH濃度は常に変動しているから、結露水の状態によっては排水基準から外れることがあり、この実施例の滞留室13内には供給手段14が中和処理剤を保持しており、この中和処理剤は排水基準の限界値に近いpH濃度になると多量に溶け出して排水基準値を維持することができる。
【0030】
中和処理剤の性能は永久的に継続できるものではなく、使用にしたがって改質性能が劣化して改質物質の交換をおこなう必要があり、中和処理剤だけで副熱交換器8で発生した酸性の結露水を基準値内に保持するときには短時間で交換しなければならない。この実施例のように排水パイプ10から出るドレン水と吐出パイプ12から出る温水とを滞留室13内で合流して排水する時に、滞留室13内に処理剤の供給手段14によって中和処理剤を配する時には、ドレン水を温水によって希釈しながら中和処理をおこなうため、従来の排水よりもpH濃度をより安定させることができる上、中和処理剤の中和処理能力が長く維持でき、長期間にわたって排水基準を満たすことができ、中和処理剤の交換頻度を極めて少なくすることができる。
【0031】
また、請求項4に示す実施例において、13aはU字状に形成した前記滞留室13のドレン流入室、13bはU字状の滞留室13のドレン流出室であり、このドレン流入室13a側の上部に排水パイプ10を接続している。また、前記流出パイプ18はドレン流出室13b側の上部に接続している。前記U字状の滞留室13の構造としては、ドレン流入室13aとドレン流出室13bとが底部で連通しており、曲げられた連続する流路によって、また、下部に連通部のある仕切によって、サイフォン構造になっている。このような構造にすることにより、排水パイプ10からドレン水とともに流れ込んでくる排気ガスを滞留室13に溜まる水により堰き止め、滞留室13の流出パイプ18から外部へ排気ガスが流出しないようにできる。
【0032】
また、請求項5に示す実施例において、前記滞留室13は下部に連通部があるU字状に形成しており、ドレン水を排出する排水パイプ10を前記流入室13a側の上部に接続し、前記流出パイプ18はドレン流出室13b側の上部に接続している。そして、圧力弁11からの温水を排出する吐出パイプ12を滞留室13に溜まる水中に接続するか、ドレン流出室13b側の上部に接続している。このような構造にすることにより、排水パイプ10からドレン水とともに流れ込んでくる排気ガスを滞留室13に溜まる水により堰き止めることができ、前記吐出パイプ12や流出パイプ18に燃焼の排気ガスが流入することがなくなった。
【0033】
また、請求項6に示す実施例において、8aは副熱交換器8構成してこの副熱交換器8を通過する排気ガスを冷却する冷却器であって、この冷却器8aは高耐食鋼(ステンレスまたはチタン)のフレキシブル管などで形成されており、好ましくはパイプの外周に放熱フィンを取付けて吸熱しやすくなっている。また、該冷却器8aは給水パイプ5の上流側に位置しており、このように熱交換器4への給水をおこなう給水パイプ5の手前に副熱交換器8を配し、熱交換器4への給水を副熱交換器8の冷却器8aを通過してから供給することによって、給水の予熱を行ない、熱効率を向上させることが可能となった。
また、副熱交換器8の冷却器8aを長いパイプをコイル状に構成することによって、伝熱面積が大きく、かつ、内部を通過する水の流速を低下させることができ、副熱交換器における熱交換効率を向上させることが可能になった。
【0034】
また、請求項7に示す実施例において、15は水撃等による熱交換器4から水道管への逆流を防止するために給水パイプ5取り付けた逆止弁であって、このように給湯機の熱交換器4に接続する給水パイプ5に逆止弁15を取り付けることにより、温水パイプ6の温水停止時のウォーターハンマーおよび内部圧力上昇時に圧力弁11から出る温水をより多く確実に滞留室13に供給できるようになった。
【0035】
また、請求項8に示す実施例において、16は熱交換器4を水室4aで構成したときのように高圧の水道水に対する給湯機内部配管の保護のために入水圧力を制限させるための減圧弁であり、熱交換器4に接続する給水パイプ5に減圧弁16を配置することにより、熱交換器4の通常使用時の内圧を低く抑えることができ、圧力弁11の開放圧力が低く設定できるから、温水パイプ6の温水停止時のウォーターハンマーおよび内部圧力上昇時に、圧力弁11から出る温水をより多く確実に滞留室13に供給できるようになった。
【0036】
また、請求項9に示す実施例において、前記副熱交換器8に設けた冷却器8aをパイプ状に形成すれば、副熱交換器8は通常の給水圧に十分耐えることができるので、前記減圧弁16を冷却器8aと水室4aとの間の給水パイプ5に取り付けている。このような構造にすることによって、副熱交換器8を設けることでこの部分の通水抵抗によって給水圧が低下しても、給湯機の熱交換器4への給水圧力が制限されなくなり、副熱交換器8を設けたときには熱交換器4だけで構成されていた従来型の給湯機よりも水が流れにくくなってしまうという問題点が解決でき、給湯圧力の低下を最小限にすることが可能になった。
【0037】
なお、前記逆止弁15においてもこの部分を水が通過する時に給水圧の低下が認められるので、減圧弁16と同様に冷却器8aと水室4aとの間の給水パイプ5で、減圧弁16の前に取り付けている。この構造では減圧弁16による給水圧が低下しても、給湯機の熱交換器4への給水圧力が制限されなくなった。
【0038】
【発明の効果】
上記のようにこの発明では、給湯機のドレン処理構造において、副熱交換器8で発生した結露水をドレン受け9および排水パイプ10を介して排出する際に、熱交換器4もしくは温水パイプ6の熱交換器4側に設けた圧力弁11からの吐出パイプ12と、前記排水パイプ10とを合流させることにより、圧力弁11から吐出される内部膨張水で酸性のドレン水を混合希釈して排水基準(pH5.8〜8.0)を満たすpH濃度で排水することが可能となった。
【0039】
また、前記副熱交換器8で発生した結露水をドレン受け9および排水パイプ10を介して排出する際のドレン排出経路途中に、ドレン水のための滞留室13を設けると共に、圧力弁11の吐出パイプ12をこの滞留室13に連通させることにより、滞留室13内でドレン水と圧力弁11から吐出される内部膨張水とを混合希釈でき、この混合水を排水することにより排出水のpH濃度をより安定させることが可能となり、前項の手段よりも排水基準を確実に満たすことが可能となった。
【0040】
また、前記滞留室13内にドレン水を改質する中和処理剤の供給手段14を備え付けることによって、排水基準を超えるような濃度の混合水になるようなときには、前記滞留室13内で中和処理が行われ、排出水のpH濃度をさらに安定させることができるので、排水基準を確実に満たすことできた。また、この中和処理剤は排出水のpH濃度が濃くなるときに重点的に作用するから、中和処理剤の寿命を長くすることが可能となった。
【0041】
また、前記滞留室13の上部の片側がドレン受け9の排水パイプ10に接続するU字状に形成したサイフォン構造とすることにより、滞留室13に溜まる水によって排気ガス室7の排気ガスが堰き止められ、排水パイプ10から外部へ流出しないようにできたので、機器内部に排気ガスが充満して燃焼異常に陥る心配がなくなった。
【0042】
また、前記滞留室13は上部の片側をドレン受け9に接続するU字状に形成すると共に、前記吐出パイプ12を他側の上部もしくは滞留室13に溜まった水中に接続した構造とすることにより、滞留室13に溜まる水によって燃焼排気ガスは滞留室13の流入側で堰き止められ、圧力弁11および吐出パイプ12内に燃焼の排気ガスが流入することがなくなり、圧力弁11のダイヤフラムが破損したり、吐出パイプ12に使用する材料の耐熱性・耐食性が不要となった。
【0043】
また、前記熱交換器4への給水をおこなう給水パイプ5の手前に副熱交換器8を配し、熱交換器4への給水を副熱交換器8の冷却器8aを通過してから供給する構造としたので、給水の予熱を行なうことによって熱効率が向上し、ランニングコストを低下させることが可能となった。
【0044】
また、給湯機の前記熱交換器4に接続する給水パイプ5に逆止弁15を取り付けることによって、温水停止時のウォーターハンマーおよび内部圧力上昇時に圧力弁11から出る温水量をより多くすることができるようになり、確実に滞留室13に供給できるようになった。
【0045】
また、前記燃焼室2壁もしくは燃焼室2に続く燃焼ガス流路3壁を熱交換部とする水室4aで熱交換器4を構成し、この水室4aに接続する給水パイプ5に減圧弁16を配置することにより、温水停止時のウォーターハンマーおよび内部圧力上昇時に圧力弁11から出る温水量をより多くすることができるようになり、確実に滞留室13に供給できるようになった。
【0046】
また、前記副熱交換器8の冷却器8aを耐熱性のあるパイプ状に構成した実施例においては、前記減圧弁16を冷却器8aと水室4aとの間の給水パイプ5に取り付けることにより、副熱交換器8を追加したことによる出湯圧力の低下を抑えられ、出湯圧力を確保できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す給湯機の構成図である。
【図2】この発明の実施例を示す滞留室の断面図である。
【図3】従来の実施例を示す給湯機の構成図である。
【符号の説明】
1  バーナー
2  燃焼室
3  燃焼ガス流路
4  熱交換器
4a 水室
5  給水パイプ
6  温水パイプ
7  排気ガス室
8  副熱交換器
8a 冷却器
9  ドレン受け
10  排水パイプ
11  圧力弁
12  吐出パイプ
13  滞留室
13a ドレン流入室
13b ドレン流出室
14  改質処理剤の供給手段
15  逆止弁
16  減圧弁

Claims (9)

  1. 給湯機の熱源となるバーナー1と、バーナー1で発生した燃焼ガスが送られる燃焼室2と、燃焼室2壁もしくは燃焼室2に続く燃焼ガス流路3壁を熱交換部とする熱交換器4とを設け、
    該熱交換器4には冷水を供給する給水パイプ5と、温水を吐出する温水パイプ6を取り付け、給水パイプ5で送られた冷水をバーナー1の燃焼熱で温水とする給湯機において、
    前記熱交換器4に続く排気ガス室7に副熱交換器8と、該副熱交換器8で発生した結露水を回収するドレン受け9とを設けると共に、
    前記熱交換器4もしくは温水パイプ6の熱交換器4側に圧力弁11を設け、前記ドレン受け9に接続した排水パイプ10と圧力弁11の吐出パイプ12とを合流し、
    前記ドレン受け9のドレンを圧力弁11から吐出する温水で希釈して排水することを特徴とする給湯機のドレン処理構造。
  2. 前記ドレン受け9に接続した排水パイプ10の途中にドレン水の滞留室13を設け、前記圧力弁11の吐出パイプ12を滞留室13に連通した請求項1に記載の給湯機のドレン処理構造。
  3. 前記滞留室13にはドレン水を改質する処理剤の供給手段14が備え付けられた請求項2に記載の給湯機のドレン処理構造。
  4. 前記滞留室13は上部の片側をドレン受け9に接続するU字状に形成し、滞留室13に溜まる水によって排気ガス室7の排気ガスが排水パイプ10から流出しないようにした請求項2又は3に記載の給湯機のドレン処理構造。
  5. 前記滞留室13は下部に連通部があるU字状に形成しており、上部の片側をドレン受け9の排水パイプ10に接続し、前記圧力弁11の吐出パイプ12は他側の上部もしくは滞留室13に溜まる水中に接続した請求項4に記載の給湯機のドレン処理構造。
  6. 前記副熱交換器8には副熱交換器8を通過する排気ガスを冷却する冷却器8aを設け、前記給水パイプ5は冷却器8aを通過した冷水が供給されて、給水の予熱を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の給湯機のドレン処理構造
  7. 前記給湯機の熱交換器4に接続する給水パイプ5には逆止弁15を取り付け、前記圧力弁11は温水パイプ6の温水停止後の圧力上昇時に温水を滞留室13に供給することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の給湯機のドレン処理構造。
  8. 前記燃焼室2壁もしくは燃焼室2に続く燃焼ガス流路3壁を熱交換部とする水室4aで熱交換器4を構成し、前記水室4aに接続する給水パイプ5には減圧弁16を配置した請求項7に記載の給湯機のドレン処理構造。
  9. 前記副熱交換器8の冷却器8aはパイプ状に構成し、前記減圧弁16はパイプ状の冷却器8aと水室4aとの間の給水パイプ5に取り付けた請求項8に記載の給湯機のドレン処理構造。
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