JP2004060401A - 繰粉検出装置 - Google Patents

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JP2004060401A
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Toshihiko Gomi
五味 敏彦
Tomomi Muto
武藤 友美
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Abstract

【課題】さく孔時に排出される繰粉の有無及び性状をより確実かつ安価に検出することにより、さく岩機のさく孔制御を容易にし、作業者の疲労を軽減させる。
【解決手段】繰粉Dを捕集する集塵装置11のサクションキャップ12の下流側とプレクリーナ13の下流側に配置され、繰粉搬送経路内の繰粉の流れを検出する粉粒体検出センサS、Sと、粉粒体検出センサからの検出データに対応する繰粉データを予め記憶し、さく孔時の粉粒体検出センサの検出データと前記繰粉データとを比較して繰粉の排出状態や性状を判断する判断部とで繰粉検出装置を構成する。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、さく孔時の繰粉の排出状態や性状を判断してさく孔機のさく孔制御を行うための繰粉検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉱山、採石、土木工事等の現場では、岩石に発破孔をさく孔するためにさく孔機が使用される。さく孔機は、打撃機構や回転機構を備えており、前端部にはロッドが装着されて、さく孔時には、打撃機構や回転機構によってロッド先端のビットに打撃や回転を与えてさく孔する。
【0003】
このとき、ビットの先端が岩石を破砕して繰粉を発生させる。発生した繰粉は、通常、ブローエヤーによって孔外へ排出され、集塵装置によって粒度の粗いものと微小なものとに分級されて捕集されるようになっている。
この排出された繰粉は、作業者がさく孔機のさく孔状態の良否を判断するのに重要な指標となる。例えば、繰粉の排出量が極端に少ない場合や、全く排出されない場合には、岩盤内のビットが破砕帯や空洞に達し繰粉の発生が止まっている、又は、孔崩れによって繰粉がビット付近に閉じ込められている等が考えられ、そのままさく孔を続けると孔曲がりやロッドの回収不能(いわゆるタケノコ)につながる恐れがある。
【0004】
また、繰粉の粒度分布から、比較的粒度の粗い繰粉が多く、微小な繰粉が極端に少ない場合には、孔が荒れている状態だと判断される。このような場合には残留繰粉が多くなる可能性があり、目標通りのさく孔長を持った発破孔が完成できない。
従って、作業者は、常にさく孔作業中に、排出された繰粉の量や粒度分布等の繰粉の性状を監視し、さく孔状態を判断しながらさく孔操作を行わなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような繰粉の性状の監視は、従来作業者の目視によって行われていたので、作業者の疲労が大きくなり、また、さく孔状態の判断は作業者の経験と勘に頼っていたので、さく孔の良否が作業者の熟練度によって左右されるという問題があった。
【0006】
この問題を解決するために、本出願人は、繰粉を捕集する集塵装置の繰粉搬送経路の途中の各所に配置される圧力センサと、各圧力センサの検出圧力値に対応する繰粉性状データを予め記憶し、さく孔時の各圧力センサの検出圧力値と繰粉性状データとを比較して繰粉の性状を判断する判断部とで構成した繰粉検出装置を提案している(特開平11−247575号公報参照)。
【0007】
しかし、この方法では、圧力差に基づいて繰粉を検出するので、判断基準値の設定が微妙であり難しい。繰粉には水分が含まれる場合があるが、このように湿った繰粉が圧力センサに付着すると、検出ができなくなる。また、圧力センサは基本的に2個1組であるため、合計すると多くの個数を必要とすることからコストが嵩むとともに断線などの故障の原因が増える。さらに、圧力センサの検出部を搬送経路の管内に曝け出さなければならないので、繰粉との摩耗によって寿命が短くなる恐れがある。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、湿った繰粉にも適用でき、さく孔時に排出される繰粉の性状を確実かつ安価に検出でき、さく孔機のさく孔制御を容易にし、作業者の疲労を軽減させる繰粉検出装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の繰粉検出装置は、繰粉を捕集する集塵装置の繰粉搬送経路の途中に配置され、繰粉搬送経路内の繰粉の流れを検出する粉粒体検出センサと、粉粒体検出センサからの検出データに対応する繰粉データを予め記憶し、さく孔時の粉粒体検出センサの検出データと前記繰粉データとを比較して繰粉の排出状態を判断する判断部とによって構成されている。
【0010】
さく孔時に発生した繰粉は、ブローエヤーによって孔外へ排出され、集塵装置によって粒度の大きいものと微小なものとに分級されて捕集される。このとき、粉粒体検出センサは、電波を発信し、反射波を受信することにより、繰粉搬送経路内の繰粉の流れを検出し、判断部は、粉粒体検出センサからの検出データに対応する繰粉データを予め記憶し、さく孔時の粉粒体検出センサの検出データと前記繰粉データとを比較して繰粉の有無を判断することができる。
【0011】
さらに、少なくとも粉粒体検出センサを集塵装置のサクションキャップの下流側とプレクリーナの下流側の2箇所に配置するとともに、粉粒体検出センサからの検出データに対応する繰粉性状データを予め記憶することで、判断部によって、さく孔時の粉粒体検出センサの検出データと前記繰粉性状データとを比較して繰粉の性状を判断することができる。
【0012】
得られた繰粉の性状は、表示装置等に表示することにより、作業者は直接繰粉を監視することなくさく孔状態を判断し、さく孔操作を行うことができる。さらに判断部からさく孔時の繰粉の性状に基づいてさく孔状態の警告信号を出力するようにすれば作業者はさく孔状態の変化を知ることができるので、さく孔制御が容易になる。
【0013】
さく孔機のさく孔動作を自動制御するさく孔制御装置を備えているような場合には、判断部からさく孔時の繰粉の性状のデータをさく孔制御装置へ送るようにすれば、さく孔状態の変化に即応した円滑な自動さく孔制御が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態である繰粉検出装置を備えたクローラドリルの側面図、図2は繰粉検出装置の構成を示す説明図、図3は粉粒体検出センサの取付の説明図、図4は粉粒体検出センサの作用の説明図である。
クローラドリル1は台車2の前部にブーム3を備えており、このブーム3の先端部でさく岩機4が搭載されたガイドシェル5を支持している。さく岩機4は、打撃機構6と回転機構7とを備えており、ガイドシェル5に設けた送り機構8によって送りが与えられガイドシェル5に沿って前後に移動する。さく岩機4にはビット9を先端に取付けたロッド10が装着される。
【0015】
このクローラドリル1は、繰粉Dを捕集するための集塵装置11を備えている。集塵装置11は、ガイドシェルの先端部に設けられてさく孔口元を覆うサクションキャップ12と、粒度の粗い繰粉DL を捕集するプレクリーナ13と、粒度の微小な繰粉DS を捕集する集塵機14とからなり、サクションキャップ12とプレクリーナ13との間、及びプレクリーナ13と集塵機14との間は繰粉搬送管15、16で接続されている。
【0016】
集塵機14には、繰粉Dを吸引するためのファン17が設けられており、ファン17の吸引によって集塵装置11内に常にサクションキャップ12から集塵機14へと気流が生じている。さく孔によって発生しブローエヤーによって孔外へ排出された繰粉Dは、まずサクションキャップ12から繰粉搬送管15を経てプレクリーナ13へ搬送され、ここで粒度の粗い繰粉DL が捕集された後、繰粉搬送管16を経て集塵機14に到りここで微小な繰粉DS が捕集されるようになっている。
【0017】
集塵装置11の繰粉搬送経路の途中には、サクションキャップ12の出口と、プレクリーナ13の出口の2個所に、繰粉Dの流れを検出する粉粒体検出センサS、Sがそれぞれ配置されている。
図3に示すように、粉粒体検出センサS、又はSは、電波が透過しないように金属製のパイプ30に取り付けられている。パイプ30の全長は電波の拡散を考慮して長めに設定されおり、両端は繰粉搬送管15、又は16にスパイラルバンド36で固定されている。パイプ30には電波の通り道である孔33が開口した取付座31が設けられ、粉粒体検出センサS、又はSがボルト32で固定されている。粉粒体検出センサS、Sと取付座31の間には、受発信部が直接気流に曝されることを防止するための樹脂製の保護部材34が設けられている。さらに粉粒体検出センサS、Sの外側はカバーに覆われている。
【0018】
図4に示すように、粉粒体検出センサS、Sは電波を発信し、反射波を受信する。繰粉搬送経路内に粉体、すなわち、繰粉の流れがある場合は、反射波がドプッラ効果によって周波数変化を引き起こす。粉粒体検出センサS、Sの受信部でこの周波数変化を電圧変化として検出することで繰粉の流れを検出する。
また、台車2上に設置された制御盤18内には、判断部20が設けられている。判断部20は、受信出力部191、192、メモリ21、比較手段22を備えている。
【0019】
受信出力部191、192は、粉粒体検出センサS1 、Sからの電圧変化値P1 、P2 が閾値を超える場合は比較手段22にON信号を送り、閾値を超えない場合はOFF信号を送る。メモリ21は、これら受信出力部191及び192からのON−OFF信号の組合わせに対応した繰粉性状データを予め記憶している。比較手段22は、さく孔時の粉粒体検出センサS1 、Sの電圧変化値P1 、Pを基に受信出力部191、192から出力されるONまたはOFF信号とメモリ21に記憶されている繰粉性状データとを比較して繰粉Dの性状を判断する。判断部20で得られた繰粉Dの性状の判断結果は表示装置23に送られて表示される。
【0020】
さく孔時には、打撃機構6と回転機構7とによってロッド10先端のビット9に打撃と回転を与えてさく孔する。このとき、ビット9の先端が岩石を破砕して繰粉Dを発生させる。発生した繰粉Dは、さく岩機4のブローエヤーによって孔外へ排出され、まずサクションキャップ12から繰粉搬送管15を経てプレクリーナ13へ搬送され、粒度の粗い繰粉DL がプレクリーナ13によって捕集される。その後、未捕集の微小な繰粉DS は繰粉搬送管16を経て集塵機14に到りここで微小な繰粉DS が捕集される。
【0021】
このとき、集塵装置11の繰粉搬送経路の途中に配置された粉粒体検出センサS1 、S2 は、それぞれの位置において気流中の繰粉Dの流れを電圧変化値P1 、P2 として検出して判断部20内の受信出力部191、192に送る。受信出力部191、192では、一定量の流れがある場合、即ち、電圧変化値が閾値を超える場合はON信号を、一定量の流れがない場合、即ち、電圧変化値が閾値を超えない場合はOFF信号をそれぞれ比較手段22に送る。比較手段22がこの各ON−OFF信号とメモリ21に予め記憶されている繰粉性状データとを比較して、繰粉Dの性状を判断する。
【0022】
繰粉Dの排出の有無は、粉粒体検出センサSの受信出力部191の出力信号によって判断する。受信出力部191の出力信号がOFFの場合は、全搬送経路内に繰粉が存在しないと判断できる。
搬送経路内に繰粉Dが存在しない場合は、さく孔中に破砕された岩石が孔外に排出されず孔内に堆積している可能性が高い。このような場合には、ロッドの回収が不可能になる等の障害が発生し易く発破孔を完成できなくなるのでさく孔作業の続行は難しい。
【0023】
粉粒体検出センサSの受信出力部191の出力信号がONの場合は搬送経路内に繰粉Dが存在すると判断でき、さく孔は上記のような異常な状態ではないので、そのまま作業を続けることが可能である。
繰粉Dの有無だけを検出してさく孔作業を行う場合は、粉粒体検出センサはSのみを備え判断部20は受信出力部191のみで構成することができる。
【0024】
繰粉Dの性状は、粉粒体検出センサSの受信出力部191の出力信号と粉粒体検出センサSの受信出力部192の出力信号によって行う。
粉粒体検出センサSの受信出力部191の出力信号がONで、粉粒体検出センサSの受信出力部192の出力信号がOFFの場合は、搬送経路15内に繰粉Dが存在し搬送経路16内に繰粉Dが存在しないと判断できる。つまり、粒度の粗い繰粉DL だけが排出され、粒度の微小な繰粉DS が排出されない、岩盤の荒れている状態だと考えられる。このような場合には、孔壁の崩落が発生し易く残留繰粉が多くなり、目標通りのさく孔長が得られないことがあるので注意が必要である。
【0025】
粉粒体検出センサSの受信出力部191の出力信号がONで、粉粒体検出センサSの受信出力部192の出力信号もONの場合は、搬送経路15内および搬送経路16内に繰粉Dが存在すると判断できる。つまり、粒度の粗い繰粉DL および粒度の微小な繰粉DS が排出されるので、岩盤の安定した状態だと考えられ、そのままさく孔作業を続けることが可能である。
【0026】
このようにして判断部20で繰粉の有無、またはそれらを総合して得られる性状の判断データは、表示装置23に送られて表示されるので、作業者は直接繰粉Dを監視することなくさく孔状態を判断し、さく孔操作を行うことができる。従って、さく岩機4のさく孔制御が容易となり、作業者の疲労を軽減させることができる。
【0027】
判断部20からさく孔時の繰粉Dの性状に基づいてさく孔状態の警告信号を出力するようにすれば、作業者はさく孔状態の変化を知りトラブルに対処することができるので、さく孔制御がより容易になり、さく孔の良否が作業者の熟練度によって左右されることも少なくなる。
クローラドリル1には、さく岩機4のさく孔動作を自動制御するさく孔制御装置を備えているものがある。通常、自動制御のさく孔制御装置は、さく岩機4の回転抵抗や推力等の変化に基づいてさく孔制御を行っている。クローラドリル1が自動制御のさく孔制御装置を備えている場合には、判断部20からさく孔時の繰粉の性状のデータをさく孔制御装置24へ送るようにすれば、繰粉Dの性状の変化に基づいて予めプログラミングされた動作によってトラブルを回避でき、さく孔状態の変化に即応した円滑なさく孔制御が可能になる。
【0028】
この繰粉検出装置は、電波のドップラ効果を利用して繰粉の流れを検出するので、圧力差に基づいて繰粉を検出する場合に比べて判断基準値の設定が明確である。また、湿った繰粉が粉粒体検出センサに付着しても、電波が透過するので、検出に支障がなく、しかも2個の粉粒体検出センサしか用いないので、コストや断線などの故障の低減を図ることができる。さらに電波が透過する部材を保護部材として検出部介在させることができるので、繰粉による摩耗によって寿命が低下する可能性が低い。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の繰粉検出装置によれば、湿った繰粉にも適用でき、さく孔時に排出される繰粉の有無および性状を確実かつ安価に検出することにより、さく岩機のさく孔制御を容易にし、作業者の疲労を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である繰粉検出装置を備えたクローラドリルの側面図である。
【図2】繰粉検出装置の構成を示す説明図である。
【図3】粉粒体検出センサの取付の説明図である。
【図4】粉粒体検出センサの作用の説明図である。
【符号の説明】
1   クローラドリル
2   台車
3   ブーム
4   さく岩機
5   ガイドシェル
6   打撃機構
7   回転機構
8   送り機構
9   ビット
10  ロッド
11  集塵装置
12  サクションキャップ
13  プレクリーナ
14  集塵機
15  繰粉搬送管
16  繰粉搬送管
17  ファン
18  制御盤
191 受信出力部
192 受信出力部
20  判断部
21  メモリ
22  比較手段
23  表示装置
24  さく孔制御装置
30  パイプ
31  取付座
32  ボルト
33  孔
34  保護部材
35  カバー
36  スパイラルバンド
D   繰粉
L   粒度の粗い繰粉
S   微小な繰粉
1   粉粒体検出センサ
2   粉粒体検出センサ
1   電圧変化値
2   電圧変化値

Claims (2)

  1. 繰粉を捕集する集塵装置の繰粉搬送経路の途中に配置され、繰粉搬送経路内の繰粉の流れを検出する粉粒体検出センサと、粉粒体検出センサからの検出データに対応する繰粉データを予め記憶し、さく孔時の粉粒体検出センサの検出データと前記繰粉データとを比較して繰粉の排出状態を判断する判断部とを備えた繰粉検出装置。
  2. 少なくとも粉粒体検出センサを集塵装置のサクションキャップの下流側とプレクリーナの下流側に配置し、判断部には、粉粒体検出センサからの検出データに対応する繰粉性状データを予め記憶し、前記判断部によって、さく孔時の粉粒体検出センサの検出データと前記繰粉性状データとを比較して繰粉の性状を判断することを特徴とする、請求項1に記載の繰粉検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009155996A (ja) * 2007-12-28 2009-07-16 Ryuki Engineering:Kk 掘削システム
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