JP2004060036A - 酸化物皮膜 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン、レニウム等の化合物を含む水溶液を電解還元又は無電解還元することにより、基材上に酸化物皮膜を形成する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原料化合物を含む水溶液を電解還元又は無電解還元することにより得られる酸化物皮膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
金属酸化物膜は、電子材料、光学材料、磁性材料、防汚・防食用コーティング等、幅広く利用されている。また、二酸化ケイ素膜は、その機能性の高さから、半導体基板の保護膜、液晶ディスプレイにアルカリ溶出防止膜、酸化チタン、酸化亜鉛等の光触媒をコーティングする前に劣化防止のためのアンダーコート膜、ガスバリア膜等として、非常に幅広い用途に使用されている。
【0003】
このような二酸化ケイ素膜の成膜方法としては、例えば、熱CVD法、プラズマCVD法、光CVD法、蒸着法、スパッタリング法等の乾式法、ゾルゲル法、スプレーパイロリシス法、液相析出法(LPD法)等の湿式法が方法が用いられている(特開平5−148652、特開平5−76839、表面技術Vo/L.49,No.1,30−38,1998等)。
【0004】
しかし、上記各種CVD法やスパッタリング法では、300〜400℃の高温及び/又はプラズマの衝撃が加わるので、基材の酸化、熱損傷、劣化、表面の損傷等の不都合が生じる。また、プラスチック等の低融点基材を使用することができない。更に、大規模な製膜装置を必要とし、大きなエネルギーを必要とするため、環境負荷も大きい。
【0005】
LPD法等においては、強酸性の水溶液を使用する必要があるなど安全性の面でも問題があり、また、易酸腐食性物質を基材として使用することができないという問題点がある。
【0006】
更に、通常のめっきを行う方法によって二酸化ケイ素膜を製造する方法は行われていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、原料化合物を含む水溶液に基材を浸漬し、電解還元又は無電解還元することにより、接触角の小さい、透明性の高い酸化物皮膜を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の如き従来技術の問題点を解決するために、鋭意研究を重ねてきた。その結果、通常めっきを行うために使用されている方法を用いて、基材上に性能が優れた酸化物皮膜を形成することができることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、以下項1〜9に関する。
【0010】
1.水との接触角が40°以下であり、且つ、可視光の透過率が80%以上である、基材表面に形成される酸化物皮膜。
【0011】
2.酸化物が、ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の酸化物である上記項1に記載の酸化物皮膜。
【0012】
3.酸化物がSiO2である上記項2に記載の酸化物皮膜。
【0013】
4.ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む水溶液に基材を浸漬して電解還元することにより、基材表面に酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の製造方法。
【0014】
5.ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物及び還元剤を含む水溶液に基材を浸漬して無電解還元するにより、基材表面に酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の製造方法。
【0015】
6.基材が触媒付与処理が行われた基材である、上記項5に記載の方法。
【0016】
7.上記項4に記載の方法により得られる、基材表面に形成された酸化物皮膜。
【0017】
8.上記項5に記載の方法により得られる、基材表面に形成された酸化物皮膜。
【0018】
9.上記項6に記載の方法により得られる、基材表面に形成された酸化物皮膜。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化物皮膜は、通常のめっきを行う方法により基材表面上に形成されることを特徴とする皮膜である。該皮膜は親水性であり、OH基を有していてもよい。また、水との接触角は約40°以下、好ましくは約30°以下である。
【0020】
接触角θの測定法は、試料上に滴下した液滴の半径r及び高さhから次式;
θ/2=tan−1(h/r)
により求めることができる。また、液滴法接触角測定器等の公知の機械で測定することもできる。
【0021】
更に、本発明の酸化物皮膜は、可視光に対して非常に高い透明性を有しており、皮膜自体の可視光透過率は80%以上、好ましくは90%が例示できる。ここで、可視光とは人間の目に光として感じる限り限定されないが、例えば、約380〜780mmの波長を持つ光線をいう。本発明の酸化物皮膜の可視光透過率は、紫外可視分光光度計等の公知の機械で測定することができる。
【0022】
酸化物皮膜の原料(以下、「原料化合物」という。)としては、基材表面上に酸化物皮膜を形成できる水溶性の化合物であれば限定されない。例えば、ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む水溶性の化合物が例示できる。
【0023】
具体的な化合物としては、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ヘキサフルオロケイ酸亜鉛、ヘキサフルオロケイ酸リチウム、ヘキサフルオロケイ酸鉄、ヘキサフルオロケイ酸コバルト、ヘキサフルオロケイ酸銅、ヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウム、ヘキサフルオロアンチモン酸カリウム、ヘキサフルオロアンチモン酸アンモニウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸リチウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸ナトリウム、ヘキサフルオロジルコニウム酸カリウム、ヘキサフルオロクロム(III)酸アンモニウム、ヘキサフルオロタンタル酸リチウム、ヘキサフルオロタンタル酸ナトリウム、ヘキサフルオロニオブ酸ルビジウム、ヘキサフルオロニオブ酸セシウム、ヘキサフルオロバナジウム酸アンモニウム、ヘキサフルオロバナジウム酸カリウム、ヘキサフルオロマンガン酸カリウム、ヘキサフルオロマンガン酸アンモニウム、ヘキサフルオロレニウム(IV)酸カリウム等を挙げることができる。
【0024】
上記原料化合物の水溶液を使用して、電解還元(即ち、電解めっきと同様の方法)、又は無電解還元(即ち、無電解めっきと同様の方法)により、本発明の酸化物皮膜を形成することができる。
【0025】
電解還元又は無電解還元を用いるので、従来の方法では皮膜でコーティングできなかったような繊維、粉体等の基材、その他複雑な形状の基材等にも容易に皮膜でコーティングすることができる。
【0026】
また、ゾルゲル法等ではアルコキシシランが用いられており、基材又は膜に有機溶媒等が残留することがあったが、本発明の皮膜は、電解還元又は無電解還元により形成されるので、そのような問題が起こらないので好ましい。
(1)電解還元
本発明の酸化物皮膜は、通常の電気めっきを行う条件により製造することができる。即ち、コーティングしたい基材を、原料化合物の水溶液に浸漬し、通電により電解することにより、基材表面に本発明の酸化物皮膜を形成することができる。
【0027】
基材を浸漬する方法としては何ら限定されず、基材全体を水溶液に浸漬することもできる。また、コーティングを望まない部分を公知の方法で保護して浸漬してもよいし、基材の一部分だけを浸漬することもできる。
【0028】
本発明の酸化物皮膜作製用の水溶液は、上述した原料化合物の水溶液を好適に使用できる。これらの原料化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることもでき、濃度も限定されず、広い範囲から適宜選択できる。例えば、0.001〜5.0mol/L程度、好ましくは0.05〜1.0mol/L程度を例示できる。また、成膜によって化合物の濃度が減少するが、その際には減少した化合物を添加することにより、成膜を続けることができる。
【0029】
膜の厚さは限定されず、基材、用途等に応じて適宜選択することができる。本発明の酸化物皮膜は、通電の時間によって膜厚を調節することができるので、厚い膜が必要なときは長く通電すればよい。
【0030】
本発明の酸化物皮膜を作製するためには、通常の電解法がいずれも採用できる。たとえば、陰極電位は、電解液の濃度などに応じて適宜設定すればよいが、通常、Ag/AgCl電極基準で−0.2V〜−2.0V程度が適当であり、−0.5V〜−1.5V程度が好ましく、−0.7V〜−1.5V程度が特に好ましい。
【0031】
電解液の液温は、広い範囲で設定できるが、通常は、10〜80℃程度とすればよく、20〜50℃程度が好ましい。また、本発明の水溶液は安定なので、水溶液のpHは広い範囲から適宜選択できるが、成膜の効率、水溶液の安定性等の点から、pHは2〜13程度、好ましくは2〜6程度が例示できる。
【0032】
本発明では、上記電解液を用いて、これらの条件下で、無撹拌又は撹拌下で電解を行なうことによって、シリカ膜を形成することができる。撹拌法としては、公知の方法をいずれも使用できる。
【0033】
電解に用いる陽極としては、通常の各種めっきに用いられる不溶性陽極をいずれも使用でき、具体例としては、白金、白金めっきチタン、カーボングラファイト等が挙げられる。
【0034】
本発明において、酸化物皮膜を形成する基材としては、特に限定されず、通常の電気めっきの対象となる全ての材料が含まれる。導電性のものが好ましい。具体例としては、銅、白金、鉄、ニッケル、ステンレス等の金属材料、NESAガラス、ITOガラス等のガラス材料、セラミックス材料、プラスチックス材料等が例示される。基材には、上記電解を行う前に、常法に従って、前処理を施してもよい。また、電解後には、水洗、乾燥等通常行われている操作を行ってもよい。
【0035】
更に、通電後、OH基を減少又は消失させるために、必要に応じて、例えば大気雰囲気下で熱処理を行うこともできる。
【0036】
例えば、本発明の方法により得られた酸化物皮膜は、10μm以下、好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下の膜厚で、80%以上、好ましくは90%以上という非常に高い可視光の透過率を有することができる。また、例えば、本発明の方法により得られた二酸化ケイ素膜は、40°以下、好ましくは30°以下という非常に小さい接触角を有することができる。
(2)無電解還元
本発明の酸化物皮膜はまた、原料化合物及び還元剤を含有する水溶液を使用することによって、通電することなく(即ち、無電解めっきの条件下で)、導電性基材及び非導電性基材のいずれにも酸化物皮膜を形成することができる。しかも、大面積の基材や複雑な形状の基材上にも膜厚や組成が均一なシリカ膜を簡単に形成できる。
【0037】
この方法においては、原料化合物は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができ、水溶液中の上記原料化合物の濃度は、広い範囲で調整できる。例えば、0.001〜5.0mol/L程度、好ましくは0.05〜1.0mol/L程度を例示できる。また、成膜によって化合物の濃度が減少するが、その際には適宜減少した化合物を添加することにより、成膜を続けることができる。
【0038】
本発明の無電解還元に使用できる還元剤としては、通常無電解めっきに使用される還元剤が使用できる。例えば、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等のボラン−アミンコンプレックス、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素化合物、ホルムアルデヒド等が挙げられる。
【0039】
本発明で使用できる還元剤の濃度は、広い範囲から適宜選択できるが、成膜の効率等の点から、例えば、0.001〜5.0mol/L程度、好ましくは0.05〜3.0mol/L程度が挙げら得る。
【0040】
また、上記化合物に対して用いる還元剤の割合も限定されないが、成膜の効率の点から、例えば、原料化合物:還元剤=50:1〜1:50、好ましくは10:1〜1:10が挙げられる。
【0041】
本発明では、この様に原料化合物及び還元剤を含有する水溶液に基材を浸漬させることによって、表面保護性能に優れた酸化物皮膜を形成することができる。
【0042】
基材を浸漬する方法としては何ら限定されず、基材全体を水溶液に浸漬することもできる。また、コーティングを望まない部分を公知の方法で保護して浸漬してもよいし、基材の一部分だけを浸漬することもできる。
【0043】
膜の厚さは限定されず、基材、用途等に応じて適宜選択することができる。本発明の酸化物皮膜は、基材を上記水溶液に浸漬する時間によって膜厚を調節することができるので、厚めの膜が必要なときは長めに浸漬すればよい。
【0044】
本発明組成物の液温は、反応速度の点から、40〜90℃程度とすることが好ましく、50〜70℃程度とすることがより好ましい。また、該水溶液のpHは特に限定されるものではないが、成膜の効率等の点から、2.0〜13.0程度、好ましくは3.0〜7.0程度とすることが好ましい。
【0045】
本発明の組成物に基材を浸漬する際には、該組成物は、無撹拌及び撹拌状態のいずれでも良く、撹拌法としては、公知の攪拌方法を適宜採用できる。形成される酸化物皮膜の膜厚は浸漬時間とともに増加するので、浸漬時間を適宜設定することによって、目的とする膜厚の酸化物皮膜を形成することができる。
【0046】
本発明において、酸化物皮膜を形成するための基材の種類は特に限定されず、本発明の組成物中に浸漬した場合に変質しない材料であればどのような材料も使用でき、導電性及び非導電性のいずれの材料であってもよい。
【0047】
その具体例としては、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、ステンレス等の金属材料、NESAガラス、ITOガラス等の導電性ガラス、ソーダライムガラス、無アルカリガラス(コーニング7059ガラス)などの非導電性ガラス材料、セラミックス材料、プラスチックス材料などを挙げることができる。
【0048】
水溶液に浸漬する前に、基材に常法に従って前処理を施してもよく、酸化物皮膜を形成した後は、水洗、乾燥等の通常の後処理の操作を行うことができる。
【0049】
また、本発明において、基材を水溶液に浸漬する前に、必要に応じて、通常無電解めっき皮膜を形成する際に用いられるパラジウム、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金等の触媒金属を付与する処理を行なうことができる。触媒付与処理の具体的な方法としては、無電解めっき皮膜を形成する場合の触媒付与方法と同様の公知の方法をいずれも適用でき、一般にパラジウムを付与する方法が広く行われており、例えば、センシタイジング−アクチベーション法、キャタリスト−アクセレレーター法、アルカリキャタリスト法等により触媒を付与すればよい。
【0050】
例えば、本発明の方法により得られた酸化物皮膜は、10μm以下、好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下の膜厚で、80%以上、好ましくは90%以上という非常に高い可視光の透過率を有することができる。また、例えば、本発明の方法により得られた二酸化ケイ素膜は、40°以下、好ましくは30°以下という非常に小さい接触角を有することができる。
(3)本発明の酸化物皮膜
本発明により得られた酸化物皮膜は、通常のめっきに用いる方法を使用できるので、複雑な形状を有する物品にも容易にコーティングすることができる。例えば、電話、携帯電話、パソコン、ラジカセ、コンポ、テレビ、カーナビゲーションシステム、デジタルカメラ、蛍光灯、DVD機器(媒体も含む)、CDプレーヤー(CD−ROM媒体も含む)、ファクシミリ、エアコン、電子レンジ等の電気製品、シャープペンシル、万年筆、クリアファイル等の文房具、机、本棚、タンス、鏡、浴槽、便器等の什器、サングラス、双眼鏡、各種収納ケース等の日用品、その他、自動車、建造物(サッシ、窓枠、ドア等の建材も含む)、衣類、光ファイバー、太陽電池、液晶パネル、タッチパネル(現金自動支払機、券売機等に付属)、LSI(ゲート下絶縁膜として)等のコーティングに使用することができる。
【0051】
また、本発明の酸化物皮膜は、高い親水性を有しているので、特に、例えば、エアコン熱交換器用フィン、窓ガラス等にも結露滴下防止膜としても使用することができる。更に、光透過率が非常に高いことから、防曇皮膜としても使用することができる。
【0052】
必要に応じて、電解還元又は無電解還元の際に、着色剤、帯電防止剤、各種有機化合物等の公知の添加剤を加えることにより、本発明の酸化物皮膜に付加的な性質を与えることもできる。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳述する。本発明はこれらに限定されるものではない。
【0054】
実施例 1(電解還元)
銅板(2.5cm×1cm×1mm厚;同和鉱業株式会社製)を、25℃で1N塩酸に1分間浸漬し(以下、「塩酸洗浄」という。)、25℃のアセトンに10秒間浸漬することにより脱脂した(以下、「アセトン脱脂」という。)。
【0055】
その後、Ag/AgCl電極を参照電極、白金めっきチタン板を対向電極として、各電極を0.1mol/Lのヘキサフルオロケイ酸アンモニウムを含有する水溶液に浸漬し、外部電極にて参照電極に対して−1Vの電位をかけ、液温25℃で4時間電気分解を行った。電解後、水洗し、乾燥した。
【0056】
ESCA(X線光電子分光分析法)により、得られた膜の成分がSi:O=1:2の二酸化ケイ素であることが確認できた。また、高感度反射フーリエ変換赤外分光(FT−IR)にて、Si−O−Siの伸縮振動によりピークを検出した(図1)。
【0057】
更に、通電時間を変えたものの結果も併せて図1に示すが、通電時間を長くするほど、大きなSi−OH結合のピークが検出された。即ち、通電時間を長くするほど、親水性の高いシリカ膜が得られることがわかる。
【0058】
次に、電位を変えて成膜した結果を図2に示す。電位を高くするほど、また、電解時間を長くするほど、膜の厚さが厚くなることがわかる。
【0059】
次いで、液適法接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−X150)を使用して、水の接触角を測定した。本実施例で得られた接触角は9°であった。これに対し、アルカリ電解液(50g/LのKOH+100g/LのK2P4O7)中で25℃で−10mAで30秒間の電解(以下、「電解脱脂」という。)のみを行った銅板に対する水の接触角は73°だった。従って、本発明で得られたシリカ膜は、非常に高い親水性を有する膜であることがわかった。
【0060】
実施例 2(電解還元)
電解脱脂を行い、水洗した。その後は、銅板の代わりにステンレス板(2.5cm×1cm×0.3mm厚)を用いる他は、実施例1と同様にして電解を行った。
【0061】
自然乾燥後、FT−IRにてSi−O−Si伸縮振動ピークを検出し、SiO2膜が形成したことを確認した。
【0062】
実施例 3(電解還元)
ステンレス板を用いる代わりに白金板(3cm×1cm×0.3mm厚)を用いる他は、実施例2と同様にして実験を行った。その後、大気雰囲気下にて、500℃で1時間熱処理を行った。
【0063】
FT−IRにより、熱処理を行わなかったものは、Si−O−Si伸縮振動ピーク及び強いSi−OH伸縮振動ピークが検出された。熱処理を行ったものは、Si−O−Si伸縮振動ピークが検出され、Si−OH伸縮振動ピークがほぼ消失したことがわかった。
【0064】
実施例 4(無電解還元)
ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルム(5cm×2cm×0.25mm厚)(東レ株式会社製ルミラー)を、メタノールに10秒間浸漬することによって洗浄し、水洗後、50℃で10%NaOH水溶液に10分間浸せき後、水洗した(以下、「洗浄」という。)。センシタイザー(奥野製薬工業株式会社製Sn含有液)に3分間浸漬し、水洗した後、アクチベーター(奥野製薬工業株式会社製Pd含有液)に1分間浸漬し、水洗した(以下、「触媒付与」という)。
【0065】
得られた触媒付与PETフィルムを0.2mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム及び0.2mol/Lジメチルアミンボランを含む水溶液に、50℃で2時間浸漬した。
【0066】
水洗した後、自然乾燥し、ESCAにより組成分析を行った。結果を表1に示す。表1の結果から、SiO2膜ができていることがわかる。
【0067】
【表1】
【0068】
また、ペットボトルから切り出したPET(5cm×2cm×0.45mm厚)を、同様に洗浄し、触媒付与・水洗したのち、同じ組成の液に同じ温度で4時間浸漬した。水洗し、自然乾燥後ESCAにより組成分析を行った。結果を表2に示す。表2の結果から、SiO2膜ができていることがわかる。
【0069】
【表2】
【0070】
得られたPETフィルムに対して、実施例1と同様に水の接触角を測定したところ、30°であった。メタノール洗浄のみを行ったPETフィルムは79°であった。従って、本発明の無電解還元で得られたシリカ膜は、非常に親水性が高いことが分かる。
【0071】
また、紫外可視分光光度計(島津製作所株式会社製UV−2200)を用いて光透過率を測定したところ、シリカ膜を形成したものも形成しなかったものも85%であった。即ち、本発明により得られた酸化物皮膜自体の光透過性は、約100%であることがわかった。
【0072】
実施例 5(無電解還元)
スライドガラス(1cm×2cm×1.4mm厚)をビーカー中のアセトンに浸漬し、アセトン及び基材を入れたビーカーを超音波洗浄器内の水浴に浸漬して超音波洗浄した。
【0073】
実施例4と同様に触媒付与処理を行い、0.2mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム及び0.5mol/Lジメチルアミンボランを含む水溶液に、50℃で2時間浸漬した。
【0074】
その後、水洗し、自然乾燥したスライドガラスを、ESCAにより全定性分析を行ったところ、SiO2膜ができていることが確認できた(表3)。
【0075】
【表3】
【0076】
比較用サンプルの場合、液が酸性であることから、2時間の浸漬によってNaやSnが溶出したと考えられる。膜作成反応を行うと、Na、Sn、Caはほとんど検出されなかった。従って、NaやSnを含まない物質が新たにガラス表面を覆ったと考えられ、SiO2膜の析出が確認できた。
【0077】
実施例 6(無電解還元)
カバーガラスの代わりにコーニング社製ガラス#1737を使用する他は、実施例5と同様に実験を行った。
【0078】
X線光電子分光分析(ESCA)のスペクトルによる組成分析、及びArスパッタリングを併用してやや奥の部分の分析も行った(表4)。
【0079】
【表4】
【0080】
No7の結果がこの基板の組成と考えられる。反応を行った試料の場合、No1, 2,3の結果に見られるように、表面もやや内部もBaの割合が基板に比べてかなり低く、基板上にSiO2が析出したと考えられる。
【0081】
実施例 7(無電解還元)
タキロン社製ポリカーボネート(PC)樹脂(5cm×2cm×1mm厚)を、メタノールに10秒浸漬し、水洗し、70℃の10%NaOHに10分間浸漬し、次いで2分間の超音波処理を行った後水洗することにより脱脂した。
【0082】
その後は、液温を70℃にした以外は実施例5と同様にして実験を行った。X線光電子分光分析(ESCA)のスペクトルによる組成分析、及びクリーニングのためのAr sputtering 24 秒後測定を行った。SiO2膜の形成を確認できた(表5)。
【0083】
得られた酸化物皮膜を有するPCの透過率を測定したところ、90%であった。比較例としてメタノール洗浄のみを行ったPCの透過率を測定したところ、90%であった。従って、本発明により得られた酸化物皮膜の可視光透過率は約100%であることがわかった。
【0084】
【表5】
【0085】
実施例 8(無電解還元)
PET(5cm×2cm×厚さ0.25 mm;東レ株式会社製ルミラー)をメタノールに10秒浸漬し、水洗し、その後、50 ℃の10%NaOHに10分間浸漬し、水洗することにより脱脂した。
【0086】
実施例5と同様に触媒付与処理を行い、0.05mol/Lヘキサフルオロケイ酸及び0.2mol/Lジメチルアミンボランを含む液温60℃の水溶液に、得られたPETを2時間浸漬した後、水洗した。
【0087】
自然乾燥後、ESCAスペクトルによって組成分析したところ、SiO2膜の形成を確認した(表6)。
【0088】
【表6】
【0089】
実施例 9(無電解還元)
ペットボトルから切り出したPETを、実施例5と同様に触媒付与処理まで行った。その後、0.2mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム及び0.05mol/L水素化ホウ素カリウムを含む液温50℃の水溶液に、得られた基材を3時間浸漬し、水洗した。
【0090】
自然乾燥後、ESCAスペクトルによって組成分析を行ったところ、SiO2膜の形成を確認できた(表7)。
【0091】
【表7】
【0092】
実施例 10(無電解還元)
実施例1と同様にして得られた洗浄済み銅板を用いて、電解脱脂を行った。その後、実施例5と同様に触媒付与処理を行った。0.2mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム及び0.2mol/Lジメチルアミンボランを含む液温50℃の水溶液に、得られた基材を2時間浸漬し、水洗した。
【0093】
自然乾燥後、ESCAスペクトルによって全定性分析した。Si、O、Cu、Snを検出し、SiO2膜が形成できたと判断した。また、触媒付与なしに無電解用水溶液に浸漬した場合は、SiO2膜は形成しなかった。
【0094】
実施例 11(無電解還元)
亜鉛めっき鋼板(2cm×1cm×0.3mm厚;株式会社山本鍍金試験器製)を1N HClに1分間浸漬することにより、亜鉛を溶解し、水洗した。触媒付与処理を行わずに、0.2mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム及び0.05mol/L水素化ホウ素カリウムを含む液温50℃の水溶液に、得られた基材を1時間浸漬した(触媒付与なし)。
【0095】
自然乾燥後、ESCAスペクトルによって全定性分析し、Si、O、Feを検出した。SiO2膜が形成できたと判断した。また、Al箔を基材として同様の処理をおこなった場合も、触媒付与なしにSiO2膜の形成が認められた。これは、銅板と違って鉄、アルミニウムはイオン化傾向が高いため、水素発生反応が起こりやすく、触媒付与なしにSiO2膜の形成できたためであると考えられる。
【0096】
実施例 12(無電解還元)
シリコンウェハ(1cm×1cm×1mm厚、n型:信越化学工業(株)製)を用いて、実施例8と同様に触媒付与処理まで行った。
【0097】
0.2mol/Lヘキサフルオロケイ酸アンモニウム及び0.5mol/Lジメチルアミンボランを含む液温50℃の水溶液に、得られた基材を2時間浸漬し、水洗した。
【0098】
自然乾燥後、ESCAスペクトルによって組成分析したところ、SiO2膜の形成を確認した(表8)。
【0099】
【表8】
【0100】
実施例 13(無電解還元)
実施例4と同じ、PETフィルムを用いて、実施例4と同様に、洗浄、触媒付与を行った。その後、得られた基材を、0.2mol/Lのヘキサフルオロチタン酸アンモニウム及び0.2mol/Lのジメチルアミンボランを含む60℃の水溶液に3時間浸漬し、水洗した。
【0101】
自然乾燥後、ESCAスペクトルによって組成分析を行ったところ(クリーニングのため、1分間のアルゴンスパッタリングの後に測定した。)(表9)、TiO2膜が形成されたことを確認した。
【0102】
【表9】
【0103】
【発明の効果】
本発明の酸化物皮膜は、電解還元又は無電解還元を使用することにより、複雑な形状の基材にも非常に容易に、しかも均一にコーティングすることができる。また、電解時間、浸漬時間等を調整することにより、膜厚、親水性の強さ等も容易に制御することができ、非常に優れた方法である。
【0104】
更に、本発明の酸化物皮膜は、親水性に富んでおり、接触角が非常に小さいので、結露滴下防止皮膜、防汚皮膜等としても使用することができる。光透過性も非常に高いことから防曇皮膜、透明基材の反射防止膜としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた酸化物皮膜(二酸化ケイ素皮膜)の高感度反射赤外分光分析の結果を示す図である。図中の4つの結果は、上から、4時間、12時間、16時間、24時間の通電を示す。
【図2】実施例1で得られた酸化物皮膜(二酸化ケイ素皮膜)の高感度反射赤外分光分析の結果を示す図である。縦軸は膜の厚さ(nm)を、横軸は通電時間(時間)を示す。
Claims (9)
- 水との接触角が40°以下であり、且つ、可視光の透過率が80%以上である、基材表面に形成される酸化物皮膜。
- 酸化物が、ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物の酸化物である請求項1に記載の酸化物皮膜。
- 酸化物がSiO2である請求項2に記載の酸化物皮膜。
- ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含む水溶液に基材を浸漬して電解還元することにより、基材表面に酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の製造方法。
- ケイ素、チタン、アンチモン、ジルコニウム、クロム、タンタル、ニオブ、バナジウム、マンガン及びレニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物及び還元剤を含む水溶液に基材を浸漬して無電解還元するにより、基材表面に酸化物皮膜を形成することを特徴とする酸化物皮膜の製造方法。
- 基材が触媒付与処理が行われた基材である、請求項5に記載の方法。
- 請求項4に記載の方法により得られる、基材表面に形成された酸化物皮膜。
- 請求項5に記載の方法により得られる、基材表面に形成された酸化物皮膜。
- 請求項6に記載の方法により得られる、基材表面に形成された酸化物皮膜。
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