JP2004059713A - 熱硬化型艶消し粉体塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】仕上がり外観に優れた熱硬化型艶消し粉体塗料を提供する。
【解決手段】下記成分(A)水酸基価5〜300mgKOH/g、数平均分子量400〜20,000、軟化温度30〜140℃の水酸基含有ポリエステル樹脂(B)ブロックポリイソシアネート化合物(C)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、酸化チタン40〜200重量部(D)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、モノカルボン酸化合物0.5〜20重量部を必須成分として含有することを特徴とする熱硬化型艶消し粉体塗料。
【選択図】なし
【解決手段】下記成分(A)水酸基価5〜300mgKOH/g、数平均分子量400〜20,000、軟化温度30〜140℃の水酸基含有ポリエステル樹脂(B)ブロックポリイソシアネート化合物(C)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、酸化チタン40〜200重量部(D)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、モノカルボン酸化合物0.5〜20重量部を必須成分として含有することを特徴とする熱硬化型艶消し粉体塗料。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕上がり外観及び加工性に優れた艶消し塗膜を提供する熱硬化型艶消し粉体塗料に関する。
【0002】
【従来からの技術及びその課題】従来より、熱硬化型艶消し粉体塗料は家電製品、自動車部品、車両、事務用品、鋼製家具、建材等の工業用製品分野において屋外又は屋内用途として広く使用されている。しかしながら、上記した熱硬化型艶消し粉体塗料は、艶消し顔料であるシリカ顔料を添加して艶を調整するため、仕上がり外観、加工性が低下する問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来からの問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成物からなる硬化型粉体塗料が、仕上がり外観、加工性に優れた艶消し粉体塗料であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
即ち、本発明は、
1、下記成分
(A)水酸基価5〜300mgKOH/g、数平均分子量400〜20,000、軟化温度30〜140℃の水酸基含有ポリエステル樹脂
(B)ブロックポリイソシアネート化合物
(C)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、酸化チタン 50〜200重量部
(D)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、モノカルボン化合物 0.5〜20重量部
を必須成分として含有することを特徴とする熱硬化型艶消し粉体塗料に係わる。
【0005】
【発明の実施の形態】本願で使用するポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量400〜20,000、特に1000〜10,000の範囲のものが好ましい。また、該樹脂の軟化温度は30〜140℃、特に35〜100℃の範囲のものが好ましい。
【0006】
ポリエステル樹脂の官能基としては、水酸基を有する。水酸基は、樹脂水酸基価で5〜300mgKOH/g、特に8〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。
【0007】
該ポリエステル系樹脂(A)としては、例えば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸等の芳香族又は脂環族ジカルボン酸と(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチルプロピオン酸等の2価アルコール、必要に応じて安息香酸等のモノカルボン酸、(無水)トリメリット酸等の3価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリットール等の3価以上のアルコールとを上記した水酸基価の範囲になるように適宜反応させて得られる樹脂が挙げられる。
【0008】
本願で使用されるブロックポリイソシアネート化合物(B)は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックした軟化点が約20〜100℃、好ましくは約25〜80℃の範囲のものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等:脂環式系ジイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等:芳香族ジイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート等:その他のポリイソシアネート類としては、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等の3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル等のポリオールの水酸基に対してイソシアネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物を反応させてなる付加物類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等が挙げられる。
【0009】
上記したポリイソシアネート化合物をブロックさせるために使用するブロック剤としては、例えば、フェノール系、ラクタム系、オキシム系の従来から公知のブロック剤がいずれも使用できる。これらのブロック剤の具体例として、フェノール系ブロック剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチル等:ラクタム系ブロック剤としては、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等:オキシム系ブロック剤としては、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等が挙げられる。
【0010】
ブロックポリイソシアネート化合物の配合割合は、樹脂(A)が有する水酸基1個に対してイソシアネート基が約0.3〜1.5個、好ましくは約0.5〜1.2個の範囲になるように配合される。また、樹脂100重量部に対して、通常、約3〜100重量部、好ましくは約10〜80重量部の範囲である。上記した範囲をはずれるといずれも耐候性、耐水性等の塗膜性能が低下する。
本願で使用される酸化チタン顔料(C)は、二酸化チタンを主成分とする白色顔料であり、その粒径は0.2〜0.35μm、特に0.25〜0.30μmが好ましい。
【0011】
酸化チタン(C)の配合割合は、樹脂(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、通常、約40〜200重量部、好ましくは約45〜100重量部の範囲である。配合量が40重量部未満になると十分な艶消しが得られず、一方、200重量部を超えると仕上がり外観が低下するので好ましくない。
【0012】
本願で使用されるモノカルボン酸化合物(D)としては、具体的は、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリル酸、ジメチロールブタン酸、アセトアミド変性脂肪酸等が挙げられる。これらを1種または2種以上組み合わせて使用できる。上記した中でも炭素数4以上、好ましくは炭素数8以上、更に好ましくは炭素数10以上の脂肪族系モノカルボン酸が、仕上がり外観に優れた塗膜を形成するのでこのものを使用することが好ましい。また、炭素数10以上の脂肪族系モノカルボン酸として、12−ヒドロキシステアリル酸は塗料のブロッキング性、塗料の仕上がり外観等が優れている。
【0013】
モノカルボン酸化合物(D)の配合割合は、樹脂(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、通常、約0.5〜20重量部、好ましくは約1〜10重量部の範囲である。配合量が0.5重量部未満になると十分な艶消し塗膜が得られづ、一方、20重量部を超えると加工性が低下するので好ましくない。
本願の粉体塗料には、必要に応じて充填剤、着色顔料、流動性調整剤、その他重合体微粒子、表面調整剤、硬化促進剤、スベリ性付与剤などの粉体塗料用添加剤などを配合することができる。
【0014】
本願の粉体塗料は、平均粒子径10〜100μm、特に塗面平滑性の観点から15〜50μmの範囲が好ましい。
【0015】
本願の粉体塗料は、粒度分布の標準偏差5〜30μm、特に塗装作業性の観点から10〜25μmの範囲が好ましい。
【0016】
本願の粉体塗料は、最低溶融粘度が0.1〜200Pa・s、特に塗面平滑性の観点から5〜100Pa・sの範囲が好ましい。
【0017】
なお、平均粒径と標準偏差は粒度分布計によって求めることができる。粒度分布の測定としては、レーザー散乱回折、電気抵抗法、光透過法、沈降法、画像解析法などがあげられる。
【0018】
また、最低溶融粘度は粉体溶融粘度測定機RS100レオメーター(HAAKE社製、商品名)などによって求めることができる。
【0019】
本願1の粉体塗料は、例えば、静電粉体スプレー、摩擦帯電塗装機等により静電粉体塗装し、通常、約30〜200μm 、好ましくは約40〜100μmの範囲で塗装することができる。塗装膜の焼付条件は、通常、被塗物温度約140〜210℃で約30〜60分間である。
【0020】
本願の粉体塗料は、従来から使用されている基材に塗装することができる。該基材としては、例えば鉄鋼、亜鉛、アルミニウム、銅、スズ等の金属素材、これらの金属に表面処理を施したもの、これらの金属素材に必要に応じてプライマーや中塗り塗装を施した下地塗装膜等が挙げられる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を詳細に説明する。なお、実施例及び比較例中の「部」は重量基準による。
【0022】
実施例1
ポリエステル樹脂 ユピカコートGV740(日本ユピカ株式会社製、商品名水酸基価 50KOHmg/g)100部、ブロックポリイソシアネート VESTAGON B−1530(DEGUSA・ヒュルス株式会社製、商品名)25部、チタン JR605(テイカ株式会社、商品名)75部、ステアリル酸 5部を混合し、エクストルーダで溶融混練りし、冷却後、アトマイザーによって微粉砕し、150Meshでろ過して実施例1のポリエステル粉体を得た。
【0023】
実施例2
実施例1においてステアリン酸を12−ヒドロキシステアリル酸にした以外は実施例1と同様にして実施例2のポリエステル粉体を得た。
【0024】
比較例1
実施例1においてドデカン2酸を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1のポリエステル粉体を得た。
【0025】
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
表1
【0026】
【表1】
【0027】
表1において試験は次の様にして行った。
仕上り外観:塗膜表面の平滑性を肉眼で観察した。○;良好、△;劣る、×;激しく劣る
塗面光沢:JIS K−5400 7.6(1990)に準じて測定した。(60度鏡面光沢度)
エリクセン試験;JIS K−5400 8.2(1990)に準じて測定した塗膜にワレ、剥がれが生じるまでの押し出し距離(mm)を測定した。
耐衝撃試験;JIS K−5400 8.3.2(1990)のデュポン式耐衝撃試験に準じて、落錘重量500g、撃心の尖端直径1/2インチ、落錘高さ50cmの条件にて塗装板の塗面に衝撃を与えた。次いで衝撃を加えた部分にセロハン粘着テープを粘着させ瞬時にテープを剥がした程度を評価した。○;塗面に剥がれが認められない、△;塗面にわずかの剥がれ認められる、×;塗面にかなりの剥がれが認められる。
【発明の属する技術分野】本発明は、仕上がり外観及び加工性に優れた艶消し塗膜を提供する熱硬化型艶消し粉体塗料に関する。
【0002】
【従来からの技術及びその課題】従来より、熱硬化型艶消し粉体塗料は家電製品、自動車部品、車両、事務用品、鋼製家具、建材等の工業用製品分野において屋外又は屋内用途として広く使用されている。しかしながら、上記した熱硬化型艶消し粉体塗料は、艶消し顔料であるシリカ顔料を添加して艶を調整するため、仕上がり外観、加工性が低下する問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来からの問題点を解消するために鋭意研究を重ねた結果、特定の組成物からなる硬化型粉体塗料が、仕上がり外観、加工性に優れた艶消し粉体塗料であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0004】
即ち、本発明は、
1、下記成分
(A)水酸基価5〜300mgKOH/g、数平均分子量400〜20,000、軟化温度30〜140℃の水酸基含有ポリエステル樹脂
(B)ブロックポリイソシアネート化合物
(C)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、酸化チタン 50〜200重量部
(D)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、モノカルボン化合物 0.5〜20重量部
を必須成分として含有することを特徴とする熱硬化型艶消し粉体塗料に係わる。
【0005】
【発明の実施の形態】本願で使用するポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量400〜20,000、特に1000〜10,000の範囲のものが好ましい。また、該樹脂の軟化温度は30〜140℃、特に35〜100℃の範囲のものが好ましい。
【0006】
ポリエステル樹脂の官能基としては、水酸基を有する。水酸基は、樹脂水酸基価で5〜300mgKOH/g、特に8〜150mgKOH/gの範囲が好ましい。
【0007】
該ポリエステル系樹脂(A)としては、例えば(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸等の芳香族又は脂環族ジカルボン酸と(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジメチルプロピオン酸等の2価アルコール、必要に応じて安息香酸等のモノカルボン酸、(無水)トリメリット酸等の3価以上のカルボン酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリットール等の3価以上のアルコールとを上記した水酸基価の範囲になるように適宜反応させて得られる樹脂が挙げられる。
【0008】
本願で使用されるブロックポリイソシアネート化合物(B)は、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基をブロック剤でブロックした軟化点が約20〜100℃、好ましくは約25〜80℃の範囲のものである。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ジイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等:脂環式系ジイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等:芳香族ジイソシアネート化合物としては、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート等:その他のポリイソシアネート類としては、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート等の3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ル等のポリオールの水酸基に対してイソシアネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物を反応させてなる付加物類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等が挙げられる。
【0009】
上記したポリイソシアネート化合物をブロックさせるために使用するブロック剤としては、例えば、フェノール系、ラクタム系、オキシム系の従来から公知のブロック剤がいずれも使用できる。これらのブロック剤の具体例として、フェノール系ブロック剤としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸メチル等:ラクタム系ブロック剤としては、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等:オキシム系ブロック剤としては、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサンオキシム等が挙げられる。
【0010】
ブロックポリイソシアネート化合物の配合割合は、樹脂(A)が有する水酸基1個に対してイソシアネート基が約0.3〜1.5個、好ましくは約0.5〜1.2個の範囲になるように配合される。また、樹脂100重量部に対して、通常、約3〜100重量部、好ましくは約10〜80重量部の範囲である。上記した範囲をはずれるといずれも耐候性、耐水性等の塗膜性能が低下する。
本願で使用される酸化チタン顔料(C)は、二酸化チタンを主成分とする白色顔料であり、その粒径は0.2〜0.35μm、特に0.25〜0.30μmが好ましい。
【0011】
酸化チタン(C)の配合割合は、樹脂(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、通常、約40〜200重量部、好ましくは約45〜100重量部の範囲である。配合量が40重量部未満になると十分な艶消しが得られず、一方、200重量部を超えると仕上がり外観が低下するので好ましくない。
【0012】
本願で使用されるモノカルボン酸化合物(D)としては、具体的は、例えばカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリル酸、ジメチロールブタン酸、アセトアミド変性脂肪酸等が挙げられる。これらを1種または2種以上組み合わせて使用できる。上記した中でも炭素数4以上、好ましくは炭素数8以上、更に好ましくは炭素数10以上の脂肪族系モノカルボン酸が、仕上がり外観に優れた塗膜を形成するのでこのものを使用することが好ましい。また、炭素数10以上の脂肪族系モノカルボン酸として、12−ヒドロキシステアリル酸は塗料のブロッキング性、塗料の仕上がり外観等が優れている。
【0013】
モノカルボン酸化合物(D)の配合割合は、樹脂(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、通常、約0.5〜20重量部、好ましくは約1〜10重量部の範囲である。配合量が0.5重量部未満になると十分な艶消し塗膜が得られづ、一方、20重量部を超えると加工性が低下するので好ましくない。
本願の粉体塗料には、必要に応じて充填剤、着色顔料、流動性調整剤、その他重合体微粒子、表面調整剤、硬化促進剤、スベリ性付与剤などの粉体塗料用添加剤などを配合することができる。
【0014】
本願の粉体塗料は、平均粒子径10〜100μm、特に塗面平滑性の観点から15〜50μmの範囲が好ましい。
【0015】
本願の粉体塗料は、粒度分布の標準偏差5〜30μm、特に塗装作業性の観点から10〜25μmの範囲が好ましい。
【0016】
本願の粉体塗料は、最低溶融粘度が0.1〜200Pa・s、特に塗面平滑性の観点から5〜100Pa・sの範囲が好ましい。
【0017】
なお、平均粒径と標準偏差は粒度分布計によって求めることができる。粒度分布の測定としては、レーザー散乱回折、電気抵抗法、光透過法、沈降法、画像解析法などがあげられる。
【0018】
また、最低溶融粘度は粉体溶融粘度測定機RS100レオメーター(HAAKE社製、商品名)などによって求めることができる。
【0019】
本願1の粉体塗料は、例えば、静電粉体スプレー、摩擦帯電塗装機等により静電粉体塗装し、通常、約30〜200μm 、好ましくは約40〜100μmの範囲で塗装することができる。塗装膜の焼付条件は、通常、被塗物温度約140〜210℃で約30〜60分間である。
【0020】
本願の粉体塗料は、従来から使用されている基材に塗装することができる。該基材としては、例えば鉄鋼、亜鉛、アルミニウム、銅、スズ等の金属素材、これらの金属に表面処理を施したもの、これらの金属素材に必要に応じてプライマーや中塗り塗装を施した下地塗装膜等が挙げられる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を詳細に説明する。なお、実施例及び比較例中の「部」は重量基準による。
【0022】
実施例1
ポリエステル樹脂 ユピカコートGV740(日本ユピカ株式会社製、商品名水酸基価 50KOHmg/g)100部、ブロックポリイソシアネート VESTAGON B−1530(DEGUSA・ヒュルス株式会社製、商品名)25部、チタン JR605(テイカ株式会社、商品名)75部、ステアリル酸 5部を混合し、エクストルーダで溶融混練りし、冷却後、アトマイザーによって微粉砕し、150Meshでろ過して実施例1のポリエステル粉体を得た。
【0023】
実施例2
実施例1においてステアリン酸を12−ヒドロキシステアリル酸にした以外は実施例1と同様にして実施例2のポリエステル粉体を得た。
【0024】
比較例1
実施例1においてドデカン2酸を添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして比較例1のポリエステル粉体を得た。
【0025】
実施例及び比較例の結果を表1に示す。
表1
【0026】
【表1】
【0027】
表1において試験は次の様にして行った。
仕上り外観:塗膜表面の平滑性を肉眼で観察した。○;良好、△;劣る、×;激しく劣る
塗面光沢:JIS K−5400 7.6(1990)に準じて測定した。(60度鏡面光沢度)
エリクセン試験;JIS K−5400 8.2(1990)に準じて測定した塗膜にワレ、剥がれが生じるまでの押し出し距離(mm)を測定した。
耐衝撃試験;JIS K−5400 8.3.2(1990)のデュポン式耐衝撃試験に準じて、落錘重量500g、撃心の尖端直径1/2インチ、落錘高さ50cmの条件にて塗装板の塗面に衝撃を与えた。次いで衝撃を加えた部分にセロハン粘着テープを粘着させ瞬時にテープを剥がした程度を評価した。○;塗面に剥がれが認められない、△;塗面にわずかの剥がれ認められる、×;塗面にかなりの剥がれが認められる。
Claims (1)
- 下記成分
(A)水酸基価5〜300mgKOH/g、数平均分子量400〜20,000、軟化温度30〜140℃の水酸基含有ポリエステル樹脂
(B)ブロックポリイソシアネート化合物
(C)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、酸化チタン40〜200重量部
(D)上記(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、モノカルボン酸化合物0.5〜20重量部
を必須成分として含有することを特徴とする熱硬化型艶消し粉体塗料。
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JP2002219143A JP2004059713A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 熱硬化型艶消し粉体塗料 |
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JP2002219143A JP2004059713A (ja) | 2002-07-29 | 2002-07-29 | 熱硬化型艶消し粉体塗料 |
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2002
- 2002-07-29 JP JP2002219143A patent/JP2004059713A/ja active Pending
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