JP2004059072A - パルプ質液体用充填ノズルおよび充填方法 - Google Patents

パルプ質液体用充填ノズルおよび充填方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パルプ質を含有する液体を容器に向けて吐出して充填するノズルであって、目詰まりや液だれおよび泡立ちのないノズルを提供する。
【解決手段】パルプ質を含有する液体を、所定の容器に規定量吐出させて該容器に前記液体を充填するパルプ質液体用充填ノズル1であって、先端部に開口する断面円形のノズル孔2が中心軸線に沿って形成されるとともに、そのノズル孔2の内周側に、前記中心軸線に対して垂直な面に沿う方向に測った幅が1〜2mm(好ましくは1〜1.6mm、更に好ましくは1.5mm)の複数の流路8,9,10が形成され、かつそれらの流路8,9,10の開口面積の合計が114〜250mmである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トマトジュースや野菜ジュースなどのパルプ質を含有する飲料などの液体を、PETボトルやボトル型缶などの容器に充填するためのノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体製品は、一般に、所定の容器に所定量を充填して流通経路に供給される。その典型的な例が、瓶や缶、ボルトなどに充填された飲料である。この種の飲料を容器に充填する場合、殺菌・洗浄の完了した空の容器を充填機に連続的に供給し、その容器とノズルとを同期させて走行させつつ、ノズルから容器に向けて飲料を噴射することにより、連続的に飲料を充填している。
【0003】
より具体的には、充填ノズルを所定の軸心を中心に旋回させるとともに、その旋回経路の途中に空の容器を供給し、所定の回転角度を容器およびノズルが旋回する間にノズルから飲料を噴射して容器に充填し、ノズルからの飲料の噴射が止まった後の時点で、容器を充填機の旋回経路から排出するようにしている。このような充填機における容器の移動速度を速くすれば、内容物の充填に要する時間を短縮して飲料製品の生産性を向上させることができる。
【0004】
しかしながら、容器の移動速度を速くすると、実質的な充填作業の時間を短縮することになるが、PETボトルなどの口部の開口径が小さい容器を対象とする場合には、飲料の流束径を太くすることができないので、ノズルからの噴射速度(流速)を速くしなければならない。そうすると、容器の内部で飲料の撹拌が激しく生じるので、飲料の泡立ちが激しくなり、容器の口部から泡が外部に溢れ、容器の口部が汚れたり、充填環境が悪化するなどの可能性がある。
【0005】
一方、ノズルの実質的な開口面積を広くするために、ノズル孔を単一の流路とすることが考えられる。しかしながら、ノズルは旋回運動する所定の角度範囲では飲料の噴射を行い、それ以外の角度範囲では飲料を噴射しない。したがって飲料を止めている状態では、ノズルの内部に止まっている飲料が漏れないようにする必要があり、単一の流路としたのでは、流路幅が大きくなって液体を保持できなくなり、液だれが生じる。そこで、従来一般には、ノズル孔を複数のスリット状の流路に区分し、それぞれの流路で生じる飲料の表面張力によっていわゆる液だれしないように飲料を保持させている。すなわち流量の増大のための開口面積の増大と液だれ防止のためのスリット上流路の形成とは背反の関係にあり、開口面積を大きくすると液だれして充填環境が汚染され、また反対にスリット幅を小さくして液だれを確実に阻止するとすれば、単位時間当たりの流量が少なくなって充填時間が長くなる。
【0006】
さらにまた、上述した泡立ちを防止するには、流速を遅くすることが有効であるが、トマトジュースなどのパルプ質を多く含有する飲料にあっては、ノズルでの流速が遅いことにより、パルプ質がノズルの内部に次第に堆積して目詰まりを生じてしまう。ノズルの目詰まりは、流速の増大や噴射流の乱れなどの原因となり、容器の内部で飲料が泡立ったり、噴射した飲料が容器を外れて周囲を汚染したりするので、頻繁にノズルを洗浄する必要が生じ、充填効率が低下する問題が生じる。
【0007】
そこで従来、液だれ防止と目詰まりに配慮したノズルが特開2001−2025号によって提案されている。この公報に記載された充填ノズルは、PETボトルなどの口径の小さい容器に対して、果肉や繊維質を含有する液体を充填するためのノズルであり、表面張力で液体を保持する多孔板を内部に備えている。このような型式の充填ノズルでは、液体に含まれる果肉や繊維質が多孔板に詰まりやすいので、上記の公報に記載されたノズルでは、本体の内部に内径の大きい部分を形成し、その内径の大きい部分に多孔板を配置し、その多孔板より上流側に流路断面積の小さい部分を形成し、流下する充填液を絞ることにより、口径の小さなPETボトルに対する液体の充填がスムーズに行われる構成としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報に記載された充填ノズルは、表面張力によって液体を保持する多孔板の断面積を、その上流側の流路の断面積との関係で規定したものである。しかしながら、果肉や繊維質さらにはパルプ質の混入した液体を所定の容器に充填するためのノズルの型式として、上記の多孔板を備えていないノズルもある。この種の多孔板のない型式のノズルにおいても、パルプ質の詰まり、もしくは、泡立ちが生じる問題があり、多孔板のない型式のノズルについてのこの種の課題は、上記の公報に記載された発明では、解決することができない。
【0009】
例えば、ノズルから吐出される流体の流束径を、PETボトルあるいはボルト型缶などの容器の口径に合わせて細く絞り、かつその径を安定させるために、ノズル孔の内部にパイプ状のガイド部材を配置した構成の充填ノズルが実用化されている。このような構成のノズルでは、ガイド部材の端部が流体の流線に対向した状態に現れるので、その端部に繊維質やパルプ質が引っ掛かって次第に堆積し、いわゆるノズル詰まりを生じさせることになる。そして、そのガイド部材の端部より上流側の流路断面積が大きくなっているが、これのみではノズル詰まりを充分に解消することができず、その結果、充填を中止して洗浄をおこなう回数が増大し、充填機(フィラー)の稼働効率が低下するなどの問題がある。
【0010】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、パルプ質を含有する液体を口径の小さい容器に充填する場合に好適なノズルおよび充填方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、パルプ質を含有する液体を、所定の容器に規定量吐出させて該容器に前記液体を充填するパルプ質液体用充填ノズルにおいて、先端部に開口する断面円形のノズル孔が中心軸線に沿って形成されるとともに、そのノズル孔の内周側に、前記中心軸線に対して垂直な面に沿う方向に測った幅が1〜2mmの複数の流路が形成され、かつそれらの流路の開口面積の合計が114〜250mmであることを特徴とする充填ノズルである。
【0012】
したがって請求項1の発明では、ノズルに供給したパルプ質液体がノズル孔の内部に形成されている複数の流路を通って噴射される。その場合、一般的な充填流量である80〜100ml/秒に設定すると、流路の合計開口面積が114〜250mm になっていることにより、流速を0.4〜0.7m/秒にすることができ、その結果、液体中に含まれるパルプ質がノズル孔に付着堆積することが防止もしくは抑制されると同時に、流速が過剰に速くなることがないので、容器の内部での液体の泡立ちが防止もしくは抑制される。さらに、容器に対して規定量の液体の充填が完了した時点で、ノズルからの液体の噴射が停止される。その場合、各流路の幅が1〜2mmに設定されているので、液体の表面張力で各流路内に液体が保持され、いわゆる液だれが防止もしくは抑制される。
【0013】
また、請求項2の発明は、請求項1の構成において、前記中心軸線に沿って軸部材が配置されるとともに、その軸部材の外周側に二本のパイプ材が同心円状に配置されることによりこれら軸部材およびパイプ材の間に三本の前記流路が形成され、かつ前記軸部材および各パイプ材の各々の先端部が、前記中心軸線を中心としたテーパ状に形成されていることを特徴とする充填ノズルである。
【0014】
したがって請求項2の発明では、請求項1の発明と同様の作用が生じ、これに加えて、各流路による整流作用が生じ、液体流を容器の口部より細く絞って噴射し、容器の内部に確実に充填される。
【0015】
さらに、請求項3の発明は、パルプ質を含有する液体を、所定の容器に規定量吐出させて該容器に前記液体を充填するパルプ質液体の充填方法において、先端部に開口する断面円形のノズル孔が中心軸線に沿って形成されるとともに、そのノズル孔の内周側に、前記中心軸線に対して垂直な面に沿う方向に測った幅が1〜2mmの複数の流路が形成され、かつそれらの流路の開口面積の合計が114〜250mmであるノズルを使用し、流量を80〜100ml/秒とし、かつ流速を0.4〜0.7m/秒として前記パルプ質液体を前記容器の充填することを特徴とする方法である。
【0016】
したがって請求項3の発明では、ノズルに供給したパルプ質液体がノズル孔の内部に形成されている複数の流路を通って噴射される。その充填流量は80〜100ml/秒であり、流路の合計開口面積が114〜250mm になっていることにより、流速が0.4〜0.7m/秒となり、その結果、液体中に含まれるパルプ質がノズル孔に付着堆積することが防止もしくは抑制されると同時に、流速が過剰に速くなることがないので、容器の内部での液体の泡立ちが防止もしくは抑制される。さらに、容器に対して規定量の液体の充填が完了した時点で、ノズルからの液体の噴射が停止される。その場合、各流路の幅が1〜2mmに設定されているので、液体の表面張力で各流路内に液体が保持され、いわゆる液だれが防止もしくは抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を図に示す具体例に基づいて説明する。図1はこの発明に係る充填ノズル1の一例を示す断面図であって、ここに示す充填ノズル1は、野菜ジュースやトマトジュースなどのパルプ質あるいは繊維質を含有する液体を、PETボトルなどの所定の容器(図示せず)に充填するためのノズルである。その中心軸線に沿ってノズル孔2が形成されている。
【0018】
そのノズル孔2の後端部は相対的に大径に形成され、それより先端側はほぼ一定の内径の断面円形に形成され、さらに先端側の開口端部における内周面が、中心軸線を中心とした先細りのテーパ状に形成されている。また、後端側における開口部の外周側には、図示しないシールリングもしくはガスケットなどのシール材を嵌め込む環状溝3が形成されている。そして、後端部外周面に、図示しないノズルホルダに取り付けるためのネジ部4が形成されている。
【0019】
さらに、上記のノズル孔2の中心軸線に沿って軸部材5が配置されている。この軸部材5は、断面円形の細長い部材であって、その先端部がノズル孔2の先端側開口端から僅かに突出しており、またその先端側の部分が、ノズル孔2の中心軸線を中心としたテーパ状に形成されている。
【0020】
その軸部材5の外周側に、ノズル孔2の中心軸線を中心とした同心円上に二本のパイプ材6,7が配置されている。これらのパイプ材6,7の先端部は、ノズル孔2の開口端に面一に一致している。また、各パイプ材6,7の先端外周面は、中心軸線を中心とした先細りのテーパ状に形成されている。したがって、ノズル孔2の先端内周面、および各パイプ材6,7の先端外周面、ならびに軸部材5の先端外周面のそれぞれは、同一のテーパ角で互いに平行になっている。
【0021】
さらに、各パイプ材6,7は、ノズル孔2の内周面と軸部材5の外周面との間に等間隔に配置されており、その結果、図2に示すように、ノズル孔2の内周側に、同一幅の三本の流路8,9,10が形成されている。これらの流路8,9,10のスリット間隔は、1〜2mm(好ましくは1〜1.6mm、更に好ましくは1.5mm)とされている。そして、これらの流路8,9,10の開口面積の合計が、114〜250mm2 に設定されている。その一例を挙げると、ノズル孔2の内径が17mm、軸部材5の外径が4mm、各パイプ材6,7の板厚が1mm、したがって各流路8,9,10の幅が1.5mmである。なお、参考として前記テーパ角は20度である。
【0022】
上記の軸部材5および各パイプ材6,7を上述した位置に保持する構造について説明すると、図1および図3に示すように、前記ノズル孔2の後端側に形成されている大径の部分に、二枚の板材を直角に交差させていわゆる十字状に組み合わせたリテーナ11が固定されている。このリテーナ11の中心部に形成された凹部に前記軸部材5の後端部が差し込まれて溶接などの手段で固着されている。また、中心部から前記各パイプ材6,7の径に相当する位置にスリットが形成され、そのスリットに各パイプ材6,7の後端部が差し込まれて溶接などの手段で固着されている。
【0023】
つぎに上記の充填ノズル1の作用すなわちこの発明の充填方法について説明する。上記の充填ノズル1は、そのネジ部4によって充填機(図示せず)に下向きに取り付けられ、PETボトルなどの容器と同期して旋回移動する間に、そのノズル孔2から液体を吐出して容器に液体を充填する。その場合、充填流量が一般的な量である80〜100ml/秒に設定される。これに対して各流路8,9,10の合計開口面積が114〜250mmであるから、流速が0.4〜0.7m/秒になる。
【0024】
上記のように同心円状に形成された三本の流路8,9,10から吐出される液体は、上述した軸部材5およびパイプ材6,7による整流作用を受け、さらには前記軸部材5およびパイプ材6,7の先端部におけるテーパ状部分の作用により、容器の口径より小さい径に絞られた状態で容器に充填される。すなわち、容器に入らずに飛散するなどの事態が回避される。
【0025】
また、上記の充填ノズル1に供給される液体は、上述した軸部材5およびパイプ材6,7の後端部やリテーナ11の後端縁に衝突する。しかしながら、液体に含まれるパルプ質あるいは繊維質もしくは果肉などのいわゆる固形分は、各流路8,9,10の幅が、前述したスリット間隔で示されるように流速との関係で適当な間隔なっているのに対して、ノズル孔2の断面積を小さくして流速を増大させることができることにより、パイプ材6,7やリテーナ11などの端部に引っ掛かることが殆どなく、その結果、パルプ質あるいは繊維質などによるノズル孔2の部分的な閉塞すなわちノズル詰まりと充填した液の泡立ちが長時間にわたって防止もしくは抑制される。
【0026】
図4は、本発明例および従来例ならびに比較例についての充填試験の結果を示している。その充填試験は、通常の圧力が0.3bar のタンク圧を、ノズル詰まり防止のために所定時間毎に一時的に0.6bar に昇圧しつつ、パルプ質を含有する液体として野菜ジュースを約25000本のPETボトルに充填することによりおこなった。試験結果は、それぞれ複数のノズルについて試験をおこない、各パイプ材の後端部側が前述したリテーナによって四つの領域に分けられていることを利用し、パルプ質もしくは繊維質が流路の一部を閉じるように付着した領域の最大数によってノズル詰まりを評価することにより求めた。
【0027】
図4に示す結果を簡単に説明すると、従来例では、流幅が狭いために目詰まりが生じ、その結果、いずれかの流路から流れ出る液体の流速が速くなったために泡立ちが認められ、さらに液だれも生じた。これに対して本発明例1〜3では流路幅が1.0〜1.5mmの範囲にあり、また本発明例4および5では、流路幅が2.0mm以下であり、そしてこれらの何れの本発明例でも流速が0.4〜0.7m/秒の範囲に入っており、これらのノズルによれば、目詰まり、液だれ、泡立ちのいずれも認められず、良好に充填を継続することができた。
【0028】
また、比較例1では、流速が遅く、液だれが認められた。さらに比較例2では、開口面積が広いことにより流速が遅くなる場合があり、そのために目詰まりが生じ、それに伴って泡立ちや液だれが生じた。これに対して比較例3では、開口面積が狭いために流速が速くなる場合があり、そのために泡立ちが顕著になる不都合があった。
【0029】
一方、比較例4では、開口面積が広いことにより流速が遅くなる場合があり、そのために目詰まりが生じ、それに伴って泡立ちや液だれが生じた。
【0030】
また、比較例5では、流速が遅くなる場合があり、そのために目詰まりが生じ、それに伴って泡立ちや液だれが生じた。これに対して比較例6では、流速が速くなる場合があり、そのために泡立ちが顕著になる不都合があった。そして、比較例7および8では、流路幅が狭いために、目詰まりが生じ、それに伴って泡立ちが生じ、あるいは液だれが認められた。
【0031】
一方、比較例9および10は、流路幅を大きくした例であり、比較例9では開口面積を相対的に大きくしてあるので、流速が遅くなり、しかも流路幅が広いことにより液だれが生じた。また、比較例10では、開口面積を大きくしていないので、流速が遅くなることはないが、その結果、流路幅が大きいことが要因となって液だれが生じた。
【0032】
図4に示す結果から明らかなように、この発明による充填ノズルでは、要求される流量を確保することにより、流速をある程度速くすることができ、そのために液体に含まれるパルプ質を押し流す作用が強くなり、その結果、目詰まりを効果的に防止することができた。また、その流速は、過剰に速いものではないので、容器の内部での泡立ちを防止もしくは抑制することができた。さらに、液体の噴射を止めた場合、流路内で生じる液体の表面張力により液体を各流路の内部に保持させることができ、液だれを効果的に防止もしくは抑制することができた。したがって、長期間に亘って安定的に容器に対する液体の充填をおこなうことができ、その結果、ノズルの洗浄回数を低減して充填機の稼働率を向上させることができる。
【0033】
なお、この発明は上述した具体例に限定されないのであって、スリット間隔は、ほぼ1〜2mm(好ましくは1〜1.6mm、更に好ましくは1.5mm)であればよく、1mmより小さいと、流速が速くなったり、あるいは目詰まりが生じて充填した液が容器内で泡立ってしまい、口部からあふれ出る可能性がある。また反対に2mmより大きいと、液だれし易くなる。目詰まりするとノズルから出る液の流れが乱れて液が泡だったり、液が瓶口を外れて瓶口を汚したり、ガイドやターレットを汚したり、当然液がボルト内に入らない分充填レベルが低下する。
【0034】
また、この発明におけるノズル孔の内径は適宜に設定することができ、上述した具体例の17mmに限定されない。さらに軸部材やパイプ材の先端部におけるテーパ角は、上記の実施例で挙げた20度に限定されないのであって、適宜のテーパ角度を選択することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、ノズルに供給したパルプ質液体がノズル孔の内部に形成されている複数の流路を通って噴射される。その場合、一般的な充填流量である80〜100ml/秒に設定すると、流路の合計開口面積が114〜250mm になっていることにより、流速を0.4〜0.7m/秒にすることができ、その結果、液体中に含まれるパルプ質がノズル孔に付着堆積することを防止もしくは抑制することができる同時に、流速が過剰に速くなることがないので、容器の内部での液体の泡立ちを防止もしくは抑制することができる。さらに、液体の噴射を停止した場合、各流路の幅が1〜2mm(好ましくは1〜1.6mm、更に好ましくは1.5mm)に設定されているので、液体の表面張力で各流路内に液体を保持でき、いわゆる液だれを防止もしくは抑制することができる。
【0036】
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果が生じ、これに加えて、各流路による整流作用が生じ、液体流を容器の口部より細く絞って噴射し、容器の内部に確実に充填することができる。
【0037】
さらに、請求項3の発明によれば、ノズルに供給したパルプ質液体がノズル孔の内部に形成されている複数の流路を通って噴射され、その充填流量は80〜100ml/秒であり、流路の合計開口面積が114〜250mm になっていることにより、流速を0.4〜0.7m/秒となり、その結果、液体中に含まれるパルプ質がノズル孔に付着堆積することを防止もしくは抑制できると同時に、流速が過剰に速くなることがないので、容器の内部での液体の泡立ちを防止もしくは抑制できる。さらに、液体の噴射を停止した場合、各流路の幅が1〜2mm(好ましくは1〜1.6mm、更に好ましくは1.5mm)に設定されているので、液体の表面張力で各流路内に液体を保持でき、いわゆる液だれを防止もしくは抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る充填ノズルの一例を示す断面図である。
【図2】その充填ノズルの底面図である。
【図3】その充填ノズルの平面図である。
【図4】本発明例および従来例ならびに比較例についての充填試験結果を示す図表である。
【符号の説明】
1…充填ノズル、 2…ノズル孔、 5…軸部材、 6,7…パイプ材、 8,9,10…流路。

Claims (3)

  1. パルプ質を含有する液体を、所定の容器に規定量吐出させて該容器に前記液体を充填するパルプ質液体用充填ノズルにおいて、
    先端部に開口する断面円形のノズル孔が中心軸線に沿って形成されるとともに、そのノズル孔の内周側に、前記中心軸線に対して垂直な面に沿う方向に測った幅が1〜2mmの複数の流路が形成され、かつそれらの流路の開口面積の合計が114〜250mmであることを特徴とするパルプ質液体用充填ノズル。
  2. 前記中心軸線に沿って軸部材が配置されるとともに、その軸部材の外周側に二本のパイプ材が同心円状に配置されることによりこれら軸部材およびパイプ材の間に三本の前記流路が形成され、かつ前記軸部材および各パイプ材の各々の先端部が、前記中心軸線を中心としたテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のパルプ質液体用充填ノズル。
  3. パルプ質を含有する液体を、所定の容器に規定量吐出させて該容器に前記液体を充填するパルプ質液体の充填方法において、
    先端部に開口する断面円形のノズル孔が中心軸線に沿って形成されるとともに、そのノズル孔の内周側に、前記中心軸線に対して垂直な面に沿う方向に測った幅が1〜2mmの複数の流路が形成され、かつそれらの流路の開口面積の合計が114〜250mmであるノズルを使用し、流量を80〜100ml/秒とし、かつ流速を0.4〜0.7m/秒として前記パルプ質液体を前記容器の充填することを特徴とするパルプ質液体の充填方法。
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