JP2004058497A - Method for producing phase difference film - Google Patents

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細井 正広
Tamiaki Nagoshi
名越 民明
Kazuo Hachiman
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method for producing a phase difference film which is wide and has uniform phase difference values by improving the insufficient uniformity of a drawing line over the entire width of the film which occurs at a drawing point (or on the the drawing line) when the film is stretched when the phase difference film excellent in heat resistance, surface properties, and optical characteristics is obtained. <P>SOLUTION: In the method including a drawing process for stretching a polycarbonate film between a low speed roll and a high speed roll, in both breadthwise end parts of the polycarbonate film, the film close to a position where the film is separated from the low speed roll is stretched while being heated by an auxiliary heating means. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的に透明で、かつ高い耐熱性を有し、構造の制御された位相差フィルムの製造方法に関する。より具体的には、芳香族ポリカーボネートよりなり、液晶パネル用の位相差フィルムとして有用なフィルム、及び特に大型の液晶表示装置等に供する位相差フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
位相差フィルムは、液晶表示素子の着色防止、及びコントラスト向上のための材料として利用されている。近年、この位相差フィルムの軽量・薄型の特徴を生かした、大型液晶表示装置の開発が積極的に進められ、これに用いる均質な広幅の位相差フィルムに対する需要が高まっている。位相差フィルムは一般に熱可塑性高分子樹脂からなるフィルムを一軸延伸や二軸延伸して得られるが、液晶セルの補償状態をデイスプレー面内で均一に維持するため、高度な均一性が要求される。これを製造する上では、延伸の均一性、レターデーションの均一性が重要な要素である。
【0003】
従来、広幅の位相差フィルムを製造しようとすると、延伸前フィルムの特性や、延伸条件等のバラツキが大きくなって、色補償が不安定であったり、局所的にコントラスト斑が発生する等の問題があった。このため、品質が安定せず、実用できる広幅の長尺位相差フィルムを効率良く得るには問題が残されていた。
【0004】
特に最近では、位相差フィルム用として多様な高分子化合物が開発されている。たとえば、高耐熱性で位相差フィルムとしたときに耐久性の高い材料、光学弾性常数が小さく、後加工等の取扱い時にフィルムに張力を掛けてもレターデション値が変化し難い材料などの延伸フィルムも開発されているのが現状である。このような高分子フィルムを延伸して均一なレターデーション、均一なフィルム厚み、さらに均一な屈折率分布を持たせるためには厳しい制御が必要である。
【0005】
たとえば、ポリカーボネート樹脂(PC)においては、従来ビスフェノールA(BPA)を主体とするBPA−PCが用いられてきたが、最近各種の共重合体が開発されている。この中には、光弾性常数の比較的低いものが存在する。光学弾性常数が低いものは、所定のレターデーション(Re)値を得ようとすれば、より高い延伸倍率で延伸する必要がある。高い倍率の延伸が、フィルムのレターデーション(Re)値の均一性を悪くしたり、また、切断しやすくするなどの問題を顕在化してきている。
【0006】
具体的には、高い延伸倍率の延伸によって高いRe値のフィルムを作ろうとする場合、延伸工程でネックインによってフィルム幅が狭くなりやすいこと、また、延伸張力が特に大きくなるためか、特に延伸を開始する直前のロール表面にフィルムの延伸点(又は延伸線)が遡及して延伸されること、さらに、ロール表面をフィルムが離れた直後に空間でフィルムに皺が発生することがある、これが延伸中のフィルムにスリキズを生じさせたり、ひどい場合には皺が折れて重なり切断が起こる原因となる場合もある。また、皺が延伸されてレターデーションの斑となってフィルムに現れ、フィルムの幅方向並びにフィルムの長さ方向のレターデーション斑を悪くしている。すなわち、延伸点が周速差を持たせたロール間の空間にあり固定され難い。これは、延伸過程にあるフィルムが空間で幅方向にも長さ方向にも動くからである。この延伸点の変動は延伸前のフィルムの僅かな特性の変動、たとえば,厚み斑や溶媒含有量の斑によって助長されることになる。
【0007】
この従来の状況を図1にて詳しく説明する。図1は予熱された未延伸フィルムが周速の異なる一対のロール間で延伸される様子を模式的に描いたものである。ここでロール1は低速側の予熱の最終ロール、ロール2はフィルムをロール1に押し付けて延伸張力によりフィルムの延伸点(又は延伸線)がロール面上へ遡及しないように用いるニップロールである、通常はこのロール2の表面は耐熱性のゴムからなっているものである。またロール3は周速の高い側のロールを示しており、ロール1とロール3の間でフィルムは熱風等で非接触で加熱されて延伸される。延伸温度まで加熱された未延伸フィルムは延伸張力によりネックインを起こすが、このネックインはフィルムの幅方向及びフィルムの厚み方向で起こる。同じ材料の高分子フィルムであっても、特に延伸倍率を高くする場合にこのネックインは大きく顕著になる。そして、光学弾性常数の小さな高分子フィルムを延伸して、光学弾性常数のより高い高分子延伸フィルムと同じレターデーション値を持たせるためには、より高い延伸倍率で延伸する必要がある。4は湾曲した延伸線を模式的に描いたものである。フィルムが加熱され延伸されるとき強い張力がフィルムにかかるため図1の5で示した部分で特に幅方向のフィルム端部が襞状に折りたたまれたような状態になることがある。このような現象はフィルムをロール1で充分に均一に加熱して、延伸した場合にも、特に厚みの厚いフィルムを高倍率で延伸する(所望される位相差フィルムには厚さがあり、また、光学弾性常数の小さなフィルムで所望のレターデーション値をもつ位相差フィルムを得ようとすれば、延伸倍率を高く設定する必要があるため)ときにはまず避けることはできない。延伸時に発生するネックインはフィルムの両端部と中央部と較べると、両端部はネックインの距離が長いので中央部よりも大きく延伸され、中央部に近いほど延伸が少なくなり、このため中央部に近いほどレターデーション値が低い状態となる。これが原因となってフィルムがそのエッジ部から切断するような場合があると考えている。
【0008】
このような現象は延伸倍率が低い場合やフィルムが比較的薄い場合には起こり難い。しかし、上述のようにフィルム厚みが厚い場合や、延伸倍率を高くしようとすればこのネックイン部分でのフィルムの皺入りの問題が顕在化して、位相差フィルムのレターデーション斑やフィルムの延伸中の切断が起こりやすくなる場合がある。
【0009】
熱可塑性樹脂フィルムを延伸するときには一般にはネックインが発生する。ネックインの大きさや形状は延伸倍率や延伸スパンの長さや延伸時のフィルムの温度等により決まる。 特に光学弾性常数の小さなフィルムを延伸倍率を上げて所望の厚みの位相差フィルムを得る場合には、延伸前のフィルム厚みを厚くする必要があることから、この問題が顕著になる。
【0010】
従来技術において、設備の面から特性に優れた位相差フィルムを容易に製造方する法として、特開平3−235902号公報、特開平5−150115号公報等が開示されている。
【0011】
特開平3−235902号公報には延伸斑をなくし、平面性の良好な位相差フィルムの製造方法を提供とすることを目的として、2対のロール間の距離とフィルム幅の比が5以上であり、また、縦一軸延伸におけるフィルムのネックイン率が10%以上になるように延伸する。そしてフィルムが波板状になるのを防止し、均一化を図る技術が提案されている。
【0012】
特開平5−150115号公報には延伸前のフィルム又はシートの延伸方向の長さがこれに直交する方向の長さの3.0倍である場合においても皺が発生することなく充分にネックインを生じさせる事ができ、延伸方向と直交する方向に残留応力が少なく視野角特性に優れた位相差板を小型の装置で製造することが可能になるとしている。
【0013】
これらの方法は確かに従来のBPA−PCフィルムの延伸では良い結果が得られると思われるが、本発明のような光学弾性常数の小さな、比較的厚物のフィルムを延伸する、位相差フィルムの延伸には必ずしも適しているとはいえない。
【0014】
また、特開平4−84106号公報には、均一なレターデーション値のフィルムを得る方法として、ポリカーボネート重合体をガラス転移温度以下で、かつ弾性変形限界内で一軸方向に引張熱固定して形成することが、また、特開平4−84107号公報にはポリカーボネートフィルムをニ対以上の周速度の異なる延伸ロール間で、多段一軸延伸する位相差フィルムの製造方法が提案されている。多段一軸延伸の一段あたりの延伸倍率が3%以下であることを特徴とするものである。小さい倍率で多段延伸するには延伸設備が複雑になること、この調整が煩雑であること、また、フィルムの延伸がロール表面上に遡及して起こる場合があり、スリキズや転写等の表面欠点が起こり易いなどの問題がある。
【0015】
延伸前フィルムの特性の面から位相差斑を改良する方法として、フィルムに溶媒を特定量含有させた状態で延伸する延伸法が特開平4−204503号公報、特開平4−282212号公報及び特開平5−113506号公報に開示されている。これらの方法は延伸前のフィルムにおいて筋状斑やレベリング不良などの厚み斑がある場合には、この方法によってレターデーション値が均一化されるので有効である。そして、従来の高分子フィルムの延伸においては有効な場合がある。しかし、位相差フィルムにおいて、高い延伸倍率でもって高いレターデーションを達成しようとすれば、溶媒を含む延伸によって高分子の見かけ上のTgを下げて延伸する方法は本発明の目的には合致しない。なぜならば、溶媒を含有した延伸では高分子の見かけ上のTgが下がり、高分子をその本来のTg(溶媒を含有しない時のTg)よりも高い温度で延伸することになり、分子の配向が効果的に起こらないからである。
【0016】
上述のように位相差フィルムの製造技術においては、
▲1▼高倍率延伸におけるフィルム幅の狭小化とそれに伴う延伸点におけるフィルム波皺や折れ皺の発生、
▲2▼高倍率延伸(高レターデーション値のフィルムを得る)されるフィルムのレターデーションのばらつきが大きい、
▲3▼高倍率延伸によるフィルムの延伸工程における切断等、
が未解決の問題として残されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の主な目的は、耐熱性、表面性、光学特性に優れた位相差フィルムを得るにあたり、フィルムを延伸する際に延伸点(または延伸線)で起こる、延伸線がフィルムの全幅に渉って均一にならないことを改善して、広幅で均一な位相差値を持つ位相差フィルムを製造する方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討し、従来のポリカーボネート(BPA−PC)の製膜技術を改良して、光学用に好適な位相差フィルムを与えることを見出し本発明に到達したものである。
【0019】
すなわち,本発明は次のとおりのものである。
1. ポリカーボネートフィルムを低速ロール及び高速ロール間で延伸する延伸工程を含む位相差フィルムの製造方法において、ポリカーボネートフィルムの幅方向両端部において、低速ロールを離れる付近の該フィルムを補助加熱手段によって加熱しつつ延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
2. 補助加熱手段が電熱ヒーターである、上記1の位相差フィルムの製造方法。
3. ポリカーボネートフィルムが加熱される幅方向両端部の長さは、該フィルムの幅の長さに対して、片側が幅方向両端から10〜30%である、上記1または2の位相差フィルムの製造方法。
4. ポリカーボネートフィルムが、9、9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと2、2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポリカーボネート樹脂から実質的になる、上記1〜3の位相差フィルムの製造方法。
5. 得られた位相差フィルムは、厚さが20から1000μm、全光線透過率が80%以上、フィルムの幅方向においてレターデーション値の分布(R)が5nm以下でかつ微小斑(r)が2nm以下であり、かつフィルムの長さ方向においてレターデーション値の分布(R)が7nm以下かつ微小斑(r)が3nm以下であることを特徴とする上記1〜4の位相差フィルムの製造方法。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明について更に詳しく説明する。
【0021】
(ポリカーボネート)
本発明の位相差フィルムを与える材料としては、BPA−PCを含む芳香族ポリカーボネートを用いることができ、特に限定されない。しかしながら、9、9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(BCF)と2、2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(BPA)とから実質的になるポリカーボネート(以下、BCF−PCということがある)は、光学弾性常数が比較的小さく、上述のような問題点を有している。以下、BCF−PCを代表例として説明する。
【0022】
かかるポリカーボネート樹脂(BCF−PC)は、モノマーとしてBCFとBPAとを共重合させた共重合体であり、この共重合体における組成は、BCF20モル%ないし80モル%とし、BPAの割合を80モル%ないし20モル%としたものが好適である。特にBCFの割合を30モル%ないし70モル%、BPAの割合を70モル%ないし30モル%としたものが耐熱性や、得られるフィルムの特性の点から好ましい。この共重合体において、フィルムの耐熱性として、ガラス転移温度(Tg)の値で評価すると、BCF/BPAの共重合モル比が30/70の場合にTgは195℃であり、BCF/BPAの共重合モル比が70/30の場合には230℃である。本発明で用いられるBCF−PC樹脂は、BCFとBPAとの共重合比を変えることによって、Tgを変化させることができる。この共重合体は、耐熱性、製膜性などを微妙に制御するために、上記2つのモノマー以外に少量成分(たとえば全体の20モル%以下)として他のビスフェノールが共重合されていても良い。
【0023】
(ポリカーボネートの分子量)
本発明で用いられるポリカーボネート(BCF−PC)の塩化メチレン溶液にて測定した比粘度は0.55以上、より好ましくは0.60以上、さらに好ましくは0.62以上である。比粘度は溶液の好ましい流動特性を得るためにある程度高いことが必要である。しかし、比粘度が高すぎる、すなわち、分子量が高すぎる場合には溶液粘度が高すぎる結果となり、溶液製膜操作が難しくなるので好ましくない。
【0024】
(位相差フィルムの製造方法)
次に、本発明の位相差フィルムの前駆体ともいえる未延伸の光学用フィルムを製造する方法について述べる。かかる光学用フィルムの製法には特に限定はなく、上記ポリカーボネートをたとえば溶液製膜法、溶融押出法等により製膜することができる。溶液製膜法はフィルム中の異物が少ない、フィルムの表面性が良好で厚さのばらつきが少なく、きわめて平坦なフィルムが得られる点で優れている。以下、この溶液製膜法について詳述する。
【0025】
(溶解溶媒並びに溶液の作成)
溶液製膜法に用いることのできる溶媒は、公知の溶媒から選択することができるが、中でも、塩化メチレンや1、3−ジオキソラン並びにその混合物などが好適な溶媒である。また、アルコールやキシレンなどのポリカーボネートの非溶媒を少量混合して副溶媒として用いるのは好ましい方法である。これによって溶媒の蒸発速度を抑制し、表面性の優れたフィルムを得たり、フィルムを延伸するときの副溶媒としての作用を得ることができる。溶液製膜に用いる溶液のポリマー濃度としては、10〜40%(重量%、以下同様)の範囲が好適である。溶液中のポリカーボネートの濃度が低すぎる場合、揮発すべき溶剤量が多くなるため効率的でない、また、溶液粘度が小さくなりすぎて、均質なフィルムが得られないことがある。一方、溶液中のポリカーボネート濃度が高すぎる場合には、溶液粘度が高くなり、均質な流延が行われにくくなるほか、溶液がゲル化しやすくなり、フィルム中の異物の原因となることがあるため好ましくない。溶液を流延する前に平均目開き1〜10μm程度のフィルターを通すことが、溶液中の異物やゲル状物をフィルムに混入させないために好ましい。
【0026】
(溶液製膜の支持体)
溶液製膜法において上記溶液をキャストする支持体としては従来公知のものを適用できる。例えば、ポリエステルフィルムや極めて高度に研磨した面を持つスチールベルトをあげることができる。上記光学用フィルムにおいては表面を超平坦な状態で得るために後者を用いるのが特に好ましい。
【0027】
(製膜工程)
上記光学用フィルムは、上記溶液を用いて、例えば次のような複数の工程を経ることにより製造することができる。
工程1(流延工程):
一方向に走行する連続した支持体上に、BCF−PCを溶解した上記溶液を連続的に流延する。この結果該支持体上に液膜が形成される。ついで該液膜をある程度乾燥させ、溶液を含むゲル状のフィルムとし、その後該支持体よりかかるフィルムを剥離する。剥離するときのフィルム中の残存溶媒量は支持体の種類やポリカーボネートの共重合組成によって最適量が異なるが、多くとも22重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下が上記光学用フィルムを得るのに適している。
工程2(乾燥工程1):
支持体から剥離したフィルムは残存溶媒をかなり含んでいる。かかるフィルムを平面性を保ちながら更に乾燥させるために例えば一般には、テンター法や、フロート法あるいはロール搬送法が用いられる。この乾燥工程において、急激な乾燥は残存溶媒の突沸を招き気泡を生じるので、この問題が起こらないよう段階的に温度を上昇させる必要がある。フロート法やロール搬送法は滑らかにフィルムを搬送させることが難しいことや、フィルムに押し傷などの表面欠点を生じやすいので、支持体より剥離直後のフィルムを乾燥するためにはあまり適していない。テンター法は、フィルムの両端をピンあるいはクリップで支え、ピンあるいはクリップを載せた走行するレールの間隔を拡縮制御することによって溶媒乾燥に伴うフィルム幅の収縮を制御して乾燥することができるので特に好ましい。
工程3(乾燥工程2):
本工程により、フィルム中の残存溶媒量が所望の値になるように乾燥させる。本発明においては、上記工程2.(特にテンター法)により乾燥させたフィルムを更にロール懸垂型乾燥機(ロール搬送乾燥機の一種)により乾燥させるのが良い。一般には乾燥空気の温度を逐次上げるようにオーブンをいくつかの部屋に分割させた構造のものとする。この工程において、延伸前フィルムの最終の乾燥と構造制御(屈折率制御)とを行うことができる。延伸前のフィルムが極力等方化されて、かつその分布がフィルム幅方向並びにフィルムの走行方向においても均一であることが、均一なレターデーション値の位相差フィルムを得る上で重要である。かくして得られる延伸前フィルムの、残存溶媒量は0.5〜2重量%である。
【0028】
以下、前記の未延伸フィルムである光学用フィルムを延伸工程を付して延伸することにより本発明の位相差フィルムを製造する方法を述べる。
工程4(予熱工程):
本発明の位相差フィルムを製造する際には、通常、前記工程2の乾燥工程2に引き続いて延伸前のフィルム予熱工程に通膜する。この工程では、フィルムにその両面から熱風を吹きつけて非接触加熱するフローテイング法を用いる方法を好ましく挙げることができる。この非接触加熱によってフィルム中の残存溶媒を更に減らし、また、フィルム面内並びに厚み方向の均一性を上げたり、温度の均一化を図る。
【0029】
BCF−PCの場合この熱風温度は、BCF−PC樹脂のTgを基準にすると(Tg−50)℃乃至(Tg+10)℃がよい。この加熱によりフィルムの残存溶媒量をさらに低下させ調整するこができる。この工程におけるフィルムの残存溶媒量は0.2〜1.0重量%である。
工程5(延伸工程):
少なくとも一対の周速の異なるロール間でフィルムを延伸する(図2参照)。この工程では周速の異なるロール間に張られた走行中のフィルムにその両面から熱風吹き出しノズル6(図2では片面のみ図示)により熱風を吹き付けて、非接触加熱するフローテイング法を用いるのが良い。これらの延伸装置は外気による温度斑の発生を抑えるために、オーブン中に設置することが好ましい。この非接触加熱によってフィルムが延伸されるときにロール表面などと接触することによって発生することがあるスクラッチ等の表面欠点を生じさせない製膜ができる。フィルムが延伸工程で均一に延伸されるように(Tg−5)℃〜(Tg+5)℃の範囲で、より好ましくは(Tg−3)℃〜(Tg+3)℃の範囲で全面を均一に加熱して延伸する。フィルムの延伸倍率としては、最終的に得られる位相差フィルムの550nm入射光のレターデーションが、通常30nm以上となる範囲1.03〜3倍程度に延伸される。また、少なくとも一対の周速の異なるロール間でフィルムを延伸する際に延伸開始直前のロール(1)の表面は一般には硬質クロムメッキ、(2)の表面は一般には耐熱性のゴムロールで超仕上げしたものが良い。
【0030】
本工程においては、延伸時にフィルムの幅方向の両端部においてフィルムを補助加熱手段によって加熱する。
【0031】
この方法を図2に模式的に示した。補助加熱手段としては、熱風加熱、輻射加熱を用いることができるが本発明の目的を達成するためには輻射加熱方式を用いるのが取扱いの点で好ましい。輻射加熱源としては特に制限はないが、例えば電熱ヒーター、赤外線ヒーター等を用いることができる。
【0032】
図2の7は補助加熱装置、8は補助加熱装置を適正な位置にセットするための治具、9は補助加熱装置の電源を示す。この補助加熱装置の加熱場所、加熱の温度などはフィルムの延伸時における皺の発生(範囲)を無くすように試行錯誤で決めることができる。
【0033】
例えば、幅1000mmのフィルムの場合には、補助加熱装置の大きさ(長さ)は50〜300mm、加熱場所としては、幅方向においては、フィルム全幅に対して片側10〜30%(例えば200mm)、長さ方向においてはフィルムの幅方向両端部において、低速ロールを離れる付近、具体的には低速ロールを離れる直後から300mm程度まで、加熱温度としては、フィルムの(Tg−5℃)〜(Tg+10℃)である。補助加熱装置を構成する一つ一つの加熱体の形状は丸棒状のもの平板状(又は角状)のものが好ましく使われるが、丸棒状のものが特に好ましい。この加熱体には設置の場所を変えて、フィルムに発生する波状の皺を解消する操作ができるように、最適場所を決めるための治具をつけることができる。この治具によって幅方向に、また、走行方向に、左右別々に、又は左右同時に場所を変更するようにするのが好ましい。丸棒状ヒーターとしては通常10〜25mmφのものを用いる。加熱されたフィルムの温度は放射温度計で測ることができる。
【0034】
この工程においては、フィルムは一段延伸でも二段以上に分けて延伸することもできる。
(位相差フィルム)
すなわち本発明によれば、9、9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと2、2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポリカーボネート樹脂よりなる位相差フィルムが提供される。かかる位相差フィルムは、厚さが20〜1000μm、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。
【0035】
また、本発明で得られる位相差フィルムは、特にReの均一性に優れたものであり、マクロに見たとき及びミクロに見たときのフィルム内におけるレターデーションの斑が少なく、また、小さいことが特徴である。マクロに見たときとは、レターデーション値の分布(R)をいい、ミクロに見たときとは、レターデーション値の分布の微小斑(r)をいう。上記位相差フィルムは、フィルム幅方向においてレターデーション値の分布(R)が5nm以下でかつ微小斑(r)が2nm以下である。フィルム長さ方向におけるレターデーション値の分布(R)が7nm以下でかつ微小斑(r)が3nm以下である。
【0036】
本発明の位相差フィルムにおいて、上記の如く、マクロに見たとき及びミクロに見たときのフィルム内におけるレターデーションの斑が少なく、また、小さいことが特徴である。マクロな意味でのフィルムの幅方向におけるレターデーション値の分布(R)は、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下、更に好ましくは1nm以下である。また、フィルム長さ方向におけるレターデーヨン値の分布(R)は、好ましくは7nm以下、より好ましくは5nm以下、さらに好ましくは3nm以下である。
【0037】
またミクロな意味での位相差フィルムの幅方向におけるレターデーション値の微小斑(r)は好ましくは2nm以下、より好ましくは1nm以下である。
【0038】
また、ミクロな意味での位相差フィルムの長さ方向におけるレターデーション値の微小斑は3nm以下、より好ましくは2nm以下である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例における本発明の測定、効果の評価は次の方法によった。
(1)全光線透過率の測定
フィルム幅方向の3ヶ所からサンプルを採取した。サンプルの全光線透過率を日本電色工業(株)製の色差・濁度測定器COH−300Aを用いて測定した。各サンプルについて5点測定し、幅方向3サンプルについての計15点の平均値を全光線透過率とした。
(2)フィルム中の残留溶媒量の測定
溶媒を含有したフィルム約5gを採取し、220℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させた後室温まで冷却した。その際、当該乾燥前後の重量を化学天秤で精秤し、その変化率を求めた。これにより固形分基準の溶媒含有量を求めた。具体的には、フィルムを(幅は約1m)を幅方向に5等分して測定した。そしてこれを3回、別々の幅方向について実施し、その平均値を求める方法によった。当該乾燥前の重量をa、乾燥冷却後の重量をbとした場合、固形分基準の溶媒含有量の個々の測定値は、次式であらわすことができる。{(a−b)/b}x100%
(3)レターデーション値並び遅相軸角度の測定
本発明により作成した位相差フィルムについて、フィルム全幅を5mm間隔で測定した。分布(R)はフィルム全幅を5mm間隔で測定したレターデーション値の、最大値と最小値との差(範囲、R)を求め、マクロな均一性の尺度とした。さらに、微小斑(r)は、あるレターデーション測定値の次の隣の点との間、すなわち、10mm間のレターデーション値の差を求め、その最大値をフィルム微小部分のレターデーションの最大値(微小斑r)とし、ミクロな均一性の尺度(単位nm)とした。
【0040】
また、フィルムの長さ方向については、本発明により作成した位相差フィルムについて、フィルム幅方向の中央部と両端部3ヶ所から1m長さのサンプルを採取し、この1m長サンプルを5mm間隔で測定した。分布(R)はフィルム全長を5mm間隔で測定したレターデーション値の、最大値と最小値との差(範囲、R)を求め、さらに、3個のサンプルの範囲Rの最大値を均一性の尺度とした。さらに、微小斑(r)は、あるレターデーション測定値の次の隣の点との間、すなわち、10mm間のレターデーション値の差を求め、その最大値をフィルム微小部分のレターデーションの最大値(微小斑r)とし、さらに、3個のサンプルの範囲Rの最大値を均一性の尺度(単位nm)とした。
【0041】
これらの数値が大きい場合にはフィルムをクロスニコル下で見るときにその部分が筋状の色斑となって見える場合がある。
(4)視野角特性の測定
自動複屈折率測定装置(新王子製紙(株)製の商品名KOBRA−21ADH)を用いてフィルムの法線方向のレターデーションRe(0)とフィルムの法線と40度の相対角度で斜入射した時のレターデーションRe(40)を測定し、その差の絶対値からレターデーションの変化率を求めた。{|Re(0)−Re(40)|/Re(0)}x100
測定時のフィルムの斜め入射測定は遅相軸と進相軸の両者について行い、その平均値を視野角特性として表示した。この変化率の小さな方が視野角特性に優れることを意味する。なお、測定の箇所はフィルム幅方向中央部と両端部とした。これらの測定値の内最大値の値をこのフィルムの視野角特性とした。
【0042】
[実施例1及び比較例1]
ビスフェノールとして9、9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが253.3g(67モル%)、ビスフェノールAが75.2g(33モル%)とホスゲンとから共重合ポリカーボネートを合成した。この共重合ポリカーボネート樹脂(BCF−PC)の比粘度は、樹脂0.7gを100mlの塩化メチレンに溶解し、20℃で測定した。比粘度ηspは0.618であった。
【0043】
この樹脂を120℃で16時間熱風乾燥し、次いで減湿空気により30℃まで冷却した。これを塩化メチレンに溶解して19重量%の溶液を作成した。この溶液を平均孔径1ミクロンのフィルターに通し異物を除去した。さらにこの溶液の温度を15±0.5℃に調節して1500mm幅のコートハンガーダイに導入し、続いて、約740μmの液膜として鏡面研磨したSUS−316Lよりなるベルト支持体上に流延した。流延を開始する直前の支持体の温度(表面温度)を9℃に設定した。流延されたフィルムを工程1で乾燥させた。キャストフィルムの乾燥は第1区画から第5区画に分割された乾燥機を用いた。
【0044】
第1区画から次第に温度と乾燥熱風温度を上昇させるようにして、気泡の発生の無い、筋やレベリング不良等の厚み斑の無いフィルムを作成した。
【0045】
最後の第5区画において該フィルムを支持体とともに15℃の雰囲気で冷却した。
【0046】
この工程の終了点におけるフィルム中の溶媒量は18重量%であった。
【0047】
次に、上記フィルムを支持体より室温下で剥離した、剥離時のフイルムの引き取り張力はフィルム1m幅換算で5Kgであった。フィルムを更にピンテンター方式の乾燥機に送り込み乾燥しつつ搬送した。
【0048】
ピンテンター乾燥機は6つのゾーンに分割された方式のものを用いた(工程2)。ピンテンター中において、入口からフィルムの乾燥が進み、それにしたがって幅が収縮するので、この幅の収縮に合わせてピンテンターのレール幅も狭めるようにして乾燥させた。すなわち、ピンテンター工程の後半になるに従って熱風温度を上昇させフィルムの乾燥を促進させた。この際フィルムの分子配向が極力起こらない様にピンテンターのレール幅を設定するようにした。前半の熱風温度を110℃、130℃、130℃とし、中間の4、5ゾーンの温度を130℃、130℃として、この5ゾーン部でフィルムをピン突き刺し部から切り離した。更に6ゾーンで120℃の熱風温度とした。ピンテンターの出口において、室温の冷風を吹き付けて冷却し、フィルムの引取り張力を6kg/(1m幅相当)として引取った。
【0049】
さらに引続き、ロール懸垂型の乾燥機へ通膜した(工程3)。このロール懸垂型乾燥機は3つの部屋に分割し各部屋の熱風温度を変えることが出来るようにした。最初の熱風温度を150℃、2番目の熱風温度を175℃として、3番目の部屋の熱風温度を190℃とした。ロール懸垂型乾燥機におけるフィルムの引取り張力を2.0kg/(1m幅相当)として引取った。
【0050】
かくして得られたBCF―PCの無延伸ポリカーボネートフィルムの特性は下記の通りであった。
【0051】
フィルムの幅:1300mm、フィルム厚み:140μm、残存溶媒量:0.7%
この後フィルムをフロート方式の加熱装置(工程4)に送り延伸前の予熱温度を190℃とし、ついで、フロート方式の延伸機(工程5)により延伸した。すなわち、得られるフィルムのレターデーションが270nmに極力近くなるように延伸倍率と温度とを精密に調整した。延伸においては図2に示す装置を用いて、フィルム両端部の輻射加熱を行った(実施例1)。この際、低速ロールを離れる直後からフィルム長さ方向に約300mm、フィルム全幅に対してフィルムの両端部(片側端部約300mm)の部分を加熱した。加熱温度は230〜235℃で行った。なお、フィルム両端部の輻射加熱を実施しなかった場合を比較例1とした。比較例1の場合は、延伸途中でフィルムが切断することが多かった(延伸フィルムを製造するとき1日3回起こった)。延伸条件並びに得られたフィルムの特性値を表1に示した。
【0052】
得られた位相差フィルムの残存溶媒量は実施例、比較例共に0.1重量%、Tgは227℃であった。
【0053】
【表1】

Figure 2004058497
【0054】
この結果、実施例1の場合には、レターデーションの斑R,rとも小さい優れた位相差フィルムを生産性よく得ることができた。一方比較例1ではレターデーション斑も視野角特性も大きく、位相差フィルムとして好ましくないものであった。またフィルムの切断頻度も多く、生産性の点に問題がある。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、透明性に優れ、液晶表示素子に用いた場合に視野角特性もよく、かつレターデーションの斑R,rとも小さい優れた均一性に良好な位相差フィルムを生産性よく得ることができる。このため、屋外で使用される例えば車載用の各種(液晶)表示装置、タッチパネル等における位相差フィルム等の光学部品としてきわめて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法を説明するための概念図である。
【図2】本発明を説明するための概念図である。
【符号の説明】
1.ロール1:低速側のロール
2.ロール2:ニップロール
3.ロール3:高速側ロール
4.延伸点(延伸線、フィルム幅方向の状態を模式的に示したもの)
5.フィルムの皺(フィルムの皺の状況を模式的に示したもの)
6.熱風吹き出しノズル
7.加熱補助装置
8.加熱補助装置の位置調整治具
9.加熱補助装置の電源[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a retardation film having a controlled structure, which is optically transparent and has high heat resistance. More specifically, the present invention relates to a film made of an aromatic polycarbonate, which is useful as a retardation film for a liquid crystal panel, and particularly to a method for producing a retardation film used for a large-sized liquid crystal display device or the like.
[0002]
[Prior art]
A retardation film is used as a material for preventing coloring of a liquid crystal display element and improving contrast. In recent years, the development of a large-sized liquid crystal display device utilizing the light and thin characteristics of the retardation film has been actively promoted, and the demand for a uniform wide-width retardation film used therein has been increasing. A retardation film is generally obtained by uniaxially or biaxially stretching a film made of a thermoplastic polymer resin.However, a high degree of uniformity is required to maintain the compensation state of the liquid crystal cell uniformly within the display surface. You. In manufacturing this, uniformity of stretching and uniformity of retardation are important factors.
[0003]
Conventionally, when attempting to manufacture a wide retardation film, the characteristics of the film before stretching, the dispersion of stretching conditions, and the like become large, and the color compensation becomes unstable or local unevenness of contrast occurs. was there. For this reason, the quality is not stable, and there has been a problem in efficiently obtaining a practical wide-width long retardation film.
[0004]
Particularly recently, various polymer compounds have been developed for retardation films. For example, a stretched film such as a material having high heat resistance and a high durability when formed into a retardation film, a material having a small optical elastic constant, and having a retardation value that does not easily change even when tension is applied to the film during handling such as post-processing. Is also being developed. Strict control is required to stretch such a polymer film to have a uniform retardation, a uniform film thickness, and a uniform refractive index distribution.
[0005]
For example, in the case of polycarbonate resin (PC), BPA-PC mainly containing bisphenol A (BPA) has been used, but various copolymers have recently been developed. Some of these have relatively low photoelastic constants. Those having low optical elastic constants need to be stretched at a higher stretching ratio in order to obtain a predetermined retardation (Re) value. Problems such as a high degree of stretching that deteriorate the uniformity of the retardation (Re) value of the film and make the film easy to cut have become apparent.
[0006]
Specifically, when trying to make a film having a high Re value by stretching at a high stretching ratio, the film width is likely to be narrowed by neck-in in the stretching step, or because the stretching tension is particularly large, or especially stretching. The stretching point (or stretching line) of the film is stretched retroactively on the roll surface immediately before starting, and further, wrinkles may occur in the film in space immediately after the film leaves the roll surface. In some cases, the inner film may be scratched, or in severe cases, the wrinkles may be broken and overlap to cause cutting. Also, the wrinkles are stretched and appear as retardation spots on the film, which worsens the retardation spots in the film width direction and the film length direction. That is, the stretching point is located in the space between the rolls having the peripheral speed difference, and is difficult to be fixed. This is because the film being stretched moves in space both in the width direction and in the length direction. This variation in the stretching point is promoted by slight variations in the properties of the film before stretching, for example, uneven thickness and uneven solvent content.
[0007]
This conventional situation will be described in detail with reference to FIG. FIG. 1 schematically illustrates a state in which a preheated unstretched film is stretched between a pair of rolls having different peripheral speeds. Here, the roll 1 is a final roll for preheating on the low-speed side, and the roll 2 is a nip roll used to press the film against the roll 1 so that the drawing point (or drawing line) of the film does not go back to the roll surface by the drawing tension. The surface of the roll 2 is made of heat-resistant rubber. The roll 3 is a roll having a higher peripheral speed, and the film is heated and stretched between the rolls 1 and 3 by hot air or the like in a non-contact manner. The unstretched film heated to the stretching temperature causes neck-in due to stretching tension, and this neck-in occurs in the width direction of the film and in the thickness direction of the film. Even when polymer films of the same material are used, this neck-in becomes significantly significant particularly when the stretching ratio is increased. Then, in order to stretch a polymer film having a small optical elastic constant and have the same retardation value as a polymer stretched film having a higher optical elastic constant, it is necessary to stretch at a higher stretching ratio. Reference numeral 4 schematically depicts a curved drawn line. When the film is heated and stretched, a strong tension is applied to the film, so that the film shown in 5 in FIG. Such a phenomenon is that even when the film is sufficiently uniformly heated by the roll 1 and stretched, a particularly thick film is stretched at a high magnification (a desired retardation film has a thickness, In order to obtain a retardation film having a desired retardation value from a film having a small optical elastic constant, it is necessary to set a high stretching ratio. The neck-in that occurs at the time of stretching is larger than the center because both ends are longer in the neck-in when compared to the center and the ends of the film. The closer to, the lower the retardation value. We believe that this may cause the film to cut from its edge.
[0008]
Such a phenomenon is unlikely to occur when the draw ratio is low or when the film is relatively thin. However, when the film thickness is large as described above, or when an attempt is made to increase the stretching ratio, the problem of wrinkling of the film at the neck-in portion becomes apparent, and the retardation film of the retardation film and the stretching of the film during the stretching process. May be easily cut.
[0009]
When stretching a thermoplastic resin film, neck-in generally occurs. The size and shape of the neck-in are determined by the stretching ratio, the length of the stretching span, the temperature of the film at the time of stretching, and the like. In particular, when a film having a small optical elastic constant is increased in stretching magnification to obtain a retardation film having a desired thickness, the film thickness before stretching needs to be increased.
[0010]
In the prior art, JP-A-3-235902, JP-A-5-150115 and the like disclose methods for easily producing a retardation film having excellent characteristics from the viewpoint of equipment.
[0011]
JP-A-3-235902 discloses a method for producing a retardation film having good flatness by eliminating stretch unevenness, and the ratio between the distance between two pairs of rolls and the film width is 5 or more. In addition, the film is stretched so that the neck-in ratio of the film in longitudinal uniaxial stretching is 10% or more. A technique for preventing the film from becoming corrugated and achieving uniformity has been proposed.
[0012]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-150115 discloses that even if the length of a film or sheet before stretching is 3.0 times the length in the direction perpendicular to the film or sheet, neck-in can be sufficiently achieved without wrinkles. It is stated that a retardation plate having a small residual stress in a direction perpendicular to the stretching direction and having excellent viewing angle characteristics can be manufactured by a small-sized apparatus.
[0013]
Although it is considered that these methods can obtain good results by stretching a conventional BPA-PC film, it is possible to stretch a relatively thick film having a small optical elastic constant as in the present invention. It is not always suitable for stretching.
[0014]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-84106 discloses a method for obtaining a film having a uniform retardation value, in which a polycarbonate polymer is formed by uniaxial tensile heat fixing at a glass transition temperature or lower and within an elastic deformation limit. Japanese Unexamined Patent Application Publication No. 4-84107 proposes a method for producing a retardation film in which a polycarbonate film is stretched uniaxially in multiple stages between two or more stretching rolls having different peripheral speeds. The stretching ratio per one stage of the multi-stage uniaxial stretching is 3% or less. Multi-stage stretching at a low magnification requires complicated stretching equipment, complicated adjustments, and stretching of the film may occur retroactively on the roll surface, resulting in surface defects such as scratches and transfer. There are problems such as easy occurrence.
[0015]
As a method of improving retardation unevenness from the viewpoint of characteristics of a film before stretching, a stretching method in which a film is stretched in a state where a solvent is contained in a specific amount is disclosed in JP-A-4-204503, JP-A-4-282212 and JP-A-4-282212. It is disclosed in Japanese Unexamined Patent Publication No. Hei 5-113506. These methods are effective when the film before stretching has thickness unevenness such as streak unevenness or leveling defect, because the retardation value is made uniform by this method. In some cases, it is effective in stretching a conventional polymer film. However, in order to achieve high retardation with a high stretching ratio in a retardation film, a method of stretching by lowering the apparent Tg of a polymer by stretching including a solvent does not meet the purpose of the present invention. This is because, in the stretching containing a solvent, the apparent Tg of the polymer is lowered, and the polymer is stretched at a temperature higher than its original Tg (Tg when no solvent is contained). It does not happen effectively.
[0016]
As described above, in the production technology of the retardation film,
{Circle around (1)} Narrowing of the film width in high-magnification stretching and accompanying film wrinkles and creases at the stretching point;
(2) The retardation of a film stretched at a high magnification (to obtain a film having a high retardation value) has a large variation.
(3) Cutting in the stretching process of the film by high-magnification stretching, etc.
Remains as an open question.
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
A main object of the present invention is to obtain a retardation film having excellent heat resistance, surface properties, and optical properties, and at the stretching point (or stretching line) when stretching the film, the stretching line extends over the entire width of the film. Therefore, it is an object of the present invention to provide a method for producing a retardation film having a wide and uniform retardation value by improving non-uniformity.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
Means for Solving the Problems The present inventors diligently studied in order to solve the above-mentioned problems, and found that the conventional polycarbonate (BPA-PC) film forming technology was improved to provide a retardation film suitable for optical use, and reached the present invention. It was done.
[0019]
That is, the present invention is as follows.
1. In a method for producing a retardation film including a stretching step of stretching a polycarbonate film between a low-speed roll and a high-speed roll, at both ends in the width direction of the polycarbonate film, the film is stretched while being heated by an auxiliary heating means in the vicinity of leaving the low-speed roll. A method for producing a retardation film.
2. The method for producing a retardation film according to the above 1, wherein the auxiliary heating means is an electric heater.
3. The method for producing a retardation film according to the above 1 or 2, wherein the length of both ends of the polycarbonate film in the width direction is 10% to 30% of the width of the film on one side from both ends in the width direction. .
4. The polycarbonate film substantially consists of a polycarbonate resin obtained by copolymerizing 9,9-bis- (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene and 2,2-bis- (4-hydroxyphenyl) -propane. The method for producing a retardation film according to any one of the above 1 to 3.
5. The obtained retardation film has a thickness of 20 to 1000 μm, a total light transmittance of 80% or more, a distribution (R) of retardation value in the width direction of the film of 5 nm or less, and a fine spot (r) of 2 nm or less. Wherein the distribution (R) of the retardation value in the length direction of the film is 7 nm or less and the fine spots (r) are 3 nm or less in the length direction of the film.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0021]
(Polycarbonate)
As a material for providing the retardation film of the present invention, an aromatic polycarbonate containing BPA-PC can be used, and is not particularly limited. However, polycarbonate substantially consisting of 9,9-bis- (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene (BCF) and 2,2-bis- (4-hydroxyphenyl) -propane (BPA) (hereinafter, referred to as “polycarbonate”) BCF-PC) has a relatively small optical elastic constant and has the above-described problem. Hereinafter, BCF-PC will be described as a representative example.
[0022]
Such a polycarbonate resin (BCF-PC) is a copolymer obtained by copolymerizing BCF and BPA as monomers. The composition of the copolymer is 20 mol% to 80 mol% of BCF, and the ratio of BPA is 80 mol%. % To 20 mol% is preferred. In particular, those having a BCF ratio of 30 mol% to 70 mol% and a BPA ratio of 70 mol% to 30 mol% are preferred from the viewpoint of heat resistance and properties of the obtained film. In this copolymer, when the heat resistance of the film was evaluated by the value of glass transition temperature (Tg), when the copolymerization molar ratio of BCF / BPA was 30/70, Tg was 195 ° C. When the copolymerization molar ratio is 70/30, the temperature is 230 ° C. The Tg of the BCF-PC resin used in the present invention can be changed by changing the copolymerization ratio of BCF and BPA. In this copolymer, other bisphenols may be copolymerized as a small component (for example, 20 mol% or less of the whole) in addition to the above two monomers in order to finely control heat resistance, film forming property and the like. .
[0023]
(Molecular weight of polycarbonate)
The specific viscosity measured with a methylene chloride solution of the polycarbonate (BCF-PC) used in the present invention is 0.55 or more, more preferably 0.60 or more, and further preferably 0.62 or more. The specific viscosity needs to be somewhat high in order to obtain favorable flow properties of the solution. However, when the specific viscosity is too high, that is, when the molecular weight is too high, the result is that the solution viscosity becomes too high, and the solution casting operation becomes difficult, which is not preferable.
[0024]
(Method of manufacturing retardation film)
Next, a method for producing an unstretched optical film which can be said to be a precursor of the retardation film of the present invention will be described. The method for producing such an optical film is not particularly limited, and the polycarbonate can be formed by, for example, a solution casting method or a melt extrusion method. The solution casting method is excellent in that there are few foreign substances in the film, the surface properties of the film are good, there is little variation in thickness, and an extremely flat film can be obtained. Hereinafter, the solution casting method will be described in detail.
[0025]
(Preparation of dissolution solvent and solution)
Solvents that can be used in the solution casting method can be selected from known solvents, and among them, methylene chloride, 1,3-dioxolane, and a mixture thereof are suitable solvents. Further, it is a preferable method to mix a small amount of a non-solvent of polycarbonate such as alcohol or xylene and use it as a secondary solvent. As a result, the evaporation rate of the solvent can be suppressed, and a film having excellent surface properties can be obtained, and an effect as a secondary solvent when the film is stretched can be obtained. The polymer concentration of the solution used for the solution casting is preferably in the range of 10 to 40% (% by weight, the same applies hereinafter). If the concentration of the polycarbonate in the solution is too low, the amount of the solvent to be volatilized increases, so that the solution is not efficient, and the solution viscosity becomes too small, so that a uniform film may not be obtained. On the other hand, if the polycarbonate concentration in the solution is too high, the solution viscosity becomes high, and it becomes difficult to perform uniform casting.In addition, the solution tends to gel, which may cause foreign matters in the film. Not preferred. It is preferable to pass a filter having an average opening of about 1 to 10 μm before casting the solution in order to prevent foreign substances and gel-like substances in the solution from being mixed into the film.
[0026]
(Support for solution casting)
As a support for casting the solution in the solution casting method, a conventionally known support can be applied. For example, a polyester film or a steel belt having a very highly polished surface can be used. In the above-mentioned optical film, it is particularly preferable to use the latter in order to obtain a super-flat surface.
[0027]
(Film forming process)
The optical film can be manufactured by using the above solution and passing through a plurality of steps as follows, for example.
Step 1 (casting step):
The above solution in which BCF-PC is dissolved is continuously cast on a continuous support running in one direction. As a result, a liquid film is formed on the support. Next, the liquid film is dried to some extent to form a gel film containing a solution, and then the film is peeled from the support. Although the optimum amount of the residual solvent in the film at the time of peeling differs depending on the type of the support and the copolymer composition of the polycarbonate, at most 22% by weight or less, preferably 20% by weight or less, more preferably 15% by weight or less. It is suitable for obtaining the optical film.
Step 2 (drying step 1):
The film peeled from the support contains considerable residual solvent. In order to further dry such a film while maintaining flatness, for example, a tenter method, a float method, or a roll conveying method is generally used. In this drying step, rapid drying causes bumping of the residual solvent to generate air bubbles, so that it is necessary to increase the temperature stepwise so that this problem does not occur. The float method and the roll transport method are not very suitable for drying the film immediately after being peeled off from the support, because it is difficult to transport the film smoothly and the film tends to have surface defects such as press damage. In the tenter method, both ends of the film are supported by pins or clips, and shrinkage of the film width due to solvent drying can be controlled by controlling the expansion and contraction of the distance between the running rails on which the pins or clips are mounted, so that the drying can be performed. preferable.
Step 3 (drying step 2):
In this step, the film is dried so that the amount of the residual solvent in the film becomes a desired value. In the present invention, the above step 2. The film dried by (especially the tenter method) is preferably further dried by a roll hanging dryer (a type of roll transport dryer). Generally, the oven has a structure in which the oven is divided into several rooms so that the temperature of the dry air is gradually increased. In this step, final drying and structure control (refractive index control) of the film before stretching can be performed. It is important for obtaining a retardation film having a uniform retardation value that the film before stretching is as isotropic as possible and its distribution is uniform in the film width direction and in the running direction of the film. The residual solvent amount of the film before stretching thus obtained is 0.5 to 2% by weight.
[0028]
Hereinafter, a method of producing the retardation film of the present invention by stretching the optical film, which is the unstretched film, by performing a stretching step will be described.
Step 4 (preheating step):
In producing the retardation film of the present invention, usually, the film is passed through a film preheating step before stretching following the drying step 2 of the above step 2. In this step, a method using a floating method in which hot air is blown from both sides of the film to perform non-contact heating can be preferably used. By this non-contact heating, the residual solvent in the film is further reduced, the uniformity in the film plane and in the thickness direction is increased, and the temperature is made uniform.
[0029]
In the case of BCF-PC, the hot air temperature is preferably (Tg-50) ° C to (Tg + 10) ° C based on the Tg of the BCF-PC resin. By this heating, the amount of the solvent remaining in the film can be further reduced and adjusted. The residual solvent amount of the film in this step is 0.2 to 1.0% by weight.
Step 5 (stretching step):
The film is stretched between at least a pair of rolls having different peripheral speeds (see FIG. 2). In this step, a floating method is used in which hot air is blown from both sides of a running film stretched between rolls having different peripheral speeds by hot air blowing nozzles 6 (only one side is shown in FIG. 2) to perform non-contact heating. good. These stretching devices are preferably installed in an oven in order to suppress the occurrence of temperature unevenness due to outside air. When the film is stretched by the non-contact heating, a film can be formed which does not cause surface defects such as scratches which may be caused by contact with a roll surface or the like. The entire surface is uniformly heated in the range of (Tg-5) ° C to (Tg + 5) ° C, more preferably in the range of (Tg-3) ° C to (Tg + 3) ° C so that the film is uniformly stretched in the stretching step. And stretch. Regarding the stretching ratio of the film, the retardation of the finally obtained retardation film is stretched to a range of about 1.03 to 3 times that the retardation of incident light at 550 nm is usually 30 nm or more. When the film is stretched between at least a pair of rolls having different peripheral speeds, the surface of the roll (1) immediately before the start of stretching is generally hard chrome plated, and the surface of the roll (2) is generally super-finished with a heat-resistant rubber roll. What you do is good.
[0030]
In this step, at the time of stretching, the film is heated by auxiliary heating means at both ends in the width direction of the film.
[0031]
This method is schematically shown in FIG. As the auxiliary heating means, hot air heating or radiant heating can be used, but in order to achieve the object of the present invention, it is preferable to use a radiant heating method in terms of handling. Although there is no particular limitation on the radiant heating source, for example, an electric heater, an infrared heater, or the like can be used.
[0032]
In FIG. 2, 7 is an auxiliary heating device, 8 is a jig for setting the auxiliary heating device at an appropriate position, and 9 is a power supply of the auxiliary heating device. The heating location, heating temperature, and the like of the auxiliary heating device can be determined by trial and error so as to eliminate the generation (range) of wrinkles during stretching of the film.
[0033]
For example, in the case of a film having a width of 1000 mm, the size (length) of the auxiliary heating device is 50 to 300 mm. In the length direction, at both ends in the width direction of the film, the heating temperature is in the vicinity of leaving the low-speed roll, specifically, about 300 mm immediately after leaving the low-speed roll, and the heating temperature is (Tg-5 ° C.) to (Tg + 10). ° C). The shape of each heating element constituting the auxiliary heating device is preferably a round bar or a flat plate (or square), but a round bar is particularly preferable. A jig for deciding an optimum location can be attached to this heating element so that the location of the heating element can be changed and an operation for eliminating the wavy wrinkles generated on the film can be performed. Preferably, the jig changes the location in the width direction and in the traveling direction separately on the left and right or simultaneously on the left and right. As the round bar-shaped heater, a heater having a diameter of 10 to 25 mm is usually used. The temperature of the heated film can be measured with a radiation thermometer.
[0034]
In this step, the film can be stretched in one step or in two or more steps.
(Retardation film)
That is, according to the present invention, there is provided a polycarbonate resin obtained by copolymerizing 9,9-bis- (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene and 2,2-bis- (4-hydroxyphenyl) -propane. A retardation film is provided. Such a retardation film preferably has a thickness of 20 to 1000 μm and a total light transmittance of 80% or more.
[0035]
Further, the retardation film obtained in the present invention is particularly excellent in the uniformity of Re, and there is little unevenness of retardation in the film when viewed macroscopically and microscopically, and is small. Is the feature. When viewed macroscopically, it refers to the distribution (R) of the retardation value, and when viewed microscopically, it refers to the minute spot (r) of the distribution of the retardation value. The retardation film has a distribution (R) of a retardation value of 5 nm or less and a fine unevenness (r) of 2 nm or less in a film width direction. The distribution (R) of the retardation value in the film length direction is 7 nm or less, and the fine spots (r) are 3 nm or less.
[0036]
As described above, the retardation film of the present invention is characterized in that unevenness of retardation in the film when viewed macroscopically and microscopically is small and small. The distribution (R) of the retardation value in the width direction of the film in a macroscopic sense is preferably 5 nm or less, more preferably 3 nm or less, and further preferably 1 nm or less. Further, the distribution (R) of the letter dawn value in the film length direction is preferably 7 nm or less, more preferably 5 nm or less, and further preferably 3 nm or less.
[0037]
Further, the microscopic unevenness (r) of the retardation value in the width direction of the retardation film in a microscopic sense is preferably 2 nm or less, more preferably 1 nm or less.
[0038]
Further, microscopic unevenness of the retardation value in the length direction of the retardation film in a microscopic sense is 3 nm or less, more preferably 2 nm or less.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to examples, but the present invention is not limited thereto. The measurement and evaluation of the effects of the present invention in the examples were performed by the following methods.
(1) Measurement of total light transmittance
Samples were taken from three places in the film width direction. The total light transmittance of the sample was measured using a color difference / turbidity meter COH-300A manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd. Five points were measured for each sample, and the average value of a total of 15 points for three samples in the width direction was defined as the total light transmittance.
(2) Measurement of residual solvent amount in film
About 5 g of a film containing a solvent was collected, dried with a hot air drier at 220 ° C. for 1 hour, and then cooled to room temperature. At that time, the weight before and after the drying was precisely weighed with an analytical balance, and the rate of change was determined. Thus, the solvent content based on the solid content was determined. Specifically, the film (about 1 m in width) was divided into five equal parts in the width direction and measured. This was performed three times in different width directions, and the average value was obtained. Assuming that the weight before drying is a and the weight after drying and cooling is b, each measured value of the solvent content based on the solid content can be represented by the following equation. {(Ab) / b} x100%
(3) Measurement of retardation value and slow axis angle
For the retardation film produced according to the present invention, the entire width of the film was measured at intervals of 5 mm. For the distribution (R), the difference (range, R) between the maximum value and the minimum value of the retardation values measured at intervals of 5 mm over the entire width of the film was determined and used as a measure of macro uniformity. Further, the minute spot (r) is obtained by calculating the difference between the retardation value of a certain retardation value and the next point, that is, the difference of the retardation value between 10 mm, and calculating the maximum value as the maximum value of the retardation value of the film minute portion. (Micro spots r) and a measure of micro uniformity (unit: nm).
[0040]
Regarding the length direction of the film, samples of 1 m length were sampled from the center and 3 ends of the film in the width direction of the retardation film prepared according to the present invention, and the 1 m length samples were measured at 5 mm intervals. did. The distribution (R) is obtained by calculating the difference (range, R) between the maximum value and the minimum value of the retardation values measured at 5 mm intervals over the entire length of the film, and further determining the maximum value of the range R of the three samples as uniformity. The scale was used. Further, the minute spot (r) is obtained by calculating the difference between the retardation value of a certain retardation value and the next point, that is, the difference of the retardation value between 10 mm, and calculating the maximum value as the maximum value of the retardation value of the film minute portion. (Micro spots r), and the maximum value of the range R of the three samples was used as a measure of uniformity (unit: nm).
[0041]
When these values are large, the portion may appear as streak-like color spots when the film is viewed under crossed Nicols.
(4) Measurement of viewing angle characteristics
Using an automatic birefringence measuring device (trade name: KOBRA-21ADH manufactured by Shin-Oji Paper Co., Ltd.), the retardation Re (0) in the normal direction of the film and the oblique incidence at a relative angle of 40 degrees with the normal of the film. Then, the retardation Re (40) was measured, and the rate of change of the retardation was determined from the absolute value of the difference. {| Re (0) −Re (40) | / Re (0)} x100
The oblique incidence measurement of the film at the time of measurement was performed for both the slow axis and the fast axis, and the average value was displayed as a viewing angle characteristic. The smaller the rate of change, the better the viewing angle characteristics. The measurement was made at the center and both ends in the film width direction. The maximum value of these measured values was regarded as the viewing angle characteristic of this film.
[0042]
[Example 1 and Comparative Example 1]
A copolymerized polycarbonate was synthesized from 253.3 g (67 mol%) of 9,9-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene as the bisphenol and 75.2 g (33 mol%) of bisphenol A and phosgene. The specific viscosity of the copolymerized polycarbonate resin (BCF-PC) was measured at 20 ° C. by dissolving 0.7 g of the resin in 100 ml of methylene chloride. The specific viscosity ηsp was 0.618.
[0043]
The resin was dried with hot air at 120 ° C. for 16 hours, and then cooled to 30 ° C. with dehumidified air. This was dissolved in methylene chloride to prepare a 19% by weight solution. This solution was passed through a filter having an average pore size of 1 micron to remove foreign substances. Further, the temperature of this solution was adjusted to 15 ± 0.5 ° C., and the solution was introduced into a coat hanger die having a width of 1500 mm, and then cast on a belt support made of SUS-316L which had been mirror-polished as a liquid film of about 740 μm. did. The temperature (surface temperature) of the support immediately before the start of casting was set to 9 ° C. The cast film was dried in step 1. For drying the cast film, a dryer divided into a first section to a fifth section was used.
[0044]
By gradually increasing the temperature and the temperature of the dry hot air from the first section, a film having no bubbles and having no thickness unevenness such as streaks or leveling defect was prepared.
[0045]
In the last fifth section, the film was cooled together with the support in an atmosphere at 15 ° C.
[0046]
The amount of solvent in the film at the end of this step was 18% by weight.
[0047]
Next, the film was peeled from the support at room temperature, and the film pulling tension at the time of peeling was 5 kg in terms of a 1 m width of the film. The film was further fed into a pin tenter type dryer and conveyed while drying.
[0048]
The pin tenter drier used was of a type divided into six zones (step 2). In the pin tenter, the drying of the film progressed from the entrance and the width shrank accordingly, so that the rail width of the pin tenter was reduced in accordance with the shrinkage of the width. That is, the temperature of the hot air was increased in the latter half of the pin tenter process to promote the drying of the film. At this time, the rail width of the pin tenter was set so as to minimize the molecular orientation of the film. The hot air temperatures in the first half were 110 ° C., 130 ° C., and 130 ° C., and the temperatures in the middle four and five zones were 130 ° C. and 130 ° C., and the film was cut off from the pin piercing part in these five zones. Further, the hot air temperature was set to 120 ° C. in six zones. At the outlet of the pin tenter, the film was cooled by blowing cold air at room temperature, and the film was taken up at a take-up tension of 6 kg / (corresponding to 1 m width).
[0049]
Subsequently, the film was passed through a roll-hanging dryer (step 3). This roll hanging dryer was divided into three rooms so that the hot air temperature in each room could be changed. The first hot air temperature was 150 ° C., the second hot air temperature was 175 ° C., and the hot air temperature in the third room was 190 ° C. The film was pulled at a roll tension drier of 2.0 kg / (corresponding to 1 m width).
[0050]
The properties of the unstretched polycarbonate film of BCF-PC thus obtained were as follows.
[0051]
Film width: 1300 mm, film thickness: 140 μm, residual solvent amount: 0.7%
Thereafter, the film was sent to a float type heating device (step 4), the preheating temperature before stretching was set to 190 ° C., and then the film was stretched by a float type stretching machine (step 5). That is, the stretching ratio and the temperature were precisely adjusted so that the retardation of the obtained film was as close as possible to 270 nm. In the stretching, radiant heating was performed on both ends of the film using the apparatus shown in FIG. 2 (Example 1). At this time, immediately after leaving the low-speed roll, the film was heated at about 300 mm in the length direction of the film, and at both ends (about 300 mm on one side) with respect to the entire width of the film. The heating temperature was 230-235 ° C. In addition, the case where the radiant heating of the both ends of a film was not performed was set as the comparative example 1. In the case of Comparative Example 1, the film was often cut during stretching (this occurred three times a day when a stretched film was produced). Table 1 shows the stretching conditions and the characteristic values of the obtained film.
[0052]
The residual solvent amount of the obtained retardation film was 0.1% by weight and Tg was 227 ° C. in both the examples and comparative examples.
[0053]
[Table 1]
Figure 2004058497
[0054]
As a result, in the case of Example 1, an excellent retardation film having small retardation R and r was obtained with high productivity. On the other hand, in Comparative Example 1, both the retardation unevenness and the viewing angle characteristics were large, which was not preferable as a retardation film. In addition, the frequency of cutting the film is high, and there is a problem in productivity.
[0055]
【The invention's effect】
According to the present invention, a retardation film having excellent heat resistance and transparency, excellent viewing angle characteristics when used in a liquid crystal display device, and excellent uniformity with small retardation R and r is produced. You can get good. For this reason, it is very useful as an optical component such as a retardation film in various kinds of (liquid crystal) display devices and touch panels used outdoors, for example, used outdoors.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a conceptual diagram for explaining a conventional method.
FIG. 2 is a conceptual diagram for explaining the present invention.
[Explanation of symbols]
1. Roll 1: Low speed roll
2. Roll 2: Nip roll
3. Roll 3: High-speed roll
4. Stretching point (drawing line, schematically showing the state in the film width direction)
5. Wrinkles of the film (schematically show the wrinkles of the film)
6. Hot air blowing nozzle
7. Heating auxiliary device
8. Position adjustment jig for heating auxiliary device
9. Power supply for heating auxiliary equipment

Claims (5)

ポリカーボネートフィルムを低速ロール及び高速ロール間で延伸する延伸工程を含む位相差フィルムの製造方法において、ポリカーボネートフィルムの幅方向両端部において、低速ロールを離れる付近の該フィルムを補助加熱手段によって加熱しつつ延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。In a method for producing a retardation film including a stretching step of stretching a polycarbonate film between a low-speed roll and a high-speed roll, at both ends in the width direction of the polycarbonate film, the film is stretched while being heated by an auxiliary heating means in the vicinity of leaving the low-speed roll. A method for producing a retardation film. 補助加熱手段が電熱ヒーターである、請求項1記載の位相差フィルムの製造方法。The method for producing a retardation film according to claim 1, wherein the auxiliary heating means is an electric heater. ポリカーボネートフィルムが加熱される幅方向両端部の長さは、該フィルムの幅の長さに対して、片側が幅方向両端から10〜30%である、請求項1または2記載の位相差フィルムの製造方法。The retardation film according to claim 1, wherein the length of both ends in the width direction at which the polycarbonate film is heated is 10% to 30% on one side from both ends in the width direction with respect to the width length of the film. Production method. ポリカーボネートフィルムが、9、9−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと2、2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとを共重合させたポリカーボネート樹脂から実質的になる、請求項1〜3のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。The polycarbonate film substantially consists of a polycarbonate resin obtained by copolymerizing 9,9-bis- (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene and 2,2-bis- (4-hydroxyphenyl) -propane; A method for producing a retardation film according to claim 1. 得られた位相差フィルムは、厚さが20から1000μm、全光線透過率が80%以上、フィルムの幅方向においてレターデーション値の分布(R)が5nm以下でかつ微小斑(r)が2nm以下であり、かつフィルムの長さ方向においてレターデーション値の分布(R)が7nm以下かつ微小斑(r)が3nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の位相差フィルムの製造方法。The obtained retardation film has a thickness of 20 to 1000 μm, a total light transmittance of 80% or more, a distribution (R) of retardation value in the width direction of the film of 5 nm or less, and a fine spot (r) of 2 nm or less. The retardation according to any one of claims 1 to 4, wherein the distribution (R) of the retardation value in the length direction of the film is 7 nm or less and the minute spot (r) is 3 nm or less. Film production method.
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