JP4242514B2 - Production equipment and production method of stretched film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、均一で高品質な溶液キャストフィルムを生産性良く製造する方法並びにその製造設備に関する。より詳細には溶液をキャストし、延伸して作成されたフィルムに生じるレターデーション斑を検出し、画像解析することによって、発生したレターデーション斑の発生位置、範囲および/または外観から斑の原因および/または程度を判断し、斑の解消対策を実施する方法並びにその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
位相差フィルムとして高分子樹脂を延伸したもの、特にポリカーボネートの延伸フィルムが使われている。
【0003】
該フィルムにおいて、重要な特性の一つは光学特性の均一性である。すなわちレターデーション(本願明細書ではReと略記する)の高度な均一さが要求されている。
【0004】
Re値は複屈折(Δn)と厚み(d)との積(Δn*d)として表される。従ってRe値を均一化し、光学的に斑が生じないようにするためには、フィルムの複屈折の斑と厚みの斑とが発生しないように制御し製造する必要がある。フィルムの製造工程を分析すると、フィルムの厚み斑は、延伸前のキャストフィルムにおいて存在する場合が多い。例えば、フィルムの走行方向にほぼ平行な縦斑、走行方向とほぼ直交する、いわゆる横段斑などと呼ばれる横斑、その他レベリング不良などのほとんど規則性の無い厚み斑などに起因するものがある。
【0005】
このような延伸前のフィルムで発生している厚み斑は各種の従来技術によって解消される場合が多く、また、それらの技術はいくつか開示されている。すなわち、縦斑は押出しダイのリップ構造を工夫して樹脂流動の時間変動を制御することなどにより、横斑は押し出しダイリップの開度、リップ先端と支持体との間隔、並びに樹脂溶液の流動特性等をうまく組み合わせて、また、レベリングは支持体上にキャストされた液膜を不均一な空気流などによる外乱を与えずに乾燥することによってほぼ解消できているのが現状である。
【0006】
しかし、延伸前のフィルムの各種の斑が完全に解消されたとしても延伸フィルムにおいて、更に次のような光学斑が発生する。すなわちReを構成するもう一つの特性、複屈折に斑を生じる場合がある。
【0007】
複屈折の斑は延伸時のフィルムの変形の仕方に係わる場合が多いことが見出された。
【0008】
この斑は延伸時に起こる縦しわ、ハの字しわなどのしわに起因するもの、延伸時の張力の変動によるものおよびフィルム幅方向で延伸線が湾曲することにより生じるものなどである。フィルム延伸時に発生する複屈折斑はフィルムの幅方向がフィルムの長手方向(すなわち延伸方向)よりも大きいのが一般的である。張力が幅方向で均一にかからないために生じる延伸線の湾曲による斑とは、延伸線がフィルムの幅方向で一直線に揃わないで延伸される結果、延伸フィルムの幅方向のいくつかの点で発生したしわが経時的に幅方向へ移動するなどの現象を起こす場合があることによる。また、フィルムの幅方向で張力の掛かり方に差を生じて、フィルムの幅方向においてReが均一に分布しない場合も起こる。この縦延伸時に起こる波状の皺はフィルムが延伸張力がかかるロールのロール面を離れた直後に幅方向で一斉に延伸され、延伸線が一直線になっていれば解消されるのであるが、現実には、幅方向と走行方向との延伸張力の僅かなアンバランスによって、これが難しくなっている。さらに、延伸張力によりロール面上でフィルムが滑るような場合にはスクラッチを発生するという位相差用フィルムとしては致命的な問題を生じることがある。
【0009】
Re値に高度な均一性を付与するためには、未延伸起因の因子、特に厚み斑に起因するレターデーション斑と、延伸時に起こる主に複屈折の斑に起因するレターデーション斑とを分離して取り扱うことが必要であり、この分離した斑を個々に制御してフィルムの光学特性を均一に制御することが極めて重要である。
【0010】
延伸前フィルムの厚み斑の少ないものを作る技術および均一に延伸する技術として、フィルムの厚み斑とRe斑とを規制した公知資料として、特開平2−59703号公報、特開平2−256003号公報、特開平6−279598号公報、特開平8−101305号公報、特開平8−101308号公報などが開示されている。
【0011】
特開平2−59703号公報には厚み(x)の振れ幅が0.1X以下、かつその変化率が0.015X/cm以下である高分子フィルムを一軸延伸して、レターデーション値の振れ幅が10%以下、その変化率が1.8%/cm以下である位相差フィルムの製造方法が開示されている。
【0012】
特開平8−101305号公報には、複屈折性を有する高分子フィルムであって、フィルム面内の任意の点から1cm離れた場所との厚みの差が0.3μm以下であることを特徴とした位相差板が、特開平8−101308号公報には、未延伸フィルムの厚みの変化がフィルム搬送方向、幅方向共に、隣り合った厚い部分と薄い部分の厚みの差が0.5μm以上3μm以下で、ピッチが1mm〜40mm以下である波状の変動を有する原反フィルムを一軸または二軸に延伸してなり、フィルム面内にて相互に10cm離れた任意の二点間のレターデーション値の差が5nm以下であることを特徴とする位相差板が提案されている。
【0013】
特開平2−256003号公報には、フィルムの厚み斑を規制した光学フィルムが開示されており、押し出し方向に連続的に厚み斑を測定した時、50mm以下のピッチで、かつ、厚みの振幅が0.5μm以上である正弦波状の厚み変動の存在しない高分子フィルムを延伸することを規定している。特開平6−279598号公報にはポリマーからなる厚さ200μm以下のフィルムであって、その近傍の厚み変化がフィルムの平均厚みの0.5%以下である耐熱透明フィルムが開示されている。
【0014】
また、延伸工程において、Re斑を均一化させる方法については、特開平10−300925号公報が開示されている。これは、樹脂フィルムを一軸延伸してなる位相差フィルムの製造方法において、延伸中のフィルムに加わる張力の変動を±1%の範囲に制御する位相差フィルムの製造方法で縦方向の位相差の変動を小さく制御する技術である。
【0015】
特開平8−101306号公報にはフィルムの幅方向に延伸温度勾配を設けて縦一軸延伸する方法が開示されている。これは近接ロール延伸で、フィルム幅方向の両端部と中央部とでネックインの状況が異なるために起こる幅方向レターデーション値のU字型分布を修正する技術である。これらの技術は幅方向のU字型のような比較的なだらかなレターデーション斑を解消する技術である。
【0016】
特開平8−327820号公報には、フィルムの1cm離れた任意の二点間の温度差が0.3℃以下になるようにフィルムを均一に加熱して延伸する、均一な位相差用フィルムを作る技術が開示されている。
【0017】
特開平9−230137号公報には位相差フィルムの製造方法において、延伸の際に昇温したフィルムを加熱空気により延伸用ロールの表面に押し付け、フィルムの浮き上がりを防止し、フィルムにしわが発生するのを防止する、位相差のバラツキの少ない位相差フィルムを得る方法が開示されている。
【0018】
特開平9−304616号公報には樹脂フィルムを一軸延伸して位相差フィルムを製造する方法において、延伸するフィルムの厚みが両端から中央に近づくほど厚いものであることを特徴とする位相差フィルムの製造方法が開示されている。
【0019】
これらの方法を総括すると、延伸前のフィルムに存在する厚み斑については、押し出しダイの好ましい設計やキャストの製膜条件によって、現在では充分に小さく抑えることができるようになってきている。すなわち、上記のようにフィルムの延伸前の厚み斑に起因するレターデーション斑は各種の技術によって解消対策が可能になってきている。
【0020】
一方、フィルム延伸時に生じる、複屈折斑に起因するレターデーション斑は上記の技術によっても、充分に改良されている訳ではなく、まだ解決すべき課題が残されているのが現状である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本願発明者らはRe斑の検出、解消方法について鋭意検討した結果、フィルムのRe斑を像として得、それを画像解析し、その結果を製造設備にフィードバックすることにより、これらの斑を容易に解消できることを見出し本願発明に到達したものである。なお、本願発明において「像として得る」とは肉眼で直接観察することができるようにすることを含む他、光学的あるいは電子的方法等により映像データとして得ることも意味する。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本願発明は次の通りである。
1. 下記(a)、(b)、(c)、(e)の各手段を含むことを特徴とする延伸フィルムの製造設備。
(a)フィルム面に対し垂直方向から偏光板を通した光を投射し、その透過光を偏光板を通して検出し、フィルムの持っているレターデーション斑を得る手段、
(b)このレターデーション斑の像からデジタルデータを得る手段、
(c)このデジタルデータを画像解析することによってフィルムに発生するレターデーション斑の位置、範囲および/または外観からレターデーション斑の程度を決定し、これらのレターデーション斑の程度のデータから変更すべきフィルム加熱条件を決定する手段、および
(e)上記(c)の変更すべきフィルム加熱条件をフィードバックしてフィルム加熱条件を制御することによってフィルムの光学的斑を変更する手段。
【0023】
2. 変更すべきフィルム加熱条件がフィードバックされ、フィルム加熱条件が制御されるのが延伸工程である上記1記載の延伸フィルムの製造設備。
【0024】
3. フィルムが高分子フィルムであることを特徴とする上記1または2記載のフィルムの製造設備。
【0025】
4. フィルムがポリカーボネートフィルムであることを特徴とする上記1または2記載のフィルムの製造設備。
【0026】
5. フィルムが、高分子の溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する手段によって作成されるフィルムであることを特徴とする上記1または2記載のフィルムの製造設備。
【0027】
6. フィルムが、ポリカーボネートの溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する手段によって作成されるフィルムであることを特徴とする上記1または2記載のフィルムの製造設備。
【0028】
7. 上記1〜6のいずれかの製造設備を使用する延伸フィルムの製造方法。
【0029】
ここで、7の「上記1〜6のいずれかの製造設備を使用する延伸フィルムの製造方法。」とは更に具体的には次の発明を意味する。
【0030】
8. 下記(f)〜(i)の各工程を含むことを特徴とする延伸フィルムの製造方法。
(f)フィルム面に対し垂直方向から偏光板を通した光を投射し、その透過光を偏光板を通して検出し、フィルムの持っているレターデーション斑を得る工程、
(g)このレターデーション斑の像からデジタルデータを得る工程、
(h)このデジタルデータを画像解析することによってフィルムに発生するレターデーション斑の位置、範囲および/または外観からレターデーション斑の程度を決定し、これらのレターデーション斑の程度のデータから変更すべきフィルム加熱条件を決定する工程、および
(i)上記(h)の変更すべきフィルム加熱条件をフィードバックしてフィルム加熱条件を制御することによってフィルムの光学的斑を変更する工程。
【0031】
9. 変更すべきフィルム加熱条件がフィードバックされ、フィルム加熱条件が制御されるのが延伸工程である上記8記載の延伸フィルムの製造方法。
【0032】
10. フィルムが高分子フィルムであることを特徴とする上記8または9記載のフィルムの製造方法。
【0033】
11. フィルムがポリカーボネートフィルムであることを特徴とする上記8または9記載のフィルムの製造方法。
【0034】
12. フィルムが、高分子の溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する工程によって作成されるフィルムであることを特徴とする上記8または9記載のフィルムの製造方法。
【0035】
13. フィルムが、ポリカーボネートの溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する工程によって作成されるフィルムであることを特徴とする上記8または9記載のフィルムの製造方法。
【0036】
以下に本願発明について更に詳しく説明する。
本願発明には、流延で製造可能なすべての樹脂が適用できる。例えばセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、およびこれらの2種以上の混合物あるいは共重合等を挙げることができる。
【0037】
特に好ましく適用できる高分子樹脂は芳香族ポリカーボネート系のものである。以下ポリカーボネートについて詳しく述べるが、本願発明はこれのみに限定されるものではない。
【0038】
a)芳香族ポリカーボネートおよび粘度平均分子量
本願発明で用いられる芳香族ポリカーボネートは希望するフィルムの諸特性が得られる芳香族ポリカーボネートであれば特に制限はない。一般に芳香族ポリカーボネートと総称される高分子材料は、フェノール誘導体と、ホスゲン、ジフェニルカーボネート等からの重縮合で得られるものを意味する。通常、ビスフェノールAと呼称されている2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンをビスフェノール成分とする繰り返し単位で表される芳香族ポリカーボネート(本願明細書においては、このビスフェノールAをビスフェノール成分とする芳香族ポリカーボネートをビスフェノールAポリカーボネートと呼称する)が好ましく選ばれるが、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと共に適宜他の各種ビスフェノール誘導体を選択することで、芳香族ポリカーボネート共重合体を構成することができる。
【0039】
かかる共重合成分としては、ビス(4ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(ビスフェノール−Zとも言われる)、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(ビスフェノールFLとも言われる)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9、9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフロロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン等をあげることができる。また、炭酸成分についてその一部にテレフタル酸および/またはイソフタル酸成分を含むポリエステルカーボネートを使用することも可能である。このようにビスフェノールAと炭酸成分の一部を他の構造単位に置換することにより芳香族ポリカーボネートの性質、例えば耐熱性、溶解性を改良することができる。
【0040】
本願発明で用いられる芳香族ポリカーボネートの粘度平均分子量は20,000以上200,000以下であれば好適に用いられる。粘度平均分子量が20,000未満の場合は、溶液の粘度が低すぎて膜厚の制御が困難となるので好ましくない。また、粘度平均分子量が200,000を越える場合には溶液粘度が高くなりすぎて膜厚の制御が困難となり好ましくない。特に好ましい粘度平均分子量は30,000以上70,000以下である。
【0041】
b)溶解工程
本願発明において上記芳香族ポリカーボネートの溶解に使用する溶媒は、従来公知の例えば、塩化メチレンまたは1,3−ジオキソランを主体とする溶媒を挙げることができる。すなわち、塩化メチレンまたは1,3−ジオキソランの含有量が98.0〜100重量%、エタノールとペンタノールとの混合物の含有量が0.0〜2.0重量%である溶媒がその例である。
【0042】
c)流延工程
芳香族ポリカーボネートの場合におけるフィルム製造は例えば次のような工程を含む。
すなわち、得られた溶液をスチールベルトやドラムまたは支持体フィルム(一般的にはポリエステルの2軸延伸配向フィルム)等の支持体上に、公知の方法によって流延製膜することができる。流延直後は液膜が風力などの外力を極力受けないように、斑なく均一に乾燥し、後半の半固化状態になった後は熱風を吹き付けて乾燥を促進するのが好ましい。
【0043】
このようにして乾燥によって溶媒を所定量蒸発させたフィルムを、例えば、フィルムの残留溶媒量が21〜25重量%で、かつ、支持体温度が0〜14℃の条件下、支持体から剥離する。
【0044】
この時の支持体の温度は、フィルムを剥離した直後の表面温度である。これは、接触式や非接触式の温度計によって測ることができる。剥離時は支持体の表面温度とフィルムの温度がほぼ等しくなるようにフィルムの温度も熱風吹き付けなどにより調節する。剥離時の溶媒含有量と支持体の温度が規程条件を外れると、剥離時にフィルムが変形し易くなり透明性が落ちるので好ましくない。
【0045】
d)延伸工程
剥離後のフィルムを予備乾燥しつつ同時に横延伸を実施する。この横延伸はフィルム幅方向の両端部をピンによって把持する方式のいわゆるピンテンターによってフィルムを幅方向に3〜20%(1.03〜1.20倍)延伸する。この横方向延伸によって、ほぼフィルムの走行方向に発生しているいわゆる縦筋状厚み斑が著しく小さくなり、Re斑に対する未延伸フィルムにある厚み斑の寄与が著しく小さくなる。横延伸後のフィルムをロール懸垂型乾燥機等により残留溶媒量が例えば0.1重量%以上〜2.0重量%以下となるまで乾燥する。より好ましくは0.1重量%以上〜1.5重量%以下となるように乾燥する。残留溶媒量が0.1重量%以下の場合や2.0重量%を越える場合には、一軸延伸時に光学特性を均一化する効果が少ないので好ましくない。
【0046】
当該フィルムを延伸する工程において、縦方向に一軸延伸を実施する。以下図によって詳細に例示説明する。
図1は延伸前の予熱装置の一部である予熱ゾーン1とそれに引き続く延伸ゾーン2を示したものである。
【0047】
搬送ローラー3はフィルム4を平面性良く走行させ延伸ゾーン2に導くためのものである。熱風吹き出しノズル5はノズル先端での風速が10m/sec〜30m/sec程度となる高速で熱風を吹き出しフィルム4を均一に加熱するためのものであり、フィルム走行方向に直交して配置されている。このノズルの吹き出し口先端とフィルム4との距離は5〜20mmの範囲に設置するのが好適である。
【0048】
本願発明においては、熱風吹き出しノズル5と隣接する他の熱風吹き出しノズル5との間に輻射加熱装置6を配設してある。この装置は輻射熱によりフィルム4を加熱するためのものである。熱風吹き出しノズル5間に配設する輻射加熱装置6は図2の斜視図に示すようにフィルム4の幅方向にブロック状に分割され、延伸するフィルムの幅方向に添って設置されている。個々の輻射加熱装置6はその加熱面からフィルム面までの距離を調整するための装置7を付属させる。また、この輻射加熱装置6には個々に給電線を接続し、加熱量を調整できるようにする。フィルムの加熱量の調整は輻射加熱装置6の表面温度を個別に調整することによって行う。この表面温度は、図3に示すRe斑(色斑)検出装置8によって検出された情報により、出力電力量を変更することによって調節される。輻射加熱装置6はフィルム4の上下に設置されている。輻射加熱装置6の加熱面からフィルム面までの距離は20〜150mmの範囲で変えることができるようにする。この輻射加熱装置6は概略120mm*120mm、120mm*60mmなどの大きさのものを用い必要に応じて公知のものを用いることができる。この加熱装置の表面温度はフィルムの必要な加熱量にもよるが400℃程度まで加熱できるものが好ましい。加熱装置はフィルムの幅方向で見た場合、ある列のものとその隣り合う列のものと互いに千鳥状に配置するのが好ましい。
【0049】
図1の延伸ゾーン2においてフィルム4の延伸が開始される。この際ゾーン1からゾーン2にフィルムが入って後に延伸が開始される。更に第2段目の延伸をその次のゾーンにて実施することができる。
【0050】
この延伸ゾーン2において本願発明で問題になる延伸の際の複屈折斑によるRe斑が生じる場合が多い。先に述べたように延伸前のフィルムの厚み斑が全く無いフィルムを延伸したとしてもこのRe斑は解消することが難しい。この斑は延伸時の延伸張力がフィルム全面に均一にかからないことに起因する。例えば幅方向の端部ではフィルムの走行方向において幅が縮小するように斜め方向に収縮する。また幅方向の内側では端部と比較するとフィルムの走行方向にほぼ平行に波状のしわが発生する。すなわち走行時にフィルムの平坦性が損なわれて延伸されるため斑を発生する。そして、この現象はフィルムの延伸張力が大きい程一般には顕著になる。すなわち、高倍率延伸や低温延伸のようにフィルムに延伸時の張力がかかり易い延伸の条件ほどこの現象は起こり易くなる。この波状のしわは延伸の条件によっても変わる。
【0051】
該フィルムをクロスニコル下で観察すると明らかに延伸斑が色斑として検出される。この場合色斑はフィルムの幅方向においてランダムに現れるのではなく幅方向にある程度規則性を持った帯状に見えることが多い。
【0052】
図3は本願発明のRe斑検出装置8を示している。目視の場合には図3におけるRe斑検出装置8の位置から偏光板を貼りつけた眼鏡(検光子)を掛けて見ることによってRe斑を色斑として検出することができる。ライトボックス9の中には広幅で均一な強い光を放射するランプを設置する。この中には蛍光管を数本並べて光源箱とするのが好ましい。この箱の表面には透明なガラス板や透明樹脂からなるシートを貼りつける。更にこの透明体の表面にスリガラスや透明フィルムからなる光拡散板を設置する。次いで、ライトボックスの表面全面に偏光板10を貼りつけ、直線偏光を得るようにする。ライトボックス9の面を、走行フィルム面4に平行にセットして、ボックスからの光をフィルムに投射する。目視の場合には、Re斑が無いと全面が均一に着色して見える。一方Re斑があると色斑が観察できる。
【0053】
図4は延伸後のフィルムの幅方向のRe分布を色斑として示す図である。この例▲1▼では、Reが他の部分とは異なっている部分、すなわちRe斑が二ヵ所ある場合を示している。なお、この例ではRe斑は他の部分よりRe値が大きくなっているが、この逆に他の部分より小さくなっている場合もRe斑に該当する。
【0054】
このフィルムのRe斑は対応する部分をより強く輻射加熱することで改良される。すなわち他の部分との差異が小さくなる。なお、Re斑のある部分のRe値が他の部分より小さくなっている場合はより弱く輻射加熱することで改良されることになる。
【0055】
図4の▲2▼はこの対策後のRe値を示している。輻射加熱装置の加熱の程度は当該輻射加熱装置の表面温度とフィルムからの距離で決められるが、Reの変化量と輻射加熱装置の表面温度および/またはフィルムからの距離との関係は試行錯誤で求めることができる。
【0056】
このように色斑としてのRe斑が比較的大きい場合には検光子を通して目視観察して、フィルム上の色斑の程度、場所を確認し、これに対応して必要加熱個所の輻射加熱装置の温度やフィルムからの距離を変化させ、色斑が観察できなくなるまでこの必要加熱個所の輻射加熱装置の温度やフィルムからの距離の変化を繰り返して行う。Re斑を修正するために輻射加熱装置のどの部位の加熱量をどの程度変更するか、輻射加熱装置とフィルムとの距離をどの程度変更するかを定めるために予め輻射加熱装置の特定部位の加熱量をどの程度変え、輻射加熱装置とフィルムとの距離をどの程度変えるとRe値がどの程度変動するかについてデータを得ておくのが望ましい。
【0057】
Re斑検出装置8を使用する場合には、Re斑検出装置8から採った画像データを処理して、カラーの色差を検出して輻射加熱装置6の部位と温度とを指定して、輻射加熱装置に送る電力量を決めることができる。カラーの色差検出には市販の分光放射計を用いることができる。
【0058】
この操作を自動化する場合には、Re斑検出装置8から採った画像データ、望ましくはデジタルデータを画像解析し、これによってフィルムに発生するレターデーション斑の位置、範囲および/または外観からレターデーション斑の原因および/または程度を決定し、これらのレターデーション斑の原因および/または程度のデータから変更すべきフィルム加熱条件を決定し、その変更すべきフィルム加熱条件をフィルム製造設備にフィードバックしてフィルム加熱条件を制御することによってフィルムの光学的斑を変更することができる。このフィルム加熱条件の変更は上述のごとく、輻射加熱装置6の特定の部位に送る電力量を変化させることによって行なうことができる。この調整操作が長時間に渡る場合や途中でReが変化して斑が生じるような場合には自動的に制御するようにするのがよい。
【0059】
なお、上記においては、輻射加熱装置6の加熱を変更する場合について説明したが、本願発明はこれに制限されるものではなく、加熱の変更はフィルムの延伸工程にとどまらず、流延後のフィルムを剥離した後から予熱工程、延伸工程およびその後のいずれの段階においても可能である。ただし未延伸で含有溶媒の濃度が高い段階および延伸後は効果が小さくなるので延伸工程で行なうのが最も効率が良い。
【0060】
本願発明に係る加熱方法としては例示のごとき輻射による方法の外、対流、熱伝導による方法も含まれる。たとえば熱風吹き付けや加熱ローラーの使用である。
【0061】
また、本願発明に係る加熱条件の制御は、例示のごとく供給電力を変更して加熱装置の特定の部位の加熱能力を変化させる方法の外、加熱装置とフィルムとの間の距離を変化させる方法、吹きつき風量を変化させる方法、供給熱媒体流量を変化させる方法等が考えられる。
【0062】
【実施例】
以下に、本願発明の実施例を説明する。なお、本願発明はこの実施例によって制限を受けるものではない。
フィルム特性の測定方法は以下の通りである。
【0063】
[Re斑の測定]
製膜工程から切り出したフィルムをオフラインで測定した。測定器は新王子製紙(株)製の複屈折率測定器KOBRA−21ADH、またはKOBRA−21SDHを用いて測定した。Re斑としては、フィルム1m幅(フィルムを連続生産した場合にフィルムの移動する方向と直交する方向)あたりのRe斑の最大値と10mm離れた任意の二点間のRe斑の最大値とを求めた。なお、フィルム1m幅あたりのRe斑の最大値は、フィルムの幅方向中央部から左右に50cm(従って全体で1m)離れた2点間のReを連続的に測定したときのその連続したデータのうちの最大値と最小値との差を表わしたものであり、10mm離れた任意の二点間のRe斑の最大値は、その1m幅について5mm間隔でReを測定し、得られた201点のReについて、すべての隣接する10mmの点(199点になる)間のReの差を求め、その最大値を求めたものである。なお、各実施例について特に言及しない限り、両者およびReの平均値は生産の10m毎に測定した20個のサンプルについてのものであり、Re平均値はそのサンプル全体についてのものである。
【0064】
[実施例1]
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製の商品名「パンライト(登録商標)グレードC−1400QJ」 ポリマーのTg=158℃)、粘度平均分子量38,000をメチレンクロライドの溶媒に溶解させ、18重量%の溶液を作成した。
【0065】
この溶液をフィルター(アドヴァンテック(株)製のフィルター、商品名デプスカートリッジフィルター、TCPD−05A、平均孔径0.5μm)に通し内部異物を除去した。こうしてキャスト用の清浄な溶液を作成した。次いで、溶液並びに支持体の温度を13±0.5℃に調節して、乾燥後のフィルムの厚みが75μmになるように液膜の厚みを調節して支持体上に溶液を流延し、乾燥させ、フィルムを支持体より剥ぎ取った。この時のフィルム中の残留溶媒量は23重量%であった。
【0066】
その後、剥ぎ取り直後のフィルムを引き取った。その際、引き取りローラーとしてその表面をフッ素樹脂を被覆したものを用いた。また、搬送ローラーの表面も全てフッ素樹脂で被覆したものを用いた。これらのローラ−の表面粗さRaは0.1μmであった。引き取り張力はダンサーローラーに掛ける張力で制御し5Kg/1mフィルム幅であった。次いでフィルム端部を把持して、120℃に加熱して拡幅し、1.10倍だけフィルムの進行方向と直角方向に延伸した。更に、該フィルムをロール懸垂形乾燥機に導入して残留溶媒量が0.5重量%以下とした。このフィルムを、図1の装置を用い、更に50℃に保った予熱ゾーン1に通膜し、その後延伸ゾーン2にてノズルから吹き出される熱風温度を152℃として該フィルムを走行方向に1.2倍延伸した。次いで、図1には示されていない第2段目延伸ゾーンにおいて熱風温度158℃にて第2段目の延伸1.1倍を実施した。第1延伸ゾーン(図1の2)では図1の輻射加熱装置の6−(1)と6−(2)とを用いて輻射加熱を実施した、この際、フィルムの面に対し実質的に垂直方向から偏光板を通した光をフィルムに投射し、その透過光を偏光板を通してレターデーション斑の像を色斑としてモニターテレビ画面に写し、目視で検出しながら輻射加熱装置6の各部位の表面温度を変えて全画面の色斑を解消するまで調整した。輻射加熱装置6は発熱面12cm平方のヒーターを密接してフィルムの幅方向に並べたものを用い、加熱面からフィルム面までの距離を100mmにした。
【0067】
得られたフィルムのReはその平均値が580nm、フィルム1m幅あたりのRe斑の最大値は2nm以内、10mm離れた任意の二点間のRe斑の最大値は0.9nm以内であり極めて均一な位相差フィルムを得ることができた。
【0068】
[比較例1]
Re斑を輻射加熱装置で制御しない以外は実施例1と同様にして延伸フィルムを製造し、実施例1と同じ条件(延伸温度、延伸倍率、熱風条件など)で延伸操作を実施した。この際、延伸時に発生した縦皺の影響によって特にフィルムの端部においてRe斑(色斑)が発生し、延伸の温度(熱風の温度)条件を変えて延伸張力を下げてもこの斑は解消できなかった。
【0069】
[実施例2]
実施例1と同様にして、キャストフィルムを作成し、ピンテンター横延伸、ついで縦延伸を実施した。
【0070】
図5に輻射加熱ヒーターの配置、加熱強度、などとRe斑との関係をテストした結果を模式的に示した。すなわち、このテストは輻射加熱ヒーターの位置、加熱強度の変更によりRe斑を変化させるための条件の確認実験を実施した結果を模式的に示したものである。
【0071】
図5の▲1▼はReが均一に分布していて色斑が観察されない場合の例を示す。この場合、フィルム1m幅あたりのRe斑の最大値は3nm以内、10mm離れた任意の二点間のRe斑の最大値は1nm以内であり、狭い幅で急激に変化する筋状のRe斑(無延伸フィルムの厚み斑に起因するもの)は無かった。
【0072】
図5の▲2▼は▲1▼のReの均一性に優れたフィルムに対して、輻射加熱を延伸ゾーン(図1の2)の輻射加熱装置6−(1)で実施した結果である。この場合12cm平方の輻射加熱装置6−(1)の、フィルムの幅方向中央部に当たる部位について、フィルム面との距離を100mmとし、この部位にあるヒーターユニットの表面温度を200℃として加熱した場合を示している。この場合フィルムの幅方向中央部で約100mmに渡って、Reの低い部分を作ることができることが分かった。
【0073】
また図5の▲3▼は12cm平方の輻射加熱ヒーター6−(1)の、フィルムの幅方向中央部に当たる部位について、ヒーターユニットを3台密接して並べて制御したものである。いずれもヒーターユニットの表面温度は200℃とし、フィルム表面までの距離を100mmとした。この場合には図5の▲2▼を3個重ねあわせたRe分布を示すことが分かった。
【0074】
これらのテスト結果から明らかな如く、フィルム面との距離、幅方向および走行または延伸方向の配列といった輻射加熱装置の位置と表面温度とによって、フィルムのRe値の変動を制御しうることが確認できた。
【0075】
[実施例3]
高分子の原料として、バイエル社のポリカーボネートであるAPEC−HT(高分子のTg=205℃)を用いてキャストフィルムを作成した。延伸はまずピンテンターで端部をピンにより把持して、165℃に加熱して1.04倍まで横方向に延伸した。次いで、フィルムの両端ピン部を切り除き、ロール懸垂形乾燥機によりフィルムの残留溶媒量が0.5重量%になるまで低下させた。このフィルムを図1に示す延伸機で1.3倍一段目延伸した。この際のノズルから噴き出す空気の温度は185℃とした。ここでは輻射加熱装置として、幅60mm長さ120mmのヒーターユニットを、フィルム幅方向にその長さ方向を合わせて密接して配列したものを用いた。ヒーターユニットの表面からフィルムまでの距離は50mmとした。次いで図1には示していない次のゾーンで200℃で1.1倍延伸した。個々のヒーターユニットの表面温度を変化させてRe斑を変更するように制御した。この際Re斑検出装置8で得られる画像と基準となるRe値の画像とをテレビモニターに一緒に写しておき、その色調が基準となるRe値の画像に極力近くなるように個々の加熱装置の輻射加熱量を調整して色斑が減少するように調整した。かくして得られた延伸フィルムのReはその平均値が620nm、フィルム1m幅あたりのRe斑の最大値が3nm以内、10mm離れた任意の二点間のRe斑の最大値が0.9nm以内であり、Reが均一な延伸フィルムを作ることができた。
【0076】
[実施例4]
実施例1とまったく同様の条件で延伸フィルムを製造し、実施例1と同様の条件で延伸し、ワインダーで巻き取った。
この際、フィルムの巻き取り前に、Reの測定器によりフイルムの幅方向のRe値の変化の様子を測定した。
この測定には市販のオンライン位相差測定器を用いた。
フィルムの幅方向における測定を10回繰返し、その平均値から幅方向全体のRe値のプロファイルを数値データで求めた。
ついでその数値データからRe斑の大きさ、そのフィルム面上の位置、範囲を決め、予め決めておいた、Re斑の大きさとこれを修正するのに必要な加熱量との関係から必要な加熱量を定めた。
ついで、この加熱条件をフィルム製造設備の一つである輻射加熱装置にフィードバックした。
このようなフィルム幅方向のRe斑の検出とRe斑を修正するためのフィルム加熱条件のフィードバックを繰り返すことにより、Reの平均値が580nm、フィルム1m幅あたりのRe斑の最大値が2nm以内、10mm離れた任意の二点間のRe斑の最大値が0.9nm以内の均一なReの位相差フィルムを得ることができた。
【0077】
【発明の効果】
延伸フィルムの製造において、延伸工程で生じる複屈折斑を主な原因とするRe斑を検出し、その斑を解消するように制御して、均一なレターデーションの光学用途のフィルムを製造する方法を提供する。本願発明により、延伸フィルムの製造を開始してからレターデーションの均一さが充分によくなり、安定化するまでの時間が短縮でき、製造中に生じたレターデーション斑の発生に対し、早急に対処することができ、またレターデーションを変化させて、特性の異なる製品を製造する際の条件変更時などにおいてその効果を発揮する。また長時間製造を続ける場合のRe斑の検出とその解消方法として効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係わる延伸装置の一例を示す。
【図2】本願発明に係わる延伸装置内の詳細の一例を示す斜視図である。
【図3】本願発明に係わるレターデーション斑の検出部の一例を示す。
【図4】本願発明に係わるレターデーションの幅方向の斑を色斑として示す模式図である。
【図5】フィルムのレターデーション分布を制御するためのレターデーションの幅方向の斑を示す模式図である。
【符号の説明】
1. 予熱ゾーン
2. 延伸ゾーン
3. フィルム搬送ローラー
4. フィルム
5. 熱風吹き出しノズル
6. 輻射加熱装置
7. 距離変更装置
8. Re斑検出装置
9. 光源箱(ライトボックス)
10. 偏光板
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a uniform and high-quality solution cast film with high productivity, and a manufacturing facility therefor. More specifically, by detecting the retardation spots generated in the film produced by casting and stretching the solution, and analyzing the image, the cause of the spots from the occurrence position, range and / or appearance of the generated retardation spots and The present invention relates to a method and apparatus for determining the degree and / or implementing measures for eliminating the spots.
[0002]
[Prior art]
As the retardation film, a stretched polymer resin, particularly a stretched polycarbonate film is used.
[0003]
In the film, one of the important characteristics is uniformity of optical characteristics. In other words, a high degree of retardation (abbreviated as Re in the present specification) is required.
[0004]
The Re value is expressed as the product (Δn * d) of birefringence (Δn) and thickness (d). Therefore, in order to make the Re value uniform and prevent optical spots from occurring, it is necessary to control and manufacture so as not to generate birefringence spots and thickness spots of the film. When analyzing the production process of the film, the thickness unevenness of the film often exists in the cast film before stretching. For example, there are those caused by vertical spots that are substantially parallel to the running direction of the film, horizontal spots called so-called horizontal spots, etc. that are substantially perpendicular to the running direction, and thickness spots that have almost no regularity such as leveling defects.
[0005]
Such thickness unevenness occurring in the film before stretching is often solved by various conventional techniques, and some of these techniques are disclosed. In other words, vertical spots are devised by extruding the lip structure of the extrusion die to control the time variation of the resin flow, and horizontal spots are the opening of the extrusion die lip, the distance between the lip tip and the support, and the flow characteristics of the resin solution. In addition, the leveling can be substantially eliminated by drying the liquid film cast on the support without causing disturbance due to a non-uniform air flow or the like.
[0006]
However, even if various spots of the film before stretching are completely eliminated, the following optical spots are further generated in the stretched film. That is, another characteristic that constitutes Re, that is, speckles may occur in birefringence.
[0007]
It has been found that birefringence spots are often related to how the film deforms during stretching.
[0008]
These spots are caused by wrinkles such as vertical wrinkles and cross-shaped wrinkles that occur during stretching, those caused by fluctuations in tension during stretching, and those caused by bending of the stretching line in the film width direction. In general, the birefringence spots generated during film stretching are such that the width direction of the film is larger than the longitudinal direction of the film (that is, the stretching direction). Unevenness due to bending of the stretched line that occurs because the tension is not uniformly applied in the width direction occurs at several points in the width direction of the stretched film as a result of the stretched line being stretched without being aligned in the width direction of the film. This is because wrinkles may cause phenomena such as movement in the width direction over time. Further, there may be a case where Re is not uniformly distributed in the width direction of the film due to a difference in the tension applied in the width direction of the film. The wavy wrinkles that occur during the longitudinal stretching are stretched all at once in the width direction immediately after the film leaves the roll surface where the stretching tension is applied, and if the stretched lines are straight, they are eliminated. This is made difficult by the slight unbalance of the stretching tension between the width direction and the running direction. Furthermore, when the film slides on the roll surface due to stretching tension, a fatal problem may occur as a retardation film that generates scratches.
[0009]
In order to impart a high degree of uniformity to the Re value, factors caused by unstretching, particularly retardation spots due to thickness spots, and retardation spots mainly caused by birefringence spots during stretching are separated. It is extremely important to control the separated spots individually to control the optical properties of the film uniformly.
[0010]
As a technique for producing a film with little thickness unevenness of the film before stretching and a technique for uniformly stretching the film, JP-A-2-59703, JP-A-2-256003, and JP-A-2-256003 are known materials that regulate film thickness unevenness and Re unevenness. JP-A-6-279598, JP-A-8-101305, JP-A-8-101308, and the like are disclosed.
[0011]
In JP-A-2-59703, a polymer film having a thickness (x) fluctuation width of 0.1X or less and a change rate of 0.015X / cm or less is uniaxially stretched to obtain a fluctuation width of the retardation value. Is 10% or less, and the manufacturing method of the retardation film whose change rate is 1.8% / cm or less is disclosed.
[0012]
JP-A-8-101305 discloses a polymer film having birefringence, characterized in that the difference in thickness from a point 1 cm away from an arbitrary point in the film plane is 0.3 μm or less. In JP-A-8-101308, the thickness difference of an unstretched film is 0.5 μm or more and 3 μm in thickness difference between adjacent thick and thin portions in both the film transport direction and the width direction. In the following, a raw film having a wavy variation with a pitch of 1 mm to 40 mm or less is stretched uniaxially or biaxially, and the retardation value between any two points separated from each other by 10 cm within the film plane. There has been proposed a retardation plate characterized in that the difference is 5 nm or less.
[0013]
JP-A-2-256003 discloses an optical film in which the thickness unevenness of the film is regulated. When the thickness unevenness is measured continuously in the extrusion direction, the thickness amplitude is 50 mm or less. It is specified that a polymer film having a sinusoidal thickness variation of 0.5 μm or more does not exist. Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-279598 discloses a heat-resistant transparent film which is a polymer film having a thickness of 200 μm or less and whose thickness change in the vicinity thereof is 0.5% or less of the average thickness of the film.
[0014]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-300925 discloses a method for making Re spots uniform in the stretching step. This is a method for producing a retardation film formed by uniaxially stretching a resin film. In the method for producing a retardation film, the fluctuation in tension applied to the film being stretched is controlled within a range of ± 1%. This is a technique for controlling fluctuations to be small.
[0015]
JP-A-8-101306 discloses a method of longitudinally uniaxially stretching by providing a stretching temperature gradient in the width direction of the film. This is a technique for correcting the U-shaped distribution of the retardation value in the width direction, which occurs due to the proximity roll stretching, because the neck-in situation differs between the both ends and the center in the film width direction. These techniques are techniques for eliminating comparatively gentle retardation spots such as a U-shape in the width direction.
[0016]
JP-A-8-327820 discloses a uniform retardation film in which the film is uniformly heated and stretched so that the temperature difference between any two points 1 cm apart from the film is 0.3 ° C. or less. Techniques for making are disclosed.
[0017]
In JP-A-9-230137, in a method for producing a retardation film, a film heated at the time of stretching is pressed against the surface of a stretching roll with heated air to prevent the film from lifting and wrinkles are generated in the film. A method for obtaining a retardation film with little variation in retardation is disclosed.
[0018]
JP-A-9-304616 discloses a method for producing a retardation film by uniaxially stretching a resin film, wherein the thickness of the stretched film is thicker as it approaches the center from both ends. A manufacturing method is disclosed.
[0019]
Summarizing these methods, it is now possible to keep the thickness unevenness present in the film before stretching sufficiently small depending on the preferred design of the extrusion die and the film forming conditions of the cast. That is, as described above, the retardation unevenness caused by the thickness unevenness before stretching of the film can be solved by various techniques.
[0020]
On the other hand, retardation spots caused by birefringence spots generated during film stretching have not been sufficiently improved by the above-described technique, and there are still problems to be solved.
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the inventors of the present application have made extensive studies on the method of detecting and eliminating Re spots. As a result, the Re spots on the film are obtained as an image, image analysis is performed, and the results are fed back to the manufacturing facility. The present invention has been found out that it can be easily solved. In the present invention, “obtaining as an image” includes not only direct observation with the naked eye but also acquisition as video data by an optical or electronic method.
[0022]
[Means for Solving the Problems]
  The present invention is as follows.
  1.A stretched film production facility comprising the following means (a), (b), (c), and (e):
(A) means for projecting light that has passed through a polarizing plate from a direction perpendicular to the film surface, detecting the transmitted light through the polarizing plate, and obtaining retardation spots of the film;
(B) means for obtaining digital data from the image of the retardation spots,
(C) By analyzing the digital data, the degree of retardation spots should be determined from the position, range and / or appearance of the retardation spots generated on the film, and should be changed from the data on the degree of retardation spots. Means for determining film heating conditions; and
(E) Means for changing the optical spots of the film by feeding back the film heating condition to be changed in (c) and controlling the film heating condition.
[0023]
  2.2. The stretched film production facility according to 1 above, wherein the film heating conditions to be changed are fed back and the film heating conditions are controlled in the stretching step.
[0024]
3. 3. The film production facility according to 1 or 2 above, wherein the film is a polymer film.
[0025]
4). 3. The film production facility according to 1 or 2 above, wherein the film is a polycarbonate film.
[0026]
5). 3. The film production equipment according to 1 or 2 above, wherein the film is a film produced by means of casting a polymer solution on a support, separating after drying and producing a cast film.
[0027]
6). 3. The film production equipment according to 1 or 2 above, wherein the film is a film produced by means of casting a polycarbonate solution on a support, peeling off after drying, and producing a cast film.
[0028]
7. The manufacturing method of the stretched film which uses the manufacturing equipment in any one of said 1-6.
[0029]
Here, 7 “a method for producing a stretched film using any one of production facilities 1 to 6 above” means more specifically the following invention.
[0030]
  8).The manufacturing method of the stretched film characterized by including each process of following (f)-(i).
(F) projecting light passing through the polarizing plate from a direction perpendicular to the film surface, detecting the transmitted light through the polarizing plate, and obtaining retardation spots of the film;
(G) obtaining digital data from the image of the retardation spots,
(H) By analyzing the image of this digital data, the degree of retardation spots should be determined from the position, range and / or appearance of the retardation spots generated on the film and changed from the data on the degree of retardation spots. Determining film heating conditions; and
(I) A step of changing the optical spots of the film by feeding back the film heating condition to be changed in (h) and controlling the film heating condition.
[0031]
  9.9. The method for producing a stretched film as described in 8 above, wherein the film heating conditions to be changed are fed back and the film heating conditions are controlled in the stretching step.
[0032]
10. 10. The method for producing a film as described in 8 or 9 above, wherein the film is a polymer film.
[0033]
11. 10. The method for producing a film as described in 8 or 9 above, wherein the film is a polycarbonate film.
[0034]
12 10. The method for producing a film as described in 8 or 9 above, wherein the film is a film prepared by casting a polymer solution on a support, drying and then peeling to produce a cast film.
[0035]
13. 10. The method for producing a film as described in 8 or 9 above, wherein the film is a film produced by casting a polycarbonate solution on a support, drying and then peeling to produce a cast film.
[0036]
The present invention will be described in detail below.
All resins that can be manufactured by casting can be applied to the present invention. For example, a cellulose resin, a polycarbonate resin, a polyarylate resin, a polyolefin resin, a polystyrene resin, a vinyl chloride resin, an acrylic resin, a polysulfone resin, a polyethersulfone resin, and a mixture of two or more of these Examples include copolymerization.
[0037]
The polymer resin particularly preferably applicable is an aromatic polycarbonate type. The polycarbonate will be described in detail below, but the present invention is not limited to this.
[0038]
a) Aromatic polycarbonate and viscosity average molecular weight
The aromatic polycarbonate used in the present invention is not particularly limited as long as it is an aromatic polycarbonate capable of obtaining desired film properties. In general, a polymer material generally called an aromatic polycarbonate means a material obtained by polycondensation of a phenol derivative and phosgene, diphenyl carbonate or the like. Usually, an aromatic polycarbonate represented by a repeating unit having 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane, which is called bisphenol A, as a bisphenol component (in this specification, this bisphenol A is a bisphenol component) Aromatic polycarbonate is referred to as bisphenol A polycarbonate), but the aromatic polycarbonate copolymer is formed by selecting various other bisphenol derivatives together with 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane. can do.
[0039]
Examples of such copolymer components include bis (4hydroxyphenyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane (also referred to as bisphenol-Z), and 9,9-bis (4-hydroxyphenyl) fluorene (bisphenol). FL), 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) -3,3,5-trimethylcyclohexane, 9,9-bis (3-methyl-4-hydroxyphenyl) fluorene, 2,2-bis ( 4-hydroxy-3-methylphenyl) -2-phenylethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) -1,1,1,3,3,3-hexafluoropropane, bis (4-hydroxyphenyl) Diphenylmethane, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide, bis (4-hydroxyphenyl) sulfide Bis (4-hydroxyphenyl) sulfone and the like. Moreover, it is also possible to use the polyester carbonate which contains a terephthalic acid and / or isophthalic acid component in the carbonic acid component in part. Thus, by substituting bisphenol A and a part of the carbonic acid component with other structural units, the properties of the aromatic polycarbonate such as heat resistance and solubility can be improved.
[0040]
The aromatic polycarbonate used in the present invention has a viscosity average molecular weight of 20,000 or more and 200,000 or less. A viscosity average molecular weight of less than 20,000 is not preferable because the viscosity of the solution is too low to control the film thickness. On the other hand, when the viscosity average molecular weight exceeds 200,000, the solution viscosity becomes too high and it becomes difficult to control the film thickness. A particularly preferable viscosity average molecular weight is 30,000 or more and 70,000 or less.
[0041]
b) Dissolution process
Examples of the solvent used for dissolving the aromatic polycarbonate in the present invention include conventionally known solvents mainly composed of methylene chloride or 1,3-dioxolane. For example, a solvent in which the content of methylene chloride or 1,3-dioxolane is 98.0 to 100% by weight and the content of a mixture of ethanol and pentanol is 0.0 to 2.0% by weight is an example. .
[0042]
c) Casting process
Film production in the case of aromatic polycarbonate includes, for example, the following steps.
That is, the obtained solution can be cast and formed on a support such as a steel belt, a drum, or a support film (generally a biaxially oriented film of polyester) by a known method. Immediately after casting, it is preferable that the liquid film be uniformly dried without unevenness so that external force such as wind force is not received as much as possible, and after the second half is in a semi-solidified state, hot air is blown to promote drying.
[0043]
The film obtained by evaporating a predetermined amount of the solvent by drying in this way is peeled from the support under the conditions that the residual solvent amount of the film is 21 to 25% by weight and the support temperature is 0 to 14 ° C., for example. .
[0044]
The temperature of the support at this time is the surface temperature immediately after peeling the film. This can be measured with a contact or non-contact thermometer. At the time of peeling, the temperature of the film is adjusted by blowing hot air or the like so that the surface temperature of the support and the temperature of the film become substantially equal. If the solvent content at the time of peeling and the temperature of the support deviate from the specified conditions, the film tends to be deformed at the time of peeling and the transparency is lowered, which is not preferable.
[0045]
d) Stretching process
The film after peeling is preliminarily dried and simultaneously stretched. In this lateral stretching, the film is stretched 3 to 20% (1.03 to 1.20 times) in the width direction by a so-called pin tenter that holds both ends in the film width direction with pins. By this transverse stretching, so-called vertical streak-like thickness spots generated in the running direction of the film are remarkably reduced, and the contribution of thickness spots in the unstretched film to Re spots is remarkably reduced. The film after transverse stretching is dried with a roll-suspended dryer or the like until the residual solvent amount is, for example, 0.1% by weight to 2.0% by weight. More preferably, drying is performed so that the concentration is 0.1% by weight to 1.5% by weight. When the amount of residual solvent is 0.1% by weight or less or exceeds 2.0% by weight, it is not preferable because the effect of homogenizing optical properties during uniaxial stretching is small.
[0046]
In the step of stretching the film, uniaxial stretching is performed in the longitudinal direction. Detailed description will be given below with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a preheating zone 1 which is a part of a preheating device before stretching, and a subsequent stretching zone 2.
[0047]
The transport roller 3 is for guiding the film 4 to the stretching zone 2 by running the film 4 with good flatness. The hot air blowing nozzle 5 is used to uniformly heat the hot air blowing film 4 at a high speed at which the wind speed at the nozzle tip is about 10 m / sec to 30 m / sec, and is arranged orthogonal to the film running direction. . The distance between the tip of the nozzle outlet and the film 4 is preferably set in the range of 5 to 20 mm.
[0048]
In the present invention, a radiant heating device 6 is disposed between the hot air blowing nozzle 5 and another hot air blowing nozzle 5 adjacent thereto. This apparatus is for heating the film 4 by radiant heat. The radiant heating device 6 disposed between the hot air blowing nozzles 5 is divided into blocks in the width direction of the film 4 as shown in the perspective view of FIG. 2, and is installed along the width direction of the film to be stretched. Each radiant heating device 6 is accompanied by a device 7 for adjusting the distance from the heating surface to the film surface. Further, a power supply line is individually connected to the radiant heating device 6 so that the heating amount can be adjusted. The amount of heating of the film is adjusted by individually adjusting the surface temperature of the radiant heating device 6. This surface temperature is adjusted by changing the output power amount according to the information detected by the Re spot (color spot) detection device 8 shown in FIG. The radiant heating device 6 is installed above and below the film 4. The distance from the heating surface of the radiant heating device 6 to the film surface can be changed within a range of 20 to 150 mm. The radiant heating device 6 has a size of approximately 120 mm * 120 mm, 120 mm * 60 mm or the like, and a known device can be used as necessary. The surface temperature of the heating device is preferably one that can be heated to about 400 ° C. although it depends on the required heating amount of the film. When viewed in the width direction of the film, the heating devices are preferably arranged in a staggered manner from one row and the next row.
[0049]
The stretching of the film 4 is started in the stretching zone 2 of FIG. At this time, the film enters the zone 2 from the zone 1 and then stretching is started. Further, the second stage stretching can be carried out in the next zone.
[0050]
In this stretching zone 2, Re spots due to birefringence spots are often generated during stretching, which is a problem in the present invention. As described above, even if a film having no thickness unevenness of the film before stretching is stretched, it is difficult to eliminate the Re spots. This unevenness is caused by the fact that the stretching tension during stretching is not uniformly applied to the entire surface of the film. For example, at the end in the width direction, the film contracts in an oblique direction so that the width decreases in the running direction of the film. On the inner side in the width direction, wave-like wrinkles are generated substantially parallel to the running direction of the film as compared with the end portion. That is, when running, the flatness of the film is impaired and the film is stretched to generate spots. This phenomenon becomes generally more noticeable as the stretching tension of the film increases. That is, this phenomenon is more likely to occur as the film is stretched such that high tension stretching and low temperature stretching tend to apply tension during stretching. This wavy wrinkle also changes depending on the stretching conditions.
[0051]
When the film is observed under crossed Nicols, stretched spots are clearly detected as colored spots. In this case, the color spots do not appear at random in the width direction of the film, but often appear as a band having some regularity in the width direction.
[0052]
FIG. 3 shows the Re spot detection device 8 of the present invention. In the case of visual observation, Re spots can be detected as color spots by wearing glasses (analyzer) with polarizing plates attached from the position of the Re spot detector 8 in FIG. In the light box 9, a lamp that radiates a wide and uniform strong light is installed. Among them, it is preferable to arrange several fluorescent tubes as a light source box. A transparent glass plate or a sheet made of a transparent resin is attached to the surface of the box. Further, a light diffusing plate made of ground glass or a transparent film is installed on the surface of the transparent body. Next, a polarizing plate 10 is attached to the entire surface of the light box to obtain linearly polarized light. The surface of the light box 9 is set parallel to the traveling film surface 4 and the light from the box is projected onto the film. In the case of visual observation, the entire surface appears to be uniformly colored when there are no Re spots. On the other hand, when there are Re spots, color spots can be observed.
[0053]
FIG. 4 is a diagram showing the Re distribution in the width direction of the stretched film as color spots. In this example {circle around (1)}, a portion where Re is different from other portions, that is, a case where there are two Re spots is shown. In this example, the Re spot has a Re value larger than that of the other part, but conversely, the case where it is smaller than the other part also corresponds to the Re spot.
[0054]
The Re spots of this film are improved by radiantly heating the corresponding part. That is, the difference from other parts is reduced. In addition, when the Re value of the part with Re spots is smaller than other parts, it is improved by radiant heating weaker.
[0055]
(2) in FIG. 4 shows the Re value after this countermeasure. The degree of heating of the radiant heating device is determined by the surface temperature of the radiant heating device and the distance from the film, but the relationship between the amount of change in Re and the surface temperature of the radiant heating device and / or the distance from the film is trial and error. Can be sought.
[0056]
Thus, when Re spots as color spots are relatively large, visually observe through the analyzer to confirm the degree and location of the color spots on the film, and correspondingly, the radiation heating device of the necessary heating point The temperature and the distance from the film are changed, and the change of the temperature of the radiant heating device at the necessary heating point and the distance from the film is repeated until the color spots cannot be observed. Heating a specific part of the radiant heating device in advance to determine how much the amount of heating in the radiant heating device is changed to correct the Re spots and how much the distance between the radiant heating device and the film is changed It is desirable to obtain data on how much the amount is changed and how much the Re value fluctuates when the distance between the radiant heating device and the film is changed.
[0057]
When the Re spot detection device 8 is used, the image data taken from the Re spot detection device 8 is processed, the color difference of the color is detected, the part and the temperature of the radiation heating device 6 are designated, and the radiation heating is performed. The amount of power sent to the device can be determined. A commercially available spectroradiometer can be used for color difference detection.
[0058]
In the case of automating this operation, image data taken from the Re spot detection device 8, preferably digital data, is subjected to image analysis, whereby the retardation spot is determined from the position, range and / or appearance of the retardation spot generated on the film. The film heating condition to be changed is determined from the data of the cause and / or degree of these retardation spots, and the film heating condition to be changed is fed back to the film manufacturing facility to determine the film heating condition. The optical spots of the film can be changed by controlling the heating conditions. As described above, this film heating condition can be changed by changing the amount of electric power sent to a specific part of the radiant heating device 6. When this adjustment operation takes a long time or when Re changes in the middle and spots appear, it is preferable to control automatically.
[0059]
In the above description, the case of changing the heating of the radiant heating device 6 has been described. However, the present invention is not limited to this, and the change of heating is not limited to the film stretching step, but the film after casting. It is possible in the preheating process, the stretching process, and any subsequent stage after peeling. However, since the effect is small after unstretched and the concentration of the containing solvent is high and after stretching, it is most efficient to carry out the stretching process.
[0060]
The heating method according to the present invention includes a method by convection and heat conduction in addition to the method by radiation as illustrated. For example, hot air spraying or use of a heating roller.
[0061]
In addition, the control of the heating condition according to the present invention is a method of changing the distance between the heating device and the film in addition to the method of changing the power supply and changing the heating capacity of a specific part of the heating device as illustrated. A method of changing the amount of blowing air, a method of changing the flow rate of the supply heat medium, and the like are conceivable.
[0062]
【Example】
Examples of the present invention will be described below. The present invention is not limited by this embodiment.
The method for measuring film properties is as follows.
[0063]
[Measurement of Re spots]
The film cut out from the film forming process was measured off-line. The measuring device was measured using a birefringence measuring device KOBRA-21ADH or KOBRA-21SDH manufactured by Shin-Oji Paper Co., Ltd. As Re spots, the maximum value of Re spots per 1 m width of film (the direction perpendicular to the direction of movement of the film when the film is continuously produced) and the maximum value of Re spots between any two points 10 mm apart Asked. In addition, the maximum value of Re spots per 1 m width of the film is the continuous data when measuring Re between two points 50 cm away from the center in the width direction of the film (and thus 1 m in total). It represents the difference between the maximum value and the minimum value, and the maximum value of Re spots between any two points 10 mm apart is 201 points obtained by measuring Re at 5 mm intervals for the 1 m width. For Re, the difference in Re between all adjacent 10 mm points (becomes 199 points) was obtained, and the maximum value was obtained. Unless otherwise specified for each example, the average value of both and Re is for 20 samples measured every 10 m of production, and the Re average value is for the entire sample.
[0064]
[Example 1]
Aromatic polycarbonate resin (trade name “Panlite (registered trademark) grade C-1400QJ” manufactured by Teijin Chemicals Ltd., polymer Tg = 158 ° C.), viscosity average molecular weight 38,000 was dissolved in methylene chloride solvent, 18 A weight percent solution was made.
[0065]
This solution was passed through a filter (a filter manufactured by Advantech Co., Ltd., trade name depth cartridge filter, TCPD-05A, average pore diameter 0.5 μm) to remove internal foreign matters. Thus, a clean solution for casting was prepared. Next, the temperature of the solution and the support is adjusted to 13 ± 0.5 ° C., the thickness of the liquid film is adjusted to 75 μm after drying, and the solution is cast on the support. It was made to dry and the film was peeled off from the support body. The amount of residual solvent in the film at this time was 23% by weight.
[0066]
Thereafter, the film immediately after peeling was taken off. At that time, a take-up roller having a surface coated with a fluororesin was used. Also, the surface of the transport roller was entirely covered with a fluororesin. The surface roughness Ra of these rollers was 0.1 μm. The take-up tension was controlled by the tension applied to the dancer roller, and the film width was 5 kg / 1 m. Next, the film edge was grasped, heated to 120 ° C. to widen, and stretched in the direction perpendicular to the film traveling direction by 1.10 times. Further, the film was introduced into a roll-suspended dryer so that the residual solvent amount was 0.5% by weight or less. This film was passed through the preheating zone 1 maintained at 50 ° C. using the apparatus shown in FIG. 1, and then the hot air temperature blown from the nozzle in the stretching zone 2 was set to 152 ° C. in the running direction. The film was stretched twice. Next, the second stage stretching 1.1 times was performed at a hot air temperature of 158 ° C. in a second stage stretching zone not shown in FIG. In the first stretching zone (2 in FIG. 1), radiant heating was performed using 6- (1) and 6- (2) of the radiant heating device of FIG. The light passing through the polarizing plate is projected onto the film from the vertical direction, and the transmitted light is projected on the monitor TV screen as a color spot image through the polarizing plate as a color spot, and is detected visually while detecting each part of the radiation heating device 6. It was adjusted until the surface temperature was changed to eliminate the color spots on the entire screen. As the radiant heating device 6, a heater having a heating surface of 12 cm square was closely arranged in the width direction of the film, and the distance from the heating surface to the film surface was set to 100 mm.
[0067]
The average value of Re of the obtained film is 580 nm, the maximum value of Re spots per 1 m width of the film is within 2 nm, and the maximum value of Re spots between any two points 10 mm apart is within 0.9 nm, which is extremely uniform. A retardation film could be obtained.
[0068]
[Comparative Example 1]
A stretched film was produced in the same manner as in Example 1 except that Re spots were not controlled by a radiant heating device, and a stretching operation was performed under the same conditions (stretching temperature, stretch ratio, hot air conditions, etc.) as in Example 1. At this time, Re spots (color spots) occur especially at the edges of the film due to the influence of the vertical warp generated during stretching, and even if the stretching tension is lowered by changing the stretching temperature (hot air temperature) conditions, these spots are eliminated. could not.
[0069]
[Example 2]
In the same manner as in Example 1, a cast film was prepared and subjected to pin tenter transverse stretching and then longitudinal stretching.
[0070]
FIG. 5 schematically shows the results of testing the relationship between the arrangement of radiant heaters, heating intensity, etc., and Re spots. In other words, this test schematically shows the result of an experiment for confirming the conditions for changing the Re spots by changing the position and heating intensity of the radiant heater.
[0071]
(1) in FIG. 5 shows an example where Re is uniformly distributed and color spots are not observed. In this case, the maximum value of Re spots per 1 m width of the film is within 3 nm, the maximum value of Re spots between any two points 10 mm apart is within 1 nm, and streaky Re spots that change rapidly with a narrow width ( There was no thing resulting from the uneven thickness of an unstretched film.
[0072]
(2) in FIG. 5 is a result of radiant heating performed on the film having excellent Re uniformity in (1) by the radiant heating device 6- (1) in the stretching zone (2 in FIG. 1). In this case, when the 12 cm square radiant heating device 6- (1) is heated with the distance from the film surface being 100 mm and the surface temperature of the heater unit at this position being 200 ° C. Is shown. In this case, it was found that a low Re portion could be made over about 100 mm at the center in the width direction of the film.
[0073]
Further, (3) in FIG. 5 is one in which three heater units are closely arranged and controlled at a portion corresponding to the central portion in the width direction of the film of the 12 cm square radiant heater 6- (1). In any case, the surface temperature of the heater unit was 200 ° C., and the distance to the film surface was 100 mm. In this case, it was found that a Re distribution in which three pieces of (2) in FIG.
[0074]
As is clear from these test results, it can be confirmed that the fluctuation of the Re value of the film can be controlled by the position of the radiant heating device such as the distance to the film surface, the width direction and the arrangement in the running or stretching direction and the surface temperature. It was.
[0075]
[Example 3]
A cast film was prepared using APEC-HT (polymer Tg = 205 ° C.), which is a polycarbonate from Bayer, as a polymer raw material. Stretching was first performed by pinching the end with a pin tenter, heating to 165 ° C. and stretching in the transverse direction up to 1.04 times. Next, both end pin portions of the film were removed, and the film was lowered by a roll-suspended dryer until the residual solvent amount of the film was 0.5% by weight. This film was stretched 1.3 times by the stretching machine shown in FIG. The temperature of the air ejected from the nozzle at this time was 185 ° C. Here, as the radiant heating device, a heater unit having a width of 60 mm and a length of 120 mm was closely arranged in the film width direction so that the length direction thereof was closely aligned. The distance from the surface of the heater unit to the film was 50 mm. Next, the film was stretched 1.1 times at 200 ° C. in the next zone not shown in FIG. Control was made to change the Re spots by changing the surface temperature of each heater unit. At this time, an image obtained by the Re spot detection device 8 and a reference Re value image are copied together on a television monitor, and each heating device is set so that the color tone is as close as possible to the reference Re value image. The amount of radiant heating was adjusted to reduce color spots. The average value of Re of the stretched film thus obtained is 620 nm, the maximum value of Re spots per 1 m width of the film is within 3 nm, and the maximum value of Re spots between any two points 10 mm apart is within 0.9 nm. A stretched film with uniform Re can be produced.
[0076]
[Example 4]
A stretched film was produced under exactly the same conditions as in Example 1, stretched under the same conditions as in Example 1, and wound up with a winder.
At this time, before the film was wound, the state of change in the Re value in the width direction of the film was measured by a Re measuring device.
A commercially available on-line phase difference measuring device was used for this measurement.
The measurement in the width direction of the film was repeated 10 times, and the profile of the Re value in the entire width direction was obtained from the average value by numerical data.
Next, the size of the Re spots, the position on the film surface, and the range are determined from the numerical data, and the heating required from the relationship between the size of the Re spots and the heating amount necessary to correct this is determined. Determined the amount.
Subsequently, this heating condition was fed back to a radiant heating apparatus which is one of the film manufacturing facilities.
By repeating such detection of Re spots in the film width direction and feedback of film heating conditions for correcting Re spots, the average value of Re is 580 nm, and the maximum value of Re spots per 1 m width of the film is within 2 nm. It was possible to obtain a uniform Re retardation film in which the maximum value of Re spots between any two points 10 mm apart was within 0.9 nm.
[0077]
【The invention's effect】
In the production of stretched film, a method of producing a film for optical application with uniform retardation by detecting Re spots mainly caused by birefringence spots generated in the stretching process and controlling to eliminate the spots. provide. According to the present invention, the uniformity of the retardation is sufficiently improved after the production of the stretched film is started, the time until stabilization is shortened, and the occurrence of retardation spots occurring during the production is promptly dealt with. In addition, the effect is exhibited when changing the conditions when producing a product with different characteristics by changing the retardation. Also, it is effective as a method for detecting and eliminating Re spots when manufacturing is continued for a long time.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows an example of a stretching apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a perspective view showing an example of details in a stretching apparatus according to the present invention.
FIG. 3 shows an example of a retardation spot detection unit according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic view showing spots in the width direction of the retardation according to the present invention as color spots.
FIG. 5 is a schematic diagram showing unevenness in the width direction of the retardation for controlling the retardation distribution of the film.
[Explanation of symbols]
1. Preheating zone
2. Stretch zone
3. Film transport roller
4). the film
5). Hot air blowing nozzle
6). Radiation heating device
7. Distance change device
8). Re spot detector
9. Light source box (light box)
10. Polarizer

Claims (7)

下記(a)、(b)、(c)、(e)の各手段を含むことを特徴とする延伸フィルムの製造設備。A stretched film production facility comprising the following means (a), (b), (c), and (e):
(a)フィルム面に対し垂直方向から偏光板を通した光を投射し、その透過光を偏光板を通して検出し、フィルムの持っているレターデーション斑を得る手段、(A) means for projecting light passing through the polarizing plate from a direction perpendicular to the film surface, detecting the transmitted light through the polarizing plate, and obtaining retardation spots of the film;
(b)このレターデーション斑の像からデジタルデータを得る手段、(B) means for obtaining digital data from the image of the retardation spots,
(c)このデジタルデータを画像解析することによってフィルムに発生するレターデーション斑の位置、範囲および/または外観からレターデーション斑の程度を決定し、これらのレターデーション斑の程度のデータから変更すべきフィルム加熱条件を決定する手段、および(C) The digital data should be image-analyzed to determine the degree of retardation spots from the position, range and / or appearance of the retardation spots generated on the film, and should be changed from the data on the degree of retardation spots. Means for determining film heating conditions; and
(e)上記(c)の変更すべきフィルム加熱条件をフィードバックしてフィルム加熱条件を制御することによってフィルムの光学的斑を変更する手段。(E) Means for changing the optical spots of the film by feeding back the film heating conditions to be changed in (c) and controlling the film heating conditions.
変更すべきフィルム加熱条件がフィードバックされ、フィルム加熱条件が制御されるのが延伸工程である請求項1記載の延伸フィルムの製造設備。2. The stretched film manufacturing equipment according to claim 1, wherein the film heating conditions to be changed are fed back and the film heating conditions are controlled in the stretching step. フィルムが高分子フィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のフィルムの製造設備。The film production facility according to claim 1, wherein the film is a polymer film. フィルムがポリカーボネートフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のフィルムの製造設備。3. The film production facility according to claim 1, wherein the film is a polycarbonate film. フィルムが、高分子の溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する手段によって作成されるフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のフィルムの製造設備。3. The film production facility according to claim 1, wherein the film is a film produced by means of casting a polymer solution on a support, separating after drying and producing a cast film. . フィルムが、ポリカーボネートの溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する手段によって作成されるフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載のフィルムの製造設備。3. The film production equipment according to claim 1, wherein the film is a film produced by means of casting a polycarbonate solution onto a support, drying and then peeling to produce a cast film. 請求項1〜6のいずれかの製造設備を使用する延伸フィルムの製造方法。The manufacturing method of the stretched film which uses the manufacturing equipment in any one of Claims 1-6.
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