JP4604386B2 - Optical film manufacturing method and manufacturing apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば液晶画像表示装置の偏光板用保護膜および光学補償フィルム等に用いられる光学用フィルムの製造方法および製造装置に関する。
【0002】
この明細書において、流延されたドープが支持体上で乾燥され、支持体から剥がしうるドープ膜の状態なって以後、最終的に乾燥されてフィルムになるまでの間のものを「ウェブ」と称するものとする。
【0003】
【従来の技術】
液晶画像表示装置は、低電圧かつ低消費電力でIC回路への直結が可能であり、しかも薄型化が可能であるから、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等の表示装置として広く使用されている。ところで、この液晶画像表示装置の基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すので、液晶画像表示装置においては、偏光板は、電界による配向の変化を可視化させるさせる重要な役割を担っており、偏光板の性能によって液晶画像表示装置の性能が大きく左右される。
【0004】
偏光板の一般的な構成は、たとえばアルカリ鹸化して一軸延伸されかつヨウ素染色されたポリビニルアルコールフィルムからなる偏光膜の片面または両面に、セルローストリアセテートフィルムやセルロースアセテートプロピオネートフィルム等のセルロースエステルフィルムからなる保護膜が、ポリビニルアルコールのような粘着剤を介して貼り合わせられたものである。このような保護膜は、優れた平面性を有することはもちろんのこと、面内レターデーションが小さくかつばらつきのないことが要求される。
【0005】
従来、偏光板の保護膜として用いられるセルロースエステルフィルムは、たとえば特開平4−152125号公報や、特開平5−185445号公報に記載された方法で製造されている。
【0006】
特開平4−152125号公報に記載された方法は、セルロースエステルのドープを支持体上に流延する工程と、支持体上に流延されたドープを乾燥させてウェブを形成する工程と、ウェブを支持体から剥離する工程と、剥離したウェブを乾燥させる乾燥工程と、ウェブをさらに乾燥させて残留溶媒量が10質量%以下としてフィルムを得る最終乾燥工程とを含み、上記最終乾燥工程において、フィルムを幅方向に2〜6%延伸させる方法である。なお、この方法において、残留溶媒量は、{(A−B)/A}×100という式で表される。ここで、Aは試料フィルムの質量であり、BはAのものを110℃で1時間熱風乾燥させたさいの質量である。
【0007】
特開平5−185445号公報に記載された方法は、セルロースエステルのドープを支持体上に流延する工程と、支持体上に流延されたドープを乾燥させてウェブを形成する工程と、ウェブを支持体から剥離する工程と、剥離したウェブを乾燥用ロールに掛けて搬送しつつ乾燥させるロール乾燥工程と、ウェブをテンター乾燥装置において幅方向両側縁部を把持して搬送しつつ延伸および乾燥を行うテンター乾燥工程とを含み、ウェブを支持体から剥離するさいの残留溶媒量(特開平4−152125号公報記載の方法と同一式で表される。)が68質量%以上の場合に、剥離後の少なくとも20秒間の乾燥温度を30〜80℃とする方法である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平4−152125号公報記載の方法においては、次のような問題が生じる。すなわち、残留溶媒量を10%以下とする最終乾燥工程においては、高温での長時間にわたる乾燥が必要であり、熱による軟化、張力による伸びが起こる。また、延伸による面内レターデーションのコントロールは、最終乾燥工程の最後に行う必要があるが、最終乾燥工程の最後に延伸率2〜6%で延伸を行うと、得られたフィルムの面内レターデーションのばらつきが大きくなる。
【0009】
特開平5−185445号公報記載の方法においては、次のような問題が生じる。すなわち、ウェブを支持体から剥離するさいの残留溶媒量が68質量%以上の場合、ウェブが軟膜であるために、ローラ乾燥工程での搬送中にウェブにたるみ、ばたつき等が起こり、搬送が不安定になる。安定した搬送を実現するために搬送テンションを大きくすると、ウェブに搬送方向の伸びが発生するとともに幅方向の収縮が発生し、その結果得られたフィルムの面内レターデーションが大きくなる。また、テンター乾燥工程においては、乾燥、すなわち残留溶媒量の減少と延伸とが同時に行われるため、得られたフィルムの面内レターデーションにばらつきが生じる。
【0010】
しかも、いずれの方法においても、延伸のさいのウェブの残留溶媒量が少なくなっているので、この延伸のみにより面内レターデーションを制御するには、延伸量に対する面内レターデーションの動き感度が高すぎ、面内レターデーションの制御が困難である。
【0011】
そして、いずれの方法の場合も、得られたフィルムを光学用フィルムに使用することはできない。特に、液晶画像表示装置の偏光板用保護膜や光学補償フィルムの場合には、面内レターデーションがばらついたり、大きくなったりすると液晶画像表示装置の性能に大きな悪影響を及ぼす。
【0012】
この発明の目的は、上記問題を解決し、従来の方法に比べて、面内レターデーションが小さくかつばらつきのない光学用フィルムの製造方法および製造装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明による光学用フィルムの製造方法は、光学用フィルムの原料樹脂のドープを支持体上に流延する工程と、支持体上に流延されたドープを乾燥させてウェブを形成する工程と、ウェブを支持体から剥離する工程と、剥離したウェブを第1のテンター装置に送り、第1のテンター装置にてウェブの幅方向両側縁部を把持して、ウェブを幅方向に延伸する工程と、ウェブを乾燥させてフィルムを得る工程と、フィルムを第2のテンター装置に送り、第2のテンター装置にてフィルムの幅方向両側縁部を把持して、フィルムの幅を一定に保持、またはフィルムを幅方向に延伸する工程とを含む光学用フィルムの製造方法であって、第1テンター装置へ送るウェブの残留溶媒量を10〜50質量%とし、第2テンター装置へ送るフィルムの残留溶媒量を0.1〜5質量%としたことを特徴とするものである。
【0014】
この発明による残留溶媒量とは、上述した従来の方法における残留溶媒量とは異なり、全ての場合について次の式で表される。
【0015】
残留溶媒量(質量%)={(X−Y)/Y}×100
ここで、Xはウェブの任意時点での質量、YはXのウェブを110℃で3時間乾燥させたさいの質量である。以下の説明において、残留溶媒量とは、上記式で会わされるものを意味する。
【0016】
請求項2の発明による光学用フィルムの製造方法は、請求項1の発明において、支持体上において残留溶媒量が70〜160質量%になるまで乾燥させてウェブを形成した後、ウェブを支持体から剥離するものである。ここで、支持体から剥離させるウェブの残留溶媒量を70〜160質量%に限定したのは、残留溶媒量を70質量%未満とするには、支持体上での乾燥負荷が大きくしなければならないが、実際には残留溶媒量が70質量%未満となるまで乾燥温度を上げることは困難であるからである。また、剥離させるウェブの残留溶媒量が160質量%を越えると、ウェブが柔らかくなって、支持体から剥離させるさいのウェブの伸びが大きくなり、ひどい場合にはウェブが破れるおそれがあるからである。
【0017】
上記請求項1において、第1テンター装置へ送るウェブの残留溶媒量を10〜50質量%に限定したのは、残留溶媒量が10質量%未満であれば、第1テンター装置での延伸による残留応力が大きくなり、後の乾燥工程での幅方向の収縮が大きくなるため、第2テンター装置での延伸率を大きくしなければならないからである。また、残留溶媒量が50質量%を越えると、第1テンター装置での延伸による面内レターデーションの変化が小さくなり、面内レターデーションのコントロールが困難になるおそれがあるからである。
【0018】
上記請求項1において、第2テンター装置へ送るフィルムの残留溶媒量を5質量%以下としておくものである。残留溶媒量が5質量%を越えると、第2テンター装置での乾燥の度合いを大きくしなければならず、面内レターデーションのばらつきが大きくなるおそれがあるからである。第2テンター装置へ送るフィルムの残留溶媒量の下限は、生産性、コスト等を考慮して決められるが、0.1質量%、好ましくは0.01質量%である。
【0019】
請求項3の発明による光学用フィルムの製造方法は、請求項1または2の発明において、第2テンター装置における処理温度を、原料樹脂のガラス転位温度の±50℃の範囲内にするとともに、延伸率を0〜3%にしておくものである。ここで、第2テンター装置における処理温度を、原料樹脂のガラス転位温度の±50℃の範囲内に限定したのは、フィルムの幅方向の均一な延伸が可能になり、延伸後の残留応力の増大を抑制して寸法変化を小さくすることができるからである。また、第2テンター装置における延伸率を0〜3%に限定したのは、3%を越えると、フィルムの幅の中央部と両側縁部とで面内レターデーションが異なるおそれがあるからである。
【0020】
ここで、延伸率が0%の場合とは、フィルム幅を一定に保持することであり、0%より大きい場合とは、フィルムを幅方向に延伸することである。
【0021】
請求項4の発明による光学用フィルムの製造方法は、請求項1〜3のうちのいずれかの発明において、第1テンター装置を通過したウェブの面内レターデーションを測定し、この測定値に基づいて第1テンター装置での延伸率を制御するものである。この場合、第1テンター装置を通過したウェブの面内レターデーションを目標値にすることが可能になり、その結果第2テンター装置での延伸率を一定範囲に抑制することができ、得られたフィルムの面内レターデーションの均一性を確保することができる。
【0022】
請求項5の発明による光学用フィルムの製造方法は、請求項1〜4のうちのいずれかの発明において、支持体から剥離されたウェブの搬送方向および幅方向の寸法、第1テンター装置の前後でのウェブの搬送方向および幅方向の寸法、ならびに第2テンター装置の前後でのフィルムの搬送方向および幅方向の寸法を測定し、支持体から剥離されたウェブの寸法を基準として、第1テンター装置の前後および第2テンター装置の前後における搬送方向および幅方向の寸法比を、それぞれ0.9〜1.1に設定するものである。
【0023】
請求項5の発明において、ウェブまたはフィルムの搬送方向の寸法とは、支持体上において搬送方向に所定間隔をおいてインクジェットにより付された2つのマーク間の距離をいうものとし、各部分で次のようにして測定される。すなわち、各測定個所にウェブまたはフィルムが掛けられる測定ロールを設けておき、この測定ロールを通過する上記2つのマークをCCDにより観察して通過時間を求め、さらに測定ロールの回転数に基づいてウェブまたはフィルムが測定ロールを通過する速度を求め、上記通過時間および通過速度から上記2つのマーク間の距離を求める。なお、ウェブまたはフィルムの幅方向の寸法は、各測定個所において、CCDにより観察することによって求められる。
【0024】
ここで、上記寸法比を0.9〜1.1に限定したのは、上記範囲外であれば面内レターデーションが大きくなるおそれがあるからである。この寸法比は、0.95〜1.05であることが、より好ましい。
【0025】
請求項6の発明による光学用フィルムの製造装置は、支持体と、原料樹脂のドープを支持体上に流延するダイと、支持体上に流延されたドープを乾燥させてウェブを形成する加熱乾燥装置と、ウェブを支持体から剥離する剥離ロールと、剥離されたウェブが残留溶媒量を10〜50質量%で送られて、当該ウェブの幅方向両側縁部を把持して、ウェブを幅方向に延伸する第1のテンター装置と、ウェブを、残留溶媒量が0.1〜5質量%となるまで乾燥させてフィルムを得る乾燥装置と、フィルムの幅方向両側縁部を把持して、フィルム幅を一定に保持、またはフィルムを幅方向に延伸する第2のテンター装置とを備えているものである。
【0026】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、この発明の方法を実施する装置を示す。
【0028】
図1において、セルロースエステルフィルムの製造装置は、鏡面処理を施された表面を有する金属製エンドレスベルトからなる支持体(1)と、セルロースエステルのドープを支持体(1)上に流延するドープ流延ダイ(2)と、支持体(1)の上下の移送経路の表裏両側にそれぞれ配され、かつ支持体(1)上に流延されたドープを加熱乾燥してウェブを形成する加熱乾燥装置(3)(4)と、ウェブ(W)を支持体(1)から剥離するウェブ剥離ロール(5)と、支持体(1)から剥離したウェブ(W)を乾燥させる第1の乾燥装置(6)と、乾燥されたウェブ(W)の幅方向両側縁部を把持して、ウェブ(W)幅を一定に保持、またはウェブ(W)を幅方向に延伸する第1のテンター装置(7)と、第1テンター装置(7)により幅規制の行われたウェブ(W)をさらに乾燥させてフィルムを得る第2の乾燥装置(8)と、得られたフィルム(F)の幅方向両側縁部を把持して、フィルム(F)幅を一定に保持、またはフィルム(F)を幅方向に延伸する第2のテンター装置(9)と、幅規制の行われたフィルム(F)を巻き取るフィルム巻取装置(10)とよりなる。なお、支持体としては、金属製エンドレスベルトに代えて、金属製ドラムからなるものを用いてもよい。
【0029】
第1乾燥装置(6)と第2乾燥装置(8)は同様な構成であり、それぞれ熱風吹き込み口(61)(81)および同排出口(62)(82)を有するハウジング(60)(80)内に、複数の搬送ロール(63)(83)が千鳥配置状に設けられたものである。両乾燥装置(6)(8)においては、ウェブ(W)はハウジング(60)(80)内を全ての搬送ロール(63)(83)に掛けられて搬送され、その搬送中に、熱風吹き込み口(61)(81)から吹き込まれる乾燥熱風により乾燥させられる。フィルム巻取装置(10)は、ハウジング(100)内に設けられた複数の搬送ロール(101)および1つの巻取ロール(102)を備えている。そして、第2テンター装置(9)から送られてきたフィルム(F)は、ハウジング(100)内を全ての搬送ロール(101)に掛けられて搬送され、巻取ロール(102)に巻き取られる。
【0030】
上記において、両乾燥装置(6)(8)の搬送ロール(63)(83)は千鳥配置状に設けられているが、これに限られるものではなく、搬送ロール(63)(83)の配置の仕方は適宜変更可能である。また、搬送ロール(63)(83)に代えて、エアーロール、フローティングノズル等を用いてもよい。
【0031】
さらに、上記において、両テンター装置(7)(9)としては、通常の一軸テンター装置や、幅方向および搬送方向に独立して伸縮量を設定可能なリニアモータを使用した二軸テンター装置を用いることが可能である。一軸テンター装置を使用した場合、テンター装置内での搬送方向の伸縮の制御を行うために、前後の張力を変化させる必要があるが、二軸テンター装置を使用した場合は、テンター装置内での搬送方向の伸縮の制御を簡単に行うことができる。
【0032】
上記構成の製造装置を用いてのセルロールエステルフィルム(F)の製造方法は次の通りである。
【0033】
まず、セルロースエステルのドープを流延ダイ(2)から支持体(1)上に流延し、加熱乾燥装置(3)(4)により、残留溶媒量が70〜160質量%となるまで乾燥させて支持体(1)上にウェブ(W)を形成する。ついで、支持体(1)上に形成されたウェブ(W)を、剥離ロール(5)により支持体(1)から剥離し、剥離したウェブ(W)を第1乾燥装置(6)のハウジング(60)内に送る。第1乾燥装置(6)では、ウェブ(W)を複数の搬送ロール(63)に掛けてハウジング(60)内を搬送し、この搬送中に、熱風吹き込み口(61)から吹き込まれる乾燥熱風により乾燥させて、残留溶媒量が10〜50質量%となるまで乾燥させる。ついで、このウェブ(W)を第1テンター装置(7)に送り、ここでウェブ(W)の幅方向両側縁部を把持して、ウェブ(W)の幅を一定に保持、またはウェブ(W)を幅方向に延伸するとともに、加熱乾燥させる。第1テンター装置(7)での延伸率は0〜8%、第1テンター装置(7)を通過したウェブ(W)の残留溶媒量は5〜20質量%であることが好ましい。
【0034】
ついで、幅規制の行われたウェブ(W)を第2乾燥装置(8)のハウジング(80)内に送り、ウェブ(W)を複数の搬送ロール(83)に掛けてハウジング(80)内を搬送し、この搬送中に、熱風吹き込み口(81)から吹き込まれる乾燥熱風により、残留溶媒量が0.1〜5質量%となるまで乾燥させ、フィルム(F)を得る。ついで、このフィルム(F)を第2テンター装置(9)に送り、ここで原料であるセルロースエステルのガラス転位温度の±50℃の範囲内の温度で、延伸率0〜3%となるように延伸する。第2テンター装置(9)で幅規制が行われたフィルム(F)の残留溶媒量は2質量%以下となる。なお、第2テンター装置(9)に送られるフィルム(F)の残留溶媒量が2質量%を越えている場合であっても、第2テンター装置(9)での延伸のさいの加熱により、残留溶媒量は2質量%以下となる。最後に、幅規制の行われたフィルム(F)をフィルム巻取装置(5)に送り、複数の搬送ロール(101)に掛けて搬送した後、巻取ロール(102)に巻き取る。こうして、セルロースエステルフィルム(F)が製造される。
【0035】
上記実施形態の製造方法において、第1テンター装置(7)を通過したウェブ(W)の面内レターデーションを、たとえば王子計測機器社製のオンライン複屈折率測定装置KOBLA-311シリーズにより測定し、この測定値に基づいて第1テンター装置(7)での延伸率をフィードバック制御してもよい。
【0036】
さらに、上記実施形態の製造方法において、支持体(1)から剥離されたウェブ(W)の搬送方向および幅方向の寸法、第1テンター装置(7)の前後でのウェブ(W)の搬送方向および幅方向の寸法、ならびに第2テンター装置(9)の前後でのフィルム(F)の搬送方向および幅方向の寸法を測定し、支持体(1)から剥離されたウェブ(W)の寸法を基準として、第1テンター装置(7)の前後および第2テンター装置(W)の前後における搬送方向および幅方向の寸法比を、それぞれ0.9〜1.1、好ましくは0.95〜1.05に設定するようにしてもよい。すなわち、上記支持体(1)上に形成されたウェブ(W)に、インクジェットにより搬送方向に所定間隔をおいて2つのマークを付しておき、さらに剥離ロール(5)の下流側、第1テンター装置(7)の前後(上流側および下流側)、ならびに第2テンター装置(9)の前後(上流側および下流側)に、それぞれウェブ(W)またはフィルム(F)が掛けられる図示しない測定ロールを設けておき、この測定ロールを通過する上記2つのマークをCCDにより観察して通過時間を求め、さらに測定ロールの回転数に基づいてウェブ(W)またはフィルム(F)が測定ロールを通過する速度を求め、上記通過時間および通過速度から上記2つのマーク間の距離を求めて、これを搬送方向の寸法とし、支持体(1)から剥離されたウェブ(W)の搬送方向の寸法を1とした場合の、第1テンター装置(7)の前後および第2テンター装置(W)の前後における搬送方向の寸法比を、それぞれ上記範囲に設定する。また、上述した測定ロールの部分において、ウェブ(W)またはフィルム(F)の幅方向の寸法をCCDにより観察することによって求め、支持体(1)から剥離されたウェブ(W)の寸法を基準として、第1テンター装置(7)の前後および第2テンター装置(W)の前後における幅方向の寸法比を上記範囲に設定する。
【0037】
以下、この発明の具体的実施例について、比較例とともに説明する。
【0038】
実施例1〜6および比較例1〜4
アエロジル200V(日本エアロジル社製)1kgとエタノール9kgとをディゾルバで30分間攪拌混合した後、マントンゴーリン型高圧分散装置を用いて分散を行い、酸化ケイ素分散液を調製した。ついで、セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88)6kgとメチレンクロライド140kgとを密閉容器に投入し、攪拌しながら10kgの上記酸化ケイ素分散液を加えて、さらに30分間攪拌した後、濾過し、添加液を調製した。
【0039】
また、下記の成分;
セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88)
100kg
メチレンクロライド 440kg
エタノール 38kg
トリフェニルホスフェート 8kg
エチルフタリルエチルグリコレート 2kg
チヌビン326 0.3kg
チヌビン109 0.5kg
チヌビン171 0.5kg
のうち溶媒となるものを密閉容器に投入し、攪拌しながら残りのものを投入し、加熱攪拌して、完全に溶解した。ついで、この溶液の温度をドープ流延温度まで下げて一晩静置し、脱泡操作を施した後、この溶液を安積濾紙社製の安積濾紙No.244を用いて濾過した。さらに、この溶液に、上記添加液を2kg添加し、インラインミキサー(東レ社製、静止型管内混合機 Hi MixerSWJ)で十分混合し、濾過してドープを調製した。
【0040】
得られたドープを用い、図1に示す装置を使用して、種々の条件でセルロースエステルフィルム(F)を製造した。すなわち、支持体(1)から剥離されるウェブ(W)の残留溶媒量、第1乾燥装置(6)を通過した後のウェブ(W)の残留溶媒量、第1テンター装置(7)での延伸率および延伸温度、第1テンター装置(7)を通過したウェブ(W)の残留溶媒量、第2乾燥装置(8)での乾燥温度、第2乾燥装置(8)を通過して得られたフィルム(F)の残留溶媒量、ならびに第2テンター装置(9)での延伸率および延伸温度を種々変化させて、膜厚80μm、残留溶媒量2質量%以下のセルロースエステルフィルム(F)を製造した。
【0041】
比較例2の場合、第2テンター装置(9)においてフィルム(9)に破断が発生した。
【0042】
実施例7〜8
支持体(1)から剥離したウェブ(W)の搬送方向および幅方向の寸法、第1テンター装置(7)の前後でのウェブ(W)の搬送方向および幅方向の寸法、ならびに第2テンター装置(9)の前後でのフィルム(F)の搬送方向および幅方向の寸法を測定し、支持体(1)から剥離されたウェブ(W)の寸法を1として、第1テンター装置(7)の前後および第2テンター装置(W)の前後における搬送方向および幅方向の寸法比を、それぞれ0.9〜1.1の範囲内に設定し、上記実施例1〜6と同様な方法で、膜厚80μm、残留溶媒量2質量%以下のセルロースエステルフィルム(F)を製造した。
【0043】
評価試験
実施例1〜6および比較例1〜4により得られたフィルム(F)の面内レターデーション(R0)を、王子計測機器社製のオンライン複屈折率測定装置KOBLA-311により測定した。また、キーエンス社製レーザ変位計により、得られたフィルム(F)の表面凹凸を測定した。
【0044】
実施例1〜7および比較例1〜4の結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
なお、表1中の比較例1は、請求項2の発明に対する比較例であり、比較例2は請求項5の発明に対する比較例である。
【0047】
表1から明らかなように、製造されたフィルム(F)の面内レターデーション(R0)および面内レターデーション(R0)のばらつきは、実施例1〜6ものが比較例1〜3のものに比べて小さくなっている。また、製造されたフィルム(F)の表面凹凸も、実施例1〜6ものが比較例1〜3のものに比べて小さくなっている。
【0048】
また、実施例7〜8の結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2から明らかなように、製造されたフィルム(F)の面内レターデーションは、実施例1〜6の場合よりもさらに小さくなるとともに均一になっている。
【0051】
なお、表1および表2において、「残溶」とは残留溶媒量を意味するものである。
【0052】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、支持体から剥離した第1テンター装置へ送るウェブの残留溶媒量を10〜50質量%として、ウェブを幅方向に延伸するとともに、第2テンター装置へ送るフィルムの残留溶媒量を0.1〜5質量%として、フィルムの幅を一定に保持、またはフィルムを幅方向に延伸しているので、従来の方法に比べて、面内レターデーションが小さくかつばらつきのない光学用フィルムを製造することができる。しかも、製造された光学用フィルムの表面凹凸は小さく、平面性に優れている。請求項6の発明によっても、これと同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による方法を実施する装置の実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
(1):支持体
(3)(4):加熱乾燥装置
(5):剥離ロール
(6)(8):乾燥装置
(7):第1テンター装置
(9):第2テンター装置
(W):ウェブ
(F):フィルム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a manufacturing method and a manufacturing apparatus for an optical film used for, for example, a protective film for a polarizing plate and an optical compensation film of a liquid crystal image display device.
[0002]
In this specification, the cast dope is dried on the support and after being in the form of a dope film that can be peeled off from the support, it is finally dried to form a film as a “web”. Shall be called.
[0003]
[Prior art]
A liquid crystal image display device can be directly connected to an IC circuit with a low voltage and low power consumption, and can be reduced in thickness, and thus is widely used as a display device for a word processor, a personal computer, or the like. By the way, the basic configuration of the liquid crystal image display device is one in which polarizing plates are provided on both sides of the liquid crystal cell. Since a polarizing plate allows only light of a polarization plane in a certain direction to pass, in a liquid crystal image display device, the polarizing plate plays an important role in visualizing changes in alignment due to an electric field. The performance of the image display device is greatly affected.
[0004]
The general structure of the polarizing plate is, for example, a cellulose ester film such as a cellulose triacetate film or a cellulose acetate propionate film on one or both sides of a polarizing film made of a polyvinyl alcohol film uniaxially stretched and iodine-stained by alkali saponification. The protective film which consists of is bonded together through adhesives, such as polyvinyl alcohol. Such a protective film is required not only to have excellent flatness but also to have small in-plane retardation and no variation.
[0005]
Conventionally, the cellulose ester film used as a protective film of a polarizing plate is manufactured by the method described in Unexamined-Japanese-Patent No. 4-152125 and Unexamined-Japanese-Patent No. 5-185445, for example.
[0006]
The method described in JP-A-4-152125 includes a step of casting a cellulose ester dope on a support, a step of drying the dope cast on the support and forming a web, and a web In the above-mentioned final drying step, a step of peeling the substrate from the support, a drying step of drying the peeled web, and a final drying step of further drying the web to obtain a film with a residual solvent amount of 10% by mass or less, In this method, the film is stretched 2 to 6% in the width direction. In this method, the residual solvent amount is represented by the formula {(A−B) / A} × 100. Here, A is the mass of the sample film, and B is the mass when A is dried with hot air at 110 ° C. for 1 hour.
[0007]
The method described in JP-A-5-185445 includes a step of casting a cellulose ester dope on a support, a step of drying the dope cast on the support and forming a web, and a web A step of peeling the web from the support, a roll drying step of drying and peeling the peeled web on a drying roll, and stretching and drying the web while gripping and feeding the edges in the width direction in the tenter drying device. When the residual solvent amount (represented by the same formula as the method described in JP-A-4-152125) when the web is peeled from the support is 68% by mass or more. In this method, the drying temperature for at least 20 seconds after peeling is 30 to 80 ° C.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, the method described in JP-A-4-152125 has the following problems. That is, in the final drying step in which the residual solvent amount is 10% or less, drying at a high temperature for a long time is required, and softening due to heat and elongation due to tension occur. Further, the in-plane retardation control by stretching needs to be performed at the end of the final drying step. However, if the stretching is performed at a stretching ratio of 2 to 6% at the end of the final drying step, the in-plane letter of the obtained film is controlled. The dispersion of the foundation becomes large.
[0009]
The method described in JP-A-5-185445 has the following problems. That is, when the amount of residual solvent when the web is peeled off from the support is 68% by mass or more, the web is a soft film, so that the web is slackened or fluttered during conveyance in the roller drying process, and the conveyance is not performed. Become stable. When the conveyance tension is increased in order to realize stable conveyance, the web is stretched in the conveyance direction and contracted in the width direction, and as a result, the in-plane retardation of the obtained film is increased. Further, in the tenter drying step, drying, that is, reduction of the residual solvent amount and stretching are performed at the same time, resulting in variations in in-plane retardation of the obtained film.
[0010]
In addition, in any of the methods, since the residual solvent amount of the web during stretching is small, in order to control in-plane retardation only by this stretching, the motion sensitivity of in-plane retardation with respect to the stretching amount is high. Therefore, it is difficult to control the in-plane retardation.
[0011]
And in any method, the obtained film cannot be used for an optical film. In particular, in the case of a protective film for a polarizing plate or an optical compensation film of a liquid crystal image display device, if the in-plane retardation varies or increases, the performance of the liquid crystal image display device is greatly adversely affected.
[0012]
An object of the present invention is to solve the above-described problems and provide an optical film manufacturing method and manufacturing apparatus that have a smaller in-plane retardation and no variation compared to conventional methods.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
The method for producing an optical film according to the first aspect of the present invention includes a step of casting a dope of a raw material resin of an optical film on a support, and drying the dope cast on the support to form a web. A step of peeling the web from the support, and feeding the peeled web to the first tenter device. The first tenter device grips both side edges in the width direction of the web and stretches the web in the width direction. a step of, obtaining a film by drying the web, send the film to the second tenter device, grips the widthwise side edges of the film at the second tenter apparatus, the width of the film constant holding, or film a method of producing an optical film for a and a step of stretching in the width direction, the residual solvent amount web to be sent to the first tenter apparatus is 10 to 50 wt%, and sends it to the second tenter device film The residual solvent amount is characterized in that it has 0.1 to 5 mass%.
[0014]
The residual solvent amount according to the present invention is different from the residual solvent amount in the conventional method described above, and is expressed by the following formula in all cases.
[0015]
Residual solvent amount (% by mass) = {(XY) / Y} × 100
Here, X is the mass of the web at any point in time, and Y is the mass when the X web is dried at 110 ° C. for 3 hours. In the following description, the residual solvent amount means that which is met by the above formula.
[0016]
According to a second aspect of the present invention, there is provided a method for producing an optical film according to the first aspect of the present invention, wherein the web is dried on the support until the residual solvent amount reaches 70 to 160% by mass, and then the web is supported. It peels from. Here, the residual solvent amount of the web to be peeled off from the support is limited to 70 to 160% by mass. In order to reduce the residual solvent amount to less than 70% by mass, the drying load on the support must be increased. However, in practice, it is difficult to raise the drying temperature until the residual solvent amount is less than 70% by mass. Further, if the residual solvent amount of the web to be peeled exceeds 160% by mass, the web becomes soft and the web stretches when peeled from the support, and in severe cases the web may be broken. .
[0017]
In
[0018]
In the said
[0019]
The method for producing an optical film according to the invention of claim 3 is the method according to
[0020]
Here, the case where the stretching ratio is 0% means that the film width is kept constant, and the case where it is larger than 0% means that the film is stretched in the width direction.
[0021]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided a method for producing an optical film, comprising: measuring the in-plane retardation of the web that has passed through the first tenter device according to any one of the first to third aspects; Thus, the stretching ratio in the first tenter device is controlled. In this case, the in-plane retardation of the web that has passed through the first tenter device can be set to the target value, and as a result, the stretching ratio in the second tenter device can be suppressed to a certain range, and obtained. Uniformity of in-plane retardation of the film can be ensured.
[0022]
The method for producing an optical film according to the invention of claim 5 is the invention according to any one of
[0023]
In the invention of claim 5 , the dimension in the conveyance direction of the web or film refers to the distance between two marks applied by inkjet at a predetermined interval in the conveyance direction on the support. It is measured as follows. That is, a measurement roll on which a web or a film is hung is provided at each measurement location, the two marks passing through the measurement roll are observed with a CCD to obtain a passing time, and the web is further measured based on the number of rotations of the measurement roll. Alternatively, the speed at which the film passes through the measurement roll is obtained, and the distance between the two marks is obtained from the passage time and the passage speed. In addition, the dimension of the width direction of a web or a film is calculated | required by observing with CCD in each measurement location.
[0024]
Here, the reason why the dimensional ratio is limited to 0.9 to 1.1 is that in-plane retardation may be increased if the ratio is out of the above range. The dimensional ratio is more preferably 0.95 to 1.05.
[0025]
An apparatus for producing an optical film according to a sixth aspect of the invention forms a web by drying a support, a die for casting a dope of a raw resin on the support, and a dope cast on the support. a heating drying device, a stripping roll to peel the web from the support, is peeled web is sent to residual solvent amount in the 10 to 50 mass%, gripping the widthwise side edges of the web, c E A first tenter device that stretches the web in the width direction, a drying device that dries the web until the amount of residual solvent is 0.1 to 5% by mass, and grips both side edges of the film in the width direction And a second tenter device for keeping the film width constant or stretching the film in the width direction.
[0026]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
[0027]
FIG. 1 shows an apparatus for carrying out the method of the invention.
[0028]
In FIG. 1, an apparatus for producing a cellulose ester film includes a support (1) made of a metal endless belt having a mirror-finished surface, and a dope for casting a cellulose ester dope on the support (1). Heat drying to form a web by heating and drying the dope cast on the casting die (2) and both sides of the upper and lower transfer paths of the support (1) and cast on the support (1) Apparatus (3) (4), web peeling roll (5) for peeling web (W) from support (1), and first drying device for drying web (W) peeled from support (1) (6) and a first tenter device that holds both sides of the dried web (W) in the width direction so as to keep the width of the web (W) constant or stretch the web (W) in the width direction ( 7) and a second drying device (8) for further drying the web (W) whose width is regulated by the first tenter device (7) to obtain a film, A second tenter device (9) that holds both sides of the film (F) in the width direction to hold the film (F) width constant or stretch the film (F) in the width direction; And a film winding device (10) for winding the film (F). In addition, as a support body, it may replace with a metal endless belt and you may use what consists of metal drums.
[0029]
The first drying device (6) and the second drying device (8) have the same configuration, and housings (60), (80) having hot air blowing ports (61) (81) and discharge ports (62) (82), respectively. ), A plurality of transport rolls (63) and (83) are provided in a staggered arrangement. In both dryers (6) and (8), the web (W) is hung on all the transport rolls (63) and (83) in the housing (60) and (80), and hot air is blown during the transport. It is dried by dry hot air blown from the mouth (61) (81). The film winding device (10) includes a plurality of transport rolls (101) and one winding roll (102) provided in a housing (100). Then, the film (F) sent from the second tenter device (9) is hung on all the transport rolls (101) in the housing (100), and is taken up by the take-up roll (102). .
[0030]
In the above, the conveying rolls (63) and (83) of both drying apparatuses (6) and (8) are provided in a staggered arrangement, but the present invention is not limited to this, and the arrangement of the conveying rolls (63) and (83) This method can be changed as appropriate. In place of the transport rolls (63) and (83), an air roll, a floating nozzle, or the like may be used.
[0031]
Further, in the above, as the both tenter devices (7) and (9), a normal uniaxial tenter device or a biaxial tenter device using a linear motor capable of setting an expansion / contraction amount independently in the width direction and the conveyance direction is used. It is possible. When a single-axis tenter device is used, it is necessary to change the tension in the front and back to control the expansion and contraction in the transport direction within the tenter device. However, when a biaxial tenter device is used, Control of expansion and contraction in the transport direction can be easily performed.
[0032]
The manufacturing method of the cellulose ester film (F) using the manufacturing apparatus having the above-described configuration is as follows.
[0033]
First, a cellulose ester dope is cast from a casting die (2) onto a support (1) and dried by a heat drying device (3) (4) until the residual solvent amount is 70 to 160% by mass. Thus, the web (W) is formed on the support (1). Next, the web (W) formed on the support (1) is peeled off from the support (1) by the peeling roll (5), and the peeled web (W) is removed from the housing of the first drying device (6) ( Send within 60). In the first drying device (6), the web (W) is hung on a plurality of transport rolls (63) and transported in the housing (60). During this transport, the hot air blown from the hot air blowing port (61) is used to dry the web (W). It is made to dry and it is made to dry until the amount of residual solvents becomes 10-50 mass%. Next, the web (W) is fed to the first tenter device (7), where the both lateral edges of the web (W) are held, and the width of the web (W) is kept constant, or the web (W ) In the width direction and dried by heating. The stretch ratio in the first tenter device (7) is preferably 0 to 8%, and the residual solvent amount of the web (W) that has passed through the first tenter device (7) is preferably 5 to 20% by mass.
[0034]
Next, the web (W) whose width is restricted is fed into the housing (80) of the second drying device (8), and the web (W) is hung on a plurality of transport rolls (83) to move inside the housing (80). The film (F) is obtained by transporting and drying with hot dry air blown from the hot air blowing port (81) during the transfer until the residual solvent amount becomes 0.1 to 5% by mass. Next, this film (F) is sent to the second tenter device (9) where the stretch ratio is 0 to 3% at a temperature within the range of ± 50 ° C. of the glass transition temperature of the cellulose ester as the raw material. Stretch. The residual solvent amount of the film (F) whose width is regulated by the second tenter device (9) is 2% by mass or less. Even when the amount of residual solvent in the film (F) sent to the second tenter device (9) exceeds 2% by mass, the second tenter device (9) is heated during stretching, The amount of residual solvent is 2% by mass or less. Finally, the film (F) whose width has been regulated is sent to the film winding device (5), hung on the plurality of conveying rolls (101), conveyed, and then wound on the winding roll (102). Thus, the cellulose ester film (F) is produced.
[0035]
In the manufacturing method of the above embodiment, the in-plane retardation of the web (W) that has passed through the first tenter device (7) is measured by, for example, an online birefringence measuring device KOBLA-311 series manufactured by Oji Scientific Instruments, Based on this measured value, the stretching ratio in the first tenter device (7) may be feedback controlled.
[0036]
Further, in the manufacturing method of the above embodiment, the web (W) peeled from the support (1) in the carrying direction and the width direction, and the web (W) carrying direction before and after the first tenter device (7). Measure the dimensions of the web (W) peeled from the support (1) by measuring the dimensions in the width direction and the dimensions of the transport direction and width direction of the film (F) before and after the second tenter device (9). As a reference, the dimensional ratio in the conveying direction and the width direction before and after the first tenter device (7) and before and after the second tenter device (W) is 0.9 to 1.1, preferably 0.95 to 1. You may make it set to 05. That is, the web (W) formed on the support (1) is marked with two marks at a predetermined interval in the transport direction by ink jet, and further on the downstream side of the peeling roll (5), the first Measurement (not shown) in which the web (W) or film (F) is put on the front and back (upstream and downstream) of the tenter device (7) and on the front and back (upstream and downstream) of the second tenter device (9), respectively. A roll is provided, and the two marks passing through the measurement roll are observed with a CCD to determine the passage time. Further, the web (W) or film (F) passes through the measurement roll based on the number of rotations of the measurement roll. The distance between the two marks is obtained from the passage time and the passage speed, which is taken as the dimension in the conveyance direction, and the dimension in the conveyance direction of the web (W) peeled from the support (1). 1st tenter with 1 The dimensional ratios in the conveying direction before and after the before and after and the second tenter device of the apparatus (7) (W), respectively set in the above range. Further, in the above-described measurement roll portion, the width (W) or film (F) dimension in the width direction of the web (W) is obtained by observing with a CCD, and the dimension of the web (W) peeled off from the support (1) is used as a reference. As described above, the dimension ratio in the width direction before and after the first tenter device (7) and before and after the second tenter device (W) is set within the above range.
[0037]
Hereinafter, specific examples of the present invention will be described together with comparative examples.
[0038]
Examples 1-6 and Comparative Examples 1-4
Aerosil 200V (manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) 1 kg and
[0039]
And the following ingredients:
Cellulose triacetate (acetyl substitution degree 2.88)
100kg
440 kg of methylene chloride
Ethanol 38kg
Triphenyl phosphate 8kg
Ethyl phthalyl ethyl glycolate 2kg
Tinuvin 326 0.3kg
Tinuvin 109 0.5kg
Tinuvin 171 0.5kg
Of these, the solvent was put into a sealed container, the remaining one was added while stirring, and the mixture was heated and stirred to dissolve completely. Next, the temperature of this solution was lowered to the dope casting temperature and allowed to stand overnight, and after defoaming operation, this solution was filtered using Azumi filter paper No. 244 manufactured by Azumi Filter Paper Co., Ltd. Further, 2 kg of the above additive solution was added to this solution, mixed well with an in-line mixer (manufactured by Toray Industries, Inc., a static in-tube mixer Hi Mixer SWJ), and filtered to prepare a dope.
[0040]
Using the obtained dope, a cellulose ester film (F) was produced under various conditions using the apparatus shown in FIG. That is, the residual solvent amount of the web (W) peeled off from the support (1), the residual solvent amount of the web (W) after passing through the first drying device (6), and the first tenter device (7). Stretch rate and stretch temperature, residual amount of web (W) passed through the first tenter device (7), drying temperature in the second drying device (8), obtained through the second drying device (8) The cellulose ester film (F) having a film thickness of 80 μm and a residual solvent amount of 2% by mass or less was obtained by varying the amount of residual solvent of the film (F) and the stretching rate and stretching temperature in the second tenter device (9). Manufactured.
[0041]
In the case of Comparative Example 2, the film (9) was broken in the second tenter device (9).
[0042]
Examples 7-8
Dimensions of the web (W) peeled from the support (1) in the conveyance direction and the width direction, the dimension of the web (W) in the conveyance direction and the width direction before and after the first tenter device (7), and the second tenter device The dimensions of the film (F) before and after (9) are measured in the conveyance direction and width direction, and the dimension of the web (W) peeled from the support (1) is taken as 1, and the first tenter device (7) The dimensional ratios in the transport direction and the width direction before and after the front and rear and the second tenter device (W) are set in the range of 0.9 to 1.1, respectively. A cellulose ester film (F) having a thickness of 80 μm and a residual solvent amount of 2% by mass or less was produced.
[0043]
Evaluation Test The in-plane retardation (R0) of the films (F) obtained in Examples 1 to 6 and Comparative Examples 1 to 4 was measured using an on-line birefringence measuring device KOBLA-311 manufactured by Oji Scientific Instruments. Further, the surface irregularity of the obtained film (F) was measured with a laser displacement meter manufactured by Keyence Corporation.
[0044]
The results of Examples 1 to 7 and Comparative Examples 1 to 4 are shown in Table 1.
[0045]
[Table 1]
[0046]
Comparative Example 1 in Table 1 is a comparative example for the invention of claim 2, and Comparative Example 2 is a comparative example for the invention of claim 5.
[0047]
As is apparent from Table 1, the variations in the in-plane retardation (R0) and in-plane retardation (R0) of the produced film (F) were changed from those in Examples 1 to 6 to those in Comparative Examples 1 to 3. It is smaller than that. Moreover, the surface unevenness | corrugation of the manufactured film (F) is also small in Examples 1-6 compared with the thing of Comparative Examples 1-3.
[0048]
The results of Examples 7 to 8 are shown in Table 2.
[0049]
[Table 2]
[0050]
As is clear from Table 2, the in-plane retardation of the produced film (F) is smaller and uniform than in the case of Examples 1-6.
[0051]
In Tables 1 and 2, “residual solution” means the amount of residual solvent.
[0052]
【The invention's effect】
According to the first aspect of the present invention, the residual solvent amount of the web sent to the first tenter device peeled from the support is set to 10 to 50% by mass, the web is stretched in the width direction, and the film sent to the second tenter device is sent. Since the residual solvent amount is 0.1 to 5% by mass and the film width is kept constant or the film is stretched in the width direction, the in-plane retardation is small and no variation compared to the conventional method. An optical film can be produced. And the surface unevenness | corrugation of the manufactured optical film is small, and it is excellent in planarity. According to the sixth aspect of the invention, the same effect can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic block diagram showing an embodiment of an apparatus for carrying out a method according to the present invention.
[Explanation of symbols]
(1): Support
(3) (4): Heating and drying equipment
(5): Release roll
(6) (8): Drying equipment
(7): First tenter device
(9): Second tenter device
(W): Web
(F): Film
Claims (6)
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