JP2004057446A - 電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機 Download PDF

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Yoshitaka Murata
村田 吉隆
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Abstract

【課題】回転ブラシを電動機の回転トルクで減速手段を用いず直接駆動し、、塵埃の集塵性を効率よく行うとともに、吸込具を大型化、重量化することなく、低騒音化かつ使用性の向上を実現させた電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機を提供することを目的としている。
【解決手段】回転ブラシ32内に電動機35を内蔵し、電動機35の回転力を減速機なしに回転ブラシ32に伝達する構成の吸込具本体31において、回転ブラシ32の長さLaと、電動機35のコア41の積厚Liの関係を、0.2La≦Li≦0.8Laに設定したことを特徴とし、掃除中の騒音が非常に静かで、しかも使い勝手に非常に優れた電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機が提供できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機によって回転される回転ブラシを具備した電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機に関するものである。回転ブラシで被掃除面の塵埃を効率よく集塵し、また、掃除中の騒音を低減する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気掃除機用吸込具は、回転ブラシで被掃除面の塵埃を効率よく集塵することとともに、掃除中の騒音を低減した低騒音の電気掃除機が市場から求められている。
【0003】
従来のこの種の電気掃除機用吸込具について、特願平11−054092記載のものを、図6を用いて説明する。
【0004】
図6に示すように、吸込具本体1は、じゅうたんなどの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ2を内蔵し、底面に吸込口を設け、後部に掃除機本体(図示せず)と連通される接続パイプ3を回転自在に具備している。回転ブラシ2の外周面にブラシ毛4を植毛し、内部に回転ブラシ2の駆動源である電動機5と、この電動機5の軸に装着し、回転を減速して回転ブラシ2に伝達する減速機6とを内蔵している。減速機6は遊星歯車によって構成され、その出力軸には突設した凸部を有する嵌合部材9が備えられ、回転ブラシ2の内周面に設けられたキー溝部10の凹部に嵌合され回転力を伝達する。
【0005】
また、回転ブラシ2の両側の開口部は、電動機5側には第1の蓋体12、他方には第2の蓋体12を装着している。
【0006】
固定軸15は中空に形成し、一端を回転ブラシ2の側方に突出させ、吸込具本体1に固定されるとともに、第1の軸受11を介して第1の蓋体12を支持する。固定軸15の中空部には電動機5に接続するリード線を配している。固定軸15の他端は円筒状に形成して回転ブラシ2の内側に配設し、電動機5を支持している。
【0007】
上記構成において動作を説明すると、吸込具本体1と掃除機本体に通電すると電動機5が回転し、減速機6によって減速されながら回転トルクが増大されて回転ブラシ2に伝達され、ブラシ毛4によりじゅうたんなどに付着した塵埃を掻き出すとともに、掻き出された塵埃は掃除機本体に吸引される。このとき、電動機5によって回転されるのは、減速機6と回転ブラシ2と第1の蓋体12、第2の蓋体13のみで、電動機5と固定軸13とリード線は、吸込具本体1に固定保持されている。
【0008】
また、掃除機本体を運転すると、吸込具本体1と床面で囲まれた空間に負圧がかかり、吸込具本体1の外周より外気が流入して接続パイプ3へ流れ込み、この気流により床面上の塵埃も一緒に接続パイプ3を通じ掃除機本体へ吸い込まれていく。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の電気掃除機用吸込具では、減速機6を介し、電動機5の回転力を回転ブラシ2に伝達するので、回転ブラシ2の動作時には減速機6から耳障りなギヤ音が発生し、掃除作業中に苦痛に感じられるという課題があった。
【0010】
本発明は、回転ブラシを電動機の回転トルクで減速手段を用いず直接駆動し、、塵埃の集塵性を効率よく行うとともに、吸込具を大型化、重量化することなく、低騒音化かつ使用性の向上を実現させた電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの全長Laと、前記電動機のコアの積厚Liの関係を、0.2La≦Li≦0.8Laに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの全長Laと、前記電動機のコアの積厚Liの関係を、0.2La≦Li≦0.8Laに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの全長Laを、150mm≦La≦350mmに設定し、かつ、前記電動機のコアの積厚Liを、30mm≦Li≦120mmに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの内径Daを、18mm≦Da≦34mmに設定し、かつ、前記電動機のコアの外径dを、14mm≦d≦30mmに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの質量Maを、140g≦Ma≦500gに設定し、かつ、前記電動機のコアの質量mを、26g≦m≦220gに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、吸込具の質量Mbを、250g≦Mb≦610gに設定し、かつ、電動機のコアの質量mを、26g≦m≦220gに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの容積Vaを、25cm≦Va≦210cmに設定し、かつ、前記電動機のコアの体積vを、6mm≦v≦50mmに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、吸込具の体積Vbを、720cm≦Vb≦1400cmとし、かつ、電動機のコアの体積vを、6mm≦v≦50mmに設定したことを特徴とするもので、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できるため、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機用吸込具を提供することができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、掃除機本体に吸引風を発する電動送風機を内蔵させ、前記電動送風機と、上記請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を連通させた電気掃除機で、回転ブラシを減速機なしで駆動する構成において、塵埃を集塵する効率と、吸込具の使い勝手を両立して実現できる吸込具を提供できるので、音が静かで、使いやすく、性能の良い電気掃除機を実現することができる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。
【0021】
図1に示すように電気掃除機は、吸込具本体31は、後部に掃除機本体25とホース26、延長管27を介して連通される接続パイプ33を回転自在に具備している。
【0022】
図2に示ように吸込具本体31は、じゅうたんなどの被掃除面に付着した塵埃を遊離させる回転ブラシ32を備えている。回転ブラシ32は中空で略円筒形状をしており、外周面にブラシ毛34を植毛し、内部に回転ブラシ32の駆動源である電動機35を内蔵している。なお、回転ブラシ32は合成樹脂のABSにて形成されている。
【0023】
回転ブラシ32の両側の円筒開口部は、電動機35側には第1の軸受49を中央に備えた第1の蓋体37、他方には第2の軸受50を中央に備えた第2の蓋体38を装着している。第1の軸受49の内輪には一端を回転ブラシ32側方へ突出されるモータシャフト43が圧入固定され、突出されたモータシャフト43の一端は第1の固定軸51と、ゴムなどの弾性体により形成される第1の緩衝材57によって、吸込具本体31に固定され、また、第2の軸受50の内輪には一端を回転ブラシ32側方へ突出される第2の固定軸53が圧入固定され、突出された第2の固定軸53の一端は第2の緩衝材58によって、吸込具本体31に固定され、回転ブラシ32を回転自在に吸込具本体31に保持する。
【0024】
回転ブラシ32の駆動源である電動機35は、珪素鋼板を打ち抜いたラミネーションを積層され構成されるコア41がモータシャフト43に圧入固定され、コア41のスロット内にエナメル線などの巻線42が巻線され構成されステータを形成する。また、コア41の外周には、円筒形で複数極に着磁されたマグネット48が、所望のエアギャップを確保しながら回転ブラシ32の内周に接着などの手段によって固定され、回転ブラシ32と一体化され電動機35のロータを形成している。モータシャフト43には、マグネット48の磁極を検出するホール素子などのセンサーを具備するセンサー基板45が設けられ、回転中の信号を電動機35の駆動回路55へ伝達している。
【0025】
一方モータシャフト43の回転ブラシ32内部方向の一端と、第2の固定軸53には、電動機35を駆動するために必要な駆動回路55が、固定ビス47などによって頑丈に保持、固定されている。コア41の巻線42のコイル端46やセンサー基板45からの信号線59は駆動回路55に接続され、また、電動機35に電力を供給する電源線56も駆動回路55に接続される。
【0026】
次に動作、作用について説明すると、吸込具本体31と掃除機本体25に通電すると電動機35が回転し、回転トルクが回転ブラシ32に伝達され、ブラシ毛34によりじゅうたんなどに付着した塵埃を掻き出すとともに、掻き出された塵埃は掃除機本体に吸引される。
【0027】
このとき、電動機35によって回転されるのは、電動機35のロータを構成するマグネット48と、マグネット48に連結されており回転ブラシ32(第1の蓋体37、第2の蓋体38、ブラシ毛34を含む)、回転ブラシ32を回転保持する第1の軸受49、第2の軸受50の外輪のみであり、第1の固定軸51および第2の固定軸53によって保持される電動機35のモータシャフト43、コア41、センサー基板45や駆動回路55等の構成部分は、吸込具本体31に固定保持されている。
【0028】
ここで、本構成の吸込具についての設定について図2〜図5を参照しながら説明する。
【0029】
最初に本発明に関する吸込具本体31の基本的な要件を述べと、回転ブラシ32を有し、回転ブラシ32に設けられたブラシ毛34にて、じゅうたんなど被掃除面の塵埃を効率よく集塵する方式である。ブラシ毛34と被掃除面の回転中の摩擦が大きい方が、効率よく塵埃を掻き出し、相対的には集塵の効果が高いが、ブラシ毛34と被掃除面の摩擦が高いということは、回転ブラシ32を回転させる力、つまり、電動機35より発生する回転トルクがより必要となる。電動機35から発生する回転トルクは、電動機35の設計要素、つまりマグネット48の材質やサイズ、巻線の線径や巻数、コアの材質やサイズ(外径や積厚)などで決まる。しかしながら本発明を実施する吸込具本体31の構成のように、回転ブラシ32内側の限られた空間に内蔵されるような場合で、しかも電動機35の回転力を減速なしに伝達し使用する場合においては、電動機35自身の駆動力(回転トルク)を、従来構成の電動機5と比較すると格段(数倍程度)に大きく確保する必要がある。そのため、マグネットや巻線などの要素で駆動力(回転トルク)を向上する仕様に設定した上で、さらにコア41のサイズ(この場合サイズでも径方向は回転ブラシ32の内径によって規制を受けるため長さ方向、つまり積厚Li)の設定に依存する部分が大きい。コア41の積厚を大きくすることは、質量の増加を伴い、結果として使い勝手が悪い吸込具本体31となる。また、回転ブラシ32の回転させる力を低減するために、回転ブラシ32自身の長さを小さくすることで、ブラシ毛34と被掃除面の摩擦は低減され、電動機35に求められる回転トルクは低減されるが、回転ブラシ32を短くすることは、掃除する際に吸込具本体31を動かす一回の操作で掃除できる被掃除面が狭くなり、全体として効率よく掃除できない。これら、回転ブラシ32での掃除における集塵性能と、使い勝手には背反する事象となっている。
【0030】
そこでまず回転ブラシ32の長さ(円筒形の端部から端部の長さ)Laについて考える。Laは、掃除操作における掃除範囲と密接な関係にあるが、一方では掃除の動作、機動性などの使い勝手にも影響する。この関係の一例を図3に示す。図3にも示すようにLaが大きければ大きいほど掃除中の一動作で掃除できる範囲は大きくなるが、Laが大きくなればなるほど吸込具本体31も大型化、重量化し使い勝手は悪化する。この関係により回転ブラシ32の長さLaは、150mm以上350mm以下が適切な設定であるといえる。
【0031】
一方、回転ブラシ32の駆動源である電動機35のコア41の積厚Liと、電動機35の回転トルクの関係について一例を図4に示す。積厚Liを大きくすれば所望のように回転トルクは大きくなるが、コア41は珪素鋼板によって形成されるので、質量の増加による吸込具本体31への質量アップの影響も大きい。これら双方を考慮するとコア41の積厚Liは、回転トルクの約1.3kgf・cmから約4.3kgf・cmの範囲にあたる30mm以上120mm以下が回転ブラシ32を直接駆動する方式に適切な設定であることがいえる。
【0032】
つまり、吸込具本体31に使用される回転ブラシ32を減速なしで直接駆動される形態において、回転ブラシ32の長さLaと、駆動源の電動機35のコア積厚Liとの関係は、150mm≦La≦350mmで、30mm≦Li≦120mmとすることで、使い勝手がよく、集塵性能がよい吸込具本体31を実現するために必要な設定である。
【0033】
また、回転ブラシ32の長さLaは、掃除機の形態によっても影響を受ける。つまり、吸込力の小さな掃除機本体や、小型軽量を特徴とした掃除機本体などでは、Laは比較的小さく設定され、150mm≦La≦250mm程度であり、逆に吸込力の大きな掃除機や、業務用などの掃除機においては、Laは大きく設定され、250mm≦La≦350mmとなる。このとき本発明のような回転ブラシ32を有する吸込具本体31を採用するときも当然考慮される。Laが比較的小さな、150mm≦La≦250mm程度のものは、それに使用される電動機35も相応に小型化が必要で、コア41の積厚Liは、30mm≦Li≦60mm程度であり、Laが大きな、250mm≦La≦350mmのものは、40mm≦Li≦120mmとなる。それぞれの吸込具本体31の形態により寸法設定は一概に決められないが、吸込具本体31の集塵性能を向上させるため、回転ブラシ32に必要な回転力を有するためには、概ねLaとLiの関係は、0.2La≦Li≦0.8Laに設定することで実現できる。とりわけ回転ブラシ32の回転力と、吸込具本体31の質量を鑑み、実現できる関係は、0.3La≦Li≦0.5Laに設定することで実現できる。
【0034】
つぎに、回転ブラシ32の円筒の内径と、電動機35のコア41の外径について述べる。
【0035】
回転ブラシ32の内径には、内蔵される電動機35のロータを兼ね、電動機35のマグネット48を具備している。
【0036】
回転ブラシ32の内径寸法Daは、大きく設定すれば、被掃除面からの塵埃を集塵する能力は向上するが、回転ブラシ32外周に設けられるブラシ毛34が被掃除面と接触するときに受ける摩擦が大きくなり、回転ブラシ32を回転させる回転力もDaにつれて、より必要となってくる。内蔵する電動機35より発生する回転トルクと、電動機35自身の質量アップ、また回転ブラシ32の径アップと吸込具本体31の操作性を考慮すると、Daは34mm以下に設定しなければ、集塵性と、使い勝手を両立した吸込具本体31の実現は困難になる。また逆にDaを小さな設定にするほど、電動機35に要求される回転トルクは相応に小さくて済む。しかしDaを小さくしすぎると、回転ブラシ32に内蔵される電動機35もさらに径小化が必要となり、電動機35のコア41の外径寸法dも小さくする必要がある。dはコア41に巻線する関係や、モータシャフト43に圧入する関係より小型化するには限界がある。小型の電動機35を実現するためには、コア外径dは少なくとも14mm以上でなければ実現性に乏しい。したがって、本発明のような回転ブラシ32を減速なしで駆動する構成の吸込具本体31を実現するための要件として、回転ブラシ内径Daを、18mm≦Da≦34mmに設定し、なおかつ電動機35のコア外径dを、14mm≦d≦30mmに設定する必要がある。
【0037】
今度は、上記で述べた回転ブラシ32及び電動機35のコア41の長さと径の関係の他に、回転ブラシ32の質量Maと、電動機35のコア41の質量mの関係について説明する。
【0038】
回転ブラシ32の質量Maと、電動機35のコア41の質量mは、140g≦Ma≦500gの設定で、なおかつ、26g≦m≦220gの設定とする。これらは、回転ブラシ32を電動機35にて直接駆動する際に、必要な回転トルクと、それを実現するために必要と考えられる電動機35の構成、仕様に基づき算出された数値であり、この関連を成り立つような設計とすることで、実現性のある吸込具本体31を構成することが可能となる。
【0039】
また、同様に吸込具本体31の質量Mbと、電動機35のコア41の質量mは、250g≦Mb≦610gの設定で、なおかつ、26g≦m≦220gの設定とする。上記同様、吸込具本体31を実現するうえで、この質量関係を遵守することで、回転ブラシ32を電動機35にて直接駆動する個性にて、使い勝手がよい吸込具本体31を実現することが可能である。
【0040】
次に、回転ブラシ32の円筒部の内側の容積Vaと、電動機35のコア41の体積vの関係について説明する。
【0041】
回転ブラシ32の容積Vaと、電動機35のコア41の体積vは、25cm≦Va≦210cmの設定で、なおかつ、6mm≦v≦50mmに設定とする。これは、上記にも述べた説明と同様に、回転ブラシ32を電動機35にて直接駆動する際に、必要な回転トルクと、それを実現するために必要と考えられる電動機35の構成、仕様に基づき算出された数値であり、この関連を成り立つような設計とすることで、実現性のある吸込具本体31を構成することが可能となる。
【0042】
また、吸込具本体31の体積Vbと、電動機35のコア41の体積vは、720cm≦Vb≦1400cmの設定で、なおかつ、6mm≦v≦50mmの設定とする。上記同様、吸込具本体31を実現するうえで、この質量関係を遵守することで、回転ブラシ32を電動機35にて直接駆動する個性にて、使い勝手がよい吸込具本体31を実現することが可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、回転ブラシを電動機の回転トルクで減速手段を用いず直接駆動し、塵埃の集塵性を効率よく行うとともに、吸込具を大型化、重量化することなく、低騒音化かつ使用性の向上を実現させた電気掃除機用吸込具およびそれを用いた電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の電気掃除機の斜視図
【図2】同電気掃除機用吸込具の断面図
【図3】同回転ブラシの長さに関する特性図
【図4】同回転トルクと電動機のコア重量の相関図
【図5】同回転ブラシ内径と必要トルクの相関図
【図6】従来の電気掃除機用吸込具の断面図
【符号の説明】
31 吸込具本体
32 回転ブラシ
33 接続パイプ
34 ブラシ毛
35 電動機
41 コア

Claims (8)

  1. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの全長Laと、前記電動機のコアの積厚Liの関係を、0.2La≦Li≦0.8Laに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  2. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの全長Laを、150mm≦La≦350mmに設定し、かつ、前記電動機のコアの積厚Liを、30mm≦Li≦120mmに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  3. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの内径Daを、18mm≦Da≦34mmに設定し、かつ、前記電動機のコアの外径dを、14mm≦d≦30mmに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  4. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの質量Maを、140g≦Ma≦500gに設定し、かつ、前記電動機のコアの質量mを、26g≦m≦220gに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  5. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、吸込具の質量Mbを、250g≦Mb≦610gに設定し、かつ、電動機のコアの質量mを、26g≦m≦220gに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  6. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、前記回転ブラシの容積Vaを、25cm≦Va≦210cmに設定し、かつ、前記電動機のコアの体積vを、6mm≦v≦50mmに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  7. 下面に吸込口を開口させた吸込具本体と、前記吸込口に臨んで被掃除面の塵埃を掻き上げる回転ブラシを備え、前記回転ブラシ内に巻線されたコアとマグネットを有する電動機を内蔵し、前記電動機の駆動力を前記回転ブラシに直接伝達するとともに、吸込具の体積Vbを、720cm≦Vb≦1400cmとし、かつ、電動機のコアの体積vを、6mm≦v≦50mmに設定したことを特徴とする電気掃除機用吸込具。
  8. 掃除機本体に吸引風を発する電動送風機を内蔵させ、前記電動送風機と、上記請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気掃除機用吸込具を連通させた電気掃除機。
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