JP2004056755A - コード読取装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コードが設けられる被読み取り面を明るく照らせる構成とすると共に、均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とする。
【解決手段】ハウジング内に配設された照明用光源18からの光を、固有コード10が設けられる被読取り面32に対して照射し、固有コード10に当たって反射した反射光を、ハウジング内に設けられた入射瞳の機能を有する孔8bを介してCCDカメラ95に入射させ、固有コード10の情報を読み取るコードリーダ1において、照明用光源18から発せられた光を拡散部材27を透過させることによって拡散させ、拡散された光を被読取り面32に対して照射させる。この場合、ハウジングに設けられた孔8bに対して両側に、照明用光源18を対向配置させ、拡散部材27を照明用光源18と読取部7との間に配設した。
【選択図】 図12
【解決手段】ハウジング内に配設された照明用光源18からの光を、固有コード10が設けられる被読取り面32に対して照射し、固有コード10に当たって反射した反射光を、ハウジング内に設けられた入射瞳の機能を有する孔8bを介してCCDカメラ95に入射させ、固有コード10の情報を読み取るコードリーダ1において、照明用光源18から発せられた光を拡散部材27を透過させることによって拡散させ、拡散された光を被読取り面32に対して照射させる。この場合、ハウジングに設けられた孔8bに対して両側に、照明用光源18を対向配置させ、拡散部材27を照明用光源18と読取部7との間に配設した。
【選択図】 図12
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体に設けられた固有コード(物体に固有な情報を示す一次元コード、二次元コード、多次元コード等)に対して光を照射し、照射した光が固有コードに当たって反射し、その反射による反射波によって、固有コードに示される情報を読み取るコード読取装置に関するものであり、特に、そのコード読取装置の内部構造に係わる。
【従来の技術】
従来、特定の物体(例えば、これを製品とする)の管理を行う際、個別の製品を識別するために、製品に固有コード(例えば、製品固有の情報を示す一次元、二次元、多次元と言ったコード)が設けられている。その特定の製品に設けられた固有コード(単に、コードと称す)を、読取装置(コードリーダ)によって読み取り、製品全体の管理が行われる。
例えば、特開2001−160115号公報に開示されるコードリーダでは、コードリーダの本体の上方部にレンズ及びセンサを配設し、下方部に読取部を設け、読取部の内周面に複数の光源を対向配置させている。
【発明が解決しようとする課題】
上記した公報に示されるコードリーダでは、光源を読取部の内周面に複数個配置することによって、コードが設けられる被読み取り面に対して、光源からの光を照射することはできる。
しかしながら、このコードリーダでは、複数の光源を互いに対向して配設しているため、センサに反射光を入光させるレンズの周囲は明るくなるが、光源からの光の照射角度の広がりを利用して、被読み取り面への照明を行っている。それ故に、コードが設けられる被読み取り面に対しては、読取部と被読み取り面との距離が長くなればなる程、光源からの光が被読み取り面まで到達しなくなる。その結果、対向配置された光源からの光によって、被読み取り面を明るくする構造としては効率の良い照射ではなく、この構造では被読み取り面が暗くなり、コードの認識が難しくなってしまう。
また、このコードリーダでは、光源から発せられた光は、被読み取り面に対して均一化された光を照射することができず、明暗のむらが生じてコード読み取りに影響を与えるものとなる。
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、コードが設けられる被読み取り面を明るく照らせる構成とすること、均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とすること、を技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、物体に設けられた固有コードを読み取る読取部を有したハウジングと、該ハウジング内に配設された発光手段と、前記ハウジング内に配設され、前記固有コードを撮像する撮像手段とを備え、前記発光手段から光を前記固有コードが設けられる被読取り面に対して照射し、前記固有コードによって反射した反射光を、前記ハウジング内に設けられた入射瞳を介して前記撮像手段に入射させ、前記撮像手段により前記固有コードの情報を読み取るコード読取装置において、
前記発光手段からの光を、透過させることにより拡散させ、拡散された光を前記被読取り面に対して照射させる拡散部材を備え、前記入射瞳に対して両側に前記発光手段を対向させ、前記発光手段と前記読取部との間に、前記拡散部材を配設したことである。
上記した手段によれば、発光手段から発せられた光を拡散部材への透過によって拡散させ、拡散された光を被読取り面に対して照射させる構成となるが、発光手段が対向配置されていても、拡散部材により発光手段からの光を屈折させて、拡散光を被読み取り面に照射することが可能となる。発光手段から発せられた光は拡散部材を通過する際に屈折を伴う。この拡散部材を通過する際の屈折により、被読み取り面への照射角度が広くなる。また、被読み取り面では発光手段から発せられた光が拡散部材を透過すると散乱光となり、この散乱光によって被読み取り面は明るくなる。このため、固有コードに当たって反射する反射光の輝度が従来に比べて向上するので、コード認識がし易くなる。さらに、拡散部材は、拡散部材と発光手段との最短距離Laに比べて、拡散部材と入射瞳との最短距離Lbを、短くした状態でハウジング内に配設されると、発光手段からの光の強度が強い位置では拡散部材までの距離を長く、発光手段からの光の強度が弱い位置では、拡散部材までの距離を短くすることによって、拡散部材を透過した光により、均一な拡散光が作られ、均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とすることが可能となる。
この場合、拡散部材は、反射光が入射瞳に入光する孔を有し、湾曲状を呈すれば、固有コードに当たって反射した反射光は、拡散部材の孔より入光される。このため、入射瞳には反射光の輝度が減衰しない反射光が孔を介して入光されるため、コード認識がよりし易くなる。また、拡散部材を湾曲状とすることにより、読取部に均一な光を集光させることが可能となり、コード認識がより容易となる。
また、拡散部材は、少なくとも入射瞳に対向する部位では光が透過する際に、光を直線透過させることにより、光が拡散部材透過時には入射瞳に対向する部位では反射光が直線透過して、ひずみのない画像を撮像手段により撮像することが可能である。この様な拡散部材は、例えば、透明なガラス、プラスチック、樹脂等から成るシート状の部材に、少なくとも入射瞳に対向する部位を除いて、拡散材、例えば、ビーズコート層等を塗布あるいは貼付することにより実現することが可能である。また、中央に孔を有する拡散部材に対して、孔に透明な部材、例えば、透明なガラス、プラスチック、樹脂等を充填しても良い。
更に、拡散部材は偏肉となっており、孔に向かって厚さを徐々に薄くすれば、拡散部材の形状変化よって、より均一な拡散光が作られる。
更にその上、ハウジング内部に発光手段と拡散部材が設けられ、開口を有した照明ユニットを備え、読取部をハウジングから脱着自在として、拡散部材を開口から照明ユニット内部に収納自在とすれば、発光手段と拡散部材を備えた照明ユニットがハウジング内部に配設される場合、読取部をハウジングから外して、開口から拡散部材を照明ユニット内部へと収納することが可能となり、開口から拡散部材の取り替えが行える。
照明ユニットの内面を、前記発光手段からの光を反射させる鏡面または明彩色とすれば、照明ユニットの鏡面または明彩色と成る内面にて、効率良く発光手段からの光が反射する。
拡散部材は、拡散シートと、拡散シートの周囲を保護する保護フレームとを有したので、拡散部材は保護フレームを介して照明ユニット内への取り付けが行える。
また、拡散シートを、保護フレームの中に装着自在としたので、拡散シートのみの交換が可能である。例えば、拡散シートの透過率を変化させたい場合に、所定の透過率を有する拡散シートの交換が可能である。
保護フレームには、リップが形成されると、リップにより拡散部材の照明ユニットからの取り出し、または、収納が可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるコード読取装置(以下、コードリーダと称す)1について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施形態においては、コードリーダ1は、例えば、金属、ゴム、セラミック、樹脂等から成る複数ある物体30の中から、ある物体30を特定するために、物体側に固有のコード(例えば、一次元コード、二次元コード、多次元コードと言ったコード)を直接的または間接的に設け、このコード10からコード10に示される物体固有の情報を読み取る装置を示す。本実施形態においては、一例として二次元コード(単に、コードと称す)を読み取る装置として以下に説明するが、二次元コードのみに限定されるものではなく、例えば、一次元コード(例えば、バーコード)や多次元コードが印された部材、あるいは、これらのコードが示された特定部位に、コードリーダ1から光を照射して、照射した光がコード10に当たって反射した反射波により、コード(正確にはコードで示された情報)を読む装置に適用が可能である。尚、本実施形態において、後述するレンズ群91及びCCDカメラ95のCCD素子に垂直な光軸xの方向をx軸とし、x軸に垂直な方向をy軸、x軸およびy軸に垂直な方向をz軸と定義する。また、図1に示すコードリーダ1の上方をリーダ上部、その下方をリーダ下部、右側を背面と定義して、以下に説明を行う。
図1はコードリーダ1の外形形状を示し、図2はコードリーダ1を握って背面側から見た場合(xy平面)での右断面図であり、図3はその左断面図である。
図1に示すコードリーダ1は、樹脂(例えば、ABS樹脂、ウレタン樹脂等)より成る2つのハウジング2,3により構成される。ハウジング2は背面に開口が形成され、その開口が凹部形状のハウジング3により覆われる。ハウジング2のリーダ上部にはx方向に突出した略四角形状のフード部2aが一体で形成されている。また、ハウジング2のフード部2aからは、図1に示すy軸から鋭角方向に少し斜いた方向に延在するグリソプ部2bが形成されている。ハウジング2,3は互いに形成された開口を塞ぐ様に組み合わされ、ビス等の締結部材によって固定されている。
コードリーダ1には、フード部2aとグリップ部2bとの間にz軸を中心として回動操作が可能な操作レバー31が設けられる。操作レバー31はハウジング2のフード部2aとグリップ部2bとの間に、回動自在に取り付けられ、ユーザが操作レバー31を操作することによって、ロードリーダ1を起動させ、物体30に設けられたコード10を読み取る事ができる。
コードリーダ1のハウジング2,3とが固定される場合、両ハウジング2,3との間には、両ハウジング2,3の開口形状に一致したゴム、エラストマー等の材質から成る滑り止め部材4が配設される。この滑り止め部材4は、ハウジング2,3の合わさる開口端部の形状に沿って、ハウジング2,3に嵌着される。この滑り止め部材4により、ユーザはグリップ部2bを握ってコードリーダ1を操作し、コード10の読み込み操作を行う場合に、滑り止め部材4はグリップ部2bからの手の滑りを防止する機能を有する。
次に、図2を参照して、コードリーダ1の内部構造および各部品要素のハウジング内での配置について説明する。ハウジング2のフード部2aはx方向において開口し、フード部2aには光学的に読み取り深度を調整するための調整部材12が開口端に嵌められている。調整部材12はフード部2aの開口端と同じ形状、且つ、ハウジング2と同じ材質から成り立っている。この調整部材12の先端には、赤外線あるいは紫外線等をカットする光学フィルタ機能を有する光透過板(例えば、光学フィルタとしての加工を施した、透明または半透明ガラスやプラスチック等)を内部に備えたフードカバー(キャップ)5が設けられている。フードカバー5はゴム、エラストマー等から成り立っており、フード部2aの開口と同じ調整部材12の開口の形状に沿って、フード部2aに設けられた調整部材12の一端に嵌着されている。
フードカバー5には、コードリーダ1によりコード10の読み取りを行う場合に、コード10と読み取り面7との間でy方向およびz方向の位置合わせを容易とするため、略四角形状であるフードカバー5のy方向およびz方向における中央に三角形状を呈する位置決め部5aが4ヵ所に、フードカバー5に一体で形成されている。このフードカバー5により塞がれた面が、コード10を読み取る場合に読取部7となり、その先がコード10を読み取る場合の被読み取り面32となる。また、フード部2aの内部には、被読み取り面に対して照明を行う照明ユニット8が配設される。
照明ユニット8は、読取部7の側に開口8eを有する直方体形状の有底箱型を呈し、樹脂より成り立っている。この照明ユニット8は、z方向におけるx方向の背面内壁の両側に、有色(例えば、赤色)の光を発して、被読み取り面32を照明するための照明用光源18がそれぞれ配設されている。照明ユニットの内壁は、照明用光源18から発せられた光を内部反射し易くするために、明彩色(例えば、白色等の明るい色)で塗装または明彩色の樹脂にて成形されている。この場合、照明ユニット8の内壁は明彩色で塗装されていなくても、鏡面状となっている、若しくは、鏡面仕上げが施されていても良い。また、照明ユニット8の内部の照明用光源18と読取部7との間には、照明用光源18から発せられた光を通過時に拡散させ、被読み取り面32へと効率良く拡散された光(拡散光)を照射するために、拡散部材27が配設される。
拡散部材27は、図13に示す如く、拡散部材27は湾曲形状を呈し、中央にはコード10に当たって反射した反射光を、CCDカメラ95に入光させる孔29aが形成されている。拡散部材27は、実際に入射した光を拡散させる拡散シート29と、拡散シート29を照明ユニット内の所定位置に嵌め込まれて取り付けられるシートフレーム(保護フレーム)28を備える。拡散シート29は、厚さが数mm(例えば、0.1〜0.2mm程度、好ましくは、0.15mm)の白色の半透明なポリエステルまたはポリカーボネートから成る、透過率が、75〜85%程度のものを用いている。一方、シートフレーム28は、拡散シート29を衝撃力が作用した場合に保護するため枠形状を呈し、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン系、エラストマーのいずれかの材質から成り立っている。
このシートフレーム28は、弾性変形が可能であり、拡散シート29を挟み込むことが可能である。具体的に、シートフレーム28の一方向(図13では上方)には、拡散シート29を内部に挟み込んで、拡散シート29を内部収納するための挿入口28aが形成され、挿入口28aから拡散シート29を差し込み、図13に示す如く、シートフレーム28により拡散シート29を周囲で支持した状態で照明ユニット内に配設することが可能である。また、拡散シート29は両側と中央にて膜厚を徐々に変化させたり、経年変化により劣化または破損した場合には、シートフレーム28から引き出して取り除く事ができ、シートフレーム28からの拡散シート29の取り替えが行える。更に、拡散部材27の照明ユニット8の開口8eからの取り替えを容易とするために、シートフレーム28の両端部28bのy方向における端部両側には、内側へと突出するリブ28cがシートフレーム28に一体で形成されている。
上記した構成の拡散部材27を、照明ユニット8の内部に配設することによって、照明ユニット8の内部で拡散部材27により拡散光を作っている。この場合、拡散光は図12に示す点線内の領域にて均一に作られ、被読み取り面32に対して拡散光を照射させることによって、被読み取り面32の照明を行う様にしている。
照明ユニット8の底部8aには孔8bが形成されている。孔8bは、拡散シート29に形成された孔29aに対向して設けられ、CCDカメラ95のCCD素子に対して、反射光を利用して像を結像させる場合に光を制限する入射瞳としての機能を有する。また、中央に形成された孔8bのz方向における両側には、有色(例えば、赤色等)の光を発するマーカー用光源(マーカー用LED)94からの光が被読み取り面32に対して通過させる長方形状のスリット孔8cが底部8aにそれぞれ形成されている。この場合、照明用光源18と拡散部材27の拡散シート29までの最短距離La、入射瞳の機能を有する孔8bと拡散シート29までの最短距離Lbの関係は、La>Lbとなり、底部中央の孔8bの位置から、スリット孔の形成された方向、つまり、孔8bからz方向の両側に行くに従い、徐々に増加する。尚、これら2つの最短距離La,Lbは、実際にはx方向における距離と一致する。
底部8aの奥には、中央に複数のレンズを内部に備えるレンズ群(複数のレンズの光軸は全て一致)91を備えた光学ユニット9が配設される。光学ユニット9は照明ユニット8の背面にビス等の締結部材により、照明ユニット8が固定される。光学ユニット9は樹脂より成る立方体形状を呈し、x方向においてレンズ群91が配設されるレンズ孔92が形成されていると共に、レンズ孔92の両側にそれぞれ2つのマーカー用光源94が配設される光源孔93が、光学ユニット9に形成されている。光学ユニット9のレンズ孔92には複数のレンズ(凹レンズ、凸レンズ)を有するレンズ群91が配設されると共に、2つの光学孔93にはマーカー用光源94の本体が挿入され、配設されている。この場合、レンズ群91とCCDカメラ95との光軸xは一致する。
光学ユニット9の背面は、図4に示す様に、凹部形状となっており、この凹部にCCD素子を内部に有するCCDカメラ95を表面実装した光学基板11が、光学基板11の背面からビス等の締結部材により固定される。この光学基板11には、CCDカメラ95の他、コード読み取り時に読み取り位置を示す光を2ヶ所にて発するマーカー用光源94が取り付けられる。また、光学基板11には、チップ状のトランジスタ、抵抗やコンデンサ等の電子部品が実装され、CCDカメラ95の駆動および検出回路、更にはマーカー用光源94を駆動するドライバ回路が構成される。光学基板11は、マーカー用光源94を発光させると共に、CCDカメラ95を駆動してCCD素子に結像された像からコード読み取りに係わる検出信号を出力する。光学基板11にはメイン基板21と電気的接続を成すハーネスが接続され、光学基板11からのコード読み取りに係わる検出信号は、メイン基板21に伝達されると共に、メイン基板21からの信号によって、マーカー用光源94およびCCDカメラ95を駆動することができる。
メイン基板21は、図5に示す如く、ハウジング2の最背面に配設されて、リーダ1のコード読み取り制御を行うものであり、最裏面側に圧電ブザー22と読み取り完了を視覚的に示す読み取り確認用光源(緑色の確認用LED)24が実装され、半田付けによりメイン基板21に固定されると共に、その反対面に接触スイッチ23がメイン基板21に半田付けにより固定されている。また、メイン基板21には、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ状の電子部品が両面に実装されて、光学基板11からのCCD素子による検出信号をデコードするデコード回路を備えていると共に、圧電ブザー22を駆動する駆動回路、および、読み取り確認用光源24を駆動する駆動回路とを備える。更に、メイン基板21の光学基板側の表面にはコードリーダ1のコード読み取り制御を実施する図示しないCPUと、コード読み取りに係わる必要情報を一時的に記憶するメモリが実装される。メイン基板21は、対向配置される光学基板11とフラットケーブルにより電気的に接続され、メイン基板21において、CCDカメラ95によって読み取ったコードをデコード回路によってデコードし、デコードされた信号は、図2に示す様に、グリップ部2bの中に配設されるインターフェース基板25へと伝達される。
また、照明ユニット8の内部に配設される照明用光源18を駆動する信号は、図3に示す様に、グリップ部2bに配設される照明用光源駆動基板17により駆動される。この場合、照明用光源駆動基板17はメイン基板21からの指示によって駆動される。
上記したメイン基板21、光学基板11、光学ユニット9、および、照明ユニット8は、図8に示す様に、樹脂より成るホルダ20により一体化された状態となっている。このホルダ20はハウジング2の背面より所定位置に取り付けられ、ハウジング2に対してビス等の締結部材により、4ヵ所にて固定される。ホルダ20は、図8の如くy方向に延在し、リーダ上部となるホルダ20の端部には、長方形の係止孔がホルダ20に一体で形成されている。係止孔に照明ユニット8のリーダ上部に形成されたL字状の爪部8dが係止され、所定位置に位置決めされる。そして、照明ユニット8の背面がホルダ20に当接させて固定できる様、照明ユニット上端の爪部8dとは反対側において、ホルダ20にL字状の取付部20aが一体に形成されている。この取付部20aにビス等の締結部材をホルダ20の背面側から取り付けることにより、光学ユニット9を背面に取り付けた照明ユニット8が、ホルダ20のリーダ上部側(図8においては、下側)に固定される。
また、ホルダ20のリーダ下部側(図8においては、上側)の端部には、ホルダ19の一端がビス等の締結部材により2ヶ所で固定される。一方、ホルダ19の他端には、照明用光源18を駆動する、抵抗やトランジスタ等の電子部品が実装されたドライバ回路を備えた照明用光源駆動基板17がビス等の締結部材によって、図8の如くy方向において2ヶ所で固定された後、図3に示す様に、コードリーダ1のグリップ部2bの内部空間において挟み込まれた状態で、ハウジング2に対して固定される。照明用光源駆動基板17には、y方向の両端に2つのコネクタ17a,17bをそれぞれ備える。この中で、コネクタ17aにはメイン基板20と図示しないハーネスを介して接続を成す外部コネクタが接続される。これにより、メイン基板21から、照明用光源18を駆動させる光源駆動信号を出力し、その信号に基づき、照明用光源18を読み取り操作時に点灯または必要に応じて点滅させて、駆動させることができる。
次に、照明ユニット8の照明用光源18の構成について、図4および図9を参照して説明する。照明ユニット8は、図4に示す様に、拡散部材27が配設される空間に比べて、口径が狭くなった開口8eを有する。照明ユニット8は読取部7の背面に凹凸嵌合によりハウジング内で配設される。この照明ユニット8の背面位置であるz方向における両側に、図7に示す様、複数の照明用光源18(例えば、片側に6個)が備えついた照明用光源基板15が対向配置される。照明用光源18から発せられた光は、z方向においては中央の孔8bの位置で光がぶつかり合って、入射瞳の機能を有する孔8bを明るく照らす。このため、孔8bでは明るい状態となり、孔8bを介して反射光が入光され、CCD素子に取り入れられる。一方、x方向においては、拡散部材27が読取部7との間に配設されているので、所定の照射角度を有する照明用光源18からの光は、湾曲状となった拡散シート29を透過するが、この場合、拡散シート29により入射された光を拡散させ、照明ユニット内部で効率良く被読み取り面32を照らすための拡散光を作ることができる。
この場合、照明用光源18には、図8に示す如く、導電性のターミナル16が電気的に接続されている。このターミナル16は、照明ユニット8のz方向における側面に沿って配設される。更に、このターミナル16は、図示しないハーネスを介して、照明用光源駆動基板17の一方のコネクタ17bと電気的に接続される。これによって、メイン基板21から光源駆動信号を与えることによって、照明用光源18をコード読み取り操作時に、点灯または必要に応じて所定の周期で点滅させることができる。
一方、y方向に延在するホルダ20の途中には、x方向にスイッチ操作部20bが突出する。このスイッチ操作部20bは、ホルダ20に一体で形成されるがx方向への移動が自在となっている。スイッチ操作部20bは、図8に示す照明ユニット8がユニット化された状態(サブアッセンブリー状態)では、ホルダ20の背面にホルダ20に対向して取り付けられる。これによって、スイッチ操作部20bにより接触スイッチ23を押圧することができ、接触スイッチ23をオン/オフさせて、スイッチングの操作が行える。この場合、接触スイッチ23がオンの状態では、コードリーダ1によるコード10の読み込みが行える。一方、接触スイッチ23がオフの状態では、コードリーダ1によるコード10の読み込みを行わない。
次に、操作レバー31について説明する。ユーザがグリップ部2bを握り、指で操作レバー31を操作して、操作レバー31が操作されると、操作レバー31はフード部2aの根元近傍に位置する支点31bを中心として、図2において反時計方向に押圧されて回動するが、この場合、コードリーダ1には、操作レバー31を操作時に回動自在となる様、操作レバー31と対向するハウジング2の部位にはy方向に延在する面を有する凹部2cが形成されている。この凹部2cの一部にx方向に突出する突起2dが、ハウジング2に一体で形成されている。
一方、操作レバー31の背面にはスプリング13の一端が係止される凹部31aが形成され、操作レバー31に形成された凹部31aとハウジング2に形成された突起2dとの間にスプリング13が配設される。また、操作レバー31の支点31bとは反対側の端部には、y方向に延在するフランジ31cが操作レバー31に一体で形成されている。フランジ31cはハウジング2のグリップ部2bから、グリップ部2bの形状に沿って延在しており、凹部2cの一部を覆う規制部2fによって、操作レバー31の回動が規制される構成となっている。
これによって、操作レバー31は、スプリング13の付勢力に抗して押され、支点31bを中心として反時計方向に操作された場合には、操作レバー31の背面が規制部2fに当接するまで回動が成される。操作レバー31の背面にはスイッチ操作部20bが当接しており、操作レバー31の反時計方向の回動がなされると、スイッチ操作部20bが押圧される。その結果、スイッチ操作部20bの押圧によって接触スイッチ23がオン状態と成り、そのスイッチ信号がメイン基板21のCPUに入力される構成となっている。
一方、操作レバー31を操作後、操作レバー31に押圧力を付与しない状態となった場合には、スプリング13の付勢力によって、操作レバー31は支点31bを中心として図2に示す時計方向に回動する。そして、操作レバー31のフランジ31cがハウジング2の規制部2fに当接し、操作レバー31はこれ以上の時計方向への回動が規制され、非操作状態となる。この様に、操作レバー31の反時計方向の回動が解除されると、スイッチ操作部20bによる接触スイッチ23の押圧が解除される。その結果、接触スイッチ23がオフ状態と成り、そのスイッチ信号がCPUに入力される。
次に、コードリーダ1の外部装置40との接続について説明する。コードリーダ1のグリップ部2bの内部には、光源駆動基板17と所定間隔だけ離間した状態で、光源駆動基板17に対向してインターフェース基板(I/F基板)25が、ハウジング2の裏面に形成されたスリットに嵌り、取り付けられている。このI/F基板25は、メイン基板21に図示しないフラットケーブルにより電気的に接続されており、リーダ下部の一端にコネクタ26が固定されていると共に、内部にコードリーダ1の複数の基板に対して一定の直流電源(例えば、5V)を供給する電源回路を備える。また、I/F回路25は、メイン基板21に対して、安定した所定電源(例えば、直流5V)を供給すると共に、コネクタ26に外部コネクタが接続された場合においては、コネクタ26を介して接続される図示しない外部装置(例えば、ディスプレィ表示による表示機能を備えたコード読取装置やコード解析装置等)40とコードリーダ1との間で、コード10の読み取りに関する信号のデータ授受を行うことが可能である。尚、上記した構成においては、例えば、外部装置40からコードリーダ1に対して、デコード回路によりデコードされたコード10の読み取り信号を出力したり、外部装置40に対して、読み取り信号を送ることができる。
次に、コードリーダ1の作動について、図10を参照して説明する。本実施形態に示すコードリーダ1は、図11の如く、2次元の固有情報を示すコード10が付与された物体30に対して、コード10あるいはコードが付与された物体30に、読取部である読み取り面7を直接接触させて読み込みを行う事も、被読取り面7から離して非接触により、コード10の読み込みを行う事も可能である。
これから、コード10の読み取り操作を行うユーザは、コードリーダ1のグリップ部2bを把持し、二次元のコード10に対してコード読取部となる読み取り面7が上方となる位置にリーダ1を構える。そして、この状態で、ユーザは操作レバー31をスプリング13の付勢力に抗して引くと、操作レバー31は図2に示す反時計方向に支点31bを中心として回動する。これに伴い、操作レバー31の背面にてスイッチ操作部20bが押圧され、スイッチ操作部20bはx方向に移動し、スイッチ操作部20bの背面に設けられた接触スイッチ23が、スイッチ操作部20bの移動により押されて、オン状態となる。接触スイッチ23がオン状態となると、その信号をメイン基板21内の図示しないCPUは、読み取り開始のトリガーと見なし、コード10により示される情報を読み取ることが可能となる。この状態になると、メイン基板21は同時に照明ユニット内の照明用光源18およびマーカー用光源94を駆動する光源駆動信号を照明用光源駆動基板17および光学基板11に出力する。この光源駆動信号により、照明ユニット8の対向配置された照明用光源18が同時に点灯または必要に応じて所定周期にて点滅し、その光が入射瞳となる中央の孔8bの位置でぶつかり合って、孔8bを明るく照らすと共に、所定の照射角度を有する光の一部が拡散シート29に入射される。拡散シート29に入射された光(所定の照射角度を有した赤色の光の一部または照明ユニット8の明彩色(または、鏡面)となった内面にて反射した光)は、図12に示す如く、透過率が75〜85%程の拡散シート2により効率良く拡散されて、コード10の読み取りを行う読取部7へと導かれ、コード10が設けられる被読み取り面32に照射される。
このため、読取部7から被読み取り面32に対しては、拡散部材27の拡散シート29を透過させることにより、高光量でない所定光量の拡散光が発生し、被読み取り面32を明るく照らす。この場合、同時にメイン基板21はCCDカメラ95の両側に配設されるマーカー用光源94も駆動する。マーカー用光源94から発せられた赤色の光は、照明ユニット8の背面の底部8aに形成された細長いスリット孔8cをそれぞれ通った後、拡散シート29を通って、被読み取り面に照射され、コード10が設けられる物体30に対して位置合わせに使用される。そして、マーカー用光源94からの光により、コード10に対するコードリーダ1の位置合わせが行われ、コード読み取りが可能な状態になると、コード10に当たった光はコード10の状態(例えば、明暗状態または凹凸状態)により反射し、拡散シート29の中央の孔29aを経て、入射瞳の機能を有する照明ユニット8の中央の孔8bに入光する。孔8bに入光した光は、その後、レンズ群91を経て、CCDカメラ95のCCD素子に結像され、検出される。CCDカメラ95のCCD素子により検出された信号は、その後、メイン基板21へと伝達される。メイン基板21では内部のデコード回路により反射光の強弱によって検出信号がデコードされ、デコードされた信号がI/F回路25に伝達される。更にその後、デコードされた信号は、I/F回路25に設けられたコネクタ26から外部装置40へと伝えられる。外部装置40では、CCDカメラ95により検出した信号を元にして、読み取った二次元のコード10を必要に応じて外部装置40のディスプレィ上に表示したり、そのコード10により示される情報を解析することによって、複数の物体30の管理が行える様になっている。
次に、上記した構成のコードリーダ1における光学的な見地からの読み取り距離について、図10を参照して説明する。
本実施形態では、光学基板11が光学ユニット9の背面に取り付けられるが、この光学基板11にはCCDカメラ95が固定されている。図10に示す構成ではCCDカメラ95と複数のレンズを内部に備え持つレンズ群91との光軸xは一致する。ここで、CCDカメラ95とそのカメラ焦点Pfとの距離をL0とし、カメラ焦点Pfから読み取り面7までの距離をL1とした場合、L1がこのCCDカメラ95のCCD素子に像が結像され、被読み取り面での読み取り対象物(ここでは、二次元コード)が認識できる最小認識距離となる様に、フード部2aと光学フィルタ機能を有する光透過板6を保持するフードカバー5との間に、調整部材12を介在させている。この為、読取部7にコード10を直接接触させた場合であっても、CCDカメラ95が認識可能な距離が最小認識距離L1となることから、コード読み取りが行える。つまり、操作に不慣れなユーザであっても、コード10にコードリーダ1の読取部7をコード10が設けられる被読み取り面32に接触させれば、容易にコード読み取りができる。この場合、本実施形態では更に上記の構成において、コードリーダ1のグリップ部2bの端部2gを若干x方向に突出させている。この構成によって、グリップ部2bの端部2gと読取部7の端部の両方を物体30あるいは物体30を載せた基台に接触させた状態で、コードリーダ1を把持することなく操作レバー31の操作だけで、コード10の読み取りを行うことができる。また、本実施形態においては、読み取り時に読取部7をコード10から浮かせて読み込み操作を行っても、照明ユニット8によって、CCDカメラ95に反射光を入光する手前で、拡散シート29により拡散光を作った状態下で、CCDカメラ95により撮像を行っている。このため、例えば、コード10が鏡面状の物体上に設けられていても、拡散シート29をCCDカメラ95と読取部7との間に配設することによって、拡散光により反射光の強度が所定レベルにまで飽和するので、CCD素子がサチレーションを起こすことなくコード10の読み取りが行える。
本実施形態に示すコードリーダ1の構成では、コード10からコードリーダ1を離して読み取りを行う場合、最小認識距離L1にてカメラ焦点との位置関係が設定されるので、CCD素子による認識範囲の一方の零点が設定されたことになる。これによって、認識可能領域L2を最大認識距離の位置まで最大限に広くとることができ、操作時にコード10を認識し易くすることができる。この場合、最小認識距離と最大認識距離との間(中間位置)に最適な焦点位置BPがくる構成となる。
また、本実施形態においては、コード10の正確な読み取り動作がコードリーダ1により行なわれた際には、ハウジング内部に設けられた圧電ブザー22をピィあるいはピッピィと鳴らすと共に、緑色の光を発する読み取り確認用光源24をメイン基板21により点灯させている。つまり、この様に、圧電ブザー22による音による聴覚的な報知や、確認用光源24の駆動による視覚的な報知を行うことにより、ユーザはコードリーダ1がコード10を正確に読み取った事を容易に認識する構成とすることができる。
本実施形態では、照明用光源18から発せられる光を拡散させるため、均一な膜厚を有するシート状の拡散シート29を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示す拡散シート29の肉厚を偏肉とし、端部28bから中央の孔29aに向かって拡散シート29の厚さを徐々に可変させる(例えば、薄くする)こともできる。この様な構成を取れば、拡散シート29の肉厚を変化させるだけで、光が拡散シート29を透過することによって、均一な拡散光を作ることができる。つまり、照明用光源18から拡散シート29までの距離が長くなる位置では拡散シート29の膜厚を、照明用光源18から拡散シート29までの距離が短くなる中央に比べて薄くする。これは、照明用光源18からの光の強度が強い部位に比べて、照明用光源18からの光の強度が弱くなった部位の膜厚を薄くすることにより、拡散シート29の膜厚を変化させるだけの簡単な構成によって、より均一な拡散光を作ることができる。
更に、本実施形態では、ハウジング2よりフードカバー5を備えた調整部材12が外れる構成としており、ハウジング2から調整部材12を外した場合には、ハウジング内部に配設された照明ユニット8の開口8eが露出する構成となっている。このため、照明ユニット内に、均一な拡散光を作る為に、図13に示す拡散部材27を配設する際には、シートフレーム29の挿入口29aより拡散シート29をシートフレーム内に形成されたガイド面に沿って挟み込み収納する。その後、シートフレーム28の両側の端部28bを内側に撓ませて、開口8eより照明ユニット8の内部空間に拡散部材27を入れ込むと、拡散部材27を照明ユニット内に配設することができる。
この場合、拡散部材27は照明ユニット内に入り過ぎない様に、照明ユニット8の内面の所定位置に形成された図示しないストッパにて位置決めされると良い。この様な構成により、コードリーダ1の読取部7を調整部材12と一緒にハウジング2のフード部2aから外して、開口8eから拡散部材27を照明ユニット内へと収納することができる。これによって、拡散シート29の透過率を所望な透過率に変化させたい場合、経時変化によって拡散シート29の交換が必要になった場合には、開口8eから拡散部材27の取り替えが行える構成とすることができる。
この場合、シートフレーム28の端部28bにリップ28cが設けられていると、拡散シート29の交換時に、ユーザはリップ28cをつまみ、開口8eを介して、拡散部材27を照明ユニット8の内部から、取り出し易くすることができる。よって、拡散部材27の交換が容易に行える構成となる。
更にその上、本実施形態においては、拡散部材27は湾曲状を呈するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、照明ユニット8の底部8aに対して平行で設けられても良い。拡散部材27を平行に設けると、固有コード10に当たった反射光が入光する孔29aに関して、拡散シート29の底部8aと孔29aとの最短距離(Lb)に応じて孔29aの孔径を設定(最短距離Lbと孔径は正比例)することができる。
上記した拡散部材27の構成は、図14に示す構成としても、同様な効果を奏することができる。つまり、少なくとも入射瞳8bに対向する部位が、光が透過する際に光を直線透過させる透過部50aとその周囲に光を拡散させる機能を有する拡散部50bにて拡散シート50を構成しても良い。これは、少なくとも入射瞳に対向する部位では光が拡散シート50を透過する際に、拡散シートに入射する光を直線透過させることにより、光が拡散部材透過時には入射瞳に対向する部位では反射光が直線透過して、ひずみのない画像をCCDカメラにて撮像することができる。この様な拡散部材は、例えば、透明なガラス、プラスチック、樹脂等から成るシート状の部材に、少なくとも入射瞳に対向する部位を除いて、拡散材、例えば、ビーズコート層等を塗布あるいは貼付することにより作ることができる。また、中央に孔を有する拡散部材に対して、孔に透明な部材、例えば、ガラス、プラスチック、樹脂等を充填して作っても良い。
【効果】
本発明によれば、発光手段が対向配置されていても、拡散部材により発光手段からの光を屈折させて、拡散光を被読み取り面に照射することができる。また、拡散部材を通過する際の光の屈折により、被読み取り面への照射角度を広くすることができ、この散乱光によって被読み取り面は明るくなる。固有コードに当たって反射する反射光の輝度は、従来に比べて向上するので、コード認識をし易くすることができる。さらに、拡散部材は、拡散部材と発光手段との最短距離Laに比べて、拡散部材と入射瞳との最短距離Lbを、短くした状態でハウジング内に配設されると、発光手段からの光の強度が強い位置では拡散部材までの距離を長く、発光手段からの光の強度が弱い位置では、拡散部材までの距離を短くすることによって、拡散部材を透過した光により、均一な拡散光を作ることができ、この均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とすることができる。
この場合、拡散部材は、反射光が入射瞳に入光する孔を有し、湾曲状を呈すれば、固有コードに当たって反射した反射光は、拡散部材の孔より入光される。しかも、入射瞳には反射光の輝度が減衰しない反射光が孔を介して入光されるため、コード認識をよりし易くすることができる。さらに、拡散部材が湾曲状を呈していることで、読取部に均一な光が集光されるため、コード認識がより容易となる。
また、拡散部材は、入射瞳に対向する部位が光を拡散させることなく透過する部を有する構成とすることで、十分な拡散効果を得ると同時に撮像装置がひずみのない画像を撮像することを可能にしている。このような拡散部材は、例えば透明なシートに、入射瞳に対向する部位を除き、拡散材を塗布あるいは貼付して構成することもできる。
更に、拡散部材は偏肉となっており、孔に向かって厚さを徐々に薄くすれば、拡散部材の形状変化よって、より均一な拡散光を作ることができる。
更にその上、ハウジング内部に発光手段と拡散部材が設けられ、開口を有した照明ユニットを備え、読取部をハウジングから脱着自在として、拡散部材を開口から照明ユニット内部に収納自在とすれば、発光手段と拡散部材を備えた照明ユニットがハウジング内部に配設される場合、読取部をハウジングから外して、開口から拡散部材を照明ユニット内部へと収納することができ、開口から拡散部材の取り替えができる構成となる。
照明ユニットの内面を、前記発光手段からの光を反射させる鏡面または明彩色とすれば、照明ユニットの鏡面または明彩色と成る内面にて、効率良く発光手段からの光を反射させることができる。
拡散部材は、拡散シートと、拡散シートの周囲を保護する保護フレームとを有したので、拡散部材は保護フレームを介して照明ユニット内への拡散部材の取り付けができる構成となる。
また、拡散シートを、保護フレームの中に装着自在としたので、拡散シートのみの交換ができる。この場合、拡散シートの透過率を変化させたい場合には、所定の透過率を有する拡散シートに交換することができる。
保護フレームには、リップが形成されると、リップにより拡散部材の照明ユニットからの取り出し、または、収納ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるコードリーダの形状を示す外形図である。
【図2】図1に示すコードリーダの断面図(xy平面の右断面図)である。
【図3】図1に示すコードリーダの断面図(xy平面の左断面図)である。
【図4】図1に示すフード部のxz平面の断面図である。
【図5】図1に示すコードリーダから背面のハウジングを外した状態の内部構成を示す配置図である。
【図6】図5からメイン基板と光学基板を外した状態での内部構成を示す配置図である。
【図7】図1に示すコードリーダのハウジングの背面図である。
【図8】図1に示すコードリーダの内部に配設する照明ユニットの構成を示す側面図である。
【図9】図8に示す照明ユニットの内部構成を示すxy平面の断面図である。
【図10】図2に示すコードリーダで固有コードの読み取りを行う場合の読み取り範囲を説明するための説明図である。
【図11】図10に示す物体に設けられた2次元コードの形状を示す上視図である。
【図12】図4に示す照明ユニットから被読み取り面に対して光が照射される場合での光の広がりを示す模式図である。
【図13】図12に示す拡散シートの形状を示す斜視図である。
【図14】図13に示す拡散シートの変形例である。
【符号の説明】
1 コードリーダ(コード読取装置)
2,3 ハウジング
2a フード部
7 読取部
8b 孔(入射瞳)
10 2次元コード(固有コード)
18 照明用光源(発光手段)
27 拡散部材
28 シートフレーム(拡散部材)
28a 挿入口
28b 端部
29 拡散シート(拡散部材)
29a 孔
30 物体
50 拡散シート(拡散部材)
50a 透過部
50b 拡散部
94 マーカー用光源
95 CCDカメラ(撮像手段)
本発明は、物体に設けられた固有コード(物体に固有な情報を示す一次元コード、二次元コード、多次元コード等)に対して光を照射し、照射した光が固有コードに当たって反射し、その反射による反射波によって、固有コードに示される情報を読み取るコード読取装置に関するものであり、特に、そのコード読取装置の内部構造に係わる。
【従来の技術】
従来、特定の物体(例えば、これを製品とする)の管理を行う際、個別の製品を識別するために、製品に固有コード(例えば、製品固有の情報を示す一次元、二次元、多次元と言ったコード)が設けられている。その特定の製品に設けられた固有コード(単に、コードと称す)を、読取装置(コードリーダ)によって読み取り、製品全体の管理が行われる。
例えば、特開2001−160115号公報に開示されるコードリーダでは、コードリーダの本体の上方部にレンズ及びセンサを配設し、下方部に読取部を設け、読取部の内周面に複数の光源を対向配置させている。
【発明が解決しようとする課題】
上記した公報に示されるコードリーダでは、光源を読取部の内周面に複数個配置することによって、コードが設けられる被読み取り面に対して、光源からの光を照射することはできる。
しかしながら、このコードリーダでは、複数の光源を互いに対向して配設しているため、センサに反射光を入光させるレンズの周囲は明るくなるが、光源からの光の照射角度の広がりを利用して、被読み取り面への照明を行っている。それ故に、コードが設けられる被読み取り面に対しては、読取部と被読み取り面との距離が長くなればなる程、光源からの光が被読み取り面まで到達しなくなる。その結果、対向配置された光源からの光によって、被読み取り面を明るくする構造としては効率の良い照射ではなく、この構造では被読み取り面が暗くなり、コードの認識が難しくなってしまう。
また、このコードリーダでは、光源から発せられた光は、被読み取り面に対して均一化された光を照射することができず、明暗のむらが生じてコード読み取りに影響を与えるものとなる。
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、コードが設けられる被読み取り面を明るく照らせる構成とすること、均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とすること、を技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた技術的手段は、物体に設けられた固有コードを読み取る読取部を有したハウジングと、該ハウジング内に配設された発光手段と、前記ハウジング内に配設され、前記固有コードを撮像する撮像手段とを備え、前記発光手段から光を前記固有コードが設けられる被読取り面に対して照射し、前記固有コードによって反射した反射光を、前記ハウジング内に設けられた入射瞳を介して前記撮像手段に入射させ、前記撮像手段により前記固有コードの情報を読み取るコード読取装置において、
前記発光手段からの光を、透過させることにより拡散させ、拡散された光を前記被読取り面に対して照射させる拡散部材を備え、前記入射瞳に対して両側に前記発光手段を対向させ、前記発光手段と前記読取部との間に、前記拡散部材を配設したことである。
上記した手段によれば、発光手段から発せられた光を拡散部材への透過によって拡散させ、拡散された光を被読取り面に対して照射させる構成となるが、発光手段が対向配置されていても、拡散部材により発光手段からの光を屈折させて、拡散光を被読み取り面に照射することが可能となる。発光手段から発せられた光は拡散部材を通過する際に屈折を伴う。この拡散部材を通過する際の屈折により、被読み取り面への照射角度が広くなる。また、被読み取り面では発光手段から発せられた光が拡散部材を透過すると散乱光となり、この散乱光によって被読み取り面は明るくなる。このため、固有コードに当たって反射する反射光の輝度が従来に比べて向上するので、コード認識がし易くなる。さらに、拡散部材は、拡散部材と発光手段との最短距離Laに比べて、拡散部材と入射瞳との最短距離Lbを、短くした状態でハウジング内に配設されると、発光手段からの光の強度が強い位置では拡散部材までの距離を長く、発光手段からの光の強度が弱い位置では、拡散部材までの距離を短くすることによって、拡散部材を透過した光により、均一な拡散光が作られ、均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とすることが可能となる。
この場合、拡散部材は、反射光が入射瞳に入光する孔を有し、湾曲状を呈すれば、固有コードに当たって反射した反射光は、拡散部材の孔より入光される。このため、入射瞳には反射光の輝度が減衰しない反射光が孔を介して入光されるため、コード認識がよりし易くなる。また、拡散部材を湾曲状とすることにより、読取部に均一な光を集光させることが可能となり、コード認識がより容易となる。
また、拡散部材は、少なくとも入射瞳に対向する部位では光が透過する際に、光を直線透過させることにより、光が拡散部材透過時には入射瞳に対向する部位では反射光が直線透過して、ひずみのない画像を撮像手段により撮像することが可能である。この様な拡散部材は、例えば、透明なガラス、プラスチック、樹脂等から成るシート状の部材に、少なくとも入射瞳に対向する部位を除いて、拡散材、例えば、ビーズコート層等を塗布あるいは貼付することにより実現することが可能である。また、中央に孔を有する拡散部材に対して、孔に透明な部材、例えば、透明なガラス、プラスチック、樹脂等を充填しても良い。
更に、拡散部材は偏肉となっており、孔に向かって厚さを徐々に薄くすれば、拡散部材の形状変化よって、より均一な拡散光が作られる。
更にその上、ハウジング内部に発光手段と拡散部材が設けられ、開口を有した照明ユニットを備え、読取部をハウジングから脱着自在として、拡散部材を開口から照明ユニット内部に収納自在とすれば、発光手段と拡散部材を備えた照明ユニットがハウジング内部に配設される場合、読取部をハウジングから外して、開口から拡散部材を照明ユニット内部へと収納することが可能となり、開口から拡散部材の取り替えが行える。
照明ユニットの内面を、前記発光手段からの光を反射させる鏡面または明彩色とすれば、照明ユニットの鏡面または明彩色と成る内面にて、効率良く発光手段からの光が反射する。
拡散部材は、拡散シートと、拡散シートの周囲を保護する保護フレームとを有したので、拡散部材は保護フレームを介して照明ユニット内への取り付けが行える。
また、拡散シートを、保護フレームの中に装着自在としたので、拡散シートのみの交換が可能である。例えば、拡散シートの透過率を変化させたい場合に、所定の透過率を有する拡散シートの交換が可能である。
保護フレームには、リップが形成されると、リップにより拡散部材の照明ユニットからの取り出し、または、収納が可能となる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるコード読取装置(以下、コードリーダと称す)1について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施形態においては、コードリーダ1は、例えば、金属、ゴム、セラミック、樹脂等から成る複数ある物体30の中から、ある物体30を特定するために、物体側に固有のコード(例えば、一次元コード、二次元コード、多次元コードと言ったコード)を直接的または間接的に設け、このコード10からコード10に示される物体固有の情報を読み取る装置を示す。本実施形態においては、一例として二次元コード(単に、コードと称す)を読み取る装置として以下に説明するが、二次元コードのみに限定されるものではなく、例えば、一次元コード(例えば、バーコード)や多次元コードが印された部材、あるいは、これらのコードが示された特定部位に、コードリーダ1から光を照射して、照射した光がコード10に当たって反射した反射波により、コード(正確にはコードで示された情報)を読む装置に適用が可能である。尚、本実施形態において、後述するレンズ群91及びCCDカメラ95のCCD素子に垂直な光軸xの方向をx軸とし、x軸に垂直な方向をy軸、x軸およびy軸に垂直な方向をz軸と定義する。また、図1に示すコードリーダ1の上方をリーダ上部、その下方をリーダ下部、右側を背面と定義して、以下に説明を行う。
図1はコードリーダ1の外形形状を示し、図2はコードリーダ1を握って背面側から見た場合(xy平面)での右断面図であり、図3はその左断面図である。
図1に示すコードリーダ1は、樹脂(例えば、ABS樹脂、ウレタン樹脂等)より成る2つのハウジング2,3により構成される。ハウジング2は背面に開口が形成され、その開口が凹部形状のハウジング3により覆われる。ハウジング2のリーダ上部にはx方向に突出した略四角形状のフード部2aが一体で形成されている。また、ハウジング2のフード部2aからは、図1に示すy軸から鋭角方向に少し斜いた方向に延在するグリソプ部2bが形成されている。ハウジング2,3は互いに形成された開口を塞ぐ様に組み合わされ、ビス等の締結部材によって固定されている。
コードリーダ1には、フード部2aとグリップ部2bとの間にz軸を中心として回動操作が可能な操作レバー31が設けられる。操作レバー31はハウジング2のフード部2aとグリップ部2bとの間に、回動自在に取り付けられ、ユーザが操作レバー31を操作することによって、ロードリーダ1を起動させ、物体30に設けられたコード10を読み取る事ができる。
コードリーダ1のハウジング2,3とが固定される場合、両ハウジング2,3との間には、両ハウジング2,3の開口形状に一致したゴム、エラストマー等の材質から成る滑り止め部材4が配設される。この滑り止め部材4は、ハウジング2,3の合わさる開口端部の形状に沿って、ハウジング2,3に嵌着される。この滑り止め部材4により、ユーザはグリップ部2bを握ってコードリーダ1を操作し、コード10の読み込み操作を行う場合に、滑り止め部材4はグリップ部2bからの手の滑りを防止する機能を有する。
次に、図2を参照して、コードリーダ1の内部構造および各部品要素のハウジング内での配置について説明する。ハウジング2のフード部2aはx方向において開口し、フード部2aには光学的に読み取り深度を調整するための調整部材12が開口端に嵌められている。調整部材12はフード部2aの開口端と同じ形状、且つ、ハウジング2と同じ材質から成り立っている。この調整部材12の先端には、赤外線あるいは紫外線等をカットする光学フィルタ機能を有する光透過板(例えば、光学フィルタとしての加工を施した、透明または半透明ガラスやプラスチック等)を内部に備えたフードカバー(キャップ)5が設けられている。フードカバー5はゴム、エラストマー等から成り立っており、フード部2aの開口と同じ調整部材12の開口の形状に沿って、フード部2aに設けられた調整部材12の一端に嵌着されている。
フードカバー5には、コードリーダ1によりコード10の読み取りを行う場合に、コード10と読み取り面7との間でy方向およびz方向の位置合わせを容易とするため、略四角形状であるフードカバー5のy方向およびz方向における中央に三角形状を呈する位置決め部5aが4ヵ所に、フードカバー5に一体で形成されている。このフードカバー5により塞がれた面が、コード10を読み取る場合に読取部7となり、その先がコード10を読み取る場合の被読み取り面32となる。また、フード部2aの内部には、被読み取り面に対して照明を行う照明ユニット8が配設される。
照明ユニット8は、読取部7の側に開口8eを有する直方体形状の有底箱型を呈し、樹脂より成り立っている。この照明ユニット8は、z方向におけるx方向の背面内壁の両側に、有色(例えば、赤色)の光を発して、被読み取り面32を照明するための照明用光源18がそれぞれ配設されている。照明ユニットの内壁は、照明用光源18から発せられた光を内部反射し易くするために、明彩色(例えば、白色等の明るい色)で塗装または明彩色の樹脂にて成形されている。この場合、照明ユニット8の内壁は明彩色で塗装されていなくても、鏡面状となっている、若しくは、鏡面仕上げが施されていても良い。また、照明ユニット8の内部の照明用光源18と読取部7との間には、照明用光源18から発せられた光を通過時に拡散させ、被読み取り面32へと効率良く拡散された光(拡散光)を照射するために、拡散部材27が配設される。
拡散部材27は、図13に示す如く、拡散部材27は湾曲形状を呈し、中央にはコード10に当たって反射した反射光を、CCDカメラ95に入光させる孔29aが形成されている。拡散部材27は、実際に入射した光を拡散させる拡散シート29と、拡散シート29を照明ユニット内の所定位置に嵌め込まれて取り付けられるシートフレーム(保護フレーム)28を備える。拡散シート29は、厚さが数mm(例えば、0.1〜0.2mm程度、好ましくは、0.15mm)の白色の半透明なポリエステルまたはポリカーボネートから成る、透過率が、75〜85%程度のものを用いている。一方、シートフレーム28は、拡散シート29を衝撃力が作用した場合に保護するため枠形状を呈し、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン系、エラストマーのいずれかの材質から成り立っている。
このシートフレーム28は、弾性変形が可能であり、拡散シート29を挟み込むことが可能である。具体的に、シートフレーム28の一方向(図13では上方)には、拡散シート29を内部に挟み込んで、拡散シート29を内部収納するための挿入口28aが形成され、挿入口28aから拡散シート29を差し込み、図13に示す如く、シートフレーム28により拡散シート29を周囲で支持した状態で照明ユニット内に配設することが可能である。また、拡散シート29は両側と中央にて膜厚を徐々に変化させたり、経年変化により劣化または破損した場合には、シートフレーム28から引き出して取り除く事ができ、シートフレーム28からの拡散シート29の取り替えが行える。更に、拡散部材27の照明ユニット8の開口8eからの取り替えを容易とするために、シートフレーム28の両端部28bのy方向における端部両側には、内側へと突出するリブ28cがシートフレーム28に一体で形成されている。
上記した構成の拡散部材27を、照明ユニット8の内部に配設することによって、照明ユニット8の内部で拡散部材27により拡散光を作っている。この場合、拡散光は図12に示す点線内の領域にて均一に作られ、被読み取り面32に対して拡散光を照射させることによって、被読み取り面32の照明を行う様にしている。
照明ユニット8の底部8aには孔8bが形成されている。孔8bは、拡散シート29に形成された孔29aに対向して設けられ、CCDカメラ95のCCD素子に対して、反射光を利用して像を結像させる場合に光を制限する入射瞳としての機能を有する。また、中央に形成された孔8bのz方向における両側には、有色(例えば、赤色等)の光を発するマーカー用光源(マーカー用LED)94からの光が被読み取り面32に対して通過させる長方形状のスリット孔8cが底部8aにそれぞれ形成されている。この場合、照明用光源18と拡散部材27の拡散シート29までの最短距離La、入射瞳の機能を有する孔8bと拡散シート29までの最短距離Lbの関係は、La>Lbとなり、底部中央の孔8bの位置から、スリット孔の形成された方向、つまり、孔8bからz方向の両側に行くに従い、徐々に増加する。尚、これら2つの最短距離La,Lbは、実際にはx方向における距離と一致する。
底部8aの奥には、中央に複数のレンズを内部に備えるレンズ群(複数のレンズの光軸は全て一致)91を備えた光学ユニット9が配設される。光学ユニット9は照明ユニット8の背面にビス等の締結部材により、照明ユニット8が固定される。光学ユニット9は樹脂より成る立方体形状を呈し、x方向においてレンズ群91が配設されるレンズ孔92が形成されていると共に、レンズ孔92の両側にそれぞれ2つのマーカー用光源94が配設される光源孔93が、光学ユニット9に形成されている。光学ユニット9のレンズ孔92には複数のレンズ(凹レンズ、凸レンズ)を有するレンズ群91が配設されると共に、2つの光学孔93にはマーカー用光源94の本体が挿入され、配設されている。この場合、レンズ群91とCCDカメラ95との光軸xは一致する。
光学ユニット9の背面は、図4に示す様に、凹部形状となっており、この凹部にCCD素子を内部に有するCCDカメラ95を表面実装した光学基板11が、光学基板11の背面からビス等の締結部材により固定される。この光学基板11には、CCDカメラ95の他、コード読み取り時に読み取り位置を示す光を2ヶ所にて発するマーカー用光源94が取り付けられる。また、光学基板11には、チップ状のトランジスタ、抵抗やコンデンサ等の電子部品が実装され、CCDカメラ95の駆動および検出回路、更にはマーカー用光源94を駆動するドライバ回路が構成される。光学基板11は、マーカー用光源94を発光させると共に、CCDカメラ95を駆動してCCD素子に結像された像からコード読み取りに係わる検出信号を出力する。光学基板11にはメイン基板21と電気的接続を成すハーネスが接続され、光学基板11からのコード読み取りに係わる検出信号は、メイン基板21に伝達されると共に、メイン基板21からの信号によって、マーカー用光源94およびCCDカメラ95を駆動することができる。
メイン基板21は、図5に示す如く、ハウジング2の最背面に配設されて、リーダ1のコード読み取り制御を行うものであり、最裏面側に圧電ブザー22と読み取り完了を視覚的に示す読み取り確認用光源(緑色の確認用LED)24が実装され、半田付けによりメイン基板21に固定されると共に、その反対面に接触スイッチ23がメイン基板21に半田付けにより固定されている。また、メイン基板21には、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等のチップ状の電子部品が両面に実装されて、光学基板11からのCCD素子による検出信号をデコードするデコード回路を備えていると共に、圧電ブザー22を駆動する駆動回路、および、読み取り確認用光源24を駆動する駆動回路とを備える。更に、メイン基板21の光学基板側の表面にはコードリーダ1のコード読み取り制御を実施する図示しないCPUと、コード読み取りに係わる必要情報を一時的に記憶するメモリが実装される。メイン基板21は、対向配置される光学基板11とフラットケーブルにより電気的に接続され、メイン基板21において、CCDカメラ95によって読み取ったコードをデコード回路によってデコードし、デコードされた信号は、図2に示す様に、グリップ部2bの中に配設されるインターフェース基板25へと伝達される。
また、照明ユニット8の内部に配設される照明用光源18を駆動する信号は、図3に示す様に、グリップ部2bに配設される照明用光源駆動基板17により駆動される。この場合、照明用光源駆動基板17はメイン基板21からの指示によって駆動される。
上記したメイン基板21、光学基板11、光学ユニット9、および、照明ユニット8は、図8に示す様に、樹脂より成るホルダ20により一体化された状態となっている。このホルダ20はハウジング2の背面より所定位置に取り付けられ、ハウジング2に対してビス等の締結部材により、4ヵ所にて固定される。ホルダ20は、図8の如くy方向に延在し、リーダ上部となるホルダ20の端部には、長方形の係止孔がホルダ20に一体で形成されている。係止孔に照明ユニット8のリーダ上部に形成されたL字状の爪部8dが係止され、所定位置に位置決めされる。そして、照明ユニット8の背面がホルダ20に当接させて固定できる様、照明ユニット上端の爪部8dとは反対側において、ホルダ20にL字状の取付部20aが一体に形成されている。この取付部20aにビス等の締結部材をホルダ20の背面側から取り付けることにより、光学ユニット9を背面に取り付けた照明ユニット8が、ホルダ20のリーダ上部側(図8においては、下側)に固定される。
また、ホルダ20のリーダ下部側(図8においては、上側)の端部には、ホルダ19の一端がビス等の締結部材により2ヶ所で固定される。一方、ホルダ19の他端には、照明用光源18を駆動する、抵抗やトランジスタ等の電子部品が実装されたドライバ回路を備えた照明用光源駆動基板17がビス等の締結部材によって、図8の如くy方向において2ヶ所で固定された後、図3に示す様に、コードリーダ1のグリップ部2bの内部空間において挟み込まれた状態で、ハウジング2に対して固定される。照明用光源駆動基板17には、y方向の両端に2つのコネクタ17a,17bをそれぞれ備える。この中で、コネクタ17aにはメイン基板20と図示しないハーネスを介して接続を成す外部コネクタが接続される。これにより、メイン基板21から、照明用光源18を駆動させる光源駆動信号を出力し、その信号に基づき、照明用光源18を読み取り操作時に点灯または必要に応じて点滅させて、駆動させることができる。
次に、照明ユニット8の照明用光源18の構成について、図4および図9を参照して説明する。照明ユニット8は、図4に示す様に、拡散部材27が配設される空間に比べて、口径が狭くなった開口8eを有する。照明ユニット8は読取部7の背面に凹凸嵌合によりハウジング内で配設される。この照明ユニット8の背面位置であるz方向における両側に、図7に示す様、複数の照明用光源18(例えば、片側に6個)が備えついた照明用光源基板15が対向配置される。照明用光源18から発せられた光は、z方向においては中央の孔8bの位置で光がぶつかり合って、入射瞳の機能を有する孔8bを明るく照らす。このため、孔8bでは明るい状態となり、孔8bを介して反射光が入光され、CCD素子に取り入れられる。一方、x方向においては、拡散部材27が読取部7との間に配設されているので、所定の照射角度を有する照明用光源18からの光は、湾曲状となった拡散シート29を透過するが、この場合、拡散シート29により入射された光を拡散させ、照明ユニット内部で効率良く被読み取り面32を照らすための拡散光を作ることができる。
この場合、照明用光源18には、図8に示す如く、導電性のターミナル16が電気的に接続されている。このターミナル16は、照明ユニット8のz方向における側面に沿って配設される。更に、このターミナル16は、図示しないハーネスを介して、照明用光源駆動基板17の一方のコネクタ17bと電気的に接続される。これによって、メイン基板21から光源駆動信号を与えることによって、照明用光源18をコード読み取り操作時に、点灯または必要に応じて所定の周期で点滅させることができる。
一方、y方向に延在するホルダ20の途中には、x方向にスイッチ操作部20bが突出する。このスイッチ操作部20bは、ホルダ20に一体で形成されるがx方向への移動が自在となっている。スイッチ操作部20bは、図8に示す照明ユニット8がユニット化された状態(サブアッセンブリー状態)では、ホルダ20の背面にホルダ20に対向して取り付けられる。これによって、スイッチ操作部20bにより接触スイッチ23を押圧することができ、接触スイッチ23をオン/オフさせて、スイッチングの操作が行える。この場合、接触スイッチ23がオンの状態では、コードリーダ1によるコード10の読み込みが行える。一方、接触スイッチ23がオフの状態では、コードリーダ1によるコード10の読み込みを行わない。
次に、操作レバー31について説明する。ユーザがグリップ部2bを握り、指で操作レバー31を操作して、操作レバー31が操作されると、操作レバー31はフード部2aの根元近傍に位置する支点31bを中心として、図2において反時計方向に押圧されて回動するが、この場合、コードリーダ1には、操作レバー31を操作時に回動自在となる様、操作レバー31と対向するハウジング2の部位にはy方向に延在する面を有する凹部2cが形成されている。この凹部2cの一部にx方向に突出する突起2dが、ハウジング2に一体で形成されている。
一方、操作レバー31の背面にはスプリング13の一端が係止される凹部31aが形成され、操作レバー31に形成された凹部31aとハウジング2に形成された突起2dとの間にスプリング13が配設される。また、操作レバー31の支点31bとは反対側の端部には、y方向に延在するフランジ31cが操作レバー31に一体で形成されている。フランジ31cはハウジング2のグリップ部2bから、グリップ部2bの形状に沿って延在しており、凹部2cの一部を覆う規制部2fによって、操作レバー31の回動が規制される構成となっている。
これによって、操作レバー31は、スプリング13の付勢力に抗して押され、支点31bを中心として反時計方向に操作された場合には、操作レバー31の背面が規制部2fに当接するまで回動が成される。操作レバー31の背面にはスイッチ操作部20bが当接しており、操作レバー31の反時計方向の回動がなされると、スイッチ操作部20bが押圧される。その結果、スイッチ操作部20bの押圧によって接触スイッチ23がオン状態と成り、そのスイッチ信号がメイン基板21のCPUに入力される構成となっている。
一方、操作レバー31を操作後、操作レバー31に押圧力を付与しない状態となった場合には、スプリング13の付勢力によって、操作レバー31は支点31bを中心として図2に示す時計方向に回動する。そして、操作レバー31のフランジ31cがハウジング2の規制部2fに当接し、操作レバー31はこれ以上の時計方向への回動が規制され、非操作状態となる。この様に、操作レバー31の反時計方向の回動が解除されると、スイッチ操作部20bによる接触スイッチ23の押圧が解除される。その結果、接触スイッチ23がオフ状態と成り、そのスイッチ信号がCPUに入力される。
次に、コードリーダ1の外部装置40との接続について説明する。コードリーダ1のグリップ部2bの内部には、光源駆動基板17と所定間隔だけ離間した状態で、光源駆動基板17に対向してインターフェース基板(I/F基板)25が、ハウジング2の裏面に形成されたスリットに嵌り、取り付けられている。このI/F基板25は、メイン基板21に図示しないフラットケーブルにより電気的に接続されており、リーダ下部の一端にコネクタ26が固定されていると共に、内部にコードリーダ1の複数の基板に対して一定の直流電源(例えば、5V)を供給する電源回路を備える。また、I/F回路25は、メイン基板21に対して、安定した所定電源(例えば、直流5V)を供給すると共に、コネクタ26に外部コネクタが接続された場合においては、コネクタ26を介して接続される図示しない外部装置(例えば、ディスプレィ表示による表示機能を備えたコード読取装置やコード解析装置等)40とコードリーダ1との間で、コード10の読み取りに関する信号のデータ授受を行うことが可能である。尚、上記した構成においては、例えば、外部装置40からコードリーダ1に対して、デコード回路によりデコードされたコード10の読み取り信号を出力したり、外部装置40に対して、読み取り信号を送ることができる。
次に、コードリーダ1の作動について、図10を参照して説明する。本実施形態に示すコードリーダ1は、図11の如く、2次元の固有情報を示すコード10が付与された物体30に対して、コード10あるいはコードが付与された物体30に、読取部である読み取り面7を直接接触させて読み込みを行う事も、被読取り面7から離して非接触により、コード10の読み込みを行う事も可能である。
これから、コード10の読み取り操作を行うユーザは、コードリーダ1のグリップ部2bを把持し、二次元のコード10に対してコード読取部となる読み取り面7が上方となる位置にリーダ1を構える。そして、この状態で、ユーザは操作レバー31をスプリング13の付勢力に抗して引くと、操作レバー31は図2に示す反時計方向に支点31bを中心として回動する。これに伴い、操作レバー31の背面にてスイッチ操作部20bが押圧され、スイッチ操作部20bはx方向に移動し、スイッチ操作部20bの背面に設けられた接触スイッチ23が、スイッチ操作部20bの移動により押されて、オン状態となる。接触スイッチ23がオン状態となると、その信号をメイン基板21内の図示しないCPUは、読み取り開始のトリガーと見なし、コード10により示される情報を読み取ることが可能となる。この状態になると、メイン基板21は同時に照明ユニット内の照明用光源18およびマーカー用光源94を駆動する光源駆動信号を照明用光源駆動基板17および光学基板11に出力する。この光源駆動信号により、照明ユニット8の対向配置された照明用光源18が同時に点灯または必要に応じて所定周期にて点滅し、その光が入射瞳となる中央の孔8bの位置でぶつかり合って、孔8bを明るく照らすと共に、所定の照射角度を有する光の一部が拡散シート29に入射される。拡散シート29に入射された光(所定の照射角度を有した赤色の光の一部または照明ユニット8の明彩色(または、鏡面)となった内面にて反射した光)は、図12に示す如く、透過率が75〜85%程の拡散シート2により効率良く拡散されて、コード10の読み取りを行う読取部7へと導かれ、コード10が設けられる被読み取り面32に照射される。
このため、読取部7から被読み取り面32に対しては、拡散部材27の拡散シート29を透過させることにより、高光量でない所定光量の拡散光が発生し、被読み取り面32を明るく照らす。この場合、同時にメイン基板21はCCDカメラ95の両側に配設されるマーカー用光源94も駆動する。マーカー用光源94から発せられた赤色の光は、照明ユニット8の背面の底部8aに形成された細長いスリット孔8cをそれぞれ通った後、拡散シート29を通って、被読み取り面に照射され、コード10が設けられる物体30に対して位置合わせに使用される。そして、マーカー用光源94からの光により、コード10に対するコードリーダ1の位置合わせが行われ、コード読み取りが可能な状態になると、コード10に当たった光はコード10の状態(例えば、明暗状態または凹凸状態)により反射し、拡散シート29の中央の孔29aを経て、入射瞳の機能を有する照明ユニット8の中央の孔8bに入光する。孔8bに入光した光は、その後、レンズ群91を経て、CCDカメラ95のCCD素子に結像され、検出される。CCDカメラ95のCCD素子により検出された信号は、その後、メイン基板21へと伝達される。メイン基板21では内部のデコード回路により反射光の強弱によって検出信号がデコードされ、デコードされた信号がI/F回路25に伝達される。更にその後、デコードされた信号は、I/F回路25に設けられたコネクタ26から外部装置40へと伝えられる。外部装置40では、CCDカメラ95により検出した信号を元にして、読み取った二次元のコード10を必要に応じて外部装置40のディスプレィ上に表示したり、そのコード10により示される情報を解析することによって、複数の物体30の管理が行える様になっている。
次に、上記した構成のコードリーダ1における光学的な見地からの読み取り距離について、図10を参照して説明する。
本実施形態では、光学基板11が光学ユニット9の背面に取り付けられるが、この光学基板11にはCCDカメラ95が固定されている。図10に示す構成ではCCDカメラ95と複数のレンズを内部に備え持つレンズ群91との光軸xは一致する。ここで、CCDカメラ95とそのカメラ焦点Pfとの距離をL0とし、カメラ焦点Pfから読み取り面7までの距離をL1とした場合、L1がこのCCDカメラ95のCCD素子に像が結像され、被読み取り面での読み取り対象物(ここでは、二次元コード)が認識できる最小認識距離となる様に、フード部2aと光学フィルタ機能を有する光透過板6を保持するフードカバー5との間に、調整部材12を介在させている。この為、読取部7にコード10を直接接触させた場合であっても、CCDカメラ95が認識可能な距離が最小認識距離L1となることから、コード読み取りが行える。つまり、操作に不慣れなユーザであっても、コード10にコードリーダ1の読取部7をコード10が設けられる被読み取り面32に接触させれば、容易にコード読み取りができる。この場合、本実施形態では更に上記の構成において、コードリーダ1のグリップ部2bの端部2gを若干x方向に突出させている。この構成によって、グリップ部2bの端部2gと読取部7の端部の両方を物体30あるいは物体30を載せた基台に接触させた状態で、コードリーダ1を把持することなく操作レバー31の操作だけで、コード10の読み取りを行うことができる。また、本実施形態においては、読み取り時に読取部7をコード10から浮かせて読み込み操作を行っても、照明ユニット8によって、CCDカメラ95に反射光を入光する手前で、拡散シート29により拡散光を作った状態下で、CCDカメラ95により撮像を行っている。このため、例えば、コード10が鏡面状の物体上に設けられていても、拡散シート29をCCDカメラ95と読取部7との間に配設することによって、拡散光により反射光の強度が所定レベルにまで飽和するので、CCD素子がサチレーションを起こすことなくコード10の読み取りが行える。
本実施形態に示すコードリーダ1の構成では、コード10からコードリーダ1を離して読み取りを行う場合、最小認識距離L1にてカメラ焦点との位置関係が設定されるので、CCD素子による認識範囲の一方の零点が設定されたことになる。これによって、認識可能領域L2を最大認識距離の位置まで最大限に広くとることができ、操作時にコード10を認識し易くすることができる。この場合、最小認識距離と最大認識距離との間(中間位置)に最適な焦点位置BPがくる構成となる。
また、本実施形態においては、コード10の正確な読み取り動作がコードリーダ1により行なわれた際には、ハウジング内部に設けられた圧電ブザー22をピィあるいはピッピィと鳴らすと共に、緑色の光を発する読み取り確認用光源24をメイン基板21により点灯させている。つまり、この様に、圧電ブザー22による音による聴覚的な報知や、確認用光源24の駆動による視覚的な報知を行うことにより、ユーザはコードリーダ1がコード10を正確に読み取った事を容易に認識する構成とすることができる。
本実施形態では、照明用光源18から発せられる光を拡散させるため、均一な膜厚を有するシート状の拡散シート29を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示す拡散シート29の肉厚を偏肉とし、端部28bから中央の孔29aに向かって拡散シート29の厚さを徐々に可変させる(例えば、薄くする)こともできる。この様な構成を取れば、拡散シート29の肉厚を変化させるだけで、光が拡散シート29を透過することによって、均一な拡散光を作ることができる。つまり、照明用光源18から拡散シート29までの距離が長くなる位置では拡散シート29の膜厚を、照明用光源18から拡散シート29までの距離が短くなる中央に比べて薄くする。これは、照明用光源18からの光の強度が強い部位に比べて、照明用光源18からの光の強度が弱くなった部位の膜厚を薄くすることにより、拡散シート29の膜厚を変化させるだけの簡単な構成によって、より均一な拡散光を作ることができる。
更に、本実施形態では、ハウジング2よりフードカバー5を備えた調整部材12が外れる構成としており、ハウジング2から調整部材12を外した場合には、ハウジング内部に配設された照明ユニット8の開口8eが露出する構成となっている。このため、照明ユニット内に、均一な拡散光を作る為に、図13に示す拡散部材27を配設する際には、シートフレーム29の挿入口29aより拡散シート29をシートフレーム内に形成されたガイド面に沿って挟み込み収納する。その後、シートフレーム28の両側の端部28bを内側に撓ませて、開口8eより照明ユニット8の内部空間に拡散部材27を入れ込むと、拡散部材27を照明ユニット内に配設することができる。
この場合、拡散部材27は照明ユニット内に入り過ぎない様に、照明ユニット8の内面の所定位置に形成された図示しないストッパにて位置決めされると良い。この様な構成により、コードリーダ1の読取部7を調整部材12と一緒にハウジング2のフード部2aから外して、開口8eから拡散部材27を照明ユニット内へと収納することができる。これによって、拡散シート29の透過率を所望な透過率に変化させたい場合、経時変化によって拡散シート29の交換が必要になった場合には、開口8eから拡散部材27の取り替えが行える構成とすることができる。
この場合、シートフレーム28の端部28bにリップ28cが設けられていると、拡散シート29の交換時に、ユーザはリップ28cをつまみ、開口8eを介して、拡散部材27を照明ユニット8の内部から、取り出し易くすることができる。よって、拡散部材27の交換が容易に行える構成となる。
更にその上、本実施形態においては、拡散部材27は湾曲状を呈するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、照明ユニット8の底部8aに対して平行で設けられても良い。拡散部材27を平行に設けると、固有コード10に当たった反射光が入光する孔29aに関して、拡散シート29の底部8aと孔29aとの最短距離(Lb)に応じて孔29aの孔径を設定(最短距離Lbと孔径は正比例)することができる。
上記した拡散部材27の構成は、図14に示す構成としても、同様な効果を奏することができる。つまり、少なくとも入射瞳8bに対向する部位が、光が透過する際に光を直線透過させる透過部50aとその周囲に光を拡散させる機能を有する拡散部50bにて拡散シート50を構成しても良い。これは、少なくとも入射瞳に対向する部位では光が拡散シート50を透過する際に、拡散シートに入射する光を直線透過させることにより、光が拡散部材透過時には入射瞳に対向する部位では反射光が直線透過して、ひずみのない画像をCCDカメラにて撮像することができる。この様な拡散部材は、例えば、透明なガラス、プラスチック、樹脂等から成るシート状の部材に、少なくとも入射瞳に対向する部位を除いて、拡散材、例えば、ビーズコート層等を塗布あるいは貼付することにより作ることができる。また、中央に孔を有する拡散部材に対して、孔に透明な部材、例えば、ガラス、プラスチック、樹脂等を充填して作っても良い。
【効果】
本発明によれば、発光手段が対向配置されていても、拡散部材により発光手段からの光を屈折させて、拡散光を被読み取り面に照射することができる。また、拡散部材を通過する際の光の屈折により、被読み取り面への照射角度を広くすることができ、この散乱光によって被読み取り面は明るくなる。固有コードに当たって反射する反射光の輝度は、従来に比べて向上するので、コード認識をし易くすることができる。さらに、拡散部材は、拡散部材と発光手段との最短距離Laに比べて、拡散部材と入射瞳との最短距離Lbを、短くした状態でハウジング内に配設されると、発光手段からの光の強度が強い位置では拡散部材までの距離を長く、発光手段からの光の強度が弱い位置では、拡散部材までの距離を短くすることによって、拡散部材を透過した光により、均一な拡散光を作ることができ、この均一な光を被読み取り面に対して照射し、コード認識を容易とすることができる。
この場合、拡散部材は、反射光が入射瞳に入光する孔を有し、湾曲状を呈すれば、固有コードに当たって反射した反射光は、拡散部材の孔より入光される。しかも、入射瞳には反射光の輝度が減衰しない反射光が孔を介して入光されるため、コード認識をよりし易くすることができる。さらに、拡散部材が湾曲状を呈していることで、読取部に均一な光が集光されるため、コード認識がより容易となる。
また、拡散部材は、入射瞳に対向する部位が光を拡散させることなく透過する部を有する構成とすることで、十分な拡散効果を得ると同時に撮像装置がひずみのない画像を撮像することを可能にしている。このような拡散部材は、例えば透明なシートに、入射瞳に対向する部位を除き、拡散材を塗布あるいは貼付して構成することもできる。
更に、拡散部材は偏肉となっており、孔に向かって厚さを徐々に薄くすれば、拡散部材の形状変化よって、より均一な拡散光を作ることができる。
更にその上、ハウジング内部に発光手段と拡散部材が設けられ、開口を有した照明ユニットを備え、読取部をハウジングから脱着自在として、拡散部材を開口から照明ユニット内部に収納自在とすれば、発光手段と拡散部材を備えた照明ユニットがハウジング内部に配設される場合、読取部をハウジングから外して、開口から拡散部材を照明ユニット内部へと収納することができ、開口から拡散部材の取り替えができる構成となる。
照明ユニットの内面を、前記発光手段からの光を反射させる鏡面または明彩色とすれば、照明ユニットの鏡面または明彩色と成る内面にて、効率良く発光手段からの光を反射させることができる。
拡散部材は、拡散シートと、拡散シートの周囲を保護する保護フレームとを有したので、拡散部材は保護フレームを介して照明ユニット内への拡散部材の取り付けができる構成となる。
また、拡散シートを、保護フレームの中に装着自在としたので、拡散シートのみの交換ができる。この場合、拡散シートの透過率を変化させたい場合には、所定の透過率を有する拡散シートに交換することができる。
保護フレームには、リップが形成されると、リップにより拡散部材の照明ユニットからの取り出し、または、収納ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるコードリーダの形状を示す外形図である。
【図2】図1に示すコードリーダの断面図(xy平面の右断面図)である。
【図3】図1に示すコードリーダの断面図(xy平面の左断面図)である。
【図4】図1に示すフード部のxz平面の断面図である。
【図5】図1に示すコードリーダから背面のハウジングを外した状態の内部構成を示す配置図である。
【図6】図5からメイン基板と光学基板を外した状態での内部構成を示す配置図である。
【図7】図1に示すコードリーダのハウジングの背面図である。
【図8】図1に示すコードリーダの内部に配設する照明ユニットの構成を示す側面図である。
【図9】図8に示す照明ユニットの内部構成を示すxy平面の断面図である。
【図10】図2に示すコードリーダで固有コードの読み取りを行う場合の読み取り範囲を説明するための説明図である。
【図11】図10に示す物体に設けられた2次元コードの形状を示す上視図である。
【図12】図4に示す照明ユニットから被読み取り面に対して光が照射される場合での光の広がりを示す模式図である。
【図13】図12に示す拡散シートの形状を示す斜視図である。
【図14】図13に示す拡散シートの変形例である。
【符号の説明】
1 コードリーダ(コード読取装置)
2,3 ハウジング
2a フード部
7 読取部
8b 孔(入射瞳)
10 2次元コード(固有コード)
18 照明用光源(発光手段)
27 拡散部材
28 シートフレーム(拡散部材)
28a 挿入口
28b 端部
29 拡散シート(拡散部材)
29a 孔
30 物体
50 拡散シート(拡散部材)
50a 透過部
50b 拡散部
94 マーカー用光源
95 CCDカメラ(撮像手段)
Claims (9)
- 物体に設けられた固有コードを読み取る読取部を有したハウジングと、
該ハウジング内に配設された発光手段と、
前記ハウジング内に配設され、前記固有コードを撮像する撮像手段とを備え、前記発光手段から光を前記固有コードが設けられる被読取り面に対して照射し、前記固有コードによって反射した反射光を、前記ハウジング内に設けられた入射瞳を介して前記撮像手段に入射させ、前記撮像手段により前記固有コードの情報を読み取るコード読取装置において、
前記発光手段からの光を、透過させることにより拡散させ、拡散された光を前記被読取り面に対して照射させる拡散部材を備え、前記入射瞳に対して両側に前記発光手段を対向させ、前記発光手段と前記読取部との間に、前記拡散部材を配設し、前記拡散部材は、前記拡散部材と前記発光手段との最短距離Laに比べて、前記拡散部材と前記入射瞳との最短距離Lbを短くした状態で、前記ハウジング内に配設されることを特徴とするコード読取装置。 - 前記拡散部材は、前記反射光が前記入射瞳に入光する孔を有し、湾曲状を呈することを特徴とする請求項1に記載のコード読取装置。
- 前記拡散部材は、少なくとも前記入射瞳に対向する部位では光が透過する際に、光を直線透過させること特徴とする請求項1に記載のコード読取装置。
- 前記拡散部材は偏肉となっており、前記孔に向かって厚さを徐々に薄くしたこと特徴とする請求項1に記載のコード読取装置。
- 前記ハウジング内部に前記発光手段と前記拡散部材が設けられ、開口を有した照明ユニットを備え、前記読取部を前記ハウジングから脱着自在として、前記拡散部材を前記開口から前記照明ユニット内部に収納自在としたことを特徴とする請求項1に記載のコード読取装置。
- 前記照明ユニットの内面を、前記発光手段からの光を反射させる明彩色としたことを特徴とする請求項5に記載のコード読取装置。
- 前記拡散部材は、拡散シートと、該拡散シートの周囲を保護する保護フレームとを有したことを特徴とする請求項1に記載のコード読取装置。
- 前記拡散シートを、前記保護フレームの中に装着自在としたことを特徴とする請求項7に記載のコード読取装置。
- 前記保護フレームには、リップが形成されることを特徴とする請求項5に記載のコード読取装置。
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